JPH0516717Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は磁気デイスクカートリツジ、特に詳し
くは小径かつ極薄に形成された円盤状の磁気デイ
スクが高速回転されて録画再生に供せられる磁気
デイスクカートリツジに関するものである。

従来より、フレキシブルポリエステルシート等
からなる円盤状のベースの両面に磁性体層が形成
され、高速回転されながら磁気ヘツドにより該磁
性体層に磁気記録がなされるフロツピーデイスク
が提供され、その取扱いの容易性、低コストとい
つた利点からコンピユータ用の記録媒体として広
く用いられている。

一方、このようなフロツピーデイスクの利点、
および記録媒体が再使用できるという、銀塩フイ
ルムにはない磁気記録特有の長所を活用し、該フ
ロツピーデイスクをさらに小型化したものを画像
の記録媒体として使用するスチルカメラが提案さ
れている。このスチルカメラに使用される磁気デ
イスクは、小径でかつ極薄の磁気記録媒体の中心
部にハブが固定されてなるものであり、中央部に
上記ハブを露出させるハブ孔を有するとともに磁
気デイスクの一部を露出させるヘツド挿入用開口
を前後面に有する小型、ハード化されたケース内
に回転可能に収容されて、磁気デイスクカートリ
ツジ（以下単に「カートリツジ」と称する）とし
て使用されるようになつている。

この種の磁気記録媒体にあつては、記録再生装
置の誤操作によつて記録内容が簡単に消去されて
しまうので、誤消去防止手段を設けることが望ま
れる。従来からこの誤消去防止手段として一般的
に用いられているものとして、ケースと一体的に
形成され誤消去防止希望時に折り取られるラグが
挙られるが、この誤消去防止ラグは一度折り取ら
れてしまうと、再度記録をしたい場合には例えば
セロハンテープでラグ孔を閉じる等の面倒な操作
が必要となる。

本考案は上記のような事情に鑑みてなされたも
のであり、極めて小型、薄型に形成されうる前述
のようなカートリツジにおいて、使い勝手が良
く、しかも簡単に記録可能状態に復帰されうる誤
消去防止手段を備えたカートリツジを提供するこ
とを目的とするものである。

本考案の磁気デイスクカートリツジは、磁気デ
イスクを収容するケース内に、誤消去防止用のス
ライド弁を前記磁気デイスクと略平行に摺動可能
に支持し、該スライド弁の一面を露出させる窓部
と、前記スライド弁が特定摺動位置に位置したと
き該スライド弁が被覆するように配設された検出
孔とを、前記ケースの一部に設けるとともに、該
スライド弁の一側面に一体的に形成され弁体と平
行方向に弾性を有するロツクアームと、このロツ
クアームの一部に形成された突起と、前記ケース
の一側壁面に形成され、該突起をそれぞれ受承す
る貫通孔および内側から形成された凹部とからな
り、前記スライド弁が前記検出孔を被覆する位置
と被覆しない誤消去防止位置の２つの位置におい
て、それぞれ前記突起が貫通孔又は凹部に受承さ
れて停止させる係合手段と、該突起と貫通孔との
係合を解除する手段とを設けたことを特徴とする
ものである。

上記窓部から露出されたスライド弁を摺動操作
すると、該スライド弁がケースの検出孔を被覆す
る状態と被覆しない状態の２つの状態が得られ
る。この２つの状態は記録再生装置に従来から用
いられている機械的あるいは光学的な検出結果に
基づいて検出孔被覆時には記録再生装置が記録・
消去可能となり、検出孔開孔時には記録消去不可
能な状態となるよう設定されている。

なお機械的な検出手段のみが使用される場合に
は、前記窓部をケースの一部に形成するのみでよ
く、検出孔を必要としないが、光学的な検出手段
が用いられる記録再生装置にも適用可能とするた
めに、前記窓部に対向させて検出孔を設けること
が望ましい。

以下、図面を参照して本考案の実施例について
説明する。

第１図は本考案の１実施例によるカートリツジ
を示すものである。この第１図に示されるように
カートリツジは、円盤状の薄いフレキシブルな磁
気記録媒体１とこの磁気記録媒体１の中心部に固
定されたハブ２とからなる磁気デイスク３、およ
びこの磁気デイスク３を回転可能に収容する薄い
直方体状のケース４からなる。磁気記録媒体１は
非常に薄いベース、例えば厚さ50μ以下のポリエ
ステルシート等の表面に磁性体が塗布、蒸着、ス
パツタリング等によつて層成されてなるものであ
る。またケース４の前後面（図中上下面）には、
磁気デイスク３の磁気記録媒体１の一部を露出さ
せ、シヤツター５によつて開閉されるヘツド挿入
用開口６が設けられている（図には一方のシヤツ
ター５、ヘツド挿入用開口６のみを示す）。シヤ
ツター５は例えばケース４内に配された付勢手段
によつて付勢されて上記ヘツド挿入用開口６を閉
じ、カートリツジが前記スチルカメラ等の記録再
生装置に装着されたとき該記録再生装置の当接部
に当接して移動される連結部材に引かれてヘツド
挿入用開口６を開く。ヘツド挿入用開口６が開か
れれば、記録再生装置の磁気ヘツドが該開口６を
通過して磁気記録媒体１に接触可能となり、ハブ
２に係合する記録再生装置の回転軸によつて高速
回転される該磁気デイスク３に上記磁気ヘツドに
よつて記録がなされ、あるいは該磁気デイスク３
から再生がなされうる。

円盤状のデイスク３は、直方体状のケース４内
に収容されているため、該ケース４の隅部には多
少の空いた空間が形成されている。この隅部の空
間の１つに、本考案の特徴部分であるスライド弁
７が前記磁気デイスク３と略平行な向きに摺動可
能に支持されている。前記ケース４の該スライド
弁７を支持する１隅４ａの前面には、スライド弁
７の一面をその摺動範囲内において露出させる窓
部４ｂが形成されている。

第２図は上記スライド弁７近辺の、カートリツ
ジ内部構造を示すものである。このスライド弁７
は例えば弾性に富むプラスチツク等から形成さ
れ、第２図、第３図に示すように該スライド弁７
の一側に、これに平行してロツクアーム８が一体
に形成され、このロツクアーム８の一端が該スラ
イド弁７の一端に連結され、他端の先端近くに外
側に向つて凸になつた突起８ａが設けられてい
る。

またこのスライド弁７を支持するケース４の一
側壁面４ｃには互いに該スライド弁７の摺動方向
に離れ、各々前記突起８ａを受承する貫通孔４ｄ
とケース内側から設けられた凹部４ｅが形成され
ている。さらに前記ケース４の後面には、該スラ
イド弁７の一方の摺動端において被覆されるよう
に検出孔４ｆが設けられている。

第２図、第３図に示すようにスライド弁７の突
起８ａが貫通孔４ｄに受承されているとき、ケー
ス４の窓部４ｂと検出孔４ｆはスライド弁７に被
覆されることなく連通する状態となる。この時、
スライド弁７は確実に保持され、誤つてスライド
弁７を動かそうとする動作に対してロツク作用を
確実になす。次にこの状態から解除棒９を貫通孔
４ｄに挿入し、この解除棒９の先端で突起８ａを
押して該貫通孔４ｄと突起８ａとの係合を解除し
たのち、窓部４ｂから露出しているスライド弁７
の上面に、例えば指先を掛け矢印Ａが示している
方向に該スライド弁を摺動させると、突起８ａは
弾力的に凹部４ｅに係合、受承されて、該スライ
ド弁７はその位置（第２図点群で示す位置）で停
止状態を維持できるようになる。

上記のようにスライド弁７が停止すると、この
スライド弁７の一部によつてケース４の窓部４ｂ
と検出孔４ｆは閉じられる。次にスライド弁７を
矢印Ｂの方向、すなわち上述とは反対の方向に摺
動させれば、突起８ａは浅い凹部４ｅに浅く係合
しているだけであるので、容易に突起８ａと凹部
４ｅとの係合が解除され、第２図斜線で示す状態
が得られる。

以上説明したように、窓部４ｂから露出してい
る矢印Ａ，Ｂの支持に従つてスライド弁７を摺動
させると、ケース４の窓部４ｂと検出孔４ｆが閉
じられている状態と、これら窓部４ｂと検出孔４
ｆが連通して開いた状態との２つの状態が任意に
設定される。こゝで、このスライド弁７は薄いな
がらも、前記ケース４隅部の空間を有効に利用し
て十分大型に形成できるので、その摺動操作は容
易に行われうるものとなる。

そこで記録再生装置に、窓部４ｂ、検出孔４ｆ
が開いているときは、これら窓部４ｂ、検出孔４
ｆの一方からケース４内方に十分進入し、窓部４
ｂ、検出孔４ｆがスライド弁７によつて閉じられ
ているときは該スライド弁７に当接して進入を妨
げられる検出ロツドを設ければ、窓部４ｂ、検出
口４ｆの上記２つの状態が検出される。したがつ
て窓部４ｂ、検出孔４ｆが開かれている誤消去防
止状態において、この状態を検出ロツドが検出す
ることにより記録再生装置を機械的あるいは電気
的に、記録、消去不可能状態と設定することによ
り、カートリツジに記録されている記録内容が誤
まつて消去されることを防止できる。

なお上記のような検出ロツドによる誤消去防止
状態の検出は、従来から広く行われているもので
ある。またこれも従来より知られているものであ
るが、記録再生装置に、上記窓部４ｂ、検出孔４
ｆを通過する光を発する発光器と、この光を受け
る受光器との組合せによつて該窓部４ｂ、検出孔
４ｆの開閉を検出する光学的な検出装置を設けて
もよい。この種の光学的検出装置に適用可能とす
るためには、上記実施例のように窓部４ｂ、検出
孔４ｆを必ず双方に設ける必要があるが、前述の
ような機械的検出装置のみに適用させる場合に
は、窓部４ｂだけ設けてもよい。しかし上記実施
例のように形成することは、カートリツジの適用
範囲を拡張し、また機械的検出装置をより簡単な
ものとする上でより好ましい。

以上詳細に説明した通り本考案の磁気デイスク
カートリツジは、小型、薄型に形成されても、誤
消去防止状態が操作性良く設定され、また誤消去
防止状態の解除も簡単に行えるので、使い勝手が
よく実用的なものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例を示す斜視図、第２
図は上記実施例の内部構造を示す部分断面斜視
図、第３図は第２図の部分分解斜視図である。 ３……磁気デイスク、４……ケース、４ｂ……
窓部、４ｄ……貫通孔、４ｅ……凹部、４ｆ……
検出孔、７……スライド弁、８……ロツクアー
ム、８ａ……突起、９……解除棒。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 円盤状の磁気デイスク３を回転可能にケース
   ４内に収容してなる磁気デイスクカートリツジ
   において、 前記ケース４内に誤消去防止用のスライド弁
   ７を前記磁気デイスク３の厚さと直角な方向に
   摺動可能に支持し、該ケース４の一部に該スラ
   イド弁７の一面を露出させる窓部４ｂと、前記
   スライド弁７が特定摺動位置に位置したときに
   該スライド弁７が被覆する検出孔４ｆを設ける
   とともに、 該スライド弁７と一体的にその一側面と平行
   に延びた弾性を有するロツクアーム８と、この
   ロツクアーム８の一部に形成された突起８ａと
   からなり、 前記ケース４の一側壁面に前記突起８ａをそ
   れぞれ受承する貫通孔４ｄおよび内側から形成
   された凹部４ｅを有し、 前記凹部４ｅは前記貫通孔４ｄによつて受承
   される前記突起８ａの高さよりも浅く該突起８
   ａを受承、係合可能な深さに設定してなり、 前記スライド弁７が前記検出孔４ｆを被覆す
   る消去可能位置と被覆しない誤消去防止位置と
   の２つの位置間を摺動可能に配設され、前記誤
   消去防止位置においては前記貫通孔４ｄに前記
   突起８ａが受承され、前記消去可能位置におい
   ては前記突起８ａが前記凹部４ｅに受承されて
   停止させられる一方、前記突起８ａと貫通孔４
   ｄとの係合が外部から前記貫通孔４ｄを通して
   挿入される解除手段９によつて解除され、前記
   突起８ａと凹部４ｅとの係合は前記スライド弁
   ７をその摺動方向への摺動によつて解除可能に
   したことを特徴とする磁気デイスクカートリツ
   ジ。 (2) 前記解除手段９が棒状のものであることを特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   磁気デイスクカートリツジ。