JPH05148386A - 難燃性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性熱可塑性樹脂組成物

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JPH05148386A
JPH05148386A JP31467891A JP31467891A JPH05148386A JP H05148386 A JPH05148386 A JP H05148386A JP 31467891 A JP31467891 A JP 31467891A JP 31467891 A JP31467891 A JP 31467891A JP H05148386 A JPH05148386 A JP H05148386A
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JP
Japan
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compound
thermoplastic resin
halogen atom
flame
resin composition
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JP31467891A
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Yuichiro Tani
雄一郎 谷
Masao Kamikura
正雄 上倉
Mitsugi Yanagisawa
賦 柳沢
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 耐衝撃性ポリスチレン等の熱可塑性樹脂と、
トリス(トリブロムネオペンチル)フェスフェート等の
ハロゲン原子含有脂肪族系化合物と、シリーコンオイル
等の有機珪素化合物とを含有。 【効果】 難燃性及び摺動性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は難燃性及び耐摩耗性に優
れた摺動難燃性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂はその成形加工性の良さ、
成形品の外観及び実用的物性が優れていることから弱
電、自動車、建設、食品、包装といった工業用途から家
庭用日用雑貨に至るまで広範囲に渡って利用されてい
る。
【0003】しかし、熱可塑性樹脂は、一般に易燃性で
一旦燃焼し始めると自然に燃え続ける欠点があり、それ
ゆえにその用途が自ずと限定されざるを得ないという難
点を有していた。特に家電製品や電気・電子部品として
使用する場合には難燃化処理をすることが必要であり、
従来より例えば、特開昭60−208343号公報には
難燃剤としてハロゲン化芳香族系難燃剤と三酸化アンチ
モンとを併用する技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特開昭6
0−208343号記載のハロゲン化芳香族系難燃剤と
三酸化アンチモンとを併用した熱可塑性樹脂は、難燃性
には優れるものの、該樹脂の摺動特性に劣り、耐摩耗性
を必要とする部品として使用することができないという
課題を有するものであった。
【0005】本発明が解決しようとする課題は、優れた
難燃性及び摺動性を有し、かつ機械強度と熱安定性に優
れ、難燃性及び耐摩擦性が要求される成形品に有用な熱
可塑性樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を行った結果、熱可塑性樹脂に
ハロゲン原子含有脂肪族系化合物と有機珪素化合物を配
合することにより、著しく優れた難燃性及び耐摩耗性が
得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、(A)熱可塑性樹脂と、
(B)ハロゲン原子含有脂肪族系化合物と、(C)有機
珪素化合物とを必須成分として含有することを特徴とす
る難燃性熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0008】本発明で使用する熱可塑性樹脂(A)とし
ては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
−プロピレン共重合体、ポリブチレン、ポリメチルペン
テン等のポリオレフィン及びこれらの共重合体、ポリス
チレン、耐衝撃性ポリスチレン、アクリロニトリル−ス
チレン−ブタジエン樹脂(ABS樹脂)等のスチレン及
びこれらの共重合体、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポ
リブチレンテレフタレ−ト等のポリエステル系樹脂、ナ
イロン6、ナイロン8、ナイロン11、ナイロン12、
ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、芳香族
ポリアミド等のポリアミド系樹脂、ポリフェニレンオキ
シド、変性ポリフェニレンオキシド(ノリル)、ポリカ
ーボネート、ポリメチルメタクリレート、スチレン−メ
チルメタクリレート等のメタクリル系樹脂、ポリ塩化ビ
ニル等があげられる。
【0009】これらの樹脂の中では特に成形品とした時
のヤケ及び成形不良が少ない点からポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、A
BS樹脂、ポリ塩化ビニルが好ましい。更に機械強度及
び熱安定性に優れる点からポリスチレン、特に耐衝撃性
ポリスチレンが好ましい。
【0010】本発明における耐衝撃性スチレン系樹脂と
は、単量体としてスチレンのほか、α−メチルスチレン
のごときα−置換スチレン、o−メチルスチレン、m−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチ
レン、ビニルトルエンのごとき核置換スチレンの一種又
は二種以上の混合物及び、これらを主成分とし、これら
と共重合可能なビニル基含有単量体、例えばアクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、メタクリル酸メチル、ア
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸エチ
ル、メタクリル酸、アクリル酸、無水マレイン酸、Nー
置換マレイミド等の少量を含む単量体混合物を、ゴム状
重合体、例えば、1.3ーブタジエンの単独重合体、
1.3ブタジエンとイソプレンの共重合体、1.3ーブ
タジエン又は1.3ーブタジエンとイソプレンと他の共
重合可能な化合物、例えばスチレン、核アルキル置換ス
チレンのメチルスチレン、ジメチルスチレン、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸及びメタク
リル酸のアルキルエステルとの共重合体にグラフト重合
して得られるグラフト重合体である。
【0011】グラフト重合体の製造は、一般に知られて
いる公知の方法、例えばゴム状重合体を上記ビニル系単
量体などに溶解した溶液を懸濁、懸濁−塊状、又は塊状
重合法などによって行うことができる。
【0012】これらの耐衝撃性ポリスチレンには他のス
チレン系樹脂、例えばスチレンの単独重合体の他にスチ
レンとこれと共重合可能な単量体、例えばα−メチルス
チレンのごときα−置換スチレン、o−メチルスチレ
ン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−ク
ロロスチレン、ビニルトルエンのごとき核置換スチレン
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メタクリル酸
メチル、アクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アク
リル酸エチル、メタクリル酸、アクリル酸、無水マレイ
ン酸、Nー置換マレイミド等から選ばれる一種又は二種
以上からなる重合体を混合することも出来る。
【0013】本発明で使用するハロゲン原子含有脂肪族
系化合物とは、その分子骨格中にハロゲン原子含有脂肪
族骨格を有するものであれば良く、特に限定されるもの
ではないが、本発明の効果を一層著しくできる点からハ
ロゲン原子含有脂肪族炭化水素及びハロゲン原子含有脂
肪族骨格を有するリン酸エステル系化合物が好ましい。
【0014】中でも、ハロゲン原子含有脂肪族骨格を有
するリン酸エステル系化合物は成形時に生ずる金型鋼材
腐食性を防止できる点から特に好ましい。即ち、通常用
いられているハロゲン系難燃剤を用いた樹脂組成物は、
加熱加工時に成形品が変色したり、分解ガスや揮発ガス
の発生に伴って成形金型が腐食したりする所謂、熱安定
性が悪いという問題を有するものであるが、ハロゲン原
子含有脂肪族骨格を有するリン酸エステル系化合物を用
いる場合には、この問題をも解決できるものである。
【0015】ハロゲン原子含有脂肪族炭化水素として
は、直鎖式脂肪族炭化水素又は脂環式炭化水素の水素が
臭素又は塩素により置換されたものをいう。臭素又は塩
素を含む直鎖式脂肪族化合物としては、臭素化パラフィ
ンのごとき臭素化アルキル類、塩素化パラフィンのごと
き塩素化アルキル類、臭素化ポリプロピレンのごときポ
リ臭素化アルカン類、塩素化ポリエチレンのごときポリ
塩素化アルカン類、臭素化カルボン酸類、塩素化カルボ
ン酸類、臭素化カルボン酸エステル類、塩素化カルボン
酸類、含臭素アルコール類、含塩素アルコール類、含臭
素ポリオール類、含塩素ポリオール類、臭素化アルキル
基含有化合物、塩素化アルキル基含有化合物等が含まれ
る。
【0016】臭素又は塩素を含む環状脂肪族化合物とし
ては、モノブロムシクロヘキサン、ポリブロムシクロヘ
キサン、ヘキサフ゛ロムシクロドデカン、テトラブロム
無水フタル酸及びこれらの誘導体等が含まれる。
【0017】これらの化合物の中では難燃化効率が高く
添加量を少なくできる点からヘキサブロムシクロドデカ
ンが特に好ましい。
【0018】一方ハロゲン原子含有脂肪族骨格を有する
リン酸エステル系化合物としては、例えばトリス(β−
クロルエチル)フォスフェ−ト、トリス(ジクロルエチ
ル)フォスフェ−ト、トリス(2,3−ジブロムプロピ
ル)フォスフェ−ト、トリス(ブロムクロルプロピル)
フォスフェ−ト、トリス(トリブロムフェニル)フォス
フェ−ト、トリス(トリブロムネオペンチル)フォスフ
ェ−ト等が挙げられる。
【0019】これらの化合物の中では難燃効率が高く添
加量を少なくできる点及び金型腐食防止効果が著しい点
からトリス(トリブロムネオペンチル)フォスフェ−ト
が特に好ましい。
【0020】本発明の組成物には熱的特性及び機械的特
性を損ねない程度に他の難燃剤を上記のハロゲン原子含
有脂肪族系化合物と併用することもできる。ハロゲン原
子含有脂肪族系化合物としては、例えば、テトラブロム
ビスフェノールA、テトラブロムビスフェノールAのポ
リカーボネートオリゴマー、テトラブロムビスフェノー
ルAから誘導されるエポキシ系化合物、テトラブロムビ
スフェノールS、デカブロムジフェニルオキサイド、ヘ
キサブロムジフェニルオキサイド、エチレンビステトラ
ブロムフタルイミド、ヘキサブロムベンゼン、ペンタブ
ロムトルエン、トリブロムフェノール、ペンタブロムフ
ェノールなどの臭素化芳香族化合物、テトラクロロビス
フェノールA、テトラクロロビスフェノールAから誘導
されるエポキシ化合物、テトラクロロビスフェノールS
等の塩素化芳香族化合物、トリメチルホスフェート、ト
リエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ト
リクレジルホスフェート等のリン酸エステルが挙げられ
る。これら化合物は単独又は2種以上を配合することが
可能である。
【0021】本発明で使用する有機珪素化合物(C)と
は、分子骨格中にシロキサン鎖構造を有する化合物であ
ればよく特に限定されるものではないが、例えば直鎖状
シロキサン構造を有するシリコーンオイル、シリコーン
グリース、シリコーンガム及びこれらの誘導体や変性
体、網目状シロキサン構造を有するシリコーン系エラス
トマー等が挙げられる。
【0022】これらの化合物の中では、摺動特性が著し
く優れている点からシリコーンオイル、シリコーングリ
ース、シリコーンガムが好ましい。
【0023】また、本発明の組成物においては、更に熱
可塑性樹脂に有機錫系化合物(D)及び/又はハロゲン
原子非含有有機リン系化合物(E)を配合することによ
り、該樹脂の耐摩耗性及び難燃性を損ねることなく熱安
定性が向上し、金型腐食性を抑制できる。
【0024】有機錫系化合物(D)としては、例えばジ
メチル錫ラウレ−ト、ジブチル錫ラウレ−ト、ジオクチ
ル錫ラウレ−ト、ジメチル錫マレ−ト、ジブチル錫マレ
−ト、ジオクチル錫マレ−ト、ジブチル錫メルカプタイ
ド、ジオクチル錫メルカプタイド等が挙げられる。これ
らの化合物の中で特に有機錫メルカプタイドが金型腐食
防止効果が良好である点から好ましい。
【0025】ハロゲン原子非含有有機リン系化合物
(E)としては、第三級フォスファイト類及び第二級フ
ォスファイト類等の亜リン酸エステル類が金型腐食防止
効果が良好である点から好ましい。
【0026】亜リン酸エステル類として具体的には、ト
リフェニルフォスファイト、トリ(p−クレジル)フォ
スファイト、トリ(ノニルフェニル)フォスファイト、
トリイソオクチルフォスファイト、ジフェニルイソデシ
ルフォスファイト、フェニルジイソデシルフォスファイ
ト、トリイソデシルフォスファイト、トリステアリルフ
ォスファイト、トリオレイルフォスファイト、トリラウ
リルトリチオフォスファイト、ジフォスファイト、ジ−
2−エチルヘキシルハイドロゼンフォスファイト、ジラ
ウリルゼンフォスファイト、ジオレイルハイドロゼンフ
ォスファイト等があげられる。
【0027】これらの有機錫系化合物(D)及びハロゲ
ン原子非含有有機リン系化合物(E)は、ハロゲン原子
含有脂肪族系化合物(B)としてハロゲン原子含有脂肪
族炭化水素を用いた場合に、金型腐食防止効果が著しい
ものとなる。特にハロゲン原子含有脂肪族系化合物
(B)としてヘキサブロムドデカンを用い、有機錫
(D)とし有機錫メルカプタイドを用いた場合、又はこ
の系にさらにハロゲン原子非含有有機リン系化合物
(E)としてジフォスファイトを用いた場合、この効果
が極めて顕著なものとなる。
【0028】本発明においては、エポキシ系化合物等の
熱安定化作用を示す化合物を添加してもよい。これらの
化合物はその分子骨格中にエポキシ基を含むのもならば
何でもよく、例えばビスフェノ−ルAのジグリシジルエ
−テル、ビスフェノ−ルAのブチルグリシジルエ−テル
やテトラブロムビスフェノ−ルAのジグリシジルエ−テ
ル誘導体等があげられる。
【0029】上記各成分の配合割合は特に限定されるも
のではないが、熱可塑性樹脂(A)100重量部に対
し、ハロゲン原子含有脂肪族系化合物(B)が通常3〜
25重量部、中でも難燃性、機械的特性及び熱安定性の
バランスに優れる点から好ましくは5〜15部であり、
一方有機珪素化合物(C)が通常0.1〜5重量部、中
でも摺動性、機械的特性及び耐熱性のバランスに著しく
優れる点から1〜4重量部が好ましい。
【0030】又、有機錫(D)の配合量は熱可塑性樹脂
(A)100重量部に対して通常0.05〜5重量部、
中でも熱安定性に優れる点から0.1〜4重量部が好ま
しく、ハロゲン原子非含有有機リン系化合物(E)の配
合量は熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して0.0
5〜5重量部、中でも熱安定性に優れる点から0.1〜
4重量部が好ましい。
【0031】本発明の樹脂組成物は上記の各成分を一般
的に知られている方法により溶融混練することによって
得られる。例えば、タンブラーミキサー、スーパーミキ
サー、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキサー、ニー
ダー、ロール溶融押出による方法等の手段を用いること
ができる。
【0032】又、ハロゲン原子含有脂肪族系化合物及び
ハロゲン原子含有リン酸エステル系化合物から成る群か
ら選ばれる化合物及び/または有機珪素化合物等を予め
高濃度に樹脂中に配合したマスタ−バッチを作成し、こ
れを熱可塑性樹脂に混合してもよい。更に前記熱可塑性
樹脂を製造する際の重合工程又は押出及び成形加工のい
ずれの工程において添加してもよい。
【0033】本発明組成物には、必要に応じて通常の熱
可塑性樹脂に使用される他の添加剤、例えば、紫外線吸
収剤、可塑剤、着色剤、充てん剤、補強剤、滑剤、離型
剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、表面改質剤な
どを添加してもよい。
【0034】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の説
明を行うが、これのみに本発明の範囲が限定されるもの
ではない。尚、成形材料の評価は次の方法で実施した。
【0035】(摩耗量)100mmφ、厚さ1.8mm
の円盤状射出成形板を、1oz射出成形機((株)山城
精機製作所製)で作成し、テーバー式摩耗試験機
((株)東洋精機製作所製、ロ−タリ−アブレ−ション
テスタ−)にて2100回転/30分、荷重1kg、耐
ステンレス摩耗量を測定した。
【0036】(難燃性)1oz射出成形機(同上)にて
長さ5インチ、幅1/2インチ、厚さ1/8インチの成
形品を作成し、試験に共した。試験法はUL94試験法
に準拠した。アイゾット衝撃試験(ノッチ付き):1o
z射出成形機(同上)にて長さ5インチ、幅1/2イン
チ、厚さ1/4インチの成形品を作成し試験に共した。
試験法はASTM D−256に準拠した。
【0037】(耐熱性)1oz射出成形機(同上)にて
長さ5インチ、幅1/2インチ、厚さ1/4インチの成
形品を作成し熱変形温度を測定した。測定方法はAST
M Dー648に準拠した。尚、ポリプロピレンは荷重
4.6kg/cm2、耐衝撃性ポリスチレン及びABS
樹脂は同18.6kg/cm2にて測定した。
【0038】(曲げ強度)1oz射出成形機(同上)に
て長さ5インチ、幅1/2インチ、厚さ1/4インチの
成形品を作成し試験に共した。試験法はASTMD−7
90に準拠した。尚、射出成形機のシリンダ−温度は1
70゜C、金型温度50゜Cとした。
【0039】(金型鋼材腐食性)鋼材板(材質:S55
C)上に30×20×3mmの射出成形小片を載せ、空
気雰囲気下で熱オ−ブン中に温度180゜Cとして24
時間放置した後で、該小片を取り除き、鋼材の小片との
接触面に錆または曇り発生の状態を目視評価した。
【0040】◎ : 曇が全く無く表面光沢に優れる ○ : やや曇るが支障無し × : 表面に曇及び錆の発生が確認された
【0041】実施例1 ポリプロピレン(三菱化成工業(株)製、ノバテックJ
8200)90重量部とヘキサブロムシクロドデカン
(グレ−ト・レ−ク・ケミカル社製、CD−75P)8
重量部とシリコ−ンオイル(東レ・シリコ−ン(株)
製、SH−2001000CS 25゜C)2重量部を
44mmφ二軸押出機((株)日本製鋼所製)で溶融混
合して、ペレット化した。得られたペレットを上記射出
成形機により成形し、摩耗性、難燃性、アイゾット衝撃
強度、耐熱性及び曲げ強度の各試験を行なった。結果を
第1表に示した。
【0042】実施例2 ポリプロピレン(ノバテックJ8200)を88重量部
とし、トリス(トリブロモ)ネオペンチルホスフェ−ト
(大八化学工業(株)製CR−900)10重量部を用
いる以外は実施例1と同様に試験片を作成し、試験を行
なった。結果を第1表に示した。
【0043】比較例1 ポリプロピレン(ノバテックJ8200)を92重量部
とし、シリコ−ンオイル(SH−200)を用いないこ
と以外は実施例1と同様に試験片を作成し、試験を行な
った。結果を第1表に示した。
【0044】比較例2 実施例1のポリプロピレン(ノバテックJ8200)を
86重量部とし、ヘキサブロムシクロドデカン(CD−
75P)に代えてデカブロムジフェニルオキサイド(エ
チルコ−ポレ−ション製、Saytex 102)を1
2重量部配合し、更に三酸化アンチモン(日本製鉱
(株)製、ATOX−S)を2重量部配合したこと以外
は実施例1と同様に試験片を作成し、試験を行なった。
結果を第1表に示した。
【0045】
【表1】
【0046】実施例3 耐衝撃性ポリスチレン(大日本インキ化学工業(株)
製、GH−7000)92重量部とヘキサブロムシクロ
ドデカン(グレ−ト・レ−ク・ケミカル社製、CD−7
5P)6重量部とシリコ−ンオイル(東レ・シリコ−ン
(株)製、SH−200 1000CS 25゜C)2
重量部を44mmφ二軸押出機((株)日本製鋼所製)
で溶融混合して、ペレット化した。得られたペレットを
上記射出成形機により成形し、金型鋼材腐食性、摩耗
性、難燃性、アイゾット衝撃性、耐熱性、曲げ強度、金
型鋼材腐食性の試験を行なった。結果を第2表に示し
た。
【0047】実施例4 耐衝撃性ポリスチレン(GH−7000)を90重量部
とし、ヘキサブロムシクロドデカンに変えてトリス(ト
リブロモ)ネオペンチルホスフェ−ト(大八化学工業
(株)製CR−900)8重量部を用いる以外は実施例
3と同様に試験片を作成し、試験を行なった。結果を第
2表に示す通りであった。
【0048】実施例5 シリコ−ンオイル(SH−200)に代えてシリコ−ン
オイル配合マスタ−バッチ(ダウ コ−ニング(株)
製、SP−200)4重量部を用いる以外は実施例3と
同様に試験片を作成し、試験を行なった。結果を第2表
に示した。
【0049】実施例6 シリコ−ンオイル(SH−200)に代えてシリコ−ン
ガム配合マスタ−バッチ(東レ・シリコ−ン(株)製、
シリコ−ンコンセントレ−ト BY27−004)4重
量部を用いる以外は実施例3と同様に試験片を作成し、
試験を行なった。結果を第2表に示した。
【0050】実施例7 更にジフ゛チル錫メルカプタイド(勝田化工(株)製、
T−360J)3重量部を用いる以外は実施例3と同様
に試験片を作成し、試験を行った。結果を第2表に示
す。
【0051】実施例8 更にジフ゛チル錫メルカプタイド(T−360J)に代
えてジホスファイト(境化学工業(株)製、chele
x−100)3重量部を用いる以外は実施例7と同様に
試験片を作成し、試験を行った。結果を第2表に示し
た。
【0052】実施例9 更にジホスファイト(chelex−100)2重量部
を追加して用いた以外は実施例7と同様に試験片を作成
し、試験を行なった。結果を第2表に示した。
【0053】実施例10 更にジブチル錫メルカプタイド(T−360J)3重量
部追加したこと以外は実施例4と同様に試験片を作成
し、試験を行なった。結果を第2表に示した。
【0054】実施例11 更にジブチル錫マレ−トポリマ−(三共有機合成(株)
製、stann(BM))3重量部を用いる以外は実施
例4と同様に試験片を作成し、試験を行った。結果を第
2表に示した。
【0055】実施例12 更にジフォスファイト(chelex−100)を3重
量部追加したこと以外は実施例4と同様に試験片を作成
し、試験を行った。
【0056】実施例13 更にジブチル錫マレートポリマー(stann(B
M))を3重量部追加したこと以外は実施例3と同様に
試験片を作成し、試験を行った。
【0057】比較例3 耐衝撃性ポリスレン(GH−7000)を86重量部、
デカブロムジフェニルオキサイド(saytex10
2)を12部、三酸化アンチモン2部使用して実施例3
と同様にして試験片を作成し、試験を行った。
【0058】実施例14 更にジブチル錫メルカプタイド(T−360J)3重量
部追加したこと以外は実施例4と同様に試験片を作成
し、試験を行なった。但し、金型鋼材腐食性試験におけ
る熱オーブンの温度は190℃に設定しておこなった。
結果を第2表に示した。
【0059】実施例15 更にジブチル錫メルカプタイド(T−360J)0.3
重量部追加したこと以外は実施例4と同様に試験片を作
成し、試験を行なった。但し、金型鋼材腐食性試験にお
ける熱オーブンの温度は190℃に設定しておこなっ
た。結果を第2表に示した。
【0060】実施例16 更にジブチル錫メルカプタイド(T−360J)3重量
部追加したこと以外は実施例4と同様に試験片を作成
し、試験を行なった。但し、金型鋼材腐食性試験におけ
る熱オーブンの温度は190℃に設定しておこなった。
結果を第2表に示した。
【0061】実施例17 更にジフォスファイト(chelex−100)0.3
重量部追加したこと以外は実施例4と同様に試験片を作
成し、試験を行なった。但し、金型鋼材腐食性試験にお
ける熱オーブンの温度は190℃に設定しておこなっ
た。結果を第2表に示した。
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】 (第2表中、HBCDはヘキサブロムシクロドデカン
を、TTBNPPはトリス(トリブロムネオペンチル)
ホスフェートを、DBDPOはデカブロムジフェニルオ
キサイドを、Siオイルはシリコーンオイル、Siオイ
ルMはシリコーンオイル含有マスターバッチ、Siガム
Mはシリコーンオイル含有マスターバッチをそれぞれ表
わす。)
【0065】実施例18 ABS樹脂(ダイセル化学工業(株)製、セビアンV−
500)88重量部とトリス(トリブロモ)ネオペンチ
ルホスフェ−ト(大八化学工業(株)製CR−900)
10重量部とシリコ−ンオイル(東レ・シリコ−ン
(株)製、SH−200 1000CS 25゜C)2
重量部を44mmφ二軸押出機((株)日本製鋼所製)
で溶融混合して、ペレット化した。得られたペレットを
上記射出成形機により成形し、摩耗性、難燃性、アイゾ
ット衝撃強度、耐熱性及び曲げ強度の試験を行なった。
結果を第3表に示した。
【0066】比較例4 ABS樹脂(セビアンV−500)を84重量部とし、
シリコ−ンオイル(SH−2000)を用いないこと以
外は実施例7と同様に試験片を作成し、試験を行なっ
た。結果は表に示す通りであった。
【0067】比較例5 ABS樹脂(セビアンV−500)を84重量部、デカ
ブロムジフェニルオキサイド(saytex102)1
2重量部及び三酸化アンチモン2重量部を実施例14と
同様にて試験片を作成し、試験を行った。結果を第3表
に示した。
【0068】
【0069】
【表5】 (第3表中、TTBNPPはトリス(トリブロムネオペ
ンチル)ホスフェートを、DBDPOはデカブロムジフ
ェニルオキサイドを、Siオイルはシリコーンオイルを
それぞれ表わす。)
【0070】
【発明の効果】本発明の難燃性樹脂組成物は、優れた難
燃性及び摺動性を有し、かつ機械強度と熱安定性に優
れ、特にハロゲン原子含有脂肪族系化合物として、ハロ
ゲン原子含有リン酸エステル系化合物を用いた場合には
優れた熱安定性、中でも金型鋼材腐食防止効果をも有す
る。
【0071】従って、本発明の難燃性樹脂組成物は、工
業材料、主として電気機器の部品用素材として極めて有
用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 83/04 LRY 8319−4J 101/00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)熱可塑性樹脂と、(B)ハロゲン
    原子含有脂肪族系化合物と、(C)有機珪素化合物とを
    必須成分として含有することを特徴とする難燃性熱可塑
    性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ハロゲン原子含有脂肪族系化合物(B)
    がハロゲン原子含有脂肪族炭化水素又はハロゲン原子含
    有脂肪族骨格を有するリン酸エステル系化合物である請
    求項1記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ハロゲン原子含有脂肪族系化合物(B)
    がヘキサブロムシクロドデカン又はトリス(トリブロム
    ネオペンチル)フォスフェートである請求項1記載の難
    燃性熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ハロゲン原子含有脂肪族系化合物(B)
    がトリス(トリブロムネオペンチル)フォスフェートで
    ある請求項3記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂(A)がスチレン系樹脂で
    ある請求項1、2又は3記載の難燃性熱可塑性樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】 有機珪素化合物(C)がシリコーンオイ
    ル、シリコーングリース及びシリコーンガムよりなる群
    から選ばれる少なくとも一種以上である請求項2、3又
    は4記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 更に、(D)有機錫系化合物を含有する
    請求項1、2、3、4、5又は6記載の難燃性熱可塑性
    樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 ハロゲン原子含有脂肪族系化合物(B)
    がヘキサブロムシクロドデカンであって、有機錫系化合
    物(D)が有機錫メルカプタイド化合物である請求項7
    記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 更に、(E)ハロゲン原子非含有有機リ
    ン系化合物を含有する請求項1、2、3、4、5、6又
    は7記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 ハロゲン原子含有脂肪族系化合物
    (B)がヘキサブロムシクロドデカンであって、有機錫
    系化合物(D)が有機錫メルカプタイド化合物であっ
    て、ハロゲン原子非含有有機リン系化合物(E)が亜燐
    酸エステル化合物である請求項9記載の熱可塑性樹脂組
    成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998017718A1 (en) * 1996-10-22 1998-04-30 Fmc Corporation Flame resistant polyolefin compositions

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