JPH05138339A - アルミニウム溶湯用濾材 - Google Patents
アルミニウム溶湯用濾材Info
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- JPH05138339A JPH05138339A JP3300188A JP30018891A JPH05138339A JP H05138339 A JPH05138339 A JP H05138339A JP 3300188 A JP3300188 A JP 3300188A JP 30018891 A JP30018891 A JP 30018891A JP H05138339 A JPH05138339 A JP H05138339A
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Abstract
ルミニウム溶湯用濾材で、骨材粒子100重量部に対し
て4〜20重量部の無機質結合材にて結合してなり、無
機質結合材の組成が、B2O315〜40重量%、Al2O3 2
0〜45重量%、SiO2 15〜25重量%、残部はMgO
、CaO 及びSrO の1種以上よりなるアルミニウム溶湯
用濾材である。 【効果】 濾材とアルミニウム溶湯との濡れ性が良く、
アルミニウム溶湯の通湯性を安定化することができると
ともに、アルミニウム溶湯が遊離シリコンに汚染される
ことがない。
Description
固形不純物を濾過するためのアルミニウム溶湯用濾材に
関する。
溶湯をインゴットに鋳造し、これを圧延して製造され
る。ところが、アルミニウム溶湯に含まれる金属酸化物
や耐火物の微小破片等の固形不純物がそのままインゴッ
ト中に混入すると、これを圧延して薄板や箔等を製造す
る過程でピンホールや表面欠陥が発生することがある。
これを防ぐには、溶湯中から固形不純物を除去する必要
があり、そのために、特公昭52−22327号では、
骨材粒子を結合するために使用する無機質結合材の原料
組成が、SiO210〜50重量%、 B2O3 5〜20重量%
を含んだものが提案されている。また、本出願人が先に
出願した特開平1−127168号では、無機質結合材
の原料組成として、 B2O3 15〜80重量%、Al2O3 2
〜60重量%、CaO 0〜30重量%、MgO 5〜50重量
%を含んだものが記載されている。
た特公昭52−22327号のアルミニウム溶湯用濾材
においては、無機質結合材中の SiO2を含むため、濾材
とアルミニウム溶湯との濡れ性が良好でアルミニウム溶
湯の濾材への含浸性は高いものの、無機質結合材中の S
iO2 がアルミニウム溶湯と反応して遊離シリコンを生成
し、これが溶湯内に混入してアルミニウム溶湯の汚染を
生じさせ、アルミニウム製品の性能低下の原因となって
いた。また、このことは無機質結合材をアルミニウム溶
湯が浸食することを意味するから、長期間にわたって使
用するうちに濾材が強度低下を来して濾材が崩れ、大ト
ラブルとなる危険性があった。
ニウム溶湯用濾材では、無機質結合材中に SiO2 を含ま
ないため、アルミニウム溶湯を汚染する恐れはない。し
かも結合材表面に9Al2O3・2B2O3 という結晶を析出させ
るため、耐食性に富み、又その結晶が針状であるため、
非金属介在物などの異物を捕獲し易いという長所があっ
た。しかしながら、結合材中に SiO2 を含まないために
アルミニウム溶湯と濡れ難く、又、その針状結晶の比表
面積が大きいため、通湯性のバラツキが発生することも
しばしば見られた。
記した従来の問題を解決するため種々検討を行なったと
ころ、無機質結合材の原料組成を、特開平1−1271
68号を基礎とし、かつ SiO2 を所定量含有させること
により、アルミニウム溶湯との濡れ性を改善し、またア
ルミニウム溶湯の汚染を防止でき、且つ耐食性に優れた
アルミニウム溶湯用濾材が得られることを見出し、本発
明を完成したものである。即ち、本発明によれば、焼結
アルミナ、電融アルミナ、炭化珪素および窒化珪素の1
種以上よりなる骨材粒子を無機質結合材により結合させ
たアルミニウム溶湯用濾材であって、骨材粒子100重
量部に対して4〜20重量部の無機質結合材にて結合し
てなり、該無機質結合材の原料組成が、B2O315〜40
重量%、Al2O3 20〜45重量%、SiO215〜25重量
%、残部は MgO、CaO、SrO の1種以上よりなることを
特徴とするアルミニウム溶湯用濾材が提供される。ま
た、本発明では、濾材中の無機質結合材中に生成する 9
Al2O3 ・2B2O3 の針状結晶の長さが10μm以下である
ことが好ましい。
材粒子100重量部に対して無機質結合材を4〜20重
量部使用することにより、強度が高く、且つ早期に目詰
りを起こすことのない濾材を得ることができる。無機質
結合材が4重量部未満では結合部の厚さが薄くなって濾
材の強度が不足し、一方20重量部を超えると骨材粒子
間の空隙を無機質結合材が埋める傾向となって濾過効率
が低下するので好ましくない。なお、無機質結合材の最
適な添加量は上述の範囲内で骨材粒径に応じて異なり、
また骨材粒子としては電融アルミナ、焼結アルミナ等の
アルミナ質粒子のほか、炭化珪素、窒化珪素等のいずれ
も使用することができ、又、それらの組合せも使用する
ことができる。
成は B2O3を15〜40重量%、Al2O3 を20〜45重
量%含むので、濾材の焼成時には1400℃程度で十分
に溶融することができる。 B2O3 はアルミニウム溶湯に
対する耐食性を向上させる観点から15重量%以上含ま
れることが必要で、又 B2O3 40重量%以上では結合材
の溶融状態での粘性が低下し、焼成時に濾材より流出し
てしまうため、40重量%未満であることが必要であ
る。また、MgO 、CaO 及びSrO の1種以上を添加した理
由は、主として溶融温度を適切な範囲内に納めるためで
あり、この溶融温度が過剰に高くなる場合には B2O3 の
飛散という問題を生ずる。
2 を15〜25重量%含む。このことによってアルミニ
ウム溶湯との濡れ性がよくなり、アルミニウム溶湯の通
湯量を増加させることができる。 SiO2 が15重量%未
満では濡れ性が低く、25重量%を超えるとアルミニウ
ム溶湯中に遊離シリコンが溶出する恐れがあるので好ま
しくない。なお、この無機質結合材の添加形態は、いわ
ゆる生原料でもフリット化した原料でもよいが、後者の
方が加熱時に均一な溶融状態が得られて結晶化が促進さ
れる点でより好ましい。さらに、本発明の濾材を製造す
るに当り、濾材焼成時の冷却速度を70℃/Hrより速く
することによって、濾材の無機質結合材中に生成する 9
Al2O3 ・2B2O3の針状結晶の長さを10μm以下とする
ことができる。これによってアルミニウム溶湯の通湯性
がよくなり、また、アルミニウム溶湯に対する耐食性も
向上し、680〜750℃の使用温度でも軟化すること
がなく、一方アルミニウム溶湯用濾材として使用上安全
な800℃(アルミニウム溶湯収容槽を予め800℃ま
で加熱するため)における抗折強度50kg/cm2以上を得
ることができる。
明するが、本発明はこれらの実施例に限られるものでは
ない。 (実施例1〜10)骨材原料として電融アルミナ#20
を使用し、これを結合させる無機質結合材は、その組成
と骨材原料100重量部に対する添加量を変化させ、さ
らに、その形態を生原料の場合と、ガラス化(フリット
化)して粉砕した場合の2種類について行なった。
ストリンと適量の水を添加して混練し、外径100mm
φ、内径60mmφ、長さ900mmのパイプ状成形体を作
製した。この成形体を乾燥後1400℃まで昇温し、5
時間保持した後、自然冷却する方法で焼成を行ない、ア
ルミニウム溶湯用濾材の試験体を作製した。上記によっ
て得られた試験体について後述のような評価試験を行な
った。その結果を表1に示す。表1の結果より、無機質
結合材の組成および骨材粒子100重量部に対する無機
質結合材の添加量が本発明の範囲内にあるものについて
は、各種の濾材特性が良好であることが分かった。な
お、実施例4及び5については9Al2O3 ・2B2O3 の結晶
の長さが10μmを超えるため、総合評価は多少低下す
る。
ミナ#20を使用し、これを結合させる無機質結合材の
組成および骨材粒子100重量部に対する結合材の添加
量を表1に示すようにし、これにデキストリンと適量の
水を添加して乾燥し、実施例1〜10と同様のパイプ状
成形体を作製し、実施例1〜10と同様の条件で焼成し
てアルミニウム溶湯用濾材の試験体を作製した。上記に
よって得られた試験体について実施例1〜10と同様に
評価試験を行なった。その結果を表1に示す。表1の結
果より、無機質結合材の組成および骨材粒子100重量
部に対する結合材の添加量が本発明の範囲外であるもの
については濾材特性が良くないことが分かった。
た評価項目と評価方法について説明する。 1)結晶長さ パイプ状試験体の無機質結合材中に
生成する9Al2O3・2B2O3の結晶の長さ。1500倍の顕
微鏡写真(SEM)で測定。 2)抗折強度(kg/cm2) 常温強度 パイプ状試験体のままアムスラー試験機に
よる3点曲げ試験を行なう。 熱間強度 パイプ状試験体から130mm×20mm×1
5mmのピース状試験片を切り出し、温度800℃、スパ
ン100mmで3点曲げ試験を行なう。
測定して空隙率とした。 4)成分溶出量 JIS 5056合金10重量部に
対して、試験体サンプル1重量部の割合で800℃のア
ルミニウム溶湯中に浸漬し、24時間後にアルミニウム
をサンプリングして化学分析を行ない、処理前のアルミ
ニウム成分との差を溶出量とした。 5)アルミニウム含浸性 深さ350mmのパイプの底部に試験体を固定し、700
℃のアルミニウム溶湯を入れて保持する。一定時間後に
試験体を取り出してアルミニウムの含浸を確認する。こ
の試験はアルミニウムを含浸するまでの時間で評価す
る。 6)介在物捕集性(B除去率) 試験体の1cm2 単位当り1kgのアルミニウム溶湯を通過
させ、通湯前後のアルミニウム溶湯中のBの含有量を分
析し、Bの減少率をBの除去率とした。
メッシュの焼結アルミナを使用し、この焼結アルミナ1
00重量部に対し、無機質結合材として、 B2O3 25重
量%、Al2O3 30重量%、 SiO2 20重量%、MgO 15
重量%、CaO 10重量%の組成のものをフリット化して
10重量部添加し、さらに、実施例1〜10と同様に、
デキストリンと適量の水を添加して混練し、外径100
mmφ、内径60mmφ、長さ900mmのパイプ状成形体を
作製した。この成形体を乾燥後1300℃まで昇温し、
8時間保持した後、80℃/Hrで冷却した。上記の方法
で得られた14本の試験体を組合わせてカートリッジに
し、これにJIS 1000系のアルミニウム溶湯を通
湯した。10セット評価を行なった結果、最大通湯量と
最小通湯量とのバラツキは、従前品の450ton に対し
て150ton であった。また、この試験体の無機質結合
材中に生成した 9Al2O3・2B2O3 の針状結晶の長さは1
0μm以下であった。なお、上記の従前品としては、特
開平1−127168号に示す濾材であって、無機質結
合材の原料組成が、 B2O335重量%、Al2O3 30重量
%、CaO 20重量%、MgO 15重量%からなるものを用
いた。
ウム溶湯用濾材によれば、骨材粒子を相互に結合させる
無機質結合材中に SiO2 を15〜25重量%の範囲含む
ので、濾材とアルミニウム溶湯との濡れ性がよく、9Al2
O3・2B2O3 の結晶長さを10μm以下に抑えることによ
り、アルミニウム溶湯の通湯性を安定化することができ
るとともに、アルミニウム溶湯を遊離シリコンにより汚
染することがない。さらに、骨材粒子100重量部に対
して無機質結合材を4〜20重量部使用することによ
り、強度が高く、且つ早期に目詰りを起こすことのない
濾材を得ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 焼結アルミナ、電融アルミナ、炭化珪素
および窒化珪素の1種以上よりなる骨材粒子を無機質結
合材により結合させたアルミニウム溶湯用濾材であっ
て、骨材粒子100重量部に対して4〜20重量部の無
機質結合材にて結合してなり、該無機質結合材の原料組
成が、 B2O3 15〜40重量%、Al2O320〜45重量
%、SiO215〜25重量%、残部は MgO、CaO 及びSrO
の1種以上よりなることを特徴とするアルミニウム溶湯
用濾材。 - 【請求項2】 無機質結合材中に生成する 9Al2O3 ・2B
2O3 の針状結晶の長さが10μm以下である請求項1記
載のアルミニウム溶湯用濾材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3300188A JP2781482B2 (ja) | 1991-11-15 | 1991-11-15 | アルミニウム溶湯用濾材 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Family Applications (1)
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