JP2002302547A - ポリアミドエラストマー成形体及びその製造方法 - Google Patents

ポリアミドエラストマー成形体及びその製造方法

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JP2002302547A JP2001107521A JP2001107521A JP2002302547A JP 2002302547 A JP2002302547 A JP 2002302547A JP 2001107521 A JP2001107521 A JP 2001107521A JP 2001107521 A JP2001107521 A JP 2001107521A JP 2002302547 A JP2002302547 A JP 2002302547A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弾性回復性に優れ、且つ、モノマーキャス
ト法で簡便に肉厚成形をすることができるポリアミドエ
ラストマーを提供する。 【解決手段】(a)環状アミド 96〜84モル%、及び
(b1)数平均分子量(Mn)が200〜600であるポリエチ
レングリコール 4〜16モル%、を反応させて得られる
ポリアミド樹脂からなり、下記方法に従い測定された弾
性回復率が80%〜100%であることを特徴とするポリア
ミドエラストマー成形体JIS K 6301に規定される2号形
ダンベル状試験片を作成し、該試験片の中心から両端に
向かってそれぞれ長さ10mmのところに標線を付し、該標
線を付された試験片を、引張試験機にて試験片つかみ間
距離7cm及び移動させる側の試験片つかみの移動速度50
0mm/分で20mm伸張し、直ちに同移動速度で試験片つか
みを元の位置まで戻し、その時点での標線間距離L(m
m)を測定し、弾性回復率を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアミドエラス
トマー成形体及びその製造方法に関し、詳細には弾性回
復性に優れ、且つ、モノマーキャスト法で簡便に調製す
ることができるポリアミドエラストマー成形体及びその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド樹脂成形体は、モノマーキャ
スト法により簡便に調製することができ、機械的強度に
優れるため、スクリュー、ガイドローラーなどの機械的
部品に多用されている。しかし、弾性回復性に乏しい、
即ち塑性変形し易いという問題がある。また、硬いため
に、例えばガイドローラーに使用された場合、衝撃によ
り発生される音が大きいという問題がある。
【0003】ポリアミドに、ポリエーテル等からなるソ
フトセグメントを導入したポリアミドエラストマーが知
られている。該エラストマーは、弾性回復性、および柔
軟性に優れ、衝撃により発生される音も小さい。しか
し、該エラストマーからの成形体は、モノマーキャスト
法のように単一工程で得られるのではなく、一旦、該ポ
リアミドエラストマー重合体ペレットの調製工程を経た
後に、射出成形等により調製される。また該成形体は、
工業用シート、ホース、チューブ等の、比較的肉が薄い
ものが多く、肉厚の構造材、例えばガイドローラー等、
にはほとんど使用されていない。反応射出成形法によれ
ば、単一工程でポリアミドエラストマー成形体を調製す
ることができるが、肉の厚いものを得ることは困難であ
り、得られた成形体の弾性回復性も満足の行くものでは
ない。そこで、弾性回復性に優れ、且つ、モノマーキャ
スト法で簡便に肉厚成形体を調製することができるポリ
アミドエラストマーを提供すべく、本発明者は、特定の
環状アミド、ポリエステルポリオール、および水酸基を
有する化合物を反応させて得られるポリエステルアミド
樹脂に基づく成形体を発明した(特願平2000−213743
号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記成形体に
おいて、成形条件によっては未重合物が析出したり、気
泡が発生する場合があることが見出された。そこで、本
発明はこれらの問題を起こすことなく、弾性回復性に優
れ、且つ、モノマーキャスト法で簡便に肉厚成形体を調
製することができるポリアミドエラストマーを提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討した
結果、ポリエステルポリオールに代えて所定の分子量を
有するポリエチレングリコールを所定量用いれば、上記
課題を達成できることを見出した。すなわち、本発明は
下記のものである。 (a)環状アミド 96~84モル%、及び(b1)数平均分
子量(Mn)が200〜600であるポリエチレングリコール
4〜16モル%、を反応させて得られるポリアミド樹脂か
らなり、下記方法に従い測定された弾性回復率が80%〜
100%であることを特徴とするポリアミドエラストマー
成形体ポリアミド樹脂から、JIS K 6301に規定される2
号形ダンベル状試験片を作成し、該試験片の中心から両
端に向かってそれぞれ長さ10mmのところに標線を付し、
該標線を付された試験片を、引張試験機にて試験片つか
み間距離7cm及び移動させる側の試験片つかみの移動速
度500mm/分で20mm伸張し、直ちに同移動速度で試験片
つかみを元の位置まで戻し、その時点での標線間距離L
(mm)を測定し、次式、
【式3】[20−(L−20)]/20 × 100 に従い弾性回復率を算出する。また、本発明は、(a)
環状アミド 100重量部、(b2)数平均分子量(Mn)
が200以上且つ1000未満であるポリエチレングリコール
5〜50重量部、及び(c)分子量が200未満であり、且
つ、2個以上の水酸基を有する化合物、を反応させて得
られるポリアミド樹脂からなり、上述の方法に従い測定
された弾性回復率が80%〜100%であることを特徴とす
るポリアミドエラストマー成形体、にも関する。さら
に、本発明は、(a)環状アミド 100重量部、
(b3)数平均分子量(Mn)が1000〜4000であるポリエ
チレングリコール 10〜40重量部、及び(c)分子量が2
00未満であり、且つ、2個以上の水酸基を有する化合
物、を反応させて得られるポリアミド樹脂からなり、上
述の方法に従い測定された弾性回復率が80%〜100%で
あることを特徴とするポリアミドエラストマー成形体、
にも関する。化合物(c)を用いる場合には、下記式で
定義される水酸基モル比、
【式4】水酸基モル比=(c)の水酸基モル量/
(b3)又は(b2)の水酸基モル量 が0.02〜1となる量で反応に付されることが好ましい。
好ましくは、上記各成形体の弾性回復率は90%〜100%
である。また、(a)環状アミドがε−カプロラクタム
であることが好ましい。化合物(c)が、トリメチロー
ルエタン、トリメチロールプロパン、またはトリメチロ
ールエタンとトリメチロールプロパンの混合物であるこ
とが好ましい。上記各反応は、モノマーキャスト法によ
り行われることが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の成形体に使用される
(a)環状アミドとしては、炭素数4〜12のω−ラク
タム、γ−ブチロラクタム、ε−カプロラクタム、ω−
エナントラクタム、ω−カプリロラクタム、ω−ラウロ
ラクタム、又はこれら2種以上の混合物が挙げられる。
これらのうち、ε−カプロラクタムが好ましい。
【0007】第一のポリアミドエラストマー成形体にお
いて、(b1)ポリエチレングリコールは、数平均分子
量(Mn)が200〜600、好ましくは200〜400、より好ましく
は200〜300である。前記下限値未満の分子量では、所望
の弾性回復率を達成することが困難である。一方、該分
子量が前記上限値より大きいとポリエチレングリコール
同士の反応(自己架橋)がし難くなり、成形体の弾性回
復率が悪くなる。また(b1)ポリエチレングリコール
は(a)環状アミド96〜84モル%に対して4〜16モル%、
好ましくは6〜14モル%、より好ましくは8〜12モル%で
使用される。
【0008】第二のポリアミドエラストマー成形体にお
いて、(b2)ポリエチレングリコールは、数平均分子
量(Mn)が200以上1000未満、好ましくは200〜800、より
好ましくは200〜600である。また、その配合量は、
(a)環状アミド100重量部に対して5〜50重量部、好ま
しくは10〜40重量部、より好ましくは15〜30重量部であ
る。
【0009】第三のポリアミドエラストマー成形体にお
いて、(b3)ポリエチレングリコールは、数平均分子
量(Mn)が1000以上4000以下、好ましくは1000〜3500、よ
り好ましくは 1000〜2000である。また、その配合量
は、(a)環状アミド100重量部に対して10〜40重量部、
好ましくは15〜35重量部、より好ましくは20〜30重量部
である。
【0010】(b1)〜(b3)のポリエチレングリコー
ルの量が前記各下限値未満では、得られる成形体の弾性
回復率が小さい。一方、該量が前記各上限値を超えると
成形性が悪く、得られる成形体の機械的強度及び弾性率
が著しく低いものとなる場合がある。
【0011】なお、(b1)〜(b3)のポリエチレング
リコールの分子量は、水酸基価(無水酢酸/ピリジン法
による)から求めた数平均分子量である。また、平均分
子量が上記各範囲内のものであれば、異なる平均分子量
を有する複数種類のポリエチレングリコールを組合わせ
て用いてもよい。
【0012】上述のように、本発明では特定の分子量範
囲のポリエチレングリコールを特定量用いることによっ
て、未重合物及び気泡の発生なく、弾性回復率の優れた
ポリアミドエラストマー成形体を得ることを達成したも
のである。
【0013】なお、ポリエチレングリコールの調製方法
には制限はなく、例えばエチレンオキサイドをフリーデ
ル−クラフツ型触媒、例えば三フッ化ホウ素、四塩化ス
ズ、塩化亜鉛など、酸又はアルカリ触媒による開環重合
で作ることができる。
【0014】本発明第二及び第三のポリアミドエラスト
マー成形体では、分子量が200未満であり、且つ、分子
内に2個以上の水酸基を有する化合物(c)が使用され
る。該化合物(c)としては、例えばエチレングリコー
ル、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、 1,3−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
グリセリン、ジエチレングリコール及びこれらの混合物
を挙げることができる。好ましくは、3個以上の水酸基
を有する化合物が使用され、特に好ましくはトリメチロ
ールエタン及び/又はトリメチロールプロパンが使用さ
れる。
【0015】化合物(c)は、下記式で定義される水酸
基モル比が、
【式5】水酸基モル比=(c)の水酸基モル量/
(b3)又は(b2)の水酸基モル量 0.02〜1となる量で反応に付されることが好ましく、よ
り好ましくは0.02〜0.5となる量で反応に付される。該
比が前記下限値未満であると、柔軟性が不足し、一方、
前記上限値を超えると、共重合反応が進行しない場合が
ある。
【0016】本発明の成形体はいずれも優れた弾性回復
率を有する。本発明において、該弾性回復率は、ポリア
ミド樹脂からJIS K 6301に規定される2号形ダンベル状
試験片で厚さ3mmのものを作成し、該試験片の中央部か
ら両端に向かってそれぞれ長さ10mmのところに標線を付
し、該標線を付された試験片を、引張試験機にて試験片
つかみ間距離7cm及び移動させる側の試験片つかみの移
動速度500mm/分で20mm伸張し、直ちに同移動速度で試
験片つかみを元の位置まで戻し、その時点での標線間距
離L(mm)を測定し、次式
【式6】[20−(L−20)]/20 × 100 に従い、算出することによって求められる。本発明の成
形体は弾性回復率が80〜100%、好ましくは90〜100%で
ある。
【0017】さらに、本発明の成形体は、いずれも柔軟
性にも優れる。本発明において、柔軟性は、JIS K7215
に準拠して測定されるデュロメータ硬さ試験タイプDに
より評価され、本発明の成形体は、タイプDの1秒以内
の最大値が好ましくは30〜75である。また柔軟性を有す
ることから、本発明の成形体は消音性能にも優れると考
えられる。消音性能は、例えば20cm×20cm×3cmの本発
明の成形体を3cm厚さの発泡ポリスチレン製板の上に置
き、該成形体の上表面中心部から高さ40cmの位置より22
5.7gの鋼球を自然落下させ、該成形体中心部から水平方
向に40cmの位置に設置した騒音計を用いて音圧レベルを
測定し、該音圧レベルから、音の大きさ(ラウドネス)
を求めることにより評価することができる。
【0018】本発明の成形体は、いずれも常法のアニオ
ン重合により調製することができる。好ましくは、本発
明の成形体はモノマーキャスト法により、一段階で調製
される。
【0019】アニオン重合における重合触媒および重合
助触媒は、通常用いられているものでよい。重合触媒と
しては、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびこれら
金属の水素化物、酸化物、水酸化物、炭酸塩、アルキル
化物、アルコキシドやグリニャール化合物、及びこれら
とωーラクタムとの反応生成物等が挙げられ、より具体
的にはリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウ
ム、カルシウム、水素化リチウム、水素化ナトリウム、
水素化カリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム、メチルナトリウム、エチルナトリウム、メチ
ルカリウム、エチルカリウム、ナトリウムメチラート、
ナトリウムエチラート、カリウムメチラート、カリウム
エチラート、メチルマグネシウムブロマイド、エチルマ
グネシウムブロマイド等が挙げられる。これらの重合触
媒は単独でまたは二種以上の混合物として用いることが
できる。その添加量は、通常、(a)環状アミドと(b
1)〜(b3)各ポリエチレングリコールとの合計重量に
対して約4×10-3〜3重量%である。
【0020】重合助触媒、または反応開始剤としては、
イソシアネート類、アシルラクタム類、カルバミドラク
タム類、イソシアヌレート誘導体、酸ハライド類、尿素
誘導体等を挙げることができ、より具体的にはn−ブチ
ルイソシアネート、フェニルイソシアネート、オクチル
イソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、m-
キシレンジイソシアネート、4,4'-ジフェニルメタンジ
イソシアネート、N-アセチル-ε-カプロラクタム、1,6-
ヘキサメチレンビスカルバミドカプロラクタム、トリア
リルイソシアヌレート、テレフタロイルクロリド、1,3-
ジフェニル尿素およびこれらの混合物が挙げられる。好
ましくは、イソホロンジイソシアネートが使用される。
【0021】該助触媒または反応開始剤の添加量は、
(a)環状アミドと(b1)〜(b3)各ポリエチレング
リコールとの合計重量に対して約1〜15重量%である。
好ましくは、ポリエチレングリコールと等モル以上用い
られる。
【0022】なお、本発明の成形体には、本発明の目的
を妨げない範囲で、他のモノマー、例えばジカルボン
酸、ジアミン、ジオール、アミノ酸、またはこれらの誘
導体を加えても良い。さらに、本発明の目的を妨げない
範囲で、顔料、染料、補強剤、抗菌剤、各種フィラー、
などを配合してもよい。
【0023】本発明の成形体は、自動倉庫のガイドロー
ラー、台車車輪、ボトルガイド、鋼板搬送用のロール、
船舶の緩衝材などに使用することができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳細に説明す
る。下記の測定方法を用いた。 (1)弾性回復率 モノマーキャスト法で成形した板材から、JIS K6301号
に規定される2号形ダンベル状に切削加工した。測定
は、23℃±1.5℃にて、(株)インテスコ製、精密万能
材料試験機 225型を用いて、既に述べた方法に従い行な
った。 (2)デュロメータ硬さタイプD硬度 デュロメーターを用いて、JISK−7215に準拠して測定し
た。 (3)引張強度および破断時伸び JISK−6301に準拠して、厚さ3mmの2号形ダンベル状試
験片を用いて測定した。
【0025】実施例1 1リットルフラスコに500gの無水ε-カプロラクタム
と、ポリエチレングリコール(三洋化成工業(株)製、Mn
200)を105g(7.8モル%)採り、130〜140℃の温度に加
熱し、これにイソホロンジイソシアネート(IPDI)121
gを添加混合した。一方、500ミリリットルフラスコ
に、無水のε-カプロラクタム200gを採り、これに重合
触媒の水素化ナトリウム(油性63%)0.8gを加え130
〜140℃に加熱した。次いで、これら2液を混合して、1
40℃に予熱された200mm×200mm×30mmの成形金型
内に注入し、30分間重合させてから成形品を取り出し
た。得られた成形品から調製した試料を用いて各評価を
行い、以下の結果を得た。 弾性回復率 : 85% デュロメータタイプD硬度:HDD 73 引張強度:40 Mpa 破断時伸び:200%
【0026】実施例2 1リットルフラスコに300gの無水ε-カプロラクタムを
採り、数平均分子量が300のポリエチレングリコールを1
3.1モル%、及びIPDIを148gそれぞれ使用したことを除
き、実施例1を繰り返した。 弾性回復率 : 95% デュロメータタイプD硬度:HDD 59
【0027】実施例3 1リットルフラスコに300gの無水ε-カプロラクタムを
採り、数平均分子量が400のポリエチレングリコールを1
2.4モル%、及びIPDIを139gそれぞれ使用したことを除
き、実施例1を繰り返した。 弾性回復率 : 97.5% デュロメータタイプD硬度:HDD 50
【0028】実施例4 数平均分子量が600のポリエチレングリコールを4.5モル
%、及びIPDIを62gそれぞれ使用したことを除き、実施
例1を繰り返した。 弾性回復率 : 80% デュロメータタイプD硬度:HDD 68
【0029】実施例5 1リットルフラスコに150gの無水ε-カプロラクタムを
採り、数平均分子量が600のポリエチレングリコールを1
5.9モル%、及びIPDIを130gそれぞれ使用したことを除
き、実施例1を繰り返した。 弾性回復率 : 97.5% デュロメータタイプD硬度:HDD 40
【0030】実施例6 1リットルフラスコに無水のε-カプロラクタム500
gとポリエチレングリコール(三洋化成工業(株)製、Mn
200)105g(15重量部)及びトリメチロールプロパン1
gを採り、130〜140℃の温度に加熱し、これにイソホロ
ンジイソシアネート127gを添加混合した。トリメチロ
ールプロパンとポリエチレングリコールの水酸基モル量
比は0.021であった。一方、500ミリリットルフラス
コに、無水のε-カプロラクタム200gを採り、これ
に重合触媒の水素化ナトリウム(油性63%)1gを加
え130〜140℃に加熱した。次いで、これら2液を混合し
て、140℃に予熱された200mm×200mm×30
mmの成形金型内に注入し、30分間重合させてから成
形品を取り出した。得られた成形品から調製した試料を
用いて各評価を行い、以下の結果を得た。 弾性回復率 : 95% デュロメータタイプD硬度: HDD 60 引張強度:36 Mpa 破断時伸び:800%
【0031】実施例7 1リットルフラスコに400gの無水ε-カプロラクタムを
採り、数平均分子量1000のポリエチレングリコールを20
重量部、トリメチロールプロパンを1.3g、及びIPDIを30
gそれぞれ使用したことを除き、実施例6を繰り返し
た。トリメチロールプロパンとポリエチレングリコール
の水酸基モル量比は0.11であった。 弾性回復率 : 80% デュロメータタイプD硬度:HDD 68
【0032】実施例8 1リットルフラスコに400gの無水ε-カプロラクタムを
採り、数平均分子量1450のポリエチレングリコールを30
重量部、トリメチロールプロパンを2g、及びIPDIを33
gそれぞれ使用したことを除き、実施例6を繰り返し
た。トリメチロールプロパンとポリエチレングリコール
の水酸基モル量比は0.18であった。 弾性回復率 : 85% デュロメータタイプD硬度:HDD 63
【0033】実施例9 1リットルフラスコに400gの無水ε-カプロラクタムを
採り、数平均分子量2000のポリエチレングリコールを30
重量部、トリメチロールプロパンを2g、及びIPDIを25g
それぞれ使用したことを除き、実施例6を繰り返した。
トリメチロールプロパンとポリエチレングリコールの水
酸基モル量比は0.25であった。 弾性回復率 : 85% デュロメータタイプD硬度:HDD63
【0034】実施例10 1リットルフラスコに450gの無水ε-カプロラクタムを
採り、数平均分子量3300のポリエチレングリコールを20
重量部、トリメチロールプロパンを2g、及びIPDIを14g
それぞれ使用したことを除き、実施例6を繰り返した。
トリメチロールプロパンとポリエチレングリコールの水
酸基モル量比は0.56であった。 弾性回復率 : 80% デュロメータタイプD硬度:HDD 69
【0035】比較例1 数平均分子量600のポリエチレングリコールを140g
(3.6モル%)、IPDIを52g用いたことを除き、実施例1
を繰り返した。 弾性回復率 : 72.5% デュロメータタイプD硬度:HDD 73 引張強度:42 Mpa 破断時伸び:40%
【0036】比較例2 1リットルフラスコに400gの無水ε-カプロラクタムを
採り、数平均分子量1000のポリエチレングリコールを30
重量部、IPDIを40gそれぞれ用い、及びトリメチロール
プロパンを用いなかったことを除き、実施例6を繰り返
した。 弾性回復率 : 65% デュロメータタイプD硬度:HDD 72
【0037】比較例3 1リットルフラスコに360gの無水ε-カプロラクタムを
採り、数平均分子量1000のポリエチレングリコールを50
重量部、IPDIを62gそれぞれ用い、及びトリメチロール
プロパンを用いなかったことを除き、実施例6を繰り返
した。得られた成形体は、不均一な構造であり、弾性回
復率の測定時に破断した。 デュロメータタイプD硬度:HDD 67
【0038】
【発明の効果】以上示したように、本発明のポリアミド
エラストマー成形体は弾性回復性及び柔軟性に優れる。
また、機械的強度も充分であるので、衝撃音の小さい機
械的部品への応用が期待される。さらに、本発明のポリ
アミドエラストマー成形体は、モノマーキャスト法によ
り簡便に調製することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA54 AF20Y AH07 AH17 BA02 BB02 BB12 BC07 4J001 DA02 EA04 EA05 EA06 EA07 EA08 ED57 ED64 EE57D JA03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)環状アミド 96〜84モル%、及び
    (b1)数平均分子量(Mn)が200〜600であるポリエチ
    レングリコール 4〜16モル%、を反応させて得られる
    ポリアミド樹脂からなり、下記方法に従い測定された弾
    性回復率が80%〜100%であることを特徴とするポリア
    ミドエラストマー成形体ポリアミド樹脂から、JIS K 63
    01に規定される2号形ダンベル状試験片を作成し、該試
    験片の中心から両端に向かってそれぞれ長さ10mmのとこ
    ろに標線を付し、該標線を付された試験片を、引張試験
    機にて試験片つかみ間距離7cm及び移動させる側の試験
    片つかみの移動速度500mm/分で20mm伸張し、直ちに同
    移動速度で該試験片つかみを元の位置まで戻し、その時
    点での標線間距離L(mm)を測定し、次式、 【式1】[20−(L−20)]/20 × 100 に従い弾性回復率を算出する。
  2. 【請求項2】(a)環状アミド 100重量部、 (b2)数平均分子量(Mn)が200以上且つ1000未満であ
    るポリエチレングリコール 5〜50重量部、及び (c)分子量が200未満であり、且つ、2個以上の水酸
    基を有する化合物、を反応させて得られるポリアミド樹
    脂からなり、請求項1記載の方法に従い測定された弾性
    回復率が80%〜100%であることを特徴とするポリアミ
    ドエラストマー成形体。
  3. 【請求項3】(a)環状アミド 100重量部、 (b3)数平均分子量(Mn)が1000〜4000であるポリエ
    チレングリコール 10〜40重量部、及び (c)分子量が200未満であり、且つ、2個以上の水酸
    基を有する化合物、を反応させて得られるポリアミド樹
    脂からなり、請求項1記載の方法に従い測定された弾性
    回復率が80%〜100%であることを特徴とするポリアミ
    ドエラストマー成形体。
  4. 【請求項4】化合物(c)が、下記式で定義される水酸
    基モル比、 【式2】水酸基モル比=(c)の水酸基モル量/
    (b3)又は(b2)の水酸基モル量 が0.02〜1となる量で反応に付されることを特徴とする
    請求項2又は3記載のポリアミドエラストマー成形体。
  5. 【請求項5】 弾性回復率が90%〜100%であることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリアミ
    ドエラストマー成形体 。
  6. 【請求項6】(a)環状アミドがε−カプロラクタムで
    あることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記
    載のポリアミドエラストマー成形体。
  7. 【請求項7】化合物(c)が、トリメチロールエタン、
    トリメチロールプロパン、またはトリメチロールエタン
    とトリメチロールプロパンの混合物であることを特徴と
    する請求項2〜6のいずれか1項に記載のポリアミドエ
    ラストマー成形体。
  8. 【請求項8】反応が、モノマーキャスト法により行われ
    ることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載
    のポリアミドエラストマー成形体の製造方法。
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