JP3185372B2 - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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JP3185372B2
JP3185372B2 JP16603792A JP16603792A JP3185372B2 JP 3185372 B2 JP3185372 B2 JP 3185372B2 JP 16603792 A JP16603792 A JP 16603792A JP 16603792 A JP16603792 A JP 16603792A JP 3185372 B2 JP3185372 B2 JP 3185372B2
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pressure chamber
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隆廣 中
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインク滴の吐出によって
記録を行うインクジェット記録装置に適したインクジェ
ットヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】振動子の一端部の変位により圧力室内の
インクを加圧し、圧力室に連通するノズルよりインク滴
を吐出する、本発明の構成に近いインクジェットヘッド
は特開昭58ー119872に開示されている。その構
造を図12に示す。
【0003】この種のヘッドは低電圧駆動、高密度化の
可能性を有し、優れた吐出特性をも備えるが、反面、振
動子先端の変位量は多くて1.5μmと非常に微小なた
め、構造、製造における微妙な寸法が吐出特性に影響す
る。細長い振動子を圧力室に対し倒れを生じることな
く、且つ高精度に如何に配置するか、また脆い振動子を
欠けや折れから如何に保護するか、と言った課題があ
る。特に振動子先端をダイアフラムに対し如何に離れず
且つ過度に押し込まずにセッティングできるかはこの種
のヘッドの安定吐出を得る上で重要な課題である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】先の従来例によれば細
長の振動子204は個々にブロック228のスロット2
32とプレート226のホール224をガイドとしてセ
ットされている。しかし振動子の長さ方向にはセットの
ための位置決め手段がなく、しかもダイアフラム310
の位置についても特に工夫はされていない。
【0005】圧力室の配置が低密度で、しかも個々の振
動子を一本毎セットする場合であっても、従来例の構成
では安定吐出の実現は難しいと想像するが、本発明が目
指すように、多数ノズルを高密度化し、しかも複数の振
動子を合理的に、且つ高精度に組み込もうとすると従来
構成には下記のように一層問題が多い。その様子を図1
3に例示した。
【0006】流路部のソリ、ウネリ等の平坦度が悪いと
それに接合されたダイアフラムにもソリ、ウネリが出
る。そのソリ、ウネリが矯正されないと振動子がダイア
フラムに届かなかったり、或は図13の310a部のよ
うにダイアフラムを振動子で過度に押し込んでダイアフ
ラムの破損または振動子の折れを起こす。これは本発明
のように複数振動子を同時にセットする場合にはより大
きな問題となる。一方プレート226とダイアフラムは
各振動子間においても接合しているが、例えばプレート
が流路部より強度があり、その接合部で凸部226aを
持つと、図示のようにダイアフラム及び流路部を押して
平坦度を悪くしてしまう。
【0007】平坦度の悪さによって、ダイアフラムが所
々でその張力を変えることも起こり、それがダイアフラ
ムの変位量に、すなわち圧力室の体積変化量に影響し、
吐出インク量にもばらつきを生じてしまう。
【0008】各振動子の間でプレート206とダイアフ
ラム310を接合し、またその部分で振動子をガイドし
ているために振動子を密に並べられず、高密度化が阻害
される。振動子先端部をプレートのホール226でガイ
ドしたために摺動抵抗によって振動子の動きが妨害され
る、特にブロックのスロット232の位置がホール22
4に対しずれるとその妨害は顕著となる。
【0009】各振動子間でプレートとダイアフラムとを
接着するとき、接着剤がダイアフラムのたわみ部上には
み出してしまう。それがダイアフラムを変位させるとき
には抵抗となり、吐出インク量減少の要因となる。
【0010】本発明は上記した従来の問題点を解決し
て、振動子を高密度に、しかも圧力室に対して安定して
配置でき、従って均一且つ優れた吐出特性を持ち、その
上組立の簡単化をも実現したインクジェットヘッドを提
供するもである。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで本発明によるイン
クジェットヘッドでは、圧力室を複数同一平面上に列状
に並べたチャンバープレートと、一端部が同一面上に揃
い他端で互いに連結した複数の振動子から成る振動子群
と、振動子群を固定しチャンバープレートより高剛性の
平坦な面を有する高剛性プレートとを備え、振動子群の
振動子の一端部は圧力室を加圧する様にチャンバープレ
ートと結合され、チャンバープレートは、少なくとも複
数の圧力室が列状に並んだ方向に平行な領域において高
剛性プレートの平坦な面と接着される接合領域と、振動
子がチャンバープレートに結合される近傍において高剛
性プレートの平坦な面と接着されない非接合領域とを有
することを特徴とする。また、係るインクジェットヘッ
ドにおいて、チャンバープレートは、複数の圧力室が列
状に並んだ圧力室列を複数列有し、この圧力室列間と高
剛性プレートの平坦な面が接着されていることを特徴と
する。また、係るインクジェットヘッドにおいて、チャ
ンバープレートと高剛性プレートの平坦な面が圧力室形
成領域外の全域で接着されていることを特徴とする。ま
た、係るインクジェットヘッドにおいて、チャンバープ
レートの高剛性プレートの平坦な面と接着される面は、
振動子の一端部及び高剛性プレートの平坦な面と当接す
る厚肉部と、振動子の変位を受けてたわみを起こす薄肉
部とを有することを特徴とする。また、係るインクジェ
ットヘッドにおいて、同一ピッチで並列した複数の振動
子の両サイドに振動子先端部と同一平面上に揃い、且つ
振動子と一体化した度決め部を備えた振動子群を有する
ことを特徴とする。また、係るインクジェットヘッドに
おいて、高剛性プレートは、振動子群を支持する支持板
の少なくともX軸、Y軸の2方向を位置決めすることを
特徴とする。
【0012】また並列した複数の振動子の両サイドに該
振動子先端部と同一平面上に揃い、且つ該振動子と一体
化した度決め部を備えて、振動子の位置決め部とした。
【0013】
【実施例】以下に本発明の実施例に沿って詳細に説明す
る。
【0014】先ず図1(a)(b)(c)は本発明によ
るインクジェットヘッドのチャンバープレート30の製
造方法の一実施例を模式的に示したものである。図1
(a)において、ノズル6を有するノズルプレート4に
厚さ50μmのドライフィルムレジスト41を2層ラミ
ネートし所要のパターンをもつマスク43aを介して紫
外線露光する、次にその上にさらに同様のフィルムを1
層ラミネートして別のマスク43bを介して露光する、
そして以上のドライフィルムを現像処理すれば圧力室、
圧力室からノズルに到る流路、各圧力室共通のインク室
等の流路を得る。マスク43a、43bをノズルプレー
トの基準穴に合わせて露光するので、流路はその穴基準
で形成される。一方図1(b)に示すように、圧力室プ
レート5側にも同様にしてノズルプレート4側と相符合
する流路を作る。そして図1(c)に示すように、以上
の2体を加熱、加圧下で融着せしめれば圧力室7a、圧
力室からノズルに連通する流路7c、各圧力室共通のイ
ンク室7bを備えたチャンバープレート30が完成す
る。
【0015】チャンバープレート30をさらに分かりや
すくするために、図2にノズルプレート4、ドライフィ
ルムから成る流路部7、圧力室プレート5に分けた分解
斜視図を示した。ノズルプレート4は等ピッチで並んだ
インク滴吐出ノズル6を2列備える。流路はノズル6と
同ピッチで並んだ長方形状の圧力室7aを2列と各圧力
室共通のインク室7bを備える。ノズルピッチ、圧力室
ピッチは共に後述の振動子のピッチと同じである。
【0016】ノズルプレート4の板厚は30〜120μ
m程で、ノズル6はニッケル電鋳、ステンレスのプレス
加工、プラスチックフィルムのレーザー加工、のいずれ
かで製作できる。圧力室プレート5には後述するように
金属やプラスチック材料が使用可能である。しかし好ま
しくはチャンバープレートの平坦度を良くする上で両プ
レートの材質を揃えるのがよい。
【0017】開発例によれば圧力室7aは幅0.1m
m、長さ2mm、深さ0.1mmであった。配列ピッチ
は141μm、1列当り24個、2列で48個形成し
た。
【0018】ドライフィルムレジストは硬化の過程で収
縮するが異材質のノズルプレート4や圧力室プレート5
と密接しているために、チャンバープレート30にはソ
リやウネリを生じる。また加熱、加圧下での融着後常温
に戻る過程では熱膨張係数の違いからやはりソリやウネ
リを生じてしまう。流路部を挟んでノズルプレート4と
圧力室プレート5を配し、しかも両プレートの材質、形
状を揃えて、バランスを取る工夫や流路部以外にもドラ
イフィルムレジストを除去して変形を均一化する工夫を
行ってきたが、高い要求にはまだ不十分である。
【0019】開発例によれば、平坦度の要求値10μm
以下に対し、圧力室プレート5上の平坦度は良いもので
15μm、悪いほうで30μm程であった。後で説明す
る圧力室プレート上の、振動子先端接合部のみに注目す
れば数μm〜20μmであった。
【0020】図3はチャンバープレートの他の実施例
で、圧力室7aやノズル6、共通のインク室7b等の流
路を射出成形により作ったプラスチックプレート7f
と、プラスチックフィルム製圧力室プレート5を示す。
【0021】プラスチックの材料特性、射出成形時の圧
力、温度分布、流路形成とそれに伴う形状アンバランス
によって、プラスチックプレート7fにもソリが見ら
れ、48ノズルヘッドでその値は5〜30μmであっ
た。
【0022】図4(a)(b)(c)に振動子1と支持
基板2から成る振動子群31の組立実施例を斜視図で示
す。支持基板2にはU字形の切りかき2bを有し、その
片面には薄膜電極2vが付けられている。支持基板2の
薄膜電極面に板状の振動子プレート1bを接着剤または
半田等ろう付けにより接合する。この際治具を用いて切
り欠き2bと振動子プレート1bの一端1cの距離、す
なわち振動子1の自由端長さLを正確に合わせることが
必要変位量を得る上で肝要である。また振動子先端1a
がチャンバープレート30に接合できるためには、振動
子プレート1bの前記一端1cには予め回転ブレードに
よるスライシングマシンで数μm精度の真直度を出して
おくことも重要である。
【0023】次に、回転ブレードやワイヤソー等を使っ
た、スライシングマシンで振動子プレート1bと支持基
板2上の薄膜電極2vを同時に切断し、振動子1および
振動子両サイドの度決め部1fを短冊状に作ると共に薄
膜電極を分割して各振動子毎の引出し電極2vを作る。
このとき支持基板2をもわずかだが切り込むことにな
る。
【0024】各振動子1のピッチ精度はスライシングマ
シンの送り精度で決まり、5μm前後かそれ以下に加工
可能である。各振動子先端1a、度決め部1f先端は真
直度3μm以下の精度で揃う。
【0025】開発ヘッドによれば振動子は1/180イ
ンチ(141μm)のピッチで24本並び、その振動子
1の寸法は幅70μm、厚さ500μm、自由端長さL
は5mmであった。また度決め部1fは幅500μmと
して組み込みに耐える強度を確保した。振動子には低電
圧で大きな変位量と変位速度を得るため、且つ振動子の
剛性を得るため20μmの圧電材を電極を介して多層に
積層した振動子を用いた。
【0026】支持基板2は振動子1を強固に固定し、且
つ振動子にソリや曲げを発生させないこと、また各振動
子間にクロストークを起こさないこと、接合部では電気
的接続が可能なこと、等の諸機能を担う。従って支持基
板2は平坦性を有し、高ヤング率、また振動子に近い熱
膨張係数の材料が適す。材料としてプラスチック、金
属、も可能であるが、望ましくはセラミック材が最も良
い結果であった。
【0027】図5に本発明によるインクジェットヘッド
の分解斜視図を示した。図6はある流路に着目した断面
図である。支持基板2の、薄膜電極2vにリード3が接
続しており、電力を供給すれば振動子1は長手方向に、
すなわち図に於ける矢印z方向に縮み、放電すると伸び
てチャンバープレート内圧力室7aのインクを加圧す
る。
【0028】インクは図示されないインクカートリッジ
からパイプ8を通ってインク室7bに供給される。尚、
13は回路基板であって、リード3に接続した駆動用集
積回路を搭載する。
【0029】圧力室プレート5は、図6に示す様に、圧
力室7aをカバーし、インク漏れを防止すると共に、振
動子先端1aと接合する。プレート5は剛性を高めた長
方形で島状の厚肉部5aと振動子1の変位を受けてたわ
みを起こす薄肉部5bおよび周辺の厚肉部5cから成
る。圧力室プレート5は例えばニッケル電鋳で作られ、
薄肉部5bは0.5μm〜3μm、厚肉部5a、5bは
10〜100μmの範囲から選ばれる。圧力室プレート
5は薄肉部と厚肉部に分けて作ることも可能で、例えば
薄い金属フィルムにメッキや樹脂層で厚肉部を形成する
こともできる、或はプラスチックフィルムにメッキや樹
脂層で厚肉部を形成できる。
【0030】振動子群31とチャンバープレート30と
の組立について説明すると、チャンバープレート30に
設けられた穴14と高剛性プレート10に設けた穴16
にピンを通して合わせた後、チャンバープレート30と
高剛性プレート10を接着剤で接合する。次に前述した
振動子群31の振動子先端1a及び度決め部1f先端に
転写法で薄く、望ましくは後述するように、15μm以
下の厚さで接着剤を塗布し、振動子群31を高剛性プレ
ート10の案内10aを使って、度決め部1fが圧力室
プレート5に度当たるまで挿入する。すなわち振動子群
31のX方向位置は支持基板2の両サイドと高剛性プレ
ート10の案内10aで、Y方向位置は度決め部1f先
端と高剛性プレート10の案内10bで決めて、挿入す
る。Z方向は度決め部1f先端で決める。度決め部1f
先端が圧力室プレート5に当たれば、その状態を治具で
保持したまま仮止め接着剤、例えば紫外線硬化型接着剤
で高剛性プレート10に仮止めを行う。仮止めは高剛性
プレート10との任意の間隙で可能である。仮止めすれ
ば治具からの開放が可能となる。次に熱硬化接着剤で本
格的に固定する。高剛性プレート10は支持基板2を強
固に固定して振動子がチャンバープレート30から逃げ
るのを防ぐ機能をも持つ。こうして振動子先端1aを圧
力室プレート5に接合、配置する。尚、度決め部1f先
端が当たる圧力室プレート5の部分には流路等は作らな
い。
【0031】振動子及び度決め部先端の接着剤塗布量が
多いと、例えば実験にて得た塗布厚15μmを越える
と、接合時圧力室プレート5の薄肉部5bに接着剤がは
み出し、振動子駆動時の薄肉部のたわみ変位量に悪影響
することが解っている。従って開発例では接着剤塗布厚
を15μm以下に抑え、逆に圧力室プレート5の平坦度
を10μm前後以下にして振動子先端の接合不良をなく
した。
【0032】図7、図8、図9は圧力室プレート5を振
動子接合面からみた斜視図である。また図10には振動
子先端1aと度決め部1fが圧力室プレート5上に配置
した状態を拡大して示した。
【0033】図7に於て斜線部15は高剛性プレート1
0との接合部を示す。圧力室プレート5の厚肉部5a、
薄肉部5bを除いて、すなわち圧力室及び圧力室間は除
いて、少なくともその周囲で接合する。
【0034】図8に別の接合域15の例を示す。本実施
例は並んだ圧力室の両サイドにて接合したもので、図7
の場合と同等の効果を確認できた。
【0035】図9はさらに他の実施例で、並んだ圧力室
の側域を接合域とした。ソリ、ウネリは流路構成上、圧
力室の並列方向、図のY方向に出易い。従って側域のみ
で接合した本実施例の場合もほぼ同等の効果を得ること
ができる。
【0036】図11は、高剛性プレート10の高平坦度
な接合面11を見た平面図の例である。尚、これにはセ
ットされた振動子群31をも図示した。
【0037】高剛性プレート10は3mm以上の厚さを
有し、材質にはステンレス等の金属、セラミック、樹脂
が使用可能であるが、いずれに於いても接合面10a
は、望ましくは10μm以下の高平坦度面に仕上げる。
従って必要であれば研磨加工を行う。樹脂成形であれば
収縮率が小さくヒケ、ねじれ等を生じない熱硬化性樹脂
がすぐれることが解っている。
【0038】以上に説明したインクジェットヘッドによ
れば、チャンバープレート30は厚さ0.2mm前後の
樹脂製の流路と薄いノズルプレート4、圧力室プレート
5からなり、総厚0.3mm程である。よってその剛性
は相当低く、その面に剛性が高く、且つ接合面に高平坦
度面を持つ高剛性プレート10を接合することによって
チャンバープレート、特に振動子先端当接部の平坦度は
矯正される。数μm〜20μmあった振動子先端1a及
び度決め部1f先端接合部のチャンバープレートの平坦
度が高剛性プレートを接合することによって目標の10
μm以下とできた。
【0039】図2に示したプラスチックプレート7fの
場合、剛性を低下させる意味で厚さを1.5mm以下、
望ましくは1mm以下とする。プラスチックプレートの
場合にも高剛性プレートを接合したとき10μm以下の
平坦度を得た。
【0040】振動子間にはチャンバープレート30と高
剛性プレート10との接合部を持たない。そして並んだ
複数の圧力室7aの外周で接合される。そのため、例え
ば高剛性プレート10の接合面11上の5p、5q間
(図11)に高さ10μmの傾斜がみられても、5p、
5q間距離が大きいため、チャンバープレートにはほと
んど傾斜が出ない。従って、圧力室プレート5の薄肉部
5bには大きな張力が働いたりしない。
【0041】振動子は複数一括して振動子群31として
組み込む。しかも両サイドには振動子と端部を同一面に
揃えた度決め部を備えてZ方向位置を決めた。平坦化し
たチャンバープレートとあいまってその効果は大きく、
組立を簡単化できるのみならず、各ノズルからの吐出特
性も均一化する。勿論、振動子が圧力室プレートから離
れたり、逆に過度に押し込んで破損や塑性変形を起こす
と言った問題も解消できた。
【0042】また振動子1を直接ガイドせず振動子外の
部分である度決め部1fや支持基板2を高剛性プレート
10でガイドして位置を決め、またZ方向も度決め部1
fで位置を決めるので、振動子の破損を防止できる。
【0043】流路壁を樹脂壁で形成する利点は大きい
が、樹脂壁を使ったチャンバープレートは平坦度を得難
い。従って本発明による効果はこの様なチャンバープレ
ートでなお一層発揮できる。
【0044】振動子間に接合部と振動子のガイド部を持
たない。その結果高密度化できたのみか、摺動抵抗によ
る振動子の変位動作の阻害がない、また接着剤が薄肉部
にはみ出すことがない、などインク吐出特性の一層の安
定化が可能となった。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように本発明によるインク
ジェットヘッドは、圧力室を複数同一平面上に列状に並
べたチャンバープレートと、一端部が同一面上に揃い他
端で互いに連結した複数の振動子から成る振動子群と、
振動子群を固定しチャンバープレートより高剛性の平坦
な面を有する高剛性プレートとを備え、振動子群の振動
子の一端部は圧力室を加圧する様にチャンバープレート
と結合され、チャンバープレートは、少なくとも複数の
圧力室が列状に並んだ方向に平行な領域において高剛性
プレートの平坦な面と接着される接合領域と、振動子が
チャンバープレートに結合される近傍において高剛性プ
レートの平坦な面と接着されない非接合領域とを有する
ことにより、高剛性プレートによりチャンバープレート
の振動子先端当接部の平坦度は矯正され、且つソリやウ
ネリが発生しやすい圧力室の並列方向でチャンバープレ
ートと高剛性プレートとが接合されているため、振動子
群が持つ複数の振動子先端とチャンバープレートを安定
的に結合することができ、しかもチャンバープレートに
は無理な張力が作用せず、優れたインク吐出を可能とす
る効果を有する。また、振動子がチャンバープレートに
結合される近傍においては非接合領域としたため、該振
動子とチャンバープレートの結合部にチャンバープレー
トと高剛性プレートを接着する接着剤が誤って流れ込む
ことがないという効果を有する。また、係るインクジェ
ットヘッドにおいて、チャンバープレートは、複数の圧
力室が列状に並んだ圧力室列を複数列有し、この圧力室
列間と高剛性プレートの平坦な面が接着されていること
により、圧力室列を複数有することで多ノズル化したヘ
ッドにおいても上記と同様の作用効果を得ることができ
る。
【0046】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェットヘッドのチャンバープ
レートの製造実施例の説明図。
【図2】本発明のインクジェットヘッドのチャンバープ
レートの分解斜視図。
【図3】本発明のインクジェットヘッドのチャンバープ
レートの他の実施例の説明図。
【図4】本発明のインクジェットヘッドの振動子群の組
立実施例の説明図。
【図5】本発明のインクジェットヘッドの構成を説明す
るための分解斜視図。
【図6】本発明のインクジェットヘッドの一部断面図。
【図7】圧力室プレートと高剛性プレートとの接合域の
説明図。
【図8】圧力室プレートと高剛性プレートとの他の接合
域の説明図。
【図9】圧力室プレートと高剛性プレートとの他の接合
域の説明図。
【図10】本発明のインクジェットヘッドの振動子と圧
力室プレートの接合部の説明図。
【図11】本発明のインクジェットヘッドの高剛性プレ
ートの平面図。
【図12】従来のインクジェットヘッドの説明図。
【図13】従来のインクジェットヘッドの説明図。
【符号の説明】
1 振動子 1a 振動子先端 1f 度決め部 2 支持基板 4 ノズルプレート 5 圧力室プレート 5a 圧力室に対応する圧力室プレートの厚肉部 5b 圧力室プレートの薄肉部 5c 圧力室周辺の圧力室プレートの厚肉部 6 ノズル 7 流路プレート 7a 圧力室 7b 共通のインク室 10 高剛性プレート 14 チャンバープレートに設けた位置決め穴 30 チャンバープレート 31 振動子群
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/045 B41J 2/055

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧力室を複数同一平面上に列状に並べた
    チャンバープレートと、一端部が同一面上に揃い他端で
    互いに連結した複数の振動子から成る振動子群と、前記
    振動子群を固定し前記チャンバープレートより高剛性の
    平坦な面を有する高剛性プレートとを備え、 前記振動子群の振動子の一端部は前記圧力室を加圧する
    様に前記チャンバープレートと結合され、 前記チャンバープレートは、少なくとも複数の圧力室が
    列状に並んだ方向に平行な領域において前記高剛性プレ
    ートの平坦な面と接着される接合領域と、前記振動子が
    チャンバープレートに結合される近傍において前記高剛
    性プレートの平坦な面と接着されない非接合領域とを有
    することを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 前記チャンバープレートは、複数の圧力
    室が列状に並んだ圧力室列を複数列有し、この圧力室列
    間と前記高剛性プレートの前記平坦な面が接着されてい
    ることを特徴とする請求項1記載のインクジェット式記
    録ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記チャンバープレートと前記高剛性プ
    レートの前記平坦な面が前記圧力室形成領域外の全域で
    接着されていることを特徴とする請求項1記載のインク
    ジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 前記チャンバープレートの前記高剛性プ
    レートの平坦な面と接着される面は、前記振動子の一端
    部及び前記高剛性プレートの平坦な面と当接する厚肉部
    と、前記振動子の変位を受けてたわみを起こす薄肉部と
    を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいず
    れかに記載のインクジェットヘッド。
  5. 【請求項5】 同一ピッチで並列した複数の振動子の両
    サイドに前記振動子先端部と同一平面上に揃い、且つ前
    記振動子と一体化した度決め部を備えた前記振動子群を
    有することを特徴とする請求項1記載のインクジェット
    ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記高剛性プレートは、前記振動子群を
    支持する支持板の少なくともX軸、Y軸の2方向を位置
    決めすることを特徴とする請求項1記載のインクジェッ
    トヘッド。
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