JPH05133367A - バイパス弁装置を備えた多段気体圧縮機 - Google Patents

バイパス弁装置を備えた多段気体圧縮機

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JPH05133367A
JPH05133367A JP3295511A JP29551191A JPH05133367A JP H05133367 A JPH05133367 A JP H05133367A JP 3295511 A JP3295511 A JP 3295511A JP 29551191 A JP29551191 A JP 29551191A JP H05133367 A JPH05133367 A JP H05133367A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、圧縮機起動負荷と振動・騒音の軽
減を図ることを目的とするものである。 【構成】 複数の圧縮要素の内の低段側圧縮要素7aの
吐出側と高段側圧縮要素9aの吸入側とを、順次、連通
路を介して直列接続した多段圧縮機構を構成し、最終段
圧縮要素から吐出ガス排出空間に圧縮ガスを排出させる
と共にその底部に油溜を配置し、連通路と吐出ガス排出
空間またはそれに通じる空間との間にバイパス通路57
を形成し、バイパス通路57の途中には連通路の圧力が
吐出ガス排出空間圧力よりも高い時に連通路から吐出ガ
ス排出空間またはそれに通じる空間へのみの開通を許容
するバイパス弁装置58を配置したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多段圧縮機において、低
段側圧縮要素と高段側圧縮要素との間の連通路の異常圧
力上昇抑制による圧縮効率と耐久性の向上及び振動・騒
音の低減に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、冷凍機器分野において、低温熱源
および高温熱源確保の一環として、高圧縮比運転に適し
た冷媒圧縮機の実用化研究が盛んである。
【0003】とりわけ、圧縮室と吸入室との間の圧力差
を小さくして圧縮途中漏洩ガス量を低減して圧縮効率を
向上させるための方策として、種々の多段ロータリ式圧
縮機が提案されている。
【0004】具体的には、ローリングピストン型ロータ
リ式2段圧縮機と同圧縮機を接続した2段圧縮冷凍サイ
クル系統図が図11〜図13の構成で提案されている
(特開昭50−72205号公報)。同図は、密閉容器
1003内の上部に駆動電動機1005を、下部に駆動
電動機1005の回転軸1005cに連結し且つ上下2
段に形成された圧縮機構(上部は低圧圧縮機構100
7、下部は高圧圧縮機構1009)を、底部に油溜を配
置し、低圧圧縮機構1007,高圧圧縮機構1009の
各シリンダを吸入室と圧縮室とに区画するベーン100
7c(1009c)の背面が密閉容器1003の内部空
間に通じており、ベーン1007c(1009c)への
背圧付勢力をバネ装置の反力と密閉容器1003内圧力
とで形成している。
【0005】低圧圧縮機構1007の吐出冷媒ガスは、
吐出管1007eを介して外部の気液分離器1017に
接続され、連通管1009d’を介して再び密閉容器1
003の内部空間に流入して駆動電動機1005を冷却
する。
【0006】密閉容器1003に再流入した吐出冷媒ガ
スは、吸油管1023を備えた吸入管1009dを通過
する際に密閉容器1003の底部の潤滑油を吸い込んで
高圧圧縮機構1009に導入され、潤滑油が摺動面の冷
却と圧縮室隙間の密封に供される。
【0007】高圧圧縮機構1009で再圧縮された吐出
冷媒ガスは、吐出管1009eを介して外部の凝縮器1
013に送出され、第一膨張弁1015,気液分離器1
017,第二膨張弁1019,蒸発器1021を順次経
由して、吸入管1007dを通じて再び低圧圧縮機構1
007に帰還する。
【0008】また、実施例図示はないが説明文に記載の
如く、ローリングピストン型ロータリ式圧縮機の欠点で
ある圧縮時の大きなトルク変動を改善するために、回転
軸1005cのクランク部偏心方向を180度ずらせ、
且つ両圧縮機構(低圧圧縮要素機構1007,高圧圧縮
要素機構1009)のベーン(1007c,1009
c)の取り付け方向を高段側と低段側との間で75〜8
0度ずらせてある。それによって、ロータリ式1段圧縮
機よりもトルク変動を減じる方策が提案されている。
【0009】このような部品配置によって2段圧縮冷凍
サイクルが構成され、密閉容器1003の内部空間が冷
媒の凝縮圧力と蒸発圧力との中間圧力に保たれるように
工夫されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記図1
1〜図13のような構成では、高圧圧縮要素機構100
9の吸入側に流入する冷媒ガスが駆動電動機1005の
周囲を通過する際に加熱されるので、高圧圧縮要素機構
1009における冷媒ガス吸入効率の低下および圧縮途
中冷媒ガスの異常圧力上昇に起因して圧縮効率の著しい
低下を招くという課題があった。
【0011】また周知の如く、2段圧縮機における高圧
圧縮要素機構1009の吸入シリンダ容積は低圧圧縮要
素機構1007から吐出される冷媒ガス体積相当に設定
されているが、両圧縮要素機構の吸入・吐出行程過渡期
には、低圧圧縮要素機構1007から排出される冷媒ガ
ス体積と高圧圧縮要素機構1009の吸入シリンダ容積
との間で過不足が生じ、その結果、両圧縮要素の間を連
通する中間通路に圧力脈動が発生して、低圧圧縮要素機
構1007では瞬時的に吐出圧力が高くなったり、高圧
圧縮要素機構1009では吸入圧力が瞬時的に低くなっ
て圧縮比が変動して入力損失を招く。
【0012】このため、両圧縮要素の間を連通する中間
通路が密閉容器の外部に配管迂回するなどして著しく長
くなる構成では、圧縮装置が大きくなると共に高圧圧縮
要素機構1009で吸入ガスの追従遅れが生じて入力損
失が増大するという課題があった。
【0013】上述のような2段圧縮機の課題を改善する
方策が図14、図15に示す如く提案されている(特開
平1−247785号公報)。
【0014】同圧縮機は、ローリングピストン型2段圧
縮機小型化のために、低段圧縮要素2005と高段圧縮
要素2006との間を圧縮機内部で直接連通し、高段圧
縮要素2006から電動機室に排出された吐出ガスで電
動機を冷却すると共に、シリンダ内を吸入室と圧縮室に
区画するためのベーンの背面を、吐出圧力の作用する潤
滑油で主に付勢する構成である。
【0015】図14は、同圧縮機の低段圧縮要素200
5と高段圧縮要素2006との間の圧縮タイミングの説
明図、図15は同圧縮機の部分断面図で、竪型密閉ケー
シング2001の内部に配置された低段圧縮要素200
5とそのバルブカバー2027,低段圧縮要素2005
の下部に配置された高段圧縮要素2006とそのバルブ
カバー2028,両圧縮要素(2005,2006)を
連結する中間フレーム2020,両圧縮要素(200
5,2006)を駆動するクランク軸2004,低段圧
縮要素2005の吐出側と高段圧縮要素2006の吸入
側とを連通する通路2023(図15において図示な
し)などから成り、通路2023の圧力脈動を小さくし
て入力損失を低減するために、高段圧縮要素2006の
圧縮タイミングを低段圧縮要素2005から約90度遅
延させるべく、ベーン2011,2012を90度隔て
た配置構成、竪型密閉ケーシング2001の内部が高段
圧縮要素2006の吐出ガスで充満させてある。
【0016】なお、低段圧縮要素2005で圧縮された
冷媒ガスはバルブカバー2027で形成された低段吐出
室に合流の後、通路2023(図15において図示な
し)を介して高段圧縮要素2006の吸入側に流入し、
圧縮の後、バルブカバー2028で囲まれた高段吐出室
に排出の後、上部に配置された電動機室に送出される構
成である。
【0017】しかしながら圧縮機起動直後しばらくの間
は、圧縮機停止中に低段圧縮要素2005の吸入側に流
入・滞留した冷媒液や未蒸発冷媒が低段圧縮要素200
5のシリンダ内で加熱膨張して、高段圧縮要素2006
のシリンダ吸入容積を遥かに超える冷媒ガス量となって
バルブカバー2027内に排出されるので、通路202
3の圧力上昇が速く、その結果、低段圧縮要素2005
の圧縮トルクが大きくなるので、起動直後の振動が大き
く、電動機の大型化によるコスト上昇,起動電流増加に
よる供給電源設備の制限等の課題があった。
【0018】また、特に圧縮機冷時起動後しばらくの間
は、吐出側の温度が低いことに起因して竪型密閉ケーシ
ング2001内の圧力上昇が遅く、所定の圧力に到達す
るまでの高段圧縮要素2006のベーン2012の背面
に作用する付勢力が不足する。
【0019】このような状態で通路2023の圧力上昇
が速いことから、高段圧縮要素2006のベーン201
2への背面付勢圧力よりも吸入圧力(通路2023の圧
力)が高くなって、ベーン2012に激しいジャンピン
グ現象を誘発させる。この結果、ベーン2012の先端
とローラ2008との間で生じる激しい衝突音とそれに
伴う振動によって、騒音・振動が大きく、ベーン201
2とローラ2008の耐久性が低下するという課題があ
った。
【0020】また、ベーン2012の激しいジャンピン
グ現象によって、圧縮室から吸入室への冷媒ガス漏れが
多く、冷時起動初期の圧縮効率が著しい低下を招くとい
う課題があった。
【0021】なお、2段圧縮・2段膨張冷凍サイクルで
冬期の給湯運転や空調暖房運転中に、吸熱機側熱交換器
の表面に着霜した際に吸熱機側への配管と放熱機側への
配管を電磁弁等で切り替えて除霜運転を開始した直後に
は、放熱機側の高圧の液冷媒が2段圧縮機の吸入側に多
量流入して低段圧縮要素2005で液圧縮が生じ、通路
2023の圧力が異常上昇する。一方、除霜運転への切
り替えによって高段圧縮要素2006の吐出側の圧力が
急低下するので、通路2023の圧力が高段圧縮要素2
006の吐出側より高くなり、上記以上のベーン201
1、2012のジャンピング現象が生じて圧縮機が破損
するという2段圧縮機特有の重要課題があった。
【0022】また、上記ではローリングピストン型回転
式2段圧縮機についての課題について説明したが、ベー
ンが駆動軸と共に回転するスライドベーン型回転式2段
圧縮機や往復動式2段圧縮機、スクロール式2段圧縮機
等についても上述と同様に、起動初期の圧縮トルクが大
きくなることに起因して、振動が大きく、電動機の大型
化によるコスト上昇、起動電流増加による供給電源設備
の制限等の課題の存在が明白であろう。
【0023】本発明は、上記従来の課題に鑑み、圧縮機
起動負荷と振動・騒音の軽減を図ることを目的とするも
のである。
【0024】また本発明は、起動初期や冬期の暖房運転
モードにおける除霜運転におけるベーンがピストンとの
間でジャンピングするのを防止して、振動・騒音の低減
と耐久性の向上を図ることを目的とするものである。
【0025】また本発明は、一時的な圧縮負荷軽減のた
めに、低段圧縮要素と高段圧縮要素との間の連通路の気
体を一時的に、高段圧縮要素の吐出側にバイパスさせる
際に、潤滑油が圧縮機外部へ流出するのを防止すること
を目的とするものである。
【0026】また本発明は、一時的な圧縮負荷軽減のた
めに、低段圧縮要素と高段圧縮要素との間の連通路の気
体を一時的に、高段圧縮要素の吐出側にバイパスさせる
構成において、安定運転時における不要なバイパス作用
による多段圧縮機能の低下を防ぐことを目的とするもの
である。
【0027】また本発明は、一時的な圧縮負荷軽減のた
めに、低段圧縮要素と高段圧縮要素との間の連通路の気
体を一時的に、高段圧縮要素の吐出側にバイパスさせる
構成において、圧縮機冷時起動時の負荷軽減と、安定運
転時の吐出室側から連通路側への不要な気密漏れを改善
することによる圧縮効率の向上を図ることを目的とする
ものである。
【0028】また本発明は、一時的な圧縮負荷軽減のた
めに、低段圧縮要素と高段圧縮要素との間の連通路の気
体を一時的に、高段圧縮要素の吐出側にバイパスさせる
構成において、圧縮機起動後の高段側吐出圧力上昇に追
従して圧縮負荷軽減を弱めることにより、起動から安定
運転領域までの円滑な負荷制御を行い、圧縮機の耐久性
を向上することを目的とするものである。
【0029】また本発明は、一時的な圧縮負荷軽減のた
めに、低段圧縮要素と高段圧縮要素との間の連通路の気
体を一時的に、高段圧縮要素の吐出側にバイパスさせる
構成において、気体がバイパスする際の膨張音を低減さ
せると共に、吐出側の潤滑油流出を防ぐことを目的とす
るものである。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の多段気体圧縮機は、複数の圧縮要素の内の低
段側圧縮要素の吐出側と高段側圧縮要素の吸入側とを、
順次、連通路を介して直列接続した多段圧縮機構を構成
し、最終段圧縮要素から吐出ガス排出空間に圧縮ガスを
排出させると共にその底部に油溜を配置し、連通路と吐
出ガス排出空間またはそれに通じる空間との間にバイパ
ス通路を形成し、バイパス通路の途中には連通路の圧力
が吐出ガス排出空間圧力よりも高い時に連通路から吐出
ガス排出空間またはそれに通じる空間へのみの開通を許
容するバイパス弁装置を配置したものである。
【0031】また本発明のベーン型回転式多段気体圧縮
機は、複数の圧縮要素の内の低段側圧縮要素の吐出側と
高段側圧縮要素の吸入側とを、順次、連通路を介して直
列接続した多段圧縮機構を構成し、最終段圧縮要素から
吐出ガス排出空間に圧縮ガスを排出させると共にその底
部に油溜を配置し、連通路と吐出ガス排出空間またはそ
れに通じる空間との間にバイパス通路を形成し、バイパ
ス通路の途中には連通路の圧力が吐出ガス排出空間圧力
よりも高い時に連通路から吐出ガス排出空間またはそれ
に通じる空間へのみの開通を許容するバイパス弁装置を
配置すると共に、圧縮要素の各シリンダ内を前進・後退
しつつ吸入室と圧縮室とに区画するベーンの背面室に、
最終段圧縮要素から排出され且つその吐出ガスから分離
した潤滑油を導入してベーンを背圧付勢させたものであ
る。
【0032】また本発明の多段気体圧縮機は、複数の圧
縮要素の内の低段側圧縮要素の吐出側と高段側圧縮要素
の吸入側とを、順次、連通路を介して直列接続した多段
圧縮機構を構成し、最終段圧縮要素から吐出ガス排出空
間に圧縮ガスを排出させると共にその底部に油溜を配置
し、連通路と吐出ガス排出空間またはそれに通じる空間
との間にバイパス通路を形成し、バイパス通路の途中に
は連通路の圧力が吐出ガス排出空間圧力よりも高い時に
連通路から吐出ガス排出空間またはそれに通じる空間へ
のみの開通を許容するバイパス弁装置を配置すると共
に、バイパス通路を高段側圧縮要素の吐出室に連通させ
たものである。
【0033】また本発明の多段気体圧縮機は、複数の圧
縮要素の内の低段側圧縮要素の吐出側と高段側圧縮要素
の吸入側とを、順次、連通路を介して直列接続した多段
圧縮機構を構成し、最終段圧縮要素から吐出ガス排出空
間に圧縮ガスを排出させると共にその底部に油溜を配置
し、連通路と吐出ガス排出空間またはそれに通じる空間
との間にバイパス通路を形成し、バイパス通路の途中に
は連通路の圧力が吐出ガス排出空間圧力よりも高い時に
連通路から吐出ガス排出空間またはそれに通じる空間へ
のみの開通を許容するバイパス弁装置を配置すると共
に、そのバイパス弁装置の弁体を弁座の側に押圧する付
勢力をバネ装置により作用させたものである。
【0034】また本発明の多段気体圧縮機は、複数の圧
縮要素の内の低段側圧縮要素の吐出側と高段側圧縮要素
の吸入側とを、順次、連通路を介して直列接続した多段
圧縮機構を構成し、最終段圧縮要素から吐出ガス排出空
間に圧縮ガスを排出させると共にその底部に油溜を配置
し、連通路と吐出ガス排出空間またはそれに通じる空間
との間にバイパス通路を形成し、バイパス通路の途中に
は連通路の圧力が吐出ガス排出空間圧力よりも高い時に
連通路から吐出ガス排出空間またはそれに通じる空間へ
のみの開通を許容するバイパス弁装置を配置すると共
に、そのバイパス弁装置の弁体を弁座の側に押圧する付
勢力をバネ装置により作用させ、そのバネ装置は、それ
自身の温度が上昇するとその付勢力を増し、それ自身の
温度が下降するとその付勢力を減少する形状記憶特性を
備えたものである。
【0035】また本発明の多段気体圧縮機は、複数の圧
縮要素の内の低段側圧縮要素の吐出側と高段側圧縮要素
の吸入側とを、順次、連通路を介して直列接続した多段
圧縮機構を構成し、最終段圧縮要素から吐出ガス排出空
間に圧縮ガスを排出させると共にその底部に油溜を配置
し、連通路と吐出ガス排出空間またはそれに通じる空間
との間にバイパス通路を形成し、バイパス通路の途中に
は連通路の圧力が吐出ガス排出空間圧力よりも高い時に
連通路から吐出ガス排出空間またはそれに通じる空間へ
のみの開通を許容するバイパス弁装置を配置すると共
に、そのバイパス弁装置の弁体の背面に吐出ガス排出空
間またはそれに通じる空間の圧力を作用させ、弁体を弁
座の側に押圧させたものである。
【0036】また本発明の多段気体圧縮機は、複数の圧
縮要素の内の低段側圧縮要素の吐出側と高段側圧縮要素
の吸入側とを、順次、連通路を介して直列接続した多段
圧縮機構を構成し、最終段圧縮要素から吐出ガス排出空
間に圧縮ガスを排出させると共にその底部に油溜を配置
し、連通路と吐出ガス排出空間またはそれに通じる空間
との間にバイパス通路を形成し、バイパス通路の途中に
は連通路の圧力が吐出ガス排出空間圧力よりも高い時に
連通路から吐出ガス排出空間またはそれに通じる空間へ
のみの開通を許容するバイパス弁装置を配置すると共
に、そのバイパス弁装置のすぐ下流側に高段側圧縮要素
の吐出室を配置したものである。
【0037】
【作用】上記手段による作用は、以下のとおりである。
【0038】本発明は、圧縮機起動と同時に、低段側圧
縮要素に吸入された気体が圧縮・吐出され、連通路を介
して高段側圧縮要素の吸入側に送出される際に、連通路
を通過する気体圧力が圧縮機起動前の圧力に等しい密閉
容器内の吐出ガス排出空間またはそれに通じる空間の圧
力よりも高いので、連通路の気体の一部がバイパス弁装
置を介して吐出ガス排出空間またはそれに通じる空間に
流出し、高段側圧縮要素の吸入気体が圧力降下した状態
で圧縮が開始し、圧縮負荷が軽減する。
【0039】また本発明は、圧縮機起動後の時間経過と
共に最終段吐出圧力が上昇して、最終段圧縮要素から排
出された吐出ガス排出空間の潤滑油をその背面に導入し
たベーンが、シリンダ内を吸入室と圧縮室とに区画し、
その密封度合を次第に高めていく。
【0040】一方、圧縮機起動と同時に、低段側圧縮要
素に吸入された気体が圧縮・吐出され、連通路を介して
高段側圧縮要素の吸入側に送出される際に、連通路を通
過する気体圧力が圧縮機起動前の圧力に等しい密閉容器
内の吐出ガス排出空間またはそれに通じる空間の圧力よ
りも高いので、連通路の気体の一部がバイパス弁装置を
介して吐出ガス排出空間またはそれに通じる空間に流出
し、高段側圧縮要素の吸入気体が圧力降下した状態で圧
縮が開始すると共に、潤滑油による背面付勢力の小さい
ベーンは圧縮室圧力によって後退し、圧縮室の密封度合
を弱める。その結果、圧縮負荷が一層軽減する。
【0041】また運転継続中に、低段側圧縮要素で液圧
縮などが生じて連通路の圧力が異常上昇した場合にも、
連通路の流体の一部が密閉容器内空間に流出して連通路
の圧力が急降下し、それによって、高段側圧縮要素の吸
入気体が定常圧力状態で圧縮開始され、圧縮室での異常
圧力上昇を生じることもなく、圧縮室圧力の異常上昇に
よるベーンの不要な後退もなく、気密不良やベーンとピ
ストンとの衝突を生じることもない安定した効率の良い
圧縮作用を継続する。
【0042】また本発明は、圧縮機起動と同時に、低段
側圧縮要素に吸入された気体が圧縮・吐出され、連通路
を介して高段側圧縮要素の吸入側に送出される際に、連
通路を通過する気体が圧縮起動前の圧力に等しい密閉容
器内の吐出ガス排出空間またはそれに通じる空間の圧力
よりも高いので、連通路の気体の一部がバイパス弁装置
を介して高段側圧縮要素の吐出室に流入し、高段側圧縮
要素のシリンダで圧縮された吐出気体と合流して、密閉
容器内の吐出ガス排出空間に排出される。気体に含まれ
る潤滑油の大部分は、そのガス空間で分離され、吐出ガ
ス排出空間の底部の油溜に収集される一方、残りの潤滑
油は気体と共に圧縮機の外部に排出する通常の吐出ガス
流れを形成して、潤滑油の拡散と圧縮機から外部配管系
への流出が防止される。
【0043】また本発明は、圧縮機起動と同時に低段側
圧縮要素に吸入された気体が圧縮・吐出され、連通路を
介して高段側圧縮要素の吸入側に送出される際、その連
通路の気体圧力と吐出ガス排出空間圧力(高段側圧縮要
素の吐出圧力)との差がバイパス弁装置の弁体へのバネ
付勢圧力を超える場合には、バイパス弁装置がバイパス
通路を開通して連通路の気体圧力が急降下し、高段側圧
縮要素の圧縮負荷が一時的に軽減する。また、連通路の
気体圧力と吐出ガス排出空間圧力(高段圧縮要素の吐出
圧力)との差がバイパス弁装置の弁体へのバネ付勢力を
超えない通常の圧縮負荷の場合には、バイパス通路が遮
断して、低段側圧縮要素から吐出された全ての気体を高
段側圧縮要素でも再び吸入・圧縮し、早期に高段側圧縮
要素の吐出圧力を高めて、高圧縮用多段圧縮機として作
動する。
【0044】また本発明は、軸受部品等の摺動部への潤
滑油供給が不十分な圧縮機起動初期には、低段側圧縮要
素に流体が多量流入して連通路に送出された気体の圧力
が異常に高くなるが、バイパス通路の途中に配置された
バイパス弁装置の弁体に作用するバネ装置の付勢力が弱
いので、バイパス通路が開通し、連通路の気体の一部が
高段側圧縮要素の吐出側に流出し、連通路の気体圧力が
一時的に急降下し、高段側圧縮要素の圧縮負荷が軽減す
る。圧縮機冷時起動後の時間経過と共にバイパス弁装置
に付勢力を与えるバネ装置の温度が上昇してその付勢力
が増加する一方、低段側圧縮要素の吸入気体の量も次第
に適正安定し、連通路の気体圧力も追従して低下安定
し、バイパス通路が遮断して、低段側圧縮要素から吐出
された全ての気体を高段側圧縮要素でも再び、吸入・圧
縮し、高段側圧縮要素の吐出圧力を高めて、通常の高圧
縮用多段圧縮機として作動する。
【0045】また本発明は、高段側圧縮要素の吐出圧力
上昇に追従してバイパス通路の途中のバイパス弁装置の
弁体へのガス付勢力が増加し、弁体と弁座との密着力が
大きくなり、吐出ガス排出空間から連通路側への流体漏
洩が少なくなり、安定負荷時の圧縮効率の低下が防止さ
れる。
【0046】また本発明は、連通路からバイパス通路を
経て高段圧縮要素の吐出ガス排出空間に排出される際に
生じる冷媒ガスの膨張音が吐出室を経由する間に減衰
し、圧縮機外への伝播が少なくなる。
【0047】
【実施例】以下、本発明による第1の実施例のローリン
グピストン型ロータリ式2段冷媒圧縮機について、図1
〜図6を参照しながら説明する。
【0048】図1はアキュームレータ2を備えたローリ
ングピストン型ロータリ式2段冷媒圧縮機1,凝縮器1
3,第1膨張弁15,気液分離器17,第2膨張弁1
9,蒸発器21を順次接続した2段圧縮2段膨張冷凍サ
イクルの配管系統を示し、図2はローリングピストン型
ロータリ式2段圧縮機1の断面、図3は2段圧縮機構の
要部詳細を示す。
【0049】密閉容器3内の上部空間の電動機室8には
電動機5、その下部には2段圧縮機構4を配置し、その
外周部および底部が油溜35として構成されている。
【0050】電動機5の固定子5aは密閉容器3の内壁
に焼きばめ固定されている。2段圧縮機構4は、上部の
高段圧縮要素9と下部の低段圧縮要素7と両圧縮要素
(7,9)の間に配置された平板形状の中板36とから
成り、低段圧縮要素7の吐出カバーA37と中板36の
外周部の数カ所(図示なし)で密閉容器3の内壁に溶接
固定されている。
【0051】高段圧縮要素9のシリンダ容積は、低段圧
縮要素7のシリンダ容積の約45〜65%に設定されて
いる。
【0052】高段圧縮要素9の第2のシリンダブロック
9aの上側面に取り付けられた上部軸受部材11と低段
圧縮要素7の第1のシリンダブロック7aの下側面に取
り付けられた下部軸受部材12とに支持された駆動軸6
は電動機5の回転子5bに連結固定されている。
【0053】駆動軸6の第1クランク軸6aと第2クラ
ンク軸6bは、その偏心方向が互いに180度ずらして
配置されている。
【0054】7b,9bは駆動軸6の第1クランク軸6
a,第2クランク軸6bに装着された第1ピストンおよ
び第2ピストン、38,39は第1ピストン7b,第2
ピストン9bの外周面に当接して低段圧縮要素7および
高段圧縮要素9の各シリンダ内を吸入室と圧縮室とに区
画するベーン、40,41はベーン38,39の背面を
付勢するコイルバネである。
【0055】高段圧縮要素9のコイルバネ41の後端部
は密閉容器3の内壁に支持されているが、低段圧縮要素
7のコイルバネ40の後端部は第1のシリンダブロック
7aに密封装着されたキャップ42に支持されている。
【0056】高段圧縮要素9のベーン39の背面室B4
3は油溜35に開通しているが、低段圧縮要素7のベー
ン38の背面室A44はキャップ42によってその端部
を密封され、油溜35と遮断されている。
【0057】低段圧縮要素7の吐出カバーA37は下部
軸受部材12と共に第1のシリンダブロック7aに取付
けられて低段吐出室45を形成し、その底部は吐出室油
溜46である。
【0058】吐出室油溜46は吐出カバーA37に固定
され且つ複数の小穴47を有する仕切り板48によって
低段吐出室45の上部空間と区画されると共に、その底
部が吐出カバーA37と下部軸受部材12に設けられた
油戻し穴A49a,油戻し穴B49bから成る油戻し通
路49を介してベーン38の背面室A44に通じてい
る。
【0059】制振鋼板を成形した吐出カバーB50は、
上部軸受部材11の外周を囲むように配置されて高段吐
出室51を形成している。
【0060】電動機5の回転子5bの端部に凹設された
消音室52は、上部軸受部材11の突出部11aの外周
を囲む吐出カバーB50の突出部50aとの間の環状通
路53を介して高段吐出室51と連通すると共に、回転
子5bのエンドリング5cの内側面と吐出カバーB50
の突出部50aとの間の環状通路54を介して密閉容器
3の内部空間に通じている。
【0061】低段吐出室45と高段圧縮要素9の吸入室
56とは、下部軸受部材12に設けられたガス通路A5
5a,第1のシリンダブロック7aに設けられたガス通
路B55b,中板36に設けられたガス通路C55cか
ら成る連通路55を介して通じている。
【0062】連通路55の途中から分岐したバイパス通
路57は高段圧縮要素9の第2のシリンダブロック9a
と上部軸受部材11とに設けられたバイパス通路A57
a,バイパス通路B57bとで形成され、その下流側が
高段吐出室51に開通している。
【0063】バイパス通路A57aには、その外周部に
切り欠き部を有する薄鋼板製の弁体58a(図4にその
外観形状を示す)とコイルバネ58bとから成るバイパ
ス弁装置58が装着され、バイパス弁装置58は連通路
55から高段吐出室51へのみの流体流れを許容する。
【0064】コイルバネ58bは、それ自身が温度上昇
するとそのバネ定数が増加する形状記憶合金特性を備
え、弁体58aへの付勢力が大きくなる。
【0065】連通路55の一部を構成するガス通路B5
5bは連通管59を介して気液分離器17の下流側に通
じており、冷媒インジェクション通路72を形成してい
る。
【0066】連通管59は第1のシリンダブロック7a
に挿入され、その接続部の外周は0リング66でシール
され、その端部とガス通路B55bとの間に図4と類似
形状の弁体60が配置されて逆止弁装置71を構成して
いる。
【0067】逆止弁装置71は、気液分離器17からガ
ス通路B55bへのみの流体流入を許容すべく構成され
ている。
【0068】中板36には、その通路途中に絞り部を有
する油インジェクション通路61が設けられており、そ
の上流側は油溜35に、下流側はベーン38の背面室A
44と高段圧縮要素9の圧縮室とにそれぞれ間欠的に連
通すべく設けられている。
【0069】油インジェクション通路61の下流側通路
A61aと背面室A44とはベーン38が概略半分以上
の行程をピストン7bの側に前進している時の開通し、
それ以外の時に遮断すべくベーン44の摺動端面に開口
している。
【0070】油インジェクション通路61の下流側通路
B61bと高段圧縮要素9の圧縮室とは、ベーン39が
概略3分の1の行程までピストン7bの側に前進した時
に開通が始まり、概略3分の1の行程を後退した時にピ
ストン9bの摺動端面によって遮断が始まるべく位置に
開口している(図5参照)。
【0071】駆動軸6の軸芯部には、貫通した軸穴62
が設けられ、その下部にポンプ装置63が装着されてい
る。
【0072】上部軸受部材11と下部軸受部材12とに
支持された駆動軸5の外周面に螺旋状の油溝64,64
aが設けられ、螺旋状の油溝64の上流側は軸穴62か
ら分岐した半径方向油孔を介してポンプ装置63の下流
側に通じ、螺旋状の油溝64の下流側は消音室52に開
通していない。
【0073】アキュームレータ2の下流側は低段圧縮要
素7の吸入室(図示なし)に連通し、密閉容器3の上部
に吐出管7eが設けられている。
【0074】気液分離器17の底部には第2膨張弁19
に通じる液管65が接続され、気液分離器17の胴体外
表面にはポリエチレン膜をコーテイングした後、加熱
し、5mm程度まで発泡させたポリエチレン発泡材67
で保温処理が施されている。
【0075】図6は、圧縮機冷時起動直後のバイパス通
路57の開通状態と連通管59の端部を弁体60が閉塞
した状態、及び油インジェクション通路61の下流側通
路61aと背面室A44との間をベーン38によって遮
断した状態を示す。
【0076】図7は、油溜35と背面室A44との間を
連通する絞り通路部を有する油インジェクション通路6
1cを中板36と第1のシリンダブロック7aとの接合
面部に極浅の溝を設けて絞り通路を構成すると共に、低
段吐出室45から背面室A44への油戻し穴C49cの
開口部を背面室A44の上部に設けた本発明の第2の実
施例を示す。
【0077】次に、本発明の第3の実施例のスライドベ
ーン型ロータリ式2段冷媒圧縮機について、図8,図9
を参照しながら説明する。
【0078】2段圧縮機構104は、第1の実施例の場
合と同様に、高段圧縮要素109を上段に、中板13
6,低段圧縮要素107を順次配置して構成されてい
る。
【0079】電動機5の回転子5bに連結された駆動軸
106には高段圧縮要素109が低段圧縮要素107の
吸入・圧縮タイミングに対して約60度〜80度の位相
遅れで吸入・圧縮作用を開始すべく第1のロータ107
b,第2のロータ109bが配置固定され、第1のロー
タ107bに設けられたベーン溝68aにはベーン13
8が配置され、第2のロータ109bに設けられたベー
ン溝68bにはベーン139が配置されている。
【0080】高段圧縮要素109のベーン溝68bと油
溜35とは、駆動軸106を貫通して設けた軸穴16
2,軸穴162から分岐した半径方向孔69,中板13
6の第2のロータ109b側面に設けられた環状溝70
を介して常時連通している。
【0081】中板136に設けられた絞り通路部を有す
る油インジェクション通路161の下流側通路B161
bは高段圧縮要素109の圧縮室に第1の実施例の場合
と同様に間欠的に連通し、下流側通路B161bが圧縮
室に開口する位置は、ベーン139の先端が最も前進す
る位置に相当する。
【0082】また、油インジェクション通路161の下
流側通路A161aは、低段圧縮要素107の第1のロ
ータ107bが回転するのに伴いベーン溝68aに間欠
的に連通し、そのベーン溝68aが低段圧縮要素107
の下部軸受部材112に設けられた油戻し穴B149
b,吐出カバーA37に設けられた油戻し穴A49aか
ら成る油戻し通路149を介して低段吐出室45に通じ
ている。
【0083】その他の構成は、第1の実施例と同様であ
るので説明を省略する。次に、本発明の第4の実施例の
ローリングピストン型ロータリ式2段冷媒圧縮機の低段
側圧縮要素の吐出室の構成およびそれに通じる給油通路
の構成などについて、図10を参照しながら説明する。
【0084】従来の1段圧縮機に使用されるアキューム
レータの吸入管よりも、その管内径を1.5倍程度大き
くしてアキュームレータの過給作用(圧縮機の吸入作用
に追従して吸入管内の気体圧力が脈動現象を生じ、周期
的に圧力上昇した気体が吸入室に流入しその状態で圧縮
されることにより吸入効率が高くなる現象のこと)を抑
制した吸入管202aを備えた第1のアキュームレータ
202の下流側は、第1の実施例の場合と同様に、低段
圧縮要素207の吸入側に接続されている。
【0085】低段圧縮要素207の低段吐出室245
は、駆動軸6を支持する下部軸受部材212を囲むよう
に第1のシリンダブロック207aに取り付けられた吐
出カバーA237と第1のシリンダブロック207aと
で形成され、且つその内容積が第1の実施例の構成より
も小型化されている。
【0086】高段圧縮要素209は、低段圧縮要素20
7の吸入・圧縮タイミングに対して約60度〜80度の
位相遅れで吸入・圧縮作用を開始して低段吐出室245
内の過剰な圧力上昇を抑制することにより、低段圧縮要
素207での圧縮動力を低減すべく配置されている。
【0087】背面室A244に連通している低段吐出室
245は、その上部が高段圧縮要素209の吸入側と連
通路255を介して接続され、その途中で連通路255
に接続された第2のアキュームレータ202bは、その
上流側を第1の実施例の場合と同様の気液分離器(図示
なし)に接続され、その下流側の接続部端には第1の実
施例と同様な弁体206が装着されている。
【0088】弁体206には気液分離器からの接続部開
口端を塞ぐためのコイルバネ270が付勢されて逆止弁
装置271を構成し、コイルバネ270はそれ自身の温
度が上昇するとバネ定数が減少して弁体206への付勢
力を小さくする形状記憶特性を備えている。
【0089】その他の構成は、第1の実施例と同様であ
るので説明を省略する。以上のように構成された2段圧
縮機とその冷凍サイクルについて、その動作を説明す
る。
【0090】図1〜図6において、モータ5によって駆
動軸6が回転駆動すると、先ず、低段圧縮要素7が吸入
を開始してアキュームレータ2から冷媒ガスが低段圧縮
要素7の吸入室に流入する。駆動軸6のクランク角度の
進行に伴って低段吸入室容積が増加して行く一方、低段
圧縮室での圧縮作用も同時に進行し、圧縮冷媒ガス圧が
次第に昇圧する。
【0091】圧縮冷媒ガスは、吸入作用開始後、低段側
クランク角度が約170度進行した頃に下部軸受部材1
2に設けられた吐出ポート(図示なし)から低段吐出室
45に吐出される。
【0092】低段吐出室45に吐出された冷媒ガスは、
油戻し穴A49aと油戻し穴B49bとから成る油戻し
通路49を介して吐出室油溜46の底部に貯溜する潤滑
油と共に背面室A44に逆流入し、ベーン38の背面を
第1のピストン7bの側に背圧付勢する。
【0093】起動直後、低段吐出室45に排出された冷
媒ガスは、ガス通路A55a,ガス通路B55b,ガス
通路C55cから成る連通路55を経由して高段圧縮要
素9の吸入室56に送出される。
【0094】低段圧縮要素7の吸入開始から60〜80
度遅れて高段圧縮要素9も吸入・圧縮作用を開始する。
【0095】起動直後の低段吐出室45および連通路5
5の冷媒ガスは、密閉容器3の内部空間やローリングピ
ストン型ロータリ式2段圧縮機1に配管接続する凝縮器
13,気液分離器17よりも高い。
【0096】したがって、図6に示すように、連通路5
5を通過する吐出冷媒ガスと気液分離器17との間の圧
力差によって弁体60が移動して気液分離器17の接続
管59の端部を塞ぎ、連通路55の冷媒ガスが気液分離
器17に逆流することが阻止される。
【0097】また連通路55の冷媒ガス圧力は密閉容器
3の内部空間に通じる高段吐出室51の圧力よりも高
く,バイパス弁装置58の弁体58aがコイルバネ58
bの付勢力に抗してコイルバネ58bの方に移動してバ
イパス通路57を開通し、連通路55を通過する冷媒ガ
スの一部が高段吐出室51に流出して吸入室56の冷媒
ガス圧力が降下する。その結果、コイルバネ41のみの
付勢力に依存する高段圧縮要素9のベーン39は、圧力
上昇した冷媒ガスが急激に吸入室56に流入することに
より急激な後退の際に生じるジャンピング現象を起こす
ことなく、第2のピストン9bの外周面の運動に追従し
て後退し、ベーン39と第2のピストン9bとの衝突音
や圧縮ガス漏れを生ぜずに円滑な軽負荷圧縮作用を開始
する。
【0098】なお、低段圧縮要素7の吸入・圧縮作用開
始から60〜80度遅延して高段圧縮要素9の吸入・圧
縮作用が開始することから、低段圧縮室から低段吐出室
45に排出される冷媒ガス容積と高段圧縮要素9の吸入
室容積との間に過不足が生じ、その過不足量は駆動軸6
のクランク角度の進行と共に変化する。その結果、低段
吐出室45に排出される冷媒ガス量が不足するクランク
角度の範囲と余剰するクランク角度の範囲とが存在する
ことから、低段吐出室45および連通路55の冷媒ガス
に圧力脈動が生じる。この圧力脈動は駆動軸6の回転速
度が速い程激しく生じる傾向を示す。
【0099】高段吐出室51に排出された吐出冷媒ガス
は、環状通路53を経て消音室52に流入し、その後、
環状通路54を介して密閉容器3の内部空間に送出され
る。
【0100】圧縮機冷時始動後の時間経過と共に電動機
室8およびこれに通じる凝縮器13と気液分離器17の
圧力が上昇し、バイパス通路57内のバイパス弁装置5
8の弁体58aが高段吐出室51のガス圧と温度上昇に
よりそのバネ定数を増したコイルバネ58bにより付勢
されてバイパス通路57を閉じると共に、連通管59の
端部を閉塞していた弁体60が連通路55の方に移動し
て気液分離器17と連通路55との間が開通する。
【0101】また、吐出圧力が作用する湯溜35の潤滑
油は、高段圧縮要素9のコイルバネ41と共にベーン3
9の背面を背圧付勢すると共にベーン39の摺動面を潤
滑しながら摺動面隙間を介して吸入室56と圧縮室とに
微少量流入する。また潤滑油は、絞り通路部を有する油
インジェクション通路61の下流側通路B61bを通じ
て減圧されて圧縮室に間欠的に給油され、圧縮室隙間の
油膜密封と第2のピストン39の摺動面の潤滑に供され
る。
【0102】また油溜35の潤滑油は、絞り通路部を有
する油インジェクション通路61の下流側通路A61a
を介して低段圧縮要素7の吐出圧力相当にまで減圧され
た後、低段圧縮要素7のベーン38が第1のピストン7
bの側に約3分の1程度に前進した時点から再び3分の
1程度にまで後退する間に、下流側通路A61aの背面
室A44への開口部が開通して背面室A44に流入す
る。
【0103】背面室A44に流入した潤滑油は、ベーン
38の摺動面を潤滑すると共に、油戻し穴B49b,油
戻し穴A49aを介して低段吐出室45に流入し、吐出
冷媒ガスに混入して高段圧縮要素9の吸入室56に流入
する。高段圧縮要素9の吸入室56に流入した潤滑油
は、背面室B43と下流側通路61bを介して流入した
潤滑油と合流して圧縮室隙間の密封と摺動面の潤滑と冷
却に供される。また油溜35の潤滑油は、駆動軸6の表
面に設けられた螺旋状の油溝64による粘性ポンプ作用
と駆動軸6の下端に設けられたポンプ装置62とによっ
て、軸穴62や半径方向孔69を介して駆動軸6を支持
する下部軸受部材12,上部軸受部材11の軸受面と第
1のピストン7b,第2のピストン9bの内側面に給油
される。螺旋状の油溝64aに供給された潤滑油は、粘
性ポンプ作用によって上部軸受部材11の軸受上端から
消音室52に排出され、高段吐出室51から排出された
2段圧縮の高圧吐出ガスと混合の後、環状通路54を経
て電動機室8に排出される。
【0104】電動機室8で潤滑油を分離した吐出冷媒ガ
スは、吐出管7eを経て圧縮機外部の冷凍サイクルに送
出される。
【0105】凝縮器13,第1膨張弁15を経由して減
圧の後、低段圧縮要素7の吐出圧力相当にまで膨張した
未蒸発冷媒は、気液分離器17に流入の後、気体と液体
とに分離し、液化冷媒が気液分離器17の底部に収集す
る。
【0106】気液分離器17内上部空間の未蒸発冷媒ガ
スは、気液分離器17内の上部空間に開口する連通管5
9を介してローリングピストン型ロータリ式2段圧縮機
1内の連通路55に流入し、低段圧縮要素7の吐出冷媒
ガスと合流して低段吐出冷媒ガス温度を低下させた後、
高段圧縮要素9の吸入室56に流入する。
【0107】高段圧縮要素9の2段圧縮吐出冷媒ガス
は、気液分離器17の未蒸発冷媒ガスを吸入することに
よって異常温度上昇を抑制される。その結果、摺動部隙
間の縮小が少なくなると共に、電動機5の異常温度上昇
が抑制されて圧縮機入力が低減する。
【0108】一方、気液分離器17の底部に収集した液
化冷媒は、液管65を介して第2膨張弁19,蒸発器2
1を順次経由して第2回目の膨張と吸熱の後、再びアキ
ュームレータ2に帰還する。
【0109】なお、気液分離器17内の冷媒は、気液分
離器17の胴体外周部を囲むポリエチレン発泡部材によ
って断熱と防音がなされているので、気液分離器17に
冷媒が流入する際の冷媒と気液分離器内壁との衝突音が
外部に伝播するのを防ぐと共に、冷媒が吸熱することも
少ない。
【0110】次に、第2の実施例の動作を図7を参照し
ながら説明する。吐出圧力が作用する電動機室8底部の
油溜35の潤滑油は、絞り部を有する下流側通路C61
cを経由して減圧された後、低段圧縮要素7のベーン3
8の背面室A44に流入後、発泡状態でベーン38を背
面付勢すると共に、ベーン38の摺動面を潤滑する。背
面室A44の潤滑油は、常時開口する油戻し通路49
c,油戻し穴A49aを介して低段吐出室45に流出し
ていくが、その油面高さは常に(圧縮機運転中,停止中
いづれも)油戻し通路49cの上流開口端のレベルを確
保しており、潤滑油圧力は低段吐出室45の圧力に相当
している。
【0111】圧縮機が停止した後、再起動し、油溜35
の潤滑油圧力が再び下流側通路61cを通じて背面室A
44に差圧給油するまでの間は、圧縮機停止中に背面室
A44に残留する潤滑油に低段吐出室45からのガス圧
力が作用して、ベーン38の摺動面を潤滑する。
【0112】その他の動作は、第1の実施例の場合と同
様であり、その説明を省略する。次に、第3の実施例の
動作を図8,図9を参照しながら説明する。
【0113】駆動軸106の回転に追従して、第1のロ
ータ107b,第2のロータ109bのベーン溝68
a,68bに装着されたベーン138,139がその溝
内を往復運動しながら回転運動する。
【0114】ベーン138,139の往復運動によって
ベーン溝68a,68bの潤滑油はポンプ作用を受け
る。その時の発生圧力によってベーン138,139は
半径方向外側に背圧付勢され、シリンダ内を吸入室と圧
縮室とに区画することができ、冷媒ガスが吸入・圧縮作
用をうける。
【0115】吐出圧力の作用する油溜35の潤滑油は、
油インジェクション通路161の下流側のインジェクシ
ョン通路A161aを介して減圧された後、第1のロー
タ107bのベーン溝68aに間欠的に供給されると共
に、駆動軸106を貫通して設けられた軸穴162,半
径方向孔69,環状溝70を順次介して第2のロータ1
09bのベーン溝68bへは減圧されることもなく常時
供給される。
【0116】第1のロータ107bのベーン溝68aに
供給された冷媒ガスを含む発泡状態の潤滑油は、油戻し
穴B149b,油戻し穴A49aを介して間欠的に低段
吐出室45に流入するが、ベーン138が往復運動する
際のポンプ作用によって間欠的に適宜加圧され、ベーン
138摺動面への潤滑に供される。
【0117】なお、第2のロータ109bのベーン溝6
8bに供給された潤滑油は、油溜35と常時連通してお
り、ベーン139の往復運動によってポンプ加圧される
程度が小さい。
【0118】また油溜35の潤滑油は、油インジェクシ
ョン通路161の下流側のインジェクション通路B16
1bを介して減圧された後、高段圧縮要素109のシリ
ンダ内に間欠的に差圧給油され、圧縮室隙間の密封と摺
動面の潤滑に供される。
【0119】その他の動作については、第1の実施例の
場合と同様であるので、その説明を省略する。
【0120】次に、第4の実施例の動作を図10を参照
しながら説明する。2段圧縮機の運転によって第1のア
キュームレータ202に流入した冷媒ガスは、周期的な
圧力脈動を抑制されて吸入管202aを介して低段圧縮
要素207の吸入室に流入し、圧縮された後、高段圧縮
要素209の吸入側に順次送出される。第1のアキュー
ムレータ202の過給作用が抑制されているので、駆動
軸6の一回転当りの低段圧縮要素207への吸入気体容
積は、圧縮機運転速度が変動してもあまり変化せず、低
段吐出ガスが高段圧縮要素209のシリンダ容積に対し
てほぼ一定割合で送出される。この結果、低段吐出ガス
圧力は圧縮機運転速度が変動した場合でも異常圧力上昇
せずにほぼ一定を保ち、低段圧縮要素207の圧縮室で
の過圧縮を少なくする。
【0121】気液分離器(図示せず)から第2のアキュ
ームレータ202bに流入した未蒸発冷媒は、逆止弁装
置271を経由して高段圧縮要素209の吸入側に低段
吐出ガスと共に流入する。
【0122】一方、小内容積を有する低段吐出室245
に排出された低段吐出冷媒ガスは、潤滑油を分離するこ
となく拡散し、隣接する背面室A244に油溜35から
油インジェクション通路261を経て流入した潤滑油を
巻き込んで背面室A244の摺動面を潤滑の後、高段圧
縮要素209に送出される。
【0123】圧縮機停止後は、コイルバネ270の温度
が低下してそのバネ定数が増加し、弁体206を第2の
アキュームレータ202bの側へ移動させてその流入路
を塞ぎ、圧縮機停止中に第2のアキュームレータ202
bを経由して液冷媒が連通路255に流入するのを防
ぐ。
【0124】その他の動作については、第1の実施例の
場合と類似であるので、その説明を省略する。
【0125】以上のように上記実施例によれば、低段圧
縮要素7の吐出側と高段圧縮要素9の吸入側とを、連通
路55を介して直列接続した2段圧縮機構を構成し、高
段圧縮要素9から電動機5を収納する密閉容器3内の電
動機室8に圧縮ガスを排出させると共にその底部に油溜
35を配置し、連通路55と電動機室8との間にバイパ
ス通路57を形成し、バイパス通路57の途中には連通
路55の圧力が電動機室8の圧力よりも高い時に連通路
55から電動機室8へのみの開通を許容するバイパス弁
装置58を配置したことにより、圧縮機起動と同時に、
低段圧縮要素7に吸入された冷媒ガスが圧縮・吐出さ
れ、連通路55を介して高段圧縮要素9の吸入側に送出
される際に、連通路55を通過する冷媒ガス圧力が圧縮
機起動前の圧力に等しい密閉容器3内の電動機室8の圧
力よりも高いので、連通路55の冷媒ガスの一部がバイ
パス弁装置58を介して電動機室8に流出し、高段圧縮
要素9の吸入気体が圧力降下した状態で圧縮を開始させ
るので、起動初期の圧縮負荷が軽く、円滑な起動がで
き、振動・騒音を少なくすることができる。
【0126】また、2段圧縮・2段膨張冷凍サイクルで
冬期の給湯運転や空調暖房運転中に、吸熱機側熱交換器
の表面に着霜した際に吸熱機側への配管と放熱機側への
配管を電磁弁等で切り替えて除霜運転を開始した直後し
ばらくの間は、放熱機側の高圧の液冷媒が2段冷媒圧縮
機1の吸入側に多量流入して低段圧縮要素7の圧縮室で
液圧縮が生じ、連通路55の圧力が異常上昇する一方、
除霜運転への切り替えによって電動機室8の圧力が急低
下して連通路55と電動機室8との圧力が逆転する場合
も、バイパス通路57が開通して連通路55の圧力を下
げ、圧縮機の破損を回避することができる。
【0127】また上記実施例によれば、低段圧縮要素7
の吐出側と高段圧縮要素9の吸入側とを、連通路55を
介して直列接続した2段圧縮機構を構成し、高段圧縮要
素9から電動機5を収納する密閉容器3内の電動機室8
に圧縮ガスを排出させると共にその底部に油溜35を配
置し、連通路55と電動機室8との間にバイパス通路5
7を形成し、バイパス通路57の途中には連通路55の
圧力が電動機室8の圧力よりも高い時に連通路55から
電動機室8へのみの開通を許容するバイパス弁装置58
を配置すると共に、低段圧縮要素7と高段圧縮要素9の
各シリンダ内を前進・後退しつつ吸入室と圧縮室とに区
画するベーン38,39の背面室A44,背面室B43
に、吐出ガス圧力の作用する油溜35の潤滑油をそれぞ
れ減圧導入および直接導入してベーン室A44には低段
吐出圧力を、ベーン室B43には高段吐出圧力を背圧付
勢させたことにより、圧縮機起動後の時間経過と共に高
段吐出圧力が上昇して、電動機室8の底部の油溜35の
潤滑油をその背面に導入したベーン38,39が、シリ
ンダ内を吸入室と圧縮室とに区画し、その密封度合を次
第に高めていくので、起動時の密封度が悪く、起動初期
の圧縮室圧力があまり高くならずに円滑な起動ができ、
振動・騒音を少なくできる。
【0128】また、圧縮機起動と同時に、低段圧縮要素
7に吸入された冷媒ガスが圧縮・吐出され、連通路55
を介して高段圧縮要素9の吸入側に送出される際に、連
通路55を通過する低段吐出圧力が圧縮機起動前の圧力
に等しい電動機室8の圧力よりも高いので、連通路55
の冷媒ガスの一部がバイパス弁装置58を介して電動機
室8に流出し、高段圧縮要素9の吸入気体が圧力降下し
た状態で圧縮を開始させると共に、潤滑油による背面付
勢力の小さいベーン39が圧縮室圧力によって後退し、
第2のピストン9bから僅かに離れて圧縮室の密封度合
を弱めるので、圧縮負荷を更に軽くでき、より一層静粛
な起動運転が実現できる。
【0129】また上記実施例によれば、低段圧縮要素7
の吐出側と高段圧縮要素9の吸入側とを、連通路55を
介して直列接続した2段圧縮機構を構成し、高段圧縮要
素9から電動機5を収納する密閉容器3内の電動機室8
に圧縮ガスを排出されると共にその底部に油溜35を配
置し、連通路55と電動機室8との間にバイパス通路5
7を形成し、バイパス通路57の途中には連通路55の
圧力が電動機室8の圧力よりも高い時に連通路55から
電動機室8へのみの開通を許容するバイパス弁装置58
を配置すると共に、バイパス通路57を高段圧縮要素9
の吐出室51に連通させたことにより、連通路55の冷
媒ガスが異常圧力上昇した際にその一部がバイパス弁装
置57を介して高段圧縮要素9の吐出室51に流入し、
高段圧縮要素9のシリンダで圧縮された吐出気体と合流
して、電動機室8に排出する通常の吐出ガス流れを形成
するので、連通路55の異常圧力上昇を抑制して圧縮負
荷を軽減させることができると共に、バイパス通路57
から排出した冷媒ガスが電動機室8の底部の油溜35の
潤滑油を拡散させる事もなく、圧縮機外の配管系への潤
滑油流出を防止して潤滑油不足に起因する摺動部耐久性
の低下を防止することができる。
【0130】また上記実施例によれば、低段圧縮要素7
の吐出側と高段圧縮要素9の吸入側とを、連通路55を
介して直列接続した2段圧縮機構を構成し、高段圧縮要
素9から電動機5を収納する密閉容器3内の電動機室8
に圧縮ガスを排出させると共にその底部に油溜35を配
置し、連通路55と電動機室8との間にバイパス通路5
7を形成し、バイパス通路57の途中には連通路55の
圧力が電動機室8の圧力よりも高い時に連通路55から
電動機室8へのみの開通を許容するバイパス弁装置58
を配置すると共に、そのバイパス弁装置58の弁体58
aを弁座の側に押圧する付勢力をコイルバネ58bによ
り作用させたことにより、連通路55の異常圧力上昇を
抑制して圧縮負荷を軽減させることができると共に、連
通路55の冷媒ガスに多少の圧力脈動が生じても、不要
なバイパス通路57の開通に起因して電動機室8から吐
出冷媒ガスが連通路55へ逆流するのを防止して、2段
圧縮運転を安定化させ、騒音・振動の低減と高効率運転
を継続させることができる。
【0131】また上記実施例によれば、低段圧縮要素7
の吐出側と高段圧縮要素9の吸入側とを、連通路55を
介して直列接続した2段圧縮機構を構成し、高段圧縮要
素9から電動機5を収納する密閉容器3内の電動機室8
に圧縮ガスを排出させると共にその底部に油溜35を配
置し、連通路55と電動機室8との間にバイパス通路5
7を形成し、バイパス通路57の途中には連通路55の
圧力が電動機室8の圧力よりも高い時に連通路55から
電動機室8へのみの開通を許容するバイパス弁装置58
を配置すると共に、そのバイパス弁装置58の弁体58
aを弁座の側に押圧する付勢力をコイルバネ58bによ
り作用させ、且つそのコイルバネ58bには、それ自身
の温度が上昇するとその付勢力を増し、それ自身の温度
が下降するとその付勢力を減少する形状記憶特性を具備
させたことにより、冷時起動初期は弁体58aを弁座の
側に押圧するコイルバネ58bの付勢力が小さく、コイ
ルバネ58bが温度上昇してその付勢力が大きいので、
冷時起動初期に連通路55が異常圧力上昇する際のバイ
パス通路57の開通を速めて圧縮負荷軽減を速くするこ
とができ、また、安定運転時には、電動機室8から吐出
冷媒ガスが連通路55へ漏洩するのを阻止して、圧縮効
率の低下を防止することができる。
【0132】また上記実施例によれば、低段圧縮要素7
の吐出側と高段圧縮要素9の吸入側とを、連通路55を
介して直列接続した2段圧縮機構を構成し、高段圧縮要
素9から電動機5を収納する密閉容器3内の電動機室8
に圧縮ガスを排出させると共にその底部に油溜35を配
置し、連通路55と電動機室8との間にバイパス通路5
7を形成し、バイパス通路57の途中には連通路55の
圧力が電動機室8の圧力よりも高い時に連通路55から
電動機室8へのみの開通を許容するバイパス弁装置58
を配置すると共に、そのバイパス弁装置58の弁体58
aの背面に高段圧縮要素9の吐出室51の圧力を作用さ
せ、弁体58aを弁座の側に押圧させたことにより、起
動初期は弁体58aを弁座の側に押圧する付勢力がコイ
ルバネ58bのみに依存し、安定運転時はコイルバネ5
8bの付勢力に加えて吐出室51の圧力が弁体58aの
背面に作用するので、起動初期に連通路55が異常圧力
上昇する際のバイパス通路57の開通が速く、圧縮負荷
軽減を速くすることができると共に、圧縮機起動後の高
段吐出圧力上昇に追従して圧縮負荷軽減を漸次弱めるこ
とができるので、起動から安定運転領域までの円滑な負
荷制御が可能となり耐久性を向上することができる。特
に、高圧縮比運転時には、高圧吐出冷媒ガスが弁体58
aの背面を弁座の側に強く押圧してバイパス弁装置58
の遮断性を更に良くし、吐出室51から連通路55への
漏洩ガス量を少なくして、バイパス通路57を設けるこ
とによる圧縮効率低下を防止することができる。
【0133】また上記実施例によれば、低段圧縮要素7
の吐出側と高段圧縮要素9の吸入側とを、連通路55を
介して直列接続した2段圧縮機構を構成し、高段圧縮要
素9から電動機5を収納する密閉容器3内の電動機室8
に圧縮ガスを排出させると共にその底部に油溜35を配
置し、連通路55と電動機室8との間にバイパス通路5
7を形成し、バイパス通路57の途中には連通路55の
圧力が電動機室8の圧力よりも高い時に連通路55から
電動機室8へのみの開通を許容するバイパス弁装置58
を配置すると共に、そのバイパス通路57に続く下流側
に高段圧縮要素9の吐出室51を配置したことにより、
連通路55の異常圧力上昇を抑制して圧縮負荷を軽減さ
せることができると共に、連通路55の冷媒ガスがバイ
パスする際の膨張音はバイパス冷媒ガスが吐出室51を
経由する間に減衰するので、電動機室8への伝播音が少
なくなり、その結果、圧縮負荷軽減のためのバイパス作
用に起因する騒音発生を抑制することができる。
【0134】なお、上記実施例では2段圧縮機について
説明したが、3段圧縮以上の圧縮機についても実施例図
を応用展開した構成で同様の作用・効果が期待できる。
【0135】また、上記実施例では高段吐出ガス圧力の
作用する潤滑油を密閉容器内部に収集する構成とした
が、密閉容器の大きさや油分離能力等の都合によって、
圧縮機外に設けた吐出側の油分離装置に潤滑油を収集
し、そこから圧縮機内部に導入する給油通路を構成して
もよい。
【0136】また、上記実施例では冷媒圧縮機について
説明したが、他の気体(例えば、酸素,窒素,ヘリウ
ム,空気など)を圧縮する多段気体圧縮機の場合も同様
な作用・効果を生じるものである。
【0137】
【発明の効果】上記実施例より明らかなように本発明
は、複数の圧縮要素の内の低段側圧縮要素の吐出側と高
段側圧縮要素の吸入側とを、順次、連通路を介して直列
接続した多段圧縮機構を構成し、最終段圧縮要素から吐
出ガス排出空間に圧縮ガスを排出させると共にその底部
に油溜を配置し、連通路と吐出ガス排出空間またはそれ
に通じる空間との間にバイパス通路を形成し、バイパス
通路の途中には連通路の圧力が吐出ガス排出空間圧力よ
りも高い時に連通路から吐出ガス排出空間またはそれに
通じる空間へのみの開通を許容するバイパス弁装置を配
置したことにより、圧縮機起動と同時に、低段側圧縮要
素に吸入された冷媒ガスが圧縮・吐出され、連通路を介
して高段側圧縮要素の吸入側に送出される際に、連通路
を通過する気体の圧力が圧縮機起動前の圧力に等しい吐
出ガス排出空間またはそれに通じる空間の圧力よりも高
いので、連通路の気体の一部がバイパス弁装置を介して
吐出ガス排出空間またはそれに通じる空間に流出し、高
段側圧縮要素の吸入気体が圧力降下した状態で圧縮を開
始させるので、起動初期の圧縮負荷が軽く、円滑な起動
ができ、振動・騒音を少なくすることができる。
【0138】また本発明は、複数の圧縮要素の内の低段
側圧縮要素の吐出側と高段側圧縮要素の吸入側とを、順
次、連通路を介して直列接続した多段圧縮機構を構成
し、最終段圧縮要素から吐出ガス排出空間に圧縮ガスを
排出させると共にその底部に油溜を配置し、連通路と吐
出ガス排出空間またはそれに通じる空間との間にバイパ
ス通路を形成し、バイパス通路の途中には連通路の圧力
が吐出ガス排出空間圧力よりも高い時に連通路から吐出
ガス排出空間またはそれに通じる空間へのみの開通を許
容するバイパス弁装置を配置すると共に、圧縮要素の各
シリンダ内を前進・後退しつつ吸入室と圧縮室とに区画
するベーンの背面室に、最終段圧縮要素から排出され且
つその吐出ガスから分離した潤滑油を導入してベーンを
背圧付勢させたことにより、圧縮機起動後の時間経過と
共に最高段吐出圧力が上昇して、吐出ガス排出空間の底
部の油溜の潤滑油をその背面に導入した各ベーンが、各
シリンダ内を吸入室と圧縮室とに区画し、その密封度合
を次第に高めていくので、起動時の密封度を悪くさせ、
起動初期の圧縮室圧力をあまり高くさせずに円滑な起動
ができ、振動・騒音を少なくできる。
【0139】また、圧縮機起動と同時に、低段側圧縮要
素に吸入された気体が圧縮・吐出され、連通路を介して
高段側圧縮要素の吸入側に送出される際に、連通路を通
過する低段側吐出圧力が圧縮機起動前の圧力に等しい吐
出ガス排出空間の圧力よりも高いので、連通路の気体の
一部がバイパス弁装置を介して吐出ガス排出空間に流出
し、高段側圧縮要素の吸入気体が圧力降下した状態で圧
縮を開始させると共に、潤滑油による背面付勢力の小さ
いベーンが圧縮室圧力によって後退し、圧縮室の密封度
合を弱めるので、圧縮負荷を更に軽くでき、より一層静
粛な起動運転が実現できる。
【0140】また本発明は、複数の圧縮要素の内の低段
側圧縮要素の吐出側と高段側圧縮要素の吸入側とを、順
次、連通路を介して直列接続した多段圧縮機構を構成
し、最終段圧縮要素から吐出ガス排出空間に圧縮ガスを
排出させると共にその底部に油溜を配置し、連通路と吐
出ガス排出空間またはそれに通じる空間との間にバイパ
ス通路を形成し、バイパス通路の途中には連通路の圧力
が吐出ガス排出空間圧力よりも高い時に連通路から吐出
ガス排出空間またはそれに通じる空間へのみの開通を許
容するバイパス弁装置を配置すると共に、バイパス通路
を高段側圧縮要素の吐出室に連通させたことにより、連
通路の気体が異常圧力上昇した際にその一部がバイパス
弁装置を介して高段側圧縮要素の吐出室に流入し、高段
側圧縮要素のシリンダで圧縮された吐出気体と合流し
て、吐出ガス排出空間またはそれに通じる空間に排出す
る通常の吐出ガス流れを形成するので、連通路の異常圧
力上昇を抑制して圧縮負荷を軽減させることができると
共に、バイパス通路から排出した気体が吐出ガス排出空
間の底部の油溜の潤滑油を拡散させる事もなく、圧縮機
外の配管系への潤滑油流出を防止して潤滑油不足に起因
する摺動部耐久性の低下を防止することができる。
【0141】また本発明は、複数の圧縮要素の内の低段
側圧縮要素の吐出側と高段側圧縮要素の吸入側とを、順
次、連通路を介して直列接続した多段圧縮機構を構成
し、最終段圧縮要素から吐出ガス排出空間に圧縮ガスを
排出させると共にその底部に油溜を配置し、連通路と吐
出ガス排出空間またはそれに通じる空間との間にバイパ
ス通路を形成し、バイパス通路の途中には連通路の圧力
が吐出ガス排出空間圧力よりも高い時に連通路から吐出
ガス排出空間またはそれに通じる空間へのみの開通を許
容するバイパス弁装置を配置すると共に、そのバイパス
弁装置の弁体を弁座の側に押圧する付勢力をバネ装置に
より作用させることにより、連通路の異常圧力上昇を抑
制して圧縮負荷を軽減させることができると共に、連通
路の気体に多少の圧力脈動が生じても、不要なバイパス
通路の開通に起因して吐出ガス排出空間から吐出気体が
連通路へ逆流するのを防止して、多段圧縮運転を安定化
させ、騒音・振動の低減と高効率運転を継続させること
ができる。
【0142】また本発明は、複数の圧縮要素の内の低段
側圧縮要素の吐出側と高段側圧縮要素の吸入側とを、順
次、連通路を介して直列接続した多段圧縮機構を構成
し、最終段圧縮要素から吐出ガス排出空間に圧縮ガスを
排出させると共にその底部に油溜を配置し、連通路と吐
出ガス排出空間またはそれに通じる空間との間にバイパ
ス通路を形成し、バイパス通路の途中には連通路の圧力
が吐出ガス排出空間圧力よりも高い時に連通路から吐出
ガス排出空間またはそれに通じる空間へのみの開通を許
容するバイパス弁装置を配置すると共に、そのバイパス
弁装置の弁体を弁座の側に押圧する付勢力をバネ装置に
より作用させ、そのバネ装置は、それ自身の温度が上昇
するとその付勢力を増し、それ自身の温度が下降すると
その付勢力を減少する形状記憶特性を備えたことによ
り、冷時起動初期は弁体を弁座の側に押圧するバネ装置
の付勢力が小さく、バネ装置が温度上昇してその付勢力
が大きいので、冷時起動初期に連通路が異常圧力上昇す
る際のバイパス通路の開通を速めて圧縮負荷軽減を速く
することができ、また、安定運転時には、吐出ガス排出
空間から吐出気体が連通路へ漏洩するのを阻止して、圧
縮効率の低下を防止することができる。
【0143】また本発明は、複数の圧縮要素の内の低段
側圧縮要素の吐出側と高段側圧縮要素の吸入側とを、順
次、連通路を介して直列接続した多段圧縮機構を構成
し、最終段圧縮要素から吐出ガス排出空間に圧縮ガスを
排出させると共にその底部に油溜を配置し、連通路と吐
出ガス排出空間またはそれに通じる空間との間にバイパ
ス通路を形成し、バイパス通路の途中には連通路の圧力
が吐出ガス排出空間圧力よりも高い時に連通路から吐出
ガス排出空間またはそれに通じる空間へのみの開通を許
容するバイパス弁装置を配置すると共に、そのバイパス
弁装置の弁体の背面に吐出ガス排出空間またはそれに通
じる空間の圧力を作用させ、弁体を弁座の側に押圧させ
たことにより、起動初期は弁体を弁座の側に押圧する付
勢力がバネ装置のみに依存し、安定運転時はバネ装置の
付勢力に加えて吐出ガス排出空間またはそれに通じる空
間の圧力が弁体の背面に作用するので、起動初期に連通
路が異常圧力上昇する際のバイパス通路の開通が速く、
圧縮負荷軽減を速くすることができると共に、圧縮機起
動後の最高段吐出圧力上昇に追従して圧縮負荷軽減を漸
次弱めることができるので、起動から安定運転領域まで
の円滑な負荷制御が可能となり耐久性を向上することが
できる。特に、高圧縮比運転時には、高圧吐出気体が弁
体の背面を弁座の側に強く押圧してバイパス弁装置の遮
断性を更に良くし、吐出ガス排出空間またはそれに通じ
る空間から連通路への漏洩ガス量を少なくして、バイパ
ス通路を設けることによる圧縮効率低下を防止すること
ができる。
【0144】また本発明は、複数の圧縮要素の内の低段
側圧縮要素の吐出側と高段側圧縮要素の吸入側とを、順
次、連通路を介して直列接続した多段圧縮機構を構成
し、最終段圧縮要素から吐出ガス排出空間に圧縮ガスを
排出させると共にその底部に油溜を配置し、連通路と吐
出ガス排出空間またはそれに通じる空間との間にバイパ
ス通路を形成し、バイパス通路の途中には連通路の圧力
が吐出ガス排出空間圧力よりも高い時に連通路から吐出
ガス排出空間またはそれに通じる空間へのみの開通を許
容するバイパス弁装置を配置すると共に、そのバイパス
弁装置のすぐ下流側に高段側圧縮要素の吐出室を配置し
たことにより、連通路の異常圧力上昇を抑制して圧縮負
荷を軽減させることができると共に、連通路の気体がバ
イパスする際の膨張音はバイパス気体が吐出室を経由す
る間に減衰するので、吐出ガス排出空間への直接伝播音
が少なくなり、その結果、圧縮負荷軽減のためのバイパ
ス作用に起因する騒音発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における2段冷媒圧縮機
を使用した2段圧縮冷凍サイクルの配管系統図
【図2】同圧縮機の縦断面図
【図3】同圧縮機における圧縮要部断面図
【図4】同圧縮機に使用するバイパス弁の斜視図
【図5】図3におけるA−A線に沿った部分平面図
【図6】同圧縮機におけるバイパス弁装置と逆止弁装置
の作動状態を示した圧縮要部断面図
【図7】本発明の第2の実施例の2段冷媒圧縮機の圧縮
要部断面図
【図8】本発明の第3の実施例の2段冷媒圧縮機の縦断
面図
【図9】図8におけるB−B線に沿った部分断面図
【図10】本発明の第4の実施例の2段冷媒圧縮機の縦
断面図
【図11】従来の2段冷媒圧縮機を使用した2段圧縮冷
凍サイクルの配管系統図
【図12】同圧縮機における圧縮機構の平面説明図
【図13】同圧縮機における潤滑装置の詳細断面図
【図14】他の従来の2段圧縮機における圧縮タイミン
グの説明図
【図15】同圧縮機における圧縮要部断面図
【符号の説明】 3 密閉容器 5 電動機 7 低段圧縮要素 8 電動機室 9 高段圧縮要素 35 油溜 38,39 ベーン 43 背面室B 44 背面室A 51 吐出室 55 連通路 57 バイパス通路 58 バイパス弁装置 58a 弁体 58b コイルバネ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F04C 29/00 U 6907−3H

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の圧縮要素の内の低段側圧縮要素の吐
    出側と高段側圧縮要素の吸入側とを、順次、連通路を介
    して直列接続した多段圧縮機構を構成し、最終段圧縮要
    素から吐出ガス排出空間に圧縮ガスを排出させると共に
    その底部に油溜を配置し、前記連通路の途中と前記吐出
    ガス排出空間またはそれに通じる空間との間にバイパス
    通路を形成し、前記バイパス通路の途中には前記連通路
    の圧力が前記吐出ガス排出空間圧力よりも高い時に前記
    連通路から前記吐出ガス排出空間またはそれに通じる空
    間へのみの開通を許容するバイパス弁装置を備えた多段
    気体圧縮機。
  2. 【請求項2】圧縮要素の各シリンダ内を前進・後退しつ
    つ吸入室と圧縮室とに区画するベーンの背面室に、最終
    段圧縮要素から排出され且つその吐出ガスから分離した
    潤滑油を導入して前記ベーンを背圧付勢させた請求項1
    記載のバイパス弁装置を備えたベーン型回転式多段気体
    圧縮機。
  3. 【請求項3】バイパス通路を高段側圧縮要素の吐出室に
    連通させた請求項1記載のバイパス弁装置を備えた多段
    気体圧縮機。
  4. 【請求項4】バイパス弁装置の弁体を弁座の側に押圧す
    る付勢力をバネ装置により作用させた請求項1記載のバ
    イパス弁装置を備えた多段気体圧縮機。
  5. 【請求項5】バネ装置は、それ自身の温度が上昇すると
    その付勢力を増し、それ自身の温度が下降するとその付
    勢力を減少する形状記憶特性を備えた請求項4記載のバ
    イパス弁装置を備えた多段気体圧縮機。
  6. 【請求項6】バイパス弁装置の弁体の背面に密閉容器内
    の吐出ガス排出空間またはそれに通じる空間の圧力を作
    用させ、前記弁体を弁座の側に押圧させた請求項1記載
    のバイパス弁装置を備えた多段気体圧縮機。
  7. 【請求項7】バイパス通路のバイパス弁装置のすぐ下流
    側に高段側圧縮要素の吐出室を配置した請求項1記載の
    バイパス弁装置を備えた多段気体圧縮機。
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