JPH05163281A - 新規セファロスポリン系化合物およびその製造法 - Google Patents

新規セファロスポリン系化合物およびその製造法

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JPH05163281A
JPH05163281A JP3360923A JP36092391A JPH05163281A JP H05163281 A JPH05163281 A JP H05163281A JP 3360923 A JP3360923 A JP 3360923A JP 36092391 A JP36092391 A JP 36092391A JP H05163281 A JPH05163281 A JP H05163281A
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JP
Japan
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compound
cxl
reaction
oxidase
cephalosporin compound
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JP3360923A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Uematsu
仁 上松
Norio Shibamoto
憲夫 柴本
Kaichiro Kominato
嘉一郎 小湊
Takeo Yoshioka
武男 吉岡
Rokuro Okamoto
六郎 岡本
Takashi Shin
隆志 新
Sawao Murao
澤夫 村尾
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Mercian Corp
Original Assignee
Mercian Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Cephalosporin Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 抗菌性抗生物質として有用な新規セファロス
ポリン系化合物を提供する。 【構成】 下記の一般式、 【化1】 で示されるセファロスポリン系化合物。本化合物は、4
−ヒドロキシベンジルセファロスポラン酸を酸化酵素、
例えばコリオーラス・ベルシカラー IFO9791由
来のラッカーゼを用い、基質濃度5μmol/ml以
下、緩衝液の塩濃度0.5〜1Mの条件で処理すること
により製造できる。本発明の化合物は、各種細菌の増殖
を低濃度で阻害する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌活性を有する新規
なセファロスポリン系化合物およびその製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】β−ラクタム系抗生物質は、一般に強力
かつ広範な抗菌活性を有すると共に、他の類に属する抗
生物質に比べ低毒性である点で、各種の感染に対する治
療薬として有用である。そのため、主に化学合成による
側鎖の修飾により各種の誘導体が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】抗菌剤としてのβ−ラ
クタム系抗生物質は、上述のとおり、各種の類縁化合物
が提案され、すでに上市されているものが多い。しか
し、これらの抗生物質に対する耐性菌等の出現により臨
床的に十分な効果を発揮できなくなりつつあるのが現状
である。そのため、より抗菌力の優れた新規な抗生物質
の提案が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、より有用
なβ−ラクタム系抗生物質を提案すべく研究を重ねた結
果、β−ラクタム系抗生物質に属するセファロスポリン
系化合物である4−ヒドロキシベンジルセファロスポラ
ン酸に特定の条件下で酸化酵素を作用させることにより
抗菌活性を有する新規な化合物が生成されることを見出
だし本発明を完成した。
【0005】本発明により提供される新規セファロスポ
リン系化合物は、一般式、
【化2】 で示される化合物である。本発明の化合物は、セファロ
スポリン骨格の7位側鎖にエポキシ基を有する文献未載
の新規化合物である。ここで低級アルキル基とは炭素数
1〜4のアルキル基をいい、直鎖状でも分岐状であって
もよい。
【0006】本発明の化合物は、側鎖のエポキシ部分に
不斉炭素を有しており、それらの立体異性体は、高速液
体クロマトグラフィー等の通常の分離手段により容易に
分離することができる。例えば、式(I)においてRが
水素原子である化合物の場合、以下の条件で高速液体ク
ロマトグラフィーにかけたとき、8.1分と9.6分の
保持時間をもつ2つのピークとして分離できる。 カラム:YMC−Pack ODS AM−312(6
φ×150mm) 移動相:MeOH/20mMリン酸緩衝液(pH6.
8)(30/70) 流速:1.0ml/min 検出:UV280nm 以下、保持時間8.1分の異性体をCXL−1、保持時
間9.6分の異性体をCXL−2として表示する。
【0007】次に本発明の化合物の有用性について述べ
る。本発明の化合物は各種細菌の増殖を顕著に抑制す
る。マイクロタイターを用いたプロス希釈法による各種
細菌に対するMIC試験を行った。各試験菌株をミュー
ラー・ヒントン培地(Difco社製)に植菌し37℃
で18〜20時間静置培養した。この培養液(菌数は約
10個/ml)を生理食塩水で1000倍に希釈し、
この菌液0.1mlを注入した96穴のマイクロタイタ
ープレートに添加し、37℃で18〜20時間培養後、
接種菌の発育を阻止した試験化合物の最小濃度、すなわ
ち最小発育阻止濃度(MIC)を肉眼により判定した。
【0008】第1表にその結果を示す。
【表1】 以上の結果から、本発明の化合物は、各種細菌に対して
高い増殖阻止作用を有し、それ自体抗菌剤として有用で
ある。
【0009】本発明の化合物の中、Rが水素原子である
化合物の製造は、セファロスポリン系化合物の一種であ
る4−ヒドロキシベンジルセファロスポラン酸に酸化酵
素を作用させることにより行うことができる。酸化酵素
は、4−ヒドロキシベンジルセファロスポラン酸を本発
明の化合物に変換できるものであれば、その種類や起源
を問わずいずれのものでも使用できるが、一般にポリフ
ェノールオキシダーゼと総称されるラッカーゼ、チロシ
ナーゼ、ビリルビンオキシダーゼ、パーオキシダーゼ、
アスコルピン酸オキシダーゼまたはセルロプラスミン等
を使用すればよい。
【0010】その中で特に好適な酸化酵素として、コリ
オーラス・ベルシカラー(Coriolus vers
icolor)、漆等から得られるラッカーゼがあり、
その一例としてコリオーラス・ベルシカラー IFO9
791(Coriolus versicolor I
FO9791)由来のラッカーゼを挙げることができ
る。この菌株は、財団法人発酵研究所発行のリスト・オ
ブ・カルチャーズ(LIST OF CULTURE
S)第8版、Vol.1(1988)に記載されている
公知株であり、容易に入手することができる。
【0011】酵素反応は、基質および酵素が酸素と接触
できる状態で行えばよい。通常、反応溶液を撹拌または
振盪することにより実施することができるが、好ましく
は4−ヒドロキシベンジルセファロスポラン酸を緩衝液
に溶かし、そこに酸化酵素を添加して撹拌しながら反応
させればよい。反応に用いる酵素量は、その種類および
精製度によって適宜選択すればよく、一般に10〜10
0μg/mlの濃度で使用すればよい。反応温度および
pHは、使用する酵素が実質的に失活しない温度、pH
条件であれば特に限定されるものでなく、用いる酵素の
至適温度、至適pHに合わせ、適宜選択すればよい。一
般に25〜40℃、pH4〜7に設定すればよい。反応
時間についても使用する酵素の種類および反応条件に合
わせ適宜選択すればよく、一般に1〜12時間で反応を
完結することができる。
【0012】ただし、反応に用いる基質濃度と緩衝液の
塩濃度は、それぞれ5μmol/ml以下(好ましくは
0.5〜5μmol/ml)、0.5〜1Mとすること
が必要であり、その範囲を外れると副反応が優先し、目
的とするエポキシ化合物(CXL−1およびCXL−
2)の収量が減少するので好ましくない。
【0013】生成物は、反応混合物からそれ自体公知の
分離精製法により精製することができる。例えば、反応
溶液のpHを2〜3に調整し目的物を遊離体にしてか
ら、酢酸エチル、酢酸ブチル、クロロホルム等の非親水
性有機溶媒により抽出することができる。分離した生成
物は、有機溶媒を除いた後、カラムクロマトグラフィー
によりさらに精製することができる。使用することので
きる担体としては、シリカゲル、化学結合型シリカゲ
ル、ポリスチレン系ポーラスポリマーゲルなどを挙げる
ことができる。また溶出液としては、ヘキサン、クロロ
ホルム、2−プロパノール等の混合溶媒、含水メタノー
ル、含水アセトニトリル等を用いることができる。
【0014】本発明の化合物のエステル体は、上述した
方法で単離した遊離のカルボン酸をそれ自体公知のエス
テル化反応により製造することができる。例えば、ジア
ゾメタンを用いる方法、ヨウ化メチルやピバリン酸クロ
ロメチル等のハロゲン化アルキル試薬を用いる方法等に
より製造することができる。
【0015】次に実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。
【実施例】
実施例1 4−ヒドロキシベンジルセファロスポラン酸(Na塩)
340mgを1.0Mリン酸緩衝液(pH6.0)30
0mlに溶かし基質溶液とした。この溶液に精製したラ
ッカーゼ(コリオーラス・ベルシカラー IFO979
1起源、蛋白質濃度:2.3mg/ml)3mlを添加
し、1リットル容のビーカー中でスターラーで撹拌しな
がら28℃で7時間反応させた。得られた反応液を氷冷
し、1N塩酸でpHを2.5に調整した後、300ml
の酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を分取し、溶
媒を減圧下に留去した後、10mlの20mMリン酸緩
衝液(pH6.8)に溶解し、分取高速液体クロマトグ
ラフィー(カラム:YMC−Pack ODS S−3
43−15(20φ×250mm)、移動相:MeOH
/20mMリン酸緩衝液(pH6.8)(20/8
0)、流速:7.0ml/min、検出:UV260n
m)にかけ、CXL−1、CXL−2のピークを分取し
た。さらに移動相を水とする他は上記と同じ条件で分取
高速液体クロマトグラフィーを行い、脱塩した。脱塩さ
れて溶出してきたそれぞれの物質のピークを分取し、凍
結乾燥してCXL−1、CXL−2をナトリウム塩とし
てそれぞれ16mg、18mg得た。
【0016】こうして得られたCXL−1およびCXL
−2の理化学的性状は、UV、IR、H−NMRおよ
13C−NMRについて、全て同一である。それを以
下に示す。 UV λmax(HO)nm(ε):253(1.1
0×10) IR(KBr)cm−1:1775、1660、161
0、1510 H−NMR(DO、400MHz):2.10(3
H,s)、3.39(1H,d,J=18.0Hz)、
3.67(1H,d,J=18.0Hz)、4.44
(1H,s)、4.71(1H,d,J=12.5H
z)、4.88(1H,d,J=12.8Hz)、5.
17(1H,d,J=4.8Hz)、5.72(1H,
d,J=4.8Hz)、6.62(1H,dd,J=
2.2Hz,J=9.9Hz)、6.67(1H,d
d,J=2.2Hz,J=10.3Hz)、6.79
(1H,dd,J=2.9Hz,J=10.3Hz)、
6.89(1H,d,J=2.6Hz,J=10.3H
z)13 C−NMR(DO、100MHz):20.1、
25.3、56.7、58.0、58.8、61.5、
63.9、116.0、131.2、133.0、13
4.7、142.8、146.6、163.7、16
5.9、167.8、173.9、187.8
【0017】実施例2 CXL−1のナトリウム塩4mgを1mlの水に溶解
し、氷冷下に0.1N塩酸を滴下しpH3.0に調整し
た後、酢酸エチル1mlを加え、CXL−1を酢酸エチ
ル層に抽出した。得られた酢酸エチル溶液を無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後、氷冷下で撹拌しながらジアゾメタン
のエーテル溶液をジアゾメタンの色が消失しなくなるま
で滴下した。反応終了後、減圧下に濃縮乾固し、得られ
た残渣をクロロホルムに溶かし、分取液体クロマトグラ
フィー(カラム:YMC−PackSIL(4.6φ×
250mm)、移動相:クロロホルムからクロロホルム
/2−プロパノール(10/1)へのグラジエント溶出
(30分)、流速:1.0ml/min、検出:260
nm)により生成物を分取し、減圧下に濃縮乾固するこ
とによってCXL−1のメチルエステルを1mg得た。
【0018】こうして得られたCXL−1のメチルエス
テルの理化学的性状を以下に示す。 FAB−MS m/z:435(M+1)、433
(M−1) UV λmax(MeOH)nm(ε):253
(1.10×10) IR(CHCl)cm−1:1780、1730、1
680、1530 H−NMR(CDCl、400MHz):2.10
(3H,s)、3.48(1H,d,J=18.3H
z)、3.64(1H,d,J=18.3Hz)、3.
90(3H,s)、4.03(1H,s)、4.88
(1H,d,J=13.6Hz)、5.06(1H,
d,J=4.8Hz)、5.18(1H,d,J=1
3.6Hz)、5.86(1H,dd,J=5.1H
z,J=8.8Hz)、6.44(1H,dd,J=1
0.1Hz,J=2.7Hz)、6.55(1H,d
d,J=10.1Hz,J=1.8Hz)、6.57
(1H,dd,J=10.1Hz,J=1.8Hz)、
6.73(1H,dd,J=10.1Hz,J=2.7
Hz)
【0019】実施例3 CXL−2のナトリウム塩4mgを1mlの水に溶解
し、氷冷下に0.1N塩酸を滴下しpH3.0に調整し
た後、酢酸エチル1mlを加え、CXL−2を酢酸エチ
ル層に抽出した。得られた酢酸エチル溶液を無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後、氷冷下で撹拌しながらジアゾメタン
のエーテル溶液をジアゾメタンの色が消失しなくなるま
で滴下した。反応終了後、減圧下に濃縮乾固し、得られ
た残渣をクロロホルムに溶かし、分取液体クロマトグラ
フィー(カラム:YMC−PackSIL(4.6φ×
250mm)、移動相:クロロホルムからクロロホルム
/2−プロパノール(10/1)へのグラジエント溶出
(30分)、流速:1.0ml/min、検出:260
nm)により生成物を分取し、減圧下に濃縮乾固するこ
とによってCXL−2のメチルエステルを1mg得た。
【0020】こうして得られたCXL−2のメチルエス
テルの理化学的性状は、FAB−MS、UV、IRおよ
H−NMRについて、全てCXL−1のメチルエス
テルのものと同一であった。
フロントページの続き (72)発明者 岡本 六郎 神奈川県藤沢市花の木2−18 (72)発明者 新 隆志 熊本県熊本市池田4−5−2 吉永ビル 505号 (72)発明者 村尾 澤夫 大阪府堺市堀上緑町2−8−12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式、 【化1】 で示されるセファロスポリン系化合物またはそれらの付
    加塩。
  2. 【請求項2】 4−ヒドロキシベンジルセファロスポラ
    ン酸に酸化酵素を作用させることを特徴とする請求項1
    記載のセファロスポリン系化合物またはそれらの付加塩
    の製造法。
JP3360923A 1991-12-16 1991-12-16 新規セファロスポリン系化合物およびその製造法 Pending JPH05163281A (ja)

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