JPH05140763A - 耐剥離性被覆部材及びその製造方法 - Google Patents

耐剥離性被覆部材及びその製造方法

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JPH05140763A
JPH05140763A JP32652891A JP32652891A JPH05140763A JP H05140763 A JPH05140763 A JP H05140763A JP 32652891 A JP32652891 A JP 32652891A JP 32652891 A JP32652891 A JP 32652891A JP H05140763 A JPH05140763 A JP H05140763A
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    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
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    • C04B41/45Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
    • C04B41/52Multiple coating or impregnating multiple coating or impregnating with the same composition or with compositions only differing in the concentration of the constituents, is classified as single coating or impregnation

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基材の表面にセラミックスの被膜を形成して
なる被覆部材であって、被膜の緻密性を高めること及び
被膜と基材との密着性を高めることにより、耐剥離性,
耐摩耗性,強度に優れる被覆部材を提供する。 【構成】 金属,合金又はセラミックス焼結体の基材に
金属間化合物でなる内層と、セラミックスの外層とを被
覆してなる被覆部材。 【効果】 従来の被覆部材に比べて、被膜の耐剥離性に
おいて3倍以上も向上するという顕著な効果を有してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐摩耗性,耐食性,耐
熱性及び耐剥離性に優れる被覆部材に関し、具体的に
は、切削工具,耐摩耗工具,機械部品,電気部品等に適
する耐剥離性被覆部材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から超硬合金,サーメット,高速度
鋼等の基材の表面に化学蒸着法(CVD法)や物理蒸着
法(PVD法)でもってセラミックスの被膜を被覆した
被覆材料が実用されている。これらの被覆材料は、基材
の表面に耐摩耗性の優れた被膜を被覆し、被膜の効果を
最大限に発揮させようとしたものである。この被覆材料
に関する提案が多数あり、その代表的なものに特開昭5
9−110776号公報及び特開昭59−25972号
公報がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特開昭59−1107
76号公報には、Tiと、周期律表4a(Tiは除
く),5a,6a族金属の一種以上の炭窒化物を硬質相
とし、Fe,Co,Ni,Cr,Mo,W,Ti,Al
の一種以上の金属を結合相とする窒素含有サーメットの
表面に直接Al23及び/又はZrO2からなる厚み
0.1〜20μmの被膜を被覆した表面被覆焼結硬質合
金が記載されている。
【0004】同公報に記載の表面被覆焼結硬質合金は、
窒素含有サーメットでなる基材の表面に直接Al23
び/又はZrO2からなる被膜を被覆し、被膜の優れた
耐摩耗性の効果を発揮させようとしたものであるが、基
材と被膜との密着性が劣るために耐摩耗性の向上が期待
できないという問題がある。
【0005】特開昭59−25972号公報には、超硬
合金,サーメット,セラミックスの基材の表面に、Al
23とTiC,TiN,AlN,ZrN,Si34,T
iO,ZrO2から選ばれる1種又はそれ以上からなる
厚み1〜20μmの被覆層があり、被覆層中のAl23
含有量が全体の50〜99.9%であり、基材に隣接す
る5μm以内のAl23含有量が0.1〜20%である
被覆硬質部材が記載されている。
【0006】同公報に記載の被覆硬質部材は、基材の表
面に直接金属酸化物の被膜を形成させずに、基材側の被
膜にはAl23の含有量を少なくし、被膜の表面側には
Al23の含有量を多くし、基材と被膜との密着性並び
に被加工材と接触する被膜の表面側の耐摩耗性を考慮し
たものであるが、被膜の組成成分の制御が困難であるこ
と、被膜の厚さ制御が困難であること、及び基材と被膜
との密着性の向上が満足できるまで達してないという問
題がある。
【0007】本発明は、上述のような問題点を解決した
もので具体的には、金属,合金又はセラミックス焼結体
の基材の表面に金属間化合物でなる内層と内層の表面に
セラミックスの外層を形成させて、基材と外層との密着
性及び外層の緻密性を高め、耐剥離性,耐摩耗性,強度
に優れるようにした被覆部材及びその製造方法の提供を
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、被覆材料の
強度を低下させずに、被膜と基材との密着性を高めるこ
とについて検討していた所、金属間化合物がセラミック
スの被膜、特に金属酸化物でなるセラミックスの被膜と
の密着性を高めること、セラミックスの被膜の粒成長抑
制及び被膜の緻密性を高めるという知見を得た。本発明
は、この知見に基づいて完成したものである。
【0009】本発明の耐剥離性被覆部材は、金属,合金
又はセラミックス焼結体の基材にセラミックスの外層を
被覆してなる被覆部材であって、該基材と該外層との間
に金属間化合物でなる内層を介在させたことを特徴とす
るものである。
【0010】本発明の被覆部材における基材は、具体的
には、例えばW,Mo,Ti,Si等の金属、超硬合
金,サーメット,ステンレス,ハイス,インコネル,ハ
ステロイ等の合金又はAl23系セラミックス焼結体,
ZrO2系セラミックス焼結体,Si34系セラミック
ス焼結体,SiC系セラミックス焼結体,AlN系セラ
ミックス焼結体を挙げることができる。これらの内、好
ましい基材は、内層の材質との組合わせで選定する必要
があるが、基材と内層との密着性から超硬合金,サーメ
ット,ステンレス,ハイス,耐熱合金,Al23系セラ
ミックス焼結体,Si34系セラミックス焼結体であ
る。
【0011】この基材の表面に形成される内層は、具体
的には、例えばNiSi2,CoSi2,TiSi2,M
oSi2,WSi2,Fe3Al,NiAl,Ni3Al,
Ni3Nb,AlCo,Al5Co2,Al9Co2,Al
13Co4,Co3Ti,Zr3Al,Ni3Si,Ni
3(Al,W),Ni2(Al,Ti),TiAl,Ti
Al3,Nb3Al,V3Siを挙げることができる。こ
の内層は、基材の材質と外層の材質により選定する必要
があるが、Fe,Ni,Co,Al,Mo,Cr,T
i,Siの中の少なくとも2種以上からなる金属間化合
物が好ましく、その厚さは、0.1〜10μm、特に好
ましくは0.2〜5μmである。この内層は、一部基材
の表面部に拡散した状態になっている場合があり、特に
基材が金属又は合金でなる場合には基材の表面部に拡散
させることが容易となり、この場合は基材と内層との密
着性を高める効果も大きいことから好ましいことであ
る。
【0012】この内層の表面に形成される外層は、具体
的には、例えば周期律表4a,5a,6a族金属の炭化
物,窒化物,酸化物,硼化物,Alの窒化物,酸化物,
硼化物,Siの炭化物,窒化物,酸化物,立方晶窒化硼
素,六方晶窒化硼素,二硫化タングステン,二硫化モリ
ブデン及びこれらの相互固溶体の中の少なくとも1種の
単層もしくは複層からなる外層を挙げることができる。
この外層の厚さは、用途や形状により異なるが、0.1
〜20μm厚さ、特に好ましくは0.5〜10μm厚さ
である。
【0013】本発明の被覆部材は、従来から行われてい
る電解メッキ,無電解メッキ,CVD法,PVD法等の
方法と必要に応じて加熱処理とを組合わせることにより
作製することができるが、次の方法により行うと、バラ
ツキが少なく、安定した特性を有する被覆部材を得るこ
とができる。
【0014】本発明の被覆部材の製造方法は、金属,合
金又はセラミックス焼結体の基材表面にPVD法もしく
はCVD法でもって金属間化合物でなる内層を形成させ
た後、該内層の表面にPVD法あるいはCVD法でもっ
てセラミックスの外層を形成させる方法である。
【0015】本発明の製造方法における内層の形成工程
は、CVD法又はPVD法で作製する他に、必要に応じ
てCVD法又はPVD法の後に加熱処理工程を加えて内
層の一部を基材の表面部に拡散させることも好ましいこ
とである。
【0016】
【作用】本発明の耐剥離性被覆部材は、内層が基材と外
層との密着性を高める介在的作用をしていること、外層
の粒成長抑制及び異常成長抑制作用をしているものであ
る。
【0017】
【実施例1】市販されているSNGN120412形状
の超硬合金(JISK10相当品WC−TiC−TaC
−Co組成)の基材を用いて、下記の(A)条件のアル
ミナイズ処理を施した後、(B)条件の被膜形成処理を
行って本発明品1を得た。 (A)アルミナイズ処理条件 温度:1080℃,圧力:大気圧,時間:60min, 雰囲気ガス:AlCl3 0.33 l/min(約1
4vol%) H2 1.00 l/min(約43vol%) Ar 1.00 l/min(約43vol%) (B)被膜形成処理条件 温度:1080℃,圧力:100Torr,時間:60
min, 雰囲気ガス:AlCl3 0.23 l/min(約4
vol%) H2 5.35 l/min(約87vol%) CO2 0.3 l/min(約5vol%) HCl 0.25 l/min(約4vol%) 比較として、上述の(A)条件のみ除き、他は本発明品
1と同様にして比較品1を得た。
【0018】こうして得た本発明品1及び比較品1を光
学顕微鏡及びX線回拆法により調べた所、本発明品1
は、基材表面に約2μm厚さのCo−Alの内層と約4
μm厚さのAl23の外層とが形成されていた。一方、
比較品1は、基材表面に約4μm厚みのAl23層が形
成されていた。
【0019】次に、先端径0.2mmRのダイヤモンド
コーンによるスクラッチテストでもつて被膜の剥離臨界
荷重(被膜が剥離する時の荷重)を求めた所、本発明品
1は、5kgに対し、比較品1は布でこすりつけるとほ
ぼ全面に亘って剥離した。
【0020】
【実施例2】約10×16×5mm形状のSUS440
Cの基材を用いて、実施例1の(A)条件の時間15m
in、(B)条件の時間60minとした以外は、それ
ぞれ同条件にて処理して、本発明品2を得た。比較とし
て、(A)条件の処理を除いて、他は本発明品2と同様
にして比較品2を得た。
【0021】こうして得た本発明品2及び比較品2を実
施例1と同様にして調べた所、本発明品2は、基材表面
から約0.2μm厚さのFe−Al,Ni−Alと判断
される内層と約6μm厚さのAl23外層が形成されて
いた。一方比較品2は、基材表面に約6μm厚さのAl
23の層が形成されていた。
【0022】また、被膜の剥離臨界荷重を求めた所、本
発明品2は、2.5kgであったのに対し、比較品2
は、0.8kgであった。
【0023】
【発明の効果】本発明の耐剥離性被覆部材は、従来の被
覆部材に比べて被膜の耐剥離性が3倍以上も向上すると
いう効果を有している。このことから、本発明の耐剥離
性被覆部材は、従来の被覆部材の使用領域から、さらに
衝撃性又は高負荷の加わるような使用領域にまで効果を
発揮することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属,合金又はセラミックス焼結体の基
    材にセラミックスの外層を被覆してなる被覆部材におい
    て、該基材と該外層との間に金属間化合物でなる内層を
    介在させたことを特徴とする耐剥離性被覆部材。
  2. 【請求項2】 上記基材は、超硬合金,サーメット,ス
    テンレス,ハイス又は耐熱合金からなることを特徴とす
    る請求項1記載の耐剥離性被覆部材。
  3. 【請求項3】 上記外層は、周期律表4a,5a,6a
    族金属の炭化物,窒化物,酸化物,硼化物,Alの窒化
    物,酸化物,硼化物,Siの炭化物,窒化物,酸化物及
    びこれらの相互固溶体の中の少なくとも1種の単層もし
    くは複層でなることを特徴とする請求項1記載の耐剥離
    性被覆部材。
  4. 【請求項4】 上記金属間化合物は、Fe,Ni,C
    o,Al,Mo,Cr,Ti,Siの中の少なくとも2
    種からなることを特徴とする請求項1記載の耐剥離性被
    覆部材。
  5. 【請求項5】 上記内層は、0.2〜5μm厚さでなる
    ことを特徴とする請求項1記載の耐剥離性被覆部材。
  6. 【請求項6】 金属,合金又はセラミックス焼結体の基
    材表面に物理蒸着法もしくは化学蒸着法でもって金属間
    化合物でなる内層を形成させた後、該内層の表面に物理
    蒸着法あるいは化学蒸着法でもってセラミックスの外層
    を形成させることを特徴とする耐剥離性被覆部材の製造
    方法。
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