JPH0517062B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、駆動手段と、この駆動手段によつて
ウインド表面に接触して動かされるワイパブレー
ドと、このワイパブレードが前記ウインドの払拭
範囲を移動する際にワイパブレードを所定位置で
一時停止させ、さらにこの停止位置とは別に前記
ワイパブレードを所定位置で格納させる機構と、
を備えたワイパ制御装置に関する。

［背 景］ かる構成のワイパ自動制御装置、いわゆる格納
型ワイパシステムは公知であり、公知のものにお
いて、ワイパ作動スイツチを停止位置に操作した
ときにワイパブレードを一時停止位置から格納位
置に作動されるように構成されている。

ところで、ワイパブレードの払拭作動頻度を降
雨状態に適応させて自動制御する装置も既に提案
されている。この場合、降雨検知器が設けられ、
検知出力に対応してワイパブレードの駆動機構を
作動させる。

しかして、格納型ワイパシステムにおいて、降
雨検知による払拭作動頻度制御を適用させること
を考えると、少なくとも降雨検知出力が存在しそ
のためにワイパブレードをある時間間隔で作動さ
せ続けているときには、ワイパブレードをいちい
ち格納させることは動力ロスとなり好ましくな
い。かといつて、降雨検知出力が存在しなくなつ
た場合には、ワイパブレードをいつまでも一時停
止位置に置くのは好ましくなく、これを乗員がワ
イパスイツチを停止位置に操作することは、自動
制御装置として不便を感じさせることがあり得
る。

［発明の目的］ 本発明は上記の問題を解決した、すなわち自動
格納機能を有する、ワイパ自動制御装置を提供す
ることを目的とする。

［発明の構成の概要］ このため、本発明は、冒頭に述べた格納機能付
のワイパ制御装置において、降雨を検知して前記
ワイパブレードを払拭範囲内で作動させる第１制
御手段と、ワイパブレードが一時停止位置にある
が所定の時間を越えることを条件にワイパブレー
ドを格納位置へ格納させる第２制御手段と、を備
えてなることを特徴とする。

ワイパブレードが一時定位置にあることを検出
するためには、ワイパブレードの駆動機構と連動
するスイツチを使用するか、あるいは降雨検知器
の出力が存在しないことを検出すればよい。

第１制御手段と第２制御手段とは、別々の回路
手段の組合せにより実現するか、または１つの回
路手段であつて複数機能を複合したマイクロコン
ピユータにより実現することもできる。

なお、本発明はワイパスイツチを停止位置に操
作したときにワイパブレードを格納位置に作動さ
せる装置と組合せて使用することができる。

［発明の効果］ 従つて本発明によれば、降雨状態に関連してワ
イパブレードを格納すべきか否かを判断し、降雨
が中断したときにワイパブレードを自動的に格納
することができる。

［実施例］ 第１図はワイパブレードの作動特性を図示した
模式図で、ワイパブレードＷは通常の払拭作動状
態にあつては中心部Ｏを回動の中心として一時停
止位置Ａ１と折り返し位置Ａ２との間で往復作動
する。さらに、ワイパブレードＷが一時停止位置
Ａ１にあときに公知の格納機構が付勢されると、
ワイパブレードＷは格納位置Ａ３に移動され、格
納される。

第２図に本発明が適用されたワイパ制御装置の
全体ブロツク線図が示されている。第２図におい
て、符号１Ａ〜１Ｎに示す受光素子群と、符号２
Ａ〜２Ｎに示す発光素子群とにより、降雨検知器
が形成されている。

降雨検知器は、第３図に示すように、車両フロ
ントガラス３の内面に固定されている発光素子２
と受光素子１とを１つの検知子とし、発光素子２
で出され光線がガラス３の内部で少なくとも１回
の全反射を経て受光素子１に到達するように配置
されている。符号４および５はガラスの入出の際
に光線を損失なく発光素子２と受光素子１との間
で伝達されるようにする光学素子である。

発光素子２からは一定強度の光線が発生されて
おり、ガラス３内で反射され受光素子１に到達す
る光の強度はガラス３外面に水分の付着のない場
合にある値を示す。もし、ガラス３の外面でしか
も光線の反射する位置に水分６が付着すると、ガ
ラス３内で反射する光線の一部は水分６により屈
折されてガラス３外に出ていつてしまい、そのた
め受光素子１に到達する光強度は基準値よりも減
少する。

この型の検知器において、降雨の量は受光素子
１における光強度の減衰の度合により測定するこ
とができる。この場合、受光素子１における減衰
率をもつて降雨量とするもできるが、この実施例
では複数個の受光素子１Ａ〜１Ｎを発光素子２Ａ
〜２Ｎとともに設け、その受光素子の全個数に対
して受光量が予め設定した値以下になつた個数の
比をもつて降雨量とするようにした。

第２図において、符号７は一定周波数、例えば
40KHzで発光素子１Ａ〜１Ｎを駆動する駆動回
路、８は受光素子１Ａ〜１Ｎからの電気信号をマ
イクロコンピユータ１３からの選択信号で順次選
択して通過させるマルチプレクサ、９は選択され
た電気信号を電流電圧変換する初段増幅回路、１
０は駆動回路７の駆動周波数を中心周波数とする
フイルタ回路、１１は後段増幅回路、１２はアナ
ログーデジタル変換回路である。

１４は図示しないリンク機構を介してワイパブ
レードを駆動する動力源としてのワイパモータ、
１５はマイクロコンピユータ１３からの制御出力
信号に応答してワイパモータ１４を高速または低
速のいずれかで付勢するモータ駆動回路、１６は
ワイパブレードの作動モードを手動で設定するス
イツチ、１７はリンク機構に応動しワイパブレー
ドが一時停止位置（第１図Ａ１図示）にあるとき
に閉成するスイツチ、１８はワイパブレードを一
時停止位置から格納位置（第１図Ａ３図示）に動
かすようにリンク機構を付勢する電磁ソレノイ
ド、１９はソレノイド１８の駆動回路、２０はリ
ンク機構に応動しワイパブレードが格納位置にあ
るときに閉成するスイツチである。

マイクロコンピユータ１３は第４図および第５
図に示す手順に従うように予め設定されており、
第４図は一定周期で内部割り込みモードで処理さ
れるプログラム、第５５図を循環的に繰り返され
る定常プログラムを示している。

タイマ割り込みプログラムによつてマイクロコ
ンピユータ１３が行なう処理は次の通りである。

(1) タイマ処理 定常プログラムにおいて使用されるタイマ処理
（時間測定）の基礎となる計数を行なう。

(2) 検知信号入力処理 マルチプレクサ８に選択信号を与えて、受光素
子１Ａ〜１Ｎの信号の１つを選択し、これと同時
にアナログ−デジタル変換回路１２を操作して受
光素子の受光量に対応したデジタル信号を入力す
る。入力されたデジタル信号の大きさを予め設定
した基準値と比較する。基準値は受光素子がガラ
ス外面への水分の付着のために充分な受光量を得
られなかつた場合に、水分が付着したと判別する
値として設定されている。

受光素子１Ａ〜１Ｎのすべてについてこの作動
を実行し、基準値との比較判別結果を内部の一時
メモリ（RAM）に記憶する。

判別結果は受光素子の数と同じだけ記憶され、
この判別結果のうち水分が付着したと判別された
数Ｎが新たに計数される。

付着判別数Ｎは、さらに基準判別数N₁と比較
され、降雨が存在するか否かに弁別される。ここ
で、付着判別数Ｎが基準判別数N₁より大なると
きには、降雨が存在するとみなされ、小なるとき
には降雨が存在しないとみなれるように設定され
ている。

(3) モードスイツチ１６の操作状態の入力 スイツチ１６からの信号を判別し、ワイパブレ
ードの作動モードが予め設定されている次のいず
れに設定されているかを判別し、判別結果を記憶
する。

(a) 連続高速作動 (b) 連続低速作動 (c) 自動作動 (d) 停止 (4) ワイパブレード位置の入力 スイツチ１７，２０よりその開閉状態を示す信
号を入力し、記憶する。

次に第５図を参照して、マイクロコンピユータ
１３が行なう定常プログラムの処理について説明
する。ここでマイクロコンピユータは、第３図図
示の割り込みプログラムで処理、入力したデータ
を利用する。

ステツプ21でモードスイツチ１６の操作が連続
高速作動を示しているかどうか、ステツプ22で同
操作が連続低速作動を示しているどうか、ステツ
プ23で同操作が自動作動を示しているかどうか、
が各々判定される。この判別結果に対応して、連
続高速作動を示すときにはステツプ24でワイパブ
レードを連続高速作動させるように駆動回路１５
に制御出力信号を付与し、また判別結果が連続低
速作動を示すてきにはステツプ25でワイパブレー
ドを連続低速作動させるように駆動回路１５に制
御出力信号を付与する。この場合、ステツプ26で
タイマカウント用データTCの値を所定値ｔに設
定して、定常プログラムの処理を終了する。

モードスイツチ１６が自動モードを示すとき、
ステツプ27で降雨が存在するか否かを割り込みプ
ログラムでの判別に従つて判定し、降雨が存在す
る場合にはステツプ28でタイマカウントデータを
所定値に設定し、ステツプ29で駆動回路１５に低
速作動を指令する制御出力信号を付与する。また
ステツプ29では電磁ソレノイド１８は消勢される
ように駆動回路１９に制御出力信号を付与する。

ステツプ27で降雨が存在しないと判定された場
合、ステツプ30でタイマカウントデータTCが
（割り込みプログラムによるタイマ処理によつて）
予め設定した時間の経過を示す値に達したかどう
かを判定する。もし、降雨が小雨で間欠的であつ
ても、設定時間が経過する以前に降雨の存在が再
び判定されると、ステツプ28においてタイマカウ
ントデータがその都度設定され、ステツプ29の指
令によりワイパブレードは間欠的に起動される。

なお、設定時間が満了しない場合においては、
ステツプ31，32，33が処理され、ワイパブレード
が一時停止位置Ａ１に移動するまでは駆動回路１
５が付勢されるように制御出力信号を付与し続
け、一時停止位置Ａ１に移動したことがスイツチ
１７の信号を判定するステツプ32で判定される
と、駆動回路１５への制御出力信号の付与が中断
される。このため、設定時間が満了せず、しかも
降雨が存在しない判定され続けている間は、ワイ
パブレードは一時停止位置に停止したまましばら
くおいておかれる。

完全に降雨が中断されると、降雨が存在しない
と判定される時間が設定時間に到達するため、ス
テツプ30からステツプ35が実行される。

ステツプ35で駆動回路１５に対する制御出力信
号がワイパブレードを付勢する状態にあるかどう
かを判定し、そうでなければ、ステツプ36でワイ
パブレードが格納位置Ａ３にあるかどうかをスイ
ツチ２０の信号によつて判定する。そして、いま
だ格納されていない場合には、ステツプ37で電磁
ソレノイド１８を付勢させる制御出力信号を駆動
回路１９に付与する。このとき、格納のためにワ
イパモータ１４を低速作動させる必要があるワイ
パシステムにおいては、駆動回路１５にも制御出
力信号を付与する。

かくて、ワイパブレードは一時停止位置Ａ１か
ら格納位置Ａ３へと移動され、ステツプ38でスイ
ツチ１８が閉成されるのを判定した後に、ステツ
プ39で駆動回路１５，１９への制御出力信号の付
与を中止する。

なお、ステツプ34はモードスイツチ１６が停止
を示すときに、タイマカウントデータを予め設定
した値に設定するために用意されており、ステツ
プ35はワイパブレードが払拭作動中であるとき
に、モードスイツチ１６が停止操作されたときの
対策として設けられている。

【図面の簡単な説明】

第１図は格納機能付ワイパ制御装置の作動説明
図、第２図は本発明の一実施例を示す電気結線
図、第３図は降雨検知器の説明図、第４図および
第５図は第２図に示す装置におけるマイクロコン
ピユータの制御プログラムを示すフローチヤート
である。 １Ａ〜１Ｎ…受光素子、１３…第１および第２
制御手段をなすマイクロコンピユータ、１４…駆
動手段としてのワイパモータ、１５…手格納用電
磁ソレノイド。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 駆動手段と、この駆動手段によつてウインド
   表面に接触して動かされるワイパブレードと、こ
   のワイパブレードが前記ウインドの払拭範囲を移
   動する際にワイパブレードを所定位置で一時停止
   させ、さらにこの停止位置とは別に前記ワイパブ
   レードを所定位置で格納させる機構と、を備えた
   ワイパ制御装置において、 降雨状態を検知する検知手段と、 この検知手段により検知された降雨状態に応じ
   て前記ワイパブレードを前記払拭範囲内で作動さ
   せる第１制御手段と、 この第１制御手段によつて前記ワイパブレード
   が前記一時停止位置に一時停止する程度の降雨状
   態が所定時間継続したことを条件に、前記ワイパ
   ブレードを前記格納位置へ格納させる第２制御手
   段と、 を備えてなるワイパ自動制御装置。