JPH051467Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車のシートスライド装置の改良に
関する。

（従来技術） 従来、車体フロア上に設けられたロアレール
に、シート下部に設けられたアツパレールが前後
移動自在に嵌合されて、シートが前後スライドさ
れるようになつたシートスライド装置が実用化さ
れている（実開昭59−88331号公報参照）。

また、上記のようなシートスライド装置におい
て、シート側に、モータで回転されるスクリユー
シヤフトが前後方向に取付けられ、フロア側に、
該スクリユーシヤフトに螺合するスクリユーナツ
トが取付けられいて、モータの駆動によりシート
が前後スライドされるようになつたシートスライ
ド装置も提案されている（類似技術として実開昭
60−127238号公報参照）。

ところで、上記のようなシートスライド装置に
おいては、モータの駆動によりスクリユーシヤフ
トが回転される際、スクリユーシヤフトは長寸で
あることから、支持のされていない中間部分が半
径方向に振れることがあり、スクリユーシヤフト
が振れると、スクリユーナツトとの噛合い抵抗が
増加するので、異音が発生するという問題があつ
た。

（考案の目的） 本考案は上記従来の問題点を解消するためにな
されたもので、スクリユーシヤフトの振れをスク
リユーナツト側で吸収して、噛合い抵抗が増加し
ないようにすることを目的とするものである。

（考案の構成） このため、本考案においては、スクリユーナツ
トの螺合部から伸びる端部にめねじと軸平行な係
止孔を設け、該係止孔を係止孔の内径より小径の
外径を有する係止シヤフトを用いて、車体フロア
上のロアレール側方に設けたブラケツトにスクリ
ユーナツトを取付け、さらに、ブラケツトの一対
の立上り部でスクリユーナツトの前後方向の移動
を規制するようにしている。

（考案の効果） 本考案によれば、回転に伴つてスクリユーシヤ
フトが振れても、スクリユーナツトは、係止孔と
係止シヤフトとの間の径差に相当する一定範囲内
でその振れに追随して移動し得るよう車体フロア
側に取付けられているから、噛合い抵抗が増加し
なくなり、異音の発生が防止できるようになる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を添付図面について詳細
に説明する。

第１図に示すように、自動車用シート１は、シ
ートクツシヨン２とシートバツク３とで構成され
ている。

上記シートクツシヨン２のシートクツシヨンフ
ーム４の下面両側には、前後方向に伸長する左右
一対のアツパレール５，５が固定される一方、該
シートクツシヨンフレーム４に対向する車体フロ
ア上には、上記アツパレール５，５が前後移動自
在に嵌合するロアレール６，６がブラケツト７，
７を介して固定されている。

上記シートクツシヨンフレーム４の下面前部に
は、各アツパレール５，５の前部内側に接して、
前後方向に伸長するスクリユーシヤフト９，９の
前端部を支承するギヤボツクス１０，１０がそれ
ぞれ固定されるとともに、上記各アツパレール
５，５の後部内側には、上記スクリユーシヤフト
９、９の後端部を支承する軸受ブラケツト１１，
１１がそれぞれ固定されている。

上記各ギアボツクス１０，１０内には、スクリ
ユーシヤフト９，９に連結されたウオームホイル
に噛合するウオームがそれぞれ設けられている。

上記シートクツシヨンフレーム４の下面前部に
は電動モータ１２が固定され、該電動モータ１２
の両端の出力軸１２ａ，１２ａが上記各ギヤボツ
クス１０，１０内のウオームに連結されている。

従つて、電動モータ１２を駆動すると、ウオー
ム、ウオームホイルを介して各スクリユーシヤフ
ト９，９が回転されるようになる。

上記スクリユーシヤフト９，９にはスクリユー
ナツト１４，１４がそれぞれ螺合されている。

該スクリユーナツト１４は、第２図及び第３図
に詳細に示すように、一側にスクリユーシヤフト
９が螺合するめねじ部１４ａが設けられ、他側に
係止孔１４ｂが明けられている。

該係止孔１４ｂは、後述する係止シヤフト１６
の軸部１６ａの外径よりも大きな内径に設定され
ている。

上記スクリユーナツト１４を支持するため、上
方が開いた略コ字状のブラケツト１５が設けら
れ、該ブラケツト１５の両端の立上り１５ａ，１
５ａには、上記スクリユーナツト１４の係止孔１
４ｂと同軸の軸孔が明けられている。

該軸孔は、後述する係止シヤフト１６の軸部１
６ａの外径ががたつきなく嵌合する内径に設定さ
れている。また、ブラケツト１５の両側の立上り
１５ａ，１５ａの間は、スクリユーナツト１４を
軸方向にがたつきなく嵌め合わせることができる
間隔に設定されている。

該ブラケツト１５は、各ロアレール６，６の前
後方向のほぼ中間位置で該ロアレール６，６の下
部に熔接等により固着され、その内側に突出して
いる（第４図参照）。

そして、上記ブラケツト１５の両側の立上り１
５ａ，１５ａの間にスクリユーナツト１４を嵌め
合わせた後、ツバ付の係止シヤフト１６の軸部１
６ａを一方の立上り１５ａの軸孔からスクリユー
ナツト１４の係止孔１４ｂを介して他方の立上り
１５ａの軸孔まで挿通させ、該軸部１６ａの端部
にナツト１８を螺合して抜け止めする。

上記のような構成であれば、電動モータ１２が
駆動されると、ウオーム、ウオームホイルを介し
て各スクリユーナツト９が回転されるようにな
り、一方、スクリユーナツト１４，１４はブラケ
ツト１５の両側の立上り１５ａ，１５ａでスクリ
ユーシヤフト９，９の軸方向への移動が規制さ
れ、係止シヤフト１６でスクリユーシヤフト９，
９の軸回りの回転が規制されているから、スクリ
ユーシヤフト９，９は回転しながら軸方向に移動
する。

これにより、アツパレール５，５とともにシー
ト１が前方又は後方にスライドされるようにな
る。

回転に伴つてスクリユーシヤフト９が半径方向
に振れると、スクリユーナツト１４は、係止孔１
４ｂと係止シヤフト１６の軸部１６ａとの間のク
リアランスの範囲で第４図に二点鎖線で示すよう
に、その振れに追随して上下左右方向に移動する
ようになるから、スクリユーシヤフト９とスクリ
ユーナツト１４との噛合い抵抗が増加しないので
ある。

従つて、従来のように噛合い抵抗の増加による
異音が発生しなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るスライド装置を装備した
自動用シートの斜視図、第２図はスクリユーシヤ
フトとスクリユーナツトの要部拡大斜視図、第３
図は第２図の−断面図、第４図はスクリユー
ナツトの追随移動を示す側面図である。 １……自動車用シート、２……シートクツシヨ
ン、３……シートバツク、４……シートクツシヨ
ンフレーム、５……アツパレール、６……ロアレ
ール、９……スクリユーシヤフト、１２……電動
モータ、１４……スクリユーナツト、１４ｂ……
係止孔、１５……ブラケツト、１５ａ……立上
り、１６……係止シヤフト、１６ａ……軸部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車体フロア上に設けられたロアレールに、シー
   ト下部に設けられたアツパレールが前後移動自在
   に嵌合され、上記シート側に、モータで回転され
   るスクリユーシヤフトが前後方向に取付けられ、
   上記フロア側に、該スクリユーシヤフトに螺合す
   るスクリユーナツトが取付けられていて、上記モ
   ータの駆動によりシートが前後スライドされるよ
   うになつたシートスライド装置において、 上記スクリユーナツトは、上記スクリユーシヤ
   フトと螺合するねじ穴が設けられた螺合部から一
   方向に伸びた端部を有し、該端部にはねじ穴に平
   行な係止孔が設けられ、車体フロア上のロアレー
   ル側方には、上記スクリユーナツトの端部の前後
   に当接して前後方向の移動を規制する一対の立上
   りを有するブラケツトが取付けられ、上記係止孔
   の孔径より小さい外径を有する係止シヤフトを上
   記係止孔に遊嵌した状態で上記ブラケツトの一対
   の立上がり部で該係止シヤフトを固定することに
   より、上記スクリユーナツトが上記ブラケツトに
   取付けられていることを特徴とする自動車のシー
   トスライド装置。