JPH0515315U - 電池パツク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 電池２、出力リード線６および他の電気部品
が実装されたプリント配線基板５を保護ケース１に封入
固定し、出力リード線６をケース外へ導出した電池パッ
クにおいて、プリント配線基板５と出力リード線６用の
導出口１０との間に円筒状のフェライトコア１６を配置
し、その筒壁に出力リード線６の中途部を巻き付け、ケ
ース内にノイズフィルタＦを設ける。 【効果】 フェライトコア１６を利用したノイズフィル
タＦを保護ケース１内に設けるので、フェライトコア１
６が電池パックの周辺部材や配線パターンと接触するこ
とを防止し、併せて不適切なコネクタ操作の誘発を解消
できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、コンピュータメモリや産業ロボットのコントローラなどのバック アップ電源として、あるいはシーケンサなどの主電源として使用される電池パッ クに関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種の電池パックとして実開平２−１７９４０号公報の電池パックが公知で ある。さらに、本出願人は、前記電池パックを発展改良した耐振型の電池パック を先に提案している（実願平２−１０６９１９号）。これは、電池、保護抵抗、 ダイオード等の全ての部品をプリント配線基板に半田付けし、さらに実装済み基 板を箱状のプラスチックケースに溶着固定して、各構成部品がケース内で遊動す ることを防止し、外部振動による接続不良や断線の発生を解消したものである。 ケース外には出力リード線が導出されており、その線端にコネクタが装着されて いる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記のように、プラスチックケースに電池およびプリント配線基板などを封入 した電池パックにおいては、極く僅かではあるが電池およびプリント配線基板か らノイズ（障害電波）を発生することが知られている。電池の使用形態によって は、発生したノイズを原因とするデータの破壊や機器の誤動作を生じるおそれが あり、その対策が望まれていた。 この種のノイズ対策として、円筒状ないしはリング状のフェライトコアを用い ることは公知であり、例えば、電子機器の電源コードやインターフェースケーブ ルに多用されている。

【０００４】 電池パックにおいてフェライトコアを用いたノイズ対策を行う場合、従来の一 般的な使用形態に従えば、フェライトコアの円筒壁の内外にケースから導出した 出力リード線を数回巻き付けることになる。つまり、フェライトコアは出力リー ド線の中途部に配置される。 しかし、こうしたコア配置では、電池パックをコンピュータの外装ケースや回 路基板に取り付けた状態において、フェライトコアが出力リード線の範囲内で遊 動でき、例えば、回路の点検時にフェライトコアが回路基板上の実装部品や配線 パターンに接触してショートさせることがある。さらに、コネクタが小さく操作 しずらいため、フェライトコアをつかんだ状態でコネクタを抜き外し操作するこ とが多く、出力リード線のコネクタとの接続部で断線や接続不良を生じやすかっ た。

【０００５】 この考案の目的は、ノイズに起因するデータの破壊や機器の誤動作を解消でき る信頼性の高い電池パックを得るについて、フェライトコアの他物との接触によ る回路ショートや、不適切なコネクタ操作の誘発を解消することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案は、保護ケース１の内部に、少なくとも電池２と出力リード線６を実 装したプリント配線基板５が封入されて、ケース内壁に溶着固定してあり、保護 ケース１の周壁に設けた導出口１０から前記出力リード線６をケース外へ導出し 、その線端にコネクタ７が装着してある電池パックを前提とし、 プリント配線基板５と導出口１０との間のケース内空間に円筒状のフェライト コア１６を配置し、このフェライトコア１６の筒壁の内外面に出力リード線６の 中途部を巻き付けてノイズフィルタＦを構成した点に特徴を有する。

【０００７】

【作用】

保護ケース１の内部にノイズフィルタＦを配置するのは、フェライトコア１６ が出力リード線６と共に遊動して他物と接触することを避け、併せてコネクタ７ がフェライトコア１６をつかんだ状態で抜き外し操作されることを避けるためで ある。

【０００８】

【考案の効果】

以上のように、保護ケース１の内部にフェライトコア１６を配置し、ケース内 においてノイズフィルタＦを構成したこの考案の電池パックによれば、電池パッ クをコンピュータメモリの補助電源等に適用した状態において、フェライトコア １６が電池パックの周辺の電子部品や配線パターンと接触することを解消でき、 併せて、フェライトコア１６をつかんだ状態で不適切なコネクタ操作が行われる ことを防止できる。従って、耐振機能を備えた電池パックに、新たにノイズ除去 機能を付加するについて、その適用状態における信頼性を向上しながら、従来の 電池パックと同様に容易に取り扱うことができる。

【０００９】

【実施例】

図１ないし図３は本考案に係る電池パックの実施例を示す。 図１において、電池パックは角箱状の保護ケース１と、その内部に収容された ２個の電池２、２個のダイオード３、抵抗４と、これらの部材が取り付けられる プリント配線基板（以下単に基板と言う）５と、ノイズフィルタＦ、および保護 ケース１の外部に導出された出力リード線６と、コネクタ７などで構成されてい る。

【００１０】 保護ケース１は、上面が開口するケース本体１ａと、これの開口を塞ぐケース 蓋１ｂとからなり、両者共難燃性のＡＢＳ樹脂で成形されている。図１および図 ３に示すようにケース本体１ａは、内底に２個の支持突起９を長辺部と平行に突 設し、一方の短辺部の隅寄りに出力リード線６用の導出口１０を設け、さらに、 導出口１０が位置する隅部寄りの内底にがた止め片１１を設けてなる。

【００１１】 基板５は、ガラス繊維をエポキシ樹脂で固めた絶縁板で形成され、その下面側 に配線パターンをプリントし、さらに電池２、ダイオード３、抵抗４、および出 力リード線６の取付位置に応じてスルーホールを通設したものである。また、基 板５の一方の長辺部の一端寄りをコ字状に切り落として、ケース本体１ａのがた 止め片１１に対応する係合部１４を形成している。この係合部１４は、基板５の 組み込み方向と姿勢を特定する目印となっており、組付時の作業性を向上するこ とにも役立っている。

【００１２】 電池２は筒形のリチウム電池からなり、正極側にリードピン２ａを、負極側に リード端子２ｂを有する。これらリードピン２ａおよびリード端子２ｂを、基板 ５のスルーホールに上面側から差し込み、下面側で配線パターンに半田付けする ことにより、電池２が他の部材と電気的に接続され、基板５と一体化される。２ 個のダイオード３および抵抗４も同様に基板５に半田付けされる。 図１において、出力リード線６はがた止め片１１を設けた側壁と電池２との間 の基板実装面、つまり電池２の長手方向に沿って確保されたパーツ実装面５ａに 半田付けされており、前記ダイオード３および抵抗４も、このパーツ実装面５ａ に半田付けしてある。

【００１３】 電池２あるいは基板５から発生するノイズの漏洩を防ぐために、保護ケース１ の内部にノイズフィルタＦを設けている。図１および図２に示すように、ノイズ フィルタＦは円筒状のフェライトコア１６の筒壁の内外面に出力リード線６の中 途部を巻き付けて構成する。フェライトコア１６はその筒軸がほぼ垂直になる状 態で、がた止め片１１と導出口１０が挟むケース内隅に配置され、その底壁の一 部ががた止め片１１で支持されている。 このように、ノイズフィルタＦを導出口１０の内側に面して配置すると、出力 リード線６がケース外方へ向かって引っ張られるとき、フェライトコア１６がケ ース内壁に接当して外力に対抗するので、出力リード線６の半田付け部に外力が 作用することを防止できる。また、フェライトコア１６は、ケース内隅壁と電池 ２、およびがた止め片１１によって動きが抑制され、さらに筒壁に巻き付けた出 力リード線６で移動規制されるので、たとえ恒常的に外部振動が作用する状況下 においても、その位置を保持し続けることができる。

【００１４】 全ての部材が半田付けされた実装済み基板５は、その係合部１４ががた止め片 １１と密接係合する状態でケース本体１ａに収め、基板５の下面を支持突起９に 当て付けて超音波溶着を行い保護ケース１と一体化する。次に、ケース蓋１ｂを ケース本体１ａに被せ付け、同様に超音波溶着を行って、両者を一体化する。

【００１５】 がた止め片１１の形成位置をずらし、これとケース内隅壁との間にノイズフィ ルタＦを収容するための区室を形成することができる。 保護ケース１に収容する電池２は１個だけの場合もある。 主回路側にダイオードと保護抵抗が設けてある場合には、基板５に実装したダ イオード３と抵抗４を省略することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】ケース蓋を破断して電池パックの内部構造を示
す平面図である。

【図２】図１におけるＡ−Ａ線断面図である。

【図３】図１におけるＢ−Ｂ線断面図である。

【符号の説明】

１ 保護ケース ２ 電池 ３ ダイオード ４ 抵抗 ５ プリント配線基板 ６ 出力リード線 ７ コネクタ １０ 導出口 １６ フェライトコア Ｆ ノイズフィルタ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 保護ケース１の内部に、少なくとも電池
   ２と出力リード線６を実装したプリント配線基板５が封
   入されて、ケース内壁に溶着固定してあり、 保護ケース１の周壁に設けた導出口１０から前記出力リ
   ード線６をケース外へ導出し、その線端にコネクタ７が
   装着してある電池パックであって、 プリント配線基板５と導出口１０との間のケース内空間
   に円筒状のフェライトコア１６を配置し、このフェライ
   トコア１６の筒壁の内外面に出力リード線６の中途部を
   巻き付けてノイズフィルタＦを構成した電池パック。