JPH0515021Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、外来者の確認及び防備の為に玄関等
の扉に用いて好適な用心錠のトリガー機構に関す
る。

〔従来の技術〕

従来、用心錠において、サムターン及びシリン
ダーにて回転操作される回転送り部材の回転操作
に連動してデツドボルトを一段階前進せしめ、竪
枠にスライド自在に取り付けたアームの係合孔と
係合する用心錠状態と、更にデツドボルトを一段
階前進せしめて上記アームの係合孔と、竪枠に固
定した受け部材の係合孔に夫々係合する施錠状態
と、デツドボルトを後退した解錠状態との各状態
に切換え可能に構成したものは公知である。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上述用心錠によると、開扉状態
でデツドボルトが誤つて突出され、その状態で閉
扉されると、竪枠に取付けられているアーム及び
受け部材とデツドボルトとが閉扉力によつて突き
当り、これら部材を破損したり、又用心錠状態で
アームを持ち出している時にデツドボルトが更に
突出され、この状態で閉扉されるとアームが変形
される等して使用不能となる等の問題点がある。

本考案は上記問題点を解消しようとしたもの
で、ケース内にトリガーをケース前部開口部から
前方へ突出させて前後方向へ摺動可能に、かつバ
ネにより前方へ突出付勢せしめて閉扉時、竪枠の
受け部材と当接して後退可能に取り付け、開扉状
態ではトリガーがバネ力によつて突出されること
によりデツドボルトの送り機構が作動されないよ
う構成することによつて、開扉時、デツドボルト
が誤操作により送り動作されないようにし、もつ
てデツドボルト、アーム、受け部材等の破損等を
防止できるようにしたトリガー機構を提供しよう
とするのが、その目的である。

〔問題点を解決する為の手段〕

即ち本考案は、サムターン又はシリンダー錠の
回転操作に連動する送り機構によつて扉の開放端
側に埋設されたケースの前部開口部からデツドボ
ルトが多段階に突出され、竪枠に回転かつ摺動可
能に支持されたアーム及び竪枠に固定された受け
部材の各係合孔と係合して用心錠状態及び施錠状
態に切換え可能に設けてなる用心錠において、前
記ケース内にトリガーをケース前部のガイド孔か
ら突出可能にかつ前後方向へ摺動可能に、かつバ
ネにより前方へ付勢せしめて閉扉時竪枠に装備し
た部材と当接して後退可能なるよう取り付け、該
トリガーに、開扉時に前方へ突出した状態におい
て上記送り機構を不動作状態に拘束する為の突部
を設けて構成し、前記問題点を解決したのであ
る。

〔実施例〕

以下本考案の実施例を示した図面に基づいて詳
述すれば、用心錠は第１図ないし第３図に示した
ように、ケース１にデツドボルト２がケース前部
に開設した開口部３から出没可能なるよう前後方
向（図において左右方向）へ摺動自在に内装させ
てあり、サムターン４又はシリンダー錠５の回転
操作に連動するようケース１に内装したデツドボ
ルト送り機構６によつてデツドボルト２は、その
先端が上記開口部３から突出しない解錠状態と、
一段階突出して竪枠３３にビスで固定された受け
部材８に回転かつ摺動可能に支持されたアーム７
の係合孔７ａに係合される用心錠状態と、更に一
段階突出してアーム７の係合孔７ａと受け部材８
の係合孔８ａとに夫々係合される図示の施錠状態
との三段階に作動されるよう構成されている。

そしてトリガー機構は次のように形成されてい
る。

上記ケース１の底壁１ａから立設したガイド板
９と、ケース１の前壁１ｂに夫々ガイド孔１０，
１１を前後方向へ同軸的に貫通し、該各ガイド孔
１０，１１に挿通してトリガー１２を前後方向へ
摺動可能に、かつ該トリガー１２の略中央部から
上方へ突出して形成した突部１２ａと、上記ガイ
ド板９に端部を夫々支持して外装したバネ１３に
より前方へ突出するよう付勢せしめて配置させて
ある。

かくしてケース１を扉３４の開放端側に埋め込
み、ビス１５……止めにより固定した使用状態に
おいて、第１図、第２図に示した如く扉３４を閉
じた時、図示例では上記受け部材８にトリガー１
２の先端１２ｂが当接することによりバネ力に抗
して後退するよう上記トリガー１２は設けてある
と共に、該トリガー１２が後退している時は、上
記送り機構６がデツドボルト２を出没するべく動
作可能に、又扉３４が開かれた時は、上記トリガ
ー１２がバネ力によつて前方へ突出することで、
上記送り機構６の動作がトリガー１２の突部１２
ａによつて阻止されるよう構成させてあり、この
ことにより開扉時において、サムターン４又はシ
リンダー錠５にて送り機構６がデツドボルト２を
送り出す方向へ誤動作されないようにしてある。

こゝで、上記トリガー１２の先端１２ｂは、閉
扉動作により円滑に上記受け部材８と当接して後
退されるよう曲面等に設けるのが良い。

又上記送り機構６は第１図及び第２図の実施例
では、ケース１にシリンダー錠から突出して設け
られたセンターバー１４でもつて回転自在に支持
されたハブ１５と、ケース１内に一端を支軸１６
にて枢着して上下方向へ揺動可能に設けた揺動板
１７と、該揺動板１７を、上記ハブ１５側へ押し
上げ付勢するバネ１８とで形成させてある。又デ
ツドボルト２は、同ボルト２と一体の胴板２ａに
横長孔１９，２０を上部と中央部に夫々開設し、
その中央部の横長孔２０に上記センターバー１４
を挿通すると共に、上部の横長孔１９にケース１
へ架設した支軸２１をスライド自在に挿通させる
ことによつて、ケース１内に前後方向へ摺動自在
に配置されている。

又、中央部の横長孔２０の下縁に縦長に送り溝
２２を設けて、上記ハブ１５の先端１５ａから横
方向へ突設したピン２３を係嵌することにより、
ハブ１５の回転操作でデツドボルト２を送り動作
するよう形成させてある。

又、上記揺動板１７の上縁には、上記ハブの先
端１５ａと係脱自在に係合可能な三箇の凹部２
４，２５，２６を前後方向へ所望間隔毎に設けて
あり、各凹部２４，２５，２６に上記ハブ先端１
５ａが係合することでデツドボルト２を上記各状
態に保持するよう形成してあるので、上記デツド
ボルト２を送り動作すべくハブ１５が回転される
にはその先端１５ａが、嵌合されている凹部から
一旦外れ、揺動板１７をバネ力に抗して押し下げ
ながら回転して、他方の凹部と嵌合するように作
動するので、揺動板１７の下縁に上記トリガー１
２の突部１２ａを突き合わせて当該揺動板１７の
下動を阻止することで、上記ハブ１５の回転を阻
止し、デツドボルト２を送り動作されないように
してある。

又、上記トリガー１２が閉扉時の後退位置にお
いては、上記突部１２ａを受容可能な凹部２７を
揺動板１７の下縁に設けてあり、該凹部２７に突
部１２ａが挿入されることで揺動板１７は自由に
上下揺動可能となつてデツドボルト２を送り動作
できるようにしてある。

第３図に示す送り機構６は、サムターン４又は
シリンダー錠５によつて回転操作可能に設けた円
盤２８から二本の回転ピン２９，３０を並行に突
設し、該回転ピン２９，３０の回転操作により当
該回転ピン２９又は３０がデツドボルト２の送り
溝２２と係合してデツドボルト２を送り動作する
よう形成させてあると共に、ケース１内に摺動板
３１を上下方向へ摺動自在に、かつバネ１８によ
り押し上げ付勢せしめて、上記回転ピン２９，３
０に当接させ、上記回転ピン２９，３０の回転に
より摺動板３１がバネ力に抗して押し下げられる
と同時にデツドボルト２が送り動作され、該デツ
ドボルト２に設けたガイドピン３２が摺動板３１
に連通状態に設けてある三箇の凹部２４，２５，
２６と係合してデツドボルト２を各状態に保持す
るよう形成させてある。

かゝる実施例では、トリガー１２を第１図の実
施例と同様に形成し、突部１２ａの挿入する凹部
２７は摺動板３１の下縁に設けられる。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案に係る用心錠のトリ
ガー機構は構成したから、閉扉時は竪枠３３、又
はこれに装着されている受け部材８とトリガー１
２が当接することにより、該トリガー１２はバネ
力に抗してケース１内に後退保持されこの状態で
はトリガー１２の突部１２ａによるデツドボルト
送り機構６の拘束は解かれていることにより、デ
ツドボルト２を各状態に段階的に送り動作できて
用心錠として機能させることができるが、扉３４
が開かれることでトリガー１２はバネ９によつて
押し出され、その突部１２ａによつて上記送り機
構６を不動作状態に拘束するようにしたので、開
扉時においてサムターン４やシリンダー錠５を介
して上記送り機構６が誤操作されることはなくな
り、もつて、デツドボルト２が突出された状態で
閉扉される場合、又は用心錠状態でアーム７がデ
ツドボルト２によつて持ち出されている時に、デ
ツドボルト２が誤操作により更に突出された状態
で閉扉されることによつてデツドボルト２とアー
ム７、受け部材８等が激突して生じるアーム７の
変形や、これら部品の破損を防止することがで
き、又トリガー１２は扉３４の開閉に連動して突
出、又は後退する構成としたから特別な操作を必
要とせず所期の目的を達成することができ、更に
構造的には極めて簡単であるから安価に製作で
き、かつ故障発生要素はほとんどないから耐久性
に優れる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る用心錠のトリガー機構の
実施例を一部断面して示す施錠状態の正面図、第
２図は同実施例における施錠状態の平面図、第３
図は本考案の他の実施例を示す正面図である。 １……ケース、２……デツドボルト、４……サ
ムターン、５……シリンダー、６……送り機構、
７……アーム、８……受け部材、７ａ，８ａ……
係合孔、１１……ガイド孔、１２……トリガー、
１２ａ……突部、１３……バネ、３３……竪枠。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. サムターン４又はシリンダー錠５の回転操作に
   連動する送り機構６によつて扉３４の開放端側に
   埋設されたケース１の前部開口部３からデツドボ
   ルト２が多段階に突出され、竪枠３３に回転かつ
   摺動可能に支持されたアーム７及び竪枠に固定さ
   れた受け部材８の各係合孔７ａ，８ａと係合して
   用心錠状態及び施錠状態に切換え可能に設けてな
   る用心錠において、前記ケース内にトリガー１２
   をケース前部のガイド孔１１から突出可能にかつ
   前後方向へ摺動可能に、かつバネ１３により前方
   へ付勢せしめて閉扉時、竪枠に装備した部材と当
   接して後退可能なるよう取り付け、該トリガー
   に、開扉時に前方へ突出した状態において、上記
   送り機構を不動作状態に拘束する為の突部１２ａ
   を設けてなることを特徴とする用心錠のトリガー
   機構。