JPH05156541A - 合成樹脂で被覆した分子配向成形体からなるフィラメントないし撚り糸を芯材とするコード - Google Patents

合成樹脂で被覆した分子配向成形体からなるフィラメントないし撚り糸を芯材とするコード

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JPH05156541A
JPH05156541A JP26416091A JP26416091A JPH05156541A JP H05156541 A JPH05156541 A JP H05156541A JP 26416091 A JP26416091 A JP 26416091A JP 26416091 A JP26416091 A JP 26416091A JP H05156541 A JPH05156541 A JP H05156541A
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ultra
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JP26416091A
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Yoshiyasu Fujiwara
義康 藤原
Masao Kameyama
正雄 亀山
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軽量でありながら、強度、耐クリープ性、耐
候性、耐摩耗性、耐カット性に優れるとともに、任意の
着色を可能にした樹脂被覆コードを提供する。 【構成】 極限粘度[η]が少なくとも5dl/gであ
る超高分子量エチレン系重合体の分子配向成形体のフィ
ラメントないし撚り糸を芯材とし、これをオレフィン系
樹脂、ポリ塩化ビニル、アクリル系樹脂、ポリウレタン
などの合成樹脂で被覆したコード。 【効果】 この樹脂被覆コードは、従来の超高分子量エ
チレン系重合体の分子配向成形体の用途ばかりでなく、
駆動用コードとしても使用され、とくに、漂白剤の使用
によって劣化を受ける洗濯機のバルブ用の駆動コードと
して好適に使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超高分子量エチレン系
重合体の分子配向体からなるフィラメントないし撚り糸
の表面に、密着性のある樹脂を被覆させて得られる、任
意に着色、耐候処理された強靭性で、高強度、低伸度な
コードに関する。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】超高分子量エチレン系
重合体の分子配向体(マルチフィラメント)は機械的強
度がとくにすぐれており、その特徴を生かして、該フィ
ラメントを撚った糸、補強用繊維、ひも、ロ−プ、ネッ
ト、網などに利用されているが、この超高分子量エチレ
ン系重合体は染色性が乏しいため、任意の色彩に着色す
るということが困難であり、用途に制限があった。ま
た、超高分子量エチレン系重合体の染色性を向上させる
ために、従来から、超高分子量エチレン系重合体を変性
し染色するなどの方策が講じられてきたが、それでも満
足な堅ろう度を有する染色は困難であり、変性すること
による耐候性不安の問題もあった。
【0003】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、外皮に合成樹
脂を被覆することにより、着色性や耐候性にすぐれた超
高分子量エチレン系重合体の分子配向体からなるフィラ
メントないし撚り糸を芯材とするコードを提供すること
にある。
【0004】
【問題点を解決するための手段】本発明は、前記目的を
達成するために提案されたものであって、超高分子量エ
チレン系重合体の分子配向体からなるフィラメントない
し撚り糸の表面に、合成樹脂を被覆することを特徴とす
るものである。さらに、本発明は、上記フィラメントな
いし撚り糸の表面に、プライマー層を介して合成樹脂を
被覆することを特徴とするものである。
【0005】
【発明の具体的な説明】本発明に係るフィラメントない
し撚り糸は、135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘
度[η]が、少なくとも5dl/g、好ましくは7ない
し30dl/gである超高分子量エチレン系重合体の分
子配向成形体から構成され、その分子配向体自体、ある
いは、その分子配向体を単に引き揃えたもの、または、
少ない撚り回数で撚ったもの(いわゆる、甘撚りしたも
の)のいづれでも良い。この分子配向体からなるフィラ
メントないし撚り糸の太さは、その用途によって様々な
範囲のものを設定できるが、通常は0.5mmないし2
mmが好ましい。
【0006】さらに、本発明によれば、前記超高分子量
エチレン系重合体が、炭素数3個以上のα−オレフィン
を、炭素数1000個あたり平均0.1 ないし20個含有す
る、エチレンとα−オレフィンの共重合体、とくにα−
オレフィンが、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、
ヘキセン−1、オクテン−1およびデセン−1からなる
群から選ばれ1種または2種以上のものであるエチレン
とα−オレフィン共重合体を使用できる。超高分子量エ
チレン系重合体としては、超高分子量ポリエチレンばか
りでなく、前記の極限粘度を有するエチレンと、炭素数
が3個以上、好ましくは4ないし10個のα−オレフィ
ン、たとえばプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、
4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−
1、オクテン−1、デセン−1の1種または2種以上と
の共重合体が挙げられるが、なかでも、エチレンと、ブ
テン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オ
クテン−1およびデセン−1からなる群より選ばれた1
種または2種以上のα−オレフィンとの共重合体が、高
い強度を有しており、耐クリープ性にすぐれ、本発明の
目的に好適に使用される。さらに、前記超高分子量エチ
レン系重合体が、エチレンとα−オレフィンとの共重合
体である場合には、α−オレフィンコモノマーは、炭素
数1000個あたり平均0.1 ないし20個、好ましくは平均
0.5 ないし10個含有されていることが望ましい。共重
合体中におけるα−オレフィンコモノマーの含有量が前
記の範囲にあることにより、α−オレフィン成分が高破
断エネルギーの達成に有効な分子間絡み合い構造を形成
し、この構造が、高強力、低伸度などのすぐれた機械的
性質をもたらしめるのである。
【0007】本発明における超高分子量エチレン・α−
オレフィン共重合体中のα−オレフィン成分の定量は、
赤外分光光度計(日本分光工業製)によって行った。つ
まりエチレン鎖の中に取り込まれたα−オレフィンのメ
チル基の変角振動を表わす1378cm-1の吸光度を測定
し、これからあらかじめ13C核磁気共鳴装置にて、モデ
ル化合物を用いて作成した検査線にて1000炭素原子
当りのメチル分岐数に換算することにより測定した値か
ら算出した。
【0008】超高分子量エチレン系重合体の極限粘度
[η]が5dl/g未満のものは、たとえ延伸倍率を大
きくしても、十分な強度の分子配向成形体が得られず、
逆に[η]が30dl/g以上のものは、高濃度下での
溶融粘度が極めて高く、押出時にメルトフラクチャー等
が発生し、溶融紡糸性に劣るため、好適なマルチフィラ
メントを得ることができない。
【0009】本発明の超高分子量エチレン系重合体は、
エチレン、またはエチレンと前記α−オレフィンコモノ
マーとを、周期律表第IVb,Vb,VIb,VIII族の遷移
金属化合物及び周期律表第IないしIII 族の金属水素化
物または有機金属よりなる触媒の存在下に、たとえば有
機溶媒中でスラリー重合することにより得ることができ
る。
【0010】かくして得られた超高分子量エチレン系重
合体は、たとえば、溶融成形を可能にするための稀釈剤
を配合したり、常温固体のパラフィン系ワックスを混合
して溶融押出しされ、ついで延伸されることによって、
たとえば繊維などの分子配向成形体とする。
【0011】稀釈剤としては、超高分子量エチレン系重
合体に対する溶剤や、超高分子量エチレン系重合体に対
して分散性を有する各種ワックス状物が使用される。
【0012】溶剤は、好ましくは前記重合体の融点以
上、さらに好ましくは融点+20℃以上の沸点を有する
溶剤である。
【0013】かかる溶剤としては、具体的にはn−ノナ
ン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、n−
テトラデカン、n−オクタデカンあるいは流動パラフィ
ン、灯油等の脂肪族炭化水素系溶媒、キシレン、ナフタ
リン、テトラリン、ブチルベンゼン、p−シメン、シク
ロヘキシルベンゼン、ジエチルベンゼン、ベンチルベン
ゼン、ドデシルベンゼン、ビシクロヘキシル、デカリ
ン、メチルナフタリン、エチルナフタリン等の芳香族炭
化水素系溶媒あるいはその水素化誘導体、1,1,2,2 −テ
トラクロロエタン、ペンタクロロエタン、ヘキサクロロ
エタン、1,2,3 −トリクロロプロパン、ジクロロベンゼ
ン、1,2,4 −トリクロロベンゼン、ブロモベンゼン等の
ハロゲン化炭化水素溶媒、パラフィン系プロセスオイ
ル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイ
ル等の鉱油が挙げられる。
【0014】ワックス類としては、脂肪族炭化水素化合
物あるいはその誘導体が使用される。
【0015】脂肪族炭化水素化合物としては、飽和脂肪
族炭化水素化合物を主体とするもので、通常分子量が2
000以下、好ましくは1000以下、さらに好ましく
は800以下のパラフィン系ワックスと呼ばれるもので
ある。これら脂肪族炭化水素化合物としては、具体的に
はドコサン、トリコサン、テトラコサン、トリアコンタ
ン等の炭素数22以上のn−アルカンあるいはこれらを
主成分とした低級n−アルカンとの混合物、石油から分
離精製された所謂パラフィンワックス、エチレンあるい
はエチレンと他のα−オレフィンとを共重合して得られ
る低分子量重合体である中・低圧法ポリエチレンワック
ス、高圧法ポリエチレンワックス、エチレン共重合ワッ
クスあるいは中・低圧法ポリエチレン、高圧法ポリエチ
レン等のポリエチレンを熱減成等により分子量を低下さ
せたワックス及びそれらのワックスの酸化物あるいはマ
レイン酸変性等の酸化ワックス、マレイン酸変性ワック
ス等が挙げられる。
【0016】脂肪族炭化水素化合物誘導体としては、た
とえば、脂肪族炭化水素基(アルキル基、アルケニル
基)の末端もしくは内部に1個またはそれ以上、好まし
くは1ないし2個、特に好ましくは1個のカルボキシル
基、水酸基、カルバモイル基、エステル基、メルカプト
基、カルボニル基等の官能基を有する化合物である炭素
数8以上、好ましくは炭素数12ないし50、または分
子量130ないし2000、好ましくは200ないし8
00の脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸アミド、脂肪
酸エステル、脂肪族メルカプタン、脂肪族アルデヒド、
脂肪族ケトン等を挙げることができる。具体的には、脂
肪酸としてカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、脂肪族アルコ
ールとしてラウリルアルコール、ミリスチルアルコー
ル、セチルアルコール、ステアリルアルコール、脂肪酸
アミドとしてカプリンアミド、ラウリンアミド、パルミ
チンアミド、ステアリルアミド、脂肪酸エステルとして
ステアリル酢酸エステル等を例示することができる。
【0017】超高分子量エチレン系重合体と稀釈剤との
比率は、これらの種類によっても相違するが、一般的に
いって3:97ないし80:20、特に15:85ない
し60:40の重量比で用いるのがよい。稀釈剤の量が
上記範囲よりも低い場合には、溶融粘度が高くなり過
ぎ、溶融混練や溶融成形が困難となると共に、成形物の
肌荒れが著しく、延伸切れ等を生じ易い。一方、稀釈剤
の量が上記範囲よりも多いと、やはり溶融混練が困難と
なり、また成形品の延伸性が劣るようになる。
【0018】溶融混練は、一般に150ないし300
℃、特に170ないし270℃の温度で行なうのが望ま
しく、上記範囲よりも低い温度では、溶融粘度が高すぎ
て、溶融成形が困難となり、また上記範囲よりも高い場
合には、熱減成により超高分子量エチレン系重合体の分
子量が低下して高弾性率及び高強度の成形体を得ること
が困難となる。なお、配合はヘンシェルミキサー、V型
ブレンダー等による乾式ブレンドで行ってもよいし、単
軸あるいは多軸押出機を用いる溶融混合で行ってもよ
い。
【0019】溶融成形は、一般に溶融押出成形により行
われる。たとえば、紡糸口金を通して溶融押出すること
により、延伸用フィラメントが得られ、またフラットダ
イあるいはリングダイを通して押出すことにより延伸用
テープが得られる。 この際、紡糸口金より押出された
溶融物にドラフト、すなわち溶融状態での引き伸しを加
えることもできる。溶融樹脂のダイ・オリフィス内での
押出速度VO と冷却固化した未延伸物の巻き取り速度V
との比をドラフト比として次式で定義することができ
る。 ドラフト比=V/VO このようなドラフト比は、混合物の温度および超高分子
量エチレン系重合体の分子量等により変化するが、通常
は3以上、好ましくは6以上とすることができる。
【0020】次に、このようにして得られた超高分子量
エチレン系重合体の未延伸成形体を延伸処理する。延伸
操作は、一段あるいは二段以上の多段で行うことができ
る。延伸倍率は、所望とする分子配向及びこれに伴なう
融解温度向上の効果にも依存するが、一般に5ないし8
0倍、特に10ないし50倍の延伸倍率となるように延
伸操作を行えば満足すべき結果が得られる。一般には、
二段以上の多段延伸が有利であり、一段目では、80な
いし120℃の比較的低い温度で押出成形体中の稀釈剤
を抽出しながら延伸操作を行ない、二段目以降では、1
20ないし160℃の温度で、かつ、一段目の延伸温度
よりも高い温度で成形体の延伸操作を続行するのがよ
い。
【0021】かくして得られる分子配向成形体は、所望
により拘束条件下に熱処理することができる。この熱処
理は、一般に140ないし180℃、特に150ないし
175℃の温度で、1ないし20分間、特に3ないし1
0分間行うことができる。熱処理により、配向結晶部の
結晶化が一層進行し、結晶融解温度の高温側移行、強度
および弾性率の向上および高温での耐クリープ性の向上
がもたらされる。
【0022】成形体における分子配向の過程は、X線回
折法、複屈折法、蛍光偏光法等で知ることができる。本
発明の超高分子量エチレン系重合体の延伸フィラメント
の場合、たとえば呉祐吉、久保揮一郎:工業化学雑誌第
39巻、992頁(1939)に詳しく述べられている半値
巾による配向度、すなわち、式 式中、H°は赤道線上最強のパラトロープ面のデバイ環
に沿っての強度分布曲線の半値巾(°)である。で定義
される配向度(F)が0.90以上、特に0.95以上となるよ
うに分子配向されていることが、機械的性質の点で望ま
しい。
【0023】かくして得られた超高分子量エチレン系重
合体の分子配向体をそのまま、あるいは、この分子配向
体を単に引き揃えるか、または、甘撚りすることによ
り、本発明にかかる超高分子量エチレン系重合体の分子
配向体のフィラメントないし撚り糸を得ることができ
る。これらの分子配向体に、後に説明するプライマーを
塗布すると、さらに密着性や取扱性が向上する。また、
甘撚り糸は、例えば、マルチフィラメントをあらかじめ
リング撚糸機により100 回/分前後の撚りをかけること
により得られる。
【0024】本発明においては、これらの分子配向成形
体の表面に、合成樹脂を被覆する。被覆される樹脂とし
ては、本出願前に知られている被覆可能な樹脂であり、
本発明の超高分子量エチレン系重合体の分子配向体に密
着できるものであればどのようなものでもよいが、折り
曲げるなどの変形にも耐えられるよう、可撓性など機械
的な強度にすぐれた性質を有する樹脂や、使用環境中で
の劣化に対する抵抗性の大きな樹脂が好ましく、たとえ
ば、ポリオレフィン系樹脂、軟質塩化ビニル樹脂、ポリ
アミド、ポリカーボネート、ポリウレタン、アクリル系
樹脂などが挙げられるが、なかでも、ポリオレフィン系
樹脂、軟質塩化ビニル樹脂、水溶性のポリウレタン樹脂
等がとくに好ましい。この被覆された合成樹脂層の厚み
は、用途によって様々な範囲のものとすることができる
が、通常0.1ないし0.5mmが適切である。
【0025】これらの合成樹脂には、各種の配合剤を添
加しておくことができる。その配合剤としては、本出願
前公知のものであれば、どのような配合剤でもよいが、
たとえば、着色剤、安定剤、可塑剤、滑剤、充填剤など
が挙げられる。着色剤としては、無機顔料、有機顔料、
有機染料が知られているが、好適なものとしては、酸化
チタン、カドミウム化合物、カーボンブラック、アゾ化
合物、シアニン染料、多環顔料などを例示することがで
きる。着色剤の配合量は、樹脂100重量部に対して、
通常0.1ないし5重量部、好ましくは0.3ないし2
重量部である。
【0026】これらの着色剤を合成樹脂に添加する方法
は、本出願前から知られているいずれの方法でもよい
が、とくに着色剤を可塑剤等と混練してペースト状にし
たものを樹脂中に配合する方法、及び着色剤と樹脂を高
濃度混練したマスターバッチを樹脂中に配合する方法が
好ましい。
【0027】こうして得られた樹脂組成物を、超高分子
量エチレン系重合体の分子配向体からなるフィラメント
ないし撚り糸に被覆するのであるが、その被覆方法は本
出願前から知られている各種の方法を採用することがで
きる。その中でも、とくに、押出被覆法、あるいは、溶
液塗布法にて被覆することが好適である。
【0028】上記樹脂組成物を押出被覆する方法の一例
を具体的に説明する。まず、上記樹脂組成物をスクリュ
ー押出機にて、十分に溶融混練した後、クロスヘッドダ
イの中程に供給する。一方、すでに調製された分子配向
体のフィラメントないし撚り糸は、クロスヘッドダイの
後部に入り、ダイにおいて、上記溶融混練した樹脂組成
物にて被覆され、冷却層内に入り、急冷される。被覆さ
れた分子配向体のフィラメントないし撚り糸を急冷処理
することにより、分子配向体の熱劣化が免れ、分子配向
体の性質(たとえば、機械的強度)が低下することがな
い。
【0029】この方法は上記フィラメントないし撚り糸
をポリオレフィン系樹脂組成物で被覆する場合に適して
いる。この場合、ポリオレフィン系樹脂のメルトフロー
レート(MFR)は1ないし10g/10分、密度は0.
92ないし0.94g/cm3 であるものが好ましい。押出機
内の押出温度を140℃ないし150℃に調整すると、
より良い樹脂被覆分子配向体が得られる。
【0030】軟質塩化ビニル樹脂組成物を被覆する場合
には、押出機内の押出温度を160℃ないし180℃に
調整すると、より良い樹脂被覆分子配向体が得られる。
【0031】また、樹脂組成物を被覆する他の方法とし
ては、溶液塗布法があり、とくに水溶性のポリウレタン
樹脂を被覆する場合に、好んで採用される。この水溶性
ポリウレタン樹脂は、たとえば、短鎖の水溶性ポリエー
テルグリコール、水溶性ポリエステルなどの水溶性の化
合物と、低分子量のイソシアネート化合物とから調製さ
れる。この樹脂を被覆する際に、染料、顔料、安定剤、
その他慣用の配合剤を予め添加・配合させておくことが
好ましい。
【0032】この水溶性ポリウレタン樹脂組成物の水溶
液が満たされた浸漬槽内に、上記超高分子量エチレン系
重合体の分子配向体からなるフィラメントないし撚り糸
を導入し、引き上げ、余分な水溶液を絞り捨て、ついで
乾燥槽内に入れ乾燥することによって、樹脂被覆超高分
子量エチレン系重合体分子配向体からなるフィラメント
ないし撚り糸に水溶性ポリウレタン樹脂が被覆されたコ
ードを得ることができる。
【0033】本発明においては、超高分子量エチレン系
重合体の分子配向体からなるフィラメントないし撚り糸
と被覆樹脂層との密着性を向上させる手段として、この
フィラメントないし撚り糸にプライマー層を設けておく
のが効果的である。さらには、あらかじめ物理的又は化
学的手法で表面処理したフィラメントないし撚り糸を用
いることにより、被覆樹脂層との密着性をより強固なも
のとさせ得る。この表面処理の手法としては、コロナ処
理、プラズマ処理、グラフト変性などの方法が知られて
いる。このプライマー層には、上記分子配向体からなる
フィラメントないし撚り糸と被覆される樹脂との両方に
親和性のある化合物が含まれていることが望ましく、そ
れらの化合物としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂
に対してはエチレン−プロピレン共重合体の無水マレイ
ン酸変性物あるいは塩素化ポリオレフィンが、軟質塩化
ビニル樹脂に対してはエポキシ変性ポリオレフィンある
いは塩素化ポリオレフィンが、水溶性ポリウレタン樹脂
には、アミド、カルボン酸、エポキシ等で変性されたポ
リオレフィンなどが挙げられる。
【0034】このプライマー層を、上記分子配向体から
なるフィラメントないし撚り糸に設ける方法は、本願出
願前から知られている各種の方法の中から選ぶことがで
きる。たとえば、ポリオレフィン系樹脂を被覆する場合
を例として説明すると、プライマーであるエチレン−プ
ロピレン共重合体の無水マレイン酸変性物を溶剤で希釈
したものを浸漬槽内に満たし、超高分子量エチレン系重
合体の分子配向体からなるフィラメントないし撚り糸を
その槽内に通過させ、乾燥させると、表面にプライマー
塗布層が形成された分子配向体からなるフィラメントな
いし撚り糸が得られる。このプライマー層の表面に、上
記ポリオレフィン系樹脂を被覆させると、その樹脂が強
固に密着された分子配向体からなるフィラメントないし
撚り糸を芯材とするコードが得られる。この浸漬槽内の
温度は10ないし30℃に保持され、また、乾燥温度は
80ないし130℃に設定されていることが望ましく、
このプライマー層の厚みは5ないし50μであることが
好ましい。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、染色性のあまり良くな
い超高分子量エチレン系重合体の分子配向体からなるフ
ィラメントないし撚り糸の表面に、染色性のすぐれた樹
脂、あるいは簡単に染色可能な樹脂が設けられているた
め、分子配向体の染色性があまり良くないにもかかわら
ず、任意の色に着色された分子配向体のフィラメントな
いし撚り糸を芯材とするコードが容易に得られ、しかも
そのコードは超高分子量エチレン系重合体が本来有する
優れた物性をそのまま保持し、耐候性、耐久性に優れ、
かつ、高強度、低伸度でもあるために、従来の超高分子
量エチレン系重合体の分子配向成形体の主たる用途であ
る、ネット、網、ロープなどの資材用ばかりでなく、バ
ッグ、駆動コード等としても使用され、とくに漂白剤の
使用により劣化が著しい洗濯機のバルブ部分の駆動コー
ドとして好適に使用することができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。参考例1超高分子量エチレン・ブテン−1共重合体の重合>チ
ーグラー系触媒を用い、n−デカン1リットルを重合溶媒と
して、超高分子量エチレン・ブテン−1共重合体のスラ
リー重合を行なった。エチレンとブテン−1との組成が
モル比で97.2:2.8 の比率の混合モノマーガスを圧力が
5kg/cm2の一定圧力を保つように反応器に連続供給し
た。重合は反応温度70℃で2時間で終了した。得られ
た超高分子量エチレン・ブテン−1共重合体粉末の収量
は160 gで、極限粘度[η](デカリン:135℃)は8.2d
l/g、赤外分光光度計によるブテン−1含量は1000炭素
原子あたり1.5 個であった。
【0037】<超高分子量エチレン・ブテン−1共重合
体延伸配向物の調製>上述の重合により得られた超高分
子量エチレン・ブテン−1共重合体粉末20重量部とパ
ラフィンワックス(融点=69℃、分子量=490)80重量
部との混合物を次の条件で溶融紡糸した。該混合物 100
重量部に、プロセス安定剤として、3,5 −ジ−tert−ブ
チル−4−ハイドロキシトルエンを0.1 重量部配合し
た。次いで該混合物をスクリュー式押出機(スクリュー
径=25mm、L/D =25、サーモプラスチックス社製)を用
いて、設定温度 190℃で溶融混練を行なった。引続き、
該混合溶融物を押出機に付属するオリフィス径2mmの紡
糸ダイより溶融紡糸した。押出溶融物は 180cmのエアー
ギャップで36倍のドラフト比で引き取られ、空気中に
て冷却、固化し、未延伸繊維を得た。さらに該未延伸繊
維を次の条件で延伸した。
【0038】三台のゴデットロールを用いて二段延伸を
行なった。このとき第一延伸槽の熱媒はn−デカンであ
り、温度は 110℃、第二延伸槽の熱媒はトリエチレング
リコールであり、温度は 145℃であった。槽の有効長は
それぞれ50cmであった。延伸に際しては、第1ゴデッ
トロールの回転速度を0.5m/分として第3ゴデットロー
ルの回転速度を変更することにより、所望の延伸比の配
向繊維を得た。第2ゴデットロールの回転速度は安定延
伸可能な範囲で適宜選択した。初期に混合されたパラフ
ィンワックスは、ほぼ全量が延伸時n−デカン中に抽出
された。このあと配向繊維は水洗し、減圧下室温にて一
昼夜乾燥し、諸物性の測定に供した。なお延伸比は、第
1ゴデットロールと第3ゴデットロールの回転速度比か
ら計算で求めた。
【0039】<引張特性の測定>弾性率および引張強度
は、津製作所製DCS-50M 型引張試験機を用い、室温(2
3℃)にて測定した。この時クランプ間の試料長は 100
mmであり、引張速度 100mm/分(100%/分歪速度)であ
った。弾性率は初期弾性率で接線の傾きを用いて計算し
た。計算に必要な繊維断面積は密度を0.960g/cc として
重量から計算で求めた。
【0040】<熱履歴後の引張弾性率、強度保持率>熱
履歴試験は、ギヤーオーブン(パーフェクトオーブン:
田葉井製作所製)内に放置することによって行なった。
試料は約3mの長さでステンレス枠の両端に複数個の滑
車を装置したものに折り返しかけて試料両端を固定し
た。この際試料両端は試料がたるまない程度に固定し、
積極的に試料に張力はかけなかった。熱履歴後の引張特
性は、前述の引張特性の測定の記載に基づいて測定し
た。
【0041】<耐クリープ性の測定>耐クリープ性の測
定は、応力歪測定装置TMA/SS10(セイコー電子
工業社製)を用いて、試料長1cm、雰囲気温度70℃、
荷重は室温での破断荷重の30%に相当する重量の促進
条件下で行なった。クリープ量を定量的に評価するため
以下の二つの値を求めた。すなわち、試料に荷重を加え
て90秒経過時のクリープ伸び(%)CR90の値と、この
90秒経過時から 180秒経過時の平均クリープ速度(sec
-1) εの値である。
【0042】得られた延伸配向繊維を複数本束ねたマル
チフィラメントの引張特性を表1に示す。
【0043】超高分子量エチレン・ブテン−1共重合体
延伸フィラメント(試料−1)の本来の結晶融解ピーク
は126.7 ℃、全結晶融解ピーク面積に対するTp の割合
は33.8%であった。また耐クリープ性はCR90=3.1 %、
ε=3.03×10-5sec-1 であった。さらに 170℃、5分間
の熱履歴後の弾性率保持率は102.2 %、強度保持率は10
2.5 %で熱履歴による性能の低下は見られなかった。ま
た、延伸フィラメントの破断に要する仕事量は10.3kg・m
/gであり、密度は 0.973g/cm3 であり、誘電率は2.2 で
あり、誘電正接は0.024 %であり、インパルス電圧破壊
値は 180kV/mm であった。マルチフィラメントの結節強
度、ループ強度の直線強度に対する低下率は、それぞれ
38%、36%であった。
【0044】参考例2超高分子量ポリエチレンの重合>チーグラー系触媒を
用いて、n−デカン1リットルを重合溶媒として超高分子量
ポリエチレンのスラリー重合を行なった。重合に先立っ
て反応器中にエチレンガスと水素ガスとの混合ガスを圧
力5kg/cm2(うち水素ガス分圧 0.2kg/cm2)となる様に
充満させ、以後、エチレンガスのみを重合圧力を5kg/c
m2を保つ様に供給した。重合は反応温度70℃で2時間
で終了した。得られた超高分子量ポリエチレンの収量は
170gで極限粘度[η](デカリン:135℃)は7.42
d l/gであった。
【0045】<超高分子量ポリエチレン延伸配向物の調
>超高分子量ポリエチレン(ホモポリマー)粉末(極
限粘度[η]=7.42 dl/g、デカリン、135 ℃):20
重量部とパラフィンワツクス(融点=69℃、分子量=49
0):80重量部の混合物を参考例1の方法で溶融紡糸
し、延伸し、延伸配向繊維(試料−2)を得た。表2に
得られた延伸配向繊維を複数本束ねたマルチフィラメン
トの引張特性を示す。
【0046】超高分子量ポリエチレン延伸フィラメント
(試料−2)本来の結晶融解ピークは135.1 ℃、全結晶
融解ピーク面積に対するTp の割合は8.8 %であった。
また同様に全結晶融解ピーク面積に対する高温側ピーク
Tp1の割合は1%以下であった。耐クリープ性はCR90
11.9%、ε=1.07×10-3sec-1 であった。また 170℃、
5分間の熱履歴後の弾性率保持率は80.4%、強度保持率
は78.2%であった。さらに試料−2の破断に要する仕事
量は10.2kg・m/gであり、密度は 0.985g/cm3 であり、誘
電率は2.3 、誘電正接は0.030 %であり、インパルス電
圧破壊値は 182kV/mm であった。マルチフィラメントの
結節強度、ループ強度の直線強度に対する低下率は、そ
れぞれ54%、52%であった。
【0047】実施例1 参考例1で得られた超高分子量エチレン−ブテンー1共
重合体の延伸配向物を、100 本引揃え、エチレン−プロ
ピレン共重合体の無水マレイン酸変性物のトルエン溶液
で満たされた浸漬槽(23℃に保持されている)内に導
入した後、乾燥槽(120℃に設定されている)内で加
熱・乾燥(30秒間)し、エチレン−プロピレン共重合
体の無水マレイン酸変性物で被覆された超高分子量エチ
レン−ブテンー1共重合体の分子配向体のフィラメント
を得た。被覆された層の厚みは20μであった。
【0048】ついで、この分子配向体のフィラメントの
表面を、押出被覆法にて樹脂被覆した。 低圧法低密度ポリエチレン(密度:0.92 、MFR:2.1) :100重量部 着色剤マスターバッチ(上記ポリエチレンにカーボンブラック を5重量%練り込んだもの) : 10重量部 からなる混合物を十分に攪拌後、スクリュー押出機に
(スクリュー径は40mmで、L/D は24である)供給した。
押出部温度は140℃から150℃に設定した。表面被
覆された分子配向体のフィラメントをクロスヘッドダイ
の後部から導入し、上記溶融ポリエチレン樹脂組成物を
50m/min の速度で被覆した後、冷却槽(20℃に保持さ
れている)に導き急冷した。ポリエチレン樹脂が強固に
密着した超高分子量エチレン−ブテンー1共重合体の分
子配向体フィラメントを芯材とするコードが得られた。
被覆ポリエチレン層の厚さは0.5mm、コードの引張
強度は27.6kg、破断伸びは5.6%であり、被覆
による芯材の強度低下は殆ど認められなかった。
【0049】実施例2 参考例2で得られた超高分子量エチレン系重合体の延伸
配向物を、甘撚りしたもの(撚り数:100回/分)を
用いる以外は、実施例1と同じ操作をして、ポリエチレ
ン樹脂が強固に密着した超高分子量エチレン系重合体の
分子配向体の撚り糸を芯材とするコードが得られた。得
られたコードの引張強度は27.6kg、破断伸びは
5.6%であった。
【0050】実施例3 参考例1で得られた超高分子量エチレン−ブテンー1共
重合体の延伸配向物を、100本引き揃え、ポリエチレ
ン(密度:0.92 、MFR:2.1)の代わりに、エチレン−
ブテンー1共重合体(密度:0.88 、MFR:3.6)を用い
た以外は、実施例1と同じ操作をしてポリエチレン系樹
脂が強固に密着した超高分子量エチレン−ブテンー1共
重合体の分子配向体のフィラメントを芯材とするコード
が得られた。被覆ポリエチレン層の厚さは0.5mm、
コードの引張強度は27.8kg、破断伸びは5.7%
であった。
【0051】実施例4 参考例1で得られた超高分子量エチレン−ブテンー1共
重合体の延伸配向物を、甘撚りしたものを、塩素化ポリ
エチレン(塩素化率30%)の20%トルエン溶液で満
たされた侵漬槽(20℃に保持されている)内に導入し
た後、乾燥槽(130℃に設定されている)内で加熱・
乾燥(10秒間)し、プライマーで被覆された超高分子
量エチレン−ブテンー1共重合体の分子配向体からなる
撚り糸を得た。被覆された層の厚みは15μであった。
【0052】ついで、この分子配向体の撚り糸の表面
を、押出被覆法にて樹脂被覆した。 塩化ビニル樹脂 :100重量部 顔料(カーボンブラック) :1重量部 可塑剤(ジオクチルフタレート) :50重量部 安定剤(三塩基性硫酸鉛と二塩基性ステアリン酸鉛):7重量部 からなる混合物を十分に攪拌後、スクリュー押出機に
(スクリュー径は40mmで、L/D は22である)供給し
た。押出温度は160℃から180℃に設定した。
【0053】プライマーで表面被覆された分子配向体の
撚り糸をクロスヘッドダイの後部から導入し、上記溶融
軟質塩化ビニル樹脂組成物を100m/分の速度で被覆
した後、冷却槽(20℃に保持されている)にて急冷し
た。軟質塩化ビニル樹脂が強固に密着した超高分子量エ
チレン系重合体の分子配向体の撚り糸を芯材とするコー
ドが得られた。被覆ポリエチレン層の厚さは0.25m
m、コードの引張強度は28.0kg、破断伸びは5.
6%であった。
【0054】実施例5 実施例2で用いた超高分子量ポリエチレンの分子配向体
の撚り糸を、プライマー層を設けることなく、下記に示
される樹脂組成物で被覆した。 低圧法低密度ポリエチレン(密度0.92、MFR2.1):100重量部 着色剤マスターバッチ(上記ポリエチレンにカーボンブラック を5重量%練り込んだもの) : 10重量部 からなる混合物を十分に攪拌後、スクリュー押出機に
(スクリュー径は40mmで、L/D は24である)供給し
た。押出温度は140℃から150℃に設定した。この
撚り糸をクロスヘッドダイの後部から導入し、上記溶融
ポリエチレン樹脂組成物を50m/分の速度で被覆した後、
冷却槽(20℃に保持されている)にて急冷した。ポリ
エチレン樹脂を被覆した超高分子量エチレン系重合体の
分子配向体の撚り糸を芯材とするコードが得られた。得
られた被覆ポリエチレン層の厚さは0.5mm、コード
の引張強度は27.5kg、破断伸びは5.6%であっ
た。
【0055】実施例6 参考例1で得られた超高分子量エチレン−ブテンー1共
重合体の延伸配向繊維にコロナ放電装置(巴工業(株)
製)を用いて処理エネルギー75W/m2/ 分、処理速度50m/
分で連続的にコロナ放電処理を施した。処理後の繊維表
面の酸素含有量をエスカにより分析した結果、炭素数10
0 個当たり平均10個であった。処理後の繊維の引張特
性、熱履歴後の引張強度や弾性率の保持率は、いずれも
参考例1に記述した数値と同等であった。次いで、この
コロナ処理を施した超高分子量エチレン−ブテンー1共
重合体の延伸配向繊維束(1000デニール:100フィラメン
ト)を甘撚りした後、実施例1と同じ方法と操作で、エ
チレン−プロピレン共重合体の無水マレイン酸変性物を
プライマーとして塗布後、低圧法低密度ポリエチレン
(密度:0.92 、MFR:2.1)を被覆した。被覆層の厚さ
は0.5mmであり、分子配向体の撚り糸からなる芯材
と被覆層との密着性は実施例1の場合よりもさらに強固
なものとなった。得られたコードの引張強度は27.7
kg、破断伸びは5.6%であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂被覆する際の押出し被覆装置の一
例を示す該略図である。
【符号の説明】
1 繰出装置 2,8 アキュムレーター 3 整直装置 4 押出機 5 クロスヘッドダイ 6 冷却水槽 7 引取装置 9 巻取装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D02J 1/22 J D06M 15/00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極限粘度[η]が少なくとも5dl/g
    である超高分子量エチレン系重合体の分子配向成形体か
    らなるフィラメントないし撚り糸の表面に合成樹脂を被
    覆したコード。
  2. 【請求項2】 超高分子量エチレン系重合体が、炭素数
    3個以上のα−オレフィンを、炭素数1000個あたり平均
    0.1 ないし20個含有する、エチレンとα−オレフィン
    の共重合体である請求項1記載のコード。
  3. 【請求項3】 合成樹脂が、ポリオレフィン系樹脂、軟
    質ポリ塩化ビニル、アクリル系樹脂あるいは水溶性ポリ
    ウレタンである請求項1記載のコード。
  4. 【請求項4】 α−オレフィンが、ブテン−1、4−メ
    チルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1および
    デセン−1からなる群から選ばれた1種または2種以上
    のものである請求項2記載のコード。
  5. 【請求項5】 α−オレフィンの含有量が、炭素数1000
    個あたり平均0.5 ないし10個である請求項2記載のコ
    ード。
JP26416091A 1991-10-11 1991-10-11 合成樹脂で被覆した分子配向成形体からなるフィラメントないし撚り糸を芯材とするコード Withdrawn JPH05156541A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000212884A (ja) * 1998-11-25 2000-08-02 Inventio Ag ロ―プ用コ―ティング及びその形成方法
EP2315865A4 (en) * 2008-06-25 2018-01-17 Honeywell International Inc. Method of making colored multifilament high tenacity polyolefin yarns
CN115233329A (zh) * 2016-09-27 2022-10-25 帝斯曼知识产权资产管理有限公司 Uhmwpe纤维、纱线及其制品

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