JPH05164436A - 吸収冷凍機の抽気装置 - Google Patents

吸収冷凍機の抽気装置

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JPH05164436A
JPH05164436A JP35295391A JP35295391A JPH05164436A JP H05164436 A JPH05164436 A JP H05164436A JP 35295391 A JP35295391 A JP 35295391A JP 35295391 A JP35295391 A JP 35295391A JP H05164436 A JPH05164436 A JP H05164436A
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一寛 吉井
Hidetoshi Arima
秀俊 有馬
Kazutaka Irakai
数恭 伊良皆
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水素ガスの排出手段であるパラジウムセルの
効率を向上させる。 【構成】 吸収冷凍機内で発生した水素ガスなどの不凝
縮ガスを気液分離タンク22で分離して導入する不凝縮
ガスタンク23に、水素ガス排出用のパラジウムセル2
4を設置すると共に、タンク内部が蒸発器14の底部に
滞留している冷媒液の一部によって冷却されるように冷
却管37を配管した。 【効果】 不凝縮ガスタンクが低温度の冷媒液によって
冷却されるため、タンク内では冷媒が凝縮して冷媒蒸気
圧が低下し、相対的に水素ガス分圧が上昇するので、パ
ラジウムセルによる水素ガス排出作用効率が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷/暖房運転などに使
用する吸収冷凍機の抽気装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】吸収冷凍機は周知のように再生器、凝縮
器、蒸発器、吸収器などを順次配管接続し、臭化リチウ
ム水溶液などの吸収液により水などの冷媒を吸収させた
り、放出させたりしながら循環させ、熱の授受を行って
冷房運転に供したり、暖房運転に供したりする装置であ
る。
【0003】上記構成の吸収冷凍機においては、再生
器、凝縮器、蒸発器、吸収器、およびこれらを連結する
配管部などが鉄あるいはステンレス鋼によって形成さ
れ、冷媒に水、吸収液に臭化リチウム水溶液などが用い
られていると、吸収液が機器素材の金属と反応し、防食
皮膜を形成する際に水素ガスを発生する。
【0004】特に、運転中は再生器により吸収液が例え
ば160℃にも加熱されて高温蒸気となるため、吸収液
と金属との反応を生じ易く水素ガスの発生も多くなる。
【0005】上記メカニズムで発生した水素ガスは冷凍
機における冷却などでは凝縮することがないし、吸収液
への溶解度も極めて小さいために蒸発器や吸収器の非溶
液部に滞留し、次第にその濃度が高まる。このようにし
て機内における水素ガス濃度が高まると、冷媒の蒸発が
抑制されて冷凍能力が低下したり、機器素材の金属が水
素脆化して脆くなるなどの不都合が生じる。
【0006】このため、不凝縮ガスタンクを吸収器に連
通して設け、ここに機内で発生した水素ガスを導入し、
滞留している水素ガスをタンクに設置したパラジウムセ
ルによって分離排出する構成の水素ガス排気装置の考案
が、実開昭59−139864号公報に提案されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】パラジウムセルによる
水素ガスの分離能力は水素ガスの圧力が高い程高くなる
が、不凝縮ガスタンクには冷媒蒸気もかなり存在し、水
素ガス分圧は必ずしも高くはないため、パラジウムセル
による水素ガス分離能力が充分には発揮されていないと
云った問題点があり、この点の解決が課題となってい
た。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記従来技術の
課題を解決するためになされたもので、機内で発生した
水素ガスなどを抽気する装置であって、水素ガス排出用
パラジウムセルを備えた不凝縮ガスタンクを吸収器など
と連通可能に配管して設け、冷媒ポンプにより蒸発器か
ら吐出された冷媒液の一部によって前記不凝縮ガスタン
クを冷却することを特徴とする吸収冷凍機の抽気装置で
あり、
【0009】機内で発生した水素ガスなどを抽気する装
置であって、水素ガス排出用パラジウムセルを備えた不
凝縮ガスタンクを吸収器などと連通可能に配管して設
け、機内から吐出した冷水の一部によって前記不凝縮ガ
スタンクを冷却することを特徴とする吸収冷凍機の抽気
装置であり、
【0010】機内で発生した水素ガスなどを抽気する装
置であって、水素ガス排出用パラジウムセルを備えた不
凝縮ガスタンクを吸収器などと連通可能に配管して設
け、機内に流入する冷水の一部を分岐して前記不凝縮ガ
スタンクを冷却することを特徴とする吸収冷凍機の抽気
装置であり、
【0011】機内で発生した水素ガスなどを抽気する装
置であって、水素ガス排出用パラジウムセルを備えた不
凝縮ガスタンクを吸収器などと連通可能に配管して設
け、機内に流入する冷却水の一部によって前記不凝縮ガ
スタンクを冷却することを特徴とする吸収冷凍機の抽気
装置を提供し、従来技術の課題を解決するものである。
【0012】
【作用】水素ガス排出用パラジウムセルを備えた不凝縮
ガスタンクが吸収器などと連通可能に配管接続され、不
凝縮ガスタンクが冷媒ポンプにより蒸発器より吐出され
た冷媒の一部によって、あるいは機内から吐出した冷水
の一部によって、あるいは機内に流入する冷水の一部を
分岐することによって、あるいは機内に流入する冷却水
の一部によって効果的に冷却されるため、不凝縮ガスタ
ンク内にある冷媒蒸気は温度が低下して凝縮し、相対的
に水素ガス分圧が上昇するので、パラジウムセルによる
水素ガス排出作用効率が向上する。
【0013】
【実施例】図1は、本発明になる抽気装置2を組み込ん
だ吸収冷凍機の一構成例であり、図中11は高温再生
器、12は低温再生器、13は凝縮器、14は蒸発器、
15は吸収器、16は高温熱交換器、17は低温熱交換
器であり、この場合の抽気装置2はエジェクター21、
気液分離タンク22、不凝縮ガスタンク23、パラジウ
ムセル24とから構成されている。
【0014】抽気装置2を構成する気液分離タンク22
には、吸収器15において吸収液(例えば、臭化リチウ
ム水溶液)が液体(水滴状を除く)として存在すること
のない非溶液部Aに連通したガス体導入管31と、吸収
器15の吸収液溜りから吐出した吸収液(この場合、冷
媒である水を多量に吸収した希液)を高温再生器11に
流入可能に配管した吸収液管32の吸収液ポンプP1と
低温熱交換器17との間に連通した吸収液導入管33
と、エジェクター21と、気液導入管34とを介し、吸
収器15の非溶液部Aに存在するガス体と、吸収液ポン
プP1によって送られている吸収液の一部とが混合して
導入できるように配管接続されている。
【0015】前記気液分離タンク22は、邪魔板25に
よって内部がBとCの二領域に区画され、広い領域Bの
底部に前記気液導入管34の一端が開口し、狭い領域C
の底部は一部が開口して吸収器15の非溶液部Aに吸収
液戻し管35を介して連通している。また、気液分離タ
ンク22の天板部は領域Bの方が領域C側より高くなる
ように傾斜しており、その最も高く設けた近傍から、上
方に設置された不凝縮ガスタンク23に不凝縮ガス吐出
管36を介して連通している。
【0016】前記不凝縮ガスタンク23には、水素ガス
排出用のパラジウムセル24と冷却管37とが配設され
ている。パラジウムセル24は比重の小さい水素ガスを
効果的に分離除去することができるようにタンクの上部
側に設置され、冷却管37はタンク内の冷媒蒸気を効果
的に凝縮して水素ガス分圧を高めることができるように
内部全体に配管されている。そして、この場合の冷却管
37は、蒸発器14の底部に滞留している冷媒液を冷媒
ポンプP2によって蒸発器14の上部から流下させる冷
媒管38と途中で分岐し、不凝縮ガスタンク23の内部
を経由したのち蒸発器14に流入するように配管されて
いる。なお、パラジウムセル24には、ヒータ(図示せ
ず)が内蔵されている。
【0017】さらに、この不凝縮ガスタンク23には弁
V1を介して排気管39が取り付けられ、パラジウムセ
ル24によっても排出することのできない水素ガス以外
のガス、例えば運転中などに発生して滞留することにな
った二酸化炭素などを排出できるようになっている。
【0018】高温再生器11、低温再生器12、凝縮器
13、蒸発器14、吸収器15、高温熱交換器16、低
温熱交換器17およびこれらを連結する配管部などが例
えば鉄によって形成され、前記したように冷媒に水、吸
収液に臭化リチウム水溶液が用いられていると、運転
中、吸収液は高温再生器11において例えば160℃に
も加熱され、高温蒸気を発生する吸収液などが装置を構
成する鉄と反応して表面に防食皮膜を形成し、この反応
が起こるときに水素ガスが発生する。このようにして機
内に発生する水素ガスは、冷凍機における冷却温度範囲
では凝縮することがないし、吸収液への溶解度も極めて
小さいため、吸収器15などの非溶液部Aに滞留し次第
にその濃度が高まる。
【0019】しかし、上記吸収冷凍機においては本発明
の抽気装置2が組み込まれているため、吸収液ポンプP
1と冷媒ポンプP2とが駆動されることにより、ポンプ
P1から所定の圧力(例えば、2Kgf/cm2 )で吐出した
吸収液の一部が吸収液導入管33を介してエジェクター
21に高速で吐出するため、吸収器15の非溶液部Aに
一端が連通しているガス体導入管31のエジェクター2
1側開口部の圧力が著しく低下し、吸収器15の非溶液
部Aに存在しているガス体(冷媒蒸気、霧状吸収液、水
素ガスなどの混在物)がガス体導入管31側に引き込ま
れ、吸収液と共に気液分離タンク22の内部に吐出す
る。
【0020】気液分離タンク22の領域B側に吐出した
気液の混合流体は、邪魔板25によって領域C側への流
動が遮られるため、広い領域Bの側で気液が分離され
る。すなわち、水素ガスなどの不凝縮ガスは上記したよ
うに吸収液には実質的に溶解されないため、領域Bに貯
留されている間に吸収液の中を気泡となって上昇し、天
板部に接続された不凝縮ガス吐出管36を介し、上方に
設置されている不凝縮ガスタンク23に流入する。水素
ガス等の不凝縮ガスが分離された吸収液は邪魔板25の
上を通って領域Cの側に流入し、この底部に接続された
吸収液戻し管35を介して吸収器15の非溶液部Aに流
入する。
【0021】不凝縮ガスタンク23の内部には冷却管3
7が配管されており、これに冷媒ポンプP2によって冷
媒管38を経由して循環している低温度の冷媒液(例え
ば、約5℃)の一部が分岐し、供給されて内部が冷却さ
れる。
【0022】不凝縮ガスタンク23は、吸収器15の吸
収液溜りに滞留している40〜42℃程度の吸収液の一
部が気液分離タンク22に導入され、ここで分離された
水素ガスや冷媒蒸気が充満するため、冷媒が供給されな
いと内部温度は大凡40℃にもなるが、この実施例にお
いては約5℃の冷媒液が供給されて約10℃に冷却され
るので、水素ガスなどの不凝縮ガスと共に不凝縮ガスタ
ンク23に流入した冷媒蒸気の殆どが凝縮し、タンク内
の冷媒蒸気圧が大幅に低下する。このため、タンク内の
水素ガス分圧が高まり、パラジウムセル24による水素
ガスの分離除去が効果的に行われる。なお、このとき内
蔵しているヒータに通電し、パラジウムセル24を加熱
することにより、パラジウムセル24を水素ガスが透過
する除去作用が発生する。
【0023】図2は、冷却管37を、蒸発器14の内部
を経由して配管された冷水管40から分岐して設置した
装置例である。
【0024】この場合、冷水を蒸発器14に流入する手
前の冷水管40から分岐して不凝縮ガスタンク23に流
入させたのち、蒸発器14で冷却されて吐出した冷水と
合流するように循環させても良いし、これとは逆に、蒸
発器14で冷却されて吐出した冷水を不凝縮ガスタンク
23に流入させたのち、蒸発器14に流入する冷水と合
流するように循環させても良い。
【0025】なお、蒸発器14に流入する冷水温度が冷
房運転時で例えば約12℃であるとすると、蒸発器14
から吐出したときの冷水温度は約8℃になるので、当然
のことではあるが蒸発器14に流入する冷水より、蒸発
器14から吐出した冷水の方が不凝縮ガスタンク23を
冷却する効果は大きい。
【0026】図3は、冷却管37を、吸収器15と凝縮
器13の内部を経由するように配管された冷却水管41
から分岐して設置した実施例であり、吸収器15の手前
で分岐し、不凝縮ガスタンク23の内部を経由して凝縮
器13に流入する手前の冷却水管41に合流するように
構成されている。
【0027】この実施例においては、冷房運転時、冷却
水管41に流入する冷却水は例えば32℃程度であるの
で、この冷却水によっても冷却しないと大凡40℃にも
なる不凝縮ガスタンク23の内部を冷却することができ
る。
【0028】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではないので、特許請求の範囲に記載の趣旨に沿って
各種の変形実施が可能であり、例えば気液分離タンク2
2と不凝縮ガスタンク23とを一体化し、竪長の構成と
しても良いし、エジェクター21には吸収器15の非溶
液部Aの他にも凝縮器13の非溶液部とを連通させ、凝
縮器13に滞留する不凝縮ガスを気液分離タンク22に
導入するように構成することも可能である。
【0029】
【発明の効果】本発明になる吸収冷凍機の抽気装置は、
水素ガス排出用パラジウムセルを備えた不凝縮ガスタン
クが吸収器などと連通可能に配管接続され、不凝縮ガス
タンクが冷媒ポンプにより蒸発器より吐出された冷媒の
一部によって、あるいは機内から吐出した冷水の一部に
よって、あるいは機内に流入する冷水の一部を分岐する
ことによって、あるいは機内に流入する冷却水の一部に
よって、効果的に冷却されるため、不凝縮ガスタンク内
にある冷媒蒸気が凝縮して冷媒蒸気圧が低下し、相対的
に水素ガス分圧が上昇するめパラジウムセルによる水素
ガス排出作用効率が向上する。このため、蒸発器などに
おける冷媒の蒸発が抑制されることがないので、長期に
渡って冷凍能力が低下することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例を示す説明図である。
【図2】不凝縮ガスタンクを冷水の一部により冷却する
実施例の説明図である。
【図3】不凝縮ガスタンクを冷却水の一部により冷却す
る実施例の説明図である。
【符号の説明】
11 高温再生器 12 低温再生器 13 凝縮器 14 蒸発器 15 吸収器 16 高温熱交換器 17 低温熱交換器 2 抽気装置 21 エジェクター 22 気液分離タンク 23 不凝縮ガスタンク 24 パラジウムセル 25 邪魔板 31 ガス体導入管 32 吸収液管 33 吸収液導入管 34 気液導入管 35 吸収液戻し管 36 不凝縮ガス吐出管 37 冷却管 38 冷媒管 39 排気管 40 冷水管 41 冷却水管 P1 吸収液ポンプ P2 冷媒ポンプ V1 弁

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機内で発生した水素ガスなどを抽気する
    装置であって、水素ガス排出用パラジウムセルを備えた
    不凝縮ガスタンクを吸収器などと連通可能に配管して設
    け、冷媒ポンプにより蒸発器から吐出された冷媒液の一
    部によって前記不凝縮ガスタンクを冷却することを特徴
    とする吸収冷凍機の抽気装置。
  2. 【請求項2】 機内で発生した水素ガスなどを抽気する
    装置であって、水素ガス排出用パラジウムセルを備えた
    不凝縮ガスタンクを吸収器などと連通可能に配管して設
    け、機内から吐出した冷水の一部によって前記不凝縮ガ
    スタンクを冷却することを特徴とする吸収冷凍機の抽気
    装置。
  3. 【請求項3】 機内で発生した水素ガスなどを抽気する
    装置であって、水素ガス排出用パラジウムセルを備えた
    不凝縮ガスタンクを吸収器などと連通可能に配管して設
    け、機内に流入する冷水の一部を分岐して前記不凝縮ガ
    スタンクを冷却することを特徴とする吸収冷凍機の抽気
    装置。
  4. 【請求項4】 機内で発生した水素ガスなどを抽気する
    装置であって、水素ガス排出用パラジウムセルを備えた
    不凝縮ガスタンクを吸収器などと連通可能に配管して設
    け、機内に流入する冷却水の一部によって前記不凝縮ガ
    スタンクを冷却することを特徴とする吸収冷凍機の抽気
    装置。
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