JPH05168882A - 物質移動装置及びその製造方法 - Google Patents

物質移動装置及びその製造方法

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JPH05168882A
JPH05168882A JP3360987A JP36098791A JPH05168882A JP H05168882 A JPH05168882 A JP H05168882A JP 3360987 A JP3360987 A JP 3360987A JP 36098791 A JP36098791 A JP 36098791A JP H05168882 A JPH05168882 A JP H05168882A
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gas
mass transfer
transfer device
liquid
blade body
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JP3360987A
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Hisao Kojima
久夫 小嶋
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 運転コスト及び装置コストが低いと共に、流
体同士の混合接触効率が高い物質移動装置及びその装置
の製造方法を提供する。 【構成】 通路管2の内壁部に複数個の螺旋状の羽根体
3,4が配置された物質移動装置1に、複数個の流体を
並流もしくは向流でその装置1内に導入し、流体同士を
高効率で混合接触させて、ガス吸収、ガス洗浄、化学反
応、生物化学反応などを行ない、排ガス、排水等が浄化
される。装置1の構造が簡単であるので、製造コストが
低く、保守管理も容易である。装置1内の圧力損失が小
さいので、運転コストも低い。装置、機器などの目詰
り、閉塞がないので、長時間連続運転ができるので、均
質な製品が製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の流体同士を混合
接触させて、流体中に含有する物質を移動させる物質移
動装置に関する。詳しくには、気相側の物質を液相側
に、液相側の物質を気相側に物質移動させて、ガス吸
収、ガス洗浄、化学反応、生物化学反応等を行なう物質
移動装置及びその製造方法に関する。更に詳述すれば、
食品工業においては、炭酸水等の清涼飲料水の製造工程
で、水中に炭酸ガスを吸収させている。石油化学工業に
おいては、酸化反応装置、水素添加反応装置又はガス希
釈水の製造装置で液体と気体とを混合接触させている。
また、紙パルプ工業においては硫化ガスのガス吸収反応
を行うために、液体と硫化ガスとを混合接触させてい
る。深層曝気装置、水の塩素殺菌装置、排ガス処理装
置、及び廃液処理等の環境装置、並びに好気性菌等を利
用したバイオリアクター等においても、この物質移動装
置が利用される。特に、半導体製造工場、光ファイバー
製造工場等から排出される、モノシラン、ジクロロシラ
ン、アルシン、ジボラン、四塩化珪素、四弗化珪素など
を含有する排ガス、及び化学工場等から排出される塩化
水素、塩素、亜硫酸ガス、アンモニアガス等を含有する
排ガスの浄化処理、更に、研究所などから排出されるウ
イルス、細菌等を含む汚染空気の殺菌、滅菌処理などに
適用される。
【従来の技術】従来、気体と液体との接触によるガス吸
収、ガス洗浄などを行なう物質移動装置としては、スプ
レー塔、充填塔、静止型混合器などが知られている。気
体接触によるガス吸収に充填塔を利用した場合、通常、
気体の塔内流速は1〜2m/sec,L/G比は3〜5
l/mで使用される。その為に、気体中のHCl等の
ガス成分が高濃度の場合、充填塔の塔径又は塔高さを大
きくするか、塔数を複数個にして処理する必要がある。
それ故に、設備費が高価となり、又、設置面積も大きく
なる。更に、SiO等の付着性の強い粉塵を含有する
排ガスを浄化処理する場合、充填物に粉塵が付着、成長
して、目詰り、閉塞などのトラブルが発生して、保守管
理費が高価となる。又、従来の静止型混合器を利用し
て、ガス吸収、ガス洗浄などを行った場合、大容量にな
ると気体と液体との混合接触効率が低くなる欠点があ
る。更に、価格も高価である。他方、SiOなどの微
粒子の粉塵を含有する排ガスを混式で処理する場合、ベ
ンチュリースクラバー等が使用されている。この場合、
装置内の圧力損失は500〜1500mmAqと非常に
高くなり、高圧力の排風機が必要となり、運転費が高価
となる。又、L/G比を高くすることができないので、
高濃度のガス成分のガス吸収に利用することは不適当で
ある。
【発明が解決しようとする課題】従来の装置には、前述
したごとく、充填塔においては、高濃度のHClなどの
ガス成分を処理する場合、塔径、塔高さを大きくし、ま
た塔数を複数個にする必要があり、更に、微細なSiO
粒子などが含有している場合は、装置、機器の目詰
り、閉塞などのトラブルが発生し、設備費及び保守管理
費が高価となる欠点がある。又、従来の静止型混合器
は、大容量となると気体と液体との混合接触効率が低く
なり、又、高価である。更に、ベンチュリースクラバー
は、装置内の圧力損失が高い為に、排風機の電力費が高
価となる。又、気液接触時間が短かい為にガス吸収に利
用するのは不適当である。本発明はかかる問題点に鑑み
てなされたものであって、設備費、運転費、保守管理費
が低いと共に、ガス吸収効率、化学反応効率、ガス洗浄
効率等が高い物質移動装置及びその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【問題を解決するための手段】本発明に係る物質移動装
置は、流体が通流する通路管と、この通路管の内壁部に
複数個の羽根体とを配置したことを特徴とする。また、
本発明に係る物質移動装置の製造方法は、長手方向に複
数個に分割された通路管の内壁部に複数個の螺旋状の羽
根体を所定の位置に接合する工程と、この通路管の分割
面同士を接合する工程とを有していることを特徴とす
る。
【作用】本発明においては、液体、気体、及び微粒子径
の粉塵を含む気体などの流体を、攪拌動力を必要としな
いで、各種流体を高効率で混合接触させるから、その物
質移動効率が高いと共に、運転費、保守管理費が低い。
また、本装置は、容易に製作できるので設備費も安価で
ある。
【実施例】以下、本発明に係る実施例について、添付の
図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明の第
1の実施例に係る物質移動装置を示す模式図である。図
1に示すように、物質移動装置1は、通路管2の内壁部
に複数個の螺旋状の羽根体3及び4が接合されている。
羽根体3は右捻り(時計方向)に90°捻じられてい
る。羽根体4は左捻り(反時計方向)に90°捻じられ
ている。また、図2及び図3に示すように、複数個の流
体通路9及び10とを有し、本装置1内の中心部は一定
の幅で長手方向に開口部6,7とを有し、流体通路9及
び10は各々連通している。更に、羽根体3及び羽根体
4との間は一定の間隔でスペース部5を有している。更
にまた、羽根体3と羽根体4の端縁とはスペース部5を
介して直交して交互に配置されている。なお、開口部
6,7はこの装置の長手方向に於いて、直線でも曲線で
もよい。又、長手方向の開口断面積が異なるテーパ状で
もよい。この装置1の半径方向の同一位置に於ける羽根
体3及び4の個数は2枚のみでなく、1枚又は2枚以上
でもよい。更に羽根体3と羽根体4との間にスペース部
5を設けずに、羽根体3と羽根体4とを連続的に隣接し
て端縁同士を直交させて交互に配置して本装置1を構成
してもよい。なお、羽根体3,4の捻り角度は90°の
みでなく、180°,270°等任意に設定できる。ま
た、流体通路9,10の個数も任意に設定できる。更
に、羽根体3,4の半径方向の高さ及び軸方向の長さ等
も使用目的に合せて任意に設定できる。本発明は、本装
置1内に2種以上の流体FAとFBを並流で流入する
と、一部の流体は通路管2内に接合されている羽根体3
に沿って時計方向に回転しながら流体通路9を通流し、
スペース部5で合流し、また、他の一部の流体は羽根体
3の開口部6の長手方向において、せん断作用を受け
る。更に、合流した流体FAとFBは羽根体4の上流側
の端縁で分割されて一部の流体は羽根体4に沿って反時
計方向に回転しながら流体通路10を通流し、且つ同様
に羽根体4の開口部7でせん断作用を受ける。このよう
に、2種以上の流体FAとFBは本装置1内で、分割、
合流、転位、せん断作用を繰返しながら高効率で混合接
触される。なお、流体FAとFBとを向流で本装置1内
で混合接触しても同様の効果が得られる。更に、本発明
の製造方法においては、先ず、複数個に分割された半円
筒状の通路管2a,2bの内壁面の所定の位置に、螺旋
状の羽根体3、4を接着、溶接等の手段により接合し、
次に、半円筒状の通路管2a,2b同士を分割面8で溶
接等の手段により接合する。この場合、分割面8同士を
溶接せずに、開閉自在になるように締め付け具等の手段
を用いて接合、固定してもよい。なお、羽根体3,4は
鍛造、鋳造、射出成型などの手段により容易に製造され
る。このようにして、極めて容易に高性能の物質移動装
置1を製造することができる。更に、羽根体を多孔体あ
るいは多孔質体で形成することにより、物質移動効率が
向上する。又、通路管2内壁部及び羽根体3,4の表面
にメッシュ状の多孔質の補助体を設けても、同様の効果
が得られる。図4は、本発明を、SiCl,SiH
Cl,SiH,SiF,PH,AsH,,B
等の光ファイバー製造工場、半導体製造工場から
排出される排ガスの処理装置に適用した場合の実施例を
示すブロック図である。排ガスは、本発明の実施例に係
る物質移動装置11を配置した排ガス処理装置12内に
導入されてその排ガス中のSiCl,SiH等の物
質は気体と液体との混合接触により気相側から液相側に
移動される。排ガス処理装置12には、その下方に配設
されたタンク15が連結されており、このタンク15は
デミスター、サイクロン又は充填塔等の気液分離装置1
6に連結されている。この気液分離装置16において気
体と液体とが分離され、液休はタンク15に返戻され
る。この気液分離装置16からの排出ガスは排風機17
を介して大気中に放出される。タンク15内の水溶液は
適宜バルブ18,19を開にして排水処理工程に排出さ
れると共に、適宜タンク15内に新液が補給される。処
理装置12には、その頭部にスプレーノズル13が配設
されており、このノズル13にはポンプ14によりタン
ク15内の液体が供給される。従って、この液体はノズ
ル13により処理装置12内に噴射され、次いでタンク
15内に集められた後、ポンプ14によってノズル13
に供給されるというように、循環使用される。この液体
は、排ガス中の物質により適宜、酸性又はアルカリ性等
の水溶液が選択使用される。次に、処理装置12の構造
について説明する。この処理装置12内には、図1に示
すように、螺旋状の右捻り及び左捻りの羽根体を所定位
置に複数個配置して構成される物質移動装置1が配設さ
れている。このように構成された排ガス処理装置12に
おいては、SiH,SiCl,PH等を含有する
排ガスが処理装置12の上部から処理装置12内に供給
される。また、ポンプ14によりタンク15から汲み上
げられた水溶液が処理装置12の頭部に配設されたスプ
レーノズル13を介して処理装置12内に噴射される。
この排ガス及び水溶液は、物質移動装置11内を並流で
通流する間に螺旋状に右及び左に回転する。排ガス及び
水溶液は、分割、合流、転移、せん断作用を繰り返しな
がら、気体と液体とが高効率で混合接触される。これに
より、排ガス中のSiH,SiCl等の物質は、液
体との化学反応により、水溶液中に溶解、吸収される。
また、この化学反応により生成する微細なSiO粒子
は水溶液中に捕捉される。吸収、捕捉された物質は、水
溶液と共に下方に配設されたタンク15内に集められ
る。排ガスは気液分離装置16に送給され、ガス気流中
に存在する小径の飛沫は気液分離装置16によりガスと
液体とに分離され、液体はタンク15内に返戻される。
なお、この気液分離装置16の頭部又は下部にスプレー
ノズルを配設して、このノズルを介して水溶液を装置1
6内に噴射することにより、含有物質の捕集効率が一層
高くなる。又、保守管理も容易になる。タンク15内の
水溶液はポンプ14により循環使用される。タンク15
内の水溶液がSiO粒子、塩酸等を含有してその濃度
が高くなると、バルブ18,19を開にすることによ
り、タンク15内の水溶液は適宜排水処理工程に排出さ
れる。また、タンク15内には、適宜新液が補給され
る。SiH,SiCl等の物質が除去された清浄な
排ガスは排風機17により大気中に放出される。次に、
本発明の第2の実施例について、図5を参照して説明す
る。本発明に係る物質移動装置を適用した処理装置20
は、図4で示した実施例とほぼ同様に構成されている。
この処理装置20内には、物質移動装置21のその長手
方向に所定のピッチで離隔する複数個のスプレーノズル
23,24が、その噴射方向を装置21の下方に向けて
配設されている。このように構成された処理装置20に
おいては、処理装置20の頭部にはスプレーノズル22
が配設され、また処理装置20内に配置されている物質
移動装置21内部にスプレーノズル23,24が各々配
設されている。このノズル22,23,24にはポンプ
24によりタンク26内の液体が供給される。ノズル2
3,24は、液体の噴射により、付着性の強い微細なS
iO粒子等による装置20内部での付着成長による目
詰り、閉塞などを防止し、又、装置20内の圧力損失を
小さくし、更に、物質移動効率を高めて洗浄、吸収効率
を上昇させる効果を有している。更に又、長時間連続運
転を可能にして、保守管理費を安価にする。なお、前記
適用例1,2において、排ガス中のSiH,SiH
Cl,SiF等の珪素化合物を除去処理する場合
は、複数個のタンクを使用して、先ず第1段階ではタン
ク内の水溶液を酸性(PH1〜2程度)にし、第2段階
での水溶液はアルカリ性(PH13〜14程度)で処理
を行なうにする。このように酸性水溶液及びアルカリ性
水溶液を用いて2段階処理を行なうと、第1段階で90
%以上の珪素化合物を除去することで、NaOH等のア
ルカリ性水溶液と化学反応して生成されるNaSiO
,,NaCl,NaCOなどの生成物による装
置、機器内の目詰り、閉塞などを防止し、NaOH等の
消費量を低くし、またPH計による常時監視を不要にで
きる。更に、排水中に含有するSiO粒子の排水処理
も簡易になる。SiO粒子を自然沈降、凝集沈殿、▲
ろ▼過装置などの手段で分離してSiO粒子を回収、
再利用することも可能となる。又、酸性水溶液は処理装
置に再循環して利用することも可能となる。なお、移動
装置21に設けられるスプレーノズルの個数は使用目的
に応じて任意に設定できる。次に、本発明に係る第3の
実施例について、図6を参照して説明する。この実施例
は本発明をバイオハザード対策に適用した場合のもので
ある。ガス中に存在する物質としては、病原生の微生
物、細菌、ウイルス等がある。図6に示すように、この
ような物質を含有するガスが本発明の実施例に係る処理
装置31にその上部から供給される。この処理装置31
は第1の適用例の処理装置12と同様の構造を有する。
つまり、図1に示すように、右及び左捻りの螺旋状の羽
根体3,4を配置した物質移動装置34を配置した処理
装置31は直立し、その頭部からオゾン、次亜塩素酸ソ
ーダなどの殺菌又は滅菌作用を有する物質を含有した洗
浄液が供給されて処理装置31内を流れる。この洗浄液
は、処理装置31内でガスと混合接触し、ガス中の病原
生の物質を殺菌、滅菌して清浄化する。このガスは、気
液分離装置32によりガス中の水分が除去された後、排
風機33に吸引されて大気に放出される。この実施例に
おいても、ガス中の病原生の物質は有効に殺菌、滅菌さ
れる。つまり、物質移動装置34内をガスと洗浄液とが
並流で通流する間に、ガスと洗浄液とが有効に混合接触
されて、ガス中の微生物、細菌、ウイルスなどが高効率
で殺菌、滅菌される。なお、オゾン、エチレンオキシ
ド、塩素、2酸化塩素ガス等を処理装置31内に供給し
て殺菌、滅菌をしてもよい。この場合、微生物を含んだ
ガスと殺菌、滅菌性のガスとを第1段階で混合接触させ
て殺菌、滅菌を行ない、第2段階でその殺菌、滅菌性の
ガスを水溶液で吸収して清浄化することにより、高効率
で病原生の物質を殺菌、滅菌できる。以上、述べた第
1、第2、及び第3の適用例においては、ガスと液体と
が処理装置内を通流する方向は同一(並流)であるが、
このガスの通流方向と液体の通流方向とを違え、その流
れが相互に向かい合う向流方向にガスと液体とを流して
もよい。更に、本発明の物質移動装置をバイオリアクタ
ーに適用する場合は、微生物または固定化酵素を担持す
る物質移動装置内に原液を通流させればよい。好気性菌
体を固定化して使用する場合は、空気または酸素を原液
とともに物質移動装置内に通流させればよい。このバイ
オリアクターを利用して、アンモニア等を含む有機系排
水を処理する場合は、羽根体などに硝化菌などの微生物
を担持させた物質移動装置内に原液を通流させれば、効
率よくアンモニア等が分解処理される。この場合、微生
物を活性化させるために、空気または酸素等のガスを物
質移動装置内に通流させる。装置内では、微生物と原液
および空気または、酸素が十分に混合接触されて、安価
な動力費で効率よく有機系排水が清浄に処理される。な
お、生物化学的触媒作用を有する酵素、微生物、動植物
細胞等を羽根体などに担持または固定する場合は、多孔
質材料等で形成された羽根体を、あらかじめ製造されて
いる微生物中に浸しつつ微生物を吸着させたり、反応の
スタートする植菌段階から微生物と羽根体とを接触さ
せ、培養の進行とともに吸着させることも可能である。
なお、通路管および羽根体を多孔質材料等で形成して、
通路管および羽根体に酵素、微生物等を担持または固定
化してもよい。更に、図7に示すように、バイオリアク
ター35内の原液中に物質移動装置36を配置して、原
液を装置36内に通流させて使用してもよい。この場
合、装置36の下部から空気、O,N,CO,A
r,He等の気体を供給する。こうすることにより、装
置36内で原液と微生物とが高効率で混合接触されて、
反応速度が早くなる。更にまた、原液中に固定化酵素粒
子37(または固定化微生物粒子)を存在させて、装置
36内を通流させてもよい。これにより、更に反応速度
は早くなる。このように本発明に係る物質移動装置をバ
イオリアクターに適用すると、攪拌動力をまったく必要
とせず、機械的駆動部分がなく、密閉状態で生物化学反
応が進行するので、雑菌による汚染もなく、温度、PH
制御等も容易になり、更に、スケールアップも容易にな
る。また、装置のコンパクト化、運転費の軽減化が図れ
る。
【発明の効果】本発明によれば、螺旋状の羽根体が配設
された通路管を複数の種類の流体が通流する間に、流体
同士が高効率で混合されて接触し、気相側から液相側
へ、液相側から気相側への物質移動により、ガス吸収、
ガス洗浄、化学反応、生物化学反応などが効率よく行な
われる。特に、排ガス処理装置に適用した場合、従来の
処理装置では、低い圧力損失では除去し得なかった粒子
径が1μm以下のSiO等の超微粒子も、本発明によ
れば、極めて有効に、低い圧力損失(50〜350mm
Aq程度)で除去することができる。又、簡単な構造に
より装置内の圧力損失も低く、かつ装置内のガス流速及
びL/G比を大きくできることで、装置はコンパクト及
び高性能になる。更に、保守管理も容易になる。更にま
た、付着性の強い粉塵による装置、機器の目詰り、閉塞
などのトラブルを防止し、装置内の圧力損失の上昇を防
止して、化学気相成長装置(CVD)やスプレードライ
ヤなどで生産される製品の品質を均質化させることがで
きる。更に、その処理装置の製造コストが低い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る物質移動装置を示
す模式図である。
【図2】同じくその物質移動装置のA−A線の断面図で
ある。
【図3】同じくその物質移動装置のB−B線の断面図で
ある。
【図4】本発明の第1の実施例に係る物質移動装置を排
ガス処理装置に適用した装置を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2の実施例に係る物質移動装置を排
ガス処理装置に適用した装置を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施例に係る物質移動装置をバ
イオハザード対策に適用した装置を示すブロック図であ
る。
【図7】同様に、バイオリアクターに適用した装置を示
すブロック図である。
【符号の説明】
1,11,21,34,36;物質移動装置 2,2a,2b;通路管 3, 4;羽根体 12,20;排ガス処理装置 13,22,23,24;スプレーノズル 14,24;ポンプ 15,26;タンク 16,27,32;気液分離装置 17,28,33;排風機 35;バイオリアクター
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年12月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 物質移動装置及びその製造方
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の流体同士を混合
接触させて、流体中に含有する物質を移動させる物質移
動装置に関する。詳しくには、気相側の物質を液相側
に、液相側の物質を気相側に物質移動させて、ガス吸
収、ガス洗浄、化学反応、生物化学反応等を行なう物質
移動装置及びその製造方法に関する。
【0002】更に詳述すれば、食品工業においては、炭
酸水等の清涼飲料水の製造工程で、水中に炭酸ガスを吸
収させている。石油化学工業においては、酸化反応装
置、水素添加反応装置又はガス希釈水の製造装置で液体
と気体とを混合接触させている。また、紙パルプ工業に
おいては硫化ガスのガス吸収反応を行うために、液体と
硫化ガスとを混合接触させている。深層曝気装置、水の
塩素殺菌装置、排ガス処理装置、及び廃液処理等の環境
装置、並びに好気性菌等を利用したバイオリアクター等
においても、この物質移動装置が利用される。
【0003】特に、半導体製造工場、光ファイバー製造
工場等から排出される、モノシラン、ジクロロシラン、
アルシン、ジボラン、四塩化珪素、四弗化珪素などを含
有する排ガス、及び化学工場等から排出される塩化水
素、塩素、亜硫酸ガス、アンモニアガス等を含有する排
ガスの浄化処理、更に、研究所などから排出されるウイ
ルス、細菌等を含む汚染空気の殺菌、滅菌処理などに適
用される。
【0004】
【従来の技術】従来、気体と液体との接触によるガス吸
収、ガス洗浄などを行なう物質移動装置としては、スプ
レー塔、充填塔、静止型混合器などが知られている。気
体接触によるガス吸収に充填塔を利用した場合、通常、
気体の塔内流速は1〜2m/sec,L/G比は3〜5
l/mで使用される。その為に、気体中のHCl等の
ガス成分が高濃度の場合、充填塔の塔径又は塔高さを大
きくするか、塔数を複数個にして処理する必要がある。
それ故に、設備費が高価となり、又、設置面積も大きく
なる。更に、SiO等の付着性の強い粉塵を含有する
排ガスを浄化処理する場合、充填物に粉塵が付着、成長
して、目詰り、閉塞などのトラブルが発生して、保守管
理費が高価となる。
【0005】又、従来の静止型混合器を利用して、ガス
吸収、ガス洗浄などを行った場合、大容量になると気体
と液体との混合接触効率が低くなる欠点がある。更に、
価格も高価である。他方、SiOなどの微粒子の粉塵
を含有する排ガスを混式で処理する場合、ベンチュリー
スクラバー等が使用されている。この場合、装置内の圧
力損失は500〜1500mmAqと非常に高くなり、
高圧力の排風機が必要となり、運転費が高価となる。
又、L/G比を高くすることができないので、高濃度の
ガス成分のガス吸収に利用することは不適当である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の装置には、前述
したごとく、充填塔においては、高濃度のHClなどの
ガス成分を処理する場合、塔径、塔高さを大きくし、ま
た塔数を複数個にする必要があり、更に、微細なSiO
粒子などが含有している場合は、装置、機器の目詰
り、閉塞などのトラブルが発生し、設備費及び保守管理
費が高価となる欠点がある。又、従来の静止型混合器
は、大容量となると気体と液体との混合接触効率が低く
なり、又、高価である。更に、ベンチュリースクラバー
は、装置内の圧力損失が高い為に、排風機の電力費が高
価となる。又、気液接触時間が短かい為にガス吸収に利
用するのは不適当である。本発明はかかる問題点に鑑み
てなされたものであって、設備費、運転費、保守管理費
が低いと共に、ガス吸収効率、化学反応効率、ガス洗浄
効率等が高い物質移動装置及びその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【問題を解決するための手段】本発明に係る物質移動装
置は、流体が通流する通路管と、この通路管の内壁部に
複数個の羽根体とを配置したことを特徴とする。また、
本発明に係る物質移動装置の製造方法は、長手方向に複
数個に分割された通路管の内壁部に複数個の螺旋状の羽
根体を所定の位置に接合する工程と、この通路管の分割
面同士を接合する工程とを有していることを特徴とす
る。
【0008】
【作用】本発明においては、液体、気体、及び微粒子径
の粉塵を含む気体などの流体を、攪拌動力を必要としな
いで、各種流体を高効率で混合接触させるから、その物
質移動効率が高いと共に、運転費、保守管理費が低い。
また、本装置は、容易に製作できるので設備費も安価で
ある。
【0009】
【実施例】以下、本発明に係る実施例について、添付の
図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明の第
1の実施例に係る物質移動装置を示す模式図である。図
1に示すように、物質移動装置1は、通路管2の内壁部
に複数個の螺旋状の羽根体3及び4が接合されている。
羽根体3は右捻り(時計方向)に90°捻じられてい
る。羽根体4は左捻り(反時計方向)に90°捻じられ
ている。また、図2及び図3に示すように、複数個の流
体通路9及び10とを有し、本装置1内の中心部は一定
の幅で長手方向に開口部6,7とを有し、流体通路9及
び10は各々連通している。更に、羽根体3及び羽根体
4との間は一定の間隔でスペース部5を有している。更
にまた、羽根体3と羽根体4の端縁とはスペース部5を
介して直交して交互に配置されている。なお、開口部
6,7はこの装置の長手方向に於いて、直線でも曲線で
もよい。又、長手方向の開口断面積が異なるテーパ状で
もよい。この装置1の半径方向の同一位置に於ける羽根
体3及び4の個数は2枚のみでなく、1枚又は2枚以上
でもよい。更に羽根体3と羽根体4との間にスペース部
5を設けずに、羽根体3と羽根体4とを連続的に隣接し
て端縁同士を直交させて交互に配置して本装置1を構成
してもよい。なお、羽根体3,4の捻り角度は90°の
みでなく、180°,270°等任意に設定できる。ま
た、流体通路9,10の個数も任意に設定できる。更
に、羽根体3,4の半径方向の高さ及び軸方向の長さ等
も使用目的に合せて任意に設定できる。
【0010】本発明は、本装置1内に2種以上の流体F
AとFBを並流で流入すると、一部の流体は通路管2内
に接合されている羽根体3に沿って時計方向に回転しな
がら流体通路9を通流し、スペース部5で合流し、ま
た、他の一部の流体は羽根体3の開口部6の長手方向に
おいて、せん断作用を受ける。更に、合流した流体FA
とFBは羽根体4の上流側の端縁で分割されて一部の流
体は羽根体4に沿って反時計方向に回転しながら流体通
路10を通流し、且つ同様に羽根体4の開口部7でせん
断作用を受ける。
【0011】このように、2種以上の流体FAとFBは
本装置1内で、分割、合流、転位、せん断作用を繰返し
ながら高効率で混合接触される。なお、流体FAとFB
とを向流で本装置1内で混合接触しても同様の効果が得
られる。更に、本発明の製造方法においては、先ず、複
数個に分割された半円筒状の通路管2a,2bの内壁面
の所定の位置に、螺旋状の羽根体3、4を接着、溶接等
の手段により接合し、次に、半円筒状の通路管2a,2
b同士を分割面8で溶接等の手段により接合する。この
場合、分割面8同士を溶接せずに、開閉自在になるよう
に締め付け具等の手段を用いて接合、固定してもよい。
なお、羽根体3,4は鍛造、鋳造、射出成型などの手段
により容易に製造される。このようにして、極めて容易
に高性能の物質移動装置1を製造することができる。
【0012】更に、羽根体を多孔体あるいは多孔質体で
形成することにより、物質移動効率が向上する。又、通
路管2内壁部及び羽根体3,4の表面にメッシュ状の多
孔質の補助体を設けても、同様の効果が得られる。
【0013】図4は、本発明を、SiCl,SiH
Cl,SiH,SiF,PH,AsH,B
等の光ファイバー製造工場、半導体製造工場から排
出される排ガスの処理装置に適用した場合の実施例を示
すブロック図である。排ガスは、本発明の実施例に係る
物質移動装置11を配置した排ガス処理装置12内に導
入されてその排ガス中のSiCl,SiH等の物質
は気体と液体との混合接触により気相側から液相側に移
動される。排ガス処理装置12には、その下方に配設さ
れたタンク15が連結されており、このタンク15はデ
ミスター、サイクロン又は充填塔等の気液分離装置16
に連結されている。この気液分離装置16において気体
と液体とが分離され、液体はタンク15に返戻される。
この気液分離装置16からの排出ガスは排風機17を介
して大気中に放出される。タンク15内の水溶液は適宜
バルブ18,19を開にして排水処理工程に排出される
と共に、適宜タンク15内に新液が補給される。処理装
置12には、その頭部にスプレーノズル13が配設され
ており、このノズル13にはポンプ14によりタンク1
5内の液体が供給される。従って、この液体はノズル1
3により処理装置12内に噴射され、次いでタンク15
内に集められた後、ポンプ14によってノズル13に供
給されるというように、循環使用される。この液体は、
排ガス中の物質により適宜、酸性又はアルカリ性等の水
溶液が選択使用される。
【0014】次に、処理装置12の構造について説明す
る。この処理装置12内には、図1に示すように、螺旋
状の右捻り及び左捻りの羽根体を所定位置に複数個配置
して構成される物質移動装置1が配設されている。この
ように構成された排ガス処理装置12においては、Si
,SiCl,PH等を含有する排ガスが処理装
置12の上部から処理装置12内に供給される。また、
ポンプ14によりタンク15から汲み上げられた水溶液
が処理装置12の頭部に配設されたスプレーノズル13
を介して処理装置12内に噴射される。この排ガス及び
水溶液は、物質移動装置11内を並流で通流する間に螺
旋状に右及び左に回転する。排ガス及び水溶液は、分
割、合流、転移、せん断作用を繰り返しながら、気体と
液体とが高効率で混合接触される。これにより、排ガス
中のSiH,SiCl等の物質は、液体との化学反
応により、水溶液中に溶解、吸収される。また、この化
学反応により生成する微細なSiO粒子は水溶液中に
捕捉される。吸収、捕捉された物質は、水溶液と共に下
方に配設されたタンク15内に集められる。排ガスは気
液分離装置16に送給され、ガス気流中に存在する小径
の飛沫は気液分離装置16によりガスと液体とに分離さ
れ、液体はタンク15内に返戻される。なお、この気液
分離装置16の頭部又は下部にスプレーノズルを配設し
て、このノズルを介して水溶液を装置16内に噴射する
ことにより、含有物質の捕集効率が一層高くなる。又、
保守管理も容易になる。タンク15内の水溶液はポンプ
14により循環使用される。タンク15内の水溶液がS
iO粒子、塩酸等を含有してその濃度が高くなると、
パルプ18,19を開にすることにより、タンク15内
の水溶液は適宜排水処理工程に排出される。また、タン
ク15内には、適宜新液が補給される。SiH,Si
Cl,等の物質が除去された清浄な排ガスは排風機1
7により大気中に放出される。
【0015】次に、本発明の第2の実施例について、図
5を参照して説明する。本発明に係る物質移動装置を適
用した処理装置20は、図4で示した実施例とほぼ同様
に構成されている。この処理装置20内には、物質移動
装置21のその長手方向に所定のピッチで離隔する複数
個のスプレーノズル23,24が、その噴射方向を装置
21の下方に向けて配設されている。このように構成さ
れた処理装置20においては、処理装置20の頭部には
スプレーノズル22が配設され、また処理装置20内に
配置されている物質移動装置21内部にスプレーノズル
23,24が各々配設されている。このノズル22,2
3,24にはポンプ24によりタンク26内の液体が供
給される。ノズル23,24は、液体の噴射により、付
着性の強い微細なSiO粒子等による装置20内部で
の付着成長による目詰り、閉塞などを防止し、又、装置
20内の圧力損失を小さくし、更に、物質移動効率を高
めて洗浄、吸収効率を上昇させる効果を有している。更
に又、長時間連続運転を可能にして、保守管理費を安価
にする。
【0016】なお、前記適用例1,2において、排ガス
中のSiH,SiHCl,SiF等の珪素化合
物を除去処理する場合は、複数個のタンクを使用して、
先ず第1段階ではタンク内の水溶液を酸性(PH1〜2
程度)にし、第2段階での水溶液はアルカリ性(PH1
3〜14程度)で処理を行なうにする。このように酸性
水溶液及びアルカリ性水溶液を用いて2段階処理を行な
うと、第1段階で90%以上の珪素化合物を除去するこ
とで、NaOH等のアルカリ性水溶液と化学反応して生
成されるNaSiO,NaCl,NaCOなど
の生成物による装置、機器内の目詰り、閉塞などを防止
し、NaOH等の消費量を低くし、またPH計による常
時監視を不要にできる。更に、排水中に含有するSiO
粒子の排水処理も簡易になる。SiO粒子を自然沈
降、凝集沈殿、▲ろ▼過装置などの手段で分離してSi
粒子を回収、再利用することも可能となる。又、酸
性水溶液は処理装置に再循環して利用することも可能と
なる。なお、移動装置21に設けられるスプレーノズル
の個数は使用目的に応じて任意に設定できる。
【0017】次に、本発明に係る第3の実施例につい
て、図6を参照して説明する。この実施例は本発明をバ
イオハザード対策に適用した場合のものである。ガス中
に存在する物質としては、病原生の微生物、細菌、ウイ
ルス等がある。図6に示すように、このような物質を含
有するガスが本発明の実施例に係る処理装置31にその
上部から供給される。この処理装置31は第1の適用例
の処理装置12と同様の構造を有する。つまり、図1に
示すように、右及び左捻りの螺旋状の羽根体3,4を配
置した物質移動装置34を配置した処理装置31は直立
し、その頭部からオゾン、次亜塩素酸ソーダなどの殺菌
又は滅菌作用を有する物質を含有した洗浄液が供給され
て処理装置31内を流れる。この洗浄液は、処理装置3
1内でガスと混合接触し、ガス中の病原生の物質を殺
菌、滅菌して清浄化する。このガスは、気液分離装置3
2によりガス中の水分が除去された後、排風機33に吸
引されて大気に放出される。
【0018】この実施例においても、ガス中の病原生の
物質は有効に殺菌、滅菌される。つまり、物質移動装置
34内をガスと洗浄液とが並流で通流する間に、ガスと
洗浄液とが有効に混合接触されて、ガス中の微生物、細
菌、ウイルスなどが高効率で殺菌、滅菌される。なお、
オゾン、エチレンオキシド、塩素、2酸化塩素ガス等を
処理装置31内に供給して殺菌、滅菌をしてもよい。こ
の場合、微生物を含んだガスと殺菌、滅菌性のガスとを
第1段階で混合接触させて殺菌、滅菌を行ない、第2段
階でその殺菌、滅菌性のガスを水溶液で吸収して清浄化
することにより、高効率で病原生の物質を殺菌、滅菌で
きる。
【0019】以上、述べた第1、第2、及び第3の適用
例においては、ガスと液体とが処理装置内を通流する方
向は同一(並流)であるが、このガスの通流方向と液体
の通流方向とを違え、その流れが相互に向かい合う向流
方向にガスと液体とを流してもよい。
【0020】更に、本発明の物質移動装置をバイオリア
クターに適用する場合は、微生物または固定化酵素を担
持する物質移動装置内に原液を通流させればよい。好気
性菌体を固定化して使用する場合は、空気または酸素を
原液とともに物質移動装置内に通流させればよい。この
バイオリアクターを利用して、アンモニア等を含む有機
系排水を処理する場合は、羽根体などに硝化菌などの微
生物を担持させた物質移動装置内に原液を通流させれ
ば、効率よくアンモニア等が分解処理される。この場
合、微生物を活性化させるために、空気または酸素等の
ガスを物質移動装置内に通流させる。装置内では、微生
物と原液および空気または、酸素が十分に混合接触され
て、安価な動力費で効率よく有機系排水が清浄に処理さ
れる。なお、生物化学的触媒作用を有する酵素、微生
物、動植物細胞等を羽根体などに担持または固定する場
合は、多孔質材料等で形成された羽根体を、あらかじめ
製造されている微生物中に浸しつつ微生物を吸着させた
り、反応のスタートする植菌段階から微生物と羽根体と
を接触させ、培養の進行とともに吸着させることも可能
である。なお、通路管および羽根体を多孔質材料等で形
成して、通路管および羽根体に酵素、微生物等を担持ま
たは固定化してもよい。
【0021】更に、図7に示すように、バイオリアクタ
ー35内の原液中に物質移動装置36を配置して、原液
を装置36内に通流させて使用してもよい。この場合、
装置36の下部から空気、O,N,CO,Ar,
He等の気体を供給する。こうすることにより、装置3
6内で原液と微生物とが高効率で混合接触されて、反応
速度が早くなる。更にまた、原液中に固定化酵素粒子3
7(または固定化微生物粒子)を存在させて、装置36
内を通流させてもよい。これにより、更に反応速度は早
くなる。このように本発明に係る物質移動装置をバイオ
リアクターに適用すると、攪拌動力をまったく必要とせ
ず、機械的駆動部分がなく、密閉状態で生物化学反応が
進行するので、雑菌による汚染もなく、温度、PH制御
等も容易になり、更に、スケールアップも容易になる。
また、装置のコンパクト化、運転費の軽減化が図れる。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、螺旋状の羽根体が配設
された通路管を複数の種類の流体が通流する間に、流体
同士が高効率で混合されて接触し、気相側から液相側
へ、液相側から気相側への物質移動により、ガス吸収、
ガス洗浄、化学反応、生物化学反応などが効率よく行な
われる。特に、排ガス処理装置に適用した場合、従来の
処理装置では、低い圧力損失では除去し得なかった粒子
径が1μm以下のSiO等の超微粒子も、本発明によ
れば、極めて有効に、低い圧力損失(50〜350mm
Aq程度)で除去することができる。又、簡単な構造に
より装置内の圧力損失も低く、かつ装置内のガス流速及
びL/G比を大きくできることで、装置はコンパクト及
び高性能になる。更に、保守管理も容易になる。更にま
た、付着性の強い粉塵による装置、機器の目詰り、閉塞
などのトラブルを防止し、装置内の圧力損失の上昇を防
止して、化学気相成長装置(CVD)やスプレードライ
ヤなどで生産される製品の品質を均質化させることがで
きる。更に、その処理装置の製造コストが低い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る物質移動装置を示
す模式図である。
【図2】同じくその物質移動装置のA−A線の断面図で
ある。
【図3】同じくその物質移動装置のB−B線の断面図で
ある。
【図4】本発明の第1の実施例に係る物質移動装置を排
ガス処理装置に適用した装置を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2の実施例に係る物質移動装置を排
ガス処理装置に適用した装置を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施例に係る物質移動装置をバ
イオハザード対策に適用した装置を示すブロック図であ
る。
【図7】同様に、バイオリアクターに適用した装置を示
すブロック図である。
【符号の説明】 1,11,21,34,36;物質移動装置 2,2a,2b;通路管 3, 4;羽根体 12,20;排ガス処理装置 13,22,23,24;スプレーノズル 14,24;ポンプ 15,26;タンク 16,27,32;気液分離装置 17,28,33;排風機 35;バイオリアクター

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体が通流する通路管と、この通路管の
    内壁部に複数個の羽根体とを配置したことを特徴とする
    物質移動装置。
  2. 【請求項2】 前記羽根体は、螺旋状に時計方向に回転
    していることを特徴とする請求項1に記載の物質移動装
    置。
  3. 【請求項3】 前記羽根体は、螺旋状に反時計方向に回
    転していることを特徴とする請求項1に記載の物質移動
    装置。
  4. 【請求項4】 前記羽根体は、多孔体又は多孔質体であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の物質移動装置。
  5. 【請求項5】 前記通路管は、その内部に流体を噴射す
    るスプレーノズルが配置されていることを特徴とする請
    求項1に記載の物質移動装置。
  6. 【請求項6】 前記物質移動装置は、生物化学的触媒作
    用を有する酵素、微生物、又は動植物細胞を担持あるい
    は固定化していることを特徴とする請求項1に記載の物
    質移動装置。
  7. 【請求項7】 長手方向に複数個に分割された通路管の
    内壁部に複数個の螺旋状の羽根体を所定の位置に接合す
    る工程と、この通路管の分割面同士を接合する工程とを
    有していることを特徴とする物質移動装置の製造方法。
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