JP2003038943A - ミキシングエレメント及びその製造方法 - Google Patents

ミキシングエレメント及びその製造方法

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JP2003038943A
JP2003038943A JP2002212494A JP2002212494A JP2003038943A JP 2003038943 A JP2003038943 A JP 2003038943A JP 2002212494 A JP2002212494 A JP 2002212494A JP 2002212494 A JP2002212494 A JP 2002212494A JP 2003038943 A JP2003038943 A JP 2003038943A
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mixing element
gas
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mixing
passage pipe
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Hisao Kojima
久夫 小嶋
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低コストで高混合攪拌効果のミキシングエレ
メント及びその製造方法を提供する。 【構成】 流体が通流する筒状の通路管の内側に、複数
個の流体通路を形成する螺旋状の羽根体を有し、その流
体通路同士は開口部を介して連通して形成されている。
また、筒状の通路管と螺旋状の羽根体とは、夫々別体で
製造され、前記羽根体が前記通路管の内面に接合されて
いる。これにより、高混合攪拌効果のミキシングエレメ
ントの製造コストが極めて低い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は1種類又は2種類以
上の流体(液体、気体、及び粉粒体等)を機械的可動部
分を有しないで混合する静止型流体混合器に使用される
ミキシングエレメント及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の静止型流体混合器は、例えば、
廃ガス中のHCl、Cl、NO、SOなどの有害
物質のガス吸収反応による処理装置及び排水中の有機塩
素系化合物を含んだ排水の曝気処理による有機塩素系化
合物の除去装置、その他、半導体工場や光ファイバー製
造工場から排出されるSiO粉塵等の除塵(集塵)装
置として使用される。また静止型流体混合器は、化学工
業、紙パルプ産業、食品工業、発酵工業、建設土木工
業、プラスチック工業及び公害防止関連産業等の多くの
分野で使用されている。
【0003】この静止型流体混合器は、螺旋状に回転し
た複数個の羽根を連結したものをパイプ内に設置して構
成されており、この流体混合器内を性質が異なる2種以
上流体が通流する間に流体は羽根により仕切られた通路
を螺旋状に進行し、各羽根の境界で分割し、更に他の通
路を進行してきた流体と合流する(例えば、USP4,
408,893)。そして、流体はこのような分割、合
流を繰り返すことにより攪拌混合される。
【0004】流体としては液体、気体又は粉粒体等があ
る。そして、この流体の異なる性質としては、粘性、組
成、温度、色彩及び粒度等がある。この流体混合器は、
気体と液体との混合のように、相が異なるもの同士の混
合も可能である。
【0005】このような流体混合器は、前述の各分野に
おいて、混合、攪拌、分散、乳化、抽出、熱交換、反
応、ガス吸収及び希釈等の手段として使用されている。
【0006】而して、この流体混合器の製造手段として
は、右捻り又は左捻りの螺旋状の羽根をパイプ内に挿入
し、隣接する羽根同士を溶接又はロー付け等の手段によ
り固定するものがある(特公昭44−8290号)。ま
た、右捻り又は左捻りの螺旋状の羽根をパイプ内に挿入
し、隣接する羽根同士を相互に係止させ又は嵌合してパ
イプ内に設置する技術もある(西独公開番号第2262
016号)。更に、右捻り又は左捻りの螺旋状の羽根を
隣接する羽根間に支持具を配置してパイプ内に挿入し、
羽根をこの支持具により固定して連結するものもある
(米国特許第3,953,002号)。更にまた、右又
は左に捻じられたバッフル板を管状ハウジング内に挿入
し、前記バッフル板の両端突出部に形成した凹溝同士を
係合させて両者を連結したものもある(特公平1−31
928号)。更にまた、幅が狭い部分を所定のピッチで
配置した帯状帯を広幅の部分を時計方向及び反時計方向
に交互に螺旋状に捻り、狭幅の部分を約90°に捻った
バッフルをパイプ内に挿入した流体混合器も提案されて
いる(米国特許第4,408,893号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た各流体混合器は、いずれも製造が容易ではないという
欠点がある。
【0008】特に、羽根同士を溶接又はロー付けした場
合には(特公昭44−8290号)、その接合部分で機
械的強度が弱く、ねじれ応力が印加された場合に、溶接
部が破損したり、折損したりする欠点もある。
【0009】また、羽根同士をその中心部で点状に連結
したものも(米国特許第4,408,893号)、バッ
フル同士の連結部が捻れ応力に弱く、破損し易いという
難点がある。そして、この流体混合器は、高粘性流体の
層流域での混合効果が低いという欠点がある。
【0010】更に、従来の各流体混合器は前述の如く、
製造が容易でないため、その製造コストが高いと共に、
混合効果が低いという欠点がある。
【0011】本発明はかかる問顕点に鑑みてなされたも
のであって、各羽根体の接合部の強度が高く、また流体
混合効果が優れていると共に、製造コストが低いミキシ
ングエレメント及びこのミキシングエレメントを高効率
で製造することができる製造方法を提供することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係るミキシング
エレメントは、流体が通流する筒状の通路管と、前記通
路管の内側に配設されて前記通路管の内部に複数個の流
体通路を形成する複数個の螺旋状の羽根体とを有し、前
記羽根体は、前記通路管の中心部に位置する部分が切り
欠かれていて前記羽根体により仕切られた流体通路が前
記通路管の中心部で連通しており、前記羽根体は、前記
通路管とは別体で成形され、前記通路管の内面に接合さ
れていることを特徴とする。このミキシングエレメント
において、前記羽根体は、多孔体または多孔質体とする
ことができる。
【0013】本発明に係るミキシングエレメントの製造
方法は、流体が通流する筒状の通路管と、前記通路管の
内側に配設されて前記通路管の内部に複数個の流体通路
を形成する複数個の螺旋状の羽根体とを有し、前記羽根
体は、前記通路管の中心部に位置する部分が切り欠かれ
ていて前記羽根体により仕切られた流体通路が前記通路
管の中心部で連通しているミキシングエレメントの製造
方法において、前記通路管と前記羽根体とを別体で製造
した後、前記通路管の内面に前記羽根体を接合すること
を特徴とする。
【0014】このミキシングエレメントの製造方法にお
いて、前記通路管は、その長手方向に複数個に分割され
ており、この分割通路管の内面に前記羽根体を接合した
後、前記分割通路管の分割面同士を接合して筒状に組み
立てるように構成することもできる。
【0015】本発明においては、流体が通流する筒状の
通路管と、その通路管の内側に配設されて、通路管の内
部に複数個の流体通路を形成する別体で製造された螺旋
状の羽根体とを有し、流体通路同士は開口部を介して連
通している。
【0016】従来のミキシングエレメントは、筒状の通
路管と螺旋状の羽根体とが一体的に形成されている。こ
れに対し、本発明のミキシングエレメントは、筒状の通
路管と螺旋状の羽根体とは夫々別体で形成されているの
で、混合効率を向上させる羽根体の個数を容易に増設さ
せることができ、また、大口径の流体混合器の製造が容
易になり、製造コストも安価となる。
【0017】一方、本発明に係る、ミキシングエレメン
トの製造方法においては、筒状の通路管と螺旋状の羽根
体とは、夫々別体で製造される。筒状の通路管の内側に
螺旋状の羽根体を溶接、接着及び溶着、係止等の手段に
より接合されることで、容易にミキシングエレメントが
製造される。
【0018】また、混合効率の向上に寄与する多数個の
螺旋状の羽根体を筒状の通路管の内側に接合したミキシ
ングエレメントの製造方法においては、筒状の通路管を
長手方向の全長に亘って複数個に分割し、その分割した
通路管の内側に複数個の羽根体が接合され、その後、通
路管の分割面同士が接合されて、容易に高い混合効率の
ミキシングエレメントが製造される。
【0019】このようにして製造された複数個のミキシ
ングエレメントをパイプ内に配置、またはミキシングエ
レメント同士を接合することにより静止型流体混合器が
完成する。本発明によれば、混合効率の極めて高い流体
混合器が容易にそして低コストで製造できる。また、大
口径の流体混合器も低コストで製造できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、添付の図面を参照して具体的に説明する。
【0021】図1及び図2は90°回転型のミキシング
エレメントの斜視図、図3はこのミキシングエレメント
を使用した静止型流体混合器の側面図である。ミキシン
グエレメント1及び8は夫々円筒状の通路管2及び9
と、この通路管2及び9内に夫々内設された螺旋状の羽
根体3,4及び10,11とを有する。この羽根体3,
4及び10,11は夫々時計方向(右回転)及び反時計
方向(左回転)へ90°だけねじられており、この羽根
体3,4及び10,11により夫々流体通路5,6及び
流体通路12,13が形成されている。この流体通路
5,6及び流体通路12,13は開口部7及び14を介
して、通路管2及び9の全長に亘って相互に連通してい
る。このようなミキシングエレメント1及び8を円筒状
のケーシング15内に交互的に嵌入し、ミキシングエレ
メント1及び8の夫々羽根体3,4及び10,11の端
縁どおしを直交させて配置すると静止型流体混合器30
が組み立てられる。
【0022】図4及び図5は180°回転型のミキシン
グエレメント16及び23を示す斜視図である。通路管
17及び24の内側部分は、夫々螺旋状に180°右回
転する羽根体18,19及び同様に180°左回転する
羽根体25,26により夫々流体通路20,21及び流
体通路27,28が形成されている。この流体通路2
0,21及び27,28は開口部22及び29を介し
て、通路管17及び24の全長に亘って相互に連通して
いる。そして、図6に示す如く、ケーシング15内にミ
キシングエレメント16及び23を交互的に嵌入し、両
者の連結点における羽根体18,19及び25,26の
端縁どおしを直交するように配置すると、静止型流体混
合器31が組み立てられる。
【0023】なお、開口部7,14,22,29はこの
ミキシングエレメント1,8,16,23の長手方向に
おいて、直線でも曲線でもよい。又、長手方向の開口断
面積が異なるテーパ状でもよい。又、螺旋状の羽根体
3,4,10,11,18,19,25,26の回転角
度(捻り角度)は、90°,180°のみでなくて、2
70°,360°等任意に設定できる。
【0024】更に、羽根体3,4,10,11,18,
19,25,26の直径方向の幅及び軸方向の長さ等も
使用目的に合せて任意に設定できる。更に又、羽根体の
個数も任意に設定できる。そして更に、羽根体を多孔体
あるいは多孔質体で形成することにより、混合効率が向
上する。又、ミキシングエレメント内の上部又は下部
(図7参照)あるいは両方に空間部33を設けてミキシ
ングエレメント34を形成してもよい。
【0025】なお、上記静止型流体混合器30,31
は、ミキシングエレメントをケーシング15内に交互的
に嵌入して静止型流体混合器30,31を形成している
が、ミキシングエレメントの端縁同士を接合して静止型
流体混合器を形成してもよい。
【0026】上述の如く構成された静止型流体混合器3
0,31の流体通路を2種の流体FA,FBが通流する
間に、流体の一部は螺旋状に90°又は180°回転
し、一部は開口部でせん断され、他方の流体通路を通流
してきた流体と合流し更に分割された後、反対方向に螺
旋状に90°又は180°回転する。このような回転、
せん断、合流、分割、転位が繰り返される間に流体は混
合される。
【0027】次に、本発明に係るミキシングエレメント
を使用した実施の形態について述べる。
【0028】図8は、本発明をHCl,Cl,F,N
,HS等の有害ガス及びSiO,ZnO等の粉
塵を含んだ廃ガスの処理装置に適用した場合の実施例を
示すブロック図である。廃ガスは、本発明の実施例に係
るミキシングエレメントで形成された静止型流体混合器
30を配置した廃ガス処理装置35内に供給されてその
廃ガス中のHCl,Cl等の物質は気体と液体との混
合接触により気相側から液相側に移動される。廃ガス処
理装置35には、その下方に配設されたタンク36が連
結されており、このタンク36はデミスター、サイクロ
ン又は充填塔等の気液分離装置37に連結されている。
この気液分離装置37において気体と液体とが分離さ
れ、液体はタンク36に返戻される。この気液分離装置
37からの排出ガスは排風機38を介して大気中に放出
される。タンク36内の水溶液は適宜バルブ39を開に
して排水処理工程等に排出されると共に、適宜タンク3
6内に新液が補給される。処理装置35には、その頭部
にスプレーノズル40が配設されており、このノズル4
0にはポンプ41によりタンク36内の液体が供給され
る。従って、この液体はノズル40により処理装置35
内に噴射され、次いでタンク36内に集められた後、ポ
ンプ41によってノズル40に供給されるというよう
に、循環使用される。この液体は、排ガス中の物質によ
り適宜、水または酸性またはアルカリ性等の水溶液が選
択使用される。
【0029】次に、処理装置35の構造について説明す
る。この処理装置35内には、図1及び図2に示すよう
に、螺旋状の右捻り及び左捻りの羽根体を所定位置に複
数個配置して構成されるミキシングエレメント1,8で
形成された静止型流体混合器30が配設されている。こ
のように構成された廃ガス処理装置35においては、H
Cl,Cl,SiO等を含有する廃ガスが処理装置
35の上部から処理装置35内に供給される。また、ポ
ンプ41によりタンク36から汲み上げられた水溶液が
処理装置35の頭部に配設されたスプレーノズル40を
介して処理装置35内に噴射される。この廃ガス及び水
溶液は、処理装置35内を並流で通流する間に螺旋状に
右及び左に回転する。廃ガス及び水溶液は、分割、合
流、転位、せん断作用を繰り返しながら、気体と液体と
が高効率で混合接触される。これにより、廃ガス中のH
Cl,Cl等の物質は、液体との化学反応により、水
溶液中に溶解、吸収される。また、微細なSiO粒子
等は水溶液中に捕捉、集塵される。吸収、捕捉された物
質は、水溶液と共に下方に配設されたタンク36内に集
められる。廃ガスは気液分離装置37に送給され、ガス
気流中に存在する小径の飛沫は気液分離装置37により
ガスと液体とに分離され、液体はタンク36内に返戻さ
れる。なお、この気液分離装置37の頭部又は下部にス
プレーノズル(不図示)を配設して、このノズルを介し
て水溶液を装置37内に噴射することにより、含有物質
の捕集効率が一層高くなる。又、保守管理も容易にな
る。タンク36内の水溶液はポンプ41により循環使用
される。タンク36内の水溶液がSiO粒子、塩酸等
を含有してその濃度が高くなると、バルブ39を開にす
ることにより、タンク36内の水溶液は適宜排水処理工
程等に排出される。また、タンク36内には、適宜新液
が補給される。HCl,SiO等の物質が除去された
清浄な廃ガスは排風機38により大気中に放出される。
【0030】なお、処理装置35内の長手方向に複数個
のスプレーノズル(不図示)を配設してもよい。この場
合、隣接するミキシングエレメントとミキシングエレメ
ントとの間に空間部を設けて、その空間部内にスプレー
ノズルを1個又は複数個を配設してもよい。又は、空間
部を有しているミキシングエレメント34を使用して、
その空間部33にスプレーノズルを配設してもよい。こ
れらのスプレーノズルはミキシングエレメント内での粉
塵等の付着を防止して長期間の連続運転を可能にし、
又、装置35内の圧力損失を小さくする。更に、気液接
触を高めて、除去効率及びガス吸収効率を向上させる効
果を有している。
【0031】なお、本発明に係る処理装置における処理
ガス量と循環液量との比率及び混合接触時間等の操作条
件は、処理ガスの種類、濃度、物性等により、適宜選択
される。
【0032】次に、図9は、本発明を燃焼炉,焼却炉,
溶解装置等から排出されるNOx,SOx等の有害ガス
を含んだ廃ガスの湿式処理装置に適用した場合の実施例
を示すブロック図である。廃ガスは、本発明の実施例に
係るミキシングエレメントで形成された静止型流体混合
器42を配置した廃ガス処理装置43内に下部から供給
されて廃ガス中のNOx,SOx等の物質は気体と液体
との混合接触により、ガス吸収又はガス吸収反応が行な
われて、有害物質は水溶液中に吸収される。廃ガス処理
装置43には、その下方に配設されたタンク44が連結
されている。廃ガス処理装置43からの浄化された排出
ガスは気液分離装置45及び排風機46を介して大気中
に放出される。タンク44内の水溶液は適宜バルブ47
を開にして排水処理工程等に排出されると共に、適宜タ
ンク44内に新液が補給される。処理装置43には、そ
の頭部及び下部にスプレーノズル48が配設されてお
り、このノズル48にはポンプ49によりタンク44内
の液体が供給される。従って、この液体はノズル48に
より処理装置43内に噴射され、次いでタンク44内に
集められた後、ポンプ49によってノズル48に供給さ
れるというように、循環使用される。この液体は、廃ガ
ス中の物質により適宜、水溶液又はNaOH,Ca(O
H),CaCO,Mg(OH)等のアルカリ性水
溶液が選択使用される。又、処理装置43内にCl
等の酸化剤を添加して、処理能力を高めてもよい。
【0033】次に、処理装置43の構造について説明す
る。処理装置43内には、図1及び図2に示すように、
螺旋状の右捻り及び左捻りの羽根体を所定位置に複数個
配置して構成されるミキシングエレメント1,8で形成
された静止型流体混合器42が配設されている。このよ
うに構成された廃ガス処理装置43においては、NO
x,SOx等を含有する廃ガスが処理装置43の下部か
ら処理装置43内に供給される。また、ポンプ49によ
りタンク44から汲み上げられた水溶液が処理装置43
の頭部及び下部に配設されたスプレーノズル48を介し
て処理装置43内に噴射される。この廃ガス及び水溶液
は、処理装置43内を向流で通流する間に螺旋状に右及
び左に回転する。廃ガス及び水溶液は、分割、合流、転
位、せん断作用を繰り返しながら、気体と液体とが高効
率で混合接触される。これにより、廃ガス中のNOx,
SOx等の物質は液体との化学反応により、水溶液中に
溶解、吸収される。捕捉、吸収された物質は、水溶液と
共に下方に配設されたタンク44内に集められる。廃ガ
スは気液分離装置45に送給され、ガス気流中に存在す
る小径の飛沫は気液分離装置45によりガスと液体とに
分離され、液体はタンク45内に返戻される(不図
示)。NOx,SOx等の物質が除去された清浄な廃ガ
スは排風機46により大気中に放出される。なお、廃ガ
スと水溶液とが処理装置内を通流する方向は向流である
が、水溶液と廃ガスとを同一方向に並流で通流させても
よい。
【0034】次に、図10は、燃焼炉、焼却炉等から排
出されるNOxガスを含んだ廃ガスのガス反応装置に適
用した場合の実施例を示すブロック図である。廃ガス
は、本発明の実施例に係るミキシングエレメントで形成
された静止型流体混合器50を配置したガス反応装置5
1内に還元剤としてのNHガスと共に供給される。廃
ガス中のNOxはNHガスと下記のごとく化学反応に
より窒素と水に還元分解されて、無害なガスとして大気
中に放出される。 6NO + 4NH → 5N + 6HO 6NO+ 8NH → 7N +12HO 4NO + 4NH+O → 4N+6HO この化学反応は、触媒作用を有する触媒の存在下ではよ
り化学反応は促進される。
【0035】次に、ガス反応装置51の構造について説
明する。このガス反応装置51内には、図1及び図2に
示すように、螺旋状の右捻り及び左捻りの羽根体を所定
位置に複数個配置して構成されるミキシングエレメント
1,8で形成された静止型流体混合器50が配設されて
いる。このガス反応装置51内に、廃ガスとNHガス
は供給される。廃ガス及びNHガスは、ガス反応装置
51内を並流で通流する間に螺旋状に右及び左に回転す
る。廃ガス及びNHガスは、分割、合流、転位、せん
断作用を繰り返しながら廃ガスとNHガスとが高効率
で混合接触される。これにより、廃ガス中のNOxは、
前述の化学反応により、窒素と水とに還元、分解され
る。NOxが除去された清浄な廃ガスは排風機(不図
示)などにより大気中に放出される。
【0036】なお、ガス反応装置51をPt,Pd等の
触媒作用を有する貴金属系触媒又はV,Mn
等の金属酸化物系触媒を担持もしくは触媒を1種また
は2種以上担持した担体を充填して形成することによ
り、化学反応はより促進される。また、紫外線等の光エ
ネルギーにより、還元分解反応機能を有する酸化チタン
等の光触媒で反応装置51を形成してもよい。
【0037】次に、図11は、燃焼炉、焼却炉等から排
出されるNOx及びSOxガスを含んだ廃ガスの電子線
ガス反応装置に適用した場合の実施例を示すブロック図
である。廃ガスは、本発明の実施例に係るミキシングエ
レメントで形成された静止型流体混合器52及び電子線
照射装置54を配置した電子線ガス反応装置53内にN
ガスと共に供給される。廃ガス中のNOx及びSO
xガスは、電子線ガス反応装置53で酸化され硫酸及び
硝酸ミストとなり、更に、NHと反応して硫安及び硝
安あるいは両者の混合物からなる微小粒子が生成され
る。この反応機構は次のようである。 1)N,O,HO+e → OH,H,HO 2)SOx + (OH,O,HO) → HSO 3)NOx + (OH,O,HO) → HNO 4)HSO + 2NH →(NHSO 5)HNO + NH → NHNO
【0038】次に、電子線ガス反応装置53の構造につ
いて説明する。この電子線反応装置53内には、図1及
び図2に示すように、螺旋状の右捻り及び左捻りの羽根
体を所定位置に複数個配置して構成されるミキシングエ
レメント1,8で形成された静止型流体混合器52が配
設されている。更に、この電子線ガス反応装置53の内
部又は外部もしくは両方には、電子線照射装置54が配
置されている。この電子線ガス反応装置53内に廃ガス
とNHガスは供給される。廃ガス及びNHガスは、
電子線ガス反応装置53内を並流で通流する間に、前述
同様に、右及び左回転、分割、合流、転位、せん断作用
を繰り返し、更に電子線を照射されながら廃ガスとNH
ガスとが高効率で混合接触及び照射される。廃ガス中
のNOx及びSOxは、この混合接触及び電子線の照射
により、SOx及びNOxは各々高効率で酸化されて、
SO及びHNOミストとなり、更に、NH
高効率で反応して硫安及び硝安あるいは両者の混合物の
微小粒子が生成される。この微小粒子は集塵器等(不図
示)で除去される。浄化された廃ガスは排風機(不図
示)等により大気中に放出される。なお、電子線照射装
置54は、電子線のみでなく、α,β,γ線及びX線等
の電離性放射線等を利用してもよい。
【0039】次に、図12は、トリクロロエタン,テト
ラクロロエチレン,トリクロロメチレン等の有機塩素系
化合物を含んだ排水の処理装置に適用した場合の実施例
を示すブロック図である。有機塩素系化合物含有排水
は、本発明に係るミキシングエレメントで形成された静
止型流体混合器55を配置した排水処理装置56内に、
空気と共に供給される。
【0040】次に、排水処理装置56の構造について説
明する。この排水処理装置56内には、図1及び図2に
示すミキシングエレメント1,8で形成された静止型流
体混合器55が配設されている。この排水処理装置56
内に、処理装置56の下部から排水及び空気が供給され
る。排水(液相)及び空気(気相)は、処理装置56内
を下部から上部へ、並流で通流される間に、前述同様
に、右及び左回転、分割、合流、転位、せん断作用を繰
り返しながら、排水と空気とが高効率で混合接触され
る。この混合接触により、排水中の揮発性物質である有
機塩素系化合物は、空気(気相)側に物質移動される。
この液相側から気相側への物質移動操作を繰り返しなが
ら、間欠的又は連続的に排水は浄化され、処理水として
排出される。有機塩素系化合物を含んだ空気は活性炭等
で吸着浄化されて、排出ライン57を介して大気中に放
出される。又、必要に応じて、処理装置56より排出さ
れる処理水も活性炭等による吸着処理等を行なってさら
に浄化して排出してもよい。なお、空気はコンプレッサ
ー、送風機等の手段により、又排水はポンプ又は静水圧
等の手段により、夫々処理装置56内に供給される。
【0041】処理装置56内で処理される排水量と空気
量との比率は、含有有機塩素系化合物の濃度、液温度、
空気温度により適宜選択可能であるが、1:30〜1:
150の範囲が望ましい。又、排水及び空気をヒータ、
水蒸気等により加熱することにより、更に浄化効率は向
上する。
【0042】なお、上記実施例では、排水及び空気は処
理装置56内に、処理装置56の下部から導入して、並
流で通流させているが、これに限らずに、排水を処理装
置56内の上部、空気を下部から供給して、向流で通流
させて処理して、処理水を下部から排出してもよい。更
に、処理装置56を水平状態で設置して、排水及び空気
を並流で通流させて処理してもよい。又、複数個の処理
装置56を直列に配置して、夫々の処理装置56内に新
鮮な空気を供給して、浄化効率を向上させることも可能
である。
【0043】次に、図13は、有機塩素系化合物及び殺
虫剤、殺菌剤、除草剤として農薬に用いられているイソ
キサチオン、TPN、CAT等の化合物を含んだ排水の
処理装置に適用した場合の実施例を示すブロック図であ
る。
【0044】有機塩素系化合物及び農薬等を含有した排
水は、本発明に係るミキシングエレメントで形成された
静止型流体混合器58及び紫外線発生装置59を配置し
た排水処理装置60内に導入される。排水は装置60内
を通流する間に、高効率で攪拌されながら紫外線発生装
置59より紫外線を照射されて、次式のように分解処理
されて、処理水として排出される。処理水は、必要に応
じて中和処理が行なわれる。 2CHCl:CCl+2HO+3O hv→4CO
+6H6Cl この反応は、OやH等の存在下でより促進され
る。
【0045】又、ミキシングエレメントを多孔体又は3
次元網目状の多孔質体で形成することにより、処理効率
は向上する。更に、Fe,Mn,Mg,Zn,Al,T
i等の1種または2種以上の金属で処理装置60を形成
することで、次式のごとく酸化分解処理にも適用され
る。この場合、紫外線発生装置59を使用しなくてもよ
い。 3Fe+3HO+CHCl:CCl→CH:CH
+3Fe2+3OH+3Cl この反応はHの存在下でより促進される。また、
紫外線等の光エネルギーにより、酸化分解反応機能を有
する酸化チタン等の光触媒で、処理装置60を形成して
もよい。
【0046】次に、排水処理装置60の構造について説
明する。この排水処理装置60内には、図1及び図2に
示すミキシングエレメント1,8で形成された静止型流
体混合器58及び紫外線発生装置59が配設されてい
る。この紫外線発生装置59は処理装置60内の内部又
は外部もしくは両方に設置されている。排水は、処理装
置60内を通流する間に、前述同様に、右及び左回転、
分割、合流、転位、せん断作用を繰り返しながら、高効
率で攪拌しながら紫外線に照射される。前記反応式によ
り排水中の有機塩素系化合物及び農薬等は酸化分解処理
されて、処理水として排出される。なお、排水中にH
又はOを添加することにより、酸化分解処理効率
はさらに向上する。
【0047】次に、図14は、HCl,NOx等のガス
及びSiO等の粉塵を含んだ廃ガスの多段式処理装置
として適用した場合の実施例を示すブロック図である。
【0048】複数個の廃ガス処理装置61,62,63
内には、本発明に係るミキシングエレメントで形成され
た静止型流体混合器64,65,66が配設され、この
処理装置61,62,63の下方にはタンク67,6
8,69が配設されている。また、このタンク67,6
8,69にはポンプ70,71,72が連結されて、ス
プレーノズル73,74,75を介して、タンク67,
68,69内の液体が処理装置61,62,63内に夫
々噴射される。
【0049】廃ガスは1段目の処理装置61の上部から
処理装置61内に供給される。また、ポンプ70により
タンク67から汲み上げられた水溶液が静止型流体混合
器64の上部または内部に設置されたスプレーノズル7
3を介して処理装置61内に噴射される。廃ガス及び水
溶液は、処理装置61内を並流で通流する間に、前述同
様に、右及び左回転、分割、合流、転位、せん断作用を
繰り返しながら、気体と液体とが高効率で接触される。
これにより、廃ガス中のHCl,NOx等のガス及びS
iO等の粉塵は水溶液中に溶解、吸収及び捕捉、集塵
される。処理装置61で処理された廃ガスは廃ガスライ
ン76を介して、2段目の処理装置62内に供給され
る。この供給された廃ガス及び水溶液は、処理装置62
内を並流で通流する間に、前述同様に、混合接触をし
て、より浄化される。浄化された廃ガスは、廃ガスライ
ン77を介して、3段目の処理装置63内に供給され
る。この供給された廃ガスは、処理装置61,62と同
様に、水溶液と混合接触をして、更に浄化される。浄化
された廃ガスは排風機78を介して装置63外に放出さ
れる。
【0050】なお、新液の供給量及びタンク67,6
8,69内の水溶液の排出量は、水溶液中のHCl,H
NO等の物質濃度及びSiO等の固形物濃度によ
り、適宜選択される。また、水溶液供給ライン79,8
0,81に熱交換装置(不図示)を配置して、水溶液の
温度を下げることによりHCl,NOx等のガス吸収効
率または回収効率を向上させてもよい。更に、水溶液供
給ライン79と80及び80と81とを、ポンプ及びバ
ルブ(不図示)等を介して夫々連結して、水溶液中の含
有物質濃度が夫々異なる水溶液を、例えば低濃度から高
濃度へと、順次移動させて、段階的に使用してもよい。
【0051】このような、多段式の廃ガス処理装置を廃
ガスの処理に適用することにより、1段で処理する場合
と比較して、廃ガス中のHCl,NOx等を水溶液でガ
ス吸収する場合、1段目はHCl又はHNO濃度の高
い水溶液、2段目は中濃度の水溶液、そして3段目は低
濃度の水溶液と段階的に使用可能となる。その為に、高
濃度の塩酸及び硝酸として吸収及び回収可能となり、吸
収効率及び回収効率も向上する。
【0052】また、粉塵を捕捉、集塵する場合も、高い
固形物濃度の水溶液を使用した運転が可能となる。ま
た、高、中、低の3段階の固形物濃度の異なる水溶液で
廃ガスを段階的に処理することにより、飛沫同伴による
粉塵の再飛散を防止して、捕捉(集塵)効率が向上す
る。また、高濃度での瀘過処理等が可能となり、排水処
理費用等が低コストになる。さらに、この複数個の処理
装置を垂直方向に配置することで、設置面積を小さくす
ることが可能となる。
【0053】次に、図15は、物質、粒子径、色彩等が
異なる1種又は2種以上の粉粒体を混合する混合攪拌装
置に適用した場合の実施例を示すブロック図である。
【0054】粉粒体A及びBは、一定量の粉粒体を供給
する粉粒体供給装置82,83を介して本発明に係る静
止型流体混合器84が配設されている粉粒体混合装置8
5内に供給される。この混合装置85内を通流する間
に、粉粒体の流動エネルギーのみで混合攪拌されて、混
合物として排出される。
【0055】次に、粉粒体混合装置85の構造について
説明する。この混合装置85内には、図1及び図2に示
すミキシングエレメント1,8で形成された静止型流体
混合器84が配設されている。粉粒体は、粉粒体定量供
給機82,83を介して、混合装置85内に供給され
て、混合装置85内を通流する間に、右及び左回転、分
割、合流、転位、せん断作用を繰り返しながら、高効率
で、攪拌動力を必要とすることなく、連続的に混合攪拌
される。なお、図7に示す空間部を有するミキシングエ
レメントを利用することにより、混合効率はさらに向上
し、また粉粒体同士の架橋現象による混合装置85内の
閉塞を防止する。また、ミキシングエレメントの表面
に、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、ゴム等でライニング等
の表面処理を実施して、耐磨耗性及び付着防止等を向上
させてもよい。なお、粉粒体供給装置は、電磁フィー
ダ、ベルトコンベイヤ、空気輸送ポンプ等粉粒体を一定
量連続的に供給できる手段であればよい。
【0056】次に、本発明に係るミキシングエレメント
の製造方法の1実施例について添付の図面を参照して具
体的に説明する。図16は90°右回転型ミキシングエ
レメント1の拡大斜視図、図17は90°左回転型ミキ
シングエレメント8の拡大斜視図、図18はミキシング
エレメント8の底面図、図19は3個の流体通路86,
87,88及び開口部90を有している90°右回転型
ミキシングエレメント89の斜視図である。図20は筒
状体92の長手方向の全長に亘って2個の分割面95
a,95bを有している90°右回転型ミキシングエレ
メントの斜視図である。
【0057】このミキシングエレメント1,8の製造方
法は、筒状の通路管2及び9と、この通路管2及び9の
内側に、別体で製造された螺旋状の羽根体3,4,及び
10,11とを接合して製造される。
【0058】また、長手方向に複数個に分割された筒状
の通路管92a,92bと、この通路管92a,92b
の内側に、別体で製造された複数個の螺旋状の羽根体9
3,94とを接合し、この分割された通路管92a,9
2bの分割面95a,95b同士を接合してミキシング
エレメント96を製造してもよい。この製造方法によ
り、多数個の羽根体を有するミキシングエレメントが容
易に製造される。
【0059】次に、羽根体の製造方法の1実施例につい
て添付図面を参照して説明する。図21は本発明に係る
ミキシングエレメント(図4参照)に使用される螺旋状
の180°右回転型羽根体97の側面図、図22は前記
羽根体97とほぼ同一面積を有する半円状部材98の概
略展開図、図23はこの半円状部材98を成形する成形
金型100の概略説明図である。
【0060】成型金型100は、上金型101及び下金
型102を有している。上金型101は、ベース103
に複数個の支持体105により支持されている螺旋状部
材104を有して構成されている。同様に、下金型10
2は、ベース106、複数個の支持体107及び螺旋状
部材108を有して構成されている。また、螺旋状部材
104及び108は、所望の羽根体とほぼ同一の螺旋面
を形成する合せ面を有し、所望の幅で、所望の回転角度
(捻り角度)を有している。なお、螺旋状部材104及
び108の回転角度は360°を有している。
【0061】また、半円状部材98は、羽根体97とほ
ぼ同一面積を有しており、更に、ミキシングエレメント
の開口部の口径とほぼ同径の半円孔99を有している。
この半円状部材98を前記下金型102の右回転型螺旋
状部材108の螺旋面上に置いて、上金型101を下降
させて、螺旋状部材104及び108により、半円状部
材98を挾圧成形して、180°右回転型螺旋状の羽根
体97は製造される。
【0062】なお、この挾圧成形をする場合、螺旋状部
材108の内周縁部109または外周縁部110に突出
部(不図示)を設けて、挟圧成形時の半円状部材98の
偏心を防止して、半円状部材98を挾圧成形してもよ
い。これにより芯振れのない正確な螺旋状の羽根体が容
易に製造できる。
【0063】更になお、前記実施例では、180°右回
転型の羽根体の製造方法について説明したが、180°
左回転型の羽根体の製造方法の場合は、前記上金型10
1及び下金型102の右回転型螺旋状部材104及び1
08に、左回転型螺旋状部材を使用して、同様の方法で
製造される。
【0064】また、90°回転型の羽根体を製造する場
合は、前記製造方法で成形した180°回転型の螺旋状
の羽根体を、回転角度90°の位置で2分割に切断し
て、90°回転型の羽根体を製造してもよい。あるいは
90°回転型の羽根体を半円状部材98同様に、平面に
展開した板状の部材を使用して、前記同様の製造方法に
より、挾圧成形して製造してもよい。更に、360°回
転型の羽根体を製造する場合も、360°回転型の羽根
体を平面に展開した円状部材を使用して、前記同様の製
造方法により製造される。
【0065】また、多孔体の羽根体を製造する場合は、
羽根体の厚み方向に穿設された円状孔を複数個有する板
状の材料を使用すればよい。また、多孔質体の羽根体を
製造する場合は、3次元網目状の構造をしたウレタンホ
ームあるいはウレタンホーム等の3次元網目状成形体に
金属又はセラミックス等を塗着した担体またはそれを焼
結した材料等を使用して形成すればよい。
【0066】なお、本発明に係るミキシングエレメント
内に配設される羽根体の製造方法は、前記実施例に限定
されることなく、射出成型法、押し出し成型法、プレス
成型法、鋳造法、鍛造法、ロストワックス法、ロール加
工法、へラ絞り巻付加工法、泥漿流し込み法等が、構成
材料に応じて適宜選択使用される。なお、構成材料とし
ては、金属、プラスチックス、セラミックス、ガラス等
の1種またはこれら材料の複合材料等が、用途に応じ
て、適宜選択使用される。又、通路管においても、羽根
体と同様に製造方法及び構成材料は適宜選択使用され
る。
【0067】次に、図24は、90°右回転型ミキシン
グエレメントの製造過程を説明するための部分拡大説明
図である。所望の直径及び長さを有する筒状の通路管と
別体で製造された羽根体とを接合して、本発明に係るミ
キシングエレメントを製造する方法について、図24を
参照して具体的に説明する。
【0068】前記ミキシングエレメント(図1参照)と
同様に、ミキシングエレメント111は、筒状の通路管
112の内側に90°右回転型の螺旋状の羽根体113
を有している。羽根体113は、通路管112の内側
に、溶接又は接着、あるいは溶着又は係止等の手段によ
り、接合部114で接合される。以下同様の接合方法に
より、通路管112の内側の所定の位置に所望の個数の
羽根体113を順次接合して、ミキシングエレメント1
11は製造される。
【0069】前記の製造方法により、ミキシングエレメ
ントは容易に製造される。又、大口径のミキシングエレ
メントが容易に低コストで製造可能となる。更に、混合
効率の向上に寄与する多数の羽根体を筒状の通路管の内
側に配設したミキシングエレメント(図25参照)の製
造が容易になる。この場合、通路管の長手方向の全長に
亘って複数個に分割された通路管を使用することで、更
にミキシングエレメント115の製造は容易に低コスト
で製造可能となる。
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、液体、気体、粉粒体等
の1種又は2種以上の流体をミキシングエレメントで形
成された静止型流体混合器内に供給し、混合攪拌させる
ための駆動動力手段が不要であるため、その運転費用が
低い。及び高効率の混合器の製造が容易であるので装置
費用が低い。また、駆動源が不要であるため、大がかり
な装置が不要であり、設置面積が狭くても良い。更に、
混合攪拌効率及び吸収効率等が高いので、混合時間及び
処理時間等を短縮できる。更に又、粉塵等による目詰ま
り等の故障がないので、長時間連続運転ができる。
【0071】又、別体で羽根体を製造することにより、
大口径の混合器の製造が極めて容易に、低コストで製造
できる。更に、この混合器は、混合、攪拌、分散、乳
化、抽出、熱交換、反応、ガス吸収、集塵、蒸留、精
留、吸着等の手段として広範囲に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る90°右回転型ミキシン
グエレメントの斜視図である。
【図2】同じく90°左回転型ミキシングエレメントの
斜視図である。
【図3】本発明の実施例に係る静止型流体混合器の側面
図である。
【図4】本発明の実施例に係る180°右回転型ミキシ
ングエレメントの斜視図である。
【図5】同じく180°左回転型ミキシングエレメント
の斜視図である。
【図6】同じく静止型流体混合器の側面図である。
【図7】同じく空間部を有している90°右回転型ミキ
シングエレメントの斜視図である。
【図8】本発明に係るミキシングエレメントを廃ガス処
理装置に適用した場合の実施例を示すブロック図であ
る。
【図9】同じく廃ガス処理装置に適用した場合の実施例
を示すブロック図である。
【図10】同じく廃ガスのガス反応装置に適用した場合
の実施例を示すブロック図である。
【図11】同じく廃ガスの電子線反応装置に適用した場
合の実施例を示すブロック図である。
【図12】同じく有機塩素系化合物を含んだ排水の処理
装置に適用した場合の実施例を示すブロック図である。
【図13】同じく排水の処理装置に適用した場合の実施
例を示すブロック図である。
【図14】同じく廃ガスの多段式処理装置に適用した場
合の実施例を示すブロック図である。
【図15】同じく1種又は2種以上の粉粒体を混合する
混合攪拌装置に適用した場合の実施例を示すブロック図
である。
【図16】本発明に係る90°右回転型ミキシングエレ
メントの拡大斜視図である。
【図17】同じく90°左回転型ミキシングエレメント
の拡大斜視図である。
【図18】同じく90°左回転型ミキシングエレメント
の底面図である。
【図19】本発明に係る3個の流体通路を有しているミ
キシングエレメントの斜視図である。
【図20】本発明に係る2個の分割面を有している90
°右回転型ミキシングエレメントの斜視図である。
【図21】本発明に係る製造方法により製造される螺旋
状の180°右回転型羽根体の側面図である。
【図22】その羽根体製造に使用する半円状部材の素材
の概略展開図である。
【図23】本発明の1実施例に係る羽根体を製造する成
形金型の概略説明図である。
【図24】本発明に係る90°右回転型ミキシングエレ
メントの製造過程を説明するための部分拡大説明図であ
る。
【図25】本発明に係る8個の羽根体を有する右回転型
ミキシングエレメントの平面図である。
【符号の説明】
1,8,16,23,34,89,96,111,11
5:ミキシングエレメント 2,9,17,24,32,91,92,112,12
5:通路管 3,4,10,11,18,19,25,26,93,
94,97,113,116,117,118,11
9,120,121,122,123:羽根体 5,6,12,13,20,21,27,28,86,
87,88:流体通路 7,14,22,29,90,124:開口部 30,31,42,50,52,55,58,64,6
5,66,84:静止型流体混合器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体が通流する筒状の通路管と、前記通
    路管の内側に配設されて前記通路管の内部に複数個の流
    体通路を形成する複数個の螺旋状の羽根体とを有し、前
    記羽根体は、前記通路管の中心部に位置する部分が切り
    欠かれていて前記羽根体により仕切られた流体通路が前
    記通路管の中心部で連通しており、前記羽根体は、前記
    通路管とは別体で成形され、前記通路管の内面に接合さ
    れていることを特徴とするミキシングエレメント。
  2. 【請求項2】 前記羽根体は、多孔体または多孔質体で
    あることを特徴とする請求項1に記載のミキシングエレ
    メント。
  3. 【請求項3】 流体が通流する筒状の通路管と、前記通
    路管の内側に配設されて前記通路管の内部に複数個の流
    体通路を形成する複数個の螺旋状の羽根体とを有し、前
    記羽根体は、前記通路管の中心部に位置する部分が切り
    欠かれていて前記羽根体により仕切られた流体通路が前
    記通路管の中心部で連通しているミキシングエレメント
    の製造方法において、前記通路管と前記羽根体とを別体
    で製造した後、前記通路管の内面に前記羽根体を接合す
    ることを特徴とするミキシングエレメントの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記通路管は、その長手方向に複数個に
    分割されており、この分割通路管の内面に前記羽根体を
    接合した後、前記分割通路管の分割面同士を接合して筒
    状に組み立てることを特徴とする請求項3に記載のミキ
    シングエレメントの製造方法。
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