JPH05149112A - セラミツクバルブの製造方法 - Google Patents

セラミツクバルブの製造方法

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JPH05149112A
JPH05149112A JP33569191A JP33569191A JPH05149112A JP H05149112 A JPH05149112 A JP H05149112A JP 33569191 A JP33569191 A JP 33569191A JP 33569191 A JP33569191 A JP 33569191A JP H05149112 A JPH05149112 A JP H05149112A
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valve
ceramic
ceramic valve
silicon nitride
grinding
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Shigeo Inoue
茂夫 井上
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 破損に対して信頼性の高いセラミックバルブ
を製造する方法を提供する。 【構成】 所望のバルブ形状に成形したセラミック成形
体を焼成した後、研削加工し、さらに熱処理を施して、
前記研削加工により生じたクラックを消滅させる方法で
あり、特にセラミックバルブがSi3 4 系のセラミック
スからなる場合には、前記熱処理として1000〜13
00℃で1時間以上の加熱を行う方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセラミックバルブを製造
する方法に関し、さらに詳しくは、焼成後の加工により
生じた傷及びクラックを消滅させ、破損に対して信頼性
の高いセラミックバルブを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
【0003】内燃機関に用いられるバルブは、一般に図
1に示す形状を有する。バルブ1は、端部に環状の溝部
3を有する軸部2と、首部4と、傘部5とからなる。な
お、傘部5の首部4側のテーパ面51は、フェース部と
呼ばれ、内燃機関の吸排気口のバルブシートに当接する
部位である。
【0004】このバルブ1は、コッタを介してリテーナ
に固定される。すなわち、図2に示すように、バルブ1
の軸部2の端部に形成された環状の溝部3に、コッタ7
が、その凸部を嵌入するように装着され、その外側にリ
テーナ8が装着される。なお、リテーナ8はスプリング
12を受ける部位となる。一方、傘部5は内燃機関の燃
焼室側に配置され、吸排気口の開閉を行う部位となる。
内燃機関の運転時に、バルブ1はその軸線に沿った方向
に往復運動する。
【0005】従来より、このような内燃機関の吸排気用
バルブは金属製のものが一般的であるが、最近では、高
出力、高回転の内燃機関が求められるようになり、それ
に伴って、バルブも機械的及び熱的により過酷な環境に
耐えられるものが必要となってきた。また、従来のバル
ブを形成する金属は概ね比重が7〜8程度であるが、内
燃機関の性能向上等の理由からバルブの軽量化も望まれ
ている。
【0006】そこで、比較的軽量で(比重が3〜4程
度)、かつ耐熱性、耐摩耗性、耐酸化性、耐腐食性等に
優れたセラミックスをバルブに使用することが試みら
れ、実用化に向けての研究開発が行われている。バルブ
形成用のセラミックスとしては、窒化珪素、炭化珪素、
サイアロン等が挙げられるが、それらの中では、特に窒
化珪素系セラミックスが有望視されている。窒化珪素系
セラミックスは比重が3.2程度で比較的軽量であり、
また耐摩耗性、耐酸化性、耐腐食性等に優れ、耐熱性に
も良好である。
【0007】しかしながら、窒化珪素を始めとするセラ
ミックスは一般に靭性が低いという欠点を有する。すな
わち、製造の段階で微小な欠陥が導入されると、そこか
ら容易にクラックが成長し、セラミックス自体が破壊し
やすい。そこで、厳密な製造プロセスの制御を行い、製
造段階における欠陥の発生を極力抑えなくてはならな
い。
【0008】表面を研磨していないセラミックバルブを
エンジン(内燃機関)に装備して運転すると、環状の溝
部3において最も応力が集中し、その部分で破損するお
それがある。実際に、環状の溝部3の表面を研磨してい
ないセラミックバルブをエンジンに装備して試験してみ
ると、この部分で破損する場合がある。また、本発明者
は、図1に示す形状のセラミックバルブにおいて、内燃
機関の運転中に発生する応力を有限要素法により解析し
たが、環状の溝部3において最大引張応力が発生すると
いう結論を得た。これは、上記した試験で環状の溝部3
での破損がみられるという事実と一致している。
【0009】セラミックバルブの製造は、一般に、(1)
射出成形や鋳込み成形等によりセラミック成形体を製造
するプロセス、(2) この成形体を脱脂するプロセス、
(3) 焼成プロセス、(4) 得られた焼成体を研削加工する
プロセスの4つのプロセスからなるが、焼成プロセスま
でに発生した欠陥は、HIP処理等を施すことによりあ
る程度除去することができる。しかしながら、最終プロ
セスである研削加工プロセスにおいて発生する欠陥(研
削による表面傷、クラック等)は避けることができな
い。セラミック部材では、部材表面の加工粗さもその部
材の強度を大きく左右する。すなわち、研削加工で粗い
表面が得られ加工傷が生じると、この加工傷が破壊の原
因になりやすい。したがって、この研削加工では、用い
る砥石の粗さを制御し(具体的にはなるべく目の細かい
ものを用い)、加工表面の粗さを小さくしてセラミック
部材の破壊に到るような加工傷の導入を極力さける方策
がとられている。たとえば、特開平2−104907号
には、内燃機関用セラミック弁の製造方法として、軸部
の環状溝部の表面粗さを特定の粗度以下に仕上げる研磨
を施す方法が開示されている。
【0010】しかしながら、上述の方法でセラミック部
材の加工表面の粗さを小さく制御したとしても、加工に
よる傷(表面に生じるクラック)を確実に防止すること
は難しく、信頼性を確保することはできない。また、加
工表面の粗さが小さくなるように研削、研磨するのは加
工時間や加工費用の増大を生み、コストアップとなる。
【0011】したがって本発明の目的は、破損の心配が
なく信頼性が高いセラミックバルブを製造する方法を提
供することであり、特に、窒化珪素系のセラミックスか
らなるバルブにおいて、コッタが嵌合する環状の溝部で
の破壊を確実に防止できるようなセラミックバルブの製
造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく鋭意検討を重ねた結果、焼成して得たセラミ
ックバルブを研削加工した後に、そのセラミックバルブ
の材質にあった温度で熱処理すれば、研削加工により生
じた傷(クラック)を消滅させることができ、信頼性の
高いセラミックバルブとすることができることを発見し
た。また、この熱処理を行えば、最も破損しやすい環状
の溝部でも、表面粗さが特に小さくなるように研削加工
せずとも破壊を防止できることを発見し、本発明を完成
した。
【0013】すなわち、セラミックバルブを製造する本
発明の方法は、所望の形状に成形した成形体を焼成した
後、研削加工し、さらに熱処理を施して、前記研削加工
により生じたクラックを実質的に消滅させることを特徴
とする。
【0014】特に前記セラミックバルブがSi3 4 系の
セラミックスからなる場合、前記熱処理を1000〜1
300℃で1時間以上とするのがよい。
【0015】以下、窒化珪素系のセラミックスによりバ
ルブを製造する場合を例にとり、本発明を説明する。
【0016】窒化珪素系のセラミックスからなるバルブ
を製造する場合、原料となる窒化珪素原料粉は高純度で
あることが望ましく、Fe、Ca、Al、Cl等の不純物元素は
100ppm以下であることが好ましい。また、不純物元素と
しては、上記したもの以外に窒化珪素粉末に不可避的に
存在する酸素も挙げられるが、窒化珪素粉末の酸素含有
量は、窒化珪素粉末に対して0.5〜2.0重量%であ
るのがよい。酸素含有量が0.5重量%未満であると、
焼結性が低下する。また、2.0重量%を超すと、粒界
相の融点が低下し、良好な高温強度が得られない。
【0017】窒化珪素粉末は、微粉であることが望まし
く、かつ粒度分布が狭いことが望ましい。粒径が細いこ
とで焼結助剤と反応し溶解、再析出する際に核発生の場
所が多くなり、結果として組織は微細化される。また粒
径がそろわず、粗い粒子が多少存在すると、その部分の
組織が焼結の際に粗大化し、破壊源となる。粒径の目安
となるBET値は1m2 /g以上であるのが好ましく、
より好ましくは10m2 /g以上である。
【0018】窒化珪素にはその結晶系にα−型とβ−型
とがあるが、α型を多く含む窒化珪素粉を原料粉として
使用するのがよい。窒化珪素が高靭性を示すのはその結
晶の柱状晶化によるものであり、この柱状晶化はα−型
窒化珪素粉が焼結助剤と反応して液相を作り、再折出す
る際にα−型がβ−型に相変態することで助長されるか
らである。焼結体が高靭性を有するには窒化珪素粉の少
なくとも60%以上がα−型であるのがよい。より好まし
くは90%以上である。
【0019】焼結助剤としては、Al2 3 、Y2 3
MgO、ZrO2 等が挙げられるが、特にAl2 3 とY2
3 との混合物を用いるのがよい。Y2 3 は窒化珪素粉
と同様に高純度であることが必要である。不純物元素と
してはCe、Pr、Nd、Sm、Tb、Dy、Ca、Fe等が考えられる
が、それらをそれぞれ100ppm以下に抑えることが望まし
い。より好ましくは50ppm 以下に抑える。また粒径は、
窒化珪素粉末と同等又はそれ以上に微粉であることが好
ましい。従ってBET値は1m2 /g以上であるのが好
ましく、より好ましくは10m2 /g以上である。
【0020】またAl2 3 も同様に高純度であることが
必要である。不純物元素としては、Na、Ca、Mg、Fe、S
i、Ga、Cr等が考えられるが、それらは、それぞれ100pp
m以下とするのがよく、より好ましくは50ppm 以下とす
る。Al2 3 にはα−型、γ−型があるが、このどちら
を用いてもよい。ただし、α−型はBET値が最高10m
2 /g程度であり、一方γ−型はBET値が100 m2
g以上のものも存在するので、一般的にはγ−型のもの
が焼結助剤として適している。このどちらを使用するに
してもBET値が1m2 /g以上のものを用いるのが好
ましく、より好ましくは10m2 /g以上のものを使用す
る。
【0021】焼結助剤は、一般には、窒化珪素原料粉と
焼結助剤の合計を100重量%として10〜25重量%
程度とするのがよいが、焼結助剤としてY23 及びAl
2 3 を用いる場合、Y2 3 の配合量は焼結助剤を含
む原料粉全体に対して10〜20重量%とするのがよ
い。またAl2 3 の配合量は1〜5重量%とするのがよ
い。Y2 3 の配合量が10重量%未満であると粒界相
の結晶化が難しくなり、高温強度が低下する。またこれ
が20重量%を超すと、焼結性が急激に悪化する。一
方、Al2 3の配合量が1重量%未満であると焼結性が
低下する。また、これが5重量%を超すと、特に高温に
おいて強度の低下がみられる。
【0022】次に、上述した原料を用いたセラミックバ
ルブの製造方法について説明する。
【0023】まず、窒化珪素粉末と焼結助剤粉末とを混
合する。混合はボールミル法により行うのが確実でしか
も安価である。ボールミル法による混練の時間は長い程
好ましく、10時間以上とする。望ましくは78時間以上混
合する。このように両者を良く混合することにより、均
一な微細組織を得ることができる。
【0024】なお混練に使用するポット及びボールは、
原料粉の成分の一種又は二種以上の組合せの成分からな
るものを使用するのが好ましい。具体的には窒化珪素か
らなるものを使用するのが最適である。窒化珪素からな
るポット及びボールは高価であることから、アルミナ製
のポット及びボールを使用しても良い。これによりポッ
トやボールの摩耗による原料への異種成分の混入を防ぐ
ことができる。
【0025】また混練時の分散媒体としては、メチルア
ルコール、エチルアルコール、アセトン、水等を使用す
ることができる。
【0026】混練が終了したらスラリーを乾燥、造粒す
る。乾燥造粒法には大別して二つの方法がある。第一の
方法は乾燥により溶媒を除去(熱的に、または電子レン
ジ等により溶媒を除去)した後、ふるいにより造粒する
方法である。第二の方法はスプレードライヤーによる方
法で、乾燥と造粒を同時に行う方法である。本発明にお
いてはどちらの方法でも良い。
【0027】次に成形であるが、プレス成形、ラバープ
レス成形、射出成形、押し出し成形、鋳込み成形等のど
の成形法によっても図1に示すようなバルブ形状を有す
る成形体を製造することができるが、通常は、射出成形
法により成形するのが一般的である。
【0028】プレス成形、ラバープレス成形により成形
体を得たら、これを乾燥する。具体的には、50〜25
0℃で24時間以上の乾燥を行う。この乾燥によって成
形体中の不純物(水、アルコール、バインダー等)が除
去され、もって焼結体中の欠陥の生成が極力防止され
る。また、欠陥ができたとしてもそれは小さなものとな
る。
【0029】射出成形、押し出し成形により成形体を得
たら、脱脂処理を行わなければならない。脱脂処理とし
ては、成形体を水及びアルコール、又は射出成形体の場
合にはケトン等の有機溶媒、又はこれらの混合物に浸漬
し、成形体に含まれているバインダーの約50%を抽出
した後、乾燥し、得られた成形体を400〜600℃程
度に加熱することにより、完全にバインダーを除去する
ことができる。
【0030】上記で得られた成形体を焼成する。焼成は
公知の方法に従ってよい。Si3 4 、Y2 3 及びAl2
3 を上述した配合で混合した原料粉から焼結体を製造
する場合には、一般に、1750〜1900℃で1〜4
時間の焼成条件とする。また、そのときの雰囲気は、窒
素ガス雰囲気とするのがよく、最高焼成温度では、9気
圧程度の窒素ガス圧とするのがよい。
【0031】なお、焼結体中の欠陥(空孔等)を取り除
くために、必要に応じてHIP処理を施してもよい。
【0032】上記の焼結によりセラミックバルブ焼結体
を得たら、次に、所望の寸法になるように研削加工を行
う。特に、セラミックバルブの軸部の端部に設けた環状
の溝部は、軸部及び傘部のフェース部と同軸となるよう
に加工する必要がある。具体的には、軸部に対する環状
の溝部の同軸度(同心度)は0.1mm以内とするのが好
ましい。同軸度(同心度)がこれより大きくなると、エ
ンジン作動中にバルブは横振れを生じ、カムのプロファ
イルに追従できなくなり、ジャンプ、バウンス等を生じ
やすくなる。また、バルブに衝撃応力が作用しバルブ破
損の原因となる。
【0033】この研削加工では、ダイヤモンド砥石を用
いて行うのが一般的であるが、図面寸法を誤差範囲内で
達成できるものであれば特に砥石の粗さは限定されな
い。セラミック焼結体(バルブ)の加工面の表面粗さ
は、最大高さ(Rmax :加工傷で最も高い部分と最も低
い部分との差)で10μm以下とするのがよく、これを
達成できるように砥石、及び研削方法を適宜設定する。
【0034】所望の寸法となるように研削加工したら、
次に、熱処理を行う。熱処理は、大気下、窒素ガス雰囲
気下、又はアルゴンガス雰囲気下で行うのがよい。熱処
理の目的は、上記の研削加工により導入された微小クラ
ックを消滅させることにある。クラックを有するセラミ
ック焼結体を加熱すると、クラック成形面は閉じて(ク
ラックを形成する表面同士がくっつき)、クラックは消
滅する。
【0035】熱処理によりセラミック焼結体のクラック
が消滅するのは以下の理由によるものである。まず、セ
ラミック焼結体にクラックが発生するということは、ク
ラックを形成する表面があらたに生じるということであ
るが、焼結体等の固体では、一般に、表面エネルギーの
ほうが界面(粒界面又は粒内の結晶面)エネルギーより
大きい。したがって、クラックを有するセラミック焼結
体を活性化エネルギーが十分となるような高温に保持す
ると、対向するクラック形成面はお互いにくっついて
(クラックが閉じて)、結晶粒界面または結晶面を形成
しようとする。したがって、適度な熱処理を行うことに
より、研削加工で生じたクラックは閉じ、消滅する。
【0036】セラミックバルブが、上述した窒化珪素系
セラミックスからなる場合には、この熱処理を1000
〜1300℃で行うのがよい。また、この熱処理時間は
1時間以上とするのが好ましく、より好ましくは、2〜
4時間とする。
【0037】本発明を以下の具体的実施例によりさらに
詳細に説明する。
【実施例】実施例1〜10、比較例1〜10 Al2 3 製ポット中に、Si3 4 粉末(平均粒径0.4 μ
m、宇部興産(株)製)80重量%と、Y2 3 粉末
(平均粒径0.4 μm、日本イットリウム(株)製)15
重量%と、Al2 3 粉末(平均粒径0.03μm、旭化成
(株)製)5重量%とを投入し、エタノールを加え、20
φで1kgのAl2 3 製ボールで96時間の湿式ボールミル
混合を行った。
【0038】混合終了後、マントルヒータで乾燥した後
ふるいで造粒し、60メッシュ以下の混合粉を得た。こ
の混合粉をセラミックバルブ製造用の原料粉とした。
【0039】上記で得た原料粉100重量%に、射出成
形用バインダー36重量%を添加し、加圧ニーダで混合
した。混合後、ペレタイザーでペレット化し、これを用
いて射出成形により図1に示す形状の成形体を製造し
た。
【0040】得られた成形体を、水/アセトン/メタノ
ールが4/3/3となる組成の溶媒に浸漬し、5時間の
抽出脱脂を行った。この後、100℃/時の速度で42
0℃まで昇温し、420℃に2時間保持することにより
脱脂を完了した。
【0041】得られた成形体に対し、窒素ガス圧8.5
気圧中で、1850℃で1時間の焼結を行った。
【0042】得られた焼結体を研削加工して、所望の寸
法及び表面粗さに仕上げた。なおバルブの軸部2におい
て環状の溝部と軸端部との間の表面(図1におけるaの
部分の表面)は、粒度 400のダイヤモンド砥石で研
削加工を行ったが、環状の溝部3においては、この溝部
3と相補する形状のダイヤモンドホイール(粒度 12
0)を用いて研削、研磨を行った。
【0043】得られたセラミックバルブに対して、大気
炉中で、1200℃で1時間の熱処理を行った
【0044】次に、図3に示すように、熱処理を施した
セラミックバルブの溝部3にコッタ7を装着してスプリ
ングを取付け、スプリングリテーナ8により35kgf の
荷重で締めつけ、バルブ試験装置10に設置した。この
装置において、スプリングリテーナ8を装着したバルブ
1は、カム9により軸線方向に往復運動するように設置
されている。なお、バルブ1の傘部5側には、ガスバー
ナ14を用いて炎をあて、通常のエンジン内部と同様の
温度に保った。また、エンジンブロック11は、矢印で
示した部位で冷却水をあてて冷却した。試験装置、及び
試験条件は以下の通りとし、セラミックバルブの寿命
(破損するまでのサイクル数)を測定した。
【0045】(1) 試験装置 バルブ駆動方式: 直接駆動方式 バルブ配列 : DOHC スプリング荷重: 35kgf (着座時) 55kgf (リフト時) ばね定数 : 13.8kg/mm リフト量 : 6.5mm (2) 試験条件 回転数 : 3000rpm 温度 : 室温 結果を表1に示す。
【0046】また、比較として、焼結後の熱処理を行わ
なかった以外は実施例1と同様にして得たセラミックバ
ルブについて、実施例1と同様にして試験を行った。結
果を表1に合わせて示す。
【0047】 表1 例No. 寿命サイクル (1) 例No. 寿命サイクル 実施例1 5×107 以上 比較例1 6×104 実施例2 5×107 以上 比較例2 8×104 実施例3 5×107 以上 比較例3 3×104 実施例4 5×107 以上 比較例4 7×104 実施例5 5×107 以上 比較例5 2×105 実施例6 5×107 以上 比較例6 1.5 ×104 実施例7 5×107 以上 比較例7 3×103 実施例8 5×107 以上 比較例8 7×104 実施例9 5×107 以上 比較例9 6×104 実施例10 5×107 以上 比較例10 3.5 ×104 表1の注(1) :運転時間は5×107 サイクルまでとした。
【0048】表1からわかるように、各実施例のセラミ
ックバルブは、5×107 サイクルまでの運転中に破壊し
なかった。一方、熱処理を施さなかった各比較例のセラ
ミックバルブでは、試験中に破壊してしまった。
【0049】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明の方法で
は、焼結後に行う研削加工の後に熱処理を施し、研削加
工の工程で導入された微小クラックを消滅させているの
で、得られるセラミックバルブは、破損や破壊に対して
高い信頼性を有する。
【0050】また、最も破損しやすい環状の溝部でも、
比較的粒度の粗い砥石をもって切削加工することができ
るので、加工能率が向上し、加工コストを低く抑えるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 セラミックバルブの一例を示す側面図であ
る。
【図2】 セラミックバルブをコッタを介してリテーナ
に固定した状態の一例を示す部分断面図である。
【図3】 実施例及び比較例において用いた試験装置
に、セラミックバルブを装着した状態を示す部分断面図
である。
【符号の説明】
1 セラミックバルブ 2 軸部 3 環状の溝部 4 首部 5 傘部 7 コッタ 8 リテーナ 9 カム 10 試験装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックバルブを製造する方法におい
    て、所望のバルブ形状に成形した成形体を焼成した後、
    研削加工し、さらに熱処理を施して、前記研削加工によ
    り生じたクラックを消滅させることを特徴とするセラミ
    ックバルブの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法において、前記セ
    ラミックバルブがSi3 4 系のセラミックスからなり、
    前記熱処理を1000〜1300℃で1時間以上行うこ
    とを特徴とするセラミックバルブの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の方法において、前記Si
    3 4系のセラミックスが、Si3 4 75〜89重量
    %、Al2 3 1〜5重量%、及びY2 3 10〜20重
    量%からなることを特徴とするセラミックバルブの製造
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0679616A2 (en) * 1994-04-26 1995-11-02 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Method of producing silicon nitride ceramic component
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