JPH04250206A - 落石防止用ネット - Google Patents

落石防止用ネット

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JPH04250206A
JPH04250206A JP14627591A JP14627591A JPH04250206A JP H04250206 A JPH04250206 A JP H04250206A JP 14627591 A JP14627591 A JP 14627591A JP 14627591 A JP14627591 A JP 14627591A JP H04250206 A JPH04250206 A JP H04250206A
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JP
Japan
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molecular weight
ultra
high molecular
olefin
net
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Withdrawn
Application number
JP14627591A
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English (en)
Inventor
Yoshiyasu Fujiwara
藤原 義康
Hirofumi Shirai
白井 博典
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Petrochemical Industries Ltd filed Critical Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication of JPH04250206A publication Critical patent/JPH04250206A/ja
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  • Braiding, Manufacturing Of Bobbin-Net Or Lace, And Manufacturing Of Nets By Knotting (AREA)
  • Devices Affording Protection Of Roads Or Walls For Sound Insulation (AREA)
  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、落石防止用ネットに関
するものであって、より詳しくは、特定の重合体の分子
配向成形体からなる高強度の落石防止用ネットに関する
【0002】
【従来の技術およびその問題点】最近、高速道路網の開
発が盛んに行われるようになり、全国至るところに高速
道路を使用した輸送が可能になり、我々の日常生活にお
いても、そのメリットが数多く享受できるようになった
。ところが、我が国は全体に土地が狭い上に、山岳地帯
の占める割合が多く、平地だけを使用した高速道路の敷
設は不可能であり、山や丘陵を切り開いての敷設を余儀
なくされている。この際切り開いた斜面は、そのままの
状態では降雨や地震に起因して、斜面内に埋設している
岩石が表面に浮き出し、やがて落下することになり、通
行中の車や人間を直撃したり、落石や土砂が道路を遮断
して長期に亘っての通行不能の状態に至ることは、我々
もしばしば見聞するところのものである。このような斜
面からの落石は、高速道路に限らず、丘陵地帯を切り開
いた宅地造成や、山間をぬって走る鉄道等においても起
りうる可能性を秘めており、落石防止に対する対策は完
璧になされなければならない。
【0003】ところで、従来、落石防止の対策としては
、斜面全体をコンクリートで覆ってしまう方法が一般的
であるが、この方法はきわめて価格的に高くつくばかり
でなく、斜面での工事は危険や困難を伴い、さらに降雨
や地震によって地盤がゆるむにつれてコンクリートにも
ヒビ割れが発生し、コンクリート自体が落下するという
事態も起こりかねず、この方法は落石防止用対策として
は万全のものとはいい難い。また、実開昭59−316
07号公報に開示されている技術に代表されるように、
山の斜面に、金網あるいは枠体に金網を取り付けたもの
を張りめぐらす対策も提案されているが、金網の剛性が
災いして、山肌の凹凸面に対応した密着した被覆が困難
であり、さらに、金網の重量が大きく、しかも嵩張るた
めに、斜面での施工が困難であるばかりでなく、一旦使
用したものは変形を余儀なくされるために、再使用する
ことができず、コスト的にもきわめて割高なものとなっ
てしまうという問題点を有している。
【0004】
【発明の目的】そこで、本発明の目的は、軽量で、すぐ
れた強度を有し、斜面での施工が容易であるとともに、
山肌の凹凸に対応して自在に変形し、かつ、撤去後に他
の場所にも再使用可能な、コスト的にも割安な落石防止
用ネットを提供することにある。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明は、上記の目的
を達成するために提案されたものであって、落石防止用
ネットの構成材料として、特定の重合体の分子配向成形
体を使用することを特徴とする。すなわち、本発明によ
れば、極限粘度[η]が少なくとも5dl/gである超
高分子量エチレン系重合体の分子配向成形体からなる落
石防止用ネットが提供される。さらに、本発明によれば
、前記超高分子量エチレン系重合体が、炭素数3個以上
のα−オレフィンを、炭素数1000個あたり平均0.
1 ないし20個含有する、エチレンとα−オレフィン
の共重合体、とくにα−オレフィンが、ブテン−1、4
−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1お
よびデセン−1からなる群から選ばれた1種または2種
以上のものであるエチレンとα−オレフィン共重合体を
使用した場合に、一層前記物性のすぐれた落石防止用ネ
ットを提供することができる。
【0006】
【発明の具体的な説明】本発明に係る落石防止用ネット
は、135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]
が、少なくとも5dl/g、好ましくは7ないし30d
l/gである超高分子量エチレン系重合体の分子配向成
形体から構成される。超高分子量エチレン系重合体とし
ては、超高分子量ポリエチレンばかりでなく、前記の極
限粘度を有するエチレンと、炭素数が3個以上、好まし
くは4ないし10個のα−オレフィン、たとえばプロピ
レン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン
−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、デ
セン−1の1種または2種以上との共重合体が挙げられ
るが、なかでも、エチレンと、ブテン−1、4−メチル
ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1およびデセ
ン−1からなる群より選ばれたα−オレフィンとの共重
合体が、耐衝撃性および耐クリープ性にすぐれており、
好適に使用される。超高分子量エチレン系重合体が、前
記エチレンとα−オレフィンとの共重合体である場合、
α−オレフィンコモノマーは、炭素数1000個あたり
平均0.1 ないし20個、好ましくは平均0.5 な
いし10個含有されていることが望ましい。α−オレフ
ィンコモノマーの含有量が前記の範囲にあることにより
、α−オレフィン成分が高破断エネルギーの達成に有効
な分子間絡み合い構造をつくり、落石防止用ネットとし
て要求される高強度の物性が保持されることになる。
【0007】本発明における超高分子量エチレン・α−
オレフィン共重合体中のα−オレフィン成分の定量は、
赤外分光光度計(日本分光工業製)によって行った。つ
まりエチレン鎖の中に取り込まれたα−オレフィンのメ
チル基の変角振動を表わす1378cm−1の吸光度を
測定し、これからあらかじめ13C核磁気共鳴装置にて
、モデル化合物を用いて作成した検査線にて1000炭
素原子当りのメチル分岐数に換算することにより測定し
た値から算出した。
【0008】超高分子量エチレン系重合体の極限粘度[
η]が5dl/g未満のものは、たとえ延伸倍率を大き
くしても、十分な強度の分子配向成形体が得られず、逆
に[η]が30dl/g以上のものは、高濃度下での溶
融粘度が極めて高く、押出時にメルトフラクチャー等が
発生し、溶融紡糸性に劣るため、好適なマルチフィラメ
ントを得ることができない。
【0009】本発明の超高分子量エチレン系重合体は、
エチレン、またはエチレンと前記α−オレフィンコモノ
マーとを、周期律表第IVb,Vb,VIb,VIII
族の遷移金属化合物及び周期律表第IないしIII 族
の金属水素化物または有機金属よりなる触媒の存在下に
、たとえば有機溶媒中でスラリー重合することにより得
ることができる。
【0010】かくして得られた超高分子量エチレン系重
合体は、たとえば、溶融成形を可能にするための稀釈剤
を配合したり、常温固体のパラフィン系ワックスを混合
して溶融押出しされ、ついで延伸されることによって、
繊維あるいはテープなどの分子配向成形体とする。
【0011】稀釈剤としては、超高分子量エチレン系重
合体に対する溶剤や、超高分子量エチレン系重合体に対
して分散性を有する各種ワックス状物が使用される。
【0012】溶剤は、好ましくは前記重合体の融点以上
、さらに好ましくは融点+20℃以上の沸点を有する溶
剤である。かかる溶剤としては、具体的にはn−ノナン
、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、n−テ
トラデカン、n−オクタデカンあるいは流動パラフィン
、灯油等の脂肪族炭化水素系溶媒、キシレン、ナフタリ
ン、テトラリン、ブチルベンゼン、p−シメン、シクロ
ヘキシルベンゼン、ジエチルベンゼン、ベンチルベンゼ
ン、ドデシルベンゼン、ビシクロヘキシル、デカリン、
メチルナフタリン、エチルナフタリン等の芳香族炭化水
素系溶媒あるいはその水素化誘導体、1,1,2,2 
−テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、ヘキサク
ロロエタン、1,2,3 −トリクロロプロパン、ジク
ロロベンゼン、1,2,4 −トリクロロベンゼン、ブ
ロモベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒、パラフィン
系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族
系プロセスオイル等の鉱油が挙げられる。
【0013】ワックス類としては、脂肪族炭化水素化合
物あるいはその誘導体が使用される。脂肪族炭化水素化
合物としては、飽和脂肪族炭化水素化合物を主体とする
もので、通常分子量が2000以下、好ましくは100
0以下、さらに好ましくは800以下のパラフィン系ワ
ックスと呼ばれるものである。これら脂肪族炭化水素化
合物としては、具体的にはドコサン、トリコサン、テト
ラコサン、トリアコンタン等の炭素数22以上のn−ア
ルカンあるいはこれらを主成分とした低級n−アルカン
との混合物、石油から分離精製された所謂パラフィンワ
ックス、エチレンあるいはエチレンと他のα−オレフィ
ンとを共重合して得られる低分子量重合体である中・低
圧法ポリエチレンワックス、高圧法ポリエチレンワック
ス、エチレン共重合ワックスあるいは中・低圧法ポリエ
チレン、高圧法ポリエチレン等のポリエチレンを熱減成
等により分子量を低下させたワックス、およびそれらの
ワックスの酸化物あるいはマレイン酸変性等の酸化ワッ
クス、マレイン酸変性ワックス等が挙げられる。
【0014】脂肪族炭化水素化合物誘導体としては、た
とえば、脂肪族炭化水素基(アルキル基、アルケニル基
)の末端もしくは内部に1個またはそれ以上、好ましく
は1ないし2個、特に好ましくは1個のカルボキシル基
、水酸基、カルバモイル基、エステル基、メルカプト基
、カルボニル基等の官能基を有する化合物である炭素数
8以上、好ましくは炭素数12ないし50または分子量
130ないし2000、好ましくは200ないし800
の脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸アミド、脂肪酸エ
ステル、脂肪族メルカプタン、脂肪族アルデヒド、脂肪
族ケトン等を挙げることができる。具体的には、脂肪酸
としてカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミ
チン酸、ステアリン酸、オレイン酸、脂肪族アルコール
としてラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セ
チルアルコール、ステアリルアルコール、脂肪酸アミド
としてカプリンアミド、ラウリンアミド、パルミチンア
ミド、ステアリルアミド、脂肪酸エステルとしてステア
リル酢酸エステル等を例示することができる。
【0015】超高分子量エチレン系重合体と稀釈剤との
比率は、これらの種類によっても相違するが、一般的に
いって3:97ないし80:20、特に15:85ない
し60:40の重量比で用いるのがよい。稀釈剤の量が
上記範囲よりも低い場合には、溶融粘度が高くなり過ぎ
、溶融混練や溶融成形が困難となると共に、成形物の肌
荒れが著しく、延伸切れ等を生じ易い。一方、稀釈剤の
量が上記範囲よりも多いと、やはり溶融混練が困難とな
り、また成形品の延伸性が劣るようになる。
【0016】溶融混練は、一般に150ないし300℃
、特に170ないし270℃の温度で行なうのが望まし
く、上記範囲よりも低い温度では、溶融粘度が高すぎて
、溶融成形が困難となり、また上記範囲よりも高い場合
には、熱減成により超高分子量エチレン系重合体の分子
量が低下して高弾性率および高強度の成形体を得ること
が困難となる。なお、配合はヘンシェルミキサー、V型
ブレンダー等による乾式ブレンドで行ってもよいし、単
軸あるいは多軸押出機を用いる溶融混合で行ってもよい
【0017】溶融成形は、一般に溶融押出成形により行
われる。たとえば、紡糸口金を通して溶融押出すること
により、延伸用フィラメントが得られ、またフラットダ
イあるいはリングダイを通して押出すことにより、延伸
用フイルムあるいはシートあるいはテープが得られ、さ
らにサーキュラーダイを通して押出すことにより、延伸
ブロー成形用パイプ(パリソン)が得られる。この際、
紡糸口金より押出された溶融物にドラフト、すなわち溶
融状態での引き伸しを加えることもできる。溶融樹脂の
ダイ・オリフィス内での押出速度VO と冷却固化した
未延伸物の巻き取り速度Vとの比をドラフト比として次
式で定義することができる。 ドラフト比=V/VO  このようなドラフト比は、混合物の温度および超高分子
量エチレン系重合体の分子量等により変化するが、通常
は3以上、好ましくは6以上とすることができる。
【0018】次に、このようにして得られた超高分子量
エチレン系重合体の未延伸成形体を延伸処理する。延伸
操作は、一段あるいは二段以上の多段で行うことができ
る。延伸倍率は、所望とする分子配向およびこれに伴な
う融解温度向上の効果にも依存するが、一般に5ないし
80倍、特に10ないし50倍の延伸倍率となるように
延伸操作を行えば満足すべき結果が得られる。一般には
、二段以上の多段延伸が有利であり、一段目では、80
ないし120℃の比較的低い温度で押出成形体中の稀釈
剤を抽出しながら延伸操作を行ない、二段目以降では、
120ないし160℃の温度で、かつ、一段目の延伸温
度よりも高い温度で成形体の延伸操作を続行するのがよ
い。
【0019】かくして得られる分子配向成形体は、所望
により拘束条件下に熱処理することができる。この熱処
理は、一般に140ないし180℃、特に150ないし
175℃の温度で、1ないし20分間、特に3ないし1
0分間行うことができる。熱処理により、配向結晶部の
結晶化が一層進行し、結晶融解温度の高温側移行、強度
および弾性率の向上および高温での耐クリープ性の向上
がもたらされる。このようにして得られる超高分子量エ
チレン系の分子配向成形体は、1.5 GPa 以上の
引張強度と20GPa 以上の引張弾性率を保持する。
【0020】成形体における分子配向の過程は、X線回
折法、複屈折法、蛍光偏光法等で知ることができる。本
発明の超高分子量エチレン系重合体の延伸フィラメント
の場合、たとえば呉祐吉、久保揮一郎:工業化学雑誌第
39巻、992頁(1939)に詳しく述べられている
半値巾による配向度、即ち式   (式中、H°は赤道線上最強のパラトロープ面のデ
バイ環に沿っての強度分布曲線の半値巾(°)である。 )で定義される配向度(F)が、0.90以上、特に0
.95以上となるように分子配向されていることが、機
械的性質の点で望ましい。
【0021】本発明に係る落石防止用ネットは、かくし
て得られる超高分子量エチレン系重合体の分子配向成形
体を、自体公知の方法によって編組してロープ化したも
のを、通常一辺が1ないし4cmの四角形、六角形また
は八角形等の網目を有するネットの形状に加工されるも
のである。
【0022】一般に好適なロープの形態としては、撚っ
た構造として三つ打、六つ打、そして編んだ構造として
八つ打(通称、エイトロープ)、12打(通称、トエル
ロープ)、二重組打索(通称、タフレロープ)等の構造
が挙げられる。また、カバーブレードとしてポリエステ
ル、ナイロン、ポリプロピレンを用い、コアーブレード
として本発明の超高分子量エチレン系重合体のフィラメ
ント状の分子配向成形体を用いることもできる。ダブル
ブレードまたアウターブレードジャケットにポリエステ
ル、ナイロン、ポリプロピレンなどを用い、中間にネオ
プレン、ポリ塩化ビニルのような中間層を、そしてパラ
レルヤーンコアーとして本発明のフィラメント状分子配
向成形体を用いたユニラインパラレルヤーンコア等の構
造を挙げることができる。かくのごとくして得られたネ
ットは、通常2m×100m程度のものを筒状体に巻装
された状態で使用に供される。
【0023】斜面の落石が予想される場所には、上記巻
装体を運び込み、山肌の全面に張りめぐらせた後、ネッ
ト止め用のくさび状の杭を適宜打ち込むなどして固定す
るものであるが、本発明の落石防止用ネットは、山肌の
凹凸に対応して自由に変形し、密着状態で施工されるた
め、落石の原因となる、降雨や地震に基因する岩石の初
期のズレを効果的に防止し、有効な落石防止用ネットと
して機能する。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、特定の重合体の分子配
向成形体を使用することにより、軽量で、強度、耐クリ
ープ性、耐候性、耐摩耗性および耐カット性にすぐれた
落石防止用ネットを提供することができ、このネットは
、落石の発生が予想される斜面に、任意の大きさで張り
めぐらせ固定するだけで、岩石の初期のズレを防止し、
落石に至る大惨事を未然に防止することができるばかり
でなく、ネットそのものの重量が少なく、変形が自在で
あるために、斜面での施工作業も容易であり、一定期間
経過後に地盤が落着いて、落石防止対策が不要になった
場合でも、簡単に撤去することができ、しかも、それを
再度、他の場所へ施工することができるというコスト面
でのメリットも大きいものである。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。 参考例1 <超高分子量エチレン・ブテン−1共重合体の重合>チ
ーグラー系触媒を用い、n−デカン1リットルを重合溶
媒として、超高分子量エチレン・ブテン−1共重合体の
スラリー重合を行なった。エチレンとブテン−1との組
成がモル比で97.2:2.8 の比率の混合モノマー
ガスを圧力が5kg/cm2の一定圧力を保つように反
応器に連続供給した。重合は反応温度70℃で2時間で
終了した。得られた超高分子量エチレン・ブテン−1共
重合体粉末の収量は160 gで極限粘度[η](デカ
リン:135℃)は8.2dl/g、赤外分光光度計に
よるブテン−1含量は1000炭素原子あたり1.5 
個であった。
【0026】<超高分子量エチレン・ブテン−1共重合
体延伸配向物の調製>上述の重合により得られた超高分
子量エチレン・ブテン−1共重合体粉末20重量部とパ
ラフィンワックス(融点=69℃、分子量=490)8
0重量部との混合物を次の条件で溶融紡糸した。該混合
物 100重量部にプロセス安定剤として3,5 −ジ
−tert−ブチル−4−ハイドロキシトルエンを0.
1 重量部配合した。次いで該混合物をスクリュー式押
出機(スクリュー径=25mm、L/D =25、サー
モプラスチックス社製)を用いて、設定温度 190℃
で溶融混練を行なった。引き続き、該混合溶融物を押出
機に付属するオリフィス径2mmの紡糸ダイより溶融紡
糸した。押出溶融物は 180cmのエアーギャップで
36倍のドラフト比で引き取られ、空気中にて冷却、固
化し、未延伸繊維を得た。さらに該未延伸繊維を次の条
件で延伸した。
【0027】三台のゴデットロールを用いて二段延伸を
行なった。このとき第一延伸槽の熱媒はn−デカンであ
り、温度は 110℃、第二延伸槽の熱媒はトリエチレ
ングリコールであり、温度は 145℃であった。槽の
有効長はそれぞれ50cmであった。延伸に際しては、
第1ゴデットロールの回転速度を0.5m/分として第
3ゴデットロールの回転速度を変更することにより、所
望の延伸比の配向繊維を得た。第2ゴデットロールの回
転速度は安定延伸可能な範囲で適宜選択した。初期に混
合されたパラフィンワックスは、ほぼ全量が延伸時n−
デカン中に抽出された。このあと配向繊維は水洗し、減
圧下室温にて一昼夜乾燥し、諸物性の測定に供した。な
お延伸比は、第1ゴデットロールと第3ゴデットロール
の回転速度比から計算で求めた。
【0028】<引張特性の測定>弾性率および引張強度
は、島津製作所製DCS−50M 型引張試験機を用い
、室温(23℃)にて測定した。この時クランプ間の試
料長は 100mmであり、引張速度 100mm/分
(100%/分歪速度)であった。弾性率は初期弾性率
で接線の傾きを用いて計算した。計算に必要な繊維断面
積は密度を0.960g/cc として重量から計算で
求めた。
【0029】<熱履歴後の引張弾性率、強度保持率>熱
履歴試験は、ギヤーオーブン(パーフェクトオーブン:
田葉井製作所製)内に放置することによって行なった。 試料は約3mの長さでステンレス枠の両端に複数個の滑
車を装置したものに折り返しかけて試料両端を固定した
。この際試料両端は試料がたるまない程度に固定し、積
極的に試料に張力はかけなかった。熱履歴後の引張特性
は、前述の引張特性の測定の記載に基づいて測定した。
【0030】<耐クリープ性の測定>耐クリープ性の測
定は、熱応力歪測定装置TMA/SS10(セイコー電
子工業社製)を用いて、試料長1cm、雰囲気温度70
℃、荷重は室温での破断荷重の30%に相当する重量の
促進条件下で行なった。クリープ量を定量的に評価する
ため以下の二つの値を求めた。すなわち、試料に荷重を
加えて90秒経過時のクリープ伸び(%)CR90の値
と、この90秒経過時から 180秒経過時の平均クリ
ープ速度(sec−1) εの値である。得られた延伸
配向繊維を複数本束ねたマルチフィラメントの引張特性
を表1に示す。
【0031】
【0032】超高分子量エチレン・ブテン−1共重合体
延伸フィラメント(試料−1)の本来の結晶融解ピーク
は126.7 ℃、全結晶融解ピーク面積に対するTp
 の割合は33.8%であった。また耐クリープ性はC
R90=3.1 %、ε=3.03×10−5sec−
1 であった。さらに 170℃、5分間の熱履歴後の
弾性率保持率は102.2 %、強度保持率は102.
5 %で熱履歴による性能の低下は見られなかった。ま
た、延伸フィラメントの破断に要する仕事量は10.3
kg・m/gであり、密度は 0.973g/cm3 
であり、誘電率は2.2 であり、誘電正接は0.02
4 %であり、インパルス電圧破壊値は 180kV/
mm であった。マルチフィラメントの結節強度、ルー
プ強度の直線強度に対する低下率は、それぞれ38%、
36%であった。
【0033】参考例2 <超高分子量ポリエチレンの重合>チーグラー系触媒を
用いて、n−デカン1リットルを重合溶媒として超高分
子量ポリエチレンのスラリー重合を行なった。重合に先
立って反応器中にエチレンガスと水素ガスとの混合ガス
を圧力5kg/cm2(うち水素ガス分圧 0.2kg
/cm2)となる様に充満させ、以後、エチレンガスの
みを重合圧力を5kg/cm2を保つ様に供給した。重
合は反応温度70℃で2時間で終了した。得られた超高
分子量ポリエチレンの収量は 170gで極限粘度[η
](デカリン:135℃)は7.42 dl/gであっ
た。
【0034】<超高分子量ポリエチレン重合体延伸配向
物の調整>超高分子量ポリエチレン(ホモポリマー)粉
末(極限粘度[η]=7.42 dl/g、デカリン、
135 ℃):20重量部とパラフィンワツクス(融点
=69℃、分子量=490):80重量部の混合物を参
考例1と同様の方法で溶融紡糸し、延伸し、延伸配向繊
維(試料−2)を得た。得られた延伸配向繊維を複数本
束ねたマルチフィラメントの引張特性を表2に示す。
【0035】超高分子量ポリエチレン延伸フィラメント
(試料−2)本来の結晶融解ピークは135.1 ℃、
全結晶融解ピーク面積に対するTp の割合は8.8 
%であった。 また同様に全結晶融解ピーク面積に対する高温側ピーク
Tp1の割合は1%以下であった。耐クリープ性はCR
90=11.9%、ε=1.07×10−3sec−1
 であった。また 170℃、5分間の熱履歴後の弾性
率保持率は80.4%、強度保持率は78.2%であっ
た。さらに試料−3の破断に要する仕事量は10.2k
g・m/gであり、密度は 0.985g/cm3 で
あり、誘電率は2.3 、誘電正接は0.030 %で
あり、インパルス電圧破壊値は 182kV/mm で
あった。マルチフィラメントの結節強度、ループ強度の
直線強度に対する低下率は、それぞれ54%、52%で
あった。
【0036】実施例1 参考例1で得られた超高分子量エチレン・ブテン−1共
重合体の分子配向成形体(試料−1)を用いて公知の無
結節ネット編網機により、目合い37.5mm、部材構
成:1000デニール/100フィラメント×10の無
結節ネットを編網した。次いでこの無結節ネットの強度
をJIS L−1043を(1節2本)に準拠して測定
した。結果を表3に示す。
【0037】実施例2 参考例2で得られた超高分子量ポリエチレンの分子配向
成形体(試料−2)を用いて、実施例1と同じ方法で目
合い37.5mm、部材構成1000デニール/100
フィラメント×10の無結節ネットを編網した。このネ
ットの強度を実施例1と同じ方法で測定した。結果を表
3に示す。
【0038】実施例3 試料−2の超高分子量ポリエチレンの分子配向成形体を
用いて実施例1と同じ方法により目合い37.5mm、
部材構成1000デニール/100フィラメント×25
の無結節ネットを編網し強度を測定した。結果を表3に
示す。
【0039】比較例 市販のポリエチレン製目合い37.5mm、部材構成4
00デニールモノフィラメント×44本の無結節ネツト
を入手し実施例1と同じ方法によりネットの強度を測定
した。
【0040】結果を表3に示す。
【0041】上記のように、超高分子量エチレン系重合
体の分子配向成形体からなる落石防止ネットは、市販の
ポリエチレン系ネットに比較して、部材径を約4割細径
化しても同等以上の強度を有するネットを提供すること
が出来ると共に、施工、撤去に労力を軽減出来るメリッ
トがある。また部材径を従来品と同等にすれば2倍以上
の強度があるネットを供給出来、大きな岩石の落下が予
想される場所へ、変形自在に容易に施工することを可能
にした。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  極限粘度[η]が少なくとも5dl/
    gである超高分子量エチレン系重合体の分子配向成形体
    からなる落石防止用ネット。
  2. 【請求項2】  超高分子量エチレン系重合体が、炭素
    数3個以上のα−オレフィンを、炭素数1000個あた
    り平均0.1 ないし20個含有する、エチレンとα−
    オレフィンの共重合体である請求項1記載の落石防止用
    ネット。
  3. 【請求項3】  α−オレフィンが、ブテン−1、4−
    メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1およ
    びデセン−1からなる群から選ばれた1種または2種以
    上のものである請求項2記載の落石防止用ネット。
  4. 【請求項4】  α−オレフィンの含有量が、炭素数1
    000個あたり平均0.5 ないし10個である請求項
    2記載の落石防止用ネット。
JP14627591A 1990-11-26 1991-06-18 落石防止用ネット Withdrawn JPH04250206A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008007986A (ja) * 2006-06-28 2008-01-17 Toray Monofilament Co Ltd 落石防護用合成樹脂製網状体およびその製造方法
JP2016523324A (ja) * 2013-06-27 2016-08-08 プファイファー イゾファー アクチェンゲゼルシャフト 岩石及び岩石斜面を固定する網
JP2020506669A (ja) * 2017-01-27 2020-03-05 オフィシネ マッカフェリイ ソシエタ ペル アチオニ 弾性の高いループを備えた防護ネット

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