JPH05140675A - 銀−酸化マンガン系電気接点材料 - Google Patents
銀−酸化マンガン系電気接点材料Info
- Publication number
- JPH05140675A JPH05140675A JP3354167A JP35416791A JPH05140675A JP H05140675 A JPH05140675 A JP H05140675A JP 3354167 A JP3354167 A JP 3354167A JP 35416791 A JP35416791 A JP 35416791A JP H05140675 A JPH05140675 A JP H05140675A
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- JP
- Japan
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- contact material
- silver
- electric contact
- alloy
- manganese oxide
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 Ag(残部)−Mn(5〜20重量%)−鉄
族元素のうちの一種又は複数(0.001〜5重量%,
好適には0.5重量%を越え5重量%以下)の合金を内
部酸化した銀−酸化マンガン系電気接点材料。 【効果】 銀−酸化マンガン系電気接点材料の優れた耐
火性に加えて,鉄族元素の一種又は複数を加えることに
より,消耗性と耐溶着性と絶縁性とが更に合金組織の微
細化によっても保証される。
族元素のうちの一種又は複数(0.001〜5重量%,
好適には0.5重量%を越え5重量%以下)の合金を内
部酸化した銀−酸化マンガン系電気接点材料。 【効果】 銀−酸化マンガン系電気接点材料の優れた耐
火性に加えて,鉄族元素の一種又は複数を加えることに
より,消耗性と耐溶着性と絶縁性とが更に合金組織の微
細化によっても保証される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明になる電気接点材料は,リ
レーや遮断器等につけられて,電流の開閉や遮断等をな
す電気接点を構成するものである。
レーや遮断器等につけられて,電流の開閉や遮断等をな
す電気接点を構成するものである。
【0002】
【従来の技術】電気機器の開閉や遮断時に発生するアー
クによる高温下にさらされても,溶着を惹起しにくい電
気接点材料として,Ag−Ni合金やAg−W合金が知
られている。しかし,合金になる電気接点材料はいずれ
も粉末焼結法によらなければ作れない。粉末焼結によっ
て作られた電気接点材料は,その組織全体が緻密とは言
い難く,従って溶けにくさと固さの点で不満足があっ
た。
クによる高温下にさらされても,溶着を惹起しにくい電
気接点材料として,Ag−Ni合金やAg−W合金が知
られている。しかし,合金になる電気接点材料はいずれ
も粉末焼結法によらなければ作れない。粉末焼結によっ
て作られた電気接点材料は,その組織全体が緻密とは言
い難く,従って溶けにくさと固さの点で不満足があっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,上述した従
来の技術に問題に照らし,粉末焼結法によらずに,溶解
法によって作られたAg合金で耐アーク性に富んだ電気
接点材料を提供するものである。
来の技術に問題に照らし,粉末焼結法によらずに,溶解
法によって作られたAg合金で耐アーク性に富んだ電気
接点材料を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで,本発明の発明者
は,Ag−Mn系合金に着目した。Ag−Mn合金にお
けるMnの銀に対する固溶限は約30重量%と高く,溶
解法によってもMnを多量に含有するAg合金を得るこ
とができる。
は,Ag−Mn系合金に着目した。Ag−Mn合金にお
けるMnの銀に対する固溶限は約30重量%と高く,溶
解法によってもMnを多量に含有するAg合金を得るこ
とができる。
【0005】また,Ag−Mn合金は1185℃で二液
相分離するので,この合金を内部酸化した電気接点材料
がたとえ高温にさらされても,接点部に溶着が生じるお
それがない。
相分離するので,この合金を内部酸化した電気接点材料
がたとえ高温にさらされても,接点部に溶着が生じるお
それがない。
【0006】さらに,Ag−Mn系合金を内部酸化した
銀−酸化マンガン合金になる電気接点材料は溶けにく
く,全体が緻密で固い材料であるので,アークにさらさ
れてもアーク侵食が誠に少ない。また,酸化マンガンの
融点が高いため,D.C.回路中で用いられた場合に
も,酸化マンガンが合金中で移転することがない。この
ことは,A.C.回路中で用いられた場合にも接点材の
消耗が少なく,従って材料の飛散による接点面の絶縁性
が劣化しない効果を裏づけるものである。
銀−酸化マンガン合金になる電気接点材料は溶けにく
く,全体が緻密で固い材料であるので,アークにさらさ
れてもアーク侵食が誠に少ない。また,酸化マンガンの
融点が高いため,D.C.回路中で用いられた場合に
も,酸化マンガンが合金中で移転することがない。この
ことは,A.C.回路中で用いられた場合にも接点材の
消耗が少なく,従って材料の飛散による接点面の絶縁性
が劣化しない効果を裏づけるものである。
【0007】このような内部酸化した銀−酸化マンガン
系電気接点材料の優れた特性は,Mnを5重量%以上含
めば達せられ,Mnをその銀に対する上述した固溶限の
30重量%以上まで含むことができる。しかし,Mnの
上限値はこの発明では20重量%とする。これは,電気
接点材料の全体としての導電性を保証するためと,物性
的に材料があまりにも固くならないようにするためであ
る。
系電気接点材料の優れた特性は,Mnを5重量%以上含
めば達せられ,Mnをその銀に対する上述した固溶限の
30重量%以上まで含むことができる。しかし,Mnの
上限値はこの発明では20重量%とする。これは,電気
接点材料の全体としての導電性を保証するためと,物性
的に材料があまりにも固くならないようにするためであ
る。
【0008】上述した通り,酸化マンガンの融点は非常
に高いので,優れた耐熱性を示すが,一方このことは接
点材料全体の平滑な消耗と延性の障害ともなる。そこ
で,本発明では,鉄族元素のFe,Co,Niのうちの
一種又は複数を合金中に溶解する。
に高いので,優れた耐熱性を示すが,一方このことは接
点材料全体の平滑な消耗と延性の障害ともなる。そこ
で,本発明では,鉄族元素のFe,Co,Niのうちの
一種又は複数を合金中に溶解する。
【0009】鉄族元素は,溶解した銀合金の固化時に銀
マトリックスの再結晶を微細にする効果を有するもので
ある。銀−マンガン合金は,鉄族元素を添加する点で,
特色を有する。即ち,銀−マンガン合金は鉄族元素と全
率で固溶できるので,大量に鉄族元素を添加できる優れ
た効果をもつ。本発明はこの特徴を生かして,鉄族元素
を0.001〜5重量%の大量に添加するものである。
この下限値でも上記した目的を達することができるが,
好適には0.5重量%を越えて添加すると,上記した特
性が更に安定することが分った。5重量%の上限は,酸
化マンガンによる優れた耐火性を損なわない量である。
マトリックスの再結晶を微細にする効果を有するもので
ある。銀−マンガン合金は,鉄族元素を添加する点で,
特色を有する。即ち,銀−マンガン合金は鉄族元素と全
率で固溶できるので,大量に鉄族元素を添加できる優れ
た効果をもつ。本発明はこの特徴を生かして,鉄族元素
を0.001〜5重量%の大量に添加するものである。
この下限値でも上記した目的を達することができるが,
好適には0.5重量%を越えて添加すると,上記した特
性が更に安定することが分った。5重量%の上限は,酸
化マンガンによる優れた耐火性を損なわない量である。
【0010】
【実施例】下記(1),(2),(3)の合金を作っ
た。(1)は本発明のものであり,(2)と(3)は対
比のための公知の材料である。なお,(3)は粉末冶金
法によって作られたものである。 (1) Ag−Mn10重量%−Ni0.6重量% (2) Ag−Cd13重量% (3) Ag−SnO8重量%
た。(1)は本発明のものであり,(2)と(3)は対
比のための公知の材料である。なお,(3)は粉末冶金
法によって作られたものである。 (1) Ag−Mn10重量%−Ni0.6重量% (2) Ag−Cd13重量% (3) Ag−SnO8重量%
【0011】上記(1)と(2)の合金を酸素雰囲気
中,650℃で内部酸化した。かくして得られた
(1),(2),(3)の電気接点材料になる径4mm
の接点をそれぞれ5組づつリレーに付けて開閉テストを
行った。テスト条件は次の通りである。 DC 14V,20A, 負荷(ランプ=インラッシュ 120A),10万回開
閉
中,650℃で内部酸化した。かくして得られた
(1),(2),(3)の電気接点材料になる径4mm
の接点をそれぞれ5組づつリレーに付けて開閉テストを
行った。テスト条件は次の通りである。 DC 14V,20A, 負荷(ランプ=インラッシュ 120A),10万回開
閉
【0012】このテストによる接点の溶着は,次の通り
であった。 溶 着 (1)の内部酸化接点 なし (2)の内部酸化接点 各組とも平均1000回で溶着のためテスト中止 (3)の粉末焼結接点 各組とも平均1500回で溶着のためテスト中止
であった。 溶 着 (1)の内部酸化接点 なし (2)の内部酸化接点 各組とも平均1000回で溶着のためテスト中止 (3)の粉末焼結接点 各組とも平均1500回で溶着のためテスト中止
【0013】上記した(1)の内部酸化した接点との対
比のために,下記の(4)と(5)の接点(6mmφ)
を粉末焼結によって作った。 (4) Ag−W50重量% (5) Ag−WC40重量%
比のために,下記の(4)と(5)の接点(6mmφ)
を粉末焼結によって作った。 (4) Ag−W50重量% (5) Ag−WC40重量%
【0014】(1)と(4),(5)の接点をそれぞれ
5組づつ定格50Aの遮断器に付けて遮断テストを行っ
た。このテスト条件は次の通りである。 AC 48V,5000A 1P(フェーズ)−OCO 3P(フェーズ)−OCO
5組づつ定格50Aの遮断器に付けて遮断テストを行っ
た。このテスト条件は次の通りである。 AC 48V,5000A 1P(フェーズ)−OCO 3P(フェーズ)−OCO
【0015】絶縁劣化傾向(500オームメガにて測
定)は,次の通りであった。 (1)の内部酸化接点 各組ともOK (4)の内部酸化接点 各組ともNG (5)の粉末焼結接点 各組ともNG
定)は,次の通りであった。 (1)の内部酸化接点 各組ともOK (4)の内部酸化接点 各組ともNG (5)の粉末焼結接点 各組ともNG
【0016】なお,上記した各接点の硬度は次の通りで
あった。 (1)の内部酸化接点 HRF 120 (2)の内部酸化接点 HRF 60 (3)の粉末焼結接点 HRF 70 (4)の粉末焼結接点 HRB 60 (5)の粉末焼結接点 HRB 70
あった。 (1)の内部酸化接点 HRF 120 (2)の内部酸化接点 HRF 60 (3)の粉末焼結接点 HRF 70 (4)の粉末焼結接点 HRB 60 (5)の粉末焼結接点 HRB 70
【0017】
【発明の効果】上記したテストの結果から明らかな通
り,本発明になる銀−酸化マンガン系電気接点材料は,
耐溶着性に富み,しかも合金組織が微細であって,高温
下にあっても平滑な消耗性を維持し,材料が飛散して絶
縁劣化を生じることのない優れた特性を有するものであ
る。
り,本発明になる銀−酸化マンガン系電気接点材料は,
耐溶着性に富み,しかも合金組織が微細であって,高温
下にあっても平滑な消耗性を維持し,材料が飛散して絶
縁劣化を生じることのない優れた特性を有するものであ
る。
【0018】また,非常に高温なアークによるアーク侵
食に耐えるための今までの接点材料は,複雑で面倒な作
業を伴い,従ってコスト高の粉末焼結法によって来た
が,本発明になる材料は溶解法によった合金を内部酸化
したものであるので,量産に適し,その製造コストが低
減される効果をも併せてもつことになる。
食に耐えるための今までの接点材料は,複雑で面倒な作
業を伴い,従ってコスト高の粉末焼結法によって来た
が,本発明になる材料は溶解法によった合金を内部酸化
したものであるので,量産に適し,その製造コストが低
減される効果をも併せてもつことになる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年2月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】 電気機器の開閉や遮断時に発生するア
ークによる高温下にさらされても、溶着を惹起しにくい
電気接点材料として、Ag−Ni合金やAg−W合金が
知られている。しかし、かかる合金になる電気接点材料
はいずれも粉末焼結法によらなければ作れない。粉末焼
結によって作られた電気接点材料は、その組織全体が緻
密とは言い難く、従って溶けにくさと固さの点で不満足
があった。
ークによる高温下にさらされても、溶着を惹起しにくい
電気接点材料として、Ag−Ni合金やAg−W合金が
知られている。しかし、かかる合金になる電気接点材料
はいずれも粉末焼結法によらなければ作れない。粉末焼
結によって作られた電気接点材料は、その組織全体が緻
密とは言い難く、従って溶けにくさと固さの点で不満足
があった。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 本発明は、上述した
従来の技術の問題に照らし、粉末焼結法によらずに、溶
解法によって作られたAg合金で耐アーク性に富んだ電
気接点材料を提供するものである。
従来の技術の問題に照らし、粉末焼結法によらずに、溶
解法によって作られたAg合金で耐アーク性に富んだ電
気接点材料を提供するものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】 このような内部酸化した銀−酸化マンガ
ン系電気接点材料の優れた特性は、Mnを5重量%以上
含めば達せられ、Mnをその銀に対する上述した固溶限
の30重量%まで含むことができる。しかし、Mnの上
限値はこの発明では20重量%とする。これは、電気接
点材料の全体としての導電性を保証するためと、物性的
に材料があまりにも固くならないようにするためであ
る。
ン系電気接点材料の優れた特性は、Mnを5重量%以上
含めば達せられ、Mnをその銀に対する上述した固溶限
の30重量%まで含むことができる。しかし、Mnの上
限値はこの発明では20重量%とする。これは、電気接
点材料の全体としての導電性を保証するためと、物性的
に材料があまりにも固くならないようにするためであ
る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】 絶縁劣化傾向(500オームメガーにて
測定)は、次の通りであった。 (1)の内部酸化接点 各組ともOK (4)の粉末焼結接点 各組ともNG (5)の粉末焼結接点 各組ともNG
測定)は、次の通りであった。 (1)の内部酸化接点 各組ともOK (4)の粉末焼結接点 各組ともNG (5)の粉末焼結接点 各組ともNG
Claims (1)
- 【請求項1】 5〜20重量%のMnと,0.001
〜5重量%の鉄族元素のうちの一種又は複数とを含み,
残部がAgの銀−マンガン系合金を内部酸化した銀−酸
化マンガン系電気接点材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3354167A JPH05140675A (ja) | 1991-11-18 | 1991-11-18 | 銀−酸化マンガン系電気接点材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3354167A JPH05140675A (ja) | 1991-11-18 | 1991-11-18 | 銀−酸化マンガン系電気接点材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05140675A true JPH05140675A (ja) | 1993-06-08 |
Family
ID=18435739
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3354167A Pending JPH05140675A (ja) | 1991-11-18 | 1991-11-18 | 銀−酸化マンガン系電気接点材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05140675A (ja) |
-
1991
- 1991-11-18 JP JP3354167A patent/JPH05140675A/ja active Pending
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