JPH05170530A - セラミック焼結体およびその製造方法 - Google Patents

セラミック焼結体およびその製造方法

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JPH05170530A
JPH05170530A JP3342907A JP34290791A JPH05170530A JP H05170530 A JPH05170530 A JP H05170530A JP 3342907 A JP3342907 A JP 3342907A JP 34290791 A JP34290791 A JP 34290791A JP H05170530 A JPH05170530 A JP H05170530A
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JP
Japan
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aluminum titanate
sintered body
whiskers
ceramic sintered
mullite
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Application number
JP3342907A
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English (en)
Inventor
Yasumasa Fukushima
康雅 福島
Keiichiro Isomura
敬一郎 磯村
Toshihiko Funabashi
敏彦 船橋
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高融点、低熱膨張性を損なわずに、機械的強
度や熱分解特性の改善を同時に実現し、しかも酸化処理
のような作業工程を経ずして簡便に量産し得る製造技術
を確立すること。 【構成】 ムライトウィスカーを5〜25wt%添加したチ
タン酸アルミニウムの泥漿を、鋳込み成形方法により成
形し、その後常法に従って焼成し、ムライトウィスカー
を5〜25wt%含有し残部が主としてチタン酸アルミニウ
ムからなるセラミック焼結体とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミック焼結体とそ
の製造方法に関し、特に高融点と低熱膨張性を有すると
共に、さらに機械的強度ならびに熱分解性にも優れた特
性を示すチタン酸アルミニウム−ムライト系セラミック
焼結体とそれの有利な製造方法について提案する。
【0002】一般に、チタン酸アルミニウム( Al2TiO5)
焼結体は、融点が高く( 1850℃) 、優れた断熱性と低熱
膨張性とを備える他、耐熱衝撃性にも優れたセラミック
スの1つであり、たとえば自動車用エンジンのエキゾー
ストマニホルドやエキゾーストポート材等として使用し
た場合に、ハイドロカーボンの排出を効果的に低減する
のに有効に作用するものとして賞用されている。
【0003】
【従来の技術】上記のように、チタン酸アルミニウム焼
結体の特性の1つに低熱膨張性が上げられるが、この低
熱膨張のメカニズムは、チタン酸アルミニウムのもつ特
有の作用、即ち、各結晶方向の熱膨張係数が著しく異な
ることに起因するものと言われている。すなわち、結晶
粒界に入った亀裂によって熱膨張が吸収されるため、見
掛け上熱膨張が小さくなるのである。しかしながら、こ
のチタン酸アルミニウム焼結体の機械的強度について
は、上述した結晶粒界に入った亀裂のために低いのが普
通であり、しかも約1250℃以下でルチル( TiO2) とコラ
ンダム( Al2O3 ) に分解するという問題点もあった。
【0004】従来、チタン酸アルミニウムが抱えるかよ
うな問題点に対し、それを克服する技術として、特公平
3−29741 号公報では、チタン酸アルミニウムにムライ
ト(3Al2O3・2 SiO2) を添加することにより、強度と熱
分解とを改善したチタン酸アルミニウム焼結体を提案し
ている。その他にも、チタン酸アルミニウムにセラミッ
クウィスカーを添加して、高融点、低熱膨張性を損なわ
ずに高強度、熱履歴劣化を抑制したセラミック焼結体
が、特開平1−115867号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、セラミック
ウィスカーを使う特開平1−115867号公報に開示されて
いる上記従来技術は、非酸化物系ウィスカーを使う場
合、その表面には予め酸化層を設けておかなければなら
ない。すなわち、SiC 、Si3N4 等のようなシリコンセラ
ミックウィスカーを使う場合、大気中で予め酸化処理を
行うことにより、その表面に酸化けい素の層を形成しな
ければならないのである。従って、この従来方法は、そ
の作製工程が複雑で、工業的に決して有利であるとは言
えない方法である。また、この従来技術によれば、セラ
ミックウィスカーの添加によって、破壊時の亀裂進展が
有効に防止でき、さらには屈曲させる時の繊維強化作用
によって、焼結体強度を向上させることはできるが、チ
タン酸アルミニウムの短所の1つである熱分解の抑制が
できないという課題があった。
【0006】本発明の目的は、上記従来技術が抱えてい
る解決を必要とする課題を克服できるセラミック焼結体
およびその製造方法を開発することにある。すなわち、
チタン酸アルミニウム焼結体の長所である高融点、低熱
膨張性を損なわずに、機械的強度や熱分解特性の改善を
同時に実現し、しかも酸化処理のような作業工程を経ず
して簡便に量産し得る製造技術を確立することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上掲の目的を実現するべ
く実験検討した結果、本発明者らは、添加物の形態なら
びにその添加量の如何、さらには成形の方法が、上記課
題解決に当たって重要な役割りを果たしていることを知
見し、以下のような本発明に想到した。すなわち、本発
明は、ムライトウィスカーを5〜25wt%含有する、残部
が主としてチタン酸アルミニウムからなるセラミック焼
結体である。そして、上記のセラミック焼結体の製造に
は、ムライトウィスカーを5〜25wt%添加したチタン酸
アルミニウムの泥漿を、鋳込み成形方法により成形し、
その後常法に従って焼成して焼結体とする方法が有利に
適合するものである。
【0008】
【作用】上述したように、本発明にかかるセラミック焼
結体は、添加物の形態とその添加量(組成)を調整する
ことによって得られるものである。すなわち、本発明の
セラミック焼結体は、チタン酸アルミニウムに5〜25wt
%のムライトウィスカーを、他の必要な添加剤や助剤と
ともに添加し焼成して得られるものである。本発明にお
いて、ムライトウィスカーに着目した理由は、チタン酸
アルミニウムとこのムライトとが、ともに焼結性が非常
に高いため、焼結体中の結晶粒界の亀裂発生を効果的に
抑制し得ること、そしてムライトウィスカーによる破壊
時の亀裂伝播抑制作用のため、焼結体の機械的強度を著
しく向上させる作用が期待できるからである。しかも、
このムライトウィスカーの添加は、チタン酸アルミニウ
ム焼結体自身の比表面積を減少させて熱分解温度を大幅
に向上させるのに有効に作用し、いわゆる熱分解特性を
改善する。なお、本発明において用いるこのムライトウ
ィスカーは、酸化物ウィスカーであり、そのために改め
てウィスカー表面に酸化層を形成させる必要はない。
【0009】かかるムライトウィスカーの添加量は、そ
れが5wt%未満の少量では上述した添加の作用効果を充
分発揮し得ない。一方、その添加量が25wt%を超える
と、焼結性を損ねて緻密化を阻害し、さらに、前記結晶
粒界の亀裂発生の過剰抑制のために、チタン酸アルミニ
ウムの長所である低熱膨張性を損なうことになる。従っ
て、添加するムライトウィスカーの量は5〜25wt%とす
る。
【0010】なお、かかるムライトウィスカーの形態と
しては、アスペクト比が5〜100 程度の、例えば短径
0.1〜3μm、長径5〜100 μmの柱状ウィスカーが有
利に用いられる。
【0011】次に、本発明の上述したチタン酸アルミニ
ウム焼結体を製造する方法について説明する。本発明製
造方法の特徴は、原料の調整と原料の混合成形, 乾燥,
脱脂および焼成からなる製造工程のうち、とくに成形工
程において、鋳込み成形方法を採用したことにある。こ
の鋳込み成形法を採用する理由は、製品焼結体の微細構
造組織が均質化することに加え、製品の大型化、複雑
化、大量生産化によく適合するからである。
【0012】このように鋳込み成形をするために本発明
においては、添加物としての柱状ムライトウィスカーな
らびにチタン酸アルミニウム粉末の所定量を混合し、溶
媒を加えて泥漿にする。このように泥漿にすることで、
成形体にしたときに、柱状ムライトウィスカーが全体に
わたって均一に分散して絡み合うようになる。その結
果、成形体を乾燥するときも割れの発生が少なくなり、
製品の歩留りを向上させる。また、それと同時に、生成
形体の強度も向上するため、複雑形状の成形も可能とな
り、実用的なセラミック焼結体が得られる。
【0013】なお、ムライトウィスカー添加のチタン酸
アルミニウムの泥漿には、必要に応じて解膠剤、分散
剤、消泡剤、結合剤、沈降防止剤等を補助剤として適宜
用いてもよい。
【0014】
【実施例】この実施例に用いたセラミックス焼結体は、
次のようにして製造したものである。チタン酸アルミニ
ウム原料粉末(平均粒径3μm)と、ムライトウィスカ
ー(短径 0.1〜3μm、長径3〜100 μm) とを、表1
に示す組成比となるように秤量, 混合した後、イオン交
換水と分散剤を添加して泥漿を作製した。次いで、この
泥漿を消泡剤、結合剤、沈降防止剤等の補助剤を用いて
調整し、所定の鋳型に鋳込んで 100×70×10mmの成形体
を作製した。その後、常法に従って乾燥, 脱脂してか
ら、大気中で1600℃の温度に昇温して焼成した。得られ
た各焼結体の試料について、真密度、四点曲げ強度(JIS
-1601 に準拠)、熱膨張係数 (20〜1000℃) 、1100℃×1
00 時間保持後の熱分解率をそれぞれ測定し、その結果
を表1に示した。また、SiCウィスカー、Si3N4 ウィス
カーを添加したチタン酸アルミニウムも作製し、上記と
同様の評価試験を行なった。
【0015】表1より明らかなように、本発明にかかる
焼結体(試料番号1〜5)は、比較例の焼結体(試料番
号6、7)と比較すると、ムライトウィスカーを所定量
添加することによって低熱膨張性を損なうことなく機械
的強度も高く、かつ熱分解特性も極めて良好であること
が判る。また、表1から明らかなように、本発明焼結体
(試料番号2)は、SiCウィスカー、Si3N4 ウィスカー
を添加した比較焼結体(試料番号8、9)と比較して
も、低熱膨張性を損なわずに、機械的強度と熱分解特性
とが非常にバランス良く向上していることが判る。さら
に、チタン酸アルミニウム90wt%にムライトウィスカー
10wt%を添加した成形体について、その破面を走査型電
子顕微鏡観察した。その結果、球状チタン酸アルミニウ
ム粉末に混じって、柱状ムライトウィスカーが成形体全
体に亘って均一に分散した状態で絡み合った微細構造組
織を有していることが確認された。このことが、成形体
の乾燥割れ防止の効果につながり、それが複雑形状製品
の作製を可能にすると共に、製品の歩留り向上をもたら
すものと考えられる。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、チタン酸アルミニ
ウムに所定量のムライトウィスカーを添加した本発明セ
ラミック焼結体によれば、本来の高融点、低熱膨張性を
損なうことなく、機械的強度や熱分解性を向上させるこ
とができる。また、泥漿の鋳込み成形によって製造する
ため、成形体(焼結体)全体に亘って柱状ムライトウィ
スカーが絡み合う構造となり、それが生成形体の乾燥割
れ防止に効果を示して製品の歩留りを向上させ、生成形
体の強度向上による複雑形状製品の作製を可能とする一
方、製品の均質性、大型化、大量生産化に有利に働き、
それが工業的に簡単な製造技術を確立して、セラミック
製品の実用化に大きく貢献する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ムライトウィスカーを5〜25wt%含有す
    る、残部が主としてチタン酸アルミニウムからなるセラ
    ミック焼結体。
  2. 【請求項2】 ムライトウィスカーを5〜25wt%添加し
    たチタン酸アルミニウムの泥漿を、鋳込み成形方法によ
    り成形し、その後常法に従って焼成し、焼結体とするこ
    とを特徴とするセラミック焼結体の製造方法。
JP3342907A 1991-12-25 1991-12-25 セラミック焼結体およびその製造方法 Pending JPH05170530A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102584313A (zh) * 2011-12-24 2012-07-18 山东科技大学 原位自生莫来石晶须增强钛酸铝多孔陶瓷材料及制备方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102584313A (zh) * 2011-12-24 2012-07-18 山东科技大学 原位自生莫来石晶须增强钛酸铝多孔陶瓷材料及制备方法

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