JPH05136535A - プリント配線基板およびその製造方法 - Google Patents

プリント配線基板およびその製造方法

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JPH05136535A
JPH05136535A JP31971891A JP31971891A JPH05136535A JP H05136535 A JPH05136535 A JP H05136535A JP 31971891 A JP31971891 A JP 31971891A JP 31971891 A JP31971891 A JP 31971891A JP H05136535 A JPH05136535 A JP H05136535A
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printed wiring
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bis
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正春 佐藤
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新非 徐
Atsushi Kobayashi
淳 小林
Hitoshi Ishikawa
石川  仁志
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 誘電率が低く、耐熱性に優れたプリント配線
基板を簡便な方法で製造する。 【構成】 p−キシリレン−ビス(ジエチルスルホニウ
ム塩)の重合体と多官能ビニル化合物を混合、加熱して
得られた架橋ポリ(p−フェニレンビニレン)からなる
プリント配線基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子部品を実装するプリ
ント配線基板およびその製造方法に関し、さらに詳しく
は、誘電率が小さく高周波回路基板に適したプリント配
線基板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の科学技術の進歩に伴う電子機器の
高速化、高集積化に対応して、回路の高周波化が進み、
同時に積層基板の利用も増大している。一般に、高周波
数域では基板材料の誘電率に依存して誘電損失および信
号伝播遅延時間が決まり、誘電率の低いプリント配線基
板が誘電損失、信号伝播遅延時間共に小さく高周波回路
基板に適していることが知られている。このため、従来
のガラスクロスを含浸したエポキシ樹脂に比べて低誘電
率のプリント配線基板開発が行われている。これまでに
ビスマレイミドとトリアジンの2成分を基本成分とする
重合体が開発されている。また、誘電率が2以下のフッ
素樹脂を使用したプリント配線基板も開発されている。
一方、T.Mates 等による Mater.Res.Soc.Symp.Pro
c.誌,1990年,167巻,123頁には、可溶性
の前駆体から製造したポリ(p−フェニレンビニレン)
が低誘電率であり、耐熱性にも優れていることが提示さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述のビスマレイミド
とトリアジンの2成分を基本成分とする重合体は、誘電
率が3.5であり、従来のエポキシ樹脂に比べると小さ
いものの、高周波回路基板材料として使用するには不十
分である。一方、フッ素樹脂を使用したプリント配線基
板では、フッ素樹脂が熱可塑性であるため、成形は樹脂
の融点である327℃の近傍またはそれ以上の温度で行
う必要がある。また、この樹脂は従来のエポキシ樹脂と
異なって成形後も融点付近まで加熱すると変形する。こ
のため、フッ素樹脂は高周波回路基板材料として十分な
低誘電率を有する材料であるといえるが、加工性並びに
耐熱性に問題がある。さらにポリ(p−フェニレンビニ
レン)は低誘電率で耐熱性にも優れているが、銅張積層
板として利用する場合には基板同士、および基板と銅箔
の間の接着力が小さい。従って、誘電率の低いプリント
配線基板が誘電損失、信号伝播遅延時間共に小さく高周
波回路基板に有利に使用できることが期待されているも
のの、未だその性能を十分に生かした、すなわち、誘電
率が低く加工性と耐熱性に優れ、かつ接着性も良好なプ
リント配線基板は開発されていない。本発明の目的は、
前記の問題点を解消することにより良好な高周波特性を
有し、しかも加工性と耐熱性に優れたプリント配線基板
並びにその簡便なる製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、ビニル基の一
部が多官能ビニル化合物を介して架橋したポリ(p−フ
ェニレンビニレン)からなることを特徴とするプリント
配線基板である。またその製造方法は、p−キシリレン
−ビス(ジエチルスルホニウム塩)の重合体と多官能ビ
ニル化合物を混合し、加熱することを特徴とする。本発
明のビニル基の一部が多官能ビニル化合物を介して架橋
したポリ(p−フェニレンビニレン)とは、ポリ(p−
フェニレンビニレン)を基本構造とし、多官能ビニル化
合物を使用して架橋した高分子であって、架橋部位がビ
ニル基であるものをいい、多官能ビニル化合物とポリ
(p−フェニレンビニレン)のビニル基との反応の様式
は特に限定されない。
【0005】本発明の多官能ビニル化合物としては、例
えば1,4−ブタンジオ−ルアクリレ―ト、1,6−ヘ
キサンジオ−ルアクリレ―ト、ペンタエリスリト−ルト
リアクリレ―ト、トリメチロ―ルプロパントリアクリレ
―ト、アルキル変性ジペンタエリスリト−ルアクリレ―
ト、2−プロペノイックアシッド(2−(1,1−ジメ
チル−2−((1−オキソ−2−プロペニル)オキシ)
エチル)−5−エチル−1,3−ジオキサン−5−イ
ル)メチルエステル、ジビニルベンゼン、1,2,4−
ベンゼントリカルボン酸トリアリル、テレフタル酸ジア
リル、ヘキサヒドロフタル酸ジアリル、トリアクリルホ
ルマ―ル、トリアリルシアヌレ―ト、トリメタアリルイ
ソシアヌレ―ト等の分子内に2またはそれ以上のビニル
基を有するものをいう。
【0006】本発明のプリント配線基板はポリ(p−フ
ェニレンビニレン)のビニル基の一部が多官能ビニル化
合物を介して架橋しているので、誘電率がポリ(p−フ
ェニレンビニレン)に比べて更に低く、耐熱性も向上し
ている。本発明においては架橋点の数は特に限定され
ず、ポリ(p−フェニレンビニレン)1分子に平均1個
以上の架橋点があれば実質的に上記の効果が得られる。
架橋点の増大に伴って、誘電率が低下し、耐熱性も向上
する。本発明ではプリント配線基板としてのドリル加工
等の作業性を架橋点の数で制御することもできる。
【0007】本発明のプリント配線基板は、p−キシリ
レン−ビス(ジエチルスルホニウム塩)の重合体と多官
能ビニル化合物を混合し、加熱して製造する。p−キシ
リレン−ビス(ジエチルスルホニウム塩)とはp−キシ
リレン−ビス(ジエチルスルホニウムブロマイド)、p
−キシリレン−ビス(ジエチルスルホニウムクロリド)
等であり、その重合体とは例えば以下の一般式で表され
る。
【化1】 (式中、Xはハロゲン原子を示す。)混合方法は特に限
定されないが、通常はp−キシリレン−ビス(ジエチル
スルホニウム塩)の重合体の水溶液に前記の多官能ビニ
ル化合物を溶解または分散、懸濁させて混合する。プリ
ント配線基板の架橋点の数は多官能ビニル化合物の添加
量で制御できる。本発明の製造法ではp−キシリレン−
ビス(ジエチルスルホニウム塩)の重合体および多官能
ビニル化合物の濃度は特に限定されない。
【0008】本発明の製造法ではp−キシリレン−ビス
(ジエチルスルホニウム塩)の重合体と多官能ビニル化
合物の混合液をそのまま、または濃縮した後にキャスト
あるいはスピンコ―トして前駆体フィルムを製造する。
このとき、従来のプリント配線基板と同様にガラスクロ
スを含浸させることもできる。この前駆体フィルムを加
熱することによって80℃以上でスルホニウム塩側鎖の
脱離反応が進行し、同時に多官能ビニル化合物との架橋
反応も進行する。加熱温度および加熱時間は特に限定さ
れないが、上記反応の容易さから反応温度80〜350
℃、反応時間1分以上が好ましい。本発明のプリント配
線基板では脱離反応および架橋反応を途中で停止し、銅
張りや積層を行った後に反応を完結させることもでき
る。
【0009】
【作用】本発明のプリント配線基板はポリ(p−フェニ
レンビニレン)のビニル基の一部が多官能ビニル化合物
を介して架橋しているので、誘電率がポリ(p−フェニ
レンビニレン)に比べて更に低く、耐熱性も向上してい
る。このため、誘電損失、信号伝播遅延時間共に小さく
高周波回路基板に有利に使用できる。
【0010】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 p−キシリレン−ビス(ジエチルスルホニウムブロミ
ド)を塩基性の条件で5℃で反応した重合体の10%水
溶液50gに多官能ビニル化合物であるジビニルベンゼ
ン0.02gを添加し、攪拌して当該多官能ビニル化合
物が分散したp−キシリレン−ビス(ジエチルスルホニ
ウムブロミド)の重合体水溶液を得た。この水溶液をガ
ラス製シャ―レに展開し、60℃で24時間乾燥し、膜
厚100μmの淡黄色のキャストフィルムを得た。この
前駆体フィルムを200℃で30分間熱処理したとこ
ろ、褐色のビニル基の一部が多官能ビニル化合物を介し
て架橋したポリ(p−フェニレンビニレン)が生成し
た。得られたフィルムの1MHzで測定した誘電率は
1.9であり、熱分解開始温度400℃以上の高周波回
路用プリント配線基板として良好な性質を有するもので
あった。
【0011】実施例2 実施例1の多官能ビニル化合物(ジビニルベンゼン)の
添加量0.02gに代えて添加量の異なるp−キシリレ
ン−ビス(ジエチルスルホニウムブロミド)の重合体水
溶液を作製し、実施例1の方法で前駆体フィルムを製造
し、熱処理してビニル基の一部が多官能ビニル化合物を
介して架橋したポリ(p−フェニレンビニレン)を得
た。表1に多官能ビニル化合物の添加量と誘電率の関係
を示す。いずれのフィルムも1MHzで測定した誘電率
が2.1以下で、熱分解開始温度400℃以上の高周波
回路用プリント配線基板としては良好な性質を有するも
のであった。
【0012】
【表1】
【0013】実施例3 実施例1のジビニルベンゼンに代えてペンタエリスリト
−ルトリアクリレ―トを使う以外は実施例1と同様の方
法で前駆体フィルムを製造し、熱処理してビニル基の一
部が当該多官能ビニル化合物を介して架橋したポリ(p
−フェニレンビニレン)を得た。このフィルムの1MH
zで測定した誘電率は2.0で、熱分解開始温度400
℃以上の高周波回路用プリント配線基板としては良好な
性質を有するものであった。
【0014】実施例4 実施例1のジビニルベンゼンに代えてトリアクリルホル
マ―ルを使う以外は実施例1と同様の方法で前駆体フィ
ルムを製造し、熱処理してビニル基の一部が当該多官能
ビニル化合物を介して架橋したポリ(p−フェニレンビ
ニレン)を得た。このフィルムの1MHzで測定した誘
電率は2.0で、熱分解開始温度400℃以上の高周波
回路用プリント配線基板としては良好な性質を有するも
のであった。
【0015】実施例5 実施例1のジビニルベンゼンが分散したp−キシリレン
−ビス(ジエチルスルホニウムブロミド)の重合体水溶
液からキャストした前駆体フィルムを、温度を変えて3
0分間熱処理したところ、褐色のビニル基の一部が多官
能ビニル化合物を介して架橋したポリ(p−フェニレン
ビニレン)が生成した。表2に反応温度と得られたフィ
ルムの1MHzで測定した誘電率を示す。いずれのフィ
ルムも誘電率は2以下であり、熱分解開始温度400℃
以上の高周波回路用プリント配線基板としては良好な性
質を有するものであった。
【0016】
【表2】
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば高
周波回路用プリント配線基板として良好な特性を有す
る、誘電率が低く、耐熱性に優れたプリント配線基板が
得られる。更に、その簡便な製造方法を提供でき、その
効果は大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 仁志 東京都港区芝5丁目7番1号 日本電気株 式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル基の一部が多官能ビニル化合物を
    介して架橋したポリ(p−フェニレンビニレン)からな
    ることを特徴とするプリント配線基板。
  2. 【請求項2】 p−キシリレン−ビス(ジエチルスルホ
    ニウム塩)の重合体と多官能ビニル化合物を混合し、加
    熱することを特徴とするプリント配線基板の製造方法。
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