JPH05147993A - 人工大理石用樹脂組成物およびそれを用いた人工大理石 - Google Patents

人工大理石用樹脂組成物およびそれを用いた人工大理石

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JPH05147993A
JPH05147993A JP3310759A JP31075991A JPH05147993A JP H05147993 A JPH05147993 A JP H05147993A JP 3310759 A JP3310759 A JP 3310759A JP 31075991 A JP31075991 A JP 31075991A JP H05147993 A JPH05147993 A JP H05147993A
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JP
Japan
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artificial marble
acrylate
meth
resin composition
urethane
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JP3310759A
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English (en)
Inventor
Shinichi Nonaka
眞一 野中
Tomomasa Mitani
倶正 三谷
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 天然大理石の持つ深みと重量感とを保有する
と共に、優れた耐衝撃性と、一体成形性とを併せ有する
人工大理石用樹脂組成物、ならびに、それを用いた人工
大理石を提供すること。 【構成】 特定のウレタン(メタ)アクリレートを含有
することから成る、人工大理石用の樹脂組成物ならびに
該樹脂組成物を用いて成形された人工大理石。 【効果】 ウレタン(メタ)アクリレートを添加するこ
とによって、とりわけ、耐衝撃性ならびに耐クラック性
などに優れた人工大理石を提供することが出来、特に、
キッチンカウンターならびに洗面化粧台などの一体成形
が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規にして有用なる人工
大理石用樹脂組成物、ならびに、それを用いて成形され
た人工大理石に関する。さらに詳細には、本発明は、特
定のアクリルシラップと、ウレタン(メタ)アクリレー
トと、無機質充填剤とを含有することから成る、天然大
理石が持っている、深みと重量感とを併せ有すると共
に、とりわけ、優れた耐衝撃性と、優れた一体成形性と
を有する人工大理石用樹脂組成物、ならびに、それを用
いた人工大理石に関する。
【0002】
【従来の技術】以前からも、種々の無機質充填剤を含む
アクリル樹脂組成物は、人工大理石の用途として、多量
に使われており、その人工大理石製品は、洗面化粧台、
浴室壁装材、厨房用流し台または作業用キャビネットな
どの天板などに、広範に使用されている。
【0003】かかるアクリル樹脂組成物としては、メチ
ルメタクリレート(MMA)系シロップが使用される
が、当該メチルメタクリレート系シロップは、一般的に
は、MMA単量体の単独重合体を、このMMA単量体に
溶解せしめるとか、あるいは、MMA単量体を単独で、
または該単量体と他のビニル重合性単量体類とを部分重
合せしめることによて得ている。
【0004】また、無機質充填剤としては、特に、水酸
化アルミニウムが使用されている。
【0005】しかしながら、かかるアクリル系人工大理
石は、それ自体が、熱可塑性である処から、必ずしも、
耐熱性および耐汚染性などに優れたものを、もたらさな
いというのが実状である。
【0006】この点を改良するために、エチレングリコ
ールジメタアクリレートやトリメチロールプロパントリ
メタアクリレートの如き、各種の多官能性ビニル系モノ
マー類を共重合せしめるという方法であるとか、無機質
充填剤に、シリカおよび水酸化マグネシウムなどを配合
せしめるという方法などが提案されている。
【0007】また、シロップの硬化過程での収縮が大き
く、ひいては、成形品にクラックを発生せしめるなどの
欠点が見られ、したがって、一体成形品を得ることは、
非常に困難である。
【0008】そのために、複雑なる形状の成形品は、後
加工によって製品とされる処となり、したがって、成形
サイクルおよびコストの面で、不利な点があると言えよ
う。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来技術
に従う限りは、とりわけ、耐衝撃性ならびに耐クラック
性などに優れた、極めて実用性の高い人工大理石用組成
物を得、そして、人工大理石を得ることは、頗る困難で
あった。
【0010】したがって、本発明は、上述したような諸
問題点のうち、特に、システムキッチンカウンターや洗
面カウンターなどの、いわゆる住設関連機器類の一体成
形を、従来の特性を、何ら、低下させることなく、可能
にすることを目的とするものであり、それ故に、本発明
が解決しようとする課題は、一にかかって、天然大理石
特有の深みと重量感とを、そのままに、加えて、一体成
形性にも優れるし、しかも、耐衝撃性にも耐クラック性
にも優れるという、極めて実用性の高い人工大理石用樹
脂組成物、ならびに、それを用いて成形された人工大理
石を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
かかる欠点の解消を図り、併せて、上述した如き発明が
解決しようとする課題に照準を併せて、鋭意、検討を重
ねた結果、ここに、(メタ)アクリル酸エステル類のア
クリルシラップと、ウレタン(メタ)アクリレート化合
物と、無機質充填剤とを併用することによって、とりわ
け、耐衝撃性ならびに耐クラック性などに優れた人工大
理石成形物が得られることを見い出すに及んで、本発明
を完成させるに到った。
【0012】すなわち、本発明は、基本的には、ポリメ
チルメタクリレートおよびメチルメタクリレ−トを主成
分とするアクリルシラップ(A)と、つまり、(メタ)
アクリル酸エステル類を主たる単量体成分とするアクリ
ルシラップ(A)と、ウレタン(メタ)アクリレート
(B)と、無機質充填剤(C)とを含有することから成
る、人工大理石用樹脂組成物を提供し、併せて、こうし
た特定の人工大理石用樹脂組成物を用いて成形された人
工大理石をも提供しようとするものである。
【0013】具体的には、ポリメチルメタクリレートお
よびメチルメタクリレートを主成分とするアクリルシラ
ップ(A)と、ポリオールとポリイソシアネートおよび
水酸基含有多官能(メタ)アクリレートを反応して得ら
れるウレタン(メタ)アクリレート(B)と、無機質充
填剤(C)とを含有するから成る、人工大理石用樹脂組
成物を提供しようとするものであり、そして、それを用
いて成形された人工大理石を提供しようとするものであ
る。
【0014】
【構成】ここにおいて、本発明における上記(A)成分
たる(メタ)アクリル酸エステル類としては、主に、メ
タクリル酸メチルを使用するが、アルキル基の炭素数が
2〜8個の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、具
体的には、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸プロピルまたは(メタ)アクリル酸ブチルなどの1
種あるいは2種以上を併用してもよい。
【0015】また、架橋性ビニル単量体類としての、た
とえば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
1,4−ブチレングリコール(メタ)アクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートまた
はトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートな
どを併用することも可能である。
【0016】重合方法としては、塊状重合法が一般的で
はあるが、溶液重合法、懸濁重合法あるいは乳化重合法
などによって重合物を調製したのち、(メタ)アクリル
酸エステル類などの重合性ビニル系単量体類に溶解せし
めて、目的とするアクリルシラップを得ることも可能で
ある。
【0017】なお、かくして得られるアクリルシラップ
の樹脂分としては、通常、5〜40重量%なる範囲内が
適切である。前記した(B)成分たるウレタン(メタ)
アクリレートを調製するに当たって用いられるポリオー
ル(b−1)としては、ポリエステルポリオール、ポリ
カーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオー
ルまたはポリエーテルポリオールなどが使用可能である
が、最も一般的に使うことの出来るものとしては、ポリ
エステルポリオールである。
【0018】当該ポリエステルポリオールの調製に用い
られる二塩基酸の具体例としては、しゅう酸、マロン
酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、
ドデカン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、トリ
メチルアジピン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒド
ロフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸ま
たはナフタリンジカルボン酸などが、代表例である。
【0019】また、二価のアルコール類としては、エチ
レングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチ
レングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサン
メチレングリコール、オクタメチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエ
チレングリコール、2,2−ジメチルプロパン−1,3
−ジオール、2,2−ジエチルプロパン−1,3−ジオ
ール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキ
サン−1,4−ジメタノール、シクロヘキサン−1,3
−ジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキ
シ−シクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシエトキシ−フェニル)プロパンまたは2,2−
ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンなど
が使用できる。
【0020】勿論、γ−プチロラクトン、δ−パレロラ
クトンまたはε−カプロラクトンなどをも用いての、ラ
クトン系のポリエステル骨格を持った形のポリエステル
ポリオールを用いることも可能である。
【0021】上記したポリエーテルポリオールの特に代
表なものとしては、ポリエチレングリコールまたはポリ
プロピレングリコールの如き、各種のポリアルキレング
リコール類を挙げることが出来る。
【0022】また、上記したポリカ−ボネート系のもの
としては、たとえば、水酸基を有する、脂肪族−および
脂環式炭化水素系ジオール類のポリカーボネートなどが
挙げられる。
【0023】かかるポリカ−ボネート系のものは、常法
に従って調製すればよい。すなわち、たとえば、脂肪族
−および脂環式炭化水素系ジオール類と、炭酸ジアリル
または炭酸ジアルキル類とを、減圧下に反応せしめるこ
とによって、あるいは、脂肪族−および脂環式炭化水素
系ジオール類と、環状のアルキレンカーボネート類と
を、減圧下に反応せしめることによって得られる。
【0024】ここにおいて、上記した炭酸ジアリル類
(つまり、ジアリルカーボネート類)として特に代表的
なもののみを例示するにとどめれば、ジフェニルカーボ
ネート、ビスクロロフェニルカボネート、ジナフチルカ
ーボネートまたはジトルイルカーボネートなどである。
【0025】また、上記した炭酸ジアルキル類(つま
り、ジアルキルカーボネート類)として特に代表的なも
ののみを例示するにとどめれば、ジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、
ジイソプロピルカーボネートまたはジブチルカーボネー
トなどである。
【0026】さらに、前記した環状のアルキレンカーボ
ネート類として特に代表的なもののみを例示するにとど
めれば、エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネ
ート、テトラメチレンカーボネート、1,2−プロピレ
ンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、1,
3−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレンカーボネ
ート、1,2−ペンチレンカーボネート、1,3−ペン
チレンカーボネート、1,4−ペンチレンカーボネー
ト、1,5−ペンチレンカーボネート、2,3−ペンチ
レンカーボネートまたは2,4−ペンチレンカーボネー
トなどである。
【0027】本発明において用いられる、前記した脂肪
族炭化水素系ジオール類としては、炭素数が4〜12な
る範囲内のものの使用が望ましく、それらのうちでも特
に代表的なもののみを例示するにとどめれば、1,3−
ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−
ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,1
0−デカンジオール、2,2−ジメチルー1,3−プロ
パンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ル、2−エチル−1,6−ヘキサンジオールまたは2,
2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、など
であるし、
【0028】一方、前記した脂環式炭化水素系ジオール
類としては、炭素数が4〜12なる範囲内のものの使用
が望ましく、それらのうちでも特に代表的なもののみを
例示するにとどめれば、1,3−シクロヘキサンジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−ジメチ
ロールシクロヘキサン、1,4−ジメチロールシクロヘ
キサン、1,3−ジヒドロキシエチルシクロヘキサンま
たは1,4−ジヒドロキシルエチルシクロヘキサンなど
であるが、単一のジオール類でも、2種以上のジオール
類の混合物でも良い。
【0029】水酸基を有する、脂肪族−および脂環式炭
化水素系ジオール類のポリカーボネートの分子量は、そ
れぞれ、反応せしめるべき、水酸基含有脂肪族−および
脂環式炭化水素系ジオール類と、炭酸ジアリル類または
炭酸ジアルキル類あるいは環状アルキレンカーボネート
類との反応モル比によって制御される。
【0030】そうしたモル比としては、ジオール類:カ
ーボネート類=1:9〜9:1なる範囲内が適切である
し、また、当該ポリカーボネートの分子量としては、3
00〜3,000なる範囲内が適切である。
【0031】本発明において用いられる、前記したポリ
イソシアネート(b−2)として特に代表的なもののみ
を例示するにとどめれば、メチレンジイソシアネート、
トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、水添トルエンジイソシアネートまたはイソホロ
ンジイソシアネートなどをはじめ、ヘキサメチレンジイ
ソシアネートを原料とした、種々の多官能ポリイソシア
ネート類などが挙げられる。
【0032】また、本発明において用いられる、前記し
た水酸基含有多官能(メタ)アクリレート(b−3)と
して特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、ペ
ンタエリスリトールモノステアレートジアクリレート、
ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレートなどである。
【0033】上記のポリオールの水酸基に対し、ポリイ
ソシアネートのイソシアネート基を1:1の割合になる
ように仕込み、窒素気流中、ウレタン化触媒の存在下に
反応せしめて、イソシアネート基含有率(NCO%)
が、初期の1/2になるまで、この反応を続行する。
【0034】かかるウレタン化触媒としては、一般に用
いられるようなものは、すべて使用可能ではあるが、好
ましくは、錫系のものの使用が良い。この生成物のイソ
シアネート基(NCO)に対し、水酸基が等モルとなる
ように、水酸基含有多官能(メタ)アクリレートを加
え、乾燥空気気流中で、加温して、NCO%が0.1%
以下になるまで反応せしめて、(B)成分たるウレタン
(メタ)アクリレートを得る。
【0035】以上のようにして得られる、アクリルシラ
ップ(A)とウレタン(メタ)アクリレート(B)との
混合比としては、これらの両成分の混合物の総量中、ウ
レタン(メタ)アクリレートの含有率が5%〜50%と
なるようにすればよい。好ましくは、かかる含有率が2
0%となる程度が適切である。
【0036】このようにして得られる、アクリルシラッ
プとウレタン(メタ)アクリレートとの混合物の硬化
は、通常のラジカル重合における硬化方法に依れば良
く、硬化触媒として特に代表的なもののみを例示するに
とどめれば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパ
ーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、tert
−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキ
シネオデカネートまたはビス(4−t−ブチルシクロヘ
キシル)ペルオキシジカーボネートの如き、各種の有機
過酸化物類;
【0037】あるいはアゾビスイソブチロニトリルまた
は2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)の如き、各種のアゾ化合物などであるが、さらに
は、これらの硬化触媒と、ナフテン酸コバルトまたはオ
クテン酸バナジウムの如き、各種の金属石鹸類;あるい
はジメチルアニリンまたはジメチルパラトルイジンの如
き、各種の塩基性芳香族アミン類などのような硬化促進
剤との併用によってもよいことは、勿論である。
【0038】本発明において用いられる、前記した無機
質充填剤(C)として特に代表的なもののみを例示する
にとどめれば、炭酸カルシウム、クレー、アルミナ粉、
硅石粉、タルク、硫酸バリウム、シリカ粉、ガラス粉、
ガラスビーズ、マイカ、ケイ酸マグネシウム、クリスト
パライト、水酸化マグネシウム、石英粉、溶融シリカ
粉、ケイ酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、硅砂、
塞水石、大理石屑または砕石などであるが、就中、硬化
時の深みや、半透明性などを与え得る、水酸化アルミニ
ウムまたはガラス粉などの使用が望ましい。
【0039】当該(C)成分の添加量としては、(A)
成分と(B)成分の混合物である樹脂分の100重量部
に対して、好ましくは、50〜400重量部なる範囲内
である。
【0040】かくして得られる、本発明の人工大理石用
樹脂組成物には、本発明の目的を逸脱しない範囲内で、
あるいは、本発明の効果なり特徴を損なわない程度に、
他の重合可能なるビニル系化合物類を添加しても良く、
また、用途に応じて、ガラス繊維、ビニロン繊維または
炭素繊維の如き、各種の補強剤、消泡剤、紫外線吸収
剤、着色剤あるいは安定剤などのような、各種の添加剤
類を混合してもよいことは、勿論である。
【0041】このようにして得られる、アクリルシラッ
プ、ウレタンアクリレートおよび無機質充填剤を必須の
成分として含有する人工大理石用樹脂組成物、あるい
は、アクリルシラップ、ウレタンアクリレート、無機質
充填剤および硬化触媒から成る人工大理石用樹脂組成物
を用いて成形される人工大理石成形物は、とりわけ、優
れた耐衝撃性ならびに耐クラック性などを有するもので
あって、特に、キッチンカウンター、洗面化粧台ならび
に壁材などの、いわゆる住設関連機器類の一体成形用と
して有効なものである。
【0042】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例により、
一層、具体的に説明する。以下において、「部」および
「%」とあるのは、特に断りの無い限り、すべて重量基
準であるものとする。
【0043】実施例 1 コンデンサーおよび攪拌棒付きの反応容器に、メタクリ
ル酸メチルの100部およびn−ドデシルメルカプタン
の0.6部を仕込み、窒素気流中、95℃で8時間の反
応を行い、25℃でのブルックフィールド粘度が6ポイ
ズなる時点で、ハイドロキノンの50ppmを添加して
冷却した。ここに得られたアクリルシラップの不揮発分
(NV)は28.5%であった。
【0044】別に、コンデンサーおよび攪拌棒付きの反
応容器へ、アジピン酸の100部およびジエチレングリ
コールの70部を仕込み、窒素雰囲気下、220℃で1
2時間のエステル化反応を行って、酸価が0.44で、
かつ、水酸基価が56.4なるポリエステルポリオール
を得た。このものの、75℃における粘度は530セン
チポイズであった。
【0045】次いで、このポリエステルポリオールを、
攪拌棒付きの反応容器に仕込んで、100℃で、かつ、
15mmHgなる条件下に、減圧脱水を1時間に亘って
行った。引き続いて、このポリエステルポリオールの1
00部に対して、イソホロンジイソシアネートの22.
5部およびジブチルチンジラウレート(DBTDL)の
0.01部を仕込み、窒素気流中、60℃で4時間の反
応を行い、この60℃での粘度が70ポイズで、かつ、
NCO%が3.5%になった時点で、35℃にまで冷却
して、末端イソシアネート基含有のポリエステルを得
た。
【0046】しかるのち、このポリエステル中に、40
部の「PET−30」[日本化薬(株)製のペンタエリ
スリトールトリアクリレート]と、ハイドロキノンモノ
メチルエーテルの0.02部と、DBTDLの0.00
4部とを添加し、乾燥空気気流中で、60℃において1
3時間の反応を行ってから、この60℃における粘度が
350ポイズで、かつ、NCO%が0.1%なる時点
で、40℃にまで冷却し、メタクリル酸メチルの40部
を加えて、不揮発分が79.6%なるウレタンアクリレ
ートを得た。
【0047】以上のようにして得られた、それぞれ、ア
クリルシラップの80部と、ウレタンアクリレートの2
0部と、さらに、重合禁止剤としてのハイドロキノンノ
モメチルエーテルの0.05部とを混合せしめ、次い
で、「ハイジライトH−100」[昭和電工(株)製の
水酸化アルミニウム]の75部と、「ハイジライトH−
310」(同上)の75部と、硬化触媒としての、それ
ぞれ、「パーカドックス 16」[化薬アクゾ(株)製
のビス−(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシ
カーボネート]の1部と、「パーブチル O」[日本油
脂(株)製のt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサ
ノエート]の0.5部とを加え、攪拌機にて攪拌混合せ
しめ、20mmHgなる条件下で、3分間に亘る減圧脱
泡を行って、人工大理石コンパウンドを作製した。
【0048】以後は、2枚のガラス板の間に、10mm
のスペーサを挟んで作製した型の中に、先に配合してお
いた人工大理石コンパウンドを注型し、60℃で2時
間、次いで、120℃で1時間、硬化せしめた。
【0049】かくして得られた成形品についての諸物性
を評価した。それらの結果は、まとめて、第1表に示し
た。また、かかる人工大理石コンパウンドを用いての、
大型成形の試みとして、洗面カウンターを注型した。そ
のさいの成形性についても、評価を行った。その結果
も、併せて、同表に示した。
【0050】実施例 2 アクリルシラップの60部と、ウレタンアクリレートの
40部とを使用するように変更した以外は、実施例1と
同様にして、目的とする人工大理石用樹脂組成物を得
た。また、かくして得られた樹脂組成物、つまり、人工
大理石コンパウンドを用いて、成形品をも得た。かかる
成形品についての諸物性ならびに成形性を評価して、そ
れらの結果を、まとめて、第1表に示した。
【0051】実施例 3 イソホロンジイソシアネートの代わりに、18部のトル
エンジイソシアネートを使用するように変更した以外
は、実施例1と同様にして、ウレタンアクリレートを得
た。
【0052】以後は、このウレタンアクリレートを使用
するように変更した以外は、実施例1と同様にして、人
工大理石コンパウンドを作製し、成形品の諸物性ならび
に成形性についての評価を行った。それらの結果は、ま
とめて、第1表に示す。
【0053】実施例 4 「ニッポラン 980R」[日本ポリウレタン工業
(株)製のポリカーボネートポリオール;水酸基価=5
5.1]を、攪拌棒付きの反応容器に仕込んで、100
℃で、かつ、15mmHgなる条件下において、減圧脱
水を1時間に亘って行った。
【0054】次いで、このポリカーボネートポリオール
の100部に対して、イソホロンジイソシアネートを、
OH/NCO=1となるように仕込み、DBTDLの
0.01部を、さらに、メタクリル酸メチルエステル
を、NVが80%となるように仕込んだ。これらを、窒
素雰囲気下に、50℃で4時間に亘って反応せしめ、N
CO%が3.5%になった時点で、35℃まで冷却し
て、末端イソシアネート基含有のポリカーボネートを得
た。
【0055】しかるのち、この末端NCO含有ポリカー
ボネートに、ペンタエリスリトールトリアクリレートの
40部と、ハイドロキノンモノメチルエーテルの0.0
2部と、DBTDLの0.04部とを添加し、乾燥空気
気流下60℃にて10時間反応し、NCO%0.1%の
時点で冷却し、カーボネート系多官能アクリレートを得
た。
【0056】以後は、実施例1で得られたアクリルシラ
ップの80部に、上記のカーボネート系多官能アクリレ
ートの20部を加え、さらに、重合禁止剤、硬化触媒、
フィラー類などは、実施例1と同様に添加して、コンパ
ウンドを得、そして、同様にして成形を行った。そのさ
いの諸物性などの評価の結果は、まとめて、第1表に示
す。
【0057】比較例 1 実施例1で得られたアクリルシラップの100部に、実
施例1と同様の重合禁止剤、無機質充填剤および硬化触
媒を加えるが、ただし、ウレタン(メタ)アクリレート
の使用だけは、一切、欠如した形の、対照用人工大理石
コンパウンドを作製して、成形品の諸物性ならびに成形
性についても、同様に、評価を行った。それらの結果
は、まとめて、第1表に示す。
【0058】
【表1】
【0059】《第1表の脚注》 曲げ強さ………………単位はkgf/cm3である 曲げ弾性率……………単位はkgf/cm3であって、
実際には、104倍の数値である(つまり、表中の数値
は、いずれも、「×104」が省略されているものであ
る) シャルピ−衝撃強さ…単位はkgfcm/cm2である 耐熱性…………………215℃における鍋テストの値で
ある 成形テスト……………洗面カウンターについて行ったも
のである
【0060】
【表2】
【0061】
【発明の効果】このようにして、本発明の人工大理石用
樹脂組成物は、とりわけ、耐衝撃性ならびに耐クラック
性などに優れた人工大理石を提供できる処から、特に、
キッチンカウンター、洗面化粧台、浴槽、壁材ならびに
床材などの、いわゆる住設関連機器類の用途に向けて、
一体成形の出来る人工大理石として利用すること出来る
し、併せて、こうした優れた特徴を有する、本発明の人
工大理石用樹脂組成物を用いて成形される人工大理石も
また、同様の広範なる用途に向けて、有効に利用でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08F 299/06 MRX 7442−4J (C04B 26/06 14:36) 2102−4G

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウレタン(メタ)アクリレートを含有す
    ることを特徴とする、人工大理石用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (メタ)アクリル酸アルキル類を主成分
    とするアクリルシラップ(A)と、ウレタン(メタ)ア
    クリレート(B)と、無機質充填剤(C)とを含有する
    ことを特徴とする、人工大理石用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ポリメチルメタクリレートおよびメチル
    メタクリレートを主成分とするアクリルシラップ(A)
    と、ウレタン(メタ)アクリレート(B)と、さらに、
    無機質充填剤(C)とを含有することを特徴とする、人
    工大理石用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ポリメチルメタクリレートおよびメチル
    メタクリレートを主成分とするアクリルシラップ(A)
    と、ウレタン(メタ)アクリレート(B)と、無機質充
    填剤(C)とを含有する、上記した人工大理石用樹脂組
    成物を用いて成形された人工大理石。
  5. 【請求項5】 前記したウレタン(メタ)アクリレート
    (B)が、ポリオール(b−1)と、ポリイソシアネー
    ト(b−2)と、水酸基含有多官能(メタ)アクリレー
    ト(b−3)とを反応せしめて得られるものである、請
    求項1、2または3に記載の人工大理石用樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 前記したウレタン(メタ)アクリレート
    (B)が、ポリオール(b−1)と、ポリイソシアネー
    ト(b−2)と、水酸基含有多官能(メタ)アクリレー
    ト(b−3)とを反応せしめて得られるものである、請
    求項4に記載の人工大理石。
JP3310759A 1991-11-26 1991-11-26 人工大理石用樹脂組成物およびそれを用いた人工大理石 Pending JPH05147993A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10139512A (ja) * 1996-11-14 1998-05-26 Nippon Shokubai Co Ltd (メタ)アクリル系樹脂組成物およびそれを含む人工大理石用組成物
KR20180035534A (ko) * 2016-09-29 2018-04-06 케이에스케미칼 주식회사 Uv경화형 인조대리석 투명칩용 수지 조성물 및 그 제조방법
CN115872670A (zh) * 2022-10-27 2023-03-31 广东省科学院资源利用与稀土开发研究所 一种高性能有机人造大理石及其制备方法

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CN115872670B (zh) * 2022-10-27 2024-04-02 广东省科学院资源利用与稀土开发研究所 一种有机人造大理石及其制备方法

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