JPH05140205A - 塩化ビニル樹脂の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル樹脂の製造方法

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JPH05140205A
JPH05140205A JP30604091A JP30604091A JPH05140205A JP H05140205 A JPH05140205 A JP H05140205A JP 30604091 A JP30604091 A JP 30604091A JP 30604091 A JP30604091 A JP 30604091A JP H05140205 A JPH05140205 A JP H05140205A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 重合反応中、重合転化率が50%以前に塩化
ビニル系単量体を凝縮液化させないようにして該単量体
をミクロ懸濁重合する 【効果】 重合ラテックス中の粗粒および粗大凝集物の
生成を抑制することが可能になり、ラテックス移送工程
におけるラインの閉塞などのトラブルや、凝集物が缶内
に残留するため入缶してこれを取出す作業が解消される
ことにより、労働衛生および環境衛生上の問題が改善さ
れ、同時に生産性の向上と製品収率の向上が可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩化ビニル樹脂、特に
ペースト用塩化ビニル樹脂のミクロ懸濁重合による製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ミクロ懸濁重合法は、塩化ビニルまたは
塩化ビニルを主成分とする単量体(以下、「塩化ビニル系
単量体」という。)、水、乳化剤、単量体に可溶な重合開
始剤およびその他の重合助剤とを重合装置以外の装置で
高剪断下で均質化した後、重合装置に移して撹拌下で重
合させ、樹脂の平均径が0.2〜3μm程度の微細な塩
化ビニル樹脂の粒子を生成する方法である。
【0003】均質化工程で分散された液滴は、乳化剤で
保護されているために比較的安定であるが、重合の後半
になると粒子が不安定となり、重合中の撹拌が強過ぎる
と、粒子同志の衝突による合一が促進されて粗粒が増加
したり、重合装置壁や撹拌翼へのスケール付着量の増大
を招き、極端な場合はラテックスが凝集することがあ
る。従ってミクロ懸濁重合法では重合反応器の撹拌には
一般には低剪断型の撹拌翼が採用されている。
【0004】この塩化ビニル系単量体の重合において、
得られるラテックス中に径が数cmから数mmの大きさの粗
粒(塊状ポリマー)が含まれることがあり、時には反応器
の上部に厚さ数cmのドーナツ状粗大凝集物(還流スケー
ル)が発生することがある。これら粗粒や粗大凝集物の
発生は、得られる製品品質の低下や製品収率の低下を招
き、ラテックスの移液工程においてラインの閉塞を生じ
たり、時には凝集物が缶内に残り払出しができないため
にマンホールを開けて入缶してこれを取出す必要を生じ
るなど労働衛生および環境衛生上の重大な問題であり、
また生産性を著しく低下させる原因となっていた。
【0005】この問題を解決するため、添加剤を添加す
る方法(特開昭57−98511)などが提案されている
が、特にラテックスの不安定な処方の場合とか有効内径
(D)に対する有効高さ(H)の比(H/D)の大きな混合の
悪い重合反応器を用いる場合には、これらの方法を実施
しても粗粒や粗大凝集物が発生することがあり、根本的
な原因の解決には至っていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塩化ビニル
系単量体のミクロ懸濁重合方法において重合ラテックス
中の粗粒および粗大凝集物の生成を抑制する方法を提供
しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、重合ラテ
ックス中の粗粒および粗大凝集物の生成と分散条件およ
び重合条件との関係について鋭意検討した結果、本発明
を完成するに至った。即ち、本発明は、重合反応中、重
合転化率が50%以前に塩化ビニル系単量体を凝縮液化
させないようにして該単量体をミクロ懸濁重合すること
を特徴とする塩化ビニル樹脂の製造方法を提供する。
【0008】以下、本発明の詳細について説明する。通
常、ミクロ懸濁重合では低剪断型の緩やかな撹拌が採用
されているため、凝縮液化した比重の軽い単量体は反応
器の上部に偏在しており、一部は液滴としてラテックス
相にまきこまれるが、反応器の下部まで均一にまき込ま
れることなく、大部分の単量体はラテックス相の上部に
単量体相として分離していることが多い。
【0009】乳化力の強い処方では、分離された単量体
相は重合の進行とともに徐々にラテックス相にとりこま
れ移行していくが、乳化力の弱い系では、単量体はラテ
ックス相に移行することなく重合系に相分離して存在し
ている。また、上下混合のよい系、例えば、有効内径
(D)に対する有効高さ(H)の比(H/D)が小さな反応系
では、分離した単量体相の厚みはうすく、容易にラテッ
クス相にまきこまれやすいため、問題が顕在化していな
いことが多い。一方、H/Dが4以上の反応器とか大型
の反応器では、分離された単量体相の厚みが相対的に厚
くなり、ラテックス相にまきこまれにくくなる。
【0010】粗粒及び粗大凝集物の発生メカニズムと分
離された単量体の関係については必ずしも明確ではない
が、次のように推察される。 (1)油溶性開始剤を使用しているので、分離された単量
体相およびラテックス相にとりこまれた単量体液滴へ、
開始剤および開始剤を含むラテックス粒子が移行し、そ
こで塊状重合が進むことにより、粗大凝集物や粗粒が生
成する。 (2)分離された単量体相とラテックス相の界面付近での
液相造粒作用によって、ラテックス粒子の凝集物が生成
する。 (3)実験結果によれば重合転化率50%以前に分離され
た単量体が存在すると、粗粒および粗大凝集物が生成し
やすいが、50%より後に分離された単量体が存在して
も粗粒および粗大凝集物は生成しにくい。
【0011】以上のメカニズムから、粗粒および粗大凝
集物の生成を抑制する方法として、反応器内に存在する
分離された単量体の量をできるだけ減少させることが有
効である。即ち、単量体の凝縮液化する工程を具体的に
明らかにし、その原因を根本的に解消することが有効で
ある。
【0012】まず第1に、分散均質化液を分散槽から重
合反応器に移液する工程での単量体の凝縮液化防止を行
なう。一般に重合反応器の生産効率を上げるため、分散
槽で予め単量体、水、乳化剤、開始剤およびその他の重
合助剤を分散均質化した後、重合反応器へ移液して重合
を行なう。移液前に重合反応器は脱気され真空になって
いる。そこへ分散液を移液開始すると均質化された単量
体の一部がその温度の蒸気圧まで反応器内で気化し、移
液が進むにつれて重合反応器の空間容積が減少するた
め、一旦気化した単量体ガスが圧縮され凝縮液化する。
反応器の充填率を90%とした時、圧縮液化される単量
体の量は、仕込みの単量体に対して1〜2%に相当す
る。これを防止する方法としては、移液時に重合反応器
と分散槽の気相部の均圧をとり、移液に伴って重合反応
器の気相部ガスを分散槽側へ置換することによって重合
反応器での凝縮液化を防止できる。
【0013】第2に、重合反応器気相部からの放熱によ
る単量体の凝縮液化防止を行なう。気相部に非凝縮ガス
を供給して、好ましくは0.5〜5kg/cm2の範囲で加
圧して重合することにより、単量体の蒸発を抑え、かつ
凝縮伝熱係数を小さくすることにより単量体の凝縮液化
を防止する。さらに、反応器の気相部を保温する、好ま
しくはスチームトレースまたはジャケットに熱水または
蒸気を通して気相部の温度を重合温度より高く保持する
ことにより単量体の凝縮液化を防止することが有効であ
る。
【0014】第3に、重合中ジャケットを反応液液面か
ら露出させないようにして凝縮液化防止を行なう。塩化
ビニルの重合においては、単量体が重合することによっ
て体積が収縮するが、それに伴いジャケットが反応液液
面から露出することによって凝縮が起こることがある。
これを防止する方法として、重合による体積収縮分だけ
ジャケットのレベルより高い位置に予め仕込液面を調節
して重合を行なうことにより単量体の凝縮液化を防止す
る。
【0015】また、反応に伴う体積収縮相当分の体積の
水、単量体、あるいは分散均質化液を重合中追加して、
ジャケットが反応液液面から露出しないように調節して
重合を行なうことにより、単量体の凝縮液化を防止す
る。さらに、ジャケットを分割し、重合中ジャケット冷
却水の通水レベルが反応液液面から露出しないように段
階的に冷却水の通水位置を調節して重合することによっ
て単量体の凝縮液化を防止することも有効である。ジャ
ケットの露出面積および露出時間は、凝縮液化単量体量
と正の相関関係にあり、粗粒あるいは粗大凝集物の発生
量とも正の相関関係にある。粗粒または粗大凝集物を増
加させないためには、重合転化率50%以前、好ましく
は75%以前にジャケットが反応液液面から露出しない
ように調節する必要がある。
【0016】単量体を重合中に途中追加する方法は、ラ
テックス中の固形分濃度を上げることができ好ましい
が、単量体の追加量が最初に仕込んだ単量体の30%以
下であり、かつ追加開始時期が最初に仕込んだ単量体の
重合転化率が40%以上であることが必要である。この
範囲を外れると、分離された単量体量が増加し、粗粒ま
たは粗大凝集物が増加する。
【0017】本発明において使用する重合反応器は、塩
化ビニル単量体のミクロ懸濁重合に使用されている一般
的なものであってもよく、特に限定はない。撹拌形式と
しては、低剪断型のパドル型撹拌翼、いかり型撹拌翼、
門型撹拌翼またはくし型撹拌翼などであり、好ましくは
翼の有効直径(d)と反応器の有効内径(D)の比(d/D)は
0.3〜0.9、翼の先端速度は0.1〜1.5m/sec
が採用される。
【0018】重合反応器の形状は特に限定されないが、
有効内径(D)に対する有効高さ(H)の比(H/D)が4以
上の長尺の反応器において本発明の効果がより顕著に発
揮される。
【0019】本発明の重合方法に使用できる単量体は、
塩化ビニル単独または塩化ビニルおよびこれと共重合し
得る単量体との混合物である。本明細書においては、こ
れらを「塩化ビニル系単量体」と総称している。
【0020】共重合し得る単量体は特に限定されるもの
ではないが、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレ
ン等のビニル系モノマー;アクリル酸、メタクリル酸お
よびそれらのエステル類;マレイン酸、マレイン酸エス
テル、フマル酸、フマル酸エステル等の不飽和ジカルボ
ン酸およびそれらのエステル類;弗化ビニル、臭化ビニ
ル等の塩化ビニル以外のハロゲン化ビニル;塩化ビニリ
デン、弗化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン;なら
びにアクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルエ
ーテル類等の、塩化ビニルと共重合可能なすべての公知
の単量体が使用できる。これらの単量体の使用量は、塩
化ビニルとの混合物中50重量%未満であるのが好まし
い。
【0021】本発明において使用される乳化剤として
は、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン
酸塩、アルキルアルコール硫酸エステル酸、脂肪酸塩、
モノまたはジアルキルスルホンこはく酸塩のような通常
のアニオン性乳化剤で、特にアルカリ金属塩が一般的で
ある。適切であれば、高級脂肪酸のグリセリンエステ
ル、グリコールエステルもしくはソルビタンエステル、
高級アルコール縮合物またはポリプロピレンオキサイド
縮合物などに代表される非イオン性乳化剤を前記アニオ
ン性乳化剤と併用することもできる。乳化剤の使用量は
全単量体に対して0.01〜3部程度用いられるのが一
般的である。
【0022】有機可溶性重合開始剤として、塩化ビニル
ポリマーのミクロ懸濁重合法で用いられる開始剤の全て
を挙げることができ、その代表例として、過酸化ラウロ
イル、アセチルシクロヘキサンスルホニルパーオキシ
ド、イソブチロイルパーオキシド、ジクロルアセチルパ
ーオキシド及びトリクロルアセチルパーオキシドのよう
な有機過酸化物;エチルパーオキシジカーボネート、エ
チルヘキシルパーオキシジカーボネート、イソプロピル
パーオキシジカーボネート及びイソブチルパーオキシジ
カーボネートのようなパーオキシジカーボネート;t−ブ
チルメトキシパーアセテート;並びにt−ブチル−2−フ
ェノキシパープロピオネートを含む遊離基発生剤であ
る。これらの開始剤の使用量は、全単量体重量に対し
0.01〜3重量%程度が一般的である。
【0023】本発明において使用されるその他の重合助
剤としては、セチルアルコール及びラウリルアルコール
などの高級アルコール、ラウリル酸、パルミチン酸及び
ステアリン酸などの高級脂肪酸またはそのエステル、芳
香族炭化水素、高級脂肪族炭化水素、ポリビニルアルコ
ール、ゼラチン、粒子径調節剤(硫酸ナトリウム及び重
炭酸ナトリウムなど)、連鎖移動剤、抗酸化剤などが挙
げられる。これらは単独または二種類以上を組み合わせ
て用いることができる。
【0024】また、均質化においては、一段または二段
加圧式高圧ポンプ、コロイドミル、遠心ポンプ、ホモミ
キサー、振動式撹拌機、ノズルまたはオリフィスよりの
高圧噴出および超音波などの公知の方法を用いることが
できる。
【0025】重合反応は通常の方法に従って行なわれ、
例えば重合温度は40〜75℃であり、重合用の水量は
重量で全単量体に対し0.6〜3倍の範囲である。その
他の重合助剤の使用量も通常の量でよい。尚、乳化剤、
重合開始剤、重合助剤などが供給ラインに残るので、重
合に使用する水の一部をこれらの水洗除去に使用し、こ
の水洗水を重合缶内に導入してもよい。更に、スケール
付着を防止するために、予め重合缶内壁面にスケール防
止剤を塗布しておくことが望ましい。
【0026】
【発明の効果】本発明により、重合ラテックス中の粗粒
および粗大凝集物の生成を抑制することが可能になり、
ラテックス移送工程におけるラインの閉塞などのトラブ
ルや、凝集物が缶内に残留するため入缶してこれを取出
す作業が解消されることにより、労働衛生および環境衛
生上の問題が改善され、同時に生産性の向上と製品収率
の向上が可能となった。
【0027】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を具
体的に説明する。 実施例1 1.2m3の撹拌機付き分散槽にイオン交換水390kgを
仕込み、次いで予めイオン交換水60kgにラウリル硫酸
ナトリウム2.7kgおよびセチルアルコール2.7kgを
80℃で溶解して常温まで冷却した乳化剤水溶液と、
α,α'−アゾビスイソブチロバレロニトリル(ABVN)
207gをトルエン0.5リットルに溶解した重合開始
剤溶液とを加えて10分間脱気した後、塩化ビニル単量
体450kgを仕込み、撹拌しながら能力10m3/hrの遠
心ポンプで60分間、分散均質化した。
【0028】次に、予めスケール防止剤を塗布して脱気
した直径52cm、直胴部の高さ5.2m、翼の外径42c
mのパドル翼を付設した1.2m3ステンレス製重合反応
器の缶内の空気を真空ポンプで脱気し、分散槽と重合反
応器の気相部の配管の均圧をとった後、分散均質化液を
分散槽から重合反応器へポンプで移液した。移液後、缶
内圧力を1Kg/cm2だけ窒素で昇圧し、撹拌しながら昇
温して50℃で重合を行なった。撹拌回転数は20rpm
であり、重合反応器の液面より上部の直胴部、天井鏡板
部分及び上部ノズルはスチームトレースを行なった。
【0029】ジャケットは3分割されており、上段ジャ
ケットは、移液から重合期間中、冷却水の通水を停止
し、中段および下段ジャケットに冷却水を通水して温度
制御した。尚、重合中、中段ジャケットは重合液面より
露出しないような位置に保った。
【0030】缶内圧力が6.5kg/cm2Gまで低下した
時点で70℃まで昇温し、同温度で30分間保持した
後、未反応塩化ビニル単量体を回収し、得られたラテッ
クスの固形分濃度およびラテックス中の粗粒量を測定し
た。又、ラテックス払出後の缶内を点検し、300kg/
cm2の高圧水洗滌を行ない、高圧水洗滌で払出しできた
凝集物および缶内に残留した粗大凝集物量を3メッシュ
の金網で捕集し、測定した。尚、ラテックス中の粗粒量
は、32メッシュの金網で捕集した粗粒を50℃で24
時間乾燥した後計量し、ラテックス当たりの粗粒量を%
で表わしたものである。
【0031】実施例2 実施例1と同様の方法で分散均質化を行ない、重合反応
器に移液し、昇温して50℃で重合を開始した。重合開
始と同時に上部ジャケットの通水を開始し、上部ジャケ
ットのほぼ中央に付設した缶内温度計で上部内温を50
℃に設定し、ジャケット通水をオンオフ制御した。
【0032】上部ジャケットの上端のレベルは、昇温終
了時の重合ラテックスのレベルより約5cm低い位置に設
定した。重合開始と同時に平均体積収縮分に相当する2
1リットル/hrの水を反応器中央部より連続的に追加
し、缶内圧力が6.5kg/cm2に達した時点で追加水の
供給を停止し、70℃まで昇温して30分間保持した
後、未反応塩化ビニル単量体を回収した。尚、追加水を
停止した時の重合時間は8時間、重合転化率は80%で
あった。
【0033】実施例3 実施例2と同様の方法で分散均質化、重合および水追加
を行なった。但し、重合開始後5.5時間目、重合転化
率50%に達した時点で追加水の供給を停止した。
【0034】実施例4 実施例2と同様の方法で分散均質化、重合および水追加
を行なった。但し、重合開始後5時間目、重合転化率4
5%に達した時点で追加水の供給を停止すると共に、重
合反応器下部から20kg/hrの速度で塩化ビニル単量体
の追加を開始し、重合時間8時間目に塩化ビニル単量体
の供給を停止した。
【0035】実施例5 実施例2と同様の方法で分散均質化し、移液し、重合を
開始した。重合開始と同時に、予め、イオン交換水8k
g、ラウリル硫酸ナトリウム450gおよびセチルアルコ
ール450gを80℃で溶解して常温まで冷却した乳化
剤水溶液、イオン交換水52kg、および塩化ビニル単量
体75kgを分散均質化した分散液を25リットル/hrの
速度で反応器中部より約6時間かけて連続追加した。缶
内圧力が6.5kg/cm2に達した時点で70℃まで昇温
して30分間保持した後未反応単量体を回収した。
【0036】比較例1 実施例1と同様の方法で分散均質化を行ない、分散槽と
重合反応器の均圧をとらずに分散均質化液を分散槽から
重合反応器へ移液した。その後実施例1と同様の方法で
重合を行なった。
【0037】比較例2 実施例1と同様の方法で分散均質化し、移液し、重合を
行なった。但し、重合中の窒素加圧および気相部のスチ
ームトレースを実施しなかった。
【0038】比較例3 実施例2と同様の方法で分散均質化、移行、重合および
水追加を行なった。但し、重合開始後3.5時間目、重
合転化率30%に達した時点で追加水の供給を停止し
た。
【0039】比較例4 直径80cm、直胴部の高さ2m、翼の外形64cmのパド
ル翼を付設した1.2m3のステンレス製重合反応器を用
い、比較例1と同じ方法で分散均質化、移液、重合を行
なった。尚、重合中の撹拌回転数は17rpmであった。
実施例および比較例の結果を表1に示す。
【0040】
【表1】

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合反応中、重合転化率が50%以前に
    塩化ビニル系単量体を凝縮液化させないようにして該単
    量体をミクロ懸濁重合することを特徴とする塩化ビニル
    樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 分散槽の気相部と重合反応器の気相部と
    の均圧をとりつつ塩化ビニル単量体の分散均質化液を分
    散槽から重合反応器へ移液して重合することを特徴とす
    る請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 重合反応器の気相部に非凝縮ガスを供給
    し、好ましくは0.5〜5kg/cm2の範囲で加圧して重
    合することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 重合反応器の気相部を、スチームトレー
    スまたはジャケットに熱水または蒸気を通して気相部の
    温度を重合温度より高く保持して重合することを特徴と
    する請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 重合中、ジャケットが反応液液面から露
    出しないように予め仕込液面を調節して重合することを
    特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 重合中、反応に伴う体積収縮相当の体積
    の水、乳化剤水溶液、単量体あるいは分散均質化液を追
    加して、ジャケットが反応液液面から露出しないように
    調節しつつ重合することを特徴とする請求項1に記載の
    方法。
  7. 【請求項7】 ジャケットを分割し、重合の進行に伴
    い、ジャケット冷却水通水レベルが反応液液面から露出
    しないように段階的に冷却水の通水位置を調節しつつ重
    合することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 有効内径に対する有効高さの比が4以上
    である重合反応器を使用することを特徴とする請求項1
    記載の方法。
  9. 【請求項9】 重合転化率50%以前、好ましくは75
    %以前にジャケットが反応液液面から露出しないように
    調節することを特徴とする請求項5、6または7に記載
    の方法。
  10. 【請求項10】 単量体の追加量が最初に仕込んだ単量
    体の30%以下であり、かつ追加開始時期が最初に仕込
    んだ単量体の重合転化率が40%以上になった時である
    ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
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