JPH05147210A - インクジエツト記録ヘツド - Google Patents

インクジエツト記録ヘツド

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JPH05147210A
JPH05147210A JP31275091A JP31275091A JPH05147210A JP H05147210 A JPH05147210 A JP H05147210A JP 31275091 A JP31275091 A JP 31275091A JP 31275091 A JP31275091 A JP 31275091A JP H05147210 A JPH05147210 A JP H05147210A
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plate
ink
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Takahiro Naka
隆廣 中
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 感光性樹脂を使用して流路形成を行うと共
に、流路部分を補強し、安定且つ信頼性の高い吐出を実
現する。 【構成】 インク吐出ノズル3を有するノズルプレート
10と圧力室1の弾性壁を成す変位プレート11と、こ
れら両プレートの間に積層されて圧力室1や共通のイン
ク室7のための流路を形成する感光性樹脂層9を備え、
その感光性樹脂に密着積層して前記流路に連通する補強
プレート8を前記両プレートと平行に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液滴の吐出によって記録
を行うインクジェット記録装置に適したインクジェット
ヘッドの構成に関する。
【0002】
【従来の技術】感光性樹脂を利用して流路を形成したイ
ンクジェット記録ヘッドは特開昭56ー123869に
開示されている。しかしこのヘッドにあっては、感光性
樹脂層を切断、研磨してインク滴吐出ノズルを作るた
め、切断時のノズル欠けやゴミの侵入が問題であり、ま
た樹脂層が記録紙とのコスレに弱いといった問題もあ
る。インク吐出ノズルをプレートに形成した記録ヘッド
は特開昭56ー172にある。しかしこの種のヘッドに
感光性樹脂をそのまま適用しても、樹脂の積層や露光、
融着等のヘッド製造過程において機械的な力を受け、ま
た露光、加温の影響による樹脂の収縮や熱膨張差を受け
るため、記録ヘッドにとって非常に重要部分であるノズ
ルプレートや振動子が乗る壁部に凹凸やうねりが出てし
まい、また流路にも寸法変化を生じるなど、吐出インク
滴の曲がりや悪いものでは吐出しないといった問題があ
る。
【0003】その他にも樹脂とプレートとの接着面での
剥離や樹脂に掛かる応力にも問題があり、特に長期のイ
ンク浸漬後は密着力と許容応力が低下するためその対策
が課題となっている。
【0004】完成後にあっては、ノズル部にキャップを
着脱するとその力によって変形を発生しやすいといった
問題もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】流路を高精度に形成で
き、そして2枚のプレート間を接合できる感光性樹脂を
使用しながらも、安定且つ信頼性の高い吐出を実現し、
さらには多数高密度ノズルヘッドにおいて、各ノズルか
らのばらつきのない吐出を実現することが本発明の目的
とするところである。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明では、イン
ク吐出ノズルを有する第1のプレートと圧力室の弾性壁
を成す第2のプレートと、該第1、第2のプレートの間
に積層されて圧力室や共通のインク室のための流路を形
成する感光性樹脂層を備え、該感光性樹脂に密着積層さ
れて前記流路に連通する流路を有する補強プレートを第
1、第2のプレートに平行に設ける。さらには該補強プ
レートは圧力室の片壁面を成すと共に、圧力室と共通の
インク室との間の流路を形成する。
【0007】
【実施例】以下に本発明の実施例に沿って詳細に説明す
る。図1は本発明によるインクジェット記録ヘッドの基
本構造を示す実施例の平面図(a),A−A断面図
(b)である。図1において1は圧力室、その圧力室1
の一端4は通孔5を通じてノズル3に連通し、圧力室1
の他端6は絞り流路2を通じて各圧力室共通のインク室
7に連通する。インク室7には図示されない注入口を通
じてインクタンクからインクが入ってくる。10はノズ
ル3を有するノズルプレートであり、吐出特性との関係
上その厚さは30〜120μmの範囲から選ばれる。ノ
ズル3は電鋳やプレス或はレーザー加工、エッチングな
ど公知の方法により作られ、その径は30〜40μmの
範囲から最適化される。
【0008】11は薄い金属フィルム12とやや厚い層
13とから成る変位プレートである。金属フィルム12
の材料は金属箔として一般的なステンレス、ニッケル、
ベリリウム、チタンなどが良く、厚さは1〜 10μ
m、高密度ヘッドにあっては1〜5μmが望ましい。
厚い層13はプラスチックプレートやステンレス等の金
属プレートなど厚さ20〜50μmの均一な材料で構成
され、フィルム12と接合状態にある。尚、変位プレー
ト11は例えば電鋳手段によれば金属フィルム12と厚
い層13とを一体化したプレートとすることも可能であ
る。
【0009】15は圧電素子で、その一端は圧力室1に
対応してその外壁の層13の上に接着剤14で接合す
る。圧電素子15の片側は図示されない固定板に固着さ
れており、圧電素子15への電圧印加、解除に呼応して
矢印方向に伸縮し、圧力室1内のインクを加圧する。
【0010】8は補強プレートであり、9はドライフィ
ルム等の感光性樹脂層である。すなわち圧力室1、絞り
流路2、インク室7及び通孔5の側壁は感光性樹脂層の
フォト工程により形成しており、圧力室1とインク室7
の上壁面は変位プレート11で、下壁面は補強プレート
8で作られる。そして感光性樹脂層9はノズルプレート
10と変位プレート11を補強プレート8を中間にして
互いを結合する接着層としても作用する。
【0011】補強プレート8には通孔5のための孔17
がある。補強プレート8の材料としてはやはり金属が優
れ、なかでも耐インク性を考えるとステンレスが適す。
補強プレート8はノズルプレート10と変位プレート1
1のほぼ中間に挿入する。
【0012】補強プレート8を積層することにより、感
光性樹脂では不可能だった剛性が増す。また樹脂が有す
る特有の濡れの悪さや表面粗さ、インクによる膨潤とい
った流路として好ましくない問題に対しても、圧力室1
の壁面を滑らかで且つ経時変化を起こさない補強プレー
ト8で構成することで解決できる。
【0013】図2は図1に於ける変位プレート11や圧
電素子15を取り除いて、流路部分を平面図で示したも
ので、圧力室1を4列配置している。2つの穴19は変
位プレート11、ノズルプレート10、補強プレート8
を積層するときの位置決め用ガイド穴、20は気泡排出
用流路、18はインクタンクからのインク流入口に相当
する。
【0014】補強プレート8の外周に対し感光性樹脂層
9を破線の様に少なくとも20〜100μmは内側に形
成する。変位プレート11とノズルプレート10は補強
プレート8と同外周か感光性樹脂同様少し内側とする。
そうすることで流路部分を作る樹脂層や薄いプレートを
保護出来る。
【0015】また位置決め用ガイド穴19についても感
光性樹脂層9を破線の様に穴より外側へ逃がし、位置決
め用軸に対する保護および感光性樹脂の穴精度に影響さ
れない位置決めを行なう。
【0016】図3は図1の実施例で示したヘッドの製造
方法の説明図で、同図(a)(b)(c)に示すように
変位プレート11、補強プレート8、ノズルプレート1
0各々の片面または両面に感光性の樹脂層を積層する。
そして従来周知の露光、現像、リンスといったフォト工
程を経て各々の樹脂層に流路に相当する凹部を作る。次
いで出来上がった3ブロックを加圧加温のもと積層融着
せしめれば第1図(b)の所要の流路が完成する。
【0017】吐出特性を確保するには流路を作る感光性
樹脂に適当な厚みが必要である。そこで図示の(a)
(b)(c)ように樹脂層を配分して積層してフォト工
程を行い、その後積層融着する。フォト工程に於て樹脂
層は収縮する。またノズルプレート10と変位プレート
11は薄く、しかも片面のみの積層であるため変形し易
い。そのためノズルプレート、変位プレートには樹脂層
を薄く積層し、ソリ、変形を小さくする。ソリ、変形が
小さいと後の積層融着時重ね易く精度と作業性が向上す
る。一方比較的厚い補強プレート8には流路に必要な厚
さを、しかも両面に、好ましくはほぼ同厚さの樹脂層を
積層する。補強プレートの剛性を高めておけばソリ、変
形は生じない。
【0018】例えばノズルプレートに15から30μm
を、変位プレートに同じく15から30μmを、補強プ
レートには両面にそれぞれ75から150μmを積層す
る。積層融着せしめるとノズルプレート10と変位プレ
ート11は補強プレートに矯正されてさらに平坦度が増
す。その際、矯正時に樹脂とプレートの界面には剪断力
が、樹脂自身にも応力が加わるが、元々ソリ、変形が小
さいので加わる力は小さく、従来課題であったインク浸
漬による剥離と破壊を防止できる。
【0019】図4は電気機械変換素子として平板状圧電
素子21を用いた実施例で、インク滴の吐出原理は既に
知られているとおりである。ここでは変位プレート11
は薄い一層のプレートで構成される。剛性を上げ、平坦
度を上げることは平板状圧電素子の密着と電気的接続に
とって、また圧力室壁の均一なたわみの生起にとって非
常に効果的である。
【0020】図5は本発明の他の実施例で補強プレート
8に絞り流路2を形成したものである。絞り流路2の加
工にはエッチング、プレス、レーザー、電鋳、ドリルな
ど材料や必要精度に適した加工が選択される。この構成
によれば記録ヘッドにとって高精度寸法が要求されるノ
ズルと絞り流路をプレートに作ることで高精度化でき
る。すなわちノズル3と絞り流路2をプレートに作れる
ため高精度加工が可能なこと、且つ膨潤等インクによる
経時変化をなくせること、積層融着時のツブレによる寸
法変化を回避できる。実績によると絞り流路の幅、深さ
精度が感光性樹脂でプラスマイナス5μmであったがプ
レス加工ではプラスマイナス2μmであった。絞り流路
の長さも板厚で管理可能なため、さらに好都合である。
【0021】以上に説明した実施例の図では感光性樹脂
として、その取扱い、及び厚さの制御が容易で正確な固
体タイプのドライフィルムフォトレジストを例としてい
る。この他、感光性樹脂として液状タイプも本発明の記
録ヘッドに使用可能である。これらの感光性樹脂は既に
特開昭58ー11173やその他この種樹脂メーカーの
資料等に示されており、適宜選択可能である。
【0022】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によるイン
クジェット記録ヘッドはインク吐出ノズルを有する第1
のプレートと圧力室の弾性壁を成す第2のプレートと、
該両プレートの間に積層されて流路を形成する感光性樹
脂層を備え、該樹脂層に密着積層して前記流路に連通す
る流路を有する補強プレートを前記両プレートに平行に
設けたものである。また補強プレートで圧力室の片壁面
成すと共に圧力室と共通のインク室との間の流路を形成
したものである。その結果、剛性不足に起因する種々の
問題を解決できたこと、製造精度と組立性が向上したこ
と、樹脂にかかる応力の低減と積層界面の剥離解消によ
る信頼性の向上が達成できたこと、また補強プレートで
圧力室壁面を滑らか且つ安定化することで吐出安定性が
増したこと、補強プレートに高精度に流路を形成できて
吐出特性が向上したこと、などインクジェット記録ヘッ
ドが直面していた多くの課題を解決できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録ヘッドの平面図と断面図。
【図2】本発明の記録ヘッドの流路配置を示す平面図。
【図3】本発明の記録ヘッドの組立説明図。
【図4】本発明による記録ヘッドの他の平面図と断面
図。
【図5】本発明による記録ヘッドの更に他の平面図と断
面図。
【符号の説明】 1 圧力室 2 絞り流路 3 ノズル 7 インク室 8 補強プレート 9 感光製樹脂 10 ノズルプレート 11 変位プレート 12 金属フィルム 14 接着 15 電気ー機械変換素子

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の圧力室を配置し、その各圧力室の
    一端はインク吐出ノズルに、他端は共通のインク室に連
    通し、該インク室にインクタンクよりインクを供給する
    記録ヘッドであり、前記インク吐出ノズルを有する第1
    のプレートと前記圧力室の弾性壁を成す第2のプレート
    と、該第1、第2のプレートの間に積層されて前記圧力
    室、インク室のための流路を形成する感光性樹脂の層を
    備え、さらに該感光性樹脂に密着積層されて前記流路に
    連通する流路を有する補強プレートを前記第1、第2プ
    レートと平行に設けたことを特徴とするインクジェット
    記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記補強プレートは圧力室の片壁面を成
    すと共に該圧力室と前記共通のインク室間の流路を形成
    することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記
    録ヘッド。
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