JP3648613B2 - 机 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、左右の側板を後面板及び天板により結合して形成した、前面が開口する机本体と、両側板のいずれかに沿って、前面の開口部に出し入れ可能とした複数の袖斗を、引き出し自在に装着してなる袖箱とを備える机に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4に示すこの種の机は、机の設置場所や使い勝手に応じて、机本体(1)に挿入される袖箱(2)の左右位置を、机の使用者が容易に設定または変更することができ、また場合によっては、机本体(1)から袖箱(2)を分離して使用することができるので便利である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、反面、袖が、天板に固定されている机と比較すると、袖内の収容量が減少してしまうという欠点がある。
この欠点を補うために、使用者の足元スペースに比較的余裕のある学習机では、机本体の後面板の前方、すなわち、使用者の足元の奥に棚を設けた机もあるが、この棚を設けた分、袖箱の奥行寸法が短くなり、袖箱内の収容量は、益々減少してしまうこととなる。
【0004】
本発明は、このような問題点を解決するため、机本体に挿入される袖箱の左右位置が変更可能であり、かつ、机本体の後面板の前方に棚を備える机において、袖箱の奥行寸法を短くすることなく、机全体の収納量を増加させることができるようにすることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1) 左右の側板を後面板及び天板により結合して、前面が開口するように形成した机本体と、複数の袖斗を有し、前記側板のいずれかに沿って前面の開口部に出し入れ可能とした袖箱とを備える机において、前記両側板の中間に、両側板と平行をなす中仕切板を、両側板からの距離を、前記袖箱の幅よりも大として、前記開口部の奥において前記後面板に取り付け、かつこの中仕切板の側面と前記側板の内面との間に可動の棚板を掛け渡し、前記中仕切板と前記側板の一方との間の前記棚板を脱着させて、前記袖箱を入れるようにする。
【0006】
(2) 上記(1)項において、両側板の内面と中仕切板の左右側面とに、棚板取付用の取付穴を設け、袖箱が挿入配置される側とは反対側の前記側板の内面の取付穴とこの内面に対向する前記中仕切板の側面の取付穴に棚板支持材を取り付け、これらの棚板支持材上に棚板を掛け渡す。
【0007】
(3) 上記(1)項において、棚板を蝶番により後面板にはね上げ可能に取り付け、袖箱が挿入される側の前記棚板をはね上げて、前記袖箱を収容しうるようにする。
【0008】
(4) 上記(1)または(2)項において、中仕切板を2枚取り付け、中央に固定棚板を設ける。
【0009】
(5) 上記(1)〜(4)項のいずれかにおいて、両側板間において天板の下面に上部袖斗を引き出し自在に装着し、この上部袖斗の下方において、後面板に中仕切板を取り付ける。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1に示す本発明の第1の実施例において、机本体(1)は、左右側板(3)( )間と天板(4)との後端に後面板(5)を固定して、前面開放する大きな開口部(6)を形成している。
この開口部(6)内に挿入される袖箱(2)は、複数の袖斗(7)を有し、キャスター(8)により移動可能のものである。机本体(1)の天板(4)の下面には、上部袖斗(9)が引き出し自在に設けられているが、場合によっては、このような上部袖斗はなくてもよい。
【0011】
机本体(1)の開口部(6)の奥には、上部袖斗(9)の下に、中仕切板(10)が、両側板(3)と平行に後面板(5)に固定されている。中仕切板(10)の両側面及び側板(3)の内面には、複数の棚板取付用の取付穴(11)が、上下方向に前後2列に穿設されている。
【0012】
この取付穴(11)に、周知の金属製のピンのような棚板支持材(図示してない)を差し込み、その上に棚板(12)を掛け渡す(図1の左側参照)。
【0013】
この棚板支持材を、上下方向異なる位置に差し込み、棚板(12)を載せ変えることにより、棚板(12)を、収納物に応じた高さに設定できる。棚板(12)を、多段に配設することもある。
【0014】
図1の開口部の右側には、棚板を設けず、ここに、袖箱(2)を矢印に示すように収納する。袖箱(2)の奥行きは、その後部が後面板(5)の内面に当接した時、袖箱(2)の前部が丁度机本体(1)の前面と整合するような、充分に深いものとされている。
【0015】
勝手違いの配置が希望の時は、棚板(12)取外し、これを、開口部(6)の右側に装着して、開口部の左側に袖箱を収容すればよい。
【0016】
図2は、本発明の第2の実施例である机を示す。この実施例において、第1の実施例と同じ部分または部材については、同一符号を付して示し、その説明を省略する。
【0017】
この実施例では、棚板(12)は、開口部(6)の左右両側に蝶番(図示してない)により、上方に脱着可能に、すなわちはね上げ可能に取り付けられている。図示の場合には、左側の棚板(12)は、水平位置まで下方に下げられており、棚として使用される。
【0018】
右側の棚板(12a)は、後面板(5)に当接する垂直位置まではね上げられて、袖箱(2)を収容する空間を形成している。
【0019】
この構成によれば、第1の実施例とは異なり、勝手違いの机とするのに、棚板支持材の差し替えを必要とせず、手軽に変更することができる。
【0020】
図3に示す第3の実施例では、2枚の中仕切板(10a)(10a)が設けられており、左側の中仕切板(10a)の左側の側面と左側の側板(3)の内面とに、さらに右側の中仕切板(10a)の右側の側面と右側の側板(3)の内面とに、第1の実施例と同じような取付穴(11)が穿設されている。2枚の中仕切板(10a)(10a)の間には、固定の棚板(12c)が設けられている。
【0021】
側の側板(3)と左側の中仕切板(10a)との間に棚板(12b)が移動可能に掛け渡されており、右側の空間には、袖箱(2)が挿入配置される。第1の実施例と同様に、この実施例でも、勝手違いの袖箱配置することができる。
【0022】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によると、袖箱を設置した側とは反対側の机本体の後面板の前方に棚を設けることができ、机全体の収納量を増加させることができる。
【0023】
また、袖箱は、後面板までの深い奥行きのものとすることができ、収納量を増加させることができる。さらに、勝手違いの構成とすることが容易であり、しかもこれは、最初の設定時だけでなく、使用者の都合により、後からでも実施することができる。
【0024】
請求項2記載の発明によると、両側板の内面と中仕切板の左右側面とに、棚板取付用の取付穴を設け、袖箱が挿入配置される側とは反対側の前記側板の内面の取付穴と、この内面に対向する前記中仕切板の側面の取付穴に棚板支持材を取り付け、これらの棚板支持材上に棚板を掛け渡してあるから、棚板を中仕切板の左右どちらにも移動することができるばかりでなく、その高さ位置を変えたり、多段に設けたりすることができる。
さらに、袖箱を机本体から分離して使用する場合には、中仕切板の左右両側に棚を設けて、収納量をさらに増加させることができる。
【0025】
請求項3記載の発明によると、棚板を蝶番により後面板にはね上げ可能に取り付け、袖箱が挿入される側の前記棚板をはね上げて、前記袖箱を収容するようにしてあるから、勝手違いの机とするのに、棚板支持材の差し替えを必要とせず、手軽に変更することができる。
また、袖箱を机本体から分離して使用する場合には、中仕切板の左右両側を棚として、収納量をさらに増加させることができる。
【0026】
請求項4記載の発明によると、中仕切板を2枚取り付け中央に固定棚板を設けてあるから、袖箱の収納の機能そのまま保持しながら、中仕切板の取付構造、ひいては棚全体の構造を強化することができる。
【0027】
請求項5記載の発明によると、両側板間において、天板の下面に上部袖斗を、引き出し自在に装着し、この上部袖斗の下方において、後面板に中仕切板を取り付けてあるから、奥行き寸法の大きな袖が位置するのと左右反対側において、机本体の後面板の前方に棚を設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明机の第1の実施例の斜視図である。
【図2】 本発明机の第2の実施例の斜視図である。
【図3】 本発明机の第3の実施例の斜視図である。
【図4】 従来の袖箱形式の机の斜視図である。
【符号の説明】
(1)机本体
(2)袖箱
(3)側板
(4)天板
(5)後面板
(6)開口部
(7)袖斗
(8)キャスター
(9)上部袖斗
(10)(10a)中仕切板
(11)取付穴
(12)(12a)可動の棚板
(12c)固定の棚板

Claims (5)

  1. 左右の側板を後面板及び天板により結合して、前面が開口するように形成した机本体と、複数の袖斗を有し、前記側板のいずれかに沿って前面の開口部に出し入れ可能とした袖箱とを備える机において、
    前記両側板の中間に、両側板と平行をなす中仕切板を、両側板からの距離を、前記袖箱の幅よりも大として、前記開口部の奥において前記後面板に取り付け、かつこの中仕切板の側面と前記側板の内面との間に可動の棚板を掛け渡し、前記中仕切板と前記側板の一方との間の前記棚板を脱着させて、前記袖箱を入れるようにしたことを特徴とする机。
  2. 両側板の内面と中仕切板の左右側面とに、棚板取付用の取付穴を設け、袖箱が挿入配置される側とは反対側の前記側板の内面の取付穴とこの内面に対向する前記中仕切板の側面の取付穴に棚板支持材を取り付け、これらの棚板支持材上に棚板を掛け渡したことを特徴とする請求項1記載の机。
  3. 棚板を蝶番により後面板にはね上げ可能に取り付け、袖箱が挿入される側の前記棚板をはね上げて、前記袖箱を収容しうるようにしたことを特徴とする請求項1記載の机。
  4. 中仕切板を2枚取り付け、中央に固定棚板を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の机。
  5. 両側板間において天板の下面に上部袖斗を引き出し自在に装着し、この上部袖斗の下方において、後面板に中仕切板を取り付けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の机。
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