JPH0513681B2 - - Google Patents
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- JPH0513681B2 JPH0513681B2 JP59212950A JP21295084A JPH0513681B2 JP H0513681 B2 JPH0513681 B2 JP H0513681B2 JP 59212950 A JP59212950 A JP 59212950A JP 21295084 A JP21295084 A JP 21295084A JP H0513681 B2 JPH0513681 B2 JP H0513681B2
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Landscapes
- Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)
- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は重質分を少量含む液体の精製方法に関
し、更に詳しくは溶媒等の液体中に含まれる少量
の重質分を、蒸留により効率よく分離精製する方
法に関するものである。 (従来の技術) 一般にポリブタジエン、溶液重合SBR、ポリ
イソプレン、エチレン−プロピレンゴムなどの合
成ゴム、中圧または低圧ポリエチレン、ポリプロ
ピレンなどのプラスチツクは溶液重合法により製
造される。これらの方法では、チーグラー、ナツ
タタイプ、有機リチウムタイプ、バナジウム化合
物タイプ、シリカ−アルミナ−酸化クロムタイプ
等の触媒が用いられ、またn−ヘキサン、シクロ
ヘキサン、n−ヘプタン、ベンゼン、トルエンな
どの溶媒が使用される。 これらの溶液重合法では微量の不純物が、重合
反応に大きな影響を与えるため、高純度の原料お
よび溶媒を使用することが要求されている。しか
るに、溶液重合の回収溶媒中には、一般に水、未
反応モノマー、アルコール類、アルデヒド等の軽
質分と、原料モノマーから生成するダイマー、オ
リゴマー、老化防止剤等の重質分とが含まれてお
り、これらをそのまま使用すると重合反応が阻害
され、好ましくない。そこで従来は軽質物を軽質
分蒸留塔で、また重質分を重質分蒸留塔で蒸留分
離することが行ななわれている。 第2図は、従来の重質分蒸留塔を用いる方法の
工程図を示したものである。図において、重質分
を少量含む回収溶媒が導管1から重質分蒸留塔2
に供給され、処理される。塔頂からは導管3を経
て重質分を含まない溶媒が排出され、凝縮器4で
凝縮された後、この一部が還流槽5により還流と
して導管6を経て重質分蒸留塔2の塔頂に戻さ
れ、残部は導管7から重合反応系に供給される。
一方、塔底からは重質分と溶媒との混合流が導管
9を経て排出される。また重質分蒸留塔2には、
塔底液を加熱するための再沸器8が設けられてい
る。 しかしながら、溶液重合の回収溶媒中の反応阻
害物は一般に1重量%以下と少量であり、特に重
質分蒸留塔においてはほとんど全量の溶媒を塔頂
から留出させるため、多大のエネルギーを必要と
している。 一方、この重質分蒸留塔の塔頂温度は比較的低
温であるため熱回収が難しく、大部分の熱は冷却
水を用いた凝縮器を通して系外に捨てられている
のが実情であつた。 しかるに近年、プロセスの省エネルギー化が強
く要求されるようになり、この比較的低温の熱源
を有効に利用する方法の開発が望まれているよう
になつた。 従来、代表的なエネルギー節約の方法として、
特開昭51−134379号、特開昭58−83089号または
特開昭59−105802号に示されるような圧縮式また
は吸収式のヒートポンプを用いることが行なわれ
ている。しかしながら、これらの方法には共通に
は共通して次のような欠点がある。すなわち、塔
頂と塔底の温度差の大きな系では、圧縮機に要す
る動力が過大となり、また設備費が高くつくため
実質的に適用することができない等の欠点があ
り、特に重質分蒸留塔の場合、塔頂と塔底の温度
差が一般に30〜50℃であるため、ヒートポンプ方
式の適用は著しく困難であつた。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は、前記従来技術の欠点を除去
し、液体、特に溶液重合の回収溶媒などの中に含
まれる少量の重質分を、蒸留により効率よく分離
精製する方法を提供することにある。 (問題点を解決するための手段) 本発明者らは、前記目的を達成するため、重質
分蒸留塔について詳細に解析をした結果、(1)この
塔の塔内温度の分布が、塔底は塔頂よりも30〜50
℃高いが、数段上は塔頂よりも2〜10℃しか高く
ないということ、および(2)少量の重質分しか含ん
でいない本系のような場合には、塔頂からの還流
比を律しているのは、原料供給段より上の濃縮部
であり、原料供給段より下の回収部においては、
はるかに少ない還流比でも分離上何ら問題ないこ
とを見出した。 本発明者らはこれらの知見をプロセス上に生か
すべく、更に検討を進めた結果、従来の重質分蒸
留塔を前段および後段の少なくとも2塔で構成
し、軽質分を除去した原料回収溶媒を、前段重質
分蒸留塔の塔底部に供給し、この前段重質分蒸留
塔の塔底流を後段重質分蒸留塔の中間部に供給
し、後段重質分蒸留塔の塔頂蒸気を前段重質分蒸
留塔の再沸器熱源として利用することにより、前
段重質分蒸留塔塔底液中では、重質分は余り濃縮
されないため、塔頂に比して余り高い温度となら
ず(段数にもよるが2〜10℃程度)、また前段お
よび後段重質分蒸留塔の負荷を大体等しくするこ
とができ、前記目的も達成されることを見出して
本発明に到達した。 本発明は、軽質分を除去した少量の重質分を含
有する液体を蒸留により精製する方法において、
上記重質分を少量含む液体を前段重質分蒸留塔の
塔底部に供給し、前段重質分蒸留塔の塔底流を後
段重質分蒸留塔の中間部に供給し、後段重質分蒸
留塔の塔頂温度を前段重質分蒸留塔の塔底温度よ
り高い温度に保持して蒸留するとともに、後段重
質分蒸留塔の塔頂蒸気を前段重質分蒸留塔の再沸
器の熱源として使用して再沸器および塔頂凝縮器
の負荷を減少させ、かつ、前段重質分蒸留塔の塔
頂蒸気および上記再沸器の熱源として利用した後
の後段重質分蒸留塔の塔頂蒸気を同一の塔頂凝縮
器で凝縮して還流することを特徴とする重質分を
少量含む液体の精製方法に関する。 前段重質分蒸留塔における、原料の供給段は、
分離効果および塔底温度の上昇を防ぐ点から、前
段重質分蒸留塔の塔底部に供給される。 後段重質分蒸留塔の中間部に供給される前段重
質分蒸留塔塔底流の供給量は、前段重質分蒸留塔
に供給される原料の供給量の30〜70%、好ましく
は40〜60%である。 前段重質分蒸留塔は塔頂と塔底の温度差がほと
んどなく、比較的低い温度となるため、後段重質
分蒸留塔の塔頂温度を前段重質分蒸留塔の塔底温
度より3〜30℃、好ましくは5〜20℃、特に好ま
しくは7〜15℃高い温度に保持して運転し、両塔
の負荷を適当に調節することにより、後段重質分
蒸留塔の塔頂蒸気の全量または一部を前段重質分
蒸留塔の再沸器の熱源として使用することができ
る。 なお、前段重質分蒸留塔の運転に必要な熱源は
全量または大部分を後段重質分蒸留塔の塔頂蒸気
流でまかなうことができるが、不足する場合に
は、スチーム等の通常の熱源を別に設けた再沸器
から得ることができる。 本発明に使用できる液体としては各種溶媒、各
種石油留分、重合用の単量体などをあげることが
できる。これらの中では各種溶媒が好適であり、
特に溶液重合に使用され回収された溶媒の精製に
効果的である。かかる溶媒としては特に制限はな
く、例えば炭化水素、含酸素、含窒素、含硫黄な
ど種々の溶媒が使用できるが、これらのうちでは
好適なものとして例えばn−ヘキサン、シクロヘ
キサン、n−ヘプタン、ベンゼン、トルエンなど
炭素数4〜12の炭化水素などをあげることができ
る。 以下図面により本発明を詳細に説明する。図に
は簡明を期すため、特に説明に必要のないポンプ
等は大部分省略してある。 第1図は、本発明方法の工程図であり、第2図
に示す従来の装置に、更に重質分蒸留塔を新たに
1塔追加したものである。図において、重質分を
少量含む回収溶媒は導管10により前段重質分蒸
留塔11の塔底部に供給され、供給量の30〜70
%、好ましくは40〜60%(重量基準、以下同じ)
が塔底部から導管18を経て排出され、これが後
段重質分蒸留塔19の中段付近へ供給される。後
段重質分蒸留塔19の塔底からは、重質分と溶媒
との混合流が導管24を経て排出される。後段重
質分蒸留塔19の塔頂温度は、前段重質分蒸留塔
11の塔底温度より3〜30℃、好ましくは5〜20
℃、特に好ましくは7〜15℃高い温度に保持され
て運転され、この塔頂蒸気流の全量または一部が
導管20および25を経て前段重質分蒸留塔11
の再沸器16の熱源として供給される。残りの蒸
気流は導管26を経て凝縮器13に供給される。
なお前段重質分蒸留塔11には、後段重質分蒸留
塔19の塔頂蒸気の熱源だけでは不足する場合に
備えて再沸器17が設けられている。 前段重質分蒸留塔11の塔頂からは、導管12
を経て、重質分を含まない溶媒が排出され、これ
は導管26から供給される後段重質分蒸留塔19
の塔頂蒸気流の一部と合成したのち、凝縮器13
で凝縮される。凝縮された液は、その一部が還流
槽14により還流として、それぞれ導管15を経
て前段重質分蒸留塔11の塔頂に、また導管21
を経て後段重質分蒸留塔19の塔頂に戻され、残
部は不純物を含まない溶媒として導管22から重
合反応系に供給される。 (発明の効果) 本発明方法によれば、前記のように後段重質分
蒸留塔の塔頂蒸気を、前段重質分蒸留塔の再沸器
の熱源として使用することにより、従来の重質分
蒸留塔に比べて、再沸器で消費されるエネルギー
と塔頂凝縮器で消費される冷却水量とを、いずれ
も例えば約半分にするこことができ、大幅な省エ
ネルギーを達成して液中の微量重質分を効率よく
分離し、精製することができる。また本発明方法
によれば、コンデンサーの伝熱面積も例えば約半
分にすることができるとともに、塔頂凝縮器を前
段および後段重質分蒸留塔で共用することができ
るため、設備費の削減と省エネルギー化を図るこ
とができる。 (実施例) 以下、実施例により、更に詳細に本発明を説明
する。 比較例 1 第2図の工程図に従つて、従来法によりオリゴ
マーを少量含むn−ヘキサンを90℃の液状で重質
分蒸留塔2に供給し、オリゴマーを塔底から除去
した。運転条件は次のとおりであつた。 総段数 30 原料供給段(下から) 13 塔頂圧力(Kg/cm2G) 0.60 塔頂温度(℃) 85 塔底温度(℃) 125 還流比 0.20 主な導管中の流量(Kg/h)は第1表のとおり
であつた。
し、更に詳しくは溶媒等の液体中に含まれる少量
の重質分を、蒸留により効率よく分離精製する方
法に関するものである。 (従来の技術) 一般にポリブタジエン、溶液重合SBR、ポリ
イソプレン、エチレン−プロピレンゴムなどの合
成ゴム、中圧または低圧ポリエチレン、ポリプロ
ピレンなどのプラスチツクは溶液重合法により製
造される。これらの方法では、チーグラー、ナツ
タタイプ、有機リチウムタイプ、バナジウム化合
物タイプ、シリカ−アルミナ−酸化クロムタイプ
等の触媒が用いられ、またn−ヘキサン、シクロ
ヘキサン、n−ヘプタン、ベンゼン、トルエンな
どの溶媒が使用される。 これらの溶液重合法では微量の不純物が、重合
反応に大きな影響を与えるため、高純度の原料お
よび溶媒を使用することが要求されている。しか
るに、溶液重合の回収溶媒中には、一般に水、未
反応モノマー、アルコール類、アルデヒド等の軽
質分と、原料モノマーから生成するダイマー、オ
リゴマー、老化防止剤等の重質分とが含まれてお
り、これらをそのまま使用すると重合反応が阻害
され、好ましくない。そこで従来は軽質物を軽質
分蒸留塔で、また重質分を重質分蒸留塔で蒸留分
離することが行ななわれている。 第2図は、従来の重質分蒸留塔を用いる方法の
工程図を示したものである。図において、重質分
を少量含む回収溶媒が導管1から重質分蒸留塔2
に供給され、処理される。塔頂からは導管3を経
て重質分を含まない溶媒が排出され、凝縮器4で
凝縮された後、この一部が還流槽5により還流と
して導管6を経て重質分蒸留塔2の塔頂に戻さ
れ、残部は導管7から重合反応系に供給される。
一方、塔底からは重質分と溶媒との混合流が導管
9を経て排出される。また重質分蒸留塔2には、
塔底液を加熱するための再沸器8が設けられてい
る。 しかしながら、溶液重合の回収溶媒中の反応阻
害物は一般に1重量%以下と少量であり、特に重
質分蒸留塔においてはほとんど全量の溶媒を塔頂
から留出させるため、多大のエネルギーを必要と
している。 一方、この重質分蒸留塔の塔頂温度は比較的低
温であるため熱回収が難しく、大部分の熱は冷却
水を用いた凝縮器を通して系外に捨てられている
のが実情であつた。 しかるに近年、プロセスの省エネルギー化が強
く要求されるようになり、この比較的低温の熱源
を有効に利用する方法の開発が望まれているよう
になつた。 従来、代表的なエネルギー節約の方法として、
特開昭51−134379号、特開昭58−83089号または
特開昭59−105802号に示されるような圧縮式また
は吸収式のヒートポンプを用いることが行なわれ
ている。しかしながら、これらの方法には共通に
は共通して次のような欠点がある。すなわち、塔
頂と塔底の温度差の大きな系では、圧縮機に要す
る動力が過大となり、また設備費が高くつくため
実質的に適用することができない等の欠点があ
り、特に重質分蒸留塔の場合、塔頂と塔底の温度
差が一般に30〜50℃であるため、ヒートポンプ方
式の適用は著しく困難であつた。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は、前記従来技術の欠点を除去
し、液体、特に溶液重合の回収溶媒などの中に含
まれる少量の重質分を、蒸留により効率よく分離
精製する方法を提供することにある。 (問題点を解決するための手段) 本発明者らは、前記目的を達成するため、重質
分蒸留塔について詳細に解析をした結果、(1)この
塔の塔内温度の分布が、塔底は塔頂よりも30〜50
℃高いが、数段上は塔頂よりも2〜10℃しか高く
ないということ、および(2)少量の重質分しか含ん
でいない本系のような場合には、塔頂からの還流
比を律しているのは、原料供給段より上の濃縮部
であり、原料供給段より下の回収部においては、
はるかに少ない還流比でも分離上何ら問題ないこ
とを見出した。 本発明者らはこれらの知見をプロセス上に生か
すべく、更に検討を進めた結果、従来の重質分蒸
留塔を前段および後段の少なくとも2塔で構成
し、軽質分を除去した原料回収溶媒を、前段重質
分蒸留塔の塔底部に供給し、この前段重質分蒸留
塔の塔底流を後段重質分蒸留塔の中間部に供給
し、後段重質分蒸留塔の塔頂蒸気を前段重質分蒸
留塔の再沸器熱源として利用することにより、前
段重質分蒸留塔塔底液中では、重質分は余り濃縮
されないため、塔頂に比して余り高い温度となら
ず(段数にもよるが2〜10℃程度)、また前段お
よび後段重質分蒸留塔の負荷を大体等しくするこ
とができ、前記目的も達成されることを見出して
本発明に到達した。 本発明は、軽質分を除去した少量の重質分を含
有する液体を蒸留により精製する方法において、
上記重質分を少量含む液体を前段重質分蒸留塔の
塔底部に供給し、前段重質分蒸留塔の塔底流を後
段重質分蒸留塔の中間部に供給し、後段重質分蒸
留塔の塔頂温度を前段重質分蒸留塔の塔底温度よ
り高い温度に保持して蒸留するとともに、後段重
質分蒸留塔の塔頂蒸気を前段重質分蒸留塔の再沸
器の熱源として使用して再沸器および塔頂凝縮器
の負荷を減少させ、かつ、前段重質分蒸留塔の塔
頂蒸気および上記再沸器の熱源として利用した後
の後段重質分蒸留塔の塔頂蒸気を同一の塔頂凝縮
器で凝縮して還流することを特徴とする重質分を
少量含む液体の精製方法に関する。 前段重質分蒸留塔における、原料の供給段は、
分離効果および塔底温度の上昇を防ぐ点から、前
段重質分蒸留塔の塔底部に供給される。 後段重質分蒸留塔の中間部に供給される前段重
質分蒸留塔塔底流の供給量は、前段重質分蒸留塔
に供給される原料の供給量の30〜70%、好ましく
は40〜60%である。 前段重質分蒸留塔は塔頂と塔底の温度差がほと
んどなく、比較的低い温度となるため、後段重質
分蒸留塔の塔頂温度を前段重質分蒸留塔の塔底温
度より3〜30℃、好ましくは5〜20℃、特に好ま
しくは7〜15℃高い温度に保持して運転し、両塔
の負荷を適当に調節することにより、後段重質分
蒸留塔の塔頂蒸気の全量または一部を前段重質分
蒸留塔の再沸器の熱源として使用することができ
る。 なお、前段重質分蒸留塔の運転に必要な熱源は
全量または大部分を後段重質分蒸留塔の塔頂蒸気
流でまかなうことができるが、不足する場合に
は、スチーム等の通常の熱源を別に設けた再沸器
から得ることができる。 本発明に使用できる液体としては各種溶媒、各
種石油留分、重合用の単量体などをあげることが
できる。これらの中では各種溶媒が好適であり、
特に溶液重合に使用され回収された溶媒の精製に
効果的である。かかる溶媒としては特に制限はな
く、例えば炭化水素、含酸素、含窒素、含硫黄な
ど種々の溶媒が使用できるが、これらのうちでは
好適なものとして例えばn−ヘキサン、シクロヘ
キサン、n−ヘプタン、ベンゼン、トルエンなど
炭素数4〜12の炭化水素などをあげることができ
る。 以下図面により本発明を詳細に説明する。図に
は簡明を期すため、特に説明に必要のないポンプ
等は大部分省略してある。 第1図は、本発明方法の工程図であり、第2図
に示す従来の装置に、更に重質分蒸留塔を新たに
1塔追加したものである。図において、重質分を
少量含む回収溶媒は導管10により前段重質分蒸
留塔11の塔底部に供給され、供給量の30〜70
%、好ましくは40〜60%(重量基準、以下同じ)
が塔底部から導管18を経て排出され、これが後
段重質分蒸留塔19の中段付近へ供給される。後
段重質分蒸留塔19の塔底からは、重質分と溶媒
との混合流が導管24を経て排出される。後段重
質分蒸留塔19の塔頂温度は、前段重質分蒸留塔
11の塔底温度より3〜30℃、好ましくは5〜20
℃、特に好ましくは7〜15℃高い温度に保持され
て運転され、この塔頂蒸気流の全量または一部が
導管20および25を経て前段重質分蒸留塔11
の再沸器16の熱源として供給される。残りの蒸
気流は導管26を経て凝縮器13に供給される。
なお前段重質分蒸留塔11には、後段重質分蒸留
塔19の塔頂蒸気の熱源だけでは不足する場合に
備えて再沸器17が設けられている。 前段重質分蒸留塔11の塔頂からは、導管12
を経て、重質分を含まない溶媒が排出され、これ
は導管26から供給される後段重質分蒸留塔19
の塔頂蒸気流の一部と合成したのち、凝縮器13
で凝縮される。凝縮された液は、その一部が還流
槽14により還流として、それぞれ導管15を経
て前段重質分蒸留塔11の塔頂に、また導管21
を経て後段重質分蒸留塔19の塔頂に戻され、残
部は不純物を含まない溶媒として導管22から重
合反応系に供給される。 (発明の効果) 本発明方法によれば、前記のように後段重質分
蒸留塔の塔頂蒸気を、前段重質分蒸留塔の再沸器
の熱源として使用することにより、従来の重質分
蒸留塔に比べて、再沸器で消費されるエネルギー
と塔頂凝縮器で消費される冷却水量とを、いずれ
も例えば約半分にするこことができ、大幅な省エ
ネルギーを達成して液中の微量重質分を効率よく
分離し、精製することができる。また本発明方法
によれば、コンデンサーの伝熱面積も例えば約半
分にすることができるとともに、塔頂凝縮器を前
段および後段重質分蒸留塔で共用することができ
るため、設備費の削減と省エネルギー化を図るこ
とができる。 (実施例) 以下、実施例により、更に詳細に本発明を説明
する。 比較例 1 第2図の工程図に従つて、従来法によりオリゴ
マーを少量含むn−ヘキサンを90℃の液状で重質
分蒸留塔2に供給し、オリゴマーを塔底から除去
した。運転条件は次のとおりであつた。 総段数 30 原料供給段(下から) 13 塔頂圧力(Kg/cm2G) 0.60 塔頂温度(℃) 85 塔底温度(℃) 125 還流比 0.20 主な導管中の流量(Kg/h)は第1表のとおり
であつた。
【表】
この際凝縮器4で冷却水に持去られる熱量は、
5926×103kcal/h、また再沸器8に加えられる
熱量は5746×103kcal/hであつた。 実施例 1 第1図の工程図に従つて、オリゴマーを少量含
むn−ヘキサンを90℃の液状で前段重質分蒸留塔
11の塔底部に供給し、処理した。各運転条件は
第2表のとおりであつた。
5926×103kcal/h、また再沸器8に加えられる
熱量は5746×103kcal/hであつた。 実施例 1 第1図の工程図に従つて、オリゴマーを少量含
むn−ヘキサンを90℃の液状で前段重質分蒸留塔
11の塔底部に供給し、処理した。各運転条件は
第2表のとおりであつた。
【表】
主な導管中の流量、すなわち原料(導管10)、
塔頂留出物(導管22)および塔底缶出物(導管
24)は流量、組成とも比較例1の場合とほぼ同
じであつた。その他の主な導管の流量は次のとお
りであつた。 導 管 18:32600Kg/hr(オリゴマー
0.4wt%) この際凝縮器13で冷却水に持去られる熱量
は、2962×103kcal/h、また再沸器23に加え
られる熱量は3020×103kcal/h、および再沸器
17に加えられる熱量は0であつた。 ここで前段重質分蒸留塔11の再沸器の必要熱
量は2794×103kcal/hであるが、これは全量後
段重質分蒸留塔19の塔頂蒸気の凝縮熱でまかな
うことができた。 従つて本発明方法においては、比較例1の場合
より2726×103kcal/h(比較例に比し47%)のエ
ネルギーを削減することができた。また凝縮器の
負荷も本発明方法によれば、比較例1の場合より
2964×103kcal/h(比較例に比し50%)削減する
ことができた。
塔頂留出物(導管22)および塔底缶出物(導管
24)は流量、組成とも比較例1の場合とほぼ同
じであつた。その他の主な導管の流量は次のとお
りであつた。 導 管 18:32600Kg/hr(オリゴマー
0.4wt%) この際凝縮器13で冷却水に持去られる熱量
は、2962×103kcal/h、また再沸器23に加え
られる熱量は3020×103kcal/h、および再沸器
17に加えられる熱量は0であつた。 ここで前段重質分蒸留塔11の再沸器の必要熱
量は2794×103kcal/hであるが、これは全量後
段重質分蒸留塔19の塔頂蒸気の凝縮熱でまかな
うことができた。 従つて本発明方法においては、比較例1の場合
より2726×103kcal/h(比較例に比し47%)のエ
ネルギーを削減することができた。また凝縮器の
負荷も本発明方法によれば、比較例1の場合より
2964×103kcal/h(比較例に比し50%)削減する
ことができた。
第1図は、本発明方法の工程図、第2図は、従
来法の工程図を示す。 11……前段重質分蒸留塔、13……凝縮器、
14……還流槽、16,17,23……再沸器、
19……後段重質分蒸留塔。
来法の工程図を示す。 11……前段重質分蒸留塔、13……凝縮器、
14……還流槽、16,17,23……再沸器、
19……後段重質分蒸留塔。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 軽質分を除去した少量の重質分を含有する液
体を蒸留により精製する方法において、上記重質
分を少量含む液体を前段重質分蒸留塔の塔底部に
供給し、前段重質分蒸留塔の塔底流を後段重質分
蒸留塔の中間部に供給し、後段重質分蒸留塔の塔
頂温度を前段重質分蒸留塔の塔底温度より高い温
度に保持して蒸留するとともに、後段重質分蒸留
塔の塔頂蒸気を前段重質分蒸留塔の再沸器の熱源
として使用して再沸器および塔頂凝縮器の負荷を
減少させ、かつ、前段重質分蒸留塔の塔頂蒸気お
よび上記再沸器の熱源として利用した後の後段重
質分蒸留塔の塔頂蒸気を同一の塔頂凝縮器で凝縮
して還流することを特徴とする重質分を少量含む
液体の精製方法。 2 液体が溶液重合の回収溶媒であることを特徴
とする特許請求の範囲第1項記載の重質分を少量
含む液体の精製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21295084A JPS6190703A (ja) | 1984-10-11 | 1984-10-11 | 重質分を少量含む液体の精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21295084A JPS6190703A (ja) | 1984-10-11 | 1984-10-11 | 重質分を少量含む液体の精製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6190703A JPS6190703A (ja) | 1986-05-08 |
JPH0513681B2 true JPH0513681B2 (ja) | 1993-02-23 |
Family
ID=16630978
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21295084A Granted JPS6190703A (ja) | 1984-10-11 | 1984-10-11 | 重質分を少量含む液体の精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6190703A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101804637B1 (ko) | 2014-10-31 | 2018-01-10 | 주식회사 엘지화학 | 증류 장치 |
KR102006422B1 (ko) * | 2015-06-08 | 2019-08-01 | 주식회사 엘지화학 | 증류 장치 |
KR101929897B1 (ko) * | 2015-10-19 | 2018-12-17 | 주식회사 엘지화학 | 에틸렌 올리고머화 반응물의 분리 방법 |
BR112019002563B1 (pt) * | 2016-08-11 | 2022-07-12 | Versalis S.P.A. | Processo para a purificação do solvente derivado da produção de misturas elastoméricas |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS572002Y2 (ja) * | 1977-10-28 | 1982-01-13 |
-
1984
- 1984-10-11 JP JP21295084A patent/JPS6190703A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6190703A (ja) | 1986-05-08 |
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