JPH0514406U - パネル引寄具用補助プレート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 脱着動作が簡単であり、かつパネル引寄具の
補助具として使用されることにより能率的に壁パネルと
床面との間に発生した隙間を矯正することが可能なパネ
ル引寄具用補助プレートを提供することを目的とする。 【構成】 板状に形成され、かつ一辺に垂直板が立設さ
れた基板１５に、パネル引寄具の打込係合部と係合可能
に形成されたフック部１６が形成されている。また、基
板１５には、スクリュー釘の胴部を挿通させる釘穴１７
が穿設されている。また、釘穴１７と連続して垂直板側
には、釘穴１７より大径なプレート取外し穴１８が穿設
されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、壁パネルを床面上に建て込む際に、壁パネルと床面の間に生じた 隙間を矯正するためのパネル引寄具を補助するために使用されるパネル引寄具用 補助プレートに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一戸建てプレハブ住宅を施工する方法の一つに、框材（芯材）を四角枠状に 組み込んだ枠体の両面若しくは片面に面板を貼り付けてなる矩形状の木製パネル を用いて、床、壁等を組み立てる方法がある。この方法は、図５に示すような方 法である。

【０００３】 すなわち、現場施工のコンクリート基礎の上に、ユニット化した床パネル１を 敷き込んで床面２を形成し、床面２の外周縁部に外壁パネル３ａ、３ｂ、３ｃ… …を建て込んでいく。そして、外壁パネル３ａ、３ｂ、３ｃ……の内部に内壁パ ネル４ａ、４ｂ、４ｃ……を建て込んでいく。次に、図５では示していないが、 軸組、木組等をして屋根パネルを組み立てていくことにより建築物が施工される ものである。

【０００４】 ここで、各パネル（床パネル１、外壁パネル３ａ、３ｂ…、内壁パネル４ａ、 ４ｂ…等）の当接面は、接着材とスクリュー釘等により一体化される。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、複数の床パネル１からなる床面２上に内壁パネル４ａ、４ｂ、４ｃ …を建て込む場合、図２に示すように、内壁パネル４ａの下面５と床面２との間 に隙間Ｔが生じてしまい、面方向の一方に傾いた状態で内壁パネル４ａが建て込 まれやすい。これにより、内壁パネル４ａが傾く方向に建て込まれている外壁パ ネル３ａ、３ｂが、屋外側へ倒れ込んでしまうおそれがあった。このような内壁 パネル４ａ及び外壁パネル３ａ、３ｂが傾斜した状態のままで、前述したような 軸組、木組等、屋根パネルの組み立て施工を行なうと、建物自体にくるいが生じ るのは勿論のこと、構造強度の面で問題があった。

【０００６】 そこで、従来の内壁パネル４ａの建て込み作業においては、複数の作業員によ り、特殊な治具を使用しながら内壁パネル４ａと床面との間の隙間を矯正して上 記問題を解消しているのが現状であった。

【０００７】 しかしながら、上記内壁パネルの矯正作業は、手間と時間がかかるとともに、 治具を床面及び内壁パネルに装着するのに手間がかかり、非能率的な矯正作業で あった。

【０００８】 本考案は前記事情に鑑みてなされたもので、脱着動作が簡単であり、かつパネ ル引寄具の補助具として使用することにより能率的に壁パネルと床面との間に発 生した隙間を矯正することが可能なパネル引寄具用補助プレートを提供すること を目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案に係るパネル引寄具用補助プレートは、壁パネルの床面上への建て込み 工程において、該壁パネル下面と該床面との間に生じた隙間を壁パネルを引き下 げて矯正するために、壁パネルの側面と床面上とに係合する打込係合部が形成さ れた複数のピック部材がリンク結合されてなるパネル引寄具を使用して床面側に 壁パネルを引き下げる際に、前記床面にスクリュー釘により仮固定されて前記パ ネル引寄具の打込係合部と係合するパネル引寄具用補助プレートであって、板状 に形成され、かつ一辺に垂直板が立設された基板と、この基板に前記床面側の打 込係合部と係合可能に形成されたフック部と、基板に穿設されてスクリュー釘の 胴部を挿通させる釘穴と、釘穴と連続して前記垂直板側に穿孔されて釘穴より大 径なプレート取外し穴とを備えてなり、複数のスクリュー釘が前記釘穴を貫通し て床面に打ち込まれることにより前記基板が前記床面上に仮固定されることを特 徴とするものである。

【００１０】

【作用】

本考案に係るパネル引寄具用補助プレートによれば、パネル引寄具用補助プレ ートは、隙間が生じた壁パネルの側面下部の床面にセットされ、スクリュー釘が 釘穴を挿通して床面に胴部が出た状態で打ち込まれることにより短時間で容易に 仮固定される。

【００１１】 また、矯正作業が完了したパネル引寄具用補助プレートは、垂直板がハンマー 等で叩かれてスクリュー釘等の胴部をプレート取り外し穴に位置させることによ り、容易に床面から取り外すされる。

【００１２】 また、パネル引寄具の複数のピック部材の打込係合部を壁パネルの側面及びパ ネル引寄具補助プレートのフック部に係合させて作動させることにより、内壁パ ネルは簡単に下側に引き下げられて隙間がなくなり、容易かつ迅速に矯正作業が 行なわれる。

【００１３】

【実施例】

以下、本考案に係るパネル引寄具用補助プレート（以下、補助プレートと略称 する。）について図１及び図４を参照して説明する。 本考案の補助プレート６は、先に本出願人が考案したパネル引寄具（実願平２ ー５４５２１号）とともに使用されて、壁パネルと床パネルとの間に生じた隙間 を矯正するものであり、このパネル引寄具について先に説明する。

【００１４】 すなわち、パネル引寄具７は、図２に示すように、打込刃８と打撃部９を有す る頭部に操作アーム１０が設けられた長腕ピック１１と、長腕ピック１１の頭部 に一端を第一枢軸で枢着して回動自在に取り付けられたリンク部材１２と、先端 に打込刃１３を有しリンク部材１２の他端に第２枢軸で枢着して回動自在に取り 付けられた短腕１４とが具備されたものである。

【００１５】 通常、このパネル引寄具７は、端部同士が対向配置して床面を形成している床 パネル１同士の隙間を矯正するために使用されるものであり、側面が対峙してい る一方の床パネル１の端部上面に長腕ピック１１の打込刃８を係合させ、他方の 床パネル１の端部上面に短腕１４の打込刃１３を係合させ、操作アーム１０を回 動することにより、他方若しくは一方の床パネル１を相手側の床パネル１へ移動 して隙間を矯正するものである。

【００１６】 本考案では、上記構成のパネル引寄具７が、隙間が生じている壁パネル４ａと 床面２とを矯正する際の治具として使用されるものである。そして、本考案の補 助プレート６は、床面２に仮固定されてパネル引寄具７の短腕ピック１４の打込 刃１３を係合させるために使用されるものである。

【００１７】 前記補助プレート６は、図１に示す構造とされている。 すなわち、補助プレート６は、長方形状の基板１５と、この基板１５上に形成 されたフック部１６とから概略構成されている。 基板１５は、長方形状の板状部材で形成されたものであり、一方の長辺側が直 角に折曲されて、垂直板１９が形成されている。そして、この基板１５上には、 フック部１６が設けられている。

【００１８】 フック部１６は、棒状部材がコ字状に折曲され、その両端部が基板１５の長手 方向の一端側に固定されたものである。これにより、基板１５と平行に延びる係 合棒２０が、パネル引寄部７の短腕部１４の打込刃１３と係合するようになって いる。また、基板１５には、前記フック部１６とともに、複数の釘穴１７とプレ ート取り外し穴１８が穿孔されている。

【００１９】 釘穴１８は、幅方向に２箇所穿設された穴が、長手方向に並列配置されており 、これら穴は、スクリュー釘が上方から挿通されるようになっている。また、釘 穴１８と連続して垂直板１９側には、釘穴１７より大径であり、スクリュー釘の 頭部より小径なプレート取り外し穴１８が形成されている。

【００２０】 上記構成の補助プレート６と前述したパネル引寄具７を使用して、第２図に示 すように、複数の床パネル１からなる床面２上に面方向に隙間Ｔを生じて傾いた 状態で建て込まれている内壁パネルを矯正するには、先ず、補助プレート６を、 隙間が生じた内壁パネル４ａの側面下部の床面２にセットする。ここで、内壁パ ネル４ａの下部の床面２は、図４に示すように、互いの芯材２１、２１が突き合 わされた床パネル１、１で構成されている。

【００２１】 そして、補助プレート６の釘穴１７の上方から、スクリュー釘２２を、互いに 交叉させ、かつ胴部２３を完全に打ち込まない状態で、面板２４を貫通して芯材 内部に打ち込む。他の釘穴１７にも同様にスクリュー釘が打ち込まれる。これに より、補助プレート６は床面２に仮固定される。

【００２２】 次に、パネル引寄具７を、図２に示すように、その長腕ピック１１の打込刃８ を内壁パネル４ａの側面２５に打ち込み、短腕ピック１４の打込刃１３を補助プ レート６のフック部１６に係合させる。そして、操作アーム１０を、図２に示す Ａ方向に回動することにより、床面２との間に隙間Ｔが生じている内壁パネル４ ａは、下側に引き下げられて隙間Ｔがなくなり、図３に示すように床面２に建て 込まれた内壁パネル４ａの矯正作業が完了する。

【００２３】 そして矯正作業の完了により、パネル引寄具７が内壁パネル４ａの側面２５と 補助プレート６のフック部１６とから取り外され、さらに補助プレート６を床面 ２から取り外す。 ここで、補助プレート６を床面２から取り外す際には、補助プレート６の垂直 板１９をハンマー等で叩いて補助プレート６を幅方向に移動させる。これにより 、スクリュー釘２２の胴部２３がプレート取り外し穴１８に位置する。これによ り、補助プレート６を上昇させて取り外す。

【００２４】 そして、この補助プレート６の仮固定のために使用されていたスクリュー釘２ ２が、胴部２３が完全に床パネル１内部に埋没するよう打ち込まれることにより 、図４に示すように、床パネル１、１同士の連結が行なわれる。

【００２５】 以上、述べたことから容易に理解できるように、本実施例においては、補助プ レート６を隙間Ｔが生じた内壁パネル４ａの側面２５下部の床面２にセットし、 スクリュー釘２２が床面２を構成する突き合わされた床パネル１、１の芯材２１ 、２１に、補助プレート６の釘穴１７を挿通して互いに交叉させ、かつ胴部２３ が補助プレート６の上部側に出た状態で打ち込まれることにより、補助プレート ６を短時間で床面に容易に仮固定することができる。

【００２６】 また、パネル引寄具を、その長腕の打込刃を内壁パネルの側面に打ち込み、短 腕の打込刃を補助プレートのフック部に係合させ、操作アームを、図２に示すＡ 方向に回動させることにより、内壁パネルは簡単に下側に引き下げられて隙間Ｔ がなくなり、容易かつ迅速に矯正作業を行なうことができる。

【００２７】 また、矯正作業が完了した補助プレート６は、垂直板１９がハンマー等で叩か れてスクリュー釘２２の胴部２３がプレート取り外し穴１８に位置することによ り、容易に床面２から取り外すことができ、さらには、補助プレート６の仮固定 のために使用されたスクリュー釘２２は、胴部２３が完全に床パネル１内部に埋 没するまで打ち込まれることにより、床パネル１、１の連結作業を行なうことが できる。

【００２８】 なお、本実施例において説明した補助プレート６は、上記構造に限られるもの ではなく、上記作用を有するフック部１６と、釘穴１７と、プレート取り外し穴 １８とが形成されているものであれば、他の形状を有するものでも、本実施例と 同様の作用効果を得ることができる。

【００２９】

【考案の効果】 以上説明したように、本考案のパネル引寄具用補助プレートによれば、隙間が 生じた壁パネルの側面下部の床面にセットされ、スクリュー釘が釘穴を挿通して 床面に胴部がパネル引寄具用補助プレートの上部側に出た状態で打ち込まれるこ とにより短時間で容易に仮固定することができ、また、矯正作業が完了した際に は、垂直板がハンマー等で叩かれてスクリュー釘等の胴部をプレート取り外し穴 に位置させることにより、容易に床面から取り外すことができ、脱着動作が簡単 なものとすることができる。

【００３０】 また、パネル引寄具の複数のピック部材の打込係合部を壁パネルの側面及びパ ネル引寄具用補助プレートのフック部に係合させて作動させることにより、内壁 パネルは簡単に下側に引き下げられて隙間がなくなり、パネル引寄具の補助具と して使用することにより容易かつ迅速に矯正作業が行なわれ、能率的に作業を行 なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のパネル引寄具用補助プレートを示す斜
視図である。

【図２】壁パネルと床面との間に隙間が生じた箇所にパ
ネル引寄具及びパネル引寄具用補助プレートを装着した
状態を示す正面図である。

【図３】パネル引寄具及びパネル引寄具用補助プレート
により矯正作業を行なった状態を示す正面図である。

【図４】パネル引寄具用補助プレートをスクリュー釘に
より床面に仮固定する状態を示す要部断面図である。

【図５】建物の要部を示した斜視図である。

【符号の説明】

１ 床パネル ２ 床面 ３ａ 外壁パネル ４ａ 内壁パネル ６ パネル引寄具用補助プレート ７ パネル引寄具 １１、１２、１４ ピック部材 ８、１３ 打込刃（打込係合部） １５ 基板 １６ フック部 １７ 釘穴 １８ プレート取り外し穴 １９ 垂直板 ２２ スクリュー釘 ２３ スクリュー釘の胴部 Ｔ 隙間

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 壁パネルの床面上への建て込み工程にお
   いて、該壁パネル下面と該床面との間に生じた隙間を壁
   パネルを引き下げて矯正するために、壁パネルの側面と
   床面上とに係合する打込係合部が形成された複数のピッ
   ク部材がリンク結合されてなるパネル引寄具を使用して
   床面側に壁パネルを引き下げる際に、前記床面にスクリ
   ュー釘により仮固定されて前記パネル引寄具の打込係合
   部と係合するパネル引寄具用補助プレートであって、 板状に形成され、かつ一辺に垂直板が立設された基板
   と、 この基板に前記床面側の打込係合部と係合可能に形成さ
   れたフック部と、 前記基板に穿設されて前記スクリュー釘の胴部を挿通さ
   せる釘穴と、 前記釘穴と連続して前記垂直板側に穿孔されて前記釘穴
   より大径なプレート取外し穴とを備えてなり、 複数のスクリュー釘が前記釘穴を貫通して床面に打ち込
   まれることにより前記基板が前記床面上に仮固定される
   ことを特徴とするパネル引寄具用補助プレート。