JPH05168423A - 発酵食品 - Google Patents
発酵食品Info
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- JPH05168423A JPH05168423A JP3357557A JP35755791A JPH05168423A JP H05168423 A JPH05168423 A JP H05168423A JP 3357557 A JP3357557 A JP 3357557A JP 35755791 A JP35755791 A JP 35755791A JP H05168423 A JPH05168423 A JP H05168423A
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- JP
- Japan
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- beans
- fermented food
- fermented
- grains
- food
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- Seeds, Soups, And Other Foods (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Beans For Foods Or Fodder (AREA)
- Cereal-Derived Products (AREA)
- General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 保型性・強度があり、好みに応じた幅広い食
感が付与された発酵食品を提供する。 【構成】 豆類,穀類,ナッツ類又はその混合物にリゾ
プス・オリゴスポラスを接種し、発酵してなり、菌接種
時又は接種直後に粉末活性グルテンを高々10.0重量
%添加し、発酵してなる。
感が付与された発酵食品を提供する。 【構成】 豆類,穀類,ナッツ類又はその混合物にリゾ
プス・オリゴスポラスを接種し、発酵してなり、菌接種
時又は接種直後に粉末活性グルテンを高々10.0重量
%添加し、発酵してなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、保型性、強度及び加工
性に優れ、更に、目的に応じた食感を付与されてなる発
酵食品に関する。
性に優れ、更に、目的に応じた食感を付与されてなる発
酵食品に関する。
【0002】
【従来の技術】豆類,穀類,ナッツ類は、栄養価の高い
食品であり、これらは、納豆,みそ,しょう油,テンペ
等いろいろな形態に加工されて広く利用されている。こ
れらの中で、テンペとは、インドネシアの伝統的発酵食
品であり、(1)高蛋白、(2)コレステロールがな
い、(3)低カロリー、(4)消化がよい、(5)無塩
等の特長を有するものである。
食品であり、これらは、納豆,みそ,しょう油,テンペ
等いろいろな形態に加工されて広く利用されている。こ
れらの中で、テンペとは、インドネシアの伝統的発酵食
品であり、(1)高蛋白、(2)コレステロールがな
い、(3)低カロリー、(4)消化がよい、(5)無塩
等の特長を有するものである。
【0003】このテンペは、リゾプス属に属する菌類に
よる大豆の発酵により製造され、温度・湿度・環境等の
条件により、その製法はまちまちであるが、基本的に
は、大豆の洗浄,加熱,酸浸漬・酸発酵,脱皮・除皮,
排水・乾燥,発酵スターターの添加・混合,容器への充
填,発酵等の工程がそれぞれ含まれている。
よる大豆の発酵により製造され、温度・湿度・環境等の
条件により、その製法はまちまちであるが、基本的に
は、大豆の洗浄,加熱,酸浸漬・酸発酵,脱皮・除皮,
排水・乾燥,発酵スターターの添加・混合,容器への充
填,発酵等の工程がそれぞれ含まれている。
【0004】即ち、例えば、スタインクラウスの方法に
よると、まず大豆を洗浄し、93℃にて10分間加熱後
脱皮し、乳酸添加による浸漬を2時間行う。次いで、9
0分間、水煮した後、煮汁を分離、除去し、38℃まで
放冷する。この温度で0.3重量%の発酵スターターを
混合し、ステンレス容器に充填し、発酵させてテンペを
製造する。
よると、まず大豆を洗浄し、93℃にて10分間加熱後
脱皮し、乳酸添加による浸漬を2時間行う。次いで、9
0分間、水煮した後、煮汁を分離、除去し、38℃まで
放冷する。この温度で0.3重量%の発酵スターターを
混合し、ステンレス容器に充填し、発酵させてテンペを
製造する。
【0005】しかしながら、このようにして得られるテ
ンペは、前述のような特長を数多く有しているものの、
菌糸による結着により形態が保持されている関係で保型
性が悪く、薄片状にしたテンペを運搬,加工,調理する
際には、形崩れしない様取扱いを慎重に行う必要があ
り、不便である。また、食感は、硬さや粘りに欠けてお
り、物足りないものである。
ンペは、前述のような特長を数多く有しているものの、
菌糸による結着により形態が保持されている関係で保型
性が悪く、薄片状にしたテンペを運搬,加工,調理する
際には、形崩れしない様取扱いを慎重に行う必要があ
り、不便である。また、食感は、硬さや粘りに欠けてお
り、物足りないものである。
【0006】一方、おからを利用したテンペの製造工程
に粉末グルテンを使用した例がある(特開昭61−12
8855号公報)。即ち、おからに粉末グルテンと大豆
粉末,小麦粉,米粉,とうもろこし粉等の穀粉類,澱
粉,デキストリン,カゼインナトリウム,卵白から選ば
れる1種以上とを混合し、粒状化した後蒸し、次いで、
リゾプス・オリゴスポラス(Rhizopus oli
gosporus)を接種、発酵しておからを主成分と
するテンペを得ている。
に粉末グルテンを使用した例がある(特開昭61−12
8855号公報)。即ち、おからに粉末グルテンと大豆
粉末,小麦粉,米粉,とうもろこし粉等の穀粉類,澱
粉,デキストリン,カゼインナトリウム,卵白から選ば
れる1種以上とを混合し、粒状化した後蒸し、次いで、
リゾプス・オリゴスポラス(Rhizopus oli
gosporus)を接種、発酵しておからを主成分と
するテンペを得ている。
【0007】しかしながら、この発明においては、グル
テンが、おから粉末を結着し、造粒後蒸煮する工程で固
化してしまい、発酵生成物の結着作用は消失してしまっ
ている。従って、発酵生成物の保型性強度は、菌糸の結
着力のみに依存せざるを得ず、結局、前述のような数々
の問題点がある。
テンが、おから粉末を結着し、造粒後蒸煮する工程で固
化してしまい、発酵生成物の結着作用は消失してしまっ
ている。従って、発酵生成物の保型性強度は、菌糸の結
着力のみに依存せざるを得ず、結局、前述のような数々
の問題点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みなされたものであって、その目的とするとこ
ろは、前述のテンペのもつ特長を保持しつつ、保型性・
強度が強化され、加工性に優れ、更に目的に応じた食感
が付与されてなる発酵食品を提供するにある。
事情に鑑みなされたものであって、その目的とするとこ
ろは、前述のテンペのもつ特長を保持しつつ、保型性・
強度が強化され、加工性に優れ、更に目的に応じた食感
が付与されてなる発酵食品を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、豆類,
穀類,ナッツ類又はその混合物にリゾプス・オリゴスポ
ラス(Rhizopus oligosporus)を
接種し、発酵してなる発酵食品であって、該菌糸接種時
又は接種直後に粉末活性グルテンを高々10.0重量%
添加し、発酵してなることを特徴とする発酵食品によっ
て達成される。
穀類,ナッツ類又はその混合物にリゾプス・オリゴスポ
ラス(Rhizopus oligosporus)を
接種し、発酵してなる発酵食品であって、該菌糸接種時
又は接種直後に粉末活性グルテンを高々10.0重量%
添加し、発酵してなることを特徴とする発酵食品によっ
て達成される。
【0010】本発明においては、豆類,穀類,ナッツ類
を主原料として使用する。これらの原料は、同一品種の
みを用いてもよいし、必要に応じて、他品種の原料を混
合して用いてもよい。他品種の原料を混合して用いる
と、風味の変わった発酵食品が得られる。
を主原料として使用する。これらの原料は、同一品種の
みを用いてもよいし、必要に応じて、他品種の原料を混
合して用いてもよい。他品種の原料を混合して用いる
と、風味の変わった発酵食品が得られる。
【0011】豆類としては、例えば、大豆,ピーナッツ
等蛋白質及び脂肪を主成分とするもの、小豆,そらま
め,えんどうまめ,うずらまめ等澱粉及び蛋白質を主成
分とするもの等が挙げられ、豆類であれば何れも広く使
用可能である。
等蛋白質及び脂肪を主成分とするもの、小豆,そらま
め,えんどうまめ,うずらまめ等澱粉及び蛋白質を主成
分とするもの等が挙げられ、豆類であれば何れも広く使
用可能である。
【0012】穀類としては、例えば、米,大麦,ライ
麦,とうもろこし,あわ,ひえ等の他、そば等が使用で
き、これら以外にも穀類であれば何れも広く使用可能で
ある。
麦,とうもろこし,あわ,ひえ等の他、そば等が使用で
き、これら以外にも穀類であれば何れも広く使用可能で
ある。
【0013】ナッツ類としては、例えば、栗,くるみ,
ぎんなん,しい,アーモンド,カカオ,ココナッツ,マ
カデミアナッツ等が挙げられ、ナッツ類であれば何れも
広く使用可能である。
ぎんなん,しい,アーモンド,カカオ,ココナッツ,マ
カデミアナッツ等が挙げられ、ナッツ類であれば何れも
広く使用可能である。
【0014】これら豆類,穀類,ナッツ類を用いて、本
発明の発酵食品は、例えば、次のようにして製造され
る。すなわち、まず、豆類,穀類,ナッツ類を脱皮(脱
穀)し、煮熟し及び酸性化する。この脱皮,煮熟及び酸
性化の3工程の順序は適宜選択すればよい。
発明の発酵食品は、例えば、次のようにして製造され
る。すなわち、まず、豆類,穀類,ナッツ類を脱皮(脱
穀)し、煮熟し及び酸性化する。この脱皮,煮熟及び酸
性化の3工程の順序は適宜選択すればよい。
【0015】脱皮工程は、リゾプス・オリゴスポラスに
よる発酵を容易にし、また、バクテリア等の腐敗菌が皮
と子葉との間で繁殖するのを防ぐために行う。
よる発酵を容易にし、また、バクテリア等の腐敗菌が皮
と子葉との間で繁殖するのを防ぐために行う。
【0016】その具体的な方法としては、手作業による
皮むきでも、機械による皮むきでも構わない。また、こ
れらを併用してもよい。尚、脱皮を容易にするために、
脱皮する前に原料を加熱したり、水煮したりするとよ
い。
皮むきでも、機械による皮むきでも構わない。また、こ
れらを併用してもよい。尚、脱皮を容易にするために、
脱皮する前に原料を加熱したり、水煮したりするとよ
い。
【0017】煮熟工程は、原料の内部にまで水分を十分
に含有せしめ、原料をやわらかくすることにより、十分
に原料を発酵させるために行う。即ち、リゾプス・オリ
ゴスポラスは、原料が生のままだと十分に生育しない。
に含有せしめ、原料をやわらかくすることにより、十分
に原料を発酵させるために行う。即ち、リゾプス・オリ
ゴスポラスは、原料が生のままだと十分に生育しない。
【0018】煮熟の時間は、原料にもよるが、大略15
分間から2時間が好ましい。短かすぎると、煮熟の目的
が十分に達せられず、逆に、長すぎると、原料がつぶれ
てくっつき、通気性が失われ、リゾプス・オリゴスポラ
スの生育を妨げてしまうようになる。なお、オートクレ
ーブ等の加圧釜を用いた場合は、前記時間は短縮され
る。
分間から2時間が好ましい。短かすぎると、煮熟の目的
が十分に達せられず、逆に、長すぎると、原料がつぶれ
てくっつき、通気性が失われ、リゾプス・オリゴスポラ
スの生育を妨げてしまうようになる。なお、オートクレ
ーブ等の加圧釜を用いた場合は、前記時間は短縮され
る。
【0019】酸性化工程は、原料浸漬液のpHを3〜5
にすることにより、リゾプス・オリゴスポラスの生育を
助長し、バクテリア等雑菌の繁殖を防ぐために行う。具
体的な方法としては、気候が暑い場合には、例えば、原
料を水に浸漬し、乳酸菌発酵させて乳酸を生産させる方
法を採用することができ、気候が冷涼な場合には、浸漬
中に乳酸菌の増殖による乳酸の生成は期待できないの
で、例えば、乳酸,酢酸等の酸添加による浸漬の方法を
採用する。
にすることにより、リゾプス・オリゴスポラスの生育を
助長し、バクテリア等雑菌の繁殖を防ぐために行う。具
体的な方法としては、気候が暑い場合には、例えば、原
料を水に浸漬し、乳酸菌発酵させて乳酸を生産させる方
法を採用することができ、気候が冷涼な場合には、浸漬
中に乳酸菌の増殖による乳酸の生成は期待できないの
で、例えば、乳酸,酢酸等の酸添加による浸漬の方法を
採用する。
【0020】このようにして、脱皮、煮熟及び酸性化を
済ませた原料の表面を乾燥するために、熱風を吹きつけ
る等して水切りを行う。水切りが不十分であると、リゾ
プス・オリゴスポラスによる発酵が十分に行われないこ
とがある。
済ませた原料の表面を乾燥するために、熱風を吹きつけ
る等して水切りを行う。水切りが不十分であると、リゾ
プス・オリゴスポラスによる発酵が十分に行われないこ
とがある。
【0021】次に、リゾプス・オリゴスポラスを接種
し、発酵を行う。本発明に用いるリゾプス・オリゴスポ
ラスは、公知菌である(IFO8631)。
し、発酵を行う。本発明に用いるリゾプス・オリゴスポ
ラスは、公知菌である(IFO8631)。
【0022】このリゾプス・オリゴスポラスは、(1)
菌糸をポテト・デキストロース培地にて増殖させたも
の、(2)米や大豆等に菌糸を接種して発酵させた後に
生成した胞子を水で抽出したもの、(3)(2)の発酵
後、そのままFD処理したもの等を発酵スターターとし
て用いる。
菌糸をポテト・デキストロース培地にて増殖させたも
の、(2)米や大豆等に菌糸を接種して発酵させた後に
生成した胞子を水で抽出したもの、(3)(2)の発酵
後、そのままFD処理したもの等を発酵スターターとし
て用いる。
【0023】この菌の接種は、例えば、原料の表面にこ
の菌の純粋培養胞子を適量散布し、原料中に均等に分散
するよう十分に攪拌して接種処理を実施する。
の菌の純粋培養胞子を適量散布し、原料中に均等に分散
するよう十分に攪拌して接種処理を実施する。
【0024】本発明においては、この接種と同時又は接
種直後、発酵を行う前に粉末活性グルテンを添加し、混
合することが必要である。粉末活性グルテンとは、粘弾
性等のグルテン特有の性質(活性)を有する粉末状のグ
ルテンであり、食品添加用として、例えば、A−グル
(グリコ栄養食品(株))等が挙げられる。
種直後、発酵を行う前に粉末活性グルテンを添加し、混
合することが必要である。粉末活性グルテンとは、粘弾
性等のグルテン特有の性質(活性)を有する粉末状のグ
ルテンであり、食品添加用として、例えば、A−グル
(グリコ栄養食品(株))等が挙げられる。
【0025】この粉末活性グルテンの添加量は、原料総
量を基準として高々10.0重量%、好ましくは2〜1
0重量%である。10.0重量%を超えると、粉末活性
グルテンを添加して攪拌することにより急速に固化して
しまう。
量を基準として高々10.0重量%、好ましくは2〜1
0重量%である。10.0重量%を超えると、粉末活性
グルテンを添加して攪拌することにより急速に固化して
しまう。
【0026】この粉末活性グルテンの添加により、得ら
れる発酵食品の保型性及び強度を向上させることができ
る。また、粉末活性グルテンは、水切り後の原料の表面
にわずかに残っている水分を完全に吸いとるので、これ
により、リゾプス・オリゴスポラスによる十分な発酵を
行うことが可能となる。更に、粉末活性グルテンの添加
量を調整することにより、適宜所望の強度、即ち、目的
に応じた食感を有する発酵食品を得ることができる。
れる発酵食品の保型性及び強度を向上させることができ
る。また、粉末活性グルテンは、水切り後の原料の表面
にわずかに残っている水分を完全に吸いとるので、これ
により、リゾプス・オリゴスポラスによる十分な発酵を
行うことが可能となる。更に、粉末活性グルテンの添加
量を調整することにより、適宜所望の強度、即ち、目的
に応じた食感を有する発酵食品を得ることができる。
【0027】以上の操作を済ませた後、この混合物を穴
あきポリ袋又はプラスチック製トレイに収容し、好まし
くは温度25〜40℃,湿度70〜85%にて発酵を行
い、本発明の発酵食品を得る。発酵時間は、温度や湿度
等の諸条件によって決定づけられ、一例を示すと、28
℃では26〜48時間程度、35℃では18〜24時間
程度、40℃では18時間程度である。
あきポリ袋又はプラスチック製トレイに収容し、好まし
くは温度25〜40℃,湿度70〜85%にて発酵を行
い、本発明の発酵食品を得る。発酵時間は、温度や湿度
等の諸条件によって決定づけられ、一例を示すと、28
℃では26〜48時間程度、35℃では18〜24時間
程度、40℃では18時間程度である。
【0028】このようにして得られた発酵食品は、粉末
活性グルテンの量に応じて適宜所望の強度を付与され、
また、保型性,強度に優れているので、ナチュラル感を
有する食品工業用(加工用)素材として、あるいは健康
食品的な珍味として極めて優れたものである。特に、5
〜7mm程度に薄くスライスしたときに大豆等の原料が
脱落することがなく、保型性があり、有用である。
活性グルテンの量に応じて適宜所望の強度を付与され、
また、保型性,強度に優れているので、ナチュラル感を
有する食品工業用(加工用)素材として、あるいは健康
食品的な珍味として極めて優れたものである。特に、5
〜7mm程度に薄くスライスしたときに大豆等の原料が
脱落することがなく、保型性があり、有用である。
【0029】発酵食品の加工例としては、例えば、本発
明によって得られた強度700g位の発酵食品を薄くス
ライスして各種調味液につけた後、熱風乾燥し、更に、
スモーカー中で桜,ヒッコリー等によりスモーク処理し
てジャーキー様発酵珍味としたり、上記スモーク処理の
代りにカレーパウダー,チリソースパウダー等をまぶす
ことにより、カレーやリチソース風味等のジャーキー様
発酵珍味としたりできる。
明によって得られた強度700g位の発酵食品を薄くス
ライスして各種調味液につけた後、熱風乾燥し、更に、
スモーカー中で桜,ヒッコリー等によりスモーク処理し
てジャーキー様発酵珍味としたり、上記スモーク処理の
代りにカレーパウダー,チリソースパウダー等をまぶす
ことにより、カレーやリチソース風味等のジャーキー様
発酵珍味としたりできる。
【0030】
【発明の効果】以上のように、本発明の発酵食品は、保
型性があり、適宜所望の強度、即ち、目的に応じた食感
を有し、加工性に優れたものである。更に、高蛋白,コ
レステロールなし,低カロリー,無塩等の栄養的にも優
れた点を数多く併せもつ、従来にはない新しい発酵食品
である。特に、薄くスライスしたときに原料が脱落せ
ず、ナチュラル感を有する食品工業用(加工用)素材と
して極めて有用である。以下、実施例を挙げて本発明を
具体的に説明する。
型性があり、適宜所望の強度、即ち、目的に応じた食感
を有し、加工性に優れたものである。更に、高蛋白,コ
レステロールなし,低カロリー,無塩等の栄養的にも優
れた点を数多く併せもつ、従来にはない新しい発酵食品
である。特に、薄くスライスしたときに原料が脱落せ
ず、ナチュラル感を有する食品工業用(加工用)素材と
して極めて有用である。以下、実施例を挙げて本発明を
具体的に説明する。
【0031】(実施例1)米国産丸大豆300gを水に
漬け、夾雑物,土等をよく洗い落とした後、600mlの
水に浸漬し、酢酸にてpHを3.47に調整し、常温で
一夜静置した(酸性化工程)。翌日、この大豆を取り出
し、加圧釜で121℃で5分間煮熟(煮熟工程)後、放
冷した。この大豆を高速攪拌後、手もみして皮をむき
(脱皮工程)、表面に熱風を吹き付け、水分を除去し
た。
漬け、夾雑物,土等をよく洗い落とした後、600mlの
水に浸漬し、酢酸にてpHを3.47に調整し、常温で
一夜静置した(酸性化工程)。翌日、この大豆を取り出
し、加圧釜で121℃で5分間煮熟(煮熟工程)後、放
冷した。この大豆を高速攪拌後、手もみして皮をむき
(脱皮工程)、表面に熱風を吹き付け、水分を除去し
た。
【0032】大豆の温度が41℃まで下がったときに固
体スターター0.3重量%を添加した。固体スターター
として、リゾプス・オリゴスポラスを接種した剥皮大豆
を発酵させ、FD処理したもの(菌数105 )を使用し
た。
体スターター0.3重量%を添加した。固体スターター
として、リゾプス・オリゴスポラスを接種した剥皮大豆
を発酵させ、FD処理したもの(菌数105 )を使用し
た。
【0033】そして、スターター添加に引き続いて粉末
活性グルテン(A−グル,グリコ栄養食品(株)製)
6.5重量%を手早く配合し、攪拌して均一混合した。
活性グルテン(A−グル,グリコ栄養食品(株)製)
6.5重量%を手早く配合し、攪拌して均一混合した。
【0034】次に、上記混合物を手早く3cm間隔に穴
をあけた蓋付きステンレストレーに移し、該トレーを、
温度35℃,湿度85%に維持した発酵室に20時間静
置し、発酵食品を得た。
をあけた蓋付きステンレストレーに移し、該トレーを、
温度35℃,湿度85%に維持した発酵室に20時間静
置し、発酵食品を得た。
【0035】(実施例2)中国産青大豆500gをよく
水洗し、夾雑物,土等を洗い流した後、830mlの水に
浸漬し、乳酸にてpHを4.25に調整し、常温で一夜
静置した。翌日、この大豆を取り出し、加圧釜で121
℃で15分間煮熟後、放冷した。この大豆に実施例1と
同様の方法で脱皮,水切り工程を施した。
水洗し、夾雑物,土等を洗い流した後、830mlの水に
浸漬し、乳酸にてpHを4.25に調整し、常温で一夜
静置した。翌日、この大豆を取り出し、加圧釜で121
℃で15分間煮熟後、放冷した。この大豆に実施例1と
同様の方法で脱皮,水切り工程を施した。
【0036】大豆が41℃まで下がったときに、108
の菌数を有する液体スターターを0.5v/v%添加し
た。そして、スターター添加と同時に粉末活性グルテン
を2.0重量%配合し、攪拌し均一に混合した。
の菌数を有する液体スターターを0.5v/v%添加し
た。そして、スターター添加と同時に粉末活性グルテン
を2.0重量%配合し、攪拌し均一に混合した。
【0037】次に、上記混合物を手早く3cm間隔に穴
をあけた蓋付きステンレストレーに移し、該トレーを、
温度40℃,湿度75%に維持した発酵室に18時間静
置し、発酵食品を得た。
をあけた蓋付きステンレストレーに移し、該トレーを、
温度40℃,湿度75%に維持した発酵室に18時間静
置し、発酵食品を得た。
【0038】(実施例3)粉末活性グルテンの添加量を
10.0重量%にし、発酵条件を温度28℃,湿度85
%とする以外は実施例2と同様の方法にて調製し、26
時間発酵を行い、発酵食品を得た。
10.0重量%にし、発酵条件を温度28℃,湿度85
%とする以外は実施例2と同様の方法にて調製し、26
時間発酵を行い、発酵食品を得た。
【0039】(実施例4)ピーナッツ,アーモンド,マ
カデミアナッツ,クルミチップの混合物300gを用
い、粉末活性グルテンの添加量を6.0重量%にし、煮
熟工程の条件を121℃,20分間とする以外は実施例
1と同様の方法にて調製し、22時間発酵を行い、発酵
食品を得た。
カデミアナッツ,クルミチップの混合物300gを用
い、粉末活性グルテンの添加量を6.0重量%にし、煮
熟工程の条件を121℃,20分間とする以外は実施例
1と同様の方法にて調製し、22時間発酵を行い、発酵
食品を得た。
【0040】(比較例1)粉末活性グルテンを添加しな
い以外は実施例1と同様の方法にて調製し、18時間発
酵を行い、発酵食品を得た。
い以外は実施例1と同様の方法にて調製し、18時間発
酵を行い、発酵食品を得た。
【0041】(比較例2)おから65g,粉末活性グル
テン(A−グル,グリコ栄養食品(株)製)15g,粉
末状大豆蛋白10g,粉末油脂(エマソフトLA−5,
理研ビタミン(株)製)5g,調味料(理研スープスト
ック,理研ビタミン(株)製)5gを容器に入れ、混合
し、おからの表面に各種の粉末類を均一に付着させた。
各種の粉末類がおからの水分を吸着して適度に粒状化し
た後、蒸煮器に入れ、40分間蒸した。
テン(A−グル,グリコ栄養食品(株)製)15g,粉
末状大豆蛋白10g,粉末油脂(エマソフトLA−5,
理研ビタミン(株)製)5g,調味料(理研スープスト
ック,理研ビタミン(株)製)5gを容器に入れ、混合
し、おからの表面に各種の粉末類を均一に付着させた。
各種の粉末類がおからの水分を吸着して適度に粒状化し
た後、蒸煮器に入れ、40分間蒸した。
【0042】品温が30℃に下がってから、実施例1で
用いたリゾプス・オリゴスポラスを均一に接種し、3c
m間隔に穴をあけた蓋付きステンレストレーに移し、該
トレーを、温度30℃,湿度75%に保たれた発酵室に
28時間静置し、おからを主成分とするテンペ食品を得
た。
用いたリゾプス・オリゴスポラスを均一に接種し、3c
m間隔に穴をあけた蓋付きステンレストレーに移し、該
トレーを、温度30℃,湿度75%に保たれた発酵室に
28時間静置し、おからを主成分とするテンペ食品を得
た。
【0043】以上の実施例1〜4,比較例1及び参考例
としてチーズ,ポロニヤソーセージ,ミートローフにつ
いて、下記の破断強度テストを行った。その結果を表1
に示す。
としてチーズ,ポロニヤソーセージ,ミートローフにつ
いて、下記の破断強度テストを行った。その結果を表1
に示す。
【0044】[破断強度テスト]長さ30mm,巾20
mm,厚さ10mmの試料を用意し、レオメーターCR
−200D(サン科学(株)製)を用いて、品温22±
1℃,圧縮切断プランジャー歯形(A)に於ける破断強
度を測定した。
mm,厚さ10mmの試料を用意し、レオメーターCR
−200D(サン科学(株)製)を用いて、品温22±
1℃,圧縮切断プランジャー歯形(A)に於ける破断強
度を測定した。
【0045】
【表1】
【0046】また、実施例2及び4並びに比較例1〜2
について、下記の引っ張り強度テストを行った。その結
果を表2に示す。
について、下記の引っ張り強度テストを行った。その結
果を表2に示す。
【0047】[引っ張り強度テスト]長さ40mm,巾
20mm,厚さ5mmの試料を用意し、[破断強度テス
ト]で用いたレオメーターを用いて引っ張り強度を測定
した。
20mm,厚さ5mmの試料を用意し、[破断強度テス
ト]で用いたレオメーターを用いて引っ張り強度を測定
した。
【0048】
【表2】
【0049】表1及び表2から明らかなように、本発明
の方法によって得られた発酵食品は、従来のテンペとは
全く異なり、原料どうしの結着性が良く、保型性に優
れ、かつ、各種多様な強度を有するものである。また、
この結果は食感にそのまま反映し、ユニークなものであ
った。一方、比較例の発酵食品は、破断強度,引っ張り
強度に劣り、保型性,強度に問題のあるものであった。
の方法によって得られた発酵食品は、従来のテンペとは
全く異なり、原料どうしの結着性が良く、保型性に優
れ、かつ、各種多様な強度を有するものである。また、
この結果は食感にそのまま反映し、ユニークなものであ
った。一方、比較例の発酵食品は、破断強度,引っ張り
強度に劣り、保型性,強度に問題のあるものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C12N 1/14 A 7236−4B (C12N 1/14 C12R 1:845)
Claims (1)
- 【請求項1】 豆類,穀類,ナッツ類又はその混合物に
リゾプス・オリゴスポラス(Rhizopus oli
gosporus)を接種し、発酵してなる発酵食品で
あって、該菌接種時又は接種直後に粉末活性グルテンを
高々10.0重量%添加し、発酵してなることを特徴と
する発酵食品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3357557A JPH05168423A (ja) | 1991-12-25 | 1991-12-25 | 発酵食品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3357557A JPH05168423A (ja) | 1991-12-25 | 1991-12-25 | 発酵食品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05168423A true JPH05168423A (ja) | 1993-07-02 |
Family
ID=18454738
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3357557A Pending JPH05168423A (ja) | 1991-12-25 | 1991-12-25 | 発酵食品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05168423A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005218362A (ja) * | 2004-02-05 | 2005-08-18 | National Agriculture & Bio-Oriented Research Organization | 発酵ソバ食品及びその製造法 |
JP2007175024A (ja) * | 2005-12-28 | 2007-07-12 | Tokiwa Shokuhin:Kk | テンペ様発酵食品の製造方法 |
-
1991
- 1991-12-25 JP JP3357557A patent/JPH05168423A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005218362A (ja) * | 2004-02-05 | 2005-08-18 | National Agriculture & Bio-Oriented Research Organization | 発酵ソバ食品及びその製造法 |
JP4604174B2 (ja) * | 2004-02-05 | 2010-12-22 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 | 発酵ソバ食品及びその製造法 |
JP2007175024A (ja) * | 2005-12-28 | 2007-07-12 | Tokiwa Shokuhin:Kk | テンペ様発酵食品の製造方法 |
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