JPH05139935A - 毛髪化粧料 - Google Patents

毛髪化粧料

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JPH05139935A
JPH05139935A JP3325057A JP32505791A JPH05139935A JP H05139935 A JPH05139935 A JP H05139935A JP 3325057 A JP3325057 A JP 3325057A JP 32505791 A JP32505791 A JP 32505791A JP H05139935 A JPH05139935 A JP H05139935A
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優 藤木
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 毛髪、例えば健常毛、パーマ等による損傷毛
等の全毛髪または毛髪構成組織を粉砕した粉末、上記毛
髪から抽出されたケラチン蛋白質、ケラチン蛋白質の加
水分解物等を抗原として免疫した家禽の卵から得られる
卵黄抗体(毛髪卵黄抗体)を含有することを特徴とする
毛髪化粧料。 【効果】本発明の毛髪卵黄抗体を含有する毛髪化粧料
は、乾燥状態においても髪にしっとり感、柔軟性、平滑
性、枝毛の防止・修復、艶等の優れたコンディショニン
グ効果を賦与することにより毛髪に良好な感触を賦与
し、かつ、数度のシャンプー後もその効果が失われな
い。 しかも、本発明の毛髪化粧料を毛髪に適用して
も、毛髪のべたつき感や油っぽさがなく、かつ、利用す
る抗体が卵黄抗体であるため、局所的炎症の心配もない
という利点も有する。 従って、本発明の化粧料は、毛
髪の枝毛や切毛等の損傷防止、コンディショニング効果
等に優れたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、卵黄抗体を含有する毛
髪化粧料に関し、更に詳細には、毛髪を抗原として免疫
した家禽の卵から得られる卵黄抗体を有効成分として含
有し、毛髪に対して良好な感触を賦与し、毛髪の損傷を
抑制することのできる毛髪化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ファッションの個性化に伴ない、
毛髪のロング化傾向は着実に定着しており、これに加
え、部分パーマなどの美容処理によるロングヘアスタイ
ルのバリエーション化が進んでいるが、これと相まっ
て、枝毛、切毛などの毛髪の損傷も着実に増加してい
る。かかる毛髪の損傷は、パーマなど化学処理によるケ
ラチン蛋白質の変性により、毛髪構造が脆弱化し、ドラ
イヤー、ブラッシングなどによる物理的な影響を受けや
すくなったことが原因と考えられている。
【0003】このような毛髪の損傷を防止するための手
段として、化学処理による蛋白質構造の劣化に対処し、
毛髪表面への保護膜形成や保湿性、弾性の向上を目的と
して、種々のヘアケア剤にコラーゲン、ケラチン蛋白
質、卵白蛋白質等を配合すること(特開昭61−280
413号)が知られている。
【0004】また、毛髪表面の摩擦力を軽減する目的
で、高級アルコール類、エステル油、流動パラフィン、
シリコーン油などの油成分がヘアリンス、トリートメン
ト、ブラッシング剤等に配合、利用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コラー
ゲンやケラチン蛋白質、卵白蛋白質等の蛋白質成分は、
毛髪の化学処理による損傷の防止に対してはある程度の
効果を奏するが、その効果は充分満足できるものではな
い。
【0006】一方、油成分は毛髪表面摩擦を低下など、
毛髪の損傷の予防に対してはある程度の効果を発揮し、
一時的な使用感を賦与することができるものの、すでに
損傷をうけている毛髪については、持続効果が不足して
いるため、満足のいくトリートメント効果が得られてい
ないのが実情である。 逆に、油成分を多量に毛髪化粧
料に使用すると、べたつき感や油っぽさが増し、使用感
を損なうこともある。
【0007】従って、べたつき感及び油っぽさが無く、
しっとりとした使用感等のコンディショニング効果に優
れ、かつ損傷毛髪に特異的に作用し、毛髪本来の機能が
回復、持続させる効果の有する毛髪化粧料の開発が望ま
れていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、毛
髪を抗原として免疫した家禽の卵から調製された卵黄抗
体を配合した毛髪化粧料をパーマヘアなどの化学処理を
受けた毛髪に用いると、驚くべきことに、乾燥状態にお
いても髪にしっとり感、柔軟性、平滑性、枝毛の防止・
修復、艶等の優れたコンディショニング効果を賦与する
ことができ、かつ、数度のシャンプー後もその効果が失
われないことを見出し、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、毛髪を抗原として免
疫した家禽の卵から調製された卵黄抗体を含有すること
を特徴とする毛髪化粧料を提供するものである。
【0010】本発明の毛髪化粧料に配合される、毛髪を
抗原として免疫した家禽の卵から調製された卵黄抗体
(以下、「毛髪卵黄抗体」と略称することがある)は、
毛髪で家禽を過免疫し、この家禽の産する卵の卵黄より
得ることができる。
【0011】免疫する家禽としては、ニワトリ、アヒ
ル、ウズラ等が用いられるが、抗体量産性という点から
は、白色レグホンなどの卵用種の家禽を用いるとよい。
【0012】抗原である毛髪としては、健常毛若しくは
パーマ等による損傷毛の全毛髪または毛髪構成組織を長
さ100μm以下にまで粉砕した粉末、または上記毛髪
から抽出されたケラチン蛋白質、またはケラチン蛋白質
の加水分解物等を用いることができる。 また、損傷毛
に特異的な抗体を得るためには、上記の毛髪粉末又はケ
ラチン蛋白質にパーマ等の化学処理を施したものを抗原
として用いることができる。
【0013】抗原となる毛髪を粉砕する方法には、先に
出願された特許のように(特開昭57−163392
号)、毛髪を水で膨潤したあと凍結粉砕する方法や、毛
髪を臭化リチウムや尿素、塩酸グアニジン等の蛋白変性
剤で処理して膨潤したあと凍結し、液体窒素下で乳鉢・
サンドミル等、既存の粉砕機により粉砕する方法がある
が、これらの方法に限らず、他の方法に従ってもさしつ
かえない。 また、これらの毛髪の構成組織としては、
毛小皮、毛皮質、毛随があるが、毛小皮の粉末は1cm
以下に切断した毛髪をテフロン球とともに滅菌水中で振
盪し、機械的に剥離するなど、公知の方法にて得ること
ができる。 更に、毛皮質の粉末は、特開昭55−39
702号のヴァンティアン処理等により、毛小皮を除去
した毛髪を前述の毛髪の粉砕法に準じて得ることができ
る。
【0014】また、毛髪のケラチン蛋白質は、メルカプ
トエタノール、ジチオスライトール、トリブチルホスフ
ィン、チオグリコール酸等の還元剤存在下で尿素、塩酸
グアニジン、ドデシル硫酸ナトリウム等の蛋白質変成剤
により抽出など、公知の方法を利用して得られる。 こ
れをそのまま抗原として用いてもよいが、さらに得られ
た毛髪ケラチン蛋白質をヨード酢酸、ヨードアセトアミ
ド、N−エチルマレイミド等でチオール基をブロックし
たり、クロマトグラフィー等でケラチン蛋白質を分画し
て用いてもよい。 また毛髪ケラチンの加水分解は特開
昭57−23631号等に記載の公知の方法で得ること
ができる。
【0015】上記した毛髪を用いて家禽を免疫する方法
としては、例えば、毛髪粉末、または毛髪ケラチン、毛
髪ケラチン加水分解物を単独又は2種以上を組合せ、こ
れを家禽に皮下注射、腹腔内注射、筋肉注射などによる
方法や、飼料又は水に加え、これと共に経口的に投与、
免疫する方法等の通常の方法が採用できる。 その際、
必要に応じてアジュバントと併用してもよい。
【0016】叙上の如くして免疫した家禽の卵から卵黄
抗体を得るには、公知の方法若しくはこれに準じた方法
によれば良い。 例えば、卵黄抗体の工業的精製方法は
特開昭64−38098号に詳細に例示されるが、これ
に限定されず、他の公知の方法に依ってもさしつかえな
い。
【0017】本発明に用いられる毛髪卵黄抗体の一例と
しては、λ−カラギーナン水溶液を卵黄に加えて得られ
る上清の部分精製物を挙げることができるが、更に、例
えば、卵黄中に含まれる免疫グロブリンを抽出、分離す
ることによって、より高い抗体価を有する精製毛髪卵黄
抗体が得られる。
【0018】前記の毛髪卵黄抗体は、溶液状態で本発明
の毛髪化粧料に配合することもできるが、濃縮ないし乾
燥させてから使用することが好ましい。 濃縮は、通常
の減圧留去によって行うことが好ましく、乾燥は凍結乾
燥によって行うことが好ましい。
【0019】毛髪卵黄抗体の毛髪化粧料への配合には、
上記の如くして得られる毛髪卵黄抗体の1種を単独で用
いても又は2種以上を併用してもよい。 また毛髪化粧
料への配合量は凍結乾燥物として、例えば、部分精製さ
れた毛髪卵黄抗体を用いた場合、0.01〜50重量%
(以下単に「%」で示す)程度、好ましくは0.01〜
20%、精製された卵黄抗体用いた場合では0.001
〜5%程度、好ましくは0.005〜1%の範囲であ
る。 精製された毛髪卵黄抗体としての配合量が、0.0
01%以下では効果が充分に達成されず、また、5%を
超えてもその増加分に見合った効果の向上は望めない。
【0020】なお、毛髪に特異的に結合する抗体は、ウ
サギ、ヒツジ、ヤギ等の哺乳動物を該毛髪で過免疫する
ことで該動物の血液からも得られる。 しかしながら、
この様にして得た抗体は、補体の活性化作用を有するの
で好中球を刺激し、局所的炎症反応の原因となり、従っ
て、毛髪化粧料として哺乳類血液抗体を用いることは好
ましくない。 また、特異的抗体の産生において、哺乳
動物を用いてその血液から得る方法は、家禽を用いてそ
の産卵卵黄から得る方法に比較し、抗体の収量が劣るた
め大量生産には適さず工業的とはいえない。更に、この
抗体は、動物血液から得られた抗体ということで使用者
に与えるイメージが悪いという問題もある。 これに対
し、本発明における卵黄抗体は、容易にかつ大量に調製
することが可能であり、しかも、補体の活性化作用を持
たず、局所的炎症の心配もないという利点も有する。
【0021】本発明の毛髪卵黄抗体を配合することので
きる毛髪化粧料としては、特に限定されず、毛髪に適用
される化粧料のいずれであっても良いが、この中には、
例えば、プレシャンプー剤、シャンプー、ヘアリンス、
ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、セットロ
ーション、ブロースタイリングローション、ヘアスプレ
ー、泡状スタイリング剤、ジェル状スタイリング剤、ヘ
アリキッド、ヘアトニック、ヘアクリーム、パーマネン
トウエーブ第1剤、パーマネントウェーブ第2剤、永久
染毛剤、一時染毛剤等が含まれる。
【0022】また、この毛髪化粧料の剤型としても、そ
の用途に応じて、水溶液、エタノール溶液、エマルジョ
ン溶液、エマルジョン、サスペンジョン、ゲル、液晶、
固形、エアゾール等の各種形態から適宜選択することが
できる。
【0023】本発明毛髪化粧料中には、上記した必須成
分としての毛髪卵黄抗体のほか、種々の公知の毛髪化粧
料用の公知成分を配合することができる。このような公
知成分としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸
塩、アルキルエーテル硫酸塩、オレフィンスルホン酸
塩、α−スルホ脂肪酸エステル、アミノ酸系界面活性
剤、リン酸エステル系界面活性剤、スルホコハク酸エス
テル系界面活性剤等のアニオン界面活性剤;スルホン酸
型界面活性剤、ベタイン型界面活性剤、アルキルアミン
オキサイド、イミダゾリン型界面活性剤等の両性界面活
性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル、アルカノールア
ミド及びそのアルキレンオキサイド付加物、多価アルコ
ールと脂肪酸とのエステル類ソルビダン脂肪酸エステル
類、アルキルサッカライド系界面活性剤等の非イオン界
面活性剤;モノまたは、ジ直鎖長鎖アルキル第4級アン
モニウム塩やモノ又は、ジ分岐型直鎖長鎖アルキル第4
級アンモニウム塩等のカチオン界面活性剤などが挙げら
れ、これらの1種又は2種以上を組みわ合せ、各種毛髪
化粧料の性能に合せて用いることができる。
【0024】特に、本発明毛髪料がシャンプーである場
合には、皮膚や毛髪に対する刺激性を考慮して、上記の
界面活性剤の中でもアミノ酸系界面活性剤、リン酸エス
テル系界面活性剤、スルホコハクエステル系界面活性
剤、イミダゾリン型界面活性剤、アルキルサッカライド
系界面活性剤等を併用することが好ましい。
【0025】本発明の毛髪化粧料にこれらの界面活性剤
を配合する場合の配合量は、0.01〜40.0%程度、
特に05〜20.0%程度とすることが好ましい。
【0026】また、本発明毛髪化粧料には毛髪や皮膚の
感触を向上させるために、カチオン化セルロース誘導
体、カチオン性澱粉、カチオン化グアーガム誘導体、ジ
アリル4級アンモニウム塩/アクリルアミド非混合物、
4級化ポリビニルピロリドン誘導体、ポリグリコールポ
リアミン縮合物等のカチオン性ポリマーの1種又は2種
以上を配合することもできる。
【0027】これらカチオン性ポリマーの好ましい具体
例としては、分子量約100,000〜3,000,00
0のカチオン化セルロース、カチオン化度約0.01〜
1のカチオン化澱粉、カチオン化度約0.01〜1のカ
チオン化グアーガム(メイホール社製、ジャグァー
等)、分子量約30,000〜2,000,000のジア
リル4級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合体、分
子量約10,000〜2,000,000でビニル重合体
中のカチオン性窒素含有量が1.8〜2.4%であるポリ
ビニルピロリドン・ジメチルアミノエチルメタクリレー
と共重合体4級化物等の4級化ポリビニルピロリドン誘
導体、炭素数6〜20のアルキル基を有するポリグリコ
ールポリアミン縮合物、アジピン酸/ジメチルアミノヒ
ドロキシプロピルジエチレントリアミン共重合体(サン
ドス社製、カルタレチン等)の他、特開昭53−139
734号公報、特開昭60−36407号公報に記載の
カチオン性ポリマーが挙げられる。
【0028】これらカチオン性ポリマーを本発明の毛髪
化粧料に配合する場合の配合量は、0.05〜20.0%
程度、特に0.1〜10.0%程度とすることが好まし
い。
【0029】更に、本発明の毛髪化粧料には、毛髪や皮
膚の感触を向上させるために、ジメチルポリシロキサ
ン、メチルフェニルポリシロキサン、アミノ変性シリコ
ン、アルコール変性シリコン、脂肪族アルコール変性シ
リコン、ポリエーテル変性シリコン、エポキシ変性シリ
コン、フッ素変性シリコン、環状シリコン、アルキル変
性シリコン等のシリコーン誘導体の1種又は2種以上を
配合することができる。かかるシリコーン誘導体では、
それぞれ単体であっても、また特公昭56−38609
号公報等に記載の方法に従って乳化重合されたラテック
ス組成物であってもよい。
【0030】これらシリコーン誘導体のうち、ジメチル
ポリシロキサン(重合度500以上)、ポリエーテル変
性シリコン、アミノ変性シリコン、環状シリコン等が、
毛髪に対して良い感触を賦与することができるため、特
に好ましい。
【0031】本発明の毛髪化粧料にシリコーン誘導体を
配合する場合、その配合料は0.01〜20.0%程度、
特に0.05〜10.0%とすることが好ましい。
【0032】更にまた、本発明化粧料には、毛髪化粧料
で通常使用される他の成分、例えば高級脂肪酸塩、アル
キルアミンオキサイド、脂肪酸アルカノールアミド、ス
クワレン、ラノリン、α−モノイソステアリルグリセリ
ルエーテル、コレステリルサルフェート等の感触向上
剤;プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトー
ル、例えば、特開昭64−9918号公報記載の次の一
般式(I)
【化1】 [式中、R1は炭素数10〜26の直鎖又は分岐鎖の飽
和又は不飽和の炭化水素基を示し、R2は炭素数9〜2
5の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示
し、Xは−(CH2)m−(ここで、mは2〜6の整数
を意味する)を示す]で表わされるアミド誘導体、例え
ば一般式(II)
【化2】 (式中、R3は水素原子又メチル基を示し、R4は炭素数
1〜5のアルキル基を示す)で表わされるジアルキレン
グリコールモノアルキルエーテル等の保湿剤;メチルセ
ルロース、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ポリオシキエチレングリコールジステア
レート、エタノール等の粘度調整剤;パール化剤;香
料;色素;紫外線吸収剤;酸化防止剤;トリクロサン;
トリクロロカルバン等の殺菌剤;グリチルリチン酸カリ
ウム、酢酸トコフェロール等の抗炎症剤;ジンクピリチ
オン、オクトピロックス等の抗フケ剤;メチルバラベ
ン、ブチルバラベン等の防腐剤などを発明の効果を損な
わない範囲において任意に添加することも可能である。
【0033】本発明の毛髪化粧料は、通常の毛髪化粧料
に用いられる公知の酸性若しくはアルカリ性薬剤によ
り、そのpHを3〜10程度の範囲、特に4〜8に調整
することが好ましい。
【0034】
【発明の効果】本発明の毛髪卵黄抗体を含有する毛髪化
粧料は、乾燥状態においても髪にしっとり感、柔軟性、
平滑性、枝毛の防止・修復、艶等の優れたコンディショ
ニング効果を賦与することにより毛髪に良好な感触を賦
与し、かつ、数度のシャンプー後もその効果が失われな
い。 しかも、本発明の毛髪化粧料を毛髪に適用して
も、毛髪のべたつき感や油っぽさがなく、かつ、利用す
る抗体が卵黄抗体であるため、局所的炎症の心配もない
という利点も有する。従って、本発明の化粧料は、毛髪
の枝毛や切毛等の損傷防止、コンディショニング効果等
に優れたものである。
【0035】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例により限定されるものではな
い。
【0036】実 施 例 1 毛 髪 抗 原 の 調 製 : (1) 粗毛髪粉体の調製 健常毛又はパーマ処理毛を11M 臭化リチウム水溶液
に浸し、湯煎にて90℃で90分間処理して膨潤させ、
ゴム状に変成させる。 ナイロン網にて処理毛髪から余
分な液を取り除き、予め冷却しておいた乳鉢中に移し、
液体窒素にて凍結する。 そして液体窒素を適宜補いな
がら凍結した状態で乳棒にて3時間粉砕する。 粉砕し
た毛髪を遠心管に移し、イオン交換水にて臭化リチウム
を毛髪から洗い出す。 洗浄した毛髪粉体は遠心して集
める。これを3回繰り返し、毛髪から臭化リチウムを完
全に洗い流し調製する。 本処理により毛髪は100μ
m以下まで粉砕される。
【0037】(2) 微細毛髪粉体の調製 上記(1)で得られた毛髪粉体は、このままでも抗原と
して使用できるが、抗体価を上げるためにはこの粉体か
ら更に微細な粉末を選別する。 すなわち上記の毛髪粉
体を遠心管の中にてイオン交換水中で激しく振盪して分
散し、その後1分間静置する。 この時大きな粉体は沈
澱するが、微細な粉末は上清中に分散したままなので、
この上清を採取する。 残った沈澱からはさらに同様の
操作を繰り返して微細粉末を含む上清を得る。 そして
遠心にて上清から微細粉末を集める。更に微細にするた
めに微細粉末を1重量%にて蒸留水中に分散し、フレン
チプレスを使って2000psiの圧力で3回粉砕す
る。 微細粉末は凍結乾燥にて回収し、調製する。 本処
理を経ると、毛髪は10μm以下にまで粉砕される。
【0038】(3) 毛小皮粉体の調製 毛髪の構成組織である毛小皮の粉末は、まず毛髪を1c
m以下に細断し、ヘキサンにて余分な皮脂を除去し、7
0%エタノールにて滅菌する。 これとは別に坂口フラ
スコに100mlのイオン交換水を加え、オートクレー
ブにて滅菌する。 これに70%エタノールで滅菌した
直径約12mmのテフロン球20個、上述(2)の滅菌
毛髪2gと共に加える。 これを150rpmで2日間
振盪培養する。 その後、剥離した毛小皮で白濁したイ
オン交換水を回収し、凍結乾燥にて毛小皮粉体を調製す
る。
【0039】(4) 毛皮質粉体の調製 毛皮質(毛随も含む)の粉末は、ヴァンティアンで毛小
皮を除去した毛髪を粉砕することで得た。 まず毛髪を
36ppmの塩化ニッケル水溶液に25℃で10秒間浸
し、直ちにイオン交換水で濯ぐ。 このニッケル処理毛
髪を次亜鉛素酸水溶液(塩素約5%の溶液を濃塩酸でp
H6.5に調整)を用い、20℃で2分間処理して毛小
皮を酸素爆発で砕く。 直ちに冷イオン交換水ですす
ぎ、20℃で2分間、0.5%ビロ硫酸ナトリウム溶液
(pH9.5)で処理して残存した塩素を除去し、温イ
オン交換水中で毛小皮を擦り取る。 その後、0.1N酢
酸溶液に1分間浸し、最後に冷イオン交換水で濯いで乾
燥させ、脱毛小皮毛髪を得、更に、この脱毛小皮毛髪を
前記(1)で示した毛髪束凍結粉砕法と同様にして粉砕
し、毛皮質粉体を調製する。
【0040】(5) 毛髪からの抽出ケラチン蛋白質 毛髪を3mm以下に細切し、8M 尿素、200mM 2
−メルカプトエタノールを含む200mM トリス塩酸
緩衝液(pH9.0)に加え、窒素下、40℃で2時間
培養する。 テフロンホモジナイザーですり潰したの
ち、さらに40℃、2時間培養する。 抽出物を10,0
00gで30分間遠心して上清を回収し、これにヨード
酢酸溶液をpH8.0の条件下で反応させ、2−メルカ
プトエタノールを加えて反応を停止する。 この反応液
をイオン交換水で2日間透析し、凍結乾燥して毛髪ケラ
チン蛋白試料とした。 この毛髪ケラチン蛋白試料を再
度尿素、2−メルカプトエタノール、トリス塩酸緩衝液
に溶解し、0.1%ドデシル硫酸ナトリウムを含む25
mM トリス塩酸緩衝液(pH7.4)で透析し、毛髪抽
出ケラチン蛋白質を調製する。
【0041】実 施 例 2 鶏 卵 抗 体 の 調 製 法 : (1) 抗体を含有する卵黄蛋白質の調製 上記実施例1(1)〜(5)で得られた毛髪及び毛髪構
成組成粉末を生理食塩水に分散し、フロント完全アジュ
バントと混合して鶏に過免疫(1mg/ml、筋肉注射
×4回)し、その鶏が産生した卵より抗体を精製した。
具体的には卵黄1容量と1.5mg/ml濃度のλ−カ
ラギーナン水溶液5容量を混合し、生じるリポタンパク
質の凝集物を遠心分離により除去し、精製した。こうし
て得られた上清液は約80%の回収率で卵黄抗体を含
む。
【0042】(2) 精製毛髪卵黄抗体の調製 上記(1)の上清液より硫酸ナトリウムを用いた分画析
法で卵黄抗体の純晶を得る。 卵黄抗体は17%(W/
V)硫酸ナトリウム塩析物として得られ、他の不純物は
遠心上清として除去される。
【0043】実 施 例 3 ヘアトリートメント組成物:下記表1に示す組成のヘア
トリートメント組成物を調製し、その性能評価試験を行
った。 この結果も合せて表1に示す。
【0044】( 評 価 法 ) (1)今迄にコールドパーマを3回行ったことのある日
本人女性の毛髪20g(約15〜20cm)を束ね、通
常のシャンプーで洗浄した。 この毛髪に、各ヘアトリ
ートメント組成物2gを均一に塗布し、次いで30秒間
流水ですすぎ流した後、タオルドライを行ない、更にド
ライヤー乾燥を行なった。 乾燥後の毛髪について、そ
の柔軟性、油性感、しっとり感及び平滑性について下記
の基準で評価を行った。
【0045】柔 軟 性; ◎:非常に柔らかい。 ○:柔らかい。 △:硬いとも、柔らかいともいえない。 ×:硬い。
【0046】油 性 感; ◎:非常に少ない。 ○:少ない。 △:どちらともいえない。 ×:多い。
【0047】艶; ◎:非常にある。 ○:ある。 △:どちらともいえない。 ×:ない。
【0048】平 滑 性; ◎:非常にある。 ○:ある。 △:どちらともいえない。 ×:ない。
【0049】(2)上記(1)と同様な処理を行った毛
束で、一定回数ブラッシングした後の枝毛発生度をブラ
ッシング前と比較して下記の基準で評価した。 ◎:枝毛の増加が認められない。 ○:枝毛の増加がほとんど認められない。 △:枝毛の増加がやや認められる。 ×:枝毛の増加が多い。
【0050】( 組 成 及 び 結 果 )
【表1】
【0051】実 施 例 4 シャンプー組成物:表2に示す組成のシャンプー組成物
を調製し、その性能評価試験を行った。その結果も表2
に合せて示す。
【0052】( 評 価 法 ) (1)今までにコールドパーマを3回行ったことのある
日本人女性の毛髪約20g(約15〜20cm)を束
ね、この毛髪に約40℃の温水を含ませた後、シャンプ
ー組成物1gをまんべんなく塗布して1分間泡立て、洗
髪をおこなった。毛髪を流水ですすぎ、乾燥後の毛髪に
ついて、その柔軟性、油性感、しっとり感及び平滑性に
ついて評価を行った。 尚、評価基準は実施例3(1)
と同様とした。
【0053】(2)上記(1)と同様な処理を行った毛
髪で、1定回数ブラッシング下後の枝毛発生度につい
て、ブラッシング前と比較して評価を行った。 評価結
果は実施例2(2)と同様とした。
【0054】( 組 成 及 び 結 果 )
【表2】
【0055】実 施 例 5 ヘアトリートメント:実施例3において、実施例2
(1)で得た毛髪卵黄抗体(抗原;実施例1(1)の粗
毛髪粉体)に代え、実施例2(2)の方法に準じて精製
した毛髪卵黄抗体(抗原; 実施例1(2)の微細毛
髪粉体、 実施例1(3)の毛小皮、実施例1
(4)の毛皮質粉体、 実施例1(5)の抽出ケラチ
ン蛋白質)を用い、トリートメント組成物を調製した。
これらのトリートメント組成物は、いずれも柔軟性、
艶、平滑性等の優れたものであった。 以 上
【手続補正書】
【提出日】平成4年9月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、卵黄抗体を含有する毛
髪化粧料に関し、更に詳細には、毛髪を抗原として免疫
した家禽の卵から得られる卵黄抗体を有効成分として含
有し、毛髪に対して良好な感触を賦与し、毛髪の損傷を
抑制することのできる毛髪化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ファッションの個性化に伴ない、
毛髪のロング化傾向は着実に定着しており、これに加
え、部分パーマなどの美容処理によるロングヘアスタイ
ルのバリエーション化が進んでいるが、これと相まっ
て、枝毛、切毛などの毛髪の損傷も着実に増加してい
る。かかる毛髪の損傷は、パーマなど化学処理によるケ
ラチン蛋白質の変性により、毛髪構造が脆弱化し、ドラ
イヤー、ブラッシングなどによる物理的な影響を受けや
すくなったことが原因と考えられている。
【0003】このような毛髪の損傷を防止するための手
段として、化学処理による蛋白質構造の劣化に対処し、
毛髪表面への保護膜形成や保湿性、弾性の向上を目的と
して、種々のヘアケア剤にコラーゲン、ケラチン蛋白
質、卵白蛋白質等を配合すること(特開昭61−280
413号)が知られている。
【0004】しかしながら、コラーゲンやケラチン蛋白
質、卵白蛋白質等の蛋白質成分は、毛髪の化学処理によ
る損傷の防止に対してはある程度の効果を奏するが、そ
の効果は充分満足できるものではない。
【0005】また、セット保持力を改善することを目的
で、毛髪紛体を抗原として得られる抗血清を用いて毛髪
を改善する方法(U.S.Pat.No.3.987.
161)が知られている。しかし、この方法に用いる抗
血清は、毛髪紛末で免疫した動物の血液から得られるも
のであるため、抗血清を得るための操作が煩雑であるの
に加え、一回の操作における収量も低く工業的に満足で
きるものとは言えない。特に、哺乳動物から得た抗血清
は、補体の活性化作用を有するので好中球を刺激し、局
所的炎症の原因となり易く、従って、毛髪化粧料として
哺乳類抗血清を用いることは好ましいものではない。ま
た、抗血清は、動物の血液から得られた抗体ということ
で動物愛護の点からもあまり良いものとは言えない。
【0006】一方、毛髪表面の摩擦力を低減する目的
で、高級アルコール類、エステル油、流動パラフィン、
シリコーン油などの油成分がヘアリンス、トリートメン
ト、ブラッシング剤等に配合、利用されている。しか
し、油成分は毛髪の損傷の予防に対してはある程度の効
果を発揮するものの、既に損傷をうけている毛髪につい
ては、満足のいくトリートメント効果が得られていない
のが実情である。また、油成分を毛髪化粧料に多量に使
用すると、べたつき感や油っぽさが増し、使用感を損な
うこともある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、べたつき感や
油っぽさが無く、使用感等のコンディショニング効果に
優れ、かつ、高い持続性を有し、更に毛髪の損傷を予防
するだけでなく損傷部に特異的に作用して毛髪本来の機
能を回復させる効果を有する毛髪化粧料の開発が望まれ
ていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、毛
髪を抗原として免疫した家禽の卵から調製された卵黄抗
体を配合した毛髪化粧料をパーマヘアなどの化学処理を
受けた毛髪に用いると、驚くべきことに、乾燥状態にお
いても髪にしっとり感、柔軟性、平滑性、枝毛の防止・
修復、艶等の優れたコンディショニング効果を賦与する
ことができ、かつ、数度のシャンプー後もその効果が失
われないことを見出し、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、毛髪を抗原として免
疫した家禽の卵から調製された卵黄抗体を含有すること
を特徴とする毛髪化粧料を提供するものである。
【0010】本発明の毛髪化粧料に配合される、毛髪を
抗原として免疫した家禽の卵から調製された卵黄抗体
(以下、「毛髪卵黄抗体」と略称することがある)は、
毛髪で家禽を免疫し、この家禽の産する卵の卵黄より得
ることができる。
【0011】免疫する家禽としては、ニワトリ、アヒ
ル、ウズラ等が用いられるが、抗体量産性という点から
は、白色レグホンなどの卵用種の家禽を用いるとよい。
【0012】抗原である毛髪としては、健常毛若しくは
パーマ等による損傷毛の全毛髪または毛小皮、毛皮質等
毛髪構成組織を長さ100μm以下にまで粉砕した粉
末、または上記毛髪から抽出されたケラチン蛋白質、ま
たはケラチン蛋白質の加水分解物等を用いることができ
る。また、損傷毛に特異的な抗体を得るためには、上記
の毛髪粉末又はケラチン蛋白質にパーマ等の化学処理を
施したものを抗原として用いることができる。
【0013】抗原となる毛髪を粉砕する方法には、先に
出願された特許のように(特開昭57−163392
号)、毛髪を水で膨潤したあと凍結粉砕する方法や、毛
髪を臭化リチウムや尿素、塩酸グアニジン等の蛋白変性
剤で処理して膨潤したあと凍結し、液体窒素下で乳鉢・
サンドミル等、既存の粉砕機により粉砕する方法がある
が、これらの方法に限らず、他の方法に従ってもさしつ
かえない。また、これらの毛髪の構成組織としては、毛
小皮、毛皮質、毛随があるが、毛小皮の粉末は1cm以
下に切断した毛髪をテフロン球とともに滅菌水中で振盪
し、機械的に剥離するなど、公知の方法にて得ることが
できる。更に、毛皮質の粉末は、特開昭55−3970
2号のヴァンティアン処理等により、毛小皮を除去した
毛髪を前述の毛髪の粉砕法に準じて得ることができる。
【0014】また、毛髪のケラチン蛋白質は、メルカプ
トエタノール、ジチオスライトール、トリブチルホスフ
ィン、チオグリコール酸等の還元剤存在下で尿素、塩酸
グアニジン、ドデシル硫酸ナトリウム等の蛋白質変成剤
により抽出など、公知の方法を利用して得られる。これ
をそのまま抗原として用いてもよいが、さらに得られた
毛髪ケラチン蛋白質をヨード酢酸、ヨードアセトアミ
ド、N−エチルマレイミド等でチオール基をブロックし
たり、クロマトグラフィー等でケラチン蛋白質を分画し
て用いてもよい。また毛髪ケラチンの加水分解は特開昭
57−23631号等に記載の公知の方法で得ることが
できる。
【0015】上記した毛髪を用いて家禽を免疫する方法
としては、例えば、毛髪粉末、または毛髪ケラチン、毛
髪ケラチン加水分解物を単独又は2種以上を組合せ、こ
れを家禽に皮下注射、腹腔内注射、筋肉注射などによる
方法や、飼料又は水に加え、これと共に経口的に投与、
免疫する方法等の通常の方法が採用できる。その際、必
要に応じてアジュバントと併用してもよい。
【0016】叙上の如くして免疫した家禽の卵から卵黄
抗体を得るには、公知の方法若しくはこれに準じた方法
によれば良い。例えば、卵黄抗体の工業的精製方法は特
開昭64−38098号に詳細に例示されるが、これに
限定されず、他の公知の方法に依ってもさしつかえな
い。
【0017】本発明に用いられる毛髪卵黄抗体の一例と
しては、λ−カラギーナン水溶液を卵黄に加えて得られ
る上清の部分精製物を挙げることができるが、更に、例
えば、卵黄中に含まれる免疫グロブリンを抽出、分離す
ることによって、より高い抗体価を有する精製毛髪卵黄
抗体が得られる。
【0018】前記の毛髪卵黄抗体は、溶液状態で本発明
の毛髪化粧料に配合することもできるが、濃縮ないし乾
燥させてから使用することが好ましい。濃縮は、通常の
減圧留去によって行うことが好ましく、乾燥は凍結乾燥
によって行うことが好ましい。
【0019】毛髪卵黄抗体の毛髪化粧料への配合には、
上記の如くして得られる毛髪卵黄抗体の1種を単独で用
いても又は2種以上を併用してもよい。また毛髪化粧料
への配合量は凍結乾燥物として、例えば、部分精製され
た毛髪卵黄抗体を用いた場合、0.01〜50重量%
(以下単に「%」で示す)程度、好ましくは0.01〜
20%、精製された卵黄抗体用いた場合では0.001
〜5%程度、好ましくは0.005〜1%の範囲であ
る。精製された毛髪卵黄抗体としての配合量が、0.0
01%以下では効果が充分に達成されず、また、5%を
超えてもその増加分に見合った効果の向上は望めない。
【0020】 本発明の毛髪卵黄抗体を配合することので
きる毛髪化粧料としては、特に限定されず、毛髪に適用
される化粧料のいずれであっても良いが、この中には、
例えば、プレシャンプー剤、シャンプー、ヘアリンス、
ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、セットロ
ーション、ブロースタイリングローション、ヘアスプレ
ー、泡状スタイリング剤、ジェル状スタイリング剤、ヘ
アリキッド、ヘアトニック、ヘアクリーム、パーマネン
トウエーブ第1剤、パーマネントウェーブ第2剤、永久
染毛剤、一時染毛剤等が含まれる。
【0021】 また、この毛髪化粧料の剤型としても、そ
の用途に応じて、水溶液、エタノール溶液、エマルジョ
ン溶液、エマルジョン、サスペンジョン、ゲル、液晶、
固形、エアゾール等の各種形態から適宜選択することが
できる。
【0022】 本発明毛髪化粧料中には、上記した必須成
分としての毛髪卵黄抗体のほか、種々の公知の毛髪化粧
料用の公知成分を配合することができる。このような公
知成分としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸
塩、アルキルエーテル硫酸塩、オレフィンスルホン酸
塩、α−スルホ脂肪酸エステル、アミノ酸系界面活性
剤、リン酸エステル系界面活性剤、スルホコハク酸エス
テル系界面活性剤等のアニオン界面活性剤;スルホン酸
型界面活性剤、ベタイン型界面活性剤、アルキルアミン
オキサイド、イミダゾリン型界面活性剤等の両性界面活
性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル、アルカノールア
ミド及びそのアルキレンオキサイド付加物、多価アルコ
ールと脂肪酸とのエステル類ソルビダン脂肪酸エステル
類、アルキルサッカライド系界面活性剤等の非イオン界
面活性剤;モノまたは、ジ直鎖長鎖アルキル第4級アン
モニウム塩やモノ又は、ジ分岐型直鎖長鎖アルキル第4
級アンモニウム塩等のカチオン界面活性剤などが挙げら
れ、これらの1種又は2種以上を組みわ合せ、各種毛髪
化粧料の性能に合せて用いることができる。
【0023】 特に、本発明毛髪料がシャンプーである場
合には、皮膚や毛髪に対する刺激性を考慮して、上記の
界面活性剤の中でもアミノ酸系界面活性剤、リン酸エス
テル系界面活性剤、スルホコハクエステル系界面活性
剤、イミダゾリン型界面活性剤、アルキルサッカライド
系界面活性剤等を併用することが好ましい。
【0024】 本発明の毛髪化粧料にこれらの界面活性剤
を配合する場合の配合量は、0.01〜40.0%程
度、特に05〜20.0%程度とすることが好ましい。
【0025】 また、本発明毛髪化粧料には毛髪や皮膚の
感触を向上させるために、カチオン化セルロース誘導
体、カチオン性澱粉、カチオン化グアーガム誘導体、ジ
アリル4級アンモニウム塩/アクリルアミド非混合物、
4級化ポリビニルピロリドン誘導体、ポリグリコールポ
リアミン縮合物等のカチオン性ポリマーの1種又は2種
以上を配合することもできる。
【0026】 これらカチオン性ポリマーの好ましい具体
例としては、分子量約100,000〜3,000,0
00のカチオン化セルロース、カチオン化度約0.01
〜1のカチオン化澱粉、カチオン化度約0.01〜1の
カチオン化グアーガム(メイホール社製、ジャグァー
等)、分子量約30,000〜2,000,000のジ
アリル4級アンモニウム塩/アクリルアミド共重合体、
分子量約10,000〜2,000,000でビニル重
合体中のカチオン性窒素含有量が1.8〜2.4%であ
るポリビニルピロリドン・ジメチルアミノエチルメタク
リレーと共重合体4級化物等の4級化ポリビニルピロリ
ドン誘導体、炭素数6〜20のアルキル基を有するポリ
グリコールポリアミン縮合物、アジピン酸/ジメチルア
ミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミン共重合体
(サンドス社製、カルタレチン等)の他、特開昭53−
139734号公報、特開昭60−36407号公報に
記載のカチオン性ポリマーが挙げられる。
【0027】 これらカチオン性ポリマーを本発明の毛髪
化粧料に配合する場合の配合量は、0.05〜20.0
%程度、特に0.1〜10.0%程度とすることが好ま
しい。
【0028】 更に、本発明の毛髪化粧料には、毛髪や皮
膚の感触を向上させるために、ジメチルポリシロキサ
ン、メチルフェニルポリシロキサン、アミノ変性シリコ
ン、アルコール変性シリコン、脂肪族アルコール変性シ
リコン、ポリエーテル変性シリコン、エポキシ変性シリ
コン、フッ素変性シリコン、環状シリコン、アルキル変
性シリコン等のシリコーン誘導体の1種又は2種以上を
配合することができる。かかるシリコーン誘導体では、
それぞれ単体であっても、また特公昭56−38609
号公報等に記載の方法に従って乳化重合されたラテック
ス組成物であってもよい。
【0029】 これらシリコーン誘導体のうち、ジメチル
ポリシロキサン(重合度500以上)、ポリエーテル変
性シリコン、アミノ変性シリコン、環状シリコン等が、
毛髪に対して良い感触を賦与することができるため、特
に好ましい。
【0030】 本発明の毛髪化粧料にシリコーン誘導体を
配合する場合、その配合料は0.01〜20.0%程
度、特に0.05〜10.0%とすることが好ましい。
【0031】 更にまた、本発明化粧料には、毛髪化粧料
で通常使用される他の成分、例えば高級脂肪酸塩、アル
キルアミンオキサイド、脂肪酸アルカノールアミド、ス
クワレン、ラノリン、α−モノイソステアリルグリセリ
ルエーテル、コレステリルサルフェート等の感触向上
剤;プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトー
ル、例えば、特開昭64−9918号公報記載の次の一
般式(I)
【化1】 [式中、Rは炭素数10〜26の直鎖又は分岐鎖の飽
和又は不飽和の炭化水素基を示し、Rは炭素数9〜2
5の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示
し、Xは−(CH)m−(ここで、mは2〜6の整数
を意味する)を示す]で表わされるアミド誘導体、例え
ば一般式(II)
【化2】 (式中、Rは水素原子又メチル基を示し、Rは炭素
数1〜5のアルキル基を示す)で表わされるジアルキレ
ングリコールモノアルキルエーテル等の保湿剤;メチル
セルロース、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエ
チルセルロース、ポリオシキエチレングリコールジステ
アレート、エタノール等の粘度調整剤;パール化剤;香
料;色素;紫外線吸収剤;酸化防止剤;トリクロサン;
トリクロロカルバン等の殺菌剤;グリチルリチン酸カリ
ウム、酢酸トコフェロール等の抗炎症剤;ジンクピリチ
オン、オクトピロックス等の抗フケ剤;メチルバラベ
ン、ブチルバラベン等の防腐剤などを発明の効果を損な
わない範囲において任意に添加することも可能である。
【0032】 本発明の毛髪化粧料は、通常の毛髪化粧料
に用いられる公知の酸性若しくはアルカリ性薬剤によ
り、そのpHを3〜10程度の範囲、特に4〜8に調整
することが好ましい。
【0033】
【発明の効果】本発明の毛髪卵黄抗体を含有する毛髪化
粧料は、乾燥状態においても髪にしっとり感、柔軟性、
平滑性、枝毛の防止・修復、艶等の優れたコンディショ
ニング効果を賦与することにより毛髪に良好な感触を賦
与し、かつ、数度のシャンプー後もその効果が失われな
い。また、利用する抗体が卵黄抗体であるため、容易に
かつ大量に調整することが可能であり、しかも、補体の
活性化作用を持たず、局所的炎症の心配もないという利
点も有する。更に、パーマ等による損傷毛髪を抗原とし
て得た卵黄抗体は、毛髪の損傷部分に特異的に作用す
る。従って本発明の毛髪化粧料は、毛髪の枝毛や切毛等
の損傷防止、コンディショニング効果等に優れたものと
して広く利用することができる。
【0034】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例により限定されるものではな
い。
【0035】参考例 1 毛髪抗原の調製: (1) 粗毛髪粉体の調製 健常毛又はパーマ処理毛を11M臭化リチウム水溶液に
浸し、湯煎にて90℃で90分間処理して膨潤させ、ゴ
ム状に変成させる。ナイロン網にて処理毛髪から余分な
液を取り除き、予め冷却しておいた乳鉢中に移し、液体
窒素にて凍結する。そして液体窒素を適宜補いながら凍
結した状態で乳棒にて3時間粉砕する。粉砕した毛髪を
遠心管に移し、イオン交換水にて臭化リチウムを毛髪か
ら洗い出す。洗浄した毛髪粉体は遠心して集める。これ
を3回繰り返し、毛髪から臭化リチウムを完全に洗い流
し調製する。本処理により毛髪は100μm以下まで粉
砕される。
【0036】 (2) 微細毛髪粉体の調製 上記(1)で得られた毛髪粉体は、このままでも抗原と
して使用できるが、抗体価を上げるためにはこの粉体か
ら更に微細な粉末を選別する。 すなわち上記の毛髪粉
体を遠心管の中にてイオン交換水中で激しく振盪して分
散し、その後1分間静置する。この時大きな粉体は沈澱
するが、微細な粉末は上清中に分散したままなので、こ
の上清を採取する。 残った沈澱からはさらに同様の操
作を繰り返して微細粉末を含む上清を得る。 そして遠
心にて上清から微細粉末を集める。更に微細にするため
に微細粉末を1重量%にて蒸留水中に分散し、フレンチ
プレスを使って2000psiの圧力で3回粉砕する。
微細粉末は凍結乾燥にて回収し、調製する。本処理を
経ると、毛髪は10μm以下にまで粉砕される。
【0037】 (3) 毛小皮粉体の調製 毛髪の構成組織である毛小皮の粉末は、まず毛髪を1c
m以下に細断し、ヘキサンにて余分な皮脂を除去し、7
0%エタノールにて滅菌する。 これとは別に坂口フラ
スコに100mlのイオン交換水を加え、オートクレー
ブにて滅菌する。これに70%エタノールで滅菌した直
径約12mmのテフロン球20個、上述(2)の滅菌毛
髪2gと共に加える。 これを150rpmで2日間振
盪培養する。 その後、剥離した毛小皮で白濁したイオ
ン交換水を回収し、凍結乾燥にて毛小皮粉体を調製す
る。
【0038】 (4) 毛皮質粉体の調製 毛皮質(毛随も含む)の粉末は、ヴァンティアンで毛小
皮を除去した毛髪を粉砕することで得た。まず毛髪を3
6ppmの塩化ニッケル水溶液に25℃で10秒間浸
し、直ちにイオン交換水で濯ぐ。このニッケル処理毛髪
を次亜鉛素酸水溶液(塩素約5%の溶液を濃塩酸でpH
6.5に調整)を用い、20℃で2分間処理して毛小皮
を酸素爆発で砕く。 直ちに冷イオン交換水ですすぎ、
20℃で2分間、0.5%、ビロ硫酸ナトリウム溶液
(pH9.5)で処理して残存した塩素を除去し、温イ
オン交換水中で毛小皮を擦り取る。その後、0.1N酢
酸溶液に1分間浸し、最後に冷イオン交換水で濯いで乾
燥させ、脱毛小皮毛髪を得、更に、この脱毛小皮毛髪を
前記(1)で示した毛髪束凍結粉砕法と同様にして粉砕
し、毛皮質粉体を調製する。
【0039】 (5) 毛髪からの抽出ケラチン蛋白質 毛髪を3mm以下に細切し、8M尿素、200mM 2
−メルカプトエタノールを含む200mM トリス塩酸
緩衝液(pH9.0)に加え、窒素下、40℃で2時間
培養する。テフロンホモジナイザーですり潰したのち、
さらに40℃、2時間培養する。抽出物を10,000
gで30分間遠心して上清を回収し、これにヨード酢酸
溶液をpH8.0の条件下で反応させ、2−メルカプト
エタノールを加えて反応を停止する。 この反応液をイ
オン交換水で2日間透析し、凍結乾燥して毛髪ケラチン
蛋白試料とした。 この毛髪ケラチン蛋白試料を再度尿
素、2−メルカプトエタノール、トリス塩酸緩衝液に溶
解し、0.1%ドデシル硫酸ナトリウムを含む25mM
トリス塩酸緩衝液(pH7.4)で透析し、毛髪抽出
ケラチン蛋白質を調製する。
【0040】試験例1 血清・卵黄の抗体価の測定: (1) 鶏の免疫 上記参考例1(2)〜(4)で得られた手髪及び毛髪構
成組成粉末を生理食塩水に分散し、フロント完全アジュ
バントと1:1の容量割合で混合してW/O型エマルジ
ョンとした。得られたエマルジョンを2週間ごとに1m
g/mlの割合で鶏に4回筋肉注射し、過免疫した。免
疫開始後、2週間ごとに採血し、遠心分離後、血清を採
取した。また、各週ごとに、試験中の鶏から産生された
卵を集め、卵黄を分離して蒸留水で1:1の容量割合で
希釈し、卵黄2倍希釈液を得た。
【0041】(2) 抗体価の測定方法 上記で得られた血清及び卵黄2倍希釈液中の抗体価を以
下に示すELISA変法で測定した。すなわち、参考例
1(2)〜(4)の毛髪及び毛髪構成組成粉末を、1.
5%正常兎血清含有PBS(PBS−NRS)に0.0
5%(w/v)で分散し、これを予めPBS−NRSで
ブロッキングした96穴プレート(蛋白質低吸着性のメ
ンブレンフィルターを底部にシールしたプレート、マル
チスクリーン−GVフィルタープレート、ミリポア社
製)に各ウェル50μlずつ分注し、液を吸引廃棄し
た。
【0042】次に各プレートに50μlの前記血清又は
卵黄の段階希釈液を加え、室温にて1時間反応させた。
反応後、プレートをPBS−T(0.05%Tween
−20含有PBS)で3回洗浄し、次に二次抗体として
のビオチン化抗鶏IgG抗体(ザイメット社、200倍
希釈)を各ウェル50μlずつ加え、室温で30分間反
応させた。反応後、PBS−Tで3回洗浄し、さらにア
ジピン−ビオチン−ペルオキシダーゼ複合体溶液(ベク
ター社)を各ウェルに50μlずつ加え、室温で30分
間反応させ、PBS−Tで3回洗浄した。
【0043】次に各プレートに100μlのペルオキシ
ダーゼ発色液(ABTSキット、住友ベークライト社
製)を加え、室温で10分間反応させ、停止液にて反応
を止め、発色した液を回収して、各ウェルの吸光度(O
405)を測定した。抗体価はOD405の値が0.
8になるような血清および卵黄の希釈倍率を求め、免疫
前の鶏の血清及び卵黄の希釈倍率との比で示した。
【0044】これを用いて該当実験の免疫過程における
抗体価の推移を表1に示した。表に示す様に、毛髪粉末
及び毛髪構成組成粉末に対する抗体は血清よりも卵黄に
効率よく移行し、濃縮されることがわかった。
【0045】
【0046】参考例2 鶏卵抗体の調製法: (1) 抗体を含有する卵黄蛋白質の調製 上記参考例1(1)〜(5)で得られた毛髪及び毛髪構
成組成粉末を生理食塩水に分散し、フロント完全アジュ
バントと混合して鶏に過免疫(1mg/ml、筋肉注射
×4回)し、その鶏が産生した卵より抗体を精製した。
具体的には卵黄1容量と1.5mg/ml濃度のλ−カ
ラギーナン水溶液5容量を混合し、生じるリポタンパク
質の凝集物を遠心分離により除去し、精製した。 こう
して得られた上清液は約80%の回収率で卵黄抗体を含
む。
【0047】 (2) 精製毛髪卵黄抗体の調製 上記(1)の上清液より硫酸ナトリウムを用いた分画析
法で卵黄抗体の純晶を得る。 卵黄抗体は17%(W/
V)硫酸ナトリウム塩析物として得られ、他の不純物は
遠心上清として除去される。
【0048】実 施 例 1 ヘアトリートメント組成物:下記表2に示す組成のヘア
トリートメント組成物を調製し、その性能評価試験を行
った。この結果も合せて表2に示す。
【0049】 ( 評価法 ) (1)今迄にコールドパーマを3回行ったことのある日
本人女性の毛髪20g(約15〜20cm)を束ね、通
常のシャンプーで洗浄した。この毛髪に、各ヘアトリー
トメント組成物2gを均一に塗布し、次いで30秒間流
水ですすぎ流した後、タオルドライを行ない、更にドラ
イヤー乾燥を行なった。 乾燥後の毛髪について、その
柔軟性、油性感、しっとり感及び平滑性について下記の
基準で評価を行った。
【0050】 柔軟性; ◎:非常に柔らかい。 ○:柔らかい。 △:硬いとも、柔らかいともいえない。 ×:硬い。
【0051】 油性感; ◎:非常に少ない。 ○:少ない。 △:どちらともいえない。 ×:多い。
【0052】 艶; ◎:非常にある。 ○:ある。 △:どちらともいえない。 ×:ない。
【0053】 平滑性; ◎:非常にある。 ○:ある。 △:どちらともいえない。 ×:ない。
【0054】 (2)上記(1)と同様な処理を行った毛
束で、一定回数ブラッシングした後の枝毛発生度をブラ
ッシング前と比較して下記の基準で評価した。 ◎:枝毛の増加が認められない。 ○:枝毛の増加がほとんど認められない。 △:枝毛の増加がやや認められる。 ×:枝毛の増加が多い。
【0055】 (組成及び結果)
【表2】
【0056】実 施 例 2 シャンプー組成物:表3に示す組成のシャンプー組成物
を調製し、その性能評価試験を行った。その結果も表3
に合せて示す。
【0057】 (評価法) (1)今までにコールドパーマを3回行ったことのある
日本人女性の毛髪約20g(約15〜20cm)を束
ね、この毛髪に約40℃の温水を含ませた後、シャンプ
ー組成物1gをまんべんなく塗布して1分間泡立て、洗
髪をおこなった。毛髪を流水ですすぎ、乾燥後の毛髪に
ついて、その柔軟性、油性感、しっとり感及び平滑性に
ついて評価を行った。尚、評価基準は実施例1(1)と
同様とした。
【0058】 (2)上記(1)と同様な処理を行った毛
髪で、1定回数ブラッシング下後の枝毛発生度につい
て、ブラッシング前と比較して評価を行った。評価結果
参考例2(2)と同様とした。
【0059】 (組成及び結果)
【表3】
【0060】実 施 例 3 ヘアトリートメント:実施例1において、参考例2
(1)で得た毛髪卵黄抗体(抗原;参考例1(1)の粗
毛髪粉体)に代え、参考例2(2)の方法に準じて精製
した毛髪卵黄抗体(抗原;参考例1(2)の微細毛髪
粉体、参考例1(3)の毛小皮、参考例1(4)の
毛皮質粉体、参考例1(5)の抽出ケラチン蛋白質)
を用い、トリートメント組成物を調製した。これらのト
リートメント組成物は、いずれも柔軟性、艶、平滑性等
の優れたものであった。
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】抗原となる毛髪を粉砕する方法には、先に
出願された特許のように(特開昭57−163392
号)、毛髪を水で膨潤したあと凍結粉砕する方法や、毛
髪を臭化リチウムや尿素、塩酸グアニジン等の蛋白変性
剤で処理して膨潤したあと凍結し、液体窒素下で乳鉢・
サンドミル等、既存の粉砕機により粉砕する方法がある
が、これらの方法に限らず、他の方法に従ってもさしつ
かえない。 また、これらの毛髪の構成組織としては、
毛小皮、毛皮質、毛随があるが、毛小皮の粉末は1cm
以下に切断した毛髪をテフロン球とともに滅菌水中で振
盪し、機械的に剥離するなど、公知の方法にて得ること
ができる。更に、毛皮質の粉末は、特開昭56−140
164号のヴァンティアン処理等により、毛小皮を除去
した毛髪を前述の毛髪の粉砕法に準じて得ることができ
る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】更にまた、本発明化粧料には、毛髪化粧料
で通常使用される他の成分、例えば高級脂肪酸塩、アル
キルアミンオキサイド、脂肪酸アルカノールアミド、ス
クワレン、ラノリン、α−モノイソステアリルグリセリ
ルエーテル、コレステリルサルフェート等の感触向上
剤;プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトー
ル、例えば、特開昭64−9913号公報記載の次の一
般式(I)
【化1】 [式中、Rは炭素数10〜26の直鎖又は分岐鎖の飽
和又は不飽和の炭化水素基を示し、Rは炭素数9〜2
5の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示
し、Xは−(CH)m−(ここで、mは2〜6の整数
を意味する)を示す]で表わされるアミド誘導体、例え
ば一般式(II)
【化2】 (式中、Rは水素原子又メチル基を示し、Rは炭素
数1〜5のアルキル基を示す)で表わされるジアルキレ
ングリコールモノアルキルエーテル等の保湿剤;メチル
セルロース、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエ
チルセルロース、ポリオシキエチレングリコールジステ
アレート、エタノール等の粘度調整剤;パール化剤;香
料;色素;紫外線吸収剤;酸化防止剤;トリクロサン;
トリクロロカルバン等の殺菌剤;グリチルリチン酸カリ
ウム、酢酸トコフェロール等の抗炎症剤;ジンクピリチ
オン、オクトピロックス等の抗フケ剤;メチルバラベ
ン、ブチルバラベン等の防腐剤などを発明の効果を損な
わない範囲において任意に添加することも可能である。
フロントページの続き (72)発明者 高橋 秀久 三重県四日市市赤堀新町9番5号 太陽化 学株式会社内 (72)発明者 藤木 優 三重県四日市市赤堀新町9番5号 太陽化 学株式会社内 (72)発明者 金 武祚 三重県四日市市赤堀新町9番5号 太陽化 学株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 毛髪を抗原として免疫した家禽の卵から
    得られる卵黄抗体を含有することを特徴とする毛髪化粧
    料。
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