JP3838622B2 - ポリアミドエラストマー成形体及びその製造方法 - Google Patents

ポリアミドエラストマー成形体及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリアミドエラストマー成形体及びその製造方法に関し、詳細には弾性回復性に優れ、且つ、モノマーキャスト法で簡便に調製することができるポリアミドエラストマー成形体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリアミド樹脂成形体は、モノマーキャスト法により簡便に調製することができ、機械的強度に優れるため、スクリュー、ガイドローラーなどの機械的部品に多用されている。しかし、弾性回復性に乏しい、即ち塑性変形し易いという問題がある。また、硬いために、例えばガイドローラーに使用された場合、衝撃により発生される音が大きいという問題がある。
【0003】
ポリアミドに、ポリエーテル等からなるソフトセグメントを導入したポリアミドエラストマーが知られている。該エラストマーは、弾性回復性、および柔軟性に優れ、衝撃により発生される音も小さい。しかし、該エラストマーからの成形体は、モノマーキャスト法のように単一工程で得られるのではなく、一旦、該ポリアミドエラストマー重合体ペレットの調製工程を経た後に、射出成形等により調製される。また該成形体は、工業用シート、ホース、チューブ等の、比較的肉が薄いものが多く、肉厚の構造材、例えばガイドローラー等、にはほとんど使用されていない。反応射出成形法によれば、単一工程でポリアミドエラストマー成形体を調製することができるが、肉の厚いものを得ることは困難であり、得られた成形体の弾性回復性も満足の行くものではない。そこで、弾性回復性に優れ、且つ、モノマーキャスト法で簡便に肉厚成形体を調製することができるポリアミドエラストマーを提供すべく、本発明者は、特定の環状アミド、ポリエステルポリオール、および水酸基を有する化合物を反応させて得られるポリエステルアミド樹脂に基づく成形体を発明した(特願平2000−213743号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記成形体において、成形条件によっては未重合物が析出したり、気泡が発生する場合があることが見出された。そこで、本発明はこれらの問題を起こすことなく、弾性回復性に優れ、且つ、モノマーキャスト法で簡便に肉厚成形体を調製することができるポリアミドエラストマーを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は鋭意検討した結果、ポリエステルポリオールに代えて所定の分子量を有するポリエチレングリコールを所定量用いれば、上記課題を達成できることを見出した。
すなわち、本発明は下記のものである。
(a)環状アミド 96~84モル%、及び
(b)数平均分子量(Mn)が200以上600未満であるポリエチレングリコール 4〜16モル%、
モノマーキャスト法により反応させて得られるポリアミド樹脂からなり、下記方法に従い測定された弾性回復率が80%〜100%であることを特徴とするポリアミドエラストマー成形体
ポリアミド樹脂から、JIS K 6301に規定される2号形ダンベル状試験片を作成し、該試験片の中心から両端に向かってそれぞれ長さ10mmのところに標線を付し、該標線を付された試験片を、引張試験機にて試験片つかみ間距離7cm及び移動させる側の試験片つかみの移動速度500mm/分で20mm伸張し、直ちに同移動速度で試験片つかみを元の位置まで戻し、その時点での標線間距離L(mm)を測定し、次式、
【式3】
[20−(L−20)]/20 × 100
に従い弾性回復率を算出する。
また、本発明は、
(a)環状アミド 100重量部、
(b)数平均分子量(Mn)が200以上且つ1000未満であるポリエチレングリコール 5〜50重量部、及び
(c)エチレングリコール、 1,3 −プロピレングリコール、 1,2 −プロピレングリコール、 1,4 −ブタンジオール、 1,3 −ブタンジオール、 1,5 −ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、及びジエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物
を反応させて得られるポリアミド樹脂からなり、上述の方法に従い測定された弾性回復率が80%〜100%であることを特徴とするポリアミドエラストマー成形体、
にも関する。
さらに、本発明は、
(a)環状アミド 100重量部、
(b)数平均分子量(Mn)が1000〜4000であるポリエチレングリコール 10〜40重量部、及び
(c)エチレングリコール、 1,3 −プロピレングリコール、 1,2 −プロピレングリコール、 1,4 −ブタンジオール、 1,3 −ブタンジオール、 1,5 −ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、及びジエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物
を反応させて得られるポリアミド樹脂からなり、上述の方法に従い測定された弾性回復率が80%〜100%であることを特徴とするポリアミドエラストマー成形体、
にも関する。
化合物(c)を用いる場合には、下記式で定義される水酸基モル比、
【式4】
水酸基モル比=(c)の水酸基モル量/(b3)又は(b2)の水酸基モル量
が0.02〜1となる量で反応に付されることが好ましい。
好ましくは、上記各成形体の弾性回復率は90%〜100%である。
また、(a)環状アミドがε−カプロラクタムであることが好ましい。
化合物(c)が、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、またはトリメチロールエタンとトリメチロールプロパンの混合物であることが好ましい。
上記各反応は、モノマーキャスト法により行われることが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の成形体に使用される(a)環状アミドとしては、炭素数4〜12のω−ラクタム、γ−ブチロラクタム、ε−カプロラクタム、ω−エナントラクタム、ω−カプリロラクタム、ω−ラウロラクタム、又はこれら2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち、ε−カプロラクタムが好ましい。
【0007】
第一のポリアミドエラストマー成形体において、(b1)ポリエチレングリコールは、数平均分子量(Mn)が200以上600未満、好ましくは200〜400、より好ましくは200〜300である。前記下限値未満の分子量では、所望の弾性回復率を達成することが困難である。一方、該分子量が前記上限値以上であるとポリエチレングリコール同士の反応(自己架橋)がし難くなり、成形体の弾性回復率が悪くなる。また(b1)ポリエチレングリコールは(a)環状アミド96〜84モル%に対して4〜16モル%、好ましくは6〜14モル%、より好ましくは8〜12モル%で使用される。
【0008】
第二のポリアミドエラストマー成形体において、(b2)ポリエチレングリコールは、数平均分子量(Mn)が200以上1000未満、好ましくは200〜800、より好ましくは200〜600である。また、その配合量は、(a)環状アミド100重量部に対して5〜50重量部、好ましくは10〜40重量部、より好ましくは15〜30重量部である。
【0009】
第三のポリアミドエラストマー成形体において、(b3)ポリエチレングリコールは、数平均分子量(Mn)が1000以上4000以下、好ましくは1000〜3500、より好ましくは 1000〜2000である。また、その配合量は、(a)環状アミド100重量部に対して10〜40重量部、好ましくは15〜35重量部、より好ましくは20〜30重量部である。
【0010】
(b1)〜(b3)のポリエチレングリコールの量が前記各下限値未満では、得られる成形体の弾性回復率が小さい。一方、該量が前記各上限値を超えると成形性が悪く、得られる成形体の機械的強度及び弾性率が著しく低いものとなる場合がある。
【0011】
なお、(b1)〜(b3)のポリエチレングリコールの分子量は、水酸基価(無水酢酸/ピリジン法による)から求めた数平均分子量である。また、平均分子量が上記各範囲内のものであれば、異なる平均分子量を有する複数種類のポリエチレングリコールを組合わせて用いてもよい。
【0012】
上述のように、本発明では特定の分子量範囲のポリエチレングリコールを特定量用いることによって、未重合物及び気泡の発生なく、弾性回復率の優れたポリアミドエラストマー成形体を得ることを達成したものである。
【0013】
なお、ポリエチレングリコールの調製方法には制限はなく、例えばエチレンオキサイドをフリーデル−クラフツ型触媒、例えば三フッ化ホウ素、四塩化スズ、塩化亜鉛など、酸又はアルカリ触媒による開環重合で作ることができる。
【0014】
本発明第二及び第三のポリアミドエラストマー成形体では、分子量が200未満であり、且つ、分子内に2個以上の水酸基を有する化合物(c)が使用される。該化合物(c)としては、例えばエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、 1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ジエチレングリコール及びこれらの混合物を挙げることができる。好ましくは、3個以上の水酸基を有する化合物が使用され、特に好ましくはトリメチロールエタン及び/又はトリメチロールプロパンが使用される。
【0015】
化合物(c)は、下記式で定義される水酸基モル比が、
【式5】
水酸基モル比=(c)の水酸基モル量/(b3)又は(b2)の水酸基モル量
0.02〜1となる量で反応に付されることが好ましく、より好ましくは0.02〜0.5となる量で反応に付される。該比が前記下限値未満であると、柔軟性が不足し、一方、前記上限値を超えると、共重合反応が進行しない場合がある。
【0016】
本発明の成形体はいずれも優れた弾性回復率を有する。本発明において、該弾性回復率は、ポリアミド樹脂からJIS K 6301に規定される2号形ダンベル状試験片で厚さ3mmのものを作成し、該試験片の中央部から両端に向かってそれぞれ長さ10mmのところに標線を付し、該標線を付された試験片を、引張試験機にて試験片つかみ間距離7cm及び移動させる側の試験片つかみの移動速度500mm/分で20mm伸張し、直ちに同移動速度で試験片つかみを元の位置まで戻し、その時点での標線間距離L(mm)を測定し、次式
【式6】
[20−(L−20)]/20 × 100
に従い、算出することによって求められる。
本発明の成形体は弾性回復率が80〜100%、好ましくは90〜100%である。
【0017】
さらに、本発明の成形体は、いずれも柔軟性にも優れる。本発明において、柔軟性は、JIS K7215に準拠して測定されるデュロメータ硬さ試験タイプDにより評価され、本発明の成形体は、タイプDの1秒以内の最大値が好ましくは30〜75である。また柔軟性を有することから、本発明の成形体は消音性能にも優れると考えられる。消音性能は、例えば20cm×20cm×3cmの本発明の成形体を3cm厚さの発泡ポリスチレン製板の上に置き、該成形体の上表面中心部から高さ40cmの位置より225.7gの鋼球を自然落下させ、該成形体中心部から水平方向に40cmの位置に設置した騒音計を用いて音圧レベルを測定し、該音圧レベルから、音の大きさ(ラウドネス)を求めることにより評価することができる。
【0018】
本発明の成形体は、いずれも常法のアニオン重合により調製することができる。好ましくは、本発明の成形体はモノマーキャスト法により、一段階で調製される。
【0019】
アニオン重合における重合触媒および重合助触媒は、通常用いられているものでよい。重合触媒としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびこれら金属の水素化物、酸化物、水酸化物、炭酸塩、アルキル化物、アルコキシドやグリニャール化合物、及びこれらとωーラクタムとの反応生成物等が挙げられ、より具体的にはリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、メチルナトリウム、エチルナトリウム、メチルカリウム、エチルカリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート、カリウムエチラート、メチルマグネシウムブロマイド、エチルマグネシウムブロマイド等が挙げられる。これらの重合触媒は単独でまたは二種以上の混合物として用いることができる。その添加量は、通常、(a)環状アミドと(b1)〜(b3)各ポリエチレングリコールとの合計重量に対して約4×10-3〜3重量%である。
【0020】
重合助触媒、または反応開始剤としては、イソシアネート類、アシルラクタム類、カルバミドラクタム類、イソシアヌレート誘導体、酸ハライド類、尿素誘導体等を挙げることができ、より具体的にはn−ブチルイソシアネート、フェニルイソシアネート、オクチルイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、m-キシレンジイソシアネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、N-アセチル-ε-カプロラクタム、1,6-ヘキサメチレンビスカルバミドカプロラクタム、トリアリルイソシアヌレート、テレフタロイルクロリド、1,3-ジフェニル尿素およびこれらの混合物が挙げられる。好ましくは、イソホロンジイソシアネートが使用される。
【0021】
該助触媒または反応開始剤の添加量は、(a)環状アミドと(b1)〜(b3)各ポリエチレングリコールとの合計重量に対して約1〜15重量%である。好ましくは、ポリエチレングリコールと等モル以上用いられる。
【0022】
なお、本発明の成形体には、本発明の目的を妨げない範囲で、他のモノマー、例えばジカルボン酸、ジアミン、ジオール、アミノ酸、またはこれらの誘導体を加えても良い。さらに、本発明の目的を妨げない範囲で、顔料、染料、補強剤、抗菌剤、各種フィラー、などを配合してもよい。
【0023】
本発明の成形体は、自動倉庫のガイドローラー、台車車輪、ボトルガイド、鋼板搬送用のロール、船舶の緩衝材などに使用することができる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明する。
下記の測定方法を用いた。
(1)弾性回復率
モノマーキャスト法で成形した板材から、JIS K6301号に規定される2号形ダンベル状に切削加工した。測定は、23℃±1.5℃にて、(株)インテスコ製、精密万能材料試験機 225型を用いて、既に述べた方法に従い行なった。
(2)デュロメータ硬さタイプD硬度
デュロメーターを用いて、JISK−7215に準拠して測定した。
(3)引張強度および破断時伸び
JISK−6301に準拠して、厚さ3mmの2号形ダンベル状試験片を用いて測定した。
【0025】
実施例1
1リットルフラスコに500gの無水ε-カプロラクタムと、ポリエチレングリコール(三洋化成工業(株)製、Mn200)を105g(7.8モル%)採り、130〜140℃の温度に加熱し、これにイソホロンジイソシアネート(IPDI)121gを添加混合した。一方、500ミリリットルフラスコに、無水のε-カプロラクタム200gを採り、これに重合触媒の水素化ナトリウム(油性63%)0.8gを加え130〜140℃に加熱した。次いで、これら2液を混合して、140℃に予熱された200mm×200mm×30mmの成形金型内に注入し、30分間重合させてから成形品を取り出した。得られた成形品から調製した試料を用いて各評価を行い、以下の結果を得た。
弾性回復率 : 85%
デュロメータタイプD硬度:HDD 73
引張強度:40 Mpa
破断時伸び:200%
【0026】
実施例2
1リットルフラスコに300gの無水ε-カプロラクタムを採り、数平均分子量が300のポリエチレングリコールを13.1モル%、及びIPDIを148gそれぞれ使用したことを除き、実施例1を繰り返した。
弾性回復率 : 95%
デュロメータタイプD硬度:HDD 59
【0027】
実施例3
1リットルフラスコに300gの無水ε-カプロラクタムを採り、数平均分子量が400のポリエチレングリコールを12.4モル%、及びIPDIを139gそれぞれ使用したことを除き、実施例1を繰り返した。
弾性回復率 : 97.5%
デュロメータタイプD硬度:HDD 50
【0028】
実施例4
数平均分子量が600のポリエチレングリコールを4.5モル%、及びIPDIを62gそれぞれ使用したことを除き、実施例1を繰り返した。
弾性回復率 : 80%
デュロメータタイプD硬度:HDD 68
【0029】
実施例5
1リットルフラスコに150gの無水ε-カプロラクタムを採り、数平均分子量が600のポリエチレングリコールを15.9モル%、及びIPDIを130gそれぞれ使用したことを除き、実施例1を繰り返した。
弾性回復率 : 97.5%
デュロメータタイプD硬度:HDD 40
【0030】
実施例6
1リットルフラスコに無水のε-カプロラクタム500gとポリエチレングリコール(三洋化成工業(株)製、Mn200)105g(15重量部)及びトリメチロールプロパン1gを採り、130〜140℃の温度に加熱し、これにイソホロンジイソシアネート127gを添加混合した。トリメチロールプロパンとポリエチレングリコールの水酸基モル量比は0.021であった。一方、500ミリリットルフラスコに、無水のε-カプロラクタム200gを採り、これに重合触媒の水素化ナトリウム(油性63%)1gを加え130〜140℃に加熱した。次いで、これら2液を混合して、140℃に予熱された200mm×200mm×30mmの成形金型内に注入し、30分間重合させてから成形品を取り出した。得られた成形品から調製した試料を用いて各評価を行い、以下の結果を得た。
弾性回復率 : 95%
デュロメータタイプD硬度: HDD 60
引張強度:36 Mpa
破断時伸び:800%
【0031】
実施例7
1リットルフラスコに400gの無水ε-カプロラクタムを採り、数平均分子量1000のポリエチレングリコールを20重量部、トリメチロールプロパンを1.3g、及びIPDIを30gそれぞれ使用したことを除き、実施例6を繰り返した。トリメチロールプロパンとポリエチレングリコールの水酸基モル量比は0.11であった。
弾性回復率 : 80%
デュロメータタイプD硬度:HDD 68
【0032】
実施例8
1リットルフラスコに400gの無水ε-カプロラクタムを採り、数平均分子量1450のポリエチレングリコールを30重量部、トリメチロールプロパンを2g、及びIPDIを33gそれぞれ使用したことを除き、実施例6を繰り返した。トリメチロールプロパンとポリエチレングリコールの水酸基モル量比は0.18であった。
弾性回復率 : 85%
デュロメータタイプD硬度:HDD 63
【0033】
実施例9
1リットルフラスコに400gの無水ε-カプロラクタムを採り、数平均分子量2000のポリエチレングリコールを30重量部、トリメチロールプロパンを2g、及びIPDIを25gそれぞれ使用したことを除き、実施例6を繰り返した。トリメチロールプロパンとポリエチレングリコールの水酸基モル量比は0.25であった。
弾性回復率 : 85%
デュロメータタイプD硬度:HDD63
【0034】
実施例 10
1リットルフラスコに450gの無水ε-カプロラクタムを採り、数平均分子量3300のポリエチレングリコールを20重量部、トリメチロールプロパンを2g、及びIPDIを14gそれぞれ使用したことを除き、実施例6を繰り返した。トリメチロールプロパンとポリエチレングリコールの水酸基モル量比は0.56であった。
弾性回復率 : 80%
デュロメータタイプD硬度:HDD 69
【0035】
比較例1
数平均分子量600のポリエチレングリコールを140g(3.6モル%)、IPDIを52g用いたことを除き、実施例1を繰り返した。
弾性回復率 : 72.5%
デュロメータタイプD硬度:HDD 73
引張強度:42 Mpa
破断時伸び:40%
【0036】
比較例2
1リットルフラスコに400gの無水ε-カプロラクタムを採り、数平均分子量1000のポリエチレングリコールを30重量部、IPDIを40gそれぞれ用い、及びトリメチロールプロパンを用いなかったことを除き、実施例6を繰り返した。
弾性回復率 : 65%
デュロメータタイプD硬度:HDD 72
【0037】
比較例3
1リットルフラスコに360gの無水ε-カプロラクタムを採り、数平均分子量1000のポリエチレングリコールを50重量部、IPDIを62gそれぞれ用い、及びトリメチロールプロパンを用いなかったことを除き、実施例6を繰り返した。得られた成形体は、不均一な構造であり、弾性回復率の測定時に破断した。
デュロメータタイプD硬度:HDD 67
【0038】
【発明の効果】
以上示したように、本発明のポリアミドエラストマー成形体は弾性回復性及び柔軟性に優れる。また、機械的強度も充分であるので、衝撃音の小さい機械的部品への応用が期待される。さらに、本発明のポリアミドエラストマー成形体は、モノマーキャスト法により簡便に調製することができる。

Claims (8)

  1. (a)環状アミド 96〜84モル%、及び
    (b)数平均分子量(Mn)が200以上600未満であるポリエチレングリコール 4〜16モル%、
    モノマーキャスト法により反応させて得られるポリアミド樹脂からなり、下記方法に従い測定された弾性回復率が80%〜100%であることを特徴とするポリアミドエラストマー成形体
    ポリアミド樹脂から、JIS K 6301に規定される2号形ダンベル状試験片を作成し、該試験片の中心から両端に向かってそれぞれ長さ10mmのところに標線を付し、該標線を付された試験片を、引張試験機にて試験片つかみ間距離7cm及び移動させる側の試験片つかみの移動速度500mm/分で20mm伸張し、直ちに同移動速度で該試験片つかみを元の位置まで戻し、その時点での標線間距離L(mm)を測定し、次式、
    【式1】
    [20−(L−20)]/20 × 100
    に従い弾性回復率を算出する。
  2. (a)環状アミド 100重量部、
    (b)数平均分子量(Mn)が200以上且つ1000未満であるポリエチレングリコール 5〜50重量部、及び
    (c)エチレングリコール、 1,3 −プロピレングリコール、 1,2 −プロピレングリコール、 1,4 −ブタンジオール、 1,3 −ブタンジオール、 1,5 −ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、及びジエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物
    を反応させて得られるポリアミド樹脂からなり、請求項1記載の方法に従い測定された弾性回復率が80%〜100%であることを特徴とするポリアミドエラストマー成形体。
  3. (a)環状アミド 100重量部、
    (b)数平均分子量(Mn)が1000〜4000であるポリエチレングリコール 10〜40重量部、及び
    (c)エチレングリコール、 1,3 −プロピレングリコール、 1,2 −プロピレングリコール、 1,4 −ブタンジオール、 1,3 −ブタンジオール、 1,5 −ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、及びジエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物
    を反応させて得られるポリアミド樹脂からなり、請求項1記載の方法に従い測定された弾性回復率が80%〜100%であることを特徴とするポリアミドエラストマー成形体。
  4. 化合物(c)が、下記式で定義される水酸基モル比、
    【式2】
    水酸基モル比=(c)の水酸基モル量/(b3)又は(b2)の水酸基モル量
    が0.02〜1となる量で反応に付されることを特徴とする請求項2又は3記載のポリアミドエラストマー成形体。
  5. 弾性回復率が90%〜100%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリアミドエラストマー成形体 。
  6. (a)環状アミドがε−カプロラクタムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリアミドエラストマー成形体。
  7. 化合物(c)が、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、またはトリメチロールエタンとトリメチロールプロパンの混合物であることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載のポリアミドエラストマー成形体。
  8. 反応が、モノマーキャスト法により行われることを特徴とする請求項〜7のいずれか1項に記載のポリアミドエラストマー成形体の製造方法。
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