JPH0516994Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、蒸し料理される被調理物を載置する
蒸し板の改良に関するものである。

〔従来の技術〕

第５図の縦断面図は、例えばホツトプレートな
どの加熱調理器Ａ及びその中に収容された蒸し板
１を示す。

加熱調理器Ａは、底壁２の周縁に側壁３が立設
され外底面にヒーター４を有する調理板５の上に
蓋６が被せられて、内部に調理用空間７が形成さ
れる。

そして、側壁３の内周面の複数箇所又は全周に
は蒸し板載置台８が設けられ、蒸し板載置台８上
に蒸し板１が載置される。

蒸し板１は、網或いは多孔板などの多孔性材よ
り成り、蒸し料理される被調理物９を載置する平
面状の載置面を有する。

調理板５内に注がれた水１０はヒーター４によ
つて加熱され、発生した水蒸気が蒸し板１に設け
られた多数の孔を通過して、被調理物９を蒸し料
理する。

〔考案が解決しようとする課題〕

被調理物９は、例えば、ぎようざ、しゆうまい
或いは蒸しパン等が挙げられ、水蒸気で加熱され
る過程で膨張し、蒸し料理された食品９′が隣接
する食品９′に接触して付着する問題があつた。

此の食品の付着を防止するためには、隣接する
２つの被調理物の間に膨張量を考慮した間隔を確
保するように被調理物を配列しなければならな
い。

然しながら、多数のぎようざ等を繰り返して蒸
し調理するときに、膨張量を考慮した間隔を保ち
ながら配列することは煩瑣である。

又、被調理物が大きい場合には、蒸し板上面と
被調理物下面との接触面積が大となり、此の接触
面の隙間に水分が滲透して、蒸し料理された食品
の下面が湿つぽくなる問題があつた。

本考案は、蒸し板上に配列された食品の付着を
防止し、更に、大形の食品の下面が湿つぽくなる
問題を解決することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、蒸し板の被調理物
載置面に、略直角を成す２方向に配列される断面
形状が台形状に形成された複数の突起を略直角を
成す２方向に配列することにより、相隣る２条の
突起とこれに略直角を成す相隣る２条の突起との
間に、略同一寸法，形状に形成される略矩形状の
凹部を所定間隔で配列する。

〔作用〕

凹部よりも小さい被調理物を各凹部に載置する
と、相隣る被調理物間には被調理物の膨張量より
大きい間隔が確保され、蒸し調理後に食品相互が
接触して付着する虞れはない。

又、大形の被調理物を蒸し料理するときには、
被調理物が多数の突起上に載置されるので、蒸し
板と被調理物との間に水分が溜る虞れはなく、蒸
し上がつた食品の下面が湿つぽくなることはな
い。

〔実施例〕

本考案の実施例について図面を参照して説明す
る。

蒸し板１１は、第３図の平面図に示すように、
全面にわたつて多数の孔１２が設けられた多孔板
或いは網などの多孔性材より成り、被調理物を載
置する面には、断面形状が台形状に形成され矢印
Ｘ方向に平行な複数の突起１３と、突起１３と同
一の断面形状を有し矢印Ｙ方向に平行な複数の突
起１４がプレス加工などによつて設けられる。

従つて、相隣る二条の突起１３，１３と相隣る
二条の突起１４，１４とによつて蒸し板１１の周
縁部の凹部１５を除き、略同一寸法，形状に形成
される略矩形状の凹部１５が所定間隔で整然と配
列される。

第１図の縦断面図に示すように、各凹部１５上
に、例えばギヨウザ等の凹部１５よりも小さい被
調理物９を載置すると、各被調理物９は適当な間
隔をもつて整然と配列され、更に、水蒸気で加熱
される過程で膨張する被調理物９が突起１３，１
４に当たると、反対側に伸びようとするので膨張
した蒸し料理食品９′相互が接触することはなく、
従つて、食品９′が付着する問題がさけられる。

第２図の縦断面図は、蒸しパン等の大形の被調
理物１６を蒸し板１１上に載置して蒸し調理する
場合を示す。

大形の被調理物１６は所定間隔で複数の突起１
３，１４に接触し、しかも、その接触面積が小さ
いので、従来の蒸し板のように蒸し板１１と被調
理物１６との間に水分が溜る問題や、食品が均一
に蒸されない問題は生じない。

第４図は、突起１３及び１４を断続的に配列し
た第二実施例の蒸し板１１の平面図である。

此の場合にも、Ｘ方向に断続的に配列された突
起１７とＹ方向に断続的に配列された突起１８と
の間に通気性のよい凹部１９が形成されるが、蒸
し板１１の機能は上記第一実施例と同様である。

〔考案の効果〕

本考案は、以上説明したように構成されている
ので、以下に記載されるような効果を奏する。

(1) 蒸し板の被調理物載置面の表面に略同一寸
法，形状に形成される略矩形状の凹部が所定間
隔で整然と配列されるので、各被調理物が整然
と配列され更に、加熱調理中に膨張する被調理
物が突起に当たると反対側に伸びようとするの
で、蒸し調理された食品相互が接触して付着す
る問題は生じない。

(2) 大形の被調理物を蒸し板に載せた場合には、
被調理物は突起上に載置され蒸し板に等間隔で
しかも小さな接触面積で接触するので、被調理
物の下面が湿つぽくなる虞はなく均一に蒸しあ
がる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は本考案の実施例を示し、第１
図は被調理物を載置した蒸し板の縦断面図、第２
図は大形被調理物を載置した蒸し板の縦断面図、
第３図は蒸し板の平面図、第４図は第２実施例を
示す蒸し板の平面図、第５図は従来の蒸し板を用
いた加熱調理器の縦断面図である。 Ａ……加熱調理器、９……被調理物、９′……
蒸し上つた食品、１１……蒸し板、１２……孔、
１３，１４，１７，１８……突起、１５……凹
部、１６……大形被調理物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多孔性材より成り、加熱調理器の内部に形成さ
   れた調理用空間内に収容され、蒸し料理される被
   調理物を載置する蒸し板において、上記被調理物
   を載置する面上に、断面形状が台形状に形成され
   た複数の突起を略直角を成す２方向に配列するこ
   とにより、相隣る２条の突起とこれに略直角を成
   す相隣る２条の突起との間に、略同一寸法，形状
   に形成される略矩形状の凹部が所定間隔で配列さ
   れることを特徴とする蒸し板。