JPH0261146A - 被覆網体 - Google Patents

被覆網体

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JPH0261146A
JPH0261146A JP63205969A JP20596988A JPH0261146A JP H0261146 A JPH0261146 A JP H0261146A JP 63205969 A JP63205969 A JP 63205969A JP 20596988 A JP20596988 A JP 20596988A JP H0261146 A JPH0261146 A JP H0261146A
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JP
Japan
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molecular weight
ultra
high molecular
coated
net
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Application number
JP63205969A
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English (en)
Inventor
Yoshiyasu Fujiwara
藤原 義康
Toshiyuki Nishioka
西岡 敏之
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Mitsui Petrochemical Industries Ltd filed Critical Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority to JP63205969A priority Critical patent/JPH0261146A/ja
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 1肌立且土豆ヱ 本発明は、被覆網体に関し、さらに詳しくは、超高分子
量ポリオレフィンの分子配向体からなる網体の表面が樹
脂エマルジョンを用いて被覆された被覆網体に関する。
明の  的背景 らびにその 題 漁網あるいは陸上防球用安全ネット等の網体は、特にト
ロール用漁網にあっては、船の燃費を節約したり、漁の
作業効率を向上させたりするために、軽量であり、しか
も細いことが望まれている。このような漁網あるいは陸
上防球用安全ネット等の網体としては、従来、ポリエチ
レン繊維、ポリプロピレン繊維あるいはナイロン繊維か
らなる網体が用いられてきた。しかしながらこれらの繊
維からなる網体には、機械的強度などの点で改善すべき
問題点が多くあった。
ところで、超高分子量ポリエチレンもしくは超高分子量
エチレン・α−オレフィン共重合体を繊維、テープ等に
成形し、これを延伸することにより、高弾性率、高引張
強度を有する分子配向成形体が得られることは既に知ら
れている。たとえば、特開昭56−15408号公報に
は、超高分子量ポリエチレン等の希薄溶液を紡糸し、得
られるフィラメントを延伸することが記載されている。
また、特開昭59−130313号公報には、超高分子
量ポリエチレン等とワックスとを溶融混練し、この混練
物を押出し、冷却固化後延伸することが記載され、さら
に特開昭59−187614号公報には、上記溶融混練
物を押出し、ドラフトをかけた後、冷却固化し、次いで
延伸することが記載されている。
このような超高分子量ポリエチレンあるいは超高分子量
エチレン・α−オレフィン共重合体の分子配向体からな
る繊維を用いて網体を製造すれば非常に軽量で、しかも
強度に優れた網体が得られることが本発明者の属するグ
ループによって見出された。
しかしながら、本発明者が検討したところによれば、超
高分子量ポリエチレンあるいは超高分子量エチレン・α
−オレフィン共重合体の分子配向体は表面の摩擦係数が
低いために、網体の結節部分でロープがずれる、いわゆ
る目ズレが発生しやすいことが判明した。
上記のような問題点を解消するため、本発明者らはさら
に検討したところ、もし超高分子量ポリエチレンあるい
は超高分子量エチレン・α−オレフィン共重合体の分子
配向体からなる網体に表面を、有機溶媒に種々の樹脂を
溶解して成るコーティング剤組成物でコーティングする
と、コーティングの際に多量の有機溶媒を除去しなくて
はならないため、作業環境が汚染され好ましく、また乳
化剤等を用いて樹脂整水に分散させたエマルジョンタイ
プの樹脂を使用することにより、上記のような作業環境
の汚染の問題は解消されるが、このようなエマルジョン
タイプの樹脂は、乾煙した樹脂層に乳化剤などが残存す
るため、形成された被覆層の耐水性および耐候性が低く
、例えば漁網のように長時間水に浸漬して使用するよう
な苛酷な条件で使用する網体のコーティング剤としては
適当でないという問題点があることが見出だされた。
1肌座■贋 本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決し
ようとするものであって、細く、かつ軽量で、しかも優
れた機械的強度および耐衝撃性を有する網体を提供する
ことを目的としている。
さらに詳しくは本発明は、耐クリープ性、耐摩耗性、集
束性、腰(硬さ)、耐水耐久性に優れ、しかも結節部の
目ズレの発生が少なく、結節強度の高い網体を提供する
ことを目的としている。
及皿立且ヌ 本発明に係る被Wi網体は、超高分子量ポリオレフィン
の分子配向成形体からなる網体の表面が自己乳化性ポリ
オレフィン系樹脂エマルジョンを用いて被覆されてなる
ことを特徴としている。
本発明に係る被覆網体は、超高分子量ポリオレフィンの
分子配向成形体からなる網体の表面が自己乳化性ポリオ
レフィン系樹脂エマルジョンを用いて被覆されているの
で、ヒートセット等の二次的な手段で結節部を固締めす
ることにより、特に目ズレを起こすことが少なく、結節
強度が高く、しかもこのような被覆層が長時間水に晒さ
れても剥離することが無い。
さらに、本発明の被覆網体は、超高分子量ポリエチレン
の分子配向体で形成され、この表面が自己乳化性ポリオ
レフィン系樹脂エマルジョンを用いて被覆されているた
め、軽量で、かつ細くすることができ、しかも優れた機
械的強度および耐衝撃性を有し、耐クリープ性および耐
摩耗性に優れ、網体の表面を樹脂で容易に被覆して得ら
れ、集束性、腰(硬さ)、耐水耐久性に優れ、結節部の
目ズレ防止能ならびに結節強度にも優れている。
また、被覆する際に有機溶媒を使用しないため、作業環
境が汚染されることもない。
i旦ユ且左ユ五泗 以下本発明に係る被覆網体について具体的に説明する。
本発明に係る被mttrq体は、特定の分子配向成形体
からなるlI4体の表面が自己乳化性ポリオレフィン系
樹脂エマルジョンを用いて被覆されてなっている。
この網体を構成する分子配向成形体は、超高分子量ポリ
オレフィンの分子配向成形体または超高分子量エチレン
・α−オレフィン共重合体の分子配向成形体である。
この分子配向成形体を構成する超高分子量ポリオレフィ
ンとして、具体的には、超高分子量ポリエチレン、超高
分子量ポリプロピレン、超高分子量ポリ−1−ブテンお
よび2種以上のα−オレフィンの超高分子量共重合体な
どを例示することができる。この超高分子量ポリオレフ
ィンの分子配向成形体を後述するような自己乳化性ポリ
オレフィン系樹脂エマルジョンを用いて被覆すると、軽
量で、かつ高強度の被覆網体が得られる。
また、分子配向成形体を構成する超高分子量エチレン・
α−オレフィン共重合体としては、超高分子量エチレン
・プロピレン共重合体、超高分子量エチレン・1−ブテ
ン共重合体、超高分子量エチレン・4−メチル−1−ペ
ンテン共重合体、超高分子量エチレン・1−ヘキセン共
重合体、超高分子量エチレン・1−オクテン共重合体、
超高分子量エチレン・1−デセン共重合体などのエチレ
ンと炭素原子数が3〜20、好ましくは4〜10のα−
オレフィンとの超高分子量エチレン・α−オレフィン共
重合体を例示することができる。この超高分子量エチレ
ン・α−オレフィン共重合体では、炭素数3以上のα−
オレフィンは、該重合体の炭素数1000個当り0.1
〜20個、好ましくは0.5〜10個、さらに好ましく
は1〜7個の量で含有されている。
このような超高分子量ポリエチレンあるいは超高分子量
エチレン・α−オレフィン共重合体から得られる分子配
向成形体は、通常のポリエチレンから得られる分子配向
成形体と比較して、特に耐衝撃性および耐クリープ性に
優れている。この超高分子量ポリエチレンあるいは超高
分子量エチレン・α−オレフィン共重合体は、軽量かつ
高強度であり、耐摩耗性、耐衝撃性、耐クリープ性に優
れている。従って、このような特性を有する超高分子量
ポリエチレンあるいは超高分子量エチレン・α−オレフ
ィン共重合体の分子配向成形体を用いると、とくに軽量
かつ高強度であるなどの優れた特性を有する被覆網体が
得られる。
本発明に用いられる分子配向成形体を構成する超高分子
量ポリオレフィンまたは超高分子量エチレン・α−オレ
フィン共重合体としては、極限粘度[η]が5dj/g
以上好ましくは7〜30dJ/、の範囲にある重合体あ
るいは共重合体の分子配向成形体を用いることが好まし
い、このような重合体あるいは共重合体を用いることに
より、機械的特性の特に優れた被覆111体を得ること
ができる。
本発明に用いられる分子配向成形体を形成する超高密度
ポリエチレンもしくは超高分子量エチレン・α−オレフ
ィン共重合体の密度は、通常は0.940〜0.990
+r/c+a好ましくは0.960〜0.985g/−
である、ここで密度は、常法(^STM D 1505
)に従い、密度勾配管法にて測定した値である。このと
きの密度勾配管は四塩化炭素とトルエンを用いることに
より調製し、測定は、常温(23℃)で行なった。
本発明に用いられる分子配向成形体の誘電率(IKHz
、23℃)は、通常、1.4〜3.0好ましくは1.8
〜2.4であり、圧電正接(IKH2,80℃)は、通
常、0.050〜0.008%好ましくは0.040〜
0.010%である。ここで、誘電率および正電正接は
繊維およびテープ状の分子配向体を一方向に緻密に引き
揃え、フィルム状にした試料を用い、ASTHD150
によって測定した。
本発明に用いられる分子配向成形体の延伸倍率は、通常
、5〜80倍好ましくは10〜50倍である。
分子配向成形体における分子配向の程度は、X線回折法
、複屈折法、螢光偏光法等で知ることができる。本発明
に用いられる超高分子量重合体が延伸フィラメントの場
合、たとえば呉祐吉、久保輝一部:工業化学雑誌第39
巻、992頁(1939)に詳しく述べられている半価
IJによる配向度、すなわち式 (式中、Hoは赤道線」−最強のバラトロープ面のデバ
イ環に沿っての強度分布曲線の半価幅(゛)である、) で定義される配向度(F)が、通常、0.90以上、特
に0.95以上となるように分子配向されていることが
、機械的性質の点で望ましい。
さらに、本発明に用いられる分子配向成形体は、たとえ
ば延伸フィラメントの形状で20GPa以L、特に30
GPa以上の弾性率と、1.2GPa以上、特に1.5
GPa以上の引張強度とを有しているので、得られる被
覆網体は機械的特性に優れている。
本発明に用いられる分子配向成形体のインパルス電圧破
壊値は、通常、110〜250KV/關好ましくは15
0〜220KV/間である。インパルス電圧破壊値は、
誘電率の場合と同様な試料を用い、銅板上で黄銅(25
nn+φ)のJIS型電極電極り、負極性のインパルス
を2KV/3回ステップで加えながら昇圧し、測定した
本発明に用いられる分子配向成形体が超高分子量エチレ
ン・α−オレフィン共重合体の分子配向成形体である場
合には、この分子配向成形体を用いてなる被覆網体は耐
衝撃性、破断エネルギーおよび耐クリープ性が著しく優
れているという1.+f徴を有している。
このような被覆網体に用いられる超高分子量エチレン・
α−オレフィン共重合体の分子配向成形体は、以下の物
性によって表わされる特徴を有している。
すなわち、超高分子量エチレン・α−オレフィン共重合
体から得られる分子配向成形体の破断エネルギーは、通
常、8 k!r−m / 1以上、好ましくは10kg
−m/g以上である。
また、超高分子量エチレン・α−オレフィン共重合体の
分子配向成形体は、耐クリープ性に優れている。とくに
、常温クリープ性の促進条件に相当する高温下での耐ク
リープ特性に際立って優れており、荷重を30%破断荷
重として、雰囲気温度を70℃とし、90秒後の伸び(
%)として求めたクリープが、通常、7%以下、特に5
%以下であり、さらに90秒から180秒後のクリープ
速疫(ε、5ec)が、通常、4 X 10−4sec
 −’以下、特に5 X 10 ’sea −’以下で
ある。
本発明に用いられる分子配向成形体のうちで、超高分子
量エチレン・α−オレフィン共重合体の分子配向成形体
は、前述の常温物性を有しているが、さらにこれらの常
温物性に加えて、次の熱的性質を兼備していると、前述
の常温物性がさらに向上し、耐熱性にも優れているので
好ましい。
本発明で用いられる超高分子量エチレン・α−オレフィ
ン共重合体の分子配向成形体は、該共重合体本来の結晶
融解温度(TI)よりも少なくとも20℃高い温度に少
なくとも1個の結晶融解ピーク(Tp)を有し、その結
晶融解ピークに基づく融解熱量が、通常、15%以上好
ましくは20%以上、特に30%以上である。
超高分子量エチレン・α−オレフィン共重合体本来の結
晶融解温度(Tlll)は、この成形体を一度完全に融
解した後冷却して、成形体における分子配向を緩和させ
た後、再度昇温させる方法、いわゆる示差走査型熱量計
におけるセカンド・ランで求めることができる。
さらに説明すると、本発明に用いられる分子配向成形体
では、前述した共重合体本来の結晶融解温度域には結晶
融解ピークは全く存在しないか、存在するとしても極く
わずかにテーリングとして存在するにすぎない、結晶融
解ピーク(Trl)は−般に、温度範囲Ti+20℃〜
Tn+50℃、特にTn+20°C〜TI+100°C
の領域に表わされるのが普通であり、このピーク(To
)は上記温度範囲内に複数個のピークとして表われるこ
とが多い、すなわち、この結晶融解ピーク(Tp )は
、温度範囲TIl+35℃〜TI+100℃における高
温側融解ピーク(’rp 1)と、温度範囲T1+20
℃〜TI+35°Cにおける低温側融解ピーク(To2
)との2つに分離して表われることが多く、分子配向成
形体の製造条件によっては、Tp  やTo2がさらに
複数個のピークから成ることもある。
これらの高い結晶融解ピーク(’rp  、’rp2)
は、超高分子量エチレン・α−オレフィン共重合体の分
子配向成形体からなる被覆網体の耐熱性を著しく向上さ
せ、かつ高温の熱履歴後での強度保持率あるいは弾性率
保持率に寄与すると思われる。
また温度範囲TI+35℃〜Tn+100℃の高温側融
解ピーク(’rp 1 )に基づく融解熱量の総和は、
全融解熱量当り、通常、1.5%以上、特に3.0%以
上であることが望ましい。
また高温側融解ピーク(’rp 1 )に基づく融解熱
量の総和が上述の値を満たしている限りにおいては、高
温側融解ピーク(Tpl)が主たるピークとして突出し
て現われないで、小ピークの集合体らしくはブロードな
ピークとして現われたとしても、このような分子配向成
形体からなる被覆網体は、耐クリープ特性については優
れている。なお、このように高温側融解ピーク(’rp
1)が主たるピークとして突出して現われない場合には
、被覆網体の耐熱性が若干失われることがある。
本発明における融点および結晶融解熱量は以下の方法に
より測定した。
融点は示差走査熱量計で以下のように行なった。
示差走査熱量計はDSCn型(パーキンエルマー社製)
を用いた。試料は約3■を4 rm X 4 ++on
、厚さ0.2amのアルミ板に巻きつけることにより配
向方向に拘束した6次いでアルミ板に巻きつけた試料を
アルミパンの中に封入し、測定用試料としな、また、リ
ファレンスホルダーに入れる通常、空のアルミパンには
、試料に用いたと同じアルミ板を封入し、熱バランスを
取った。まず試料を30’Cで約1分間保持し、そのt
&10℃/分の昇温速度で250°Cまで昇温し、第1
回目昇温時の融点測定を完了した。引き続き250℃の
状態で10分間保持し、次いで20°C/分の降温速度
で降温し、さらに30°Cで10分間試料を保持した。
次いで二回目の昇゛温を10℃/分の昇温速度で250
°Cまで昇温し、この際2回目昇温時(セカンドラン)
の融点測定を完了した。このとき融解ピークの最大値を
もって融点とした。ショルダーとして現われる場合は、
ショルダーのすぐ低温側の変曲点とすぐ高温側の変曲点
で接線を引き交点を融点とした。
また吸熱曲線の60℃と240℃との点を結び該直線(
ベースライン)と二回目昇温時の主融解ピークとして求
められる超高分子量エチレン共重合体本来の結晶融解温
度(TI)より20℃高い点に垂線を引き、これらによ
って囲まれた低温側の部分を超高分子量エチレン共重合
体本来の結晶融解口1)に基づくものとし、また高温側
の部分を結晶融解(TI))に基づくものとし、それぞ
れの結晶融解熱量は、これらの面積より算出した。また
、Tp  およびTo2の融解に基づく融解熱量ら上述
の方法に従い、Tn+20℃からの垂線とTn+35℃
からの垂線に囲まれた部分を1゛p2の融解に基づく融
解熱量のものとし、高温側部分をTl11の融解に基づ
く融解熱量のものとして同様に算出した。
本発明に用いられる超高分子量エチレン・α−オレフィ
ン共重合体の延伸フィラメントは、170°Cで5分間
の熱履歴を与えた後での強度保持率が、通常、95%以
上で、弾性率保持率が、通常、90%以上、特に95%
以上であり、従来のポリエチレンの延伸フィラメントに
は全く認められない優れた耐熱性を有している。
超高分子量ポリオレフィンの分子配向 の 前述の高弾性、高引張強度を有する超高分子量ポリオレ
フィン延伸物を得る方法としては、たとえば、特開昭5
6−15408号公報、特開昭58−5228号公報、
特開昭59−130313号公報、特開昭59−187
614号公報等に詳述されているような、超高分子量ポ
リオレフィンを稀薄溶液にするか、あるいは超高分子量
ポリオレフィンにパラフィン系ワックスなどの低分子量
化合物を添加して超高分子量ポリオレフィンの延伸性を
改良して高倍率に延伸する方法を例示することができる
超高分子量エチレン・α−オレフィン共重ムの   の
遣 次に本発明に用いられる超高分子量エチレン・α−オレ
フィン共重合体を、その理解が容易なように、原料、製
造方法および目的の順に以下に説明する。
鳳−一上 本発明に用いられる超高分子量エチレン・α−オレフィ
ン共重合体は、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィ
ンとを、チーグラー系触媒を使用し、たとえば有機溶媒
中でスラリー重合させることにより得られる。
炭素数3以上のα−オレフィンとしては、プロピレン、
ブテン−1、ペンテン−1,4−メチルペンテン−1、
ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1などが用い
られ・るが、このうち特にブテン−1,4−メチルペン
テン−1、ヘキセン−1、オクテン−1などが好ましい
、このようなα−オレフィンは、得られる共重合体の炭
素数1000個当り前述の量で存在するようにエチレン
と共重合させる。また、分子配向体を製造する際にベー
スとして用いられる超高分子量エチレン・α−オレフィ
ン共重合体は、前述した極限粘度[η]に対応する分子
量を有するべきである。
本発明で用いられる超高分子量エチレン・α−オレフィ
ン共重合体中のα−オレフィン成分の定量は、赤外分光
光度計(日本分光工業製)によって行なわれる。具体的
には、エチレン鎖の中に取り込まれなα−オレフィンの
メチル基の変角振動を表わす1378cx−’の吸光度
を、赤外分光光度計により測定し、この値を、あらかじ
め13C核磁気共鳴装置にて、モデル化合物を用いて作
成した検量線にて1000炭素原子当りのメチル分枚数
にIA!することにより、超高分子量エチレン・α−オ
レフィン共重合体中のα−オレフィン量を定量する。
設産立羞 本発明では、上記超高分子量エチレン・α−オレフィン
共重合体から分子配向体を製造するに際して、該共重合
体に希釈剤を配合する。このような希釈剤としては、超
高分子量エチレン共重合体に対する溶剤あるいは超高分
子量エチレン共重合体に対して相溶性を有する各種ワッ
クス状物が用いられる。
このような溶剤としては、前記共重合体の融点以上の沸
点、さらに好ましくは前記共重合体の融点よりも20℃
以上高い沸点を有する溶剤が用いられる。
このような溶剤としては、具体的には、n−ノナン、n
−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、n−テトラ
デカン、n−オクタデカンあるいは流動パラフィン、灯
油等の脂肪族炭化水素系溶媒、キシレン、ナフタリン、
テトラリン、ブチルベンゼン、p−シメン、シクロヘキ
シルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、
ドデシルベンゼン、ビシクロヘキシル、デカリン、メチ
ルナフタリン、エチルナフタリン等の芳香族炭化水素系
溶媒あるいはその水素化誘導体、1,1,2.2−テト
ラクロロエタン、ペンタクロロエタン、ヘキサクロロエ
タン、1.2.3−トリクロロプロパン、ジクロロベン
ゼン、1.2.4−トリクロロベンゼン、ブロモベンゼ
ン等のハロゲン化炭化水素溶媒、パラフィン系プロセス
オイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセス
オイル等の鉱油が挙げられる。
また希釈剤としてのワックス類としては、具体的には脂
肪族炭化水素化合物あるいはその誘導体が用いられる。
このような脂肪族炭化水素化合物としては、飽和脂肪族
炭化水素化合物を主体とし、通常、分子量が2000以
下好ましくは1000以下さらに好ましくは800以下
のパラフィン系ワックスと呼ばれる化合物が用いられる
このよう、な脂肪族炭化水素化合物としては、具体的に
は、トコサン、トリコサン、テトラコサン、トリアコン
タン等の炭素数22以上のn−アルカンあるいはこれら
を主成分とした低級n−アルカンとの混合物、石油から
分離精製されたいわゆるパラフィンワックス、エチレン
あるいはエチレンと他のα−オレフィンとを共重合して
得られる低分子量重合体である中・低圧法ポリエチレン
ワックス、高圧法ポリエチレンワックス、エチレン共重
合ワックスあるいは中・低圧法ポリエチレン、高圧法ポ
リエチレン等のポリエチレンを熱減成等により分子量を
低下させたワックス、それらのワックスの酸化物あるい
はマレイン酸変性等の酸化ワックス、マレイン酸変性ワ
ックス等が用いられる。
また脂肪族炭化水素化合物誘導体としては、たとえば脂
肪族炭化水素基〈アルキル基、アルケニル基)の末端も
しくは内部に、通常、1個またはそれ以上、好ましくは
1〜2個、特に好ましくは1個のカルボキシル基、水酸
基、カルバモイル基、エステル基、メルトカプト基、カ
ルボニル基等の官能基を有する化合物である炭素数8以
上、好ましくけ炭素数12〜50まなは分子量130〜
2000好ましくは200〜800の脂肪酸、脂肪族ア
ルコール、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、脂肪族メル
カプタン、脂肪族アルデヒド、脂肪族ケトン等が用いら
れる。
このような脂肪族炭化水素化合物誘導体としては、具体
的には、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、バル
ミチン酸、スデアリン酸、オレイン酸などの脂肪酸、ラ
ウリンアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアル
コール、ステアリルアルコールなどの脂肪族アルコール
、カプリンアミド、ラウリンアミド、パルミチンアミド
、ステアリルアミドなどの脂肪酸アミド、ステアリル酢
酸エステルなどの脂肪酸エステル等が用いられる。
超高分子量エチレン・α−オレフィン共重合体と希釈剤
とは、これらの種類によっても相違するが、一般的に3
=97〜80 : 20、特に15:85〜60 : 
40の重量比で用いられる。希釈剤の量が上記範囲より
も低い場合には、溶融粘度が高くなり過ぎ、溶融混練や
溶融成形が困難となるとともに、得られる成形体の肌荒
れが著しく、延伸切れ等を生じ易い、一方、希釈剤の量
が上記範囲よりも多いと、やはり溶融混練が困難となり
、また得られる成形体の延伸性が劣るようになる。
溶融混練は、一般に150〜300°C1特に170〜
270℃の温度で行なわれる。上記範囲よりも低い温度
では、溶融粘度が高すぎて、溶融成形が困難となり、ま
た上記範囲よりも高い場合には、熱減成により超高分子
量エチレン・α−オレフィン共重合体の分子量が低下し
、優れた高弾性率および高強度を有する被覆網体を得る
ことが困難となる。なお、配合はヘンシェルミキサー■
型ブレシダー等による乾式ブレンドで行なってもよいし
、あるいは単軸押出機または多軸押出機を用いて行なっ
てもよい。
超高分子量エチレン・α−オレフィン共重合体と希釈剤
とからなるドープ(紡糸原液)の溶融成形は、一般に溶
融押出成形により行なわれる。具体的には、ドープを紡
糸口金を通して溶融押出することにより、延伸用フィラ
メントが得られる。
この際、紡糸口金より押出された溶融物にドラフト0、
すなわち溶融状態での引き伸しを加えることもできる。
溶融樹脂のダイ・オリフィス内での押出速度V。と冷却
固化した未延伸物の巻き取り速度Vとの比をドラフト比
として次式で定義することができる。
ドラフト比=V/vo     ・・・(2)このよう
なドラフト比は、混合物の温度および超高分子量エチレ
ン共重合体の分子量等により変化するが、通常は3以上
好ましくは6以上とすることができる。
次に、このようにして得られた超高分子量エチレン・α
−オレフィン共重合体の未延伸成形体を、延伸処理する
。延伸は、超高分子量エチレン・α−オレフィン共重合
体から得られた未延伸成形体に少なくとも一軸方向の分
子配向が有効に付与されるように行なわれる。
超高分子量エチレン・α−オレフィン共重合体から得ら
れる未延伸成形体の延伸は、一般に40〜160℃、特
に80〜145℃の温度で行なわれる、未延伸成形体を
上記温度に加熱保持するための熱媒体としては、空気、
水蒸気、液体媒体の何れをも用いることができる。しか
しながら、熱媒体として、前述した希釈剤を溶出除去す
ることができる溶媒で、しかもその沸点が成形体組成物
の融点よりも高い液体媒体、具体的には、デカリン、デ
カン、灯油等を使用して、延伸操作を行なうと、前述し
た希釈剤の除去が可能となるとともに、延伸時の延伸む
らが生ぜずしかも高延伸倍率の達成が可能となるので好
ましい。
超高分子量エチレン・α−オレフィン共重合体から希釈
剤を除去する手段としては、前記方法に限らず、未延伸
物をヘキサン、ヘプタン、熱エタノール、クロロホルム
、ベンゼン等の溶剤で処理後延伸する方法、延伸物をヘ
キサン、ヘゲタン、熱エタノール、クロロホルム、ベン
ゼン等の溶剤で処理する方法等がある。このように成形
物中の希釈剤を除去することによって、高弾性率、高強
度の延伸物を得ることができる。
延伸操作は、−段あるいは二段以上の多段で行なうこと
ができる。延伸倍率は、所望とする分子配向およびこれ
に(’f−う融解温度向上の効果にも依存するが、一般
に5〜80倍好ましくは10〜50倍である。
一般には、二段以上の多段延伸により延伸操作を行なう
ことが好ましく、−段目では80〜120°Cの比較的
低い温度で押出成形体中の希釈剤を抽出しながら延伸操
作を行ない、二段目以降では120〜160℃の温度で
しかも一段目延伸温度よりも高い温度で成形体の延伸操
作を行なうことが好ましい。
一軸延伸操作の場合には、周速の異なるローラ間で引張
延伸を行なえばよい。
本発明においては、このようにして得られた分子配向成
形体を、所望により拘束条件下に熱処理してもよい、こ
の熱処理は、−mに140〜180°C好ましくは15
0〜175°Cの温度で、1〜20分間好ましくは3〜
10分間行なうことができる。熱処理により、配向結晶
部の結晶化が一層進行し、結晶融解温度は高温側へ移行
し、強度および弾性率は向上し、さらには高温における
耐クリープ性も向上がしている。従ってこのように熱処
理された分子配向成形体を用いると、得られる被覆網体
はさらに強度、弾性率および耐クリープ性等に優れるよ
うになる。
本発明では、このような超高分子量ポリオレフィン分子
配向体または超高分子量エチレン・α−オレフィン共重
合体のフィラメント状分子配向成形体からロープを編組
し、次いで該ロープを編糺し、網体とした後、後述する
ように超高分子量ポリオレフィン系樹脂エマルジョンで
被覆して用いる。網体を構成するロープは、破断エネル
ギーか、3kg’m/f以上好ましくは4kg−m/r
以上である。さらに本発明に用いる網体を構成するロー
プは結節強度に優れ、その結節強度は破断強度の30%
以上、好ましくは40%以上である。
フィラメント状の分子配向体からロープを編組するには
、従来公知の方法が採用される。
一般に好適なロープ形態としては、撚った構造として三
つ打、六つ打、そして編んだ構造とじて八つ打(通称、
エイトローブ)、12打(通称、トエルロープ)、二重
組打索(通称、タフレローグ)等の構造が挙げられる。
本発明で用いる超高分子量エチレン・α−オレフィン共
重合体の分子配向体あるいは超高分子量ポリエチレンの
分子配向体は、通常のポリエチレンと比較して適度な伸
度を有しており、また結節強度が大きいなめ、広範な編
み方ができる。さらにロープ化の際のより減りも少ない
という効果も得られる。
上記のような超高分子量ポリオレフィンの分子配向体あ
るいは超高分子量ポリエチレン・α−オレフィン共重合
体の分子配向体をロープ状にし、このロープを用いて網
体を製造することにより、軽量で結節強度の高い網体を
得ることができる。
ところが、このような網体は、上記のような分子配向体
の摩擦係数が低いため、「目ズレ」をおこしやすい。
すなわち、上記のような分子配向体により製造される網
体は、第1図に示すような結節部を有している。このよ
うな結節方法は通常「蛙又結び」と呼ばれている。この
蛙又結びは、第1図に示すようにA−A′からなるロー
プは交差しているために、AまたはA゛のいずれか一方
を引いてもずれることは少ないが、B−B’からなるロ
ープが交差していないためBまたはB′のいずれか一方
に高い張力が加わると張力の加わった方にロープがしだ
いにずれることがある。いわゆる「目ズレ」が発生する
そして、上記のような分子配向体からなるロープは、表
面の摩擦係数が低いため、たとえばナイロン等と比較し
て目ズレが発生しやすい。
このような目ズレを防止するために、網体を被覆するこ
とが考えられるが、網体を漁網あるいはゴルフ練習場の
ネット等として使用する場合、網体が非常に苛酷な条件
に晒されるため、短期間の使用によって、被m層が刺部
して、目ズレが発生しやすくなる。
ところが、本発明においては、上記のような超高分子量
ポリオレフィンの分子配向成形体あるいは超高分子量ポ
リエチレン・α−オレフィン共重合体の分子配向成形体
からなる網体の表面は、自己乳化性ポリオレフィン系樹
脂エマルジョンを用いて被覆されている。網体を被覆す
るこの樹脂は、耐水・耐久性に優れており、容易に剥離
することがなく、しかも摩擦係数が大きいので目ズレは
極めて有効に防止される。
このような自己乳化性ポリオレフィン系樹脂エマルジョ
ンでは、界面活性剤を用いることなく水などの分散媒に
ポリオレフィン系樹脂が分散されている。
このような自己乳化性ポリオレフィン系樹脂としては、
オレフィンと不飽和カルボン酸との共重合体またはその
塩、スチレンと無水マレイン酸との共重合体またはその
塩などが挙げられる。
上記のようなオレフィンとしては、炭素数が2〜10程
度のオレフィンが挙げられる。このようなオレフィンの
具体的な例としては、エチレン、プロピレン、4−メチ
ル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどが挙
げられる。
本発明においては、このオレフィンがエチレンを主成分
としていることが好ましい。そして自己乳化性ポリオレ
フィン系樹脂を形成するオレフィンとして、エチレンの
使用量はアルキレンの全使用量の50モル%以上、好ま
しくは80〜100モル%であることが望ましい。
不飽和カルボン酸としては、α、β−不飽和モノカルボ
ン酸、α、β−不飽和ジカルボン酸あるいはその酸無水
物などが挙げられる。
さらにスルホン酸基などの極性基を有する重合性モノマ
ーを使用することもできる。
上記のようなアルキレンと不飽和カルボン酸との共重合
体の塩としては、カリウム塩、ナl〜リウム塩などの無
機塩、アンモニウム塩、モルホリン塩などの有機塩が挙
げられる。特に本発明においては、アンモニウム塩、ア
ミン塩が好ましい、このような塩を用いることにより、
被覆網体の耐候性等が向上する。
このようなオレフィンと不飽和カルボン酸との共重合体
の塩では、たとえば、エチレンに由来する繰返し単位5
〜30モルに対して、少なくとも1個の割合でカルボキ
シル基が存在し、好ましくは同単位7〜25モルに対し
て少なくとも1個の割合でカルボキシル基が存在し、さ
らに好ましくは同単位10〜20モルに対して少なくと
も1個の割合でカルボキシル基が存在していることが望
ましい。さらにこのようなカルボキシル基の少なくとも
30モル%以上が中和されていることが好ましい。この
ような割合でカルボキシル基か存在し、かつ中和されて
いるポリオレフィン系樹脂は自己乳化性に優れているの
で、エマルジョンの安定性が良好になる。
これらの自己乳化性ポリオレフィン系樹脂エマルジョン
樹脂濃度は、通常、10〜50重量%、好ましくは20
〜40重社%である。
このような分散粒径あるいは濃度でポリオレフィン系樹
脂が分散されている自己乳化性ポリオレフィン系樹脂エ
マルジョンを用いることにより、均一な厚さの被膜で網
体表面を被覆することができる。
上記のような自己乳化性ポリオレフィン系樹脂エマルジ
ョンの被覆量は、重量比[被覆されている網体の重量:
網体表面に被覆されているポリオレフィン系樹脂の重量
]が、通常、100:3〜100 : 50、好ましく
は100ニア〜100:30となるような量である。
なお、網体をポリオレフィン系樹脂エマルジョンを用い
て被覆するには、網体をこの樹脂エマルジョンに浸漬す
るか、あるいはハゲ等を用いて網体にこの樹脂エマルジ
ョンを塗布すればよい。
特に本発明においては、自己乳化性ポリオレフィン系樹
脂エマルジョン中に網体を浸漬することが好ましい。
このようなポリオレフィン系樹脂エマルジョンは、網体
表面の被覆操作性に優れており、この自己乳化性ポリオ
レフィン系樹脂エマルジョンを用いて萌述した超高分子
量ポリオレフィンの分子配向成形体または超高分子量エ
チレン・α−オレフィン共重合体の分子配向成形体から
なる網体の表面を被覆すると、網体表面はむらなく均一
な厚さの樹脂被膜で覆われて、耐水・耐久性、集束性、
結節強度、網体結節部目ズレ防止能(目止能)等に優れ
、被覆された網体を構成するロープの硬さが適度である
ような被覆網体が得られる。さらに、この自己乳化性ポ
リオレフィン系樹脂エマルジョンは、有機溶媒を含有し
ていないので、被覆の際に有機溶媒によって作業環境が
汚染されることもない。
なお、本発明で使用される自己乳化型ポリオレフィン系
樹脂エマルジョンには、本発明の目的を損なわない範囲
で少量の界面活性剤および非自己乳化性ポリオレフィン
等が含まれていてもよい。
本発明では、上記のように網体の表面をポリオレフィン
系樹脂エマルジョンを用いて被覆した後、所望により拘
束条件下に熱処理(ヒートセット)してもよい、この熱
処理は、一般に60〜120℃、好ましくは80〜11
0℃の温度で、1〜20分間、好ましくは3〜10分間
、破断強度の1〜30%、好ましくは5〜15%の張力
を付して行なうことができる。
このような条件下で、被覆された網体の熱処理を行なう
と被膜強度が向上するという本来の効果が得られるのは
もちろんのこと、網体を樹脂被覆することにより、網体
の直線強度が多少低下した場合にら、この強度を回復さ
せることができるとの利点もある。しかも、結節部を有
する網体にあっては結節強度、結節部目止能(結節部目
ズレ防止能)等に優れた被覆網体が得られる。
このような本発明の被ff11M体は、上記のような特
定の分子配向体を使用しているので非常に高い強度を有
するとともに軽量である。そして、上記のような自己乳
化性ポリオレフィン系樹脂エマルジョンを用いて被覆し
ているため、目ズレを起こすことが少なく、しかも耐久
性、耐候性に優れている。従って、本発明の被覆網体は
ゴルフ練習場のネットのように耐候性が要求される用途
に使用できることはもちろん、漁網のように水に浸漬し
て使用する網体として良好に使用することができる。
さらに本発明の被覆網体は、軽量でかつ高い強度を有す
るので、たとえば漁網などとして使用する場合に従来の
網体と比較して、網体を構成するロープを細くすること
ができるため、網にかかる水の抵抗を減少させることが
できる。
従って、網を曳く際の漁船の燃費スピードが向上する。
九班二ガニ 本発明の被覆網体は、上記のようにいずれも、特定の分
子配向成形体からなる網体の表面が上記のように自己乳
化性ポリオレフィン系樹脂エマルジョンを用いて被覆さ
れているので、軽量で細くすることができ、しかも疑れ
た機械的強度およびiit衝撃性を有し、耐クリープ性
および耐摩耗性に優れ、網体の表面を樹脂で容易に被覆
して得られ、集束性、l1i(硬さ)、耐水・耐久性に
優れ、さらに結節部を有する網体においては結節部の目
ズレ防止能ならびに結節強度にも優れている。
しかも、被覆の際に有機溶剤により作業環境が汚染され
ることもない。
[実施例] 以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれ
ら実施例に限定されるものではない。
本発明では、以下のような方法で各種試験を行なった。
お             の 結節部を有する網体の結節強度および結節部目止能(結
節部目ズレ防止能)については、第1図に示すように「
蛙又結び」すなわち1節2本に結節したロープを用いて
試験を行なった。
具体的には、#q体の結節強度については、2本のロー
プA−A’およびB−B’を互いに反対方向に引張るこ
とにより求め、結節部目止能については、1本のロープ
A−A’の両端を固定しておき、もう1本のロープB−
B’の1端を引張った際に、2本のロープの結び目に生
ずるロープB−B゛の目ズレを測定して求めた。
結節部員ズレ開始強度:23℃にて1100a/分の引
張速度で測定した。
引張強度、直線強度および結節強度:23℃にて100
w/分の引張り速度で測定した。
耐水・耐久性二連続10日間試料を強反転にて洗濯した
後に集束性、被覆樹脂損失量(脱落量)を求めて被覆材
(コーテイング材)の耐水・耐久性を調べた。
y口l上 超高分子量ポリエチレン(ホモポリマー)粉末(極限粘
度[η] =7.42 dJ /l、デカリン、135
℃):2Offii部と、パラフィンワックス(融点=
69°C5分子量=490):80主量部との混合物を
例えば特開昭59−187614号公報に記述された方
法で溶融紡糸、延伸し、延伸配向繊維を得た。得られた
延伸配向繊維を複数本束ねたマルチフィラメントの引張
特性を表1に示す。
畳引−二り 超高分子量ポリエチレン延伸フィラメント(試料−1)
本来の結晶融解ピークは135.1℃であり、全結晶融
解ピーク面積に対するTI)の割合は8.8%であった
。また同様に全結晶融解ピーク面積に対する高温側ピー
クTl11の割“合は1%以下であった。耐クリープ性
はCR9o=11.9%、ε=1.07810−3se
c“1であった。また、170℃、5分間の熱履歴後の
弾性率保持率は80.4%であり、強度保持率は78.
2%であった。さらに試料−3の破断に要する仕事量は
6.8kg−m/gであり、密度は0.985g/−で
あり、誘電率は2゜3であり、誘電正接は0.030%
であり、インパルス電圧破壊値は182KV/、111
11であった。
この超高分子量ポリエチレンの延伸配向繊維を用いて1
000dx12x3、リードが16IDIの三つ打ちロ
ープを準備した。
上記のようにして得られたロープA(テクミロントワイ
ン411wIφ、引張強度900kg)を第一図に示す
ように蛙又結び(1節2本結び)に結節した。
この結節ロープを自己乳化性ポリオレフィン系樹脂エマ
ルジョン(製鉄化学■製、ザイクセンーし)に23℃の
温度で5分間浸漬した。なお、この自己乳化性ポリオレ
フィン系樹脂エマルジョンはカルボキシル基を導入した
ポリオレフィンをアルカリで水溶化すると共に高度分散
さぜなものであり、エマルジョン中の樹脂濃度は25重
量%である0次いでこの結節ロープを80℃のエアーオ
ーブン中で1.5時間乾燥した。ロープの繊維間に含浸
、造膜した樹脂址は未塗布ロープ重址100に対して1
2,0であった。
次いで恒温槽付き引張り試験機を使用し、結節ロープ(
試料)のヒートセットを行なった。
ヒートセットの際には、恒温槽中のチャックに試料を固
定し、表4に示す所定の温度、張力(自動コントロール
、クロスヘツド駆動速度=109/分)および時間で、
試料に熱処理(ヒートセット)を施した。
表3には洗濯テスト結果を、表4には、結節ロープのヒ
ートセット条件ならびにヒートセット条件と目ズレ開始
強度との関係を、表5にはヒートセット前後の直線強度
測定結果を、そして表6にはヒートセット前後の結節強
度の測定結果を示す。
なお、本実施例においては、接触したロープ同士に癒着
することがなく、または腰のあるロープが得られた。
また、用いた自己乳化性ポリオレフィン系樹脂エマルジ
ョンは水系であり、環境汚染のおそれもなかった。
寒胤旦ユ く超高分子量エチレン・ブテン−1共重合体の重合〉 チーグラー系触媒を用い、n−デカン1jを重合溶媒と
して、超高分子量エチレン・ブテン−1共重合体のスラ
リー重合を行なった。エチレンとブテン−1との組成が
モル比で97,2:2.35の比率の混合モノマーガス
を圧力が5 klr/ clの一定圧力を保つように反
応器に連続供給した0重合は反応温度70°Cで2時間
で終了した。
得られた超高分子量エチレン・ブテン−1共重合体粉末
の収量は160gで極限粘度[η] (デカリン:13
5℃)は8.2dj/g、赤外分光光度計によるブテン
−1含量は1000炭素原子あたり1.5個であった。
く超高分子量エチレン・ブテン−1共重合体延伸配向物
の調製〉 上述の重合により得られた超高分子量エチレン・ブテン
−1共重合体粉末20重量部とパラフィンワックス(融
点=69°C1分子量=490>80重延部との混合物
を次の条件で溶融紡糸した。
該混合物100重量部にプロセス安定剤として3.5−
ジーtart−ブチルー4−ハイドロキシトルエンを0
.1重量部配合した0次いで該混合物をスクリュー式押
出R(スクリュー径= 25no++、 L/ D25
、サーモプラスチックス社製)を用いて、設定温度19
0℃で溶融混練を行なった。引き続き、該混合溶融物を
押出機に付属するオリフィス径2(5)の紡糸ダイより
溶融紡糸した。押出溶融物は180aoのエアーギャッ
プで36倍のドラフト比で引き取られ、空気中にて冷却
、因化し、未延伸繊維を得た。さらに該未延伸繊維を次
の条件で延伸した。
王台のゴデツトロールを用いて二股延伸を行なった。こ
のとき第−延伸槽の熱媒はn−デカンであり、温度は1
10℃、第二延伸槽の熱媒はトリエチレングリコールで
あり、温度は145℃であった。槽の有効長はそれぞれ
50cmであった。
延伸に際しては、第1ゴデツトロールの回転速度を0.
5m/分として第3ゴデツトロールの回転速度を変更す
ることにより、所望の延伸比の配向繊維を得た。第2ゴ
デツトロールの回転速度は、安定延伸可能な範囲で適宜
選択した。初期に混合されたパラフィンワックスは、は
ぼ全量が延伸時n−デカン中に抽出された。このあと配
向繊維は、水洗し、減圧上室温にて一昼夜乾燥し、諸物
性の測定に供した。なお延伸比は、第1ゴデツトロール
と第3ゴデツトロールの回転速度比から計算で求めた。
く引張特性の測定〉 弾性率および引張強度は島津製作所製DC3−50M型
引張試験機を用い、室温(23°C)にて測定した。
この時クランプ間の試料長は100mmであり、引張速
度100++++n/分(100%/分歪速度)であっ
た。弾性率は初期弾性率で接線の傾きを用いて計算した
。計算に必要な繊維断面積は密度を0.960g/CC
として重量から計算で求めた。
く熱履歴後の引張弾性率、強度保持率〉熱履歴試験はギ
ヤーオーブン(パーフェクトオーブン二田葉井製作所製
)内に放置することによって行なった。
試料は約3mの長さでステンレス枠の両端に複数個の滑
車を装置したものに折り返しかけて試料両端を固定した
。この際試料両端は試料がたるまない程度に固定し、積
極的に試料に張力はかけなかった。熱履歴後の引張特性
は、前述の引張特性の測定の記載に基づいて測定した。
く耐クリープ性の測定〉 耐クリープ性の測定は熱応力歪側室装置TMA/S、5
10(セイコー電子工業社製)を用いて、試料長1a+
1、雰囲気温度70℃、荷重は室温での破断荷重の30
%に相当する重量の促進条件下で行なった。クリープ量
を定量的に評価するため以下の二つの値を求めた。すな
わち、試料に荷重を加えて90秒経過時のクリープ伸び
(%)CR,。
の値と、この90秒経過時から180秒経過時の平均ク
リープ速度(sec−1)εの値である。
得られた延伸配向繊維を複数本束ねたマルチフィラメン
トの引張特性を表2に示す。
至≧−−2= 超高分子量エチレン・ブテン−1共重合体延伸フィラメ
ント(試料−2)の本末の結晶融解ピークは126.7
°Cであり、全結晶融解ピーク面積に対するToの割合
は33.8%であった。また耐クリープ性はCR9o=
3.1%、ε=3.03X10 ’ 5ec−’であっ
た。さらに170℃、5分間の熱履歴後の弾性率保持率
は102.2%、強度保持率は102.5%で熱履歴に
よる性能の低下は見られなかった。
また、延伸フィラメントの1il!断に要する仕$量は
10.3kg−m/gであり、密度は0.973g、/
Ql!であり、誘電率は2.2であり、誘電正接は0.
024%であり、インパルス電圧破壊値は180 K 
V / mmであった。
上記のようにして得られた超高分子量エチレン・ブテン
−1共重合体の延伸配向繊維を用いて、実施例1と同様
に1000dx 12x3、リード16市の三つ打ちロ
ープ(ロープB)を単価した。
ロープ直径は4甫φ、引張り強度は800 ktであっ
た。このロープ100gを実施例1と同様に樹脂コーテ
ィングおよび乾燥したところロープ重量は111..6
srとなった。このロープを実施例1と同様にヒートセ
ットした。
表3には洗濯テスト結果を、表4には結節ロープのヒー
トセット条件ならびにヒートセット条件と目ズレ開始強
度との関係を、表5にはヒートセット前後のロープの直
線強度測定結果を、そして表6にはヒートセット前後の
ロープの結節強度測定結果を示す。
なお、実施例1と同様、接触したロープ同志が癒着する
ことなく腰のあるロープが得られた。
1主亘ユ 実施例1において、ロープAに樹脂コーティングを施さ
なかった以外は、実施例1と同様にした。
ロープAのヒートセット条件ならびにヒートセット条件
と目ズレ開始強度との関係を表4に示す0表5には、ヒ
ートセット前後のロープの直線強度測定結果を示す0表
6には、ヒートセット前後のロープの結節強度゛測定結
果を示す。
止遣U吐上 実施例1において、ロープAを非自己乳化性樹脂エマル
ジョン(日本合成ゴム■製、AE5I3(Aン、乳化剤
含有樹脂ニアクリル系樹脂)を用いてコーティングした
以外は、実施例1と同様にして被覆網体を製造した。
ローズAのヒートセット条件ならびにヒートセラ1〜条
件と目ズレ開始強度との関係を表4に示す。表5には、
ヒートセット前後のロープの直線強度測定結果を示す。
表6には、ヒートセット前後のロープの結節強度測定結
果を示す。
皮丘ヱユ 実施例1において、ロープAに代えてナイロンI−ワイ
ン435關φを、自己乳化性樹脂を用いてコーティング
した以外は、実施例1と同様にした。
表3には洗:Wテスト結果を、表4にはロープAのヒー
トセット条件ならびにヒートセ・ソト条t′Fと目ズレ
開始強度との関係を、表5には、ヒートセット前後のロ
ープの直線強度測定結果を示す。
表6には、ヒー)・セット前後のロープの結節強度測定
結果を示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は、 略図である。 1節2本に結節したロープを示す概

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1)超高分子量ポリオレフィンの分子配向成形体からな
    る網体の表面が自己乳化性ポリオレフィン系樹脂エマル
    ジョンを用いて被覆されてなる被覆網体。 2)極限粘度[η]が少なくとも5dl/gである超高
    分子量ポリオレフィンの分子配向成形体からなる網体の
    表面が自己乳化性ポリオレフィン系樹脂エマルジョンを
    用いて被覆されてなる被覆網体。 3)極限粘度[η]が少なくとも5dl/gであり、し
    かも炭素数が3以上のα−オレフィンの含有量が炭素数
    1000個あたり平均0.1〜20個である超高分子量
    エチレン・α−オレフィン共重合体の分子配向成形体か
    らなる網体の表面が自己乳化性ポリオレフィン系樹脂エ
    マルジョンを用いて被覆されてなる被覆網体。 4)α−オレフィンが、ブテン−1,4−メチルペンテ
    ン−1、ヘキセン−1、オクテン−1およびデセン−1
    よりなる群から選ばれる少なくとも一種類のα−オレフ
    ィンである請求項第3項に記載の被覆網体。 5)α−オレフィンの含有量が炭素数1000個あたり
    平均0.5〜10個である請求項第3項に記載の被覆網
    体。
JP63205969A 1988-08-19 1988-08-19 被覆網体 Pending JPH0261146A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0447476U (ja) * 1990-08-28 1992-04-22
KR20010068236A (ko) * 2000-01-03 2001-07-23 강형수 어망 제조 장치 및 어망 구조
JP2020515727A (ja) * 2017-03-31 2020-05-28 ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ.Dsm Ip Assets B.V. 水産養殖用網

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