JP4194538B2 - 液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット(液体噴射)方式等によって液滴を発生するためのヘッドカートリッジや液体吐出装置等に用いられる液体吐出ヘッドの製造方法に関するものである。
複数のノズル開口が形成されたノズルプレートと、圧電振動子(圧電素子)により部分的に弾性変形可能な振動板とを対向させて圧力室を形成し、圧電振動子の収縮、伸長により圧力室にインク等液体を吸引後、圧電振動子を伸長させて液滴をノズル開口から噴射させるオンデマンド形式の液体噴射式記録ヘッドは、圧電振動子と振動板との接合状態を改善するために例えば特許文献1に示されるように、圧電振動子と振動板との間に結合部材を介し、もって圧電振動子の変位を効率的に圧力室に伝達するように構成されている。また、特許文献2に記載された脚部などが知られているが、いずれの場合においても圧電振動子と圧力室等を形成する部材は別部材として形成した後に互いに接合しているので、この接合工程に高い位置合わせ精度が要求され、製造コストが上昇する傾向があり、また、圧電振動子の変位を効率的に圧力室に伝送できなかったり、本来変形させてはならない部分にまで圧電振動子の変位が伝達されてしまい、ノズルメニスカスが不安定な挙動を示すいわゆるクロストークを招く等の課題がある。
米国特許第4418355号明細書 特公昭63−25942号公報
本発明は、圧電振動子が超高精度に加工されていなくても精度良く圧力室に圧力を伝達するための孤立圧力伝達部(アイランド部)を設け、この孤立圧力伝達部を、圧力室等を構成する構造体(液流路形成部)と一体的に作り付けることで、接合工程および接合誤差を排除した液体吐出ヘッドの製造方法を提供することを目的とするものである。
また、本発明の第2の目的は、圧力伝達動作が効率的でクロストーク等の発生をできるかぎり防止した高性能でしかも簡易、安価な液体吐出ヘッドの製造方法を提供することである。
本発明の液体吐出ヘッドの製造方法は、複数の液吐出口と、該複数の液吐出口にそれぞれ連通する複数の圧力室を有する液流路と、孤立圧力伝達部を介して前記複数の圧力室にそれぞれ対応する櫛歯状の複数の圧電振動子と、を備えた液体吐出ヘッドの製造方法であって、前記複数の圧電振動子の間の櫛歯溝に充填材を充填する工程と、充填材が充填された前記複数の圧電振動子の端面を含む平面上に前記孤立圧力伝達部となる伝達層を形成する工程と、前記伝達層の上に振動板を介して前記充填材と同じ材料からなる液流路パターンを形成する工程と、該液流路パターンの上に被覆層を形成する工程と、前記液流路パターンを除去することによ前記複数の圧力室形成、前記複数の圧力室に対応する個所を除いて前記伝達層を除去することによ前記孤立圧力伝達部形成と、前記充填材の除去と、を一括して行う工程と、を有することを特徴とする。
本発明においては、充填材が充填された前記複数の圧電振動子の端面を研磨して平滑な平面を形成することを特徴とするものであってもよい。
また、本発明においては、充填材を充填する工程において前記液流路へ液体を供給する液供給口にまで充填材を充填し、前記充填材を除去する工程において前記液供給口からも充填材を除去することを特徴とするものであってもよい。
本発明によれば、液体吐出ヘッドの圧力室を形成する被覆樹脂層と樹脂製の孤立圧力伝達部をフォトリソグラフィー技術によって一体的に作成するものであるため、圧電振動子に結合された孤立圧力伝達部と圧力室の間の高精度な位置合わせを安定して実現できる。
これによって、駆動された圧電振動子の振動が隣接する他の圧力室に影響することがなくなり、また、駆動対象となった圧電振動子が属する圧力室に対しては、液吐出口の開口列(ノズル開口列)と直行する方向の広い範囲にわたって圧力を均等に伝搬させることができる。
その結果、圧電振動子の変位を効率的に伝達するとともに、隣接する圧力室への変位の伝搬を抑えて、ノズルメニスカスを安定的に維持する精密な液体吐出ヘッドを低コストで生産することができる。
このように本発明によれば、液流路形成部の形成を、圧電振動子と接合される孤立圧力伝達部であるアイランド部と一体的に行うものであるため圧力室との位置合わせ精度が高く、各圧力室に個別に対応するアイランド部と圧電振動子との位置精度の設定が極めて容易に実現できる。また、アイランド部と圧電振動子との距離を短くできるため、動作周波数の高い液体吐出ヘッドを容易に作成することができるという効果をも有するものである。
これによって、駆動された圧電振動子の振動が隣接する他の圧力室に伝搬することがなくなり、また駆動対象となった圧電振動子が属する圧力室に対してはノズル開口列と直行する方向の広い範囲にわたって圧力を均等に伝搬させて圧電振動子の変位を効率的に伝達するとともに、隣接する圧力室への変位の伝搬を抑えてノズルメニスカスを安定的に維持することが可能となり、安定した吐出による超高画質印字に対応した液体吐出ヘッドを低コストで作成することができるという格別な効果を奏するものである。
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は参考の実施の形態による液体吐出ヘッドの概略構成を説明するもので、液流路形成部を構成する構造体である被覆樹脂層1は、複数の液吐出口(ノズル開口)2からなるノズル開口列と、後述するように、溶解可能な樹脂をパターニングした樹脂パターンを溶出する工程によって形成された、液体を供給する液体供給室3および液体を収容し加圧する圧力室4、液体供給室3に連通し外部からの液体を導入するための液供給口3a、圧力室4を加圧するための振動板5、振動板5と振動子ユニット10の各圧電振動子11を接合された、圧力室4の長手方向に延びる凸形状をした孤立圧力伝達部であるアイランド部6を備えており、圧力室4は、隔壁4aによって個々に分離されて複数並列して形成され、これに対応する液吐出口2も同じく複数個並列して形成されている。
また、液供給口3aには液体供給部材3bが接着剤で接着されており、この液体供給部材3bを図示しない液体タンクに接続することにより液体が供給される。このように被覆樹脂層1は、液体供給室3や圧力室4等の液流路および振動板5を有し、かつアイランド部6を一体に形成した液流路構成部材である。
なお、液体吐出エネルギー発生素子としての圧電振動子11には、例えば、圧電体のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)と電極を積層した構造の圧電素子を用いる。そして、各圧電振動子11は図示しないベースプレートに固定されており、圧力室4にそれぞれ対応するように複数並列して配設されている。また、圧電振動子11には、駆動のための個別電極(不図示)とコモン電極(不図示)が形成されており、これらの個別電極とコモン電極はそれぞれ信号線とコモン線に接続され、図示しない駆動回路から駆動信号が送られる。
図2は本参考の形態による液体吐出ヘッドの製造方法を示す工程図であって、同図の(a)に示すように、基板101に離型剤等からなる分離層102を塗布し、(b)に示すように、第1の被覆樹脂1aを積層し、(c)に示すように、溶解可能な樹脂材料層103aを積層しマスク104を用いたフォトリソグラフィー技術によって、(d)に示すように、液体供給室3および圧力室4の形状を有する液流路パターン103を形成する。
次いで、図2の(e)に示すように、液流路パターン103を第2の被覆樹脂1bによって被覆し、第1、第2の被覆樹脂1a、1bによる被覆樹脂層1を形成する。
さらに、図2の(f)に示すように、被覆樹脂層1上に孤立圧力伝達部となる伝達層としての感光性樹脂材料層105を積層し、マスク106を介して露光して、(g)に示すように、各圧力室4に対応するアイランド部6の潜像105aを被覆樹脂層1と一体的に形成し、(h)に示すように、振動子ユニット10の各圧電振動子11を各アイランド部6に対応させ、透明な基板101、被覆樹脂1a、1b等を介して、振動子ユニット10に設けられたアライメントマーク等のアライメント手段を透視することで、各圧力室4の液流路パターン103および各アイランド部6と圧電振動子11の位置合わせを行い、アイランド部6に圧電振動子11を接合する。
最後に図2の(i)に示すように、分離層102を溶出することで基材101を除去し、(j)に示すようにレジスト107を介したレーザーアブレーションやプラズマエッチング等によって被覆樹脂1aをパターニングし、(k)に示すように液吐出口2を形成する。なお、液吐出口2を形成する工程は、第1の被覆樹脂1aを分離層102に積層した直後に行ってもよい。
さらに、図2の(l)に示すように液流路パターン103および感光性樹脂材料層105の非露光部分を溶出し、液体供給室3、圧力室4によって隣接する圧電振動子11から隔離されたアイランド部6を形成する。この工程において、液流路パターン103および感光性樹脂材料層105の非露光部分を一括して除去することは、製造上簡易なので好ましいものである。
〔参考例1〕
図2に示した参考の実施の形態による液体吐出ヘッドの製造方法の具体例を説明する。
図2の(a)において、基板101として厚さ5mmの耐熱性を有するガラスの基板を用い、この基板101上に分離層102を形成する。分離層102は、溶解可能なポリメチルイソプロペニルケトン(東京応化工業(株)製ODUR−1010)をPET上に塗布、乾燥し、膜厚2μmのドライフィルムとしたものをラミネートにより基板101上に転写した。なお、ODUR−1010は、低粘度であり厚膜形成できないため濃縮して用いた。続いて、120℃にて20分間プリベークした。
次いで、図2の(b)に示すように、液体供給室3、圧力室4等を構成する被覆樹脂層1の一部を形成するため、膜厚5μmの第1の被覆樹脂1aをスピンコートあるいはロールコート等により分離層102の上に塗工する。この第1の被覆樹脂1aとして、
エポキシ樹脂(o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂) 100部
光カチオン重合開始剤(4,4−ジ−t−ブチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート) 1部
シランカップリング剤(日本ユニカー社製A−187) 10部
からなる樹脂組成物をメチルイソブチルケトン/キシレン混合液に50wt%の濃度で溶解し、スピンコートにて膜厚5μmの感光性をもつ樹脂層を分離層102上に塗工し、硬化のため露光を行った。
次に、図2の(c)に示すように、液体供給室3および圧力室4を形成するため、膜厚10μmの溶解可能な樹脂材料層103aを第1の被覆樹脂1aの上に形成する。この樹脂材料層103aとしては、溶解可能なポリメチルイソプロペニルケトン(東京応化工業(株)製ODUR−1010)をPET上に塗布、乾燥し、膜厚10μmのドライフィルムとしたものをラミネートにより第1の被覆樹脂1a上に転写した。なお、ODUR−1010は、低粘度であり厚膜形成できないため濃縮して用いた。次いで、120℃にて20分間プリベークした。
その後に、マスク104を用いて、キヤノン製マスクアライナーPLA520(コールドミラーCM290)にて液流路のパターン露光を行う。露光は1.5分間、現像はメチルイソブチルケトン/キシレン=2/1、リンスはキシレンを用いた。これによって、図2の(d)に示すように、溶解可能な樹脂による液流路パターン103が形成される。この液流路パターン103は被覆樹脂層1内に液体供給室3と圧力室4を確保するためのものである。
次に、図2の(e)に示すように、振動板5および圧力室4の隔壁4a等の液流路構成部を形成するため、液流路パターン103の上における膜厚5μmの第2の被覆樹脂1bをスピンコートあるいはロールコート等により液流路パターン103の上に塗工する。この第2の被覆樹脂1bとして、
エポキシ樹脂(o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂) 100部
光カチオン重合開始剤(4,4−ジ−t−ブチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート) 1部
シランカップリング剤(日本ユニカー社製A−187) 10部
からなる樹脂組成物をメチルイソブチルケトン/キシレン混合液に50wt%の濃度で溶解し、スピンコートにて、液流路パターン103上における膜厚5μmの感光性をもつ樹脂層を形成し、そして、硬化のため露光を行った。図1に示す被覆樹脂層1は、このようにして形成された第1、第2の被覆樹脂1a、1bからなるものである。
次に、図2の(f)に示すように、第2の被覆樹脂1bの上に圧電振動子11を接合するアイランド部6を形成するために、第2の被覆樹脂1b上における膜厚5μmの感光性樹脂材料層105をスピンコートあるいはロールコート等によりに形成する。この感光性樹脂材料層105として、
エポキシ樹脂(o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂) 100部
光カチオン重合開始剤(4,4−ジ−t−ブチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート) 1部
シランカップリング剤(日本ユニカー社製A−187) 10部
からなる樹脂組成物をメチルイソブチルケトン/キシレン混合液に50wt%の濃度で溶解し、スピンコートにて、第2の被覆樹脂1b上における膜厚5μmの感光性をもつ感光性樹脂材料層105を形成し、図2の(g)に示すように、マスク106を用いて、硬化のため露光を行い孤立したアイランド部6の潜像105aを形成した。
次に、図2の(h)に示すように、圧電振動子11を孤立した各アイランド部6の潜像105aが形成された感光性樹脂材料層105にエポキシ系接着剤を用いて接着する。この圧電振動子11の接着に際しては、アイランド部6以外の基板101や被覆樹脂層1には光透過性があるため、基板101側から圧電振動子11上に形成してあるアライメントマーク(不図示)を実体顕微鏡で観察しながら、圧電振動子11の接合を行うことができる。実体顕微鏡としては(株)ニコン製のSZH−10(商品名)を用いた。このようにすることにより、圧電振動子11の位置をアイランド部6に対して正確に決定することができ、位置精度を向上させることができる。エポキシ系接着剤を介して圧電振動子11をアイランド部6に接合した後に、120℃にて20分間プリベークした。
次に、図2の(i)に示すように、メチルイソブチルメトン中に超音波を付与しつつ浸漬して、基板101と第1の被覆樹脂1a間の分離層102を溶出することによって、基板101を除去する。
次に、図2の(j)および(k)に示すように、液吐出口2を形成する。まず、同図の(j)に示すように、シリコン含有ポジ型レジスト107(富士ハント(株)製のFH−SP(商品名))を第1の被覆樹脂1aの表面に塗布し、液吐出口2をパターニングし、そして、エキシマレーザーを用いて、マスクを介して照射することでレーザーアブレーションにより第1の被覆樹脂1aに液吐出口2を形成する。なお、レーザーアブレーションは溶解可能な液流路パターン103中の任意の点(深さ)で終了させた。
次に、図2の(l)に示すように、メチルイソブチルメトン中に超音波を付与しつつ浸漬して、溶解可能な液流路パターン103を溶出して、液体供給室3や圧力室4等の液流路を形成し、また、アイランド部6となる感光性樹脂材料層105の潜像105aを現像した。
このようにして形成した液体供給室3と圧力室4を構成する構造体である被覆樹脂層1および圧電振動子11を含む振動子ユニット10からなるヘッドユニットに対して、液体を供給するための液体供給部材3bの接合および液体吐出エネルギー発生素子である圧電振動子11を駆動するため信号線とコモン線の電気的接合を行って、液体吐出ヘッドが完成する。
このようにして作製された液体吐出ヘッドを液体噴射記録装置に装着し、純水/ジエチレングリコール/イソプロピルアルコール/酢酸リチウム/黒色染料フードブラック2=79.4/15/3/0.1/2.5(重量%)からなるインクを用いて印字記録を行ったところ、安定な印字が可能であり、得られた印字物は高品位なものであった。
〔参考例2〕
図3を参照して、参考の実施の形態による液体吐出ヘッドの製造方法の別の具体例を説明する。
本参考例においては、液吐出口22の形成工程に酸素プラズマエッチングを用いる点のみが参考例1と相違し、その他の工程は前述した参考例1の各工程と同様であるから、液吐出口22以外は参考例1と同一符号を付して説明する。
本参考例における図3の(a)〜(i)の工程、すなわち圧電振動子11の接合までの工程は、前述した参考例1における図2の(a)〜(i)の工程と同様であり、その説明は省略する。そして、図3の(j)に示すように、液吐出口22の形成に酸素プラズマエッチングを用いる。レジスト膜108を耐酸素プラズマ膜として作用させ、図3の(k)に示すように、酸素プラズマエッチングにより第1の被覆樹脂1aに液吐出口22をエッチングする。このエッチングは溶解可能な液流路パターン103中の任意の点で終了させた。次いで、参考例1と同様に、図3の(l)に示すように、溶解可能な液流路パターン103を溶出して、液体供給室3、圧力室4等の液流路を形成する。
このようにして形成された液体吐出ヘッドにおいても、参考例1の液体吐出ヘッドと同様に、安定な印字が可能であり、得られた印字物は高品位なものであった。
〔参考例3〕
図4は、参考の実施の形態による液体吐出ヘッドの製造方法のさらに別の具体例の主要工程を断面で示す概略的な工程図である。
なお、本参考例においても、液吐出口32を形成する工程以外は前述した2つの参考例と同様であるから同一符号を付して説明する。
図4の(a)において、基板101として厚さ5mmの耐熱性を有するガラスの基板を用い、この基板101上に分離層102を形成する。分離層102は、溶解可能なポリメチルイソプロペニルケトン(東京応化工業(株)製ODUR−1010)をPET上に塗布、乾燥し、膜厚2μmのドライフィルムとしたものをラミネートにより基板101上に転写した。なお、ODUR−1010は、低粘度であり厚膜形成できないため濃縮して用いた。続いて、120℃にて20分間プリベークした。
次いで、図4の(b)に示すように、まず、液流路(液体供給室3、圧力室4)の構成部材である被覆樹脂層1の一部を形成するため、膜厚5μmの第1の被覆樹脂1aをスピンコートあるいはロールコート等により分離層102の上に塗工し、そして、硬化と液吐出口32を確保するための潜像32aを作成するためパターン露光を行う。
この第1の被覆樹脂1aとして、
エポキシ樹脂(o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂) 100部
光カチオン重合開始剤(4,4−ジ−t−ブチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート) 1部
シランカップリング剤(日本ユニカー社製A−187) 10部
からなる樹脂組成物をメチルイソブチルケトン/キシレン混合液に50wt%の濃度で溶解し、スピンコートにて膜厚5μmの感光性をもつ樹脂層を分離層102上に塗工した。そして、硬化と液吐出口32を確保するための潜像32aを作成するために、マスク109を用いてキヤノン製マスクアライナーPLA520(コールドミラーCM290)にてパターン露光を行った。
次に、図4の(c)に示すように、液体供給室3および圧力室4を形成するため、膜厚10μmの溶解可能な樹脂材料層103aを第1の被覆樹脂1aの上に形成する。この樹脂材料層103aとしては、溶解可能なポリメチルイソプロペニルケトン(東京応化工業(株)製ODUR−1010)をPET上に塗布、乾燥し、膜厚10μmのドライフィルムとしたものをラミネートにより第1の被覆樹脂1a上に転写した。なお、ODUR−1010は、低粘度であり厚膜形成できないため濃縮して用いた。次いで、120℃にて20分間プリベークした。
そして、マスク104を用いて、キヤノン製マスクアライナーPLA520(コールドミラーCM290)にて液流路のパターン露光を行う。露光は1.5分間、現像はメチルイソブチルケトン/キシレン=2/1、リンスはキシレンを用いた。これによって、図4の(d)に示すように溶解可能な樹脂で形成された液流路パターン103が形成され、この液流路パターン103は液体供給室3と圧力室4を確保するためのものである。
次に、図4の(e)に示すように、振動板5および圧力室4の隔壁4aを構成する構造体の一部を形成するため、液流路パターン103の上における膜厚5μmの感光性をもつ第2の被覆樹脂1bを液流路パターン103の上にスピンコートあるいはロールコート等により塗工する。この第2の被覆樹脂1bとして、
エポキシ樹脂(o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂) 100部
光カチオン重合開始剤(4,4−ジ−t−ブチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート) 1部
シランカップリング剤(日本ユニカー社製A−187) 10部
からなる樹脂組成物をメチルイソブチルケトン/キシレン混合液に50wt%の濃度で溶解し、スピンコートにて、液流路パターン103上における膜厚5μmの感光性をもつ樹脂層を形成し、そして、硬化のため露光を行った。
次に、図4の(f)に示すように、第2の被覆樹脂1bの上に圧電振動子11を接合するためのアイランド部6を形成するために、第2の被覆樹脂1bの上における膜厚5μmの感光性樹脂材料層105をスピンコートあるいはロールコート等により形成する。この感光性樹脂材料層105として、
エポキシ樹脂(o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂) 100部
光カチオン重合開始剤(4,4−ジ−t−ブチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート) 1部
シランカップリング剤(日本ユニカー社製A−187) 10部
からなる樹脂組成物をメチルイソブチルケトン/キシレン混合液に50wt%の濃度で溶解し、スピンコートにて、第2の被覆樹脂1b上における膜厚5μmの感光性をもつ感光性樹脂材料層105を形成し、図4の(g)に示すように、マスク106を介して硬化のため露光を行い孤立したアイランド部6の潜像105aを形成した。
次に、図4の(h)に示すように、圧電振動子11を各アイランド部6の潜像105aが形成された感光性樹脂層105にエポキシ系接着剤を用いて接着する。この圧電振動子11の接着に際しては、アイランド部6以外の基板101や液流路パターン103には光透過性があるため、基板101側から圧電振動子11上に形成してあるアライメントマーク(不図示)を実体顕微鏡で観察しながら、圧電振動子11の接合を行うことができる。実体顕微鏡としては(株)ニコン製のSZH−10(商品名)を用いた。このようにすることにより、圧電振動子11の位置をアイランド部6に対して正確に決定することができ、位置精度を向上させることができる。エポキシ系接着剤を介して接合した後に、120℃にて20分間プリベークした。
次に、図4の(i)に示すように、メチルイソブチルメトン中に超音波を付与しつつ浸漬して、基板101と第1の被覆樹脂1a間の分離層102を溶出することによって、基板101を除去する。
次に、図4の(j)に示すように、メチルイソブチルメトン中に超音波を付与しつつ浸漬して、潜像32aを溶出して、液吐出口32を形成し、その後に、溶解可能な液流路パターン103を溶出して、液体供給室3、圧力室4等の液流路を形成し、感光性樹脂材料層105のアイランド部6の潜像105aを現像する。
このようにして形成した液流路構造体および圧電振動子11を含む振動子ユニット10に対して、液体を供給するための液体供給部材3bの接合および液吐出圧発生素子である圧電振動子11を駆動するため信号線とコモン線の電気的接合を行って、液体吐出ヘッドが完成する。
このようにして作製された液体吐出ヘッドにおいても、前述した2つの参考例と同様に、液体噴射記録装置に装着して印字記録を行ったところ、安定な印字が可能であり、得られた印字物は高品位なものであった。
以上のように作製される本発明の液体吐出ヘッドは、記録紙の全幅にわたり同時に記録ができるフルラインタイプの液体吐出ヘッドとして有効であり、さらに、液体吐出ヘッドを一体的にあるいは複数個組み合わせたカラー記録ヘッドにも有効である。また、ある温度以上で液化する固体インクにも適用することができる。
次に、本発明の実施の形態を説明する。
図5ないし図15は、本発明の実施の形態による液体吐出ヘッドおよびその製造方法を示すもので、図5は、ヘッド完成直前のものを構造がわかりやすいように、上層の液流路形成部等と、下層の圧電素子部に分割して示すものであり、図6は液体吐出ヘッドの内部構造を長手方向と幅方向の2つの断面で示す図である。
液流路形成部を構成する被覆樹脂層41は、複数の液吐出口(ノズル開口)42を備えたノズル開口列を2列備えており、後述するように、溶解可能な樹脂をパターニングした樹脂パターンを溶出する工程を経て、液体供給室43および圧力室44等を形成する。
被覆樹脂層41の下には振動板45および孤立圧力伝達部であるアイランド部46が積層され、振動板45の2つの開口45aはそれぞれ被覆樹脂層41の2つの液体供給室43に連通しており、一方の表面が圧力室44を介して液吐出口42に対向し、他方の表面に圧電素子部の振動子ユニット50の各圧電振動子51の先端がアイランド部46を介して当接され、圧電振動子51の伸長、収縮を圧力室44内の液体に伝達する。
2つの振動子ユニット50はヘッド函体60に担持されており、ヘッド函体60は、各振動子ニット50を収容する収容部61と、振動板45の開口45aに連通する液供給口62を備えている。
各振動子ユニット50は、櫛歯状の圧電振動子51によって記録液等の液小滴を吐出させるための液体吐出エネルギーが振動板45を介して圧力室44内の液体に与えられ、記録等が行われる。すなわち、インク等液体吐出エネルギー発生素子として圧電振動子51が用いられるときは、この素子の機械的振動によって、吐出エネルギーが発生される。なお、各振動子ユニット50は、これら各圧電振動子51を支持する支持部材52を有し、また、各圧電振動子51を動作させるための制御部が配設されている。
図7は、各振動子ユニット50の詳細を説明するもので、振動子ユニット50は、圧力室44の配列ピッチに合わせて圧電体材料50aを一端から他端に裁断して複数の圧電振動子51に切分けることにより形成されている。そしてこの裁断の際に支持部材52上の薄膜電極52aを透過する程度の深さにダイシングソウなどの切削深さを設定しておくことにより、駆動信号を供給するためのリード53を同時に形成することができる。また、圧電振動子51の他方の表面には導電板を導電性接着剤により固定して共通電極54が形成されている。そして、制御部から、リード53と共通電極54に駆動信号を印加すると、これを受けて、各圧電振動子51がその長手方向に伸長、収縮することになる。
各振動子ユニット50は、圧電振動子51の先端が、外壁面とほぼ同一平面に並ぶようにヘッド函体60にセットされる。この面の上に液流路形成部である被覆樹脂層41等を積層する。
図8ないし図15は、液流路形成部の形成工程を説明するもので、まず、図8および図9に示すように、振動子ユニット50の圧電振動子51の櫛歯溝の隙間や、ヘッド函体60の各振動子ユニット50の収容部61および液供給口62等の空間部に溶解可能な充填材としての樹脂71、72を充填する。ただし、振動子ユニット50の櫛歯溝の隙間や、振動子ユニット50の収容部61に充填する樹脂71は、後述するように最後に溶出をしない場合は溶解可能でなくてもかまわない。
さらに、被覆樹脂層41等を積層形成する面60aを研磨し平滑な面を形成する。このように平滑な面にすることで、スピンコートあるいはロールコート等の塗布手段を用いておよそ50μm以下の膜厚であれば、任意の膜厚で高精度に樹脂層を成膜することが可能となる。また、ドライフィルム化できない材料(被覆性に乏しい材料)も使用可能となる等多くの利点を生じる。
この面60aの上に樹脂を積層し液流路形成部等を形成するが、このとき、各振動子ユニット50の圧電振動子51とアイランド部46、圧力室44および液吐出口42とのアライメントを正確に行う必要がある。そこで以下のパターニング工程では、樹脂を透過し、直接的に圧電振動子51あるいは振動子ユニット50に設けたアライメント手段であるアライメントマークを基準にアライメントを行いパターニングをするとよい。
次いで、図10に示すように、各圧電振動子51の端面にアイランド部46を形成するために、感光性樹脂材料層73をスピンコートあるいはロールコートによって積層し、マスク110を介して露光を行い、互いに孤立したアイランド部46の潜像73aを形成する。
次に、図11に示すように、液供給口62のみに開口した樹脂シートを貼り付けて、開口45aを有する振動板45を形成する。
振動板45に用いる樹脂は、液体吐出ヘッドの構造材料となるため、高い機械的強度、耐熱性、基板に対する密着性およびインク等液体に対する耐性や液体を変質せしめない等の特性が要求される。
さらに、図12に示すように、スピンコートあるいはロールコートで溶解可能な樹脂を積層し、液体供給室43および圧力室44等をパターニングして液流路パターン74を形成する。
次に図13に示すように、被覆樹脂層41となる樹脂層41aを形成する。この樹脂層41aも液体吐出ヘッドの構造材料となるため、高い機械的強度、耐熱性、基板に対する密着性および液体に対する耐性や液体を変質せしめない等の特性が要求される。
そして樹脂層41aは光または熱エネルギーの付与により重合、硬化し基体に対して強く密着するものが好適に用いられる。
次いで、樹脂層41aをパターニングして液吐出口42を形成するためのレジスト111を設けて開口111aを開口させ、図14に示すように、被覆樹脂層41となる樹脂層41aが感光性の場合は、フォトリソ技術によって液吐出口42をパターニングする。硬化した樹脂層を加工する場合は、エキシマレーザーによる加工や、酸素プラズマによるエッチング等の手法を用いてもよい。
次に、液供給口62に充填された樹脂72と液流路パターン74を溶剤によって溶出する。そして、振動子ユニット50の圧電振動子51の櫛歯溝の隙間や、振動子ユニット50を収容するヘッド函体60の収容部61に充填した樹脂71およびアイランド部46を構成する潜像73aを除く感光性樹脂材料層73を溶出する。
このようにして形成した圧力室44等を有する被覆樹脂層41上に液体供給のための部材を接合し、圧電振動子51を駆動するための電気的接続を行って液体吐出ヘッドが完成する。
図9から図15に示す手順にしたがって本発明の実施の形態の具体例による液体吐出ヘッドを作成した。
まず、吐出エネルギー発生素子として振動子ユニット50を作成した。振動子ユニット50は、図7に示したように圧電材料と電極材料とを交互に20層サンドイッチ状に積層して24V程度の低電圧駆動が可能に構成された積層型圧電振動板50aの一部を、表面に薄膜電極52aが形成された支持部材52に導電接着剤KE3492(信越化学)により固定して、支持部材52の切り欠きに対向する自由端部を、圧力室44の配列ピッチに合わせて一端から他端に裁断して複数の圧電振動子51に切分けられて構成されている。そしてこの裁断の際に薄膜電極52aを透過する程度の深さにダイシングソウなどの切削深さを設定しておくことにより、駆動信号を供給するためのリード53を同時に形成することができる。本実施例ではダイシング切削幅を90μmとし、厚さ500μmの積層型圧電振動板50aに対し、550μmの切削深さでダイシングを行った。また、圧電振動子51の他方の表面には導電板を導電性接着剤により固定して共通電極54が形成されている。したがって、リード53と共通電極54に駆動信号を印加すると、受けて、各圧電振動子51がその長手方向に伸長、収縮することになる。
この振動子ユニット10は各圧電振動子51の先端が、外壁面とほぼ同一平面に並ぶようにヘッド函体60の収容部61にセットされる。この面の上に液流路形成部を積層形成していくことになる(図8参照)。
次に、液流路形成部の形成工程に入る。
まず、図9に示すように、振動子ユニット50の圧電振動子51の櫛歯溝とヘッド函体60の収容部61や、液供給口62などの空間部に溶解可能な樹脂71、72を充填する。樹脂としてPMER A−900(東京応化工業(株)社製)を用いた。さらに液流路形成部を積層形成する面60aを研磨し平滑な面を形成した。
次に、アイランド部46を各圧電振動子51の端面上に形成する。これには、スピンコートで感光性樹脂材料層73を成膜し、マスク110を介し露光を行い、図10に示すように露光を行い孤立したアイランド部46の潜像73aを形成した。
次に液供給口62のみに開口した樹脂シートを貼り付けて図11に示すように開口部45aを有する振動板45を形成する。本実施例においては、エポキシ樹脂としてEHPE−3150(ダイセル化学工業(株)社製 脂環式エポキシ樹脂)、熱硬化性のカチオン重合触媒として4、4’−ジ−t−ブチルジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート/銅トリフラートからなる混合触媒を用いた。露光にはキヤノン製マスクアライナーMPA−600を用いた。
あるいは、樹脂シートにはポリフェニルサルファイドを成膜し、機械加工により開口したシートを用いた。液供給口接続部は比較的大きく、このシートの張り合わせには特別の精度は必要としない。
さらに、図12に示すように、溶解可能な樹脂としてPMER A−900(東京応化工業(株)社製)をスピンコートで成膜し、キヤノン製マスクアライナーMPA−600にてパターニング、現像することで液流路パターン74を形成した。
前記PMER A−900はノボラック型レジストであり、高い解像性、安定したパターニング特性を有するものであるが、被膜性に乏しくドライフィルム化は困難である。ここで本実施の形態においては、振動板45の表面は平面に保たれているためノボラック系のレジストもスピンコートで正確な膜厚で形成することができる。
次に、図13に示すように、被覆樹脂層41となる樹脂層41aを前記液流路パターン74上にスピンコートで形成した。
樹脂層41aは、インクジェットヘッドの構造材料となるため高い機械的強度、基板に対する密着性、耐インク性等が要求されエポキシ樹脂の熱あるいは光反応によるカチオン重合硬化物が最適に用いられる。本実施例においては、エポキシ樹脂としてEHPE−3150(ダイセル化学工業(株)社製 脂環式エポキシ樹脂)、熱硬化性のカチオン重合触媒として4、4’−ジ−t−ブチルジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート/銅トリフラートからなる混合触媒を用いた。
次に図14に示すように、樹脂層41a上に液吐出口42を形成する。本実施例においては酸素プラズマエッチングにより液吐出口42を形成する例を示す。
樹脂層41a上にシリコン含有ポジ型レジストFH−SP(富士ハント(株)社製)111を塗布し、液吐出口部をパターニングする。次に、酸素プラズマエッチングにより液吐出口部をエッチングする、前記レジストFH−SPは耐酸素プラズマ膜として作用し、液吐出口部のみが液流路パターン74中の任意の点で終了させればよく、振動板45の表面になんらダメージを与えることはない。
本実施例においては、酸素プラズマエッチングにより液吐出口42を形成したが、エキシマレーザーをマスクを介して照射することでアブレーションにより液吐出口を形成することも可能である。
次に図15に示すように、液供給口62などに充填された樹脂72、液流路パターン74およびFH−SP膜であるレジスト膜111を洗い出す。この際、振動子ユニット50の各圧電振動子51の櫛歯溝(隙間)や、ヘッド函体60の収容部61に充填する樹脂71を溶出し、さらに感光性樹脂材料層73の潜像73aを除く未硬化部分も溶解し孤立したアイランド部46を形成する。この工程において、樹脂71、72、液流路パターン74、レジスト膜111および感光性樹脂材料層73の潜像73aを除く未硬化部分を一括して除去することは、製造上簡易なので好ましいものである。
最後に液体供給部材、信号入力のための電気的接続を行って液体吐出ヘッドが完成する。
このようにして作成した液体吐出ヘッドを記録装置に装着し、純水/ジエチレングリコール/イソプロピルアルコール/酢酸リチウム/黒色染料フードブラック2=79.4/15/3/0.1/2.5からなるインクを用いて記録を行ったところ安定な印字が可能であり、得られた印字物は高品位なものであった。
本発明の実施の形態による液体吐出ヘッドの製造方法の別の具体例を説明する。
図16に示すように、実施例1と同様に溶解可能な樹脂としてPMER A−900を用い液流路パターン74を形成し、その上に被覆樹脂層41を形成した。被覆樹脂層41は実施例1と同様の組成物を用いた。ここで前記組成物の、4、4’−ジ−t−ブチルジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート/銅トリフラートからなる混合触媒は感光性を有しているため、フォトリソグラフィーにより液吐出口82を形成した。すなわち、被覆樹脂層41の形成後にマスクを介してキヤノン製マスクアライナーPLA520(コールドミラー250)で露光し、現像することで液吐出口82を形成した。
この後は、実施例1と同様にして液供給口62の樹脂72および液流路パターン74等を除去することで液体吐出ヘッドが完成する。
最後に液体供給部材を接合し、信号入力のための電気的接続を行ったところ、良好な印字が可能であった。
本発明は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の被記録媒体に対し記録を行う、プリンタ、複写機、通信システムを有するファクシミリ、プリンタ部を有するワードプロセッサ等の装置、さらには各種処理装置と複合的に組み合わせた産業用記録装置に適用できる液体吐出ヘッドの製造方法としても利用できる。ここで「記録」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を被記録媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を付与することをも意味するものである。
参考の実施の形態による液体吐出ヘッドを示す一部破断模式斜視図である。 参考例1による液体吐出ヘッドの製造方法を説明する工程図である。 参考例2による液体吐出ヘッドの製造方法を説明する工程図である。 参考例3による液体吐出ヘッドの製造方法を説明する工程図である。 本発明の実施の形態による液体吐出ヘッドを分解して示す模式分解斜視図である。 図5の液体吐出ヘッドを長手方向と幅方向の2つの断面で示す図である。 振動子ユニットの製造工程を説明する図である。 液体吐出ヘッドの下層を示すもので、(a)は圧電振動子の長手方向に沿ってとった模式断面図、(b)は幅方向の模式断面図である。 実施例1によって液体吐出ヘッドの上層を形成する第1工程を説明するもので、(a)は圧電振動子の長手方向に沿ってとった模式断面図、(b)は幅方向の模式断面図である。 実施例1によって液体吐出ヘッドの上層を形成する第2工程を説明するもので、(a)は圧電振動子の長手方向に沿ってとった模式断面図、(b)は幅方向の模式断面図である。 実施例1によって液体吐出ヘッドの上層を形成する第3工程を説明するもので、(a)は圧電振動子の長手方向に沿ってとった模式断面図、(b)は幅方向の模式断面図である。 実施例1によって液体吐出ヘッドの上層を形成する第4工程を説明するもので、(a)は圧電振動子の長手方向に沿ってとった模式断面図、(b)は幅方向の模式断面図である。 実施例1によって液体吐出ヘッドの上層を形成する第5工程を説明するもので、(a)は圧電振動子の長手方向に沿ってとった模式断面図、(b)は幅方向の模式断面図である。 実施例1によって液体吐出ヘッドの上層を形成する第6工程を説明するもので、(a)は圧電振動子の長手方向に沿ってとった模式断面図、(b)は幅方向の模式断面図である。 実施例1によって液体吐出ヘッドの上層を形成する第7工程を説明するもので、(a)は圧電振動子の長手方向に沿ってとった模式断面図、(b)は幅方向の模式断面図である。 実施例2によって液吐出口を酸素プラズマエッチングにより形成する工程を説明するもので、(a)は圧電振動子の長手方向に沿ってとった模式断面図、(b)は幅方向の模式断面図である。
符号の説明
1、41 被覆樹脂層(液流路形成部)
2、22、32、42 液吐出口
3、43 液体供給室
4、44 圧力室
5、45 振動板
6、46 アイランド部
10、50 振動子ユニット
11、51 圧電振動子
60 ヘッド函体
61 収容部
62 液供給口
73、105 感光性樹脂材料層
74、103 液流路パターン

Claims (4)

  1. 複数の液吐出口と、該複数の液吐出口にそれぞれ連通する複数の圧力室を有する液流路と、孤立圧力伝達部を介して前記複数の圧力室にそれぞれ対応する櫛歯状の複数の圧電振動子と、を備えた液体吐出ヘッドの製造方法であって、
    前記複数の圧電振動子の間の櫛歯溝に充填材を充填する工程と、
    充填材が充填された前記複数の圧電振動子の端面を含む平面上に前記孤立圧力伝達部となる伝達層を形成する工程と、
    前記伝達層の上に振動板を介して前記充填材と同じ材料からなる液流路パターンを形成する工程と、
    該液流路パターンの上に被覆層を形成する工程と、
    前記液流路パターンを除去することによ前記複数の圧力室形成、前記複数の圧力室に対応する個所を除いて前記伝達層を除去することによ前記孤立圧力伝達部形成と、前記充填材の除去と、を一括して行う工程と
    を有することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  2. 充填材が充填された前記複数の圧電振動子の端面を研磨して平滑な平面を形成することを特徴とする請求項記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  3. 前記液流路パターンが光透過性を有し、該液流路パターンを形成する際に、前記複数の圧電振動子の位置合わせのためのアライメント手段を透視することで、前記液流路パターンの位置決めを行うことを特徴とする請求項記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  4. 充填材を充填する工程において前記液流路へ液体を供給する液供給口にまで充填材を充填し、前記充填材を除去する工程において前記液供給口からも充填材を除去することを特徴とする請求項記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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