JPH0586426A - 銀−酸化物系電気接点材料 - Google Patents
銀−酸化物系電気接点材料Info
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- JPH0586426A JPH0586426A JP3276790A JP27679091A JPH0586426A JP H0586426 A JPH0586426 A JP H0586426A JP 3276790 A JP3276790 A JP 3276790A JP 27679091 A JP27679091 A JP 27679091A JP H0586426 A JPH0586426 A JP H0586426A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 銀−酸化物系電気接点材料の耐溶着性および
耐消耗性を向上させる。 【構成】 銀−酸化物系電気接点材料が、重量％で、 Ｓｎ：５．１〜８．５％、 Ｉｎ：１．５〜３．
５％、 Ｔｅ：０．１〜０．８％、 Ｃｄ：０．１〜１
％、 を含有し、さらに必要に応じて、Ｆｅ、Ｎｉ、およびＣ
ｏのうちの１種または２種以上：０．０５〜０．２％、
を含有し、残りがＡｇと不可避不純物からなる組成を有
するＡｇ合金に内部酸化処理を施したものからなる。
耐消耗性を向上させる。 【構成】 銀−酸化物系電気接点材料が、重量％で、 Ｓｎ：５．１〜８．５％、 Ｉｎ：１．５〜３．
５％、 Ｔｅ：０．１〜０．８％、 Ｃｄ：０．１〜１
％、 を含有し、さらに必要に応じて、Ｆｅ、Ｎｉ、およびＣ
ｏのうちの１種または２種以上：０．０５〜０．２％、
を含有し、残りがＡｇと不可避不純物からなる組成を有
するＡｇ合金に内部酸化処理を施したものからなる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、耐溶着性および耐消
耗性にすぐれ、この結果長い使用寿命を示すようになる
銀−酸化物系電気接点材料に関するものである。
耗性にすぐれ、この結果長い使用寿命を示すようになる
銀−酸化物系電気接点材料に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、多くの電気接点材料が提案され、
かつ各種の電気電子機器に組込まれて実用に供されてお
り、これらの多くの電気接点材料のうちで、広く実用に
供されている電気接点材料の１つとして、例えば特公昭
５５−４８２５号公報に記載される通り、重量％で（以
下％は重量％を示す）、 Ｓｎ：５〜１０％、 Ｉｎ：１〜６％、 を含有し、さらに必要に応じて、 Ｆｅ，Ｎｉ、およびＣｏのうちの１種または２種以上：
０．０１〜０．５％、 を含有し、残りがＡｇと不可避不純物からなる組成を有
するＡｇ合金に、内部酸化処理、すなわち酸化性雰囲気
中、６５０〜７５０℃の温度に所定時間保持の内部酸化
処理を施してなる銀−酸化物系電気接点材料が知られて
いる。
かつ各種の電気電子機器に組込まれて実用に供されてお
り、これらの多くの電気接点材料のうちで、広く実用に
供されている電気接点材料の１つとして、例えば特公昭
５５−４８２５号公報に記載される通り、重量％で（以
下％は重量％を示す）、 Ｓｎ：５〜１０％、 Ｉｎ：１〜６％、 を含有し、さらに必要に応じて、 Ｆｅ，Ｎｉ、およびＣｏのうちの１種または２種以上：
０．０１〜０．５％、 を含有し、残りがＡｇと不可避不純物からなる組成を有
するＡｇ合金に、内部酸化処理、すなわち酸化性雰囲気
中、６５０〜７５０℃の温度に所定時間保持の内部酸化
処理を施してなる銀−酸化物系電気接点材料が知られて
いる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の電気電子
機器の高性能化および使用寿命の長期化はめざましく、
これに伴ない、これに組込まれる電気接点材料にもより
一層の耐溶着性および耐消耗性の向上が要求される傾向
にあるが、上記の従来電気接点材料はじめ、その他多く
の電気接点材料は耐溶着性および耐消耗性が十分でな
く、これらの要求に満足に対応することができないのが
現状である。
機器の高性能化および使用寿命の長期化はめざましく、
これに伴ない、これに組込まれる電気接点材料にもより
一層の耐溶着性および耐消耗性の向上が要求される傾向
にあるが、上記の従来電気接点材料はじめ、その他多く
の電気接点材料は耐溶着性および耐消耗性が十分でな
く、これらの要求に満足に対応することができないのが
現状である。
【０００４】そこで、本発明者等は、上述のような観点
から、特に上記の従来電気接点材料に着目し、これの耐
溶着性および耐消耗性の一段の向上をはかるべく研究を
行なった結果、 Ｓｎ：４〜１１％、 Ｉｎ：１〜５％、 Ｔｅ：０．０５〜４％、 Ｃｄ：０．０５〜３％、 を含有し、さらに必要に応じて、 Ｆｅ，Ｎｉ、およびＣｏのうちの１種または２種以上：
０．０１〜１％、 を含有し、残りがＡｇと不可避不純物からなる組成を有
するＡｇ合金を、上記の通常の条件で内部酸化処理して
なる銀−酸化物系電気接点材料は、上記の従来銀−酸化
物系電気接点材料に比して一段とすぐれた耐溶着性およ
び耐消耗性を具備するという研究結果を得たのである。
から、特に上記の従来電気接点材料に着目し、これの耐
溶着性および耐消耗性の一段の向上をはかるべく研究を
行なった結果、 Ｓｎ：４〜１１％、 Ｉｎ：１〜５％、 Ｔｅ：０．０５〜４％、 Ｃｄ：０．０５〜３％、 を含有し、さらに必要に応じて、 Ｆｅ，Ｎｉ、およびＣｏのうちの１種または２種以上：
０．０１〜１％、 を含有し、残りがＡｇと不可避不純物からなる組成を有
するＡｇ合金を、上記の通常の条件で内部酸化処理して
なる銀−酸化物系電気接点材料は、上記の従来銀−酸化
物系電気接点材料に比して一段とすぐれた耐溶着性およ
び耐消耗性を具備するという研究結果を得たのである。
【０００５】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、以下に銀−酸化物系電気接点材
料の内部酸化処理前のＡｇ合金の成分組成を上記の通り
に限定した理由を説明する。
なされたものであって、以下に銀−酸化物系電気接点材
料の内部酸化処理前のＡｇ合金の成分組成を上記の通り
に限定した理由を説明する。
【０００６】(a) Ｓｎ Ｓｎ成分には、主体が酸化物を形成して耐溶着性を向上
させる作用があるが、その含有量が４％未満では所望の
耐溶着性向上効果が得られず、一方その含有量が１１％
を越えると、接点としての接触抵抗が過大になると共
に、製造時の加工性が低下するようになることから、そ
の含有量を４〜１１％と定めた。
させる作用があるが、その含有量が４％未満では所望の
耐溶着性向上効果が得られず、一方その含有量が１１％
を越えると、接点としての接触抵抗が過大になると共
に、製造時の加工性が低下するようになることから、そ
の含有量を４〜１１％と定めた。
【０００７】(b) Ｉｎ Ｉｎ成分には、Ｓｎ成分の酸化を促進すると共に、自身
も酸化物を形成して耐溶着性および耐消耗性を向上させ
る作用があるが、その含有量が１％未満では前記作用に
所望の効果がえられず、一方その含有量が５％を越える
と耐溶着性に劣化傾向が現われるようになることから、
その含有量を１〜５％と定めた。
も酸化物を形成して耐溶着性および耐消耗性を向上させ
る作用があるが、その含有量が１％未満では前記作用に
所望の効果がえられず、一方その含有量が５％を越える
と耐溶着性に劣化傾向が現われるようになることから、
その含有量を１〜５％と定めた。
【０００８】(c) Ｔｅ Ｔｅ成分には、接点開閉によるアーク発生時に昇華し易
い酸化物を形成し、耐溶着性および耐消耗性を一段と向
上させる作用があるが、その含有量が０．０５％未満で
は前記作用に所望の向上効果が得られず、一方その含有
量が４％を越えると加工性が低下するようになることか
ら、その含有量を０．０５〜４％と定めた。
い酸化物を形成し、耐溶着性および耐消耗性を一段と向
上させる作用があるが、その含有量が０．０５％未満で
は前記作用に所望の向上効果が得られず、一方その含有
量が４％を越えると加工性が低下するようになることか
ら、その含有量を０．０５〜４％と定めた。
【０００９】(d) Ｃｄ Ｃｄ成分には、Ｔｅ成分との共存において、耐溶着性を
一段と向上させる作用があるが、その含有量が０．０５
％未満では所望の耐溶着性向上効果が得られず、一方そ
の含有量が３％を越えると、耐消耗性が低下するように
なることから、その含有量を０．０５〜３％と定めた。
一段と向上させる作用があるが、その含有量が０．０５
％未満では所望の耐溶着性向上効果が得られず、一方そ
の含有量が３％を越えると、耐消耗性が低下するように
なることから、その含有量を０．０５〜３％と定めた。
【００１０】(e) Ｆｅ，Ｎｉ，およびＣｏ これらの成分には、素地に固溶して酸化物およびＡｇ粒
を微細化し、もって耐溶着性を向上させる作用があるの
で、必要に応じて含有されるが、その含有量が０．０１
％未満では前記作用に所望の効果が得られず、一方その
含有量が１％を越えると加工性が低下するようになるこ
とから、その含有量を０．０１〜１％と定めた。
を微細化し、もって耐溶着性を向上させる作用があるの
で、必要に応じて含有されるが、その含有量が０．０１
％未満では前記作用に所望の効果が得られず、一方その
含有量が１％を越えると加工性が低下するようになるこ
とから、その含有量を０．０１〜１％と定めた。
【００１１】
【実施例】つぎに、この発明の銀−酸化物系電気接点材
料を実施例により具体的に説明する。通常の高周波溶解
炉を用い、それぞれ表１，２に示される成分組成をもっ
たＡｇ合金を溶製し、以下いずれも通常の条件で、イン
ゴットに鋳造し、熱間押出しし加工にて厚さ：５mmの厚
板とし、この厚板を熱間および冷間圧延にて幅：３０mm
×厚さ：０．６mmの薄板とし、この薄板を長さ方向にそ
って幅：２mmにスライス切断し、この切断片に対して、
酸素雰囲気中、温度：７００℃に２４時間保持の条件で
内部酸化処理を施し、ついでこの内部酸化処理後の切断
片をまとめて、これに圧縮成形を施して直径：７０mmの
ビレットとし、このビレットを直径：７mmに押出し加工
し、引続いて線引き加工にて直径：２mmの線材とし、最
終的にこの線材からヘッダーマシンにて、頭径：４mm×
頭厚：１mm×足径：２mm×足長：２mmの寸法をもったリ
ベットを形成することにより本発明銀−酸化物系電気接
点材料（以下、本発明接点材料という）１〜１６、およ
び従来銀−酸化物系電気接点材料（以下、従来接点材料
という）１〜６をそれぞれ製造した。
料を実施例により具体的に説明する。通常の高周波溶解
炉を用い、それぞれ表１，２に示される成分組成をもっ
たＡｇ合金を溶製し、以下いずれも通常の条件で、イン
ゴットに鋳造し、熱間押出しし加工にて厚さ：５mmの厚
板とし、この厚板を熱間および冷間圧延にて幅：３０mm
×厚さ：０．６mmの薄板とし、この薄板を長さ方向にそ
って幅：２mmにスライス切断し、この切断片に対して、
酸素雰囲気中、温度：７００℃に２４時間保持の条件で
内部酸化処理を施し、ついでこの内部酸化処理後の切断
片をまとめて、これに圧縮成形を施して直径：７０mmの
ビレットとし、このビレットを直径：７mmに押出し加工
し、引続いて線引き加工にて直径：２mmの線材とし、最
終的にこの線材からヘッダーマシンにて、頭径：４mm×
頭厚：１mm×足径：２mm×足長：２mmの寸法をもったリ
ベットを形成することにより本発明銀−酸化物系電気接
点材料（以下、本発明接点材料という）１〜１６、およ
び従来銀−酸化物系電気接点材料（以下、従来接点材料
という）１〜６をそれぞれ製造した。
【００１２】
【表１】
【００１３】
【表２】
【００１４】ついで、この結果得られた各種の接点材料
について、ＡＳＴＭ電気接点試験機を用い、 直流電圧：２４Ｖ、 投入電流：１００Ａ、 遮断電流：２０Ａ、 通電時間：１秒ＯＮ−９秒ＯＦＦ、 接触力：１００ｇ、 開離力：１００ｇ、 開閉回数：５０００回、 の条件で電気試験を行ない、溶着回数と消耗量を測定
し、耐溶着性および耐消耗性を評価した。これらの測定
結果を表１，２に示した。
について、ＡＳＴＭ電気接点試験機を用い、 直流電圧：２４Ｖ、 投入電流：１００Ａ、 遮断電流：２０Ａ、 通電時間：１秒ＯＮ−９秒ＯＦＦ、 接触力：１００ｇ、 開離力：１００ｇ、 開閉回数：５０００回、 の条件で電気試験を行ない、溶着回数と消耗量を測定
し、耐溶着性および耐消耗性を評価した。これらの測定
結果を表１，２に示した。
【００１５】
【発明の効果】表１，２に示される結果から、本発明接
点材料１〜１６は、いずれも従来接点材料１〜６に比し
て一段とすぐれた耐溶着性および耐消耗性を示すことが
明らかである。上述のように、この発明の銀−酸化物系
電気接点材料は、すぐれた耐溶着性および耐消耗性を具
備するので、各種電気電子機器に組込まれて実用に供し
た場合、これらの電気電子機器の高性能化並びに使用寿
命の長期化に寄与するところ大なるものがあるなど工業
上有用な特性を有するのである。
点材料１〜１６は、いずれも従来接点材料１〜６に比し
て一段とすぐれた耐溶着性および耐消耗性を示すことが
明らかである。上述のように、この発明の銀−酸化物系
電気接点材料は、すぐれた耐溶着性および耐消耗性を具
備するので、各種電気電子機器に組込まれて実用に供し
た場合、これらの電気電子機器の高性能化並びに使用寿
命の長期化に寄与するところ大なるものがあるなど工業
上有用な特性を有するのである。
【手続補正書】
【提出日】平成４年９月２８日
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 銀−酸化物系電気接点材料
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、耐溶着性および耐消
耗性にすぐれ、この結果長い使用寿命を示すようになる
銀−酸化物系電気接点材料に関するものである。
耗性にすぐれ、この結果長い使用寿命を示すようになる
銀−酸化物系電気接点材料に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、多くの電気接点材料が提案され、
かつ各種の電気電子機器に組込まれて実用に供されてお
り、これらの多くの電気接点材料のうちで、広く実用に
供されている電気接点材料の１つとして、例えば特公昭
５５−４８２５号公報に記載される通り、重量％で（以
下％は重量％を示す）、 Ｓｎ：５〜１０％、 Ｉｎ：１〜６％、 を含有し、さらに必要に応じて、 Ｆｅ、Ｎｉ、およびＣｏのうちの１種または２種以上：
０．０１〜０．５％、 を含有し、残りがＡｇと不可避不純物からなる組成を有
するＡｇ合金に、内部酸化処理、すなわち酸化性雰囲気
中、６５０〜７５０℃の温度に所定時間保持の内部酸化
処理を施してなる銀−酸化物系電気接点材料が知られて
いる。
かつ各種の電気電子機器に組込まれて実用に供されてお
り、これらの多くの電気接点材料のうちで、広く実用に
供されている電気接点材料の１つとして、例えば特公昭
５５−４８２５号公報に記載される通り、重量％で（以
下％は重量％を示す）、 Ｓｎ：５〜１０％、 Ｉｎ：１〜６％、 を含有し、さらに必要に応じて、 Ｆｅ、Ｎｉ、およびＣｏのうちの１種または２種以上：
０．０１〜０．５％、 を含有し、残りがＡｇと不可避不純物からなる組成を有
するＡｇ合金に、内部酸化処理、すなわち酸化性雰囲気
中、６５０〜７５０℃の温度に所定時間保持の内部酸化
処理を施してなる銀−酸化物系電気接点材料が知られて
いる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の電気電子
機器の高性能化および使用寿命の長期化はめざましく、
これに伴ない、これに組込まれる電気接点材料にもより
一層の耐溶着性および耐消耗性の向上が要求される傾向
にあるが、上記の従来電気接点材料はじめ、その他多く
の電気接点材料は耐溶着性および耐消耗性が十分でな
く、これらの要求に満足に対応することができないのが
現状である。
機器の高性能化および使用寿命の長期化はめざましく、
これに伴ない、これに組込まれる電気接点材料にもより
一層の耐溶着性および耐消耗性の向上が要求される傾向
にあるが、上記の従来電気接点材料はじめ、その他多く
の電気接点材料は耐溶着性および耐消耗性が十分でな
く、これらの要求に満足に対応することができないのが
現状である。
【０００４】そこで、本発明者等は、上述のような観点
から、特に上記の従来電気接点材料に着目し、これの耐
溶着性および耐消耗性の一段の向上をはかるべく研究を
行なった結果、 Ｓｎ：５．１〜８．５％、 Ｉｎ：１．５〜３．
５％、 Ｔｅ：０．１〜０．８％、 Ｃｄ：０．１〜１
％、 を含有し、さらに必要に応じて、 Ｆｅ、Ｎｉ、およびＣｏのうちの１種または２種以上：
０．０５〜０．２％、 を含有し、残りがＡｇと不可避不純物からなる組成を有
するＡｇ合金を、上記の通常の条件で内部酸化処理して
なる銀−酸化物系電気接点材料は、上記の従来銀−酸化
物系電気接点材料に比して一段とすぐれた耐溶着性およ
び耐消耗性を具備するという研究結果を得たのである。
から、特に上記の従来電気接点材料に着目し、これの耐
溶着性および耐消耗性の一段の向上をはかるべく研究を
行なった結果、 Ｓｎ：５．１〜８．５％、 Ｉｎ：１．５〜３．
５％、 Ｔｅ：０．１〜０．８％、 Ｃｄ：０．１〜１
％、 を含有し、さらに必要に応じて、 Ｆｅ、Ｎｉ、およびＣｏのうちの１種または２種以上：
０．０５〜０．２％、 を含有し、残りがＡｇと不可避不純物からなる組成を有
するＡｇ合金を、上記の通常の条件で内部酸化処理して
なる銀−酸化物系電気接点材料は、上記の従来銀−酸化
物系電気接点材料に比して一段とすぐれた耐溶着性およ
び耐消耗性を具備するという研究結果を得たのである。
【０００５】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、以下に銀−酸化物系電気接点材
料の内部酸化処理前のＡｇ合金の成分組成を上記の通り
に限定した理由を説明する。
なされたものであって、以下に銀−酸化物系電気接点材
料の内部酸化処理前のＡｇ合金の成分組成を上記の通り
に限定した理由を説明する。
【０００６】（ａ）Ｓｎ Ｓｎ成分には、主体が酸化物を形成して耐溶着性を向上
させる作用があるが、その含有量が５．１％未満では所
望のすぐれた耐溶着性を得ることができず、一方その含
有量が８．５％を越えると、接点としての接触抵抗に上
昇傾向が現われるようになると共に、製造時の加工性が
低下するようになることから、その含有量を５．１〜
８．５％と定めた。
させる作用があるが、その含有量が５．１％未満では所
望のすぐれた耐溶着性を得ることができず、一方その含
有量が８．５％を越えると、接点としての接触抵抗に上
昇傾向が現われるようになると共に、製造時の加工性が
低下するようになることから、その含有量を５．１〜
８．５％と定めた。
【０００７】（ｂ） Ｉｎ Ｉｎ成分には、Ｓｎ成分の酸化を促進すると共に、自身
も酸化物を形成して耐溶着性および耐消耗性を向上させ
る作用があるが、その含有量が１．５％未満では前記作
用に所望の顕著な向上効果が得られず、一方その含有量
が３．５％を越えると耐溶着性に低下傾向が現われるよ
うになることから、その含有量を１．５〜３．５％と定
めた。
も酸化物を形成して耐溶着性および耐消耗性を向上させ
る作用があるが、その含有量が１．５％未満では前記作
用に所望の顕著な向上効果が得られず、一方その含有量
が３．５％を越えると耐溶着性に低下傾向が現われるよ
うになることから、その含有量を１．５〜３．５％と定
めた。
【０００８】（ｃ） Ｔｅ Ｔｅ成分には、接点開閉によるアーク発生時に昇華し易
い酸化物を形成し、耐溶着性および耐消耗性を一段と向
上させる作用があるが、その含有量が０．１％未満では
前記作用に所望の顕著な向上効果が得られず、一方その
含有量が０．８％を越えると加工性に低下傾向が現われ
るようになることから、その含有量を０．１〜０．８％
と定めた。
い酸化物を形成し、耐溶着性および耐消耗性を一段と向
上させる作用があるが、その含有量が０．１％未満では
前記作用に所望の顕著な向上効果が得られず、一方その
含有量が０．８％を越えると加工性に低下傾向が現われ
るようになることから、その含有量を０．１〜０．８％
と定めた。
【０００９】（ｄ） Ｃｄ Ｃｄ成分には、Ｔｅ成分との共存において、耐溶着性を
一段と向上させる作用があるが、その含有量が０．１％
未満では所望のすぐれた耐溶着性が得られず、一方その
含有量が１％を越えると、耐消耗性に低下傾向が現われ
るようになることから、その含有量を０．１〜１％と定
めた。
一段と向上させる作用があるが、その含有量が０．１％
未満では所望のすぐれた耐溶着性が得られず、一方その
含有量が１％を越えると、耐消耗性に低下傾向が現われ
るようになることから、その含有量を０．１〜１％と定
めた。
【００１０】（ｅ） Ｆｅ、Ｎｉ、およびＣｏ これらの成分には、素地に固溶して酸化物およびＡｇ粒
を微細化し、もって耐溶着性を向上させる作用があるの
で、必要に応じて含有されるが、その含有量が０．０５
％未満では前記作用に所望のすぐれた向上効果が得られ
ず、一方その含有量が０．２％を越えると加工性に低下
傾向が現われるようになることから、その含有量を０．
１〜０．２％と定めた。
を微細化し、もって耐溶着性を向上させる作用があるの
で、必要に応じて含有されるが、その含有量が０．０５
％未満では前記作用に所望のすぐれた向上効果が得られ
ず、一方その含有量が０．２％を越えると加工性に低下
傾向が現われるようになることから、その含有量を０．
１〜０．２％と定めた。
【００１１】
【実施例】つぎに、この発明の銀−酸化物系電気接点材
料を実施例により具体的に説明する。通常の高周波溶解
炉を用い、それぞれ表１，２に示される成分組成をもっ
たＡｇ合金を溶製し、以下いずれも通常の条件で、イン
ゴットに鋳造し、熱間押出しし加工にて厚さ：５mmの厚
板とし、この厚板を熱間および冷間圧延にて幅：３０mm
×厚さ：０．６mmの薄板とし、この薄板を長さ方向にそ
って幅：２mmにスライス切断し、この切断片に対して、
酸素雰囲気中、温度：７００℃に２４時間保持の条件で
内部酸化処理を施し、ついでこの内部酸化処理後の切断
片をまとめて、これに圧縮成形を施して直径：７０mmの
ビレットとし、このビレットを直径：７mmに押出し加工
し、引続いて線引き加工にて直径：２mmの線材とし、最
終的にこの線材からヘッダーマシンにて、頭径：４mm×
頭厚：１mm×足径：２mm×足長：２mmの寸法をもったリ
ベットを形成することにより本発明銀−酸化物系電気接
点材料（以下、本発明接点材料という）１〜１６、およ
び従来銀−酸化物系電気接点材料（以下、従来接点材料
という）１〜６をそれぞれ製造した。
料を実施例により具体的に説明する。通常の高周波溶解
炉を用い、それぞれ表１，２に示される成分組成をもっ
たＡｇ合金を溶製し、以下いずれも通常の条件で、イン
ゴットに鋳造し、熱間押出しし加工にて厚さ：５mmの厚
板とし、この厚板を熱間および冷間圧延にて幅：３０mm
×厚さ：０．６mmの薄板とし、この薄板を長さ方向にそ
って幅：２mmにスライス切断し、この切断片に対して、
酸素雰囲気中、温度：７００℃に２４時間保持の条件で
内部酸化処理を施し、ついでこの内部酸化処理後の切断
片をまとめて、これに圧縮成形を施して直径：７０mmの
ビレットとし、このビレットを直径：７mmに押出し加工
し、引続いて線引き加工にて直径：２mmの線材とし、最
終的にこの線材からヘッダーマシンにて、頭径：４mm×
頭厚：１mm×足径：２mm×足長：２mmの寸法をもったリ
ベットを形成することにより本発明銀−酸化物系電気接
点材料（以下、本発明接点材料という）１〜１６、およ
び従来銀−酸化物系電気接点材料（以下、従来接点材料
という）１〜６をそれぞれ製造した。
【００１２】
【表１】
【００１３】
【表２】
【００１４】ついで、この結果得られた各種の接点材料
について、ＡＳＴＭ電気接点試験機を用い、 直流電圧：２４Ｖ、 投入電流：１００Ａ、 遮断電流：２０Ａ、 通電時間：１秒ＯＮ−９秒ＯＦＦ、 接触力 ：１００ｇ、 開離力 ：１００ｇ、 開閉回数：５０００回、 の条件で電気試験を行ない、溶着回数と消耗量を測定
し、耐溶着性および耐消耗性を評価した。それらの測定
結果を表１，２に示した。
について、ＡＳＴＭ電気接点試験機を用い、 直流電圧：２４Ｖ、 投入電流：１００Ａ、 遮断電流：２０Ａ、 通電時間：１秒ＯＮ−９秒ＯＦＦ、 接触力 ：１００ｇ、 開離力 ：１００ｇ、 開閉回数：５０００回、 の条件で電気試験を行ない、溶着回数と消耗量を測定
し、耐溶着性および耐消耗性を評価した。それらの測定
結果を表１，２に示した。
【００１５】
【発明の効果】表１，２に示される結果から、本発明接
点材料１〜１６は、いずれも従来接点材料１〜６に比し
て一段とすぐれた耐溶着性および耐消耗性を示すことが
明らかである。上述のように、この発明の銀−酸化物系
電気接点材料は、すぐれた耐溶着性および耐消耗性を具
備するので、各種電気電子機器に組込まれて実用に供し
た場合、これらの電気電子機器の高性能化並びに使用寿
命の長期化に寄与するところ大なるものがあるなど工業
上有用な特性を有するのである。
点材料１〜１６は、いずれも従来接点材料１〜６に比し
て一段とすぐれた耐溶着性および耐消耗性を示すことが
明らかである。上述のように、この発明の銀−酸化物系
電気接点材料は、すぐれた耐溶着性および耐消耗性を具
備するので、各種電気電子機器に組込まれて実用に供し
た場合、これらの電気電子機器の高性能化並びに使用寿
命の長期化に寄与するところ大なるものがあるなど工業
上有用な特性を有するのである。
Claims (2)
- 【請求項１】 重量％で、 Ｓｎ：４〜１１％、 Ｉｎ：１〜５％、 Ｔｅ：０．０５〜４％、 Ｃｄ：０．０５〜３％、 を含有し、残りがＡｇと不可避不純物からなる組成を有
するＡｇ合金を内部酸化処理してなる耐溶着性および耐
消耗性にすぐれた銀−酸化物系電気接点材料。 - 【請求項２】 重量％で、 Ｓｎ：４〜１１％、 Ｉｎ：１〜５％、 Ｔｅ：０．０５〜４％、 Ｃｄ：０．０５〜３％、 を含有し、さらに、 Ｆｅ，Ｎｉ、およびＣｏのうちの１種または２種以上：
０．０１〜１％、 を含有し、残りがＡｇと不可避不純物からなる組成を有
するＡｇ合金を内部酸化処理してなる耐溶着性および耐
消耗性にすぐれた銀−酸化物系電気接点材料。
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3276790A JPH0762189B2 (ja) | 1991-09-27 | 1991-09-27 | 銀−酸化物系電気接点材料 |
| DE69219397T DE69219397T2 (de) | 1991-04-12 | 1992-02-05 | Metalloxidmaterial auf Silberbasis für elektrische Kontakte |
| EP92101915A EP0508055B1 (en) | 1991-04-12 | 1992-02-05 | Silver-base metal oxide material for electrical contacts |
| KR1019920005853A KR0121724B1 (ko) | 1991-04-12 | 1992-04-08 | 은-산화물계 전기 접점재료 |
| US08/224,430 US5451272A (en) | 1991-04-12 | 1994-04-08 | Silver-oxide electric contact material for use in switches for high current |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3276790A JPH0762189B2 (ja) | 1991-09-27 | 1991-09-27 | 銀−酸化物系電気接点材料 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0586426A true JPH0586426A (ja) | 1993-04-06 |
| JPH0762189B2 JPH0762189B2 (ja) | 1995-07-05 |
Family
ID=17574414
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3276790A Expired - Lifetime JPH0762189B2 (ja) | 1991-04-12 | 1991-09-27 | 銀−酸化物系電気接点材料 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0762189B2 (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5451272A (en) * | 1991-04-12 | 1995-09-19 | Mitsubishi Materials Corporation | Silver-oxide electric contact material for use in switches for high current |
| US8926898B2 (en) | 2005-03-29 | 2015-01-06 | Kobe Steel, Ltd. | Al base alloy excellent in heat resistance, workability and rigidity |
Citations (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5233067A (en) * | 1975-09-10 | 1977-03-12 | Tokyo Shibaura Electric Co | Elecric contact material |
| JPS53106625A (en) * | 1977-03-02 | 1978-09-16 | Mitsubishi Marorii Yakin Kougi | Silverroxide based electric contact material |
| JPS555583A (en) * | 1978-06-29 | 1980-01-16 | Omron Tateisi Electronics Co | Numeral set system |
| JPS58110639A (ja) * | 1981-12-23 | 1983-07-01 | Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk | 摺動接点材料 |
| JPS60248838A (ja) * | 1984-05-24 | 1985-12-09 | Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk | 電気接点材料 |
-
1991
- 1991-09-27 JP JP3276790A patent/JPH0762189B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (5)
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| JPS58110639A (ja) * | 1981-12-23 | 1983-07-01 | Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk | 摺動接点材料 |
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| US8926898B2 (en) | 2005-03-29 | 2015-01-06 | Kobe Steel, Ltd. | Al base alloy excellent in heat resistance, workability and rigidity |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0762189B2 (ja) | 1995-07-05 |
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