JPH04249819A - プルスイッチ作動用紐 - Google Patents

プルスイッチ作動用紐

Info

Publication number
JPH04249819A
JPH04249819A JP14627791A JP14627791A JPH04249819A JP H04249819 A JPH04249819 A JP H04249819A JP 14627791 A JP14627791 A JP 14627791A JP 14627791 A JP14627791 A JP 14627791A JP H04249819 A JPH04249819 A JP H04249819A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molecular weight
ultra
high molecular
weight ethylene
pull switch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP14627791A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiyasu Fujiwara
藤原 義康
Hirofumi Shirai
白井 博典
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Petrochemical Industries Ltd filed Critical Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority to JP14627791A priority Critical patent/JPH04249819A/ja
Publication of JPH04249819A publication Critical patent/JPH04249819A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Artificial Filaments (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Decoration Of Textiles (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気器具のプルスイッ
チ作動用紐に関するものであって、より詳しくは、防虫
用カバー付の蛍光灯照明機器などのように、該機器と小
さな孔を通して連結された、耐摩耗性のきわめてすぐれ
たプルスイッチ作動用紐に関する。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】電気器具の点滅に使用
されるプルスイッチ作動用紐は、通常該電気器具の一部
に設けられたプルスイッチに、直接または短かい金属製
の鎖を介して連結されているが、たとえば、蛍光灯など
のようにその明かりが虫を寄せつける照明機器にあって
は、蛍光灯を覆う形でガラスやプラスチックなどの硬質
の防虫カバーがセットされる。そして、そのカバーの一
部に設けられた小さな孔を通して、前記プルスイッチに
連結された紐が垂下され、この紐を引張ることによって
プルスイッチが作動され電気器具の点滅が行なわれる。
【0003】この際、カバーに設けられた孔は、照明機
器内に小さな虫が侵入するを防止するために、作動用紐
がぎりぎり通る程度のきわめて小さな孔となっており、
作動を重ねるにともない該作動用紐と孔の周囲との接触
による摩擦が避けられず、作動回数のくり返しによって
該接触部からの切断が起きてしまい、その都度、暗いと
ころで照明機器のカバーを外して新しい紐と取替えなけ
ればならないという煩わしさがあった。このような切断
を防止するために、該作動用紐の材料として、ナイロン
、ポリエステル、クレモナ、ポリプロピレン、ポリエチ
レン、およびケブラーなどの、比較的強度のすぐれた紐
を使用する試みもなされているが、くり返し行われる摩
擦によって該作動用紐が切断する事故は依然として発生
しているのが現状である。
【0004】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、摩擦係数が小
さく、かつ耐摩耗性のすぐれたプルスイッチ作動用紐を
提供することにある。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明は、前記問題点
を解するために提案されたものであって、特定の重合体
の分子配向成形体を材料として構成したプルスイッチ作
動用紐を特徴とするものである。すなわち、本発明によ
れば、極限粘度[η]が少なくとも5dl/gである超
高分子量エチレン系重合体の分子配向成形体からなるプ
ルスイッチ作動用紐が提供される。さらに、本発明によ
れば、前記超高分子量エチレン系重合体が、炭素数3個
以上のα−オレフィンを、炭素数1000個あたり平均
0.1 ないし20個含有する、エチレンとα−オレフ
ィンの共重合体、とくにα−オレフィンが、ブテン−1
、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−
1およびデセン−1からなる群から選ばれた1種または
2種以上のものであるエチレンとα−オレフィン共重合
体を使用した場合に、一層前記物性のすぐれたプルスイ
ッチ作動用紐を提供される。
【0006】
【発明の具体的な説明】本発明に係るプルスイッチ作動
用は、135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η
]が、少なくとも5dl/g、好ましくは6ないし30
dl/gである超高分子量エチレン系重合体の分子配向
成形体から構成される。超高分子量エチレン系重合体と
しては、超高分子量ポリエチレンばかりでなく、前記の
極限粘度を有するエチレンと、炭素数が3個以上、好ま
しくは4ないし10個のα−オレフィン、たとえばプロ
ピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテ
ン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、
デセン−1の1種または2種以上との共重合体が挙げら
れるが、なかでも、エチレンと、ブテン−1、4−メチ
ルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1およびデ
セン−1からなる群より選ばれた1種または2種以上の
α−オレフィンとの共重合体が、摩擦係数が小さく、か
つ耐摩耗性および耐カット性にすぐれ好適に使用される
。超高分子量エチレン系重合体が、前記エチレンとα−
オレフィンとの共重合体である場合、α−オレフィンコ
モノマーは、炭素数1000個あたり平均0.1 ない
し20個、好ましくは平均0.5 ないし10個含有さ
れていることが望ましい。α−オレフィンコモノマーの
含有量が前記の範囲にあることにより、α−オレフィン
成分が高破断エネルギーの達成に有効な分子間絡み合い
構造をつくり、この構造が一層耐摩耗性の物性向上に寄
与し、かつ摩擦係数が小さく、耐カット性にすぐれた超
高分子量エチレン系重合体の分子配向成形体を提供する
ことができる。
【0007】本発明における超高分子量エチレン・α−
オレフィン共重合体中のα−オレフィン成分の定量は、
赤外分光光度計(日本分光工業製)によって行った。つ
まりエチレン鎖の中に取り込まれたα−オレフィンのメ
チル基の変角振動を表わす1378cm−1の吸光度を
測定し、これからあらかじめ13C核磁気共鳴装置にて
、モデル化合物を用いて作成した検査線にて1000炭
素原子当りのメチル分岐数に換算することにより測定し
た値から算出した。
【0008】超高分子量エチレン系重合体の極限粘度[
η]が5dl/g未満のものは、たとえ延伸倍率を大き
くしても、十分な強度の分子配向成形体が得られず、逆
に[η]が30dl/g以上のものは、高濃度下での溶
融粘度が極めて高く、押出時にメルトフラクチャー等が
発生し、溶融紡糸性に劣るため、好適なマルチフィラメ
ントを得ることができない。
【0009】本発明の超高分子量エチレン系重合体は、
エチレン、またはエチレンと前記α−オレフィンコモノ
マーとを、周期律表第IVb,Vb,VIb,VIII
族の遷移金属化合物及び周期律表第IないしIII 族
の金属水素化物または有機金属よりなる触媒の存在下に
、例えば有機溶媒中でスラリー重合することにより得る
ことができる。
【0010】かくして得られた超高分子量エチレン系重
合体は、たとえば、溶融成形を可能にするための稀釈剤
を配合したり、常温固体のパラフィン系ワックスを混合
して溶融押出しされ、ついで延伸されることによって、
繊維あるいはテープなどの分子配向成形体とする。
【0011】稀釈剤としては、超高分子量エチレン系重
合体に対する溶剤や、超高分子量エチレン系重合体に対
して分散性を有する各種ワックス状物が使用される。
【0012】溶剤は、好ましくは前記重合体の融点以上
、さらに好ましくは融点+20℃以上の沸点を有する溶
剤である。かかる溶剤としては、具体的にはn−ノナン
、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、n−テ
トラデカン、n−オクタデカンあるいは流動パラフィン
、灯油等の脂肪族炭化水素系溶媒、キシレン、ナフタリ
ン、テトラリン、ブチルベンゼン、p−シメン、シクロ
ヘキシルベンゼン、ジエチルベンゼン、ベンチルベンゼ
ン、ドデシルベンゼン、ビシクロヘキシル、デカリン、
メチルナフタリン、エチルナフタリン等の芳香族炭化水
素系溶媒あるいはその水素化誘導体、1,1,2,2 
−テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、ヘキサク
ロロエタン、1,2,3 −トリクロロプロパン、ジク
ロロベンゼン、1,2,4 −トリクロロベンゼン、ブ
ロモベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒、パラフィン
系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族
系プロセスオイル等の鉱油が挙げられる。
【0013】ワックス類としては、脂肪族炭化水素化合
物あるいはその誘導体が使用される。
【0014】脂肪族炭化水素化合物としては、飽和脂肪
族炭化水素化合物を主体とするもので、通常分子量が2
000以下、好ましくは1000以下、さらに好ましく
は800以下のパラフィン系ワックスと呼ばれるもので
ある。これら脂肪族炭化水素化合物としては、具体的に
はドコサン、トリコサン、テトラコサン、トリアコンタ
ン等の炭素数22以上のn−アルカンあるいはこれらを
主成分とした低級n−アルカンとの混合物、石油から分
離精製された所謂パラフィンワックス、エチレンあるい
はエチレンと他のα−オレフィンとを共重合して得られ
る低分子量重合体である中・低圧法ポリエチレンワック
ス、高圧法ポリエチレンワックス、エチレン共重合ワッ
クスあるいは中・低圧法ポリエチレン、高圧法ポリエチ
レン等のポリエチレンを熱減成等により分子量を低下さ
せたワックス、およびそれらのワックスの酸化物あるい
はマレイン酸変性等の酸化ワックス、マレイン酸変性ワ
ックス等が挙げられる。
【0015】脂肪族炭化水素化合物誘導体としては、た
とえば、脂肪族炭化水素基(アルキル基、アルケニル基
)の末端もしくは内部に1個またはそれ以上、好ましく
は1ないし2個、特に好ましくは1個のカルボキシル基
、水酸基、カルバモイル基、エステル基、メルカプト基
、カルボニル基等の官能基を有する化合物である炭素数
8以上、好ましくは炭素数12ないし50または分子量
130ないし2000、好ましくは200ないし800
の脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸アミド、脂肪酸エ
ステル、脂肪族メルカプタン、脂肪族アルデヒド、脂肪
族ケトン等を挙げることができる。具体的には、脂肪酸
としてカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミ
チン酸、ステアリン酸、オレイン酸、脂肪族アルコール
としてラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セ
チルアルコール、ステアリルアルコール、脂肪酸アミド
としてカプリンアミド、ラウリンアミド、パルミチンア
ミド、ステアリルアミド、脂肪酸エステルとしてステア
リル酢酸エステル等を例示することができる。
【0016】超高分子量エチレン系重合体と稀釈剤との
比率は、これらの種類によっても相違するが、一般的に
言って3:97ないし80:20、特に15:85ない
し60:40の重量比で用いるのがよい。稀釈剤の量が
上記範囲よりも低い場合には、溶融粘度が高くなり過ぎ
、溶融混練や溶融成形が困難となると共に、成形物の肌
荒れが著しく、延伸切れ等を生じ易い。一方、稀釈剤の
量が上記範囲よりも多いと、やはり溶融混練が困難とな
り、また成形品の延伸性が劣るようになる。
【0017】溶融混練は、一般に150ないし300℃
、特に170ないし270℃の温度で行なうのが望まし
く、上記範囲よりも低い温度では、溶融粘度が高すぎて
、溶融成形が困難となり、また上記範囲よりも高い場合
には、熱減成により超高分子量エチレン系重合体の分子
量が低下して高弾性率および高強度の成形体を得ること
が困難となる。なお、配合はヘンシェルミキサー、V型
ブレンダー等による乾式ブレンドで行ってもよいし、単
軸あるいは多軸押出機を用いる溶融混合で行ってもよい
【0018】溶融成形は、一般に溶融押出成形により行
われる。たとえば、紡糸口金を通して溶融押出すること
により、延伸用フィラメントが得られ、またフラットダ
イあるいはリングダイを通して押出すことにより延伸用
テープが得られる。この際、紡糸口金より押出された溶
融物にドラフト、すなわち溶融状態での引き伸しを加え
ることもできる。溶融樹脂のダイ・オリフィス内での押
出速度VO と冷却固化した未延伸物の巻き取り速度V
との比をドラフト比として次式で定義することができる
。 ドラフト比=V/VO  このようなドラフト比は、混合物の温度および超高分子
量エチレン系重合体の分子量等により変化するが、通常
は3以上、好ましくは6以上とすることができる。
【0019】次に、このようにして得られた超高分子量
エチレン系重合体の未延伸成形体を延伸処理する。延伸
操作は、一段あるいは二段以上の多段で行うことができ
る。延伸倍率は、所望とする分子配向およびこれに伴な
う融解温度向上の効果にも依存するが、一般に5ないし
80倍、特に10ないし50倍の延伸倍率となるように
延伸操作を行えば満足すべき結果が得られる。一般には
、二段以上の多段延伸が有利であり、一段目では、80
ないし120℃の比較的低い温度で押出成形体中の稀釈
剤を抽出しながら延伸操作を行ない、二段目以降では、
120ないし160℃の温度で、かつ、一段目の延伸温
度よりも高い温度で成形体の延伸操作を続行するのがよ
い。
【0020】かくして得られる分子配向成形体は、所望
により拘束条件下に熱処理することができる。この熱処
理は、一般に140ないし180℃、特に150ないし
175℃の温度で、1ないし20分間、特に3ないし1
0分間行うことができる。熱処理により、配向結晶部の
結晶化が一層進行し、結晶融解温度の高温側移行、強度
および弾性率の向上および高温での耐クリープ性の向上
がもたらされる。成形体における分子配向の過程は、X
線回折法、複屈折法、蛍光偏光法等で知ることができる
。本発明の超高分子量エチレン系重合体の延伸フィラメ
ントの場合、たとえば呉祐吉、久保揮一郎:工業化学雑
誌第39巻、992頁(1939)に詳しく述べられて
いる半値巾による配向度、すなわち、式   (式中、H°は赤道線上最強のパラトロープ面のデ
バイ環に沿っての強度分布曲線の半値巾(°)である。 )で定義される配向度(F)が0.90以上、特に0.
95以上となるように分子配向されていることが、機械
的性質の点で望ましい。
【0021】本発明にかかるプルスイッチ作動用紐は、
かくして得られる超高分子量エチレン系重合体の分子配
向成形体を、自体公知の方法によって編組し、これを紐
に形成するものであるが、こうして得られた紐は、最低
でも3kg・m/g以上、通常4kg・m/g以上の破
断エネルギーを有する。
【0022】一般に好適なロープの形態としては、撚っ
た構造として三つ打、六つ打、そして編んだ構造として
八つ打(通称、エイトロープ)、12打(通称、トエル
ロープ)、二重組打索(通称、タフレロープ)等の構造
が挙げられる。また、カバーブレードとしてポリエステ
ル、ナイロン、ポリプロピレンを用い、コアーブレード
として本発明の超高分子量エチレン系重合体のフィラメ
ント状の分子配向成形体を用いることもできる。ダブル
ブレードまたアウターブレードジャケットにポリエステ
ル、ナイロン、ポリプロピレンなどを用い、中間にネオ
プレン、ポリ塩化ビニルのような中間層を、そしてパラ
レルヤーンコアーとして本発明のフィラメント状分子配
向成形体を用いたユニラインパラレルヤーンコア等の構
造を挙げることができる。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、特定の重合体の分子配
向成形体を使用することにより、摩擦係数が小さく、耐
摩耗性および耐カット性にすぐれたプルスイッチ作動用
紐が提供され、この作動用紐は、たとえば、蛍光灯用の
防虫カバーに設けられる小さな孔を通して作動による該
カバーとの度重なる接触によっても摩耗することがなく
、耐久性のすぐれたプルスイッチ作動用紐を提供するこ
とができる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。 参考例1 <超高分子量エチレン・ブテン−1共重合体の重合>チ
ーグラー系触媒を用い、n−デカン1リットルを重合溶
媒として、超高分子量エチレン・ブテン−1共重合体の
スラリー重合を行なった。エチレンとブテン−1との組
成がモル比で97.2:2.8 の比率の混合モノマー
ガスを圧力が5kg/cm2の一定圧力を保つように反
応器に連続供給した。重合は反応温度70℃で2時間で
終了した。得られた超高分子量エチレン・ブテン−1共
重合体粉末の収量は160 gで極限粘度[η](デカ
リン:135℃)は8.2dl/g、赤外分光光度計に
よるブテン−1含量は1000炭素原子あたり1.5 
個であった。
【0025】<超高分子量エチレン・ブテン−1共重合
体延伸配向物の調製>上述の重合により得られた超高分
子量エチレン・ブテン−1共重合体粉末20重量部とパ
ラフィンワックス(融点=69℃、分子量=490)8
0重量部との混合物を次の条件で溶融紡糸した。該混合
物 100重量部にプロセス安定剤として3,5 −ジ
−tert−ブチル−4−ハイドロキシトルエンを0.
1 重量部配合した。次いで該混合物をスクリュー式押
出機(スクリュー径=25mm、L/D =25、サー
モプラスチックス社製)を用いて、設定温度 190℃
で溶融混練を行なった。引続き、該混合溶融物を押出機
に付属するオリフィス径2mmの紡糸ダイより溶融紡糸
した。押出溶融物は 180cmのエアーギャップで3
6倍のドラフト比で引き取られ、空気中にて冷却、固化
し、未延伸繊維を得た。さらに該未延伸繊維を次の条件
で延伸した。三台のゴデットロールを用いて二段延伸を
行なった。このとき第一延伸槽の熱媒はn−デカンであ
り、温度は 110℃、第二延伸槽の熱媒はトリエチレ
ングリコールであり、温度は 145℃であった。槽の
有効長はそれぞれ50cmであった。延伸に際しては、
第1ゴデットロールの回転速度を0.5m/分として第
3ゴデットロールの回転速度を変更することにより、所
望の延伸比の配向繊維を得た。第2ゴデットロールの回
転速度は安定延伸可能な範囲で適宜選択した。初期に混
合されたパラフィンワックスは、ほぼ全量が延伸時n−
デカン中に抽出された。このあと配向繊維は水洗し、減
圧下室温にて一昼夜乾燥し、諸物性の測定に供した。な
お延伸比は、第1ゴデットロールと第3ゴデットロール
の回転速度比から計算で求めた。
【0026】<引張特性の測定>弾性率および引張強度
は、島津製作所製DCS−50M 型引張試験機を用い
、室温(23℃)にて測定した。この時クランプ間の試
料長は 100mmであり、引張速度 100mm/分
(100%/分歪速度)であった。弾性率は初期弾性率
で接線の傾きを用いて計算した。計算に必要な繊維断面
積は密度を0.960g/cc として重量から計算で
求めた。
【0027】<熱履歴後の引張弾性率、強度保持率>熱
履歴試験は、ギヤーオーブン(パーフェクトオーブン:
田葉井製作所製)内に放置することによって行なった。 試料は約3mの長さでステンレス枠の両端に複数個の滑
車を装置したものに折り返しかけて試料両端を固定した
。この際試料両端は試料がたるまない程度に固定し、積
極的に試料に張力はかけなかった。熱履歴後の引張特性
は、前述の引張特性の測定の記載に基づいて測定した。
【0028】<耐クリープ性の測定>耐クリープ性の測
定は、熱応力歪測定装置TMA/SS10(セイコー電
子工業社製)を用いて、試料長1cm、雰囲気温度70
℃、荷重は室温での破断荷重の30%に相当する重量の
促進条件下で行なった。クリープ量を定量的に評価する
ため以下の二つの値を求めた。すなわち、試料に荷重を
加えて90秒経過時のクリープ伸び(%)CR90の値
と、この90秒経過時から 180秒経過時の平均クリ
ープ速度(sec−1) εの値である。
【0029】得られた延伸配向繊維を複数本束ねたマル
チフィラメントの引張特性を表1に示す。
【0030】超高分子量エチレン・ブテン−1共重合体
延伸フィラメント(試料−1)の本来の結晶融解ピーク
は126.7 ℃、全結晶融解ピーク面積に対するTp
 の割合は33.8%であった。また耐クリープ性はC
R90=3.1 %、ε=3.03×10−5sec−
1 であった。さらに 170℃、5分間の熱履歴後の
弾性率保持率は102.2 %、強度保持率は102.
5 %で熱履歴による性能の低下は見られなかった。ま
た、延伸フィラメントの破断に要する仕事量は10.3
kg・m/gであり、密度は 0.973g/cm3 
であり、誘電率は2.2 であり、誘電正接は0.02
4 %であり、インパルス電圧破壊値は 180kV/
mm であった。マルチフィラメントの結節強度、ルー
プ強度の直線強度に対する低下率は、それぞれ38%、
36%であった。
【0031】参考例2 <超高分子量エチレン・オクテン−1共重合体の重合>
チーグラー系触媒を用いて、n−デカン1リットルを重
合溶媒としてエチレンのスラリー重合を行なった。この
とき、共単量体としてオクテン−1を125mlと分子
量調整のための水素40Nmlを重合開始前に一括添加
し、重合を開始した。エチレンガスを反応器の圧力が5
kg/cm2の一定圧力を保つように連続供給し、重合
は70℃、2時間で終了した。得られた超高分子量エチ
レン・オクテン−1共重合体粉末の収量は 178gで
その極限粘度[η](デカリン、135 ℃)は10.
66dl/g、赤外分光光度計によるオクテン−1共単
量体含量は1000炭素原子あたり0.5 個であった
【0032】<超高分子量エチレン・オクテン−1共重
合体延伸配向物の調製とその物性>参考例1に記載した
方法により延伸配向繊維の調製を行なった。得られた延
伸配向繊維を複数本束ねたマルチフィラメントの引張特
性を表2に示す。
【0033】超高分子量エチレン・オクテン−1共重合
体延伸フィラメント(試料−2)の本来の結晶融解ピー
クは132.1 ℃、全結晶融解ピーク面積に対するT
p およびTp1の割合はそれぞれ97.7%および5
.0 %であった。 試料−2の耐クリープ性はCR90=2.0 %、ε=
9.50×10−6sec−1 であった。また、 1
70℃、5分間の熱履歴の後の弾性率保持率は108.
2 %、強度保持率は102.1 %であった。さらに
試料−2の破断に要する仕事量は10.1kg・m/g
であり、密度は 0.971g/cm3 であり、誘電
率は2.2 であり、誘電正接は0.031 %であり
、インパルス電圧破壊値は 185kV/mm であっ
た。マルチフィラメントの結節強度、ループ強度の直線
強度に対する低下率は、それぞれ35%、32%であっ
た。
【0034】参考例3 <超高分子量ポリエチレンの重合>チーグラー系触媒を
用いて、n−デカン1リットルを重合溶媒として超高分
子量ポリエチレンのスラリー重合を行なった。重合に先
立って反応器中にエチレンガスと水素ガスとの混合ガス
を圧力5kg/cm2(うち水素ガス分圧 0.2kg
/cm2)となる様に充満させ、以後、エチレンガスの
みを重合圧力を5kg/cm2を保つ様に供給した。重
合は反応温度70℃で2時間で終了した。得られた超高
分子量ポリエチレンの収量は 170gで、極限粘度[
η](デカリン:135℃)は7.42 dl/gであ
った。
【0035】<超高分子量ポリエチレン重合体延伸配向
物の調整>超高分子量ポリエチレン(ホモポリマー)粉
末(極限粘度[η]=7.42 dl/g、デカリン、
135 ℃):20重量部とパラフィンワツクス(融点
=69℃、分子量=490):80重量部の混合物を参
考例1と同様の方法で溶融紡糸し、延伸し、延伸配向繊
維(試料−3)を得た。表3に得られた延伸配向繊維を
複数本束ねたマルチフィラメントの引張特性を示す。
【0036】超高分子量ポリエチレン延伸フィラメント
(試料−3)本来の結晶融解ピークは135.1 ℃、
全結晶融解ピーク面積に対するTp の割合は8.8 
%であった。 また同様に全結晶融解ピーク面積に対する高温側ピーク
Tp1の割合は1%以下であった。耐クリープ性はCR
90=11.9%、ε=1.07×10−3sec−1
 であった。また 170℃、5分間の熱履歴後の弾性
率保持率は80.4%、強度保持率は78.2%であっ
た。さらに試料−3の破断に要する仕事量は10.2k
g・m/gであり、密度は 0.985g/cm3 で
あり、誘電率は2.3 、誘電正接は0.030 %で
あり、インパルス電圧破壊値は 182kV/mm で
あった。マルチフィラメントの結節強度、ループ強度の
直線強度に対する低下率は、それぞれ54%、52%で
あった。
【0037】実施例1 参考例1で得られた超高分子量エチレン・ブテン−1共
重合体の延伸フィラメント(試料−1)を用いて、10
00デニール/100フィラメント×1×6の構成の組
紐を編組した。次いで、この組紐の強伸度、摩耗強さを
以下の条件で測定した。 試験方法 (1) 強伸度 試験機種類        定速伸長形つかみ間隔  
      254mm  引張速度        
  254mm  温湿度            2
3℃,50%結節強さは、つかみ間隔の中央部で試料に
結び目を作り引張り試験を行うことにより測定した。 (2) 摩耗強さ 図1に示した摩耗試験機を用いて組紐が破断に至るまで
の摩耗回数を測定した。 摩耗子:直径50mmのロールの外周にサンドペーパー
を巻きつけたもの サンドペーパー:SIANOR  1600番ストロー
ク長:120mm ストローク速度:35回/分 荷重:300g 温度:23℃
【0038】結果を表4に示す
【0039】実施例2 参考例2で得られた延伸フィラメント(試料−2)を用
いて、実施例1と同様に組紐を編組し物性を測定した。 測定結果を表5に示す。
【0040】実施例3 参考例3で得られた超高分子量延伸フィラメント(試料
−3)を用いて、実施例1と同じ構成の組紐を編組し物
性を測定した。結果を表6に示す。
【0041】比較例 ナイロン1260デニール/204フィラメント  1
×6の構成で組紐を編組し、実施例1と同じ方法で物性
を測定した。結果を表7に示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプルスイッチ作動用紐の耐摩耗性を評
価するための試験機の構造の略断面図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  極限粘度[η]が少なくとも5dl/
    gである超高分子量エチレン系重合体の分子配向成形体
    からなるプルスイッチ作動用紐。
  2. 【請求項2】  超高分子量エチレン系重合体が、炭素
    数3個以上のα−オレフィンを、炭素数1000個あた
    り平均0.1 ないし20個含有する、エチレンとα−
    オレフィンの共重合体である請求項1記載の作動用紐。
  3. 【請求項3】  α−オレフィンが、ブテン−1、4−
    メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1およ
    びデセン−1からなる群から選ばれた1種または2種以
    上のものである請求項2記載の作動用紐。
  4. 【請求項4】  α−オレフィンの含有量が、炭素数1
    000個あたり平均0.5 ないし10個である請求項
    2記載の作動用紐。
JP14627791A 1990-11-26 1991-06-18 プルスイッチ作動用紐 Withdrawn JPH04249819A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14627791A JPH04249819A (ja) 1990-11-26 1991-06-18 プルスイッチ作動用紐

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32142790 1990-11-26
JP2-321427 1990-11-26
JP14627791A JPH04249819A (ja) 1990-11-26 1991-06-18 プルスイッチ作動用紐

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH04249819A true JPH04249819A (ja) 1992-09-04

Family

ID=26477164

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14627791A Withdrawn JPH04249819A (ja) 1990-11-26 1991-06-18 プルスイッチ作動用紐

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH04249819A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015146623A1 (ja) * 2014-03-28 2015-10-01 東洋紡株式会社 マルチフィラメント及び組紐
WO2015146624A1 (ja) * 2014-03-28 2015-10-01 東洋紡株式会社 マルチフィラメント及び組紐
CN106133215A (zh) * 2014-03-28 2016-11-16 东洋纺株式会社 复丝及编带
CN106164347A (zh) * 2014-03-28 2016-11-23 东洋纺株式会社 复丝及编带
US10626531B2 (en) 2015-02-20 2020-04-21 Toyobo Co., Ltd. Multifilament and braid using same

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015146623A1 (ja) * 2014-03-28 2015-10-01 東洋紡株式会社 マルチフィラメント及び組紐
WO2015146624A1 (ja) * 2014-03-28 2015-10-01 東洋紡株式会社 マルチフィラメント及び組紐
CN106133215A (zh) * 2014-03-28 2016-11-16 东洋纺株式会社 复丝及编带
CN106164347A (zh) * 2014-03-28 2016-11-23 东洋纺株式会社 复丝及编带
US10287711B2 (en) 2014-03-28 2019-05-14 Toyobo Co., Ltd. Multifilament and braid
US10364512B2 (en) 2014-03-28 2019-07-30 Toyobo Co., Ltd. Multifilament and braid
US10626531B2 (en) 2015-02-20 2020-04-21 Toyobo Co., Ltd. Multifilament and braid using same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH089804B2 (ja) 初期伸びの改善されたポリオレフィン系繊維及びその製法
JP2557459B2 (ja) 牽引用ロープ
KR910008668B1 (ko) 필라멘트 집합체 및 그것으로 구성된 망
US5180636A (en) Rope for traction
JP2599751B2 (ja) 窓ブラインド用紐
JPH04249819A (ja) プルスイッチ作動用紐
JPH06158568A (ja) 合成樹脂で被覆した高強度ポリエチレン繊維製のロー プ、紐またはネット
JP2599750B2 (ja) ロープ
JPH04245964A (ja) 凧糸
JPH01272843A (ja) ポリエチレン製ロープの強度増加処理方法
JPH04250206A (ja) 落石防止用ネット
JP2601868B2 (ja) 釣 糸
JPH04231077A (ja) 遊戯用具用の紐
JP2557461B2 (ja) 係留用ロープ
JP2557460B2 (ja) ヨット用ロープ
JPH01260077A (ja) 登山用ロープ
JP2548292B2 (ja) 漁網および漁網牽引用ロープ
JPH05156541A (ja) 合成樹脂で被覆した分子配向成形体からなるフィラメントないし撚り糸を芯材とするコード
JP3122479B2 (ja) ラケット用ガット
JPH04250205A (ja) 雪崩防止用ネット
JPH04228602A (ja) 耐切創性にすぐれた靴下
JP2548295B2 (ja) デンタルフロス
JPH01260078A (ja) テント固定用ロープ
JP2781201B2 (ja) セメント混和材
JP2548296B2 (ja) 歯間清掃具

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19980903