JPH0515783Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［技術分野］ 本考案は、地板を有しない部分を有する収納家
具に関する考案である。

［背景技術］ 収納家具において、キヤスター付き移動棚やワ
ゴンを収納家具内に出し入れすることができるよ
うにするために地板を無くすようにしたり、ある
いは洋服を吊り下げる場合の収納部の高さを高く
とるために地板を無くすことが考えられている。
しかしながら、地板を無くした場合第８図のよう
な側板１，２の上端間に天板４が掛け渡された門
形の状態となり、安定した状態で収納家具の設置
ができないという問題があつた。

［考案の目的］ 本考案は、上記の点に鑑みて考案したものであ
つて、その目的とするところは、地板を無くした
部分を設けても収納家具を安定して設置でき、し
かも１つの収納家具で多機能収納ができる収納家
具を提供するにある。

［考案の開示］ 本考案の収納家具は、左右の側板１，２と背板
３と天板４とよりなる収納箱本体５の左右の側板
１，２間に縦仕切り板６を配設して縦仕切り板６
により収納箱本体５内を左右に２つの収納部７，
８に分割し、一方の収納部７の下端部において側
板１と縦仕切り板６との間に地板９を架設し、他
方の収納部８の下方を地板９の無い状態とするも
のにおいて、一方の側板１に設けたねじ１３の頭
部を収納する大径孔部１４付きのねじ下孔１５の
位置を他方の側板２に設けたねじ１３の頭部を収
納する大径孔部１４付きのねじ下孔１５の位置よ
りもやや後方にずらし、地板９の一側面に設ける
ねじ下孔１６の位置を地板９の他側面に設けるね
じ下孔１９の位置よりもやや後方にずらして一方
の側板１に設けたねじ下孔１５と地板９の一側面
に設けたねじ下孔１６とが対応し且つ他方の側板
２に設けたねじ下孔１５と地板９の他側面に設け
たねじ下孔１６とが対応するように設定し、縦仕
切り板６に一側面側にねじ１３の頭部を収納する
大径孔部１４が位置するように大径孔部１４付き
のねじ下孔１５を貫通して形成すると共に該ねじ
下孔１５の位置よりもやや後方にずらして縦仕切
り板６の他側面側にねじ１３の頭部を収納する大
径孔部１４が位置するように大径孔部１４付きの
ねじ下孔１５を貫通して形成し、縦仕切り板６の
一側面側に大径孔部１４を有するねじ下孔１５を
上記地板９の一側面に設けたねじ下孔１６に対応
させると共に縦仕切り板６の他側面側に大径孔部
１４を有するねじ下孔１５を上記地板９の他側面
に設けたねじ下孔１５に対応させて成るものであ
つて、このような構成を採用することで、上記し
た本考案の目的を達成したものである。すなわち
本考案にあつては、縦仕切り板６で仕切つて他方
の収納部８を地板９の無い状態とすることで内部
の高さの高い洋服収納空間として利用したり、あ
るいはキヤスター付き移動棚やワゴンを収納して
外部に自由に出し入れできるようになつたもので
あり、しかも一方の収納部７は地板９付きとする
ことで地板９の無い部分を設けたにもかかわらず
収納家具の全体の強度を向上させて、安定した設
置ができるようになり、さらに地板９無しの部分
と地板９付きの部分とを合わせ持つことで１つの
収納家具において多機能の収納が得られるように
なつたものである。

以下本考案を実施例により詳述する。左右の側
板１，２と背板３と天板４とよりなる収納箱本体
５の左右の側板１，２間に縦仕切り板６を配設し
て縦仕切り板６により収納箱本体５内を左右に２
つの収納部７，８に分割してある。そして一方の
収納部７の下端部には側板１と縦仕切り板６との
間に地板９を架設してある。また他方の収納部８
の下方には地板９が設けてない無い状態としてあ
る。ここで地板９を設けた方の収納部７の方が地
板９を設けていない方の収納部８よりも横巾が狭
くなつている。地板９無しの収納部８内の上部に
は棚連結金具１０を介して棚板１１が架設されて
おり、この棚連結金具１０の下面側には洋服を吊
り下げるためのハンガーパイプ１２が設けてあ
る。第３図乃至第５図には本考案における地板９
を縦仕切り板６、側板１又は側板２に接続する構
成が示してある。そして、本考案は下記のような
構成とすることで地板９を設けた収納部７と地板
９を設けない収納部８とを左右逆にできるように
なつている。すなわち、左右の側板１，２に設け
たねじ１３の頭部を収納する大径孔部１４付きの
ねじ下孔１５をずらし、また地板９の左右に設け
たねじ下孔１６をそれぞれずらし、更に縦仕切り
板６については左右両方の大径孔部１４付きのね
じ下孔１５をずらして設けておくものである。こ
のようにしておくと第４図に示すように地板９を
左側に取り付けることも、第５図に示すように右
側に取り付けることも自由に選択できるものであ
る。図中１７はダボ、１８はダボはめ込み用下孔
である。なお縦仕切り板６の上端面にはダボが突
出していて天板４の下面の右側よりと左側よりと
にダボはめ込み用下孔が穿孔してあり、縦仕切り
板６を第４図の場合と第５図の場合とで位置を変
える場合には縦仕切り板６の上端面のダボはその
位置に対応したダボはめ込み用下孔にはめ込まれ
るものである。しかして地板９無しの収納部８の
方は地板９が無い分だけ収納部８の有効高さを高
くできて、洋服を吊り下げる洋服収納空間として
利用したり、あるいはキヤスター付き移動棚やワ
ゴンを収納部８内に入れ、地板９が無いので部屋
の床面上をキヤスター付き移動棚やワゴンを移動
させることにより地板９に邪魔されることなくス
ムーズに出し入れができるようにして利用したり
するものである。

第６図、第７図には本考案の地板９を設けた収
納部７と地板９無しの収納部８とを備えた収納家
具Ａと他の収納家具A′とを横に並べた実施例が
示してある。この実施例にあつては、複数個横に
並んだ収納家具Ａ，A′の前上部に亘つて上枠１
９が沿設して取り付けてある。上枠１９は断面Ｔ
字状をしていて断面Ｔ字状の上枠１９の横片２０
の後部を固着具により収納箱Ａ，A′の天板に固
着するものである。また上枠１９の横片２０の前
部と縦片２１と前目地板２２とに囲まれた部分に
上レール２３が取り付けてある。複数個横に並べ
た収納箱Ａ，A′の前方の床面２４には下レール
２５が床面２４より突出しないように埋設してあ
る。図中２６は折り畳み扉であつて、２枚の扉体
２６ａを蝶番などで折り畳み自在に連結してあ
り、各扉体２６ａの蝶番などで連結した部分と反
対側の端部の上端部及び下端部からそれぞれ上方
及び下方に向かつて上走行部２７と下走行部２８
とが突設してある。そして、この折り畳み扉２６
の上走行部２７は上レール２３内に走行自在に吊
り下げられており、また下走行部２８は下レール
２５内に走行自在に入れられている。そして上記
折り畳み扉２６は複数個設けてあり、各収納箱
Ａ，A′の前面開口部をそれぞれ別々の１乃至複
数個の折り畳み扉２６で閉塞自在としており、任
意の折り畳み扉２６をあけることで任意の収納箱
Ａ，A′の開口部を開放することができるように
なつている。また総ての折り畳み扉２６を上レー
ル２３及び下レール２５に沿つて右端乃至左端に
寄せると複数個の収納箱Ａ，A′の開口部を同時
に全開することができることとなる。

［考案の効果］ 本考案にあつては、叙述のように左右の側板と
背板と天板とよりなる収納箱本体の左右の側板間
に縦仕切り板を配設して縦仕切り板により収納箱
本体内を左右に２つの収納部に分割し、一方の収
納部の下端部において側板と縦仕切り板との間に
地板を架設し、他方の収納部の下方を地板の無い
状態としてあるので、地板を有しない方の収納部
は内部の高さが高くなり洋服収納空間として利用
したり、あるいは地板に邪魔されることなくキヤ
スター付き移動棚やワゴンを収納して外部に自由
に出し入れできるようになつたものであり、しか
も地板付き収納部は隣に設けることで地板の無い
部分を設けたにもかかわらず収納家具の全体の強
度を向上させて、安定した設置ができるようにな
り、さらに地板無しの部分と地板付きの部分とを
合わせ持つことで１つの収納家具において多機能
の収納が得られるものであり、また、一方の側板
に設けたねじの頭部を収納する大径孔部付きのね
じ下孔の位置を他方の側板に設けたねじの頭部を
収納する大径孔部付きのねじ下孔の位置よりもや
や後方にずらし、地板の一側面に設けるねじ下孔
の位置を地板の他側面に設けるねじ下孔の位置よ
りもやや後方にずらして一方の側板に設けたねじ
下孔と地板の一側面に設けたねじ下孔とが対応し
且つ他方の側板に設けたねじ下孔と地板の他側面
に設けたねじ下孔とが対応するように設定し、縦
仕切り板に一側面側にねじの頭部を収納する大径
孔部が位置するように大径孔部付きのねじ下孔を
貫通して形成すると共に該ねじ下孔の位置よりも
やや後方にずらして縦仕切り板の他側面側にねじ
の頭部を収納する大径孔部が位置するように大径
孔部付きのねじ下孔を貫通して形成し、縦仕切り
板の一側面側に大径孔部を有するねじ下孔を上記
地板の一側面に設けたねじ下孔に対応させると共
に縦仕切り板の他側面側に大径孔部を有するねじ
下孔を上記地板の他側面に設けたねじ下孔に対応
させてあるので、地板を設けた収納部と地板の無
い収納部とを左右逆にできるものであり、しかも
この時、いずれの場合でもねじの頭部を必ずねじ
下孔の大径孔部におさめることができて、いずれ
の場合でも外部にねじの頭部が突出したりしない
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の正面図、第２図は
同上の分解斜視図、第３図は本考案の側板、地
板、縦仕切り板の配置図、第４図は地板を左側に
設けた実施例の正面図、第５図は地板を右側に設
けた実施例の正面図、第６図は本考案の収納家具
と他の収納家具とを組み合わせた実施例の分解斜
視図、第７図は同上の縦断面図、第８図は従来例
の正面図であつて、１は側板、２は側板、３は背
板、４は天板、５は収納箱本体、６は縦仕切り
板、７は収納部、８は収納部、９は地板である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右の側板と背板と天板とよりなる収納箱本体
   の左右の側板間に縦仕切り板を配設して縦仕切り
   板により収納箱本体を左右に２つの収納部に分割
   し、一方の収納部の下端部において側板と縦仕切
   り板との間に地板を架設し、他方の収納部の下方
   を地板の無い状態とするものにおいて、一方の側
   板に設けたねじの頭部を収納する大径孔部付きの
   ねじ下孔の位置を他方の側板に設けたねじの頭部
   を収納する大径孔部付きのねじ下孔の位置よりも
   やや後方にずらし、地板の一側面に設けるねじ下
   孔の位置を地板の他側面に設けるねじ下孔の位置
   よりもやや後方にずらして一方の側板に設けたね
   じ下孔と地板の一側面に設けたねじ下孔とが対応
   し且つ他方の側板に設けたねじ下孔と地板の他側
   面に設けたねじ下孔とが対応するように設定し、
   縦仕切り板に一側面側にねじの頭部を収納する大
   径孔部が位置するように大径孔部付きのねじ下孔
   を貫通して形成すると共に該ねじ下孔の位置より
   もやや後方にずらして縦仕切り板の他側面側にね
   じの頭部を収納する大径孔部が位置するように大
   径孔部付きのねじ下孔を貫通して形成し、縦仕切
   り板の一側面側に大径孔部を有するねじ下孔を上
   記地板の一側面に設けたねじ下孔に対応させると
   共に縦仕切り板の他側面側に大径孔部を有するね
   じ下孔を上記地板の他側面に設けたねじ下孔に対
   応させて成る収納家具。