JP3045961B2 - スクロール気体圧縮 - Google Patents

スクロール気体圧縮

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JP3045961B2 JP8153955A JP15395596A JP3045961B2 JP 3045961 B2 JP3045961 B2 JP 3045961B2 JP 8153955 A JP8153955 A JP 8153955A JP 15395596 A JP15395596 A JP 15395596A JP 3045961 B2 JP3045961 B2 JP 3045961B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスクロール圧縮機の
軸受部への給油装置と給油通路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】低振動、低騒音特性を備えたスクロール
圧縮機は、吸入室が外周部にあり、吐出ポートが渦巻の
中心部に設けられ、圧縮流体の流れが一方向で往復動式
圧縮機や回転式圧縮機のような流体を圧縮するための吐
出弁を必要とせず、吸入圧力と吐出圧力とで定まる運転
圧縮比に大きな変動がない場合には、圧縮室の吸入容積
と最終圧縮室容積とで定まる容積比を適切な値に設定す
ることにより、吐出脈動も小さくて大きな吐出空間を必
要としないことから、各分野への利用展開の実用化研究
が成されている。
【0003】しかし、圧縮室のシール部分が多いので圧
縮流体の漏れが多く、特に、家庭空調用冷媒圧縮機のよ
うな少排除容量のスクロール気体圧縮機の場合などは、
圧縮部の漏れ隙間を小さくするために渦巻部の寸法精度
を極めて高くする必要がある。
【0004】しかしながら、部品形状の複雑さに起因し
て、渦巻部寸法精度バラツキなどにより、スクロール気
体圧縮機のコストが高く、性能のバラツキも大きく、特
に圧縮機低速運転状態では、圧縮途中の気体漏れ率が多
く、圧縮効率が往復動式圧縮機や回転式圧縮機よりも低
いという欠点を有している。
【0005】そこで、この種の課題解決のための方策と
して、圧縮途中の気体漏れ防止のために渦巻部寸法精度
の適正化と、潤滑油を利用した油膜シール効果による圧
縮効率向上を期待することが大きく、特開昭57−83
86号公報にも記載されているように、圧縮途中の圧縮
室に潤滑油を適量注入し、潤滑油の油膜で圧縮室の隙間
を密封し、上記欠点を改善する提案が成されている。
【0006】特に、冷凍空調分野においてはスクロール
冷媒圧縮機の実用化がなされ、パッケージエアコン,チ
ラーユニット等の一吸入行程当りの冷媒容積が比較的大
きい中型〜大型クラスの圧縮機に関しては、種々の改良
がなされ既に量産化も実現している。
【0007】図24は、密閉ケース(チャンバー)内を
高圧空間とした構成の中型〜大型クラスのスクロール冷
媒圧縮機の一般的な構造例である。同図は、圧縮部と吐
出室1031が上部に、モータ(電動要素)が下部に、
油溜が底部に、圧縮機の最終出口である吐出配管104
2がモータ(電動要素)の近傍に配置された構成で、吐
出室1031で吐出冷媒ガスと潤滑油とが分離の後、潤
滑油は油抜き穴1035,1036を通してモータ(電
動要素)を収納する空間に戻り、底部の油溜に収集され
ると共に、吐出冷媒ガスは吐出室1031の上部から別
の通路を通してモータ(電動要素)を収納する空間を経
由の後、再び、吐出配管1042から排出される。ま
た、圧縮室の軸方向隙間を少なくするために、密閉ケー
ス(チャンバー)1013の底部の吐出圧力が作用する
潤滑油を駆動軸(クランクシャフト)1008の内部に
設けた揚油穴1019、駆動軸(クランクシャフト)1
008を支持し固定スクロール1003を固定した本体
フレーム(フレーム)1009の軸受の隙間、駆動軸
(クランクシャフト)1008のクランク軸部の隙間を
経由させて軸受摺動面を潤滑した後、旋回スクロール1
006の背面に設けた背圧室1025に、その経路途中
で減圧した中間圧力の潤滑油を流入させ、その中間圧力
の潤滑油とクランク軸上部の高圧の潤滑油とで旋回スク
ロール1006の背面を付勢する。それによって圧縮室
ガス圧力に抗して、旋回スクロール1006を固定スク
ロールから離れないように背圧付勢力が設定されてい
る。
【0008】背圧室1025の潤滑油は、旋回スクロー
ル1006の鏡板1004に設けられた背圧孔1017
を介して圧縮途中の圧縮室1015に流入の後、圧縮室
1015の隙間を密封しながら吸入冷媒ガスと共に圧縮
・吐出され、吐出室1031に吐出される構成である。
(特開昭56−165788号公報)。
【0009】
【発明が解決しょうとする課題】しかしながら上記の図
24のような構成は、以下に述べる課題があった。
【0010】課題の要旨は、圧縮機起動直後の軸受部へ
の給油が不足するというものである。
【0011】すなわち、圧縮部が上部に、油溜が底部に
配置されて、駆動軸(クランクシャフト)1008に係
合する各軸受部への給油を、吐出圧力の作用する油溜と
圧縮途中の圧縮室1015との間の差圧、および駆動軸
(クランクシャフト)1008に設けられた導油孔10
19の遠心ポンプ作用を利用して行う構成では、圧縮機
起動初期などのような、低速運転で吐出圧力が少ししか
上昇せず潤滑油温度が低い場合には、油溜の潤滑油圧力
よりも圧縮途中の圧縮室1015の圧力の方が高くて差
圧給油ができないこともある。また例え僅かな差圧があ
っても粘性の高い潤滑油が軸受摺動部の微小隙間を通過
することが困難である。また、圧縮室1015から背圧
室1025に導かれた圧縮ガスによって圧縮機起動初期
から旋回スクロール1006が固定スクロール1003
の側に押圧され、圧縮室1015の軸方向隙間も密封さ
れるので軸受摺動部に所要の圧縮負荷が生じるため、駆
動軸(クランクシャフト)1008に係合する摺動部に
焼付きを生じる。
【0012】なお、上記課題を解決する方策として、圧
縮機起動初期から容積型ポンプによって軸受摺動部に給
油する構成が図25に示す特開昭59−60092号公
報と図26〜図28に示す特開昭62−87693号公
報とで提案されている。前者の構成(図25)は、モー
タ(駆動電動機)の両側に配置されたスクロール圧縮機
構部とポンプハウジング1930とで支持された駆動軸
1906がポンプハウジング1930側端に配置された
容積型ポンプ装置(給油機構)1932を駆動すること
によって、吐出圧力が作用する密閉ケース(ハウジン
グ)1901内底部(油溜り室)1944の潤滑油を駆
動軸1906内に設けた送油路1945を経由して駆動
軸1906を支持する主軸受(軸受孔)1905と旋回
軸受(偏心穴)1911および旋回スクロール1912
の反圧縮室側に供給の後、再び密閉ケース(ハウジン
グ)1901内底部に帰還させるもので、低速運転時で
も駆動軸1906の軸受摺動部と旋回スクロール191
2の反圧縮室側への充分な給油ができる。しかしなが
ら、容積型ポンプ装置(給油機構)1932を配設する
ためにはポンプハウジング1930の設置が不可欠で、
給油のために極めて高いコストを要する課題が生じる。
【0013】また、容積型ポンプ装置(給油機構)19
32が駆動軸1906の反圧縮室の端部に配設されてお
り、容積型ポンプ装置(給油機構)1932から駆動軸
19069の圧縮室側軸受摺動部までの給油通路が長い
ので、圧縮機低速起動直後の給油立ち上がり遅れが生
じ、駆動軸1906の圧縮室側軸受摺動部(軸受孔19
05と偏心穴1911)に焼き付きを招く場合がある。
【0014】また、容積型ポンプ装置(給油機構)19
32から排出された潤滑油がモータ(駆動電動機)のロ
ータ1909の内側を通過する際にモータ発熱により加
温されて潤滑油特性の劣下を招いた状態で、軸受負荷が
大きい駆動軸1906の圧縮室側軸受摺動部(軸受孔1
905と偏心穴1911)に供給されるので、軸受摺動
部(軸受孔1905と偏心穴1911)の摩擦損失が大
きく、圧縮機入力の増加を招くという課題があった。
【0015】一方、後者の構成(図26〜図28)は、
密閉ケース(密閉容器)2107内が低圧で、旋回スク
ロール2102の軸2102cの端部と摺動係合する駆
動軸2105の偏心穴2105aの底との間に容積型ポ
ンプ装置(トロコイド形ポンプ)2109を配置し、密
閉ケース(密閉容器)2107の底部の潤滑油を駆動軸
2105内に設けた給油孔2105cを経由して吸い上
げ、駆動軸2105端部の軸受摺動面に給油した後、再
び密閉ケース(密閉容器)2107k底部に帰還させる
と共に、その経路途中で潤滑油の一部を、旋回スクロー
ル2102に作用する圧縮室圧力荷重を支持すべく配置
されたスラスト軸受(軸受)2106dと、旋回スクロ
ール2102に設けられた通路2102aとを順次経由
して、固定スクロール2101に設けられた吸入口21
03cに通じる吸入室に供給するもので、容積型ポンプ
装置(トロコイド形ポンプ)2109を簡単配置するこ
とができる。しかしながら、容積型ポンプ装置(トロコ
イド形ポンプ)2109の吸い込み側の給油孔2105
cがモータ2108に連結する駆動軸2105内を貫通
して設けているので、吸い込み通路が長く、圧縮機低速
起動直後の給油立ち上がり遅れが生じる。また、吸い込
み通路途中の潤滑油がモータ2108による温度上昇の
影響を受けるので、軸受摺動部の摩擦損失が大きく、圧
縮機入力の増加を招くという上記同様の課題があった。
【0016】なお、容積型ポンプ装置を配設して駆動軸
を貫通しない給油通路を設けた構成が図29〜図31に
示す特開昭63−205490号公報で提案されてい
る。
【0017】この構成は、駆動軸3005と旋回スクロ
ール3702とが摺動係合する旋回軸受(偏心穴)30
05b内の底部に、駆動軸3005cの回転により作動
する容積型ポンプ装置(トロコイド型ポンプ)3009
を配設し、この容積型ポンプ装置(トコロコイド型ポン
プ)3009により、密閉ケース(密閉容器)3007
内底部の吸入圧力の作用する潤滑油をモータ3008の
ロータ内を通過させずに駆動軸3005の圧縮室側軸受
摺動部を経由して吸い上げ、排出した潤滑油を再び密閉
ケース(密閉容器)3007内底部に戻す軸受給油通路
を形成する。
【0018】しかしながらこの構成では、容積型ポンプ
装置(トコロコイド型ポンプ)3009から排出した潤
滑油が旋回軸受(偏心穴)3005bの摺動面に通じて
いるので、容積型ポンプ装置(トロコイド型ポンプ)3
009の吸い込み側と排出側とが短絡し、特に圧縮機低
速運転時には、容積型ポンプ装置(トロコイド型ポン
プ)3009の給油能力が著しく低下するので、実質的
に容積形ポンプ装置(トロコイド型ポンプ)3009の
機能を発揮しないという課題があった。
【0019】本発明はこのような従来の課題を解決する
ものであり、低コストで且つ、軸受摺動部への実質的に
給油効率の高いポンプ構成を実現することを目的とす
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、駆動軸により直接駆動され作動する容積型
ポンプ装置を配置し、その容積型ポンプ装置によって圧
縮機内油溜の潤滑油を、吸い込み・排出し、再び、圧縮
機内油溜に戻す一方、その経路途中に主軸受と旋回軸受
の軸受摺動部を配置した軸受給油通路を設けた構成にお
いて、吐出室油溜の潤滑油を容積型ポンプ装置の排出側
から分岐減圧して圧縮室と吸入室のいずれか一方に供給
することにより、容積型ポンプ装置の排出側の潤滑油圧
力上昇を抑制してポンプ給油効率高めるものである。
【0021】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、駆動軸
により駆動され作動する容積型ポンプ装置を配置し、容
積型ポンプ装置によって密閉ケース内に配置した吐出室
油溜の潤滑油を、吸い込み・排出し、再び、吐出室油溜
に戻す軸受給油通路を形成し、吐出室油溜の潤滑油を軸
受給油通路の途中で且つ容積型ポンプ装置排出側から分
岐減圧して、圧縮室と吸入室のいずれか一方に供給する
差圧給油通路を設けたものである。そしてこの構成によ
れば、容積型ポンプ装置の給油ヘッド損失が小さくな
り、ポンプ入力の低減と給油量を増加させることができ
る。
【0022】請求項2に記載の発明は、旋回スクロール
に係合すべく駆動軸に設けたクランク軸の端部の駆動端
軸と、旋回軸受の底との間に、駆動軸の回転により駆動
され作動する容積型回転式ポンプ装置を配置し、容積型
ポンプ装置および駆動軸よりも熱伝導率が良く且つ熱膨
張係数の大きい材質で旋回スクロールを構成したもので
ある。そしてこの構成によれば、圧縮機高速運転に伴う
容積型回転式ポンプ装置の温度上昇時にも、容積型回転
式ポンプ装置を配設するハウジング部と容積型回転式ポ
ンプ装置との隙間の異常減少を回避させることができ
る。
【0023】請求項3に記載の発明は、容積型回転式ポ
ンプ装置を旋回スクロールのラップ支持円盤内に配置し
たものである。そしてこの構成によれば、旋回スクロー
ルを含めた旋回運動体部材の重心位置を圧縮室に近付
け、旋回スクロールの旋回運動安定化を図ることができ
る。
【0024】請求項4に記載の発明は、容積型ポンプ装
置および容積型ポンプ装置の吸い込み側の通路を油溜の
油面よりも低い位置に配置させる一方、主軸受と旋回軸
受の摺動面に螺旋状の油溝を設けて容積型ポンプ装置の
給油能力を助成できるネジポンプ手段を配置すると共
に、容積型ポンプ装置の排出側の潤滑油の一部を減圧し
て圧縮室または吸入室に差圧給油したものである。そし
てこの構成によれば、容積型ポンプ装置の吸い込みと排
出が容易になり、圧縮機低速運転時の給油量増加を図る
ことができる。
【0025】請求項5に記載の発明は、ラップ支持円盤
の反圧縮室側に、固定スクロールに向かって旋回スクロ
ールに軸方向力を作用させるための背圧室と、背圧室の
内側に区画配設されて主軸受と旋回軸受に隣接し且つ軸
受給油通路の一部を形成すべく配設された油室と前記
ラップ支持円盤に隣接して配置し、背圧室は、ラップ支
持円盤と摺接可能に配置された鏡板と、スラスト軸受を
配設した本体フレームとによって形成され、圧縮室と吸
入室のいずれか一方と軸受給油通路との間の差圧給油通
路の途中に、背圧室を配置したものである。そしてこの
構成によれば、旋回スクロールを圧縮室圧力によってス
ラスト軸受側に押圧させるスラスト荷重が背圧室の潤滑
油圧力(低圧〜中圧)と油室の高圧潤滑油圧力との合成
力によって相殺軽減できる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例のスクロール冷媒圧縮
機について図面を参照して説明する。
【0027】(実施例1) 図1〜図15において、1は鉄製の密閉ケースで、その
内部が旋回スクロール318と噛み合って圧縮室を形成
する固定スクロール15をボルト固定し且つ駆動軸30
4を支持する本体フレーム305により、上側のモータ
室6と下側のアキュームレータ室46とに仕切られてい
る。
【0028】モータ室6は高圧雰囲気で、上部にモータ
3、下部に圧縮部を配置し、モータ3の回転子3aを連
結固定した駆動軸304を支持する本体フレーム305
は、摺動特性と溶接性に優れた共晶黒鉛鋳鉄製で、その
外周面部に設けられた突起条部79aが上部密閉ケース
1aと下部密閉ケース1bの内壁面と端面とに当接して
おり、突起条部79aと上部密閉ケース1aと下部密閉
ケース1bとが単一の溶接ビード79bによって密封溶
接されている。
【0029】駆動軸304は本体フレーム305の上端
部に設けられた上部軸受311,中央部に設けられた主
軸受312,本体フレーム305の上端面に設けられ且
つ放射状の複数の浅溝7を有するスラスト軸受部313
とで支持され、駆動軸304の主軸から偏心した下端部
のクランク軸314が旋回スクロール318に設けられ
た旋回ボス部318eの旋回軸受318bに係合してい
る。
【0030】固定スクロール15は、その熱膨張係数が
純アルミニウムと共晶黒鉛鋳鉄との中間の値に相当する
高珪素アルミニウム合金製で、図14に示すような渦巻
状の固定スクロールラップ15aと鏡板15bから成
り、鏡板15bの中央部には、固定スクロールラップ1
5aの巻始め部で開口する吐出ポート16がモータ室6
に開通する吐出通路80に連通して設けられ、固定スク
ロールラップ15aの外周部には吸入室17が設けられ
ている。
【0031】反旋回スクロール側の鏡板15b上には、
吐出ポート16を覆うように逆止弁装置50が取り付け
られ、その逆止弁装置50は図3〜図6で詳描するよう
に、その外周部を数箇所切り欠いた形状の薄板鋼板から
成る弁体50b(または不連続な環状穴50eaを有す
る弁体50e)と、逆止弁穴50aと中央穴50gとそ
の周りの複数の吐出小穴50hを有した弁ケース99
と、弁体50bと弁ケース99との間に介在するバネ装
置50cとから成る。バネ装置50cは、それ自身の温
度が50℃を超えると収縮し、それ自身の温度が50℃
以下で伸長する形状記憶特性を有するもので、圧縮機運
転中は吐出冷媒ガス圧を受けて逆止弁穴50aの底面ま
で収縮し、それ自身の温度が50℃以下の状態にある圧
縮機停止中は吐出ポート16を塞ぐべく弁体50を鏡板
15bに押圧するように設定されている。
【0032】図1および図14に示すように、固定スク
ロールラップ15aに噛み合って圧縮室側壁を形成する
渦巻状の旋回スクロールラップ318aと、駆動軸30
4のクランク軸314に係合した旋回ボス部318eを
直立させたラップ支持円盤318cとから成るアルミニ
ウム合金製の旋回スクロール318は、固定スクロール
15と本体フレーム305とに囲まれて配置されてお
り、ラップ支持円盤318cおよび旋回スクロールラッ
プ318aの表面は多孔質ニッケルメッキなどの硬化処
理が成されている。図3に示すように、旋回スクロール
ラップ318aの先端には渦巻状のチップシール溝98
が設けられて、そのチップシール溝98には樹脂製のチ
ップシール98aが微少隙間を有して装着されている。
旋回スクロール318が固定スクロール15の軸方向側
に押圧されたとき、ラップ支持円盤318cの平面部は
固定スクロールラップ15aの先端に接するが、旋回ス
クロールラップ318aの先端は固定スクロール15に
接することなく数ミクロン程度の微少距離を保ってい
る。
【0033】吐出通路80(図1参照)は、逆止弁装置
50を覆うように鏡板15b上に取り付けられた吐出カ
バー2aと鏡板15bによって形成される吐出室2,固
定スクロール15に設けられたガス通路B80b,本体
フレーム305に設けられたガス通路A80a,主軸受
312を囲うように本体フレーム305に取り付けられ
た吐出ガイド81と本体フレーム305によって形成さ
れる吐出チャンバー2bとから成り、ガス通路A80
a,ガス通路B80bはそれぞれ対称位置に設けられて
いる(図14参照)。
【0034】吐出ガイド81の上面には図7のように、
多数の小穴81aが設けられている。
【0035】冷凍サイクルの蒸発器側に通じるアキュー
ムレータ室46は、下部密閉ケース1bと固定スクロー
ル15と本体フレーム305とで形成され、それに連通
する吸入管47が下部密閉ケース1bの側面に設けら
れ、その吸入管47に対向する位置からそれぞれ約90
度隔てた位置の2箇所で吸入穴43が固定スクロール1
5に設けられている(図14参照)。
【0036】アキュームレータ室46の底部の低圧油溜
46aと吸入穴43とは吐出カバー2aに設けられた油
吸い込み穴A9a,固定スクロール15に設けられた細
径の油吸い込み穴B9bとで連通しており、これら油吸
い込み穴(9a,9b)は低圧油溜46aに滞溜してい
る冷媒液や潤滑油が吸入穴43を冷媒ガスが通過する際
の負圧発生によって吸い上げられるように設定されてい
る。
【0037】本体フレーム305に固定された割りピン
形の平行ピン19によって回転方向の移動を拘束されて
軸方向にのみ移動が可能な平板形状のスラスト軸受22
0は、ラップ支持円盤318cと本体フレーム305と
の間に配置されており、スラスト軸受220と本体フレ
ーム305との間に介在する環状のシールリング(ゴム
製)70(図12参照)の弾性力によって本体フレーム
305と固定スクロール15との間の鏡板取り付け面1
5b1に当接している。
【0038】旋回スクロール318のラップ支持円盤3
18cに摺接する鏡板摺動面15b2から鏡板取り付け
面15b1迄の高さはラップ支持円盤318cの油膜に
よる摺動部のシール性向上のために、ラップ支持円盤3
18cの厚さよりも約0.015〜0.020mm大き
く設定されている。
【0039】図1、図8に示すように、旋回スクロール
318の旋回ボス部318eの本体フレーム305側端
面には旋回軸受318bの中心と同芯の環状シール溝9
5が設けられ、その環状シール溝95には、図9に示す
ような、その一部を切断して切口94bを有し、柔軟性
を有する樹脂製の環状リング94が装着されている。環
状リング94の外周面は、圧縮機運転時に環状リング9
4の熱膨張と環状リング94の内側の潤滑油圧力によっ
て、環状シール溝95の側面に密接すると共に、環状リ
ング94の外周面に対して傾斜角度を有する切口94b
が互いに密着すべく配置されている。環状リング94
は、駆動軸304を支持する主軸受312の側の油室A
378aから旋回スクロール318,本体フレーム30
5,スラスト軸受220によって形成される旋回スクロ
ール318の背圧室339への過剰な漏洩を防ぐように
シールしている。
【0040】環状のスラスト軸受220は穴成形が容易
な焼結合金製で、図11,図13で示すように、割りピ
ン19が可動挿入される2つのガイド穴93と環状油溝
92,浅溝291とを有しており、本体フレーム305
のスラストリング溝90に装着されている。
【0041】本体フレーム305とスラスト軸受220
との間には約0.05mm程度のレリース隙間27が設
けられ、レリース隙間27の内側と外側にはシールリン
グ70を装着する環状溝28が設けられている。シール
リング70はレリース隙間27と背圧室339との間を
シールしている。
【0042】レリース隙間27は、本体フレーム305
に設けられたスラスト背圧導入穴A89aと固定スクロ
ール15に設けられたスラスト背圧導入穴B89bとに
よって、最終圧縮行程の第3圧縮室60b(図14参
照)に連通している。
【0043】図1、図2に示すように、スラスト軸受2
20の内側に配置された旋回スクロール318の自転阻
止部材(以下、オルダムリングと称する)24は、焼結
成形や射出成形工法などに適した軽合金や強化繊維複合
材から成り、平らなリングの両面に互いに直交する平行
キー形状のキー部を備えたもので、上面側のキー部は本
体フレーム305に設けられたキー溝71aに、下面側
のキー部はラップ支持円盤318cに設けられたキー溝
71に係合し、摺動する。
【0044】オルダムリング24のリングの厚さはオル
ダムリング24が往復運動する際に、本体フレーム30
5とラップ支持円盤318cとの間で円滑に摺動し且つ
ジャンピング現象が生じないように設定されている。
【0045】上部密閉ケース1aの上端壁の外周部には
吐出管31、中央部にはモータ電源接続用のガラスター
ミナル88が取り付けられている。
【0046】吐出管31およびガラスターミナル88の
側とモータ3の側とを上部密閉ケース1aに取り付けら
れた油セパレータ87が仕切っている。駆動軸304の
段付き部によって軸方向に位置決めされたモータ3の回
転子3aは上部バランスウエイト75と共に駆動軸30
4にボルト固定され、上部バランスウエイト75は円盤
形状を成し、その外径は回転子3aの外径より大きく設
定されている。
【0047】回転子3aの下端に取り付けられた下部バ
ランスウエイト76と吐出ガイド81との間には本体フ
レーム305に取り付けられた遮閉板86が下部バラン
スウエイトに接近して配置されている。
【0048】モータ室6の下部に設けられた吐出室油溜
34は、モータ3の固定子3bの外周の一部を切り欠い
て設けた冷却通路35によりモータ室6の上部と連通さ
れている。
【0049】また、吐出室油溜34は、本体フレーム3
05に設けられた油穴A338aを介して主軸受312
と旋回軸受318bとの中間位置の油室A378aにも
通じている。
【0050】図1、図8に示すように、駆動軸304の
摺動軸部304aおよびクランク軸314の表面には、
駆動軸304が正回転する時、油室A378aの潤滑油
が旋回軸受318bとクランク軸314とで形成される
油室B378bおよびモータ3側にネジポンプ給油され
る方向に螺旋状油溝341a,341bが設けられて、
その上端はスラスト軸受313にまで達している。
【0051】油室B378bと主軸受312面とは駆動
軸304に設けられた油穴112によって連通され、上
部軸受311と主軸受312との間の油溜り72と背圧
室339とは本体フレーム305に設けられた絞り通路
部を有する油穴B38bによって連通され、油穴B38
bの背圧室339側開口端は環状リング94に設けられ
た不連続な油溝94aに間欠的に開通すると共に、環状
リング94によって間欠的に開閉される位置に設けられ
ている。
【0052】図1、図10、図14図に示すように、背
圧室339は、吸入室17に間欠的に通じる第1圧縮室
61a,61bが吸入冷媒ガス閉じ込み完了前の約18
0度の旋回角度範囲内で、スラスト軸受220に設けら
れた浅溝291,ラップ支持円盤318cの外側の外周
部空間37,ラップ支持円盤318cに設けられた油穴
C38c,対称位置に配設された細径のインジェクショ
ン穴52によって構成されるインジェクション通路74
によって第1圧縮室61a,61bと連通しており、ス
ラスト軸受220に設けられた浅溝291はラップ支持
円盤318cによって間欠的に開閉される。
【0053】吐出室油溜34に通じた高圧の油室A37
8aの段付き内壁には図8で示すように、鋼板成形製の
仕切りキャップ101が圧入されて、駆動軸304のツ
バ部102を覆う形態で配置され、油室A378aを主
軸受312側と旋回軸受318b側とに仕切っている。
【0054】旋回スクロール318の旋回ボス部318
eには、旋回軸受318bが圧入されて、その底部には
アウターロータ106aとインナーロータ106bとか
ら成るトロコイドポンプ装置106が装着されている。
【0055】トロコイドポンプ装置106は駆動軸30
4の端部のクランク軸314の先端に設けられた駆動端
軸107に連結されて駆動される。クランク軸314と
駆動端軸107とは同芯である。
【0056】旋回軸受318bとトロコイドポンプ装置
106との間には、図10に示すような、吸入穴108
と中央穴109とを有する仕切り板110が装着固定さ
れている。
【0057】旋回スクロール318のラップ支持円盤3
18cの中央部に設けられた油溝111はトロコイドポ
ンプ装置106の吐出ポートになっており、油溝111
と主軸受312の摺動面とは駆動軸304に設けられた
軸方向油穴112と半径方向油穴113とで連通してい
る。
【0058】吐出室油溜34と旋回スクロール318の
背圧室339とは、油穴A338a,油室A378a,
螺旋状油溝341b,吸入穴108,トロコイドポンプ
装置106,油溝111,軸方向油穴112,半径方向
油穴113,主軸受312の軸受隙間を経由して油溜り
72に連通する給油通路Aと、油室A378aから螺旋
状油溝341aを経由して油溜り72に連通する給油通
路Bとから成る給油通路Cおよび油穴B38bとで連通
されている。
【0059】このように、駆動軸304の表面に設けた
螺旋状油溝341a,341bによるネジポンプ作用に
加えて、駆動軸304の先端に容積型ポンプ装置を配設
し、特に、圧縮機極低速運転の持続が可能な軸受給油手
段を形成している。
【0060】図15において、横軸は駆動軸304の回
転角度を示し、縦軸は冷媒圧力を示し、吸入・圧縮・吐
出過程における冷媒ガスの圧力変化状態を示し、実線6
2は正常圧力で運転時の圧力変化を示し、点線63は異
常圧力上昇時の圧力変化を示す。
【0061】以上のように構成されたスクロール冷媒圧
縮機について、その動作を説明する。
【0062】図1〜図15において、モータ3によって
駆動軸304が回転駆動すると、旋回スクロール318
は、駆動軸304のクランク機構によって駆動軸304
の主軸周りに回転しょうとするが、オルダムリング24
の旋回スクロール318の側のキー部(図2参照)が旋
回スクロール318のキー溝71に係合し、反対側のキ
ー部が本体フレーム305のキー溝71a(図1参照)
に係合しているので自転を阻止され、公転運動をして固
定スクロール15と共に圧縮室の容積を変化させ、冷媒
ガスの吸入・圧縮作用を行う。
【0063】最終圧縮行程の第3圧縮室60a,60b
(圧縮室が吐出ポート16に通じる直前行程の圧縮空
間)に通じるスラスト軸受220の背面側のレリース隙
間27は、圧縮開始後の時間経過と共に高圧冷媒ガスで
充満される。その背圧付勢とシールリング70の弾性力
によって、スラスト軸受220は固定スクロール15の
鏡板取り付け面15b1に押接される。それによって、
旋回スクロール318のラップ支持円盤318cは鏡板
摺動面15b2とスラスト軸受220との間で狭持(1
5〜20ミクロンの組立隙間)される。
【0064】そして、圧縮機に接続した冷凍サイクルか
ら潤滑油を含んだ気液混合の吸入冷媒が、吸入管47か
らアキュームレータ室46に流入し、固定スクロール1
5の鏡板15bの外側面に衝突の後、アキュームレータ
室46の上部空間を経由して、二箇所の吸入穴43(図
14参照)を通じて吸入室17に流入する。
【0065】一方、気体と液体の重量差や流入方向転換
時の慣性力によって冷媒ガスから分離した液冷媒や潤滑
油はアキュームレータ室46の底部に、一旦、収集さ
れ、吸入冷媒ガスが吸入穴43を通過する際に生じる負
圧によって油吸い込み穴A9a,油吸い込み穴B9bを
介して霧化状態で吸入穴43に吸い上げられ、再び吸入
冷媒ガスに混入する。
【0066】気液分離された吸入冷媒ガスは、吸入室1
7,旋回スクロール318と固定スクロール15との間
に形成された第1圧縮室61a,61b(図14参照)
を経て圧縮室内に閉じ込められ、第2圧縮室51a,5
1b,第3圧縮室60a,60bへと順次移送圧縮の
後、中央部の吐出ポート16から逆止弁室50aに吐出
され、吐出室2,ガス通路B80b,ガス通路A80
a,吐出チャンバー2bを順次経由してモータ室6へと
排出される。
【0067】モータ室6に排出した吐出冷媒ガスは、環
状の遮閉板86,モータ3の巻線に衝突した後、ステー
タ3bの外側部の冷却通路35や内側部の通路を経てモ
ータ3を冷却しながらモータ室6の上部側部へと流れ、
吐出管31から外部の冷凍サイクルへ送出される。
【0068】この際、吐出冷媒ガス中の潤滑油は、その
一部がモータ3の下部の巻線の表面に付着して冷媒ガス
から分離して吐出室油溜34に収集するが、上部バラン
スウエイト75,下部バランスウエイト76の外周部を
通過する吐出冷媒ガス中の潤滑油は、上部バランスウエ
イト75,下部バランスウエイト76の回転によって遠
心分離され、モータ3の巻線の内側表面へと拡散され、
巻線束の内部空間に沿って下部へ流下し、吐出室油溜3
4に収集する。
【0069】吐出室油溜34の潤滑油は、後述する経路
を経て油室A378aと油室B378bおよび背圧室3
39に流入し、次第に旋回スクロール318への背圧付
与力が大きくなる。
【0070】モータ室6の圧力上昇に追従して、ラップ
支持円盤318cは徐々に固定スクロール15の鏡板摺
動面15b2に適度な押圧力で接触する。固定スクロー
ルラップ15aの先端と旋回スクロール318のラップ
支持円盤318cとの間の隙間が無くなり、それによっ
て圧縮室が密封され、吸入冷媒ガスが効率良く圧縮され
て、安定運転が継続する。
【0071】なお、旋回スクロールラップ318aの先
端と固定スクロール15の鏡板15bとの間の軸方向隙
間は、圧縮途中冷媒ガスが隣室の低圧側圧縮室に漏洩す
る際に、チップシール溝98(図3参照)に流入し、そ
のガス背圧力によってチップシール98aがチップシー
ル溝98の低圧縮室側面および固定スクロール15の鏡
板15bに押圧されることによってシールされる。
【0072】圧縮機停止の際に、圧縮室内冷媒ガスの圧
力差に基づく逆流によって、旋回スクロール318が瞬
時的に逆旋回運動するが、冷媒ガスが圧縮室から吸入室
17に逆流することから、旋回スクロール318は図1
4のように、第1圧縮室61a,61bが吸入室17に
通じた状態の旋回角度で停止する。この停止状態では環
状リング94背圧室39への潤滑油流入口を塞ぐように
設定されている。
【0073】また圧縮機停止の際に、圧縮室の冷媒ガス
が吸入室17へ逆流することによって吐出ポート16の
冷媒ガス圧力が急低下し、吐出ポート16と吐出室2と
の冷媒ガス圧力差によって弁体50bが吐出ポート16
を塞ぎ、吐出室2から圧縮室への吐出冷媒ガスの連続的
な逆流を阻止する。
【0074】圧縮機停止直後の一時的な吐出冷媒ガスの
逆流と旋回スクロール318の逆旋回によって、弁体5
0bが逆止弁室50aの底面から離脱し、冷凍サイクル
が圧力バランスするまでの間、圧力差によって弁体51
bが吐出ポート16を塞ぎ続ける。それと並行して形状
記憶特性を有するコイルバネ50が温度低下して伸長
し、コイルバネ50の付勢力によって弁体50bが吐出
ポート16を閉塞し続ける。
【0075】吸入室17と間欠的に連通する第1圧縮室
61a,61bと背圧室339とは第1圧縮室61a,
61bが閉じ込み完了前の180度以内にある時のみス
ラスト軸受220に設けられた浅溝291(図11参
照)を介して連通すると共に、スラスト軸受220とラ
ップ支持円盤318cとの間は潤滑油膜でシールされる
ので、圧縮室から背圧室339に圧縮途中冷媒ガスが逆
流することはない。
【0076】圧縮機長時間停止中は圧縮機内圧力が均衡
し、アキュームレータ室46は勿論のこと、圧縮室内に
まで液冷媒が流入しており、圧縮機冷時起動初期には液
圧縮が生じ易く、圧縮室内の液圧縮冷媒圧力によって吐
出ポート16と反対方向のスラスト力が旋回スクロール
318に作用する。その結果、旋回スクロール318が
固定スクロール15から軸方向に離反し、圧縮負荷が軽
減する。
【0077】一方、圧縮機冷時起動初期の背圧室339
の圧力は吐出室油溜34の潤滑油圧力上昇が低いことか
ら、ほぼ吸入圧力相当である。その結果、旋回スクロー
ル318のラップ支持円盤318cは圧力上昇の低い油
室A378aの潤滑油によってのみ背圧付与される状態
で、鏡板摺動面15b2から離反してスラスト軸受22
0まで後退し支持され、ラップ支持円盤318cと固定
スクロールラップ15aの先端との間に隙間(約0.0
15〜0.020ミクロン)が生じ、圧縮室圧力が低下
し、起動初期の圧縮負荷が軽減する。
【0078】万一、連続運転中に、圧縮室内で液圧縮な
どが生じて瞬時的に圧縮室圧力が異常上昇した場合など
には、旋回スクロール318に作用するスラスト力が旋
回スクロール318の背面に作用する背圧付勢力よりも
大きくなり、旋回スクロール318が軸方向に移動し、
スラスト軸受220に支持される。そして、圧縮室の密
封が上述と同様に解除して圧縮室圧力が低下し、圧縮負
荷が低下する。
【0079】なお、背圧室339は、第1圧縮室61
a,61bが吸入冷媒ガス閉じ込み完了前の約180度
の旋回角度範囲内で、スラスト軸受220に設けられた
浅溝291を介して外周部空間37に通じているので、
この連通旋回範囲内で液圧縮が生じることがない。した
がって、圧縮室での液圧縮発生を含めた如何なる圧縮機
運転状態において、背圧室339への圧縮室の冷媒ガス
の逆流が回避され、圧縮負荷軽減を阻害することはな
い。
【0080】圧縮機冷時始動初期の吐出室油溜34の潤
滑油は、駆動軸304に設けられた螺旋状油溝341
a,341bのネジポンプ作用とトロコイドポンプ装置
106によって、油穴A338aを経由して油室A37
8aに吸い込まれる。
【0081】その後、油室A378aの潤滑油の大部分
は螺旋状油溝341bを通過途中で旋回軸受318bの
摺動面を潤滑し,仕切り板110の吸入穴108を経て
トロコイドポンプ装置106のポンプ室に吸い込まれ、
油溝111に排出された後、駆動軸304に設けられた
油穴112を経由して主軸受12の摺動面に供給され、
油溜り72に送出される。
【0082】また、油室A378aの潤滑油の残りの一
部は螺旋状油溝341aのネジポンプ作用によって主軸
受312に供給され、油穴112を経由してきた潤滑油
と共に合流した後、潤滑油の一部は油穴B38b(図8
参照)の絞り通路部で減圧されて背圧室339に間欠給
油され、残りの潤滑油は上部軸受311とスラスト軸受
313の各摺動面を潤滑の後、吐出室油溜34に再回収
される。
【0083】更に、油室A378aの潤滑油の極一部は
環状リング94の装着溝部隙間と摺接面を介して減圧さ
れ、背圧室339に漏洩する。
【0084】なお、油溜り72とモータ室6との間は上
部軸受311を潤滑する油膜のシール作用によりモータ
室6の冷媒ガスが上部軸受11に逆流するのが遮断され
る。
【0085】一方、油溜り72の潤滑油に混入する冷媒
ガスの一部がガス抜きされて上部軸受311への潤滑油
と共にモータ室6へ排出される。その結果、背圧室33
9に間欠給油される潤滑油中の冷媒ガス混入量が少なく
なり、潤滑特性の良い状態になる。
【0086】圧縮機冷時始動後の時間経過に追従してモ
ータ室6の吐出冷媒ガス圧力は上昇し、吐出室油溜34
の潤滑油は背圧室339との間の差圧によっても油室A
378aに供給され、トロコイドポンプ装置106と螺
旋状油溝341a,341bのネジポンプ作用と併せて
背圧室339に給油される。背圧室339の圧力は次第
に高くなり、油室A378aの吐出圧力相当の潤滑油圧
力との合成力が旋回スクロール318のラップ支持円盤
318cに作用する。その結果、圧縮室の冷媒ガス圧力
によって旋回スクロール318を固定スクロール15か
ら離反させようと作用するスラスト荷重が相殺され、旋
回スクロール318に作用するスラスト力が軽減する。
【0087】したがって、圧縮機冷時始動後のモータ室
6の圧力上昇が低い間は、油室A378aと背圧室33
9の潤滑油圧力による旋回スクロール318への付与力
が圧縮室の冷媒ガス圧力による旋回スクロール318へ
のスラスト荷重よりも小さい。その結果、旋回スクロー
ル318は固定スクロール15から離反して、シールリ
ング70の弾性力と最終圧縮行程の第3圧縮室60a,
60bから導入された冷媒ガスによる背圧を受けるスラ
スト軸受220に支持される。
【0088】吐出圧力と吸入圧力との差圧が所要圧力を
超えた場合に、油室A378aと背圧室339の潤滑油
圧力による旋回スクロール318への付与力が圧縮室の
冷媒ガス圧力による旋回スクロール318へのスラスト
荷重よりも大きくなる。そして、旋回スクロール318
は固定スクロール15に支持される。
【0089】圧縮室の中心,旋回軸受318eの中心,
環状リング94の中心が各々ほぼ一致した配置構成にお
いて、環状リング94は旋回スクロール318と共に旋
回運動をするので、その時の慣性力によって旋回ボス部
318eに設けられた環状シール溝95から飛び出そう
とする。また、環状リング94は、油室A378aと背
圧室339との差圧によってその内径を拡張し、熱膨張
と併せてその切口94bを閉じる。これらの作用によっ
て、環状リング94は本体フレーム305と環状シール
溝95の外側面に押接されると共に、環状リング94の
油掻き作用によって環状シール溝95と環状リング94
との間に潤滑油が押し込まれ、油室A378aと背圧室
339との間の過剰な潤滑油漏洩を防止する。
【0090】更に、柔軟性に優れた樹脂製の環状リング
94は、背圧室339と油室A378aとの間の圧力差
によってその内径を環状シール溝95の外側面に沿って
拡張し、熱膨張と併せてその切口94bを閉じると共
に、環状シール溝95の外側面に押圧されるので、両空
間の間の漏洩を更に少なくする。
【0091】なお、環状溝94の表面に設けられた油溝
94aに滞溜する潤滑油の油膜によって環状リング94
と本体フレーム305との間の摺動面を潤滑することに
よって摺動面の摩耗,摺動抵抗を少なくする。
【0092】圧縮機定常運転時は、高圧の油室A378
aの潤滑油圧力と背圧室339の潤滑油圧力によって旋
回スクロール318は固定スクロール15の側に背圧付
与され、ラップ支持円盤318cと鏡板摺動面15b2
との間は適度な接触力を保持しながら円滑に摺動し、圧
縮室の軸方向隙間を最小にしている。
【0093】背圧室339に流入した潤滑油は、スラス
ト軸受320に設けられた浅溝291を介して間欠的に
外周部空間37に流入し、更にラップ支持円盤318c
に設けられた油穴c38c,対称位置に配設された細径
のインジェクション穴52a,52b(図14参照)を
通して漸次減圧され、第1圧縮室61a,61bに流入
する。潤滑油は、その通路途中で各摺動面を潤滑し、摺
動隙間を密封する。
【0094】第1圧縮室61a,61bに注入された潤
滑油は、吸入冷媒ガスと共に圧縮室(圧縮空間)に流入
した潤滑油と合流し、隣接する圧縮室間の微少隙間を油
膜密封して圧縮冷媒ガス漏れを防ぎ、圧縮室間の摺動面
を潤滑しながら圧縮冷媒ガスと共に吐出ポート16を経
てモータ室6に再び吐出される。
【0095】背圧室339を経由する吐出室油溜34か
ら第1圧縮室61a,61bまでの給油経路において、
背圧室339は吐出圧力と吸入圧力との間の適正な中間
圧力を維持する。
【0096】また、スクロール冷媒圧縮機の圧縮比が一
定であることから、冷時起動直後のように吸入室17と
吐出室2との差圧が小さい場合、あるいは、異常な液圧
縮が生じた場合などは、上述のように旋回スクロール3
18が固定スクロール15から離反し、スラスト軸受2
20に支持される。
【0097】しかしながら、背圧付勢されたスラスト軸
受220は、異常上昇した圧縮室圧力荷重を支持でき
ず、レリース隙間27を減少させる方向に後退して、旋
回スクロール318のラップ支持円盤318cと固定ス
クロール15の固定スクロールラップ15aの先端との
間の軸方向隙間が拡大する。これにより、圧縮室間に多
くの漏れが生じ、図15の一点鎖線63aで示すよう
に、圧縮室圧力が圧縮途中で急低下する。
【0098】旋回スクロール318が固定スクロール1
5から軸方向に離反する最大距離が約70ミクロンに規
制されているので、ラップ支持円盤318cの両側摺動
面の各隙間に油膜が残留し、外周部空間37と吸入室1
7とが直接連通することによる背圧室339の圧力変化
が抑制され、圧縮負荷が瞬時に軽減した後、スラスト軸
受220が瞬時に元の位置に復帰でき、安定運転が再継
続する。
【0099】なお、旋回スクロール318がスラスト軸
受220の方へ後退する時、旋回スクロールラップ31
8aの先端と固定スクロール15との間の軸方向寸法も
拡大するが、チップシール98aがその背面のガス圧に
よって固定スクロール15の側に押圧されているので、
この部分からの圧縮冷媒ガス漏れはほとんど生じない。
【0100】一方、旋回スクロール318のラップ支持
円盤318cと固定スクロール15の固定スクロールラ
ップ15bの先端との間の隙間が拡大し,圧縮室内での
圧縮冷媒ガス漏れが生じて、圧縮室圧力が急低下する。
【0101】また、旋回スクロール318と固定スクロ
ール15との間の軸方向隙間部に異物の噛み込みが生じ
た場合にも、上述と同様に、スラスト軸受220が後退
して異物を除去する。
【0102】また、冷時起動初期や定常運転時に、瞬時
的な液圧縮が生じた場合の圧縮室圧力は、図15の点線
63のように異常な過圧縮が生じるが、吐出ポート16
に連通する高圧空間容積が大きく、しかも、逆止弁室5
0a,吐出室2,吐出チャンバー2bを順次通過する間
に膨張を繰り返し、モータ室6の圧力変化はほとんど生
じない。
【0103】また、圧縮機運転速度が増加するに伴い単
位時間当りの圧縮室冷媒ガス漏れが少なくなる。その反
面、一旋回運動当りのインジェクション穴52a,52
bの開口時間が短くなり、一旋回運動当りの圧縮室への
油インジェクション量が抑制されて不要な油圧縮が少な
くなると共に、油穴B38bと背圧室339との間の遮
断回数増加による通路抵抗が増加して、油室A378a
から背圧室339への潤滑油流入量も抑制され、背圧室
339の圧力が適切に維持される。
【0104】なお、図8では、油穴B38bと背圧室3
39とが間欠的に連通する一旋回運動当りの区間を多く
設定したが、圧縮負荷が比較的小さい圧縮機運転条件の
場合には、油穴B38bと背圧室339との一旋回運動
当りの連通区間が少なくなるように、油穴B38bの開
口位置を本体フレーム305の中心部側に移動させて、
油室A378aの潤滑油が背圧室339および圧縮室へ
流入する量を少なくする必要があることは、従来技術の
説明から明かであろう。これに伴い、背圧室339およ
び外周部空間37の圧力も低くなる。
【0105】以上のように上記実施例によれば、以下に
述べる実施形態による効果を得ることができる。
【0106】すなわち、第1の実施の形態は、駆動軸3
04により直接駆動され作動するトロコイドポンプ装置
106を、旋回スクロール(318)に係合すべく駆動
軸(304)に設けたクランク軸(314)の端部の駆
動端軸(107)と、旋回軸受(318b)の底との間
配置し、トロコイドポンプ装置106の吸い込み側と
密閉ケース1内の吐出室油溜34とをクランク軸314
を経由して連通し、その途中に旋回軸受318bを配置
する一方、トロコイドポンプ装置106の排出側を駆動
軸304内に設けた軸方向の油穴112を介して主軸受
312を経由して吐出室油溜34に通じる軸受給油通路
を設けると共に、主軸受312に給油した潤滑油の一部
が減圧されてスラスト軸受220、旋回スクロールの背
圧室339、圧縮室へと順次に差圧給油されるものであ
る。そしてこの構成によれば、トロコイドポンプ装置1
06の排出側潤滑油が圧縮室に吸引されるので、トロコ
イドポンプ装置106の給油ヘッド損失が小さくなり、
ポンプ入力の低減と軸受給油通路への給油量を増加させ
ることができる。
【0107】第2の実施の形態は、旋回スクロール(3
18)に係合すべく駆動軸(304)に設けたクランク
軸(314)の端部の駆動端軸(107)と、旋回軸受
(318b)の底との間に、駆動軸304の回転により
駆動され作動するトロコイドポンプ装置106を配置
し、トロコイドポンプ装置106および駆動軸304よ
りも熱伝導率が良く且つ熱膨張係数の大きい材質で旋回
スクロール318を構成したものである。そしてこの構
成によれば、圧縮機高速運転に伴うトロコイドポンプ装
置106の温度上昇時にも、トロコイドポンプ装置10
6を配設するハウジング部とトロコイドポンプ装置10
6との隙間の異常減少を回避させ、適正隙間保持による
ポンプ入力増加を防止とトロコイドポンプ装置106の
摩耗を防止することができる。
【0108】第3の実施の形態は、トロコイドポンプ装
置106を旋回スクロール318のラップ支持円板31
8c内に配置したものである。そしてこの構成によれ
ば、旋回スクロール318を含めた旋回運動体部材の重
心位置を圧縮室に近付け、旋回スクロール318の旋回
運動安定化を図り、圧縮機の振動を低減することができ
る。
【0109】第4の実施の形態は、吐出室油溜34の油
面がトロコイドポンプ装置106よりも高い位置に配置
された構成において、主軸受312と旋回軸受318b
の摺動面に螺旋状の油溝341a,341bを設けたも
のである。そしてこの構成によれば、トロコイドポンプ
装置106の給油を助成でき、圧縮機低速運転時の給油
量が増加し、摺動部耐久性を向上することができる。
【0110】第5の実施の形態は、スラスト軸受(22
0)を配置し且つ旋回スクロール(318)のラップ支
持円盤(318c)の反圧縮室側の背面空間を内外に区
画して、外側には吐出圧力と吸入圧力との中間圧力が作
用し且つスラスト軸受(220)を含む背圧室(33
9)配置し、内側には旋回軸受(318b)を含む高圧
領域の油室A(378a)を配置し、圧縮室と吸入室の
いずれか一方と軸受給油通路との間の差圧給油通路の途
中に、背圧室(339)を配置したものである。そして
この構成によれば、旋回スクロールを圧縮室圧力によっ
てスラスト軸受側に押圧させるスラスト荷重が背圧室の
中間潤滑油圧力と油室A(378a)の高圧潤滑油圧力
との合成力によって相殺軽減され、スラスト軸受(22
0)の摺動損失入力の低減と耐久性を向上できる。
【0111】(実施例2) 図16は、本発明の第2の実施例のスクロール冷媒圧縮
機における駆動軸先端部の給油ポンプ装置周辺の要部縦
断面図で、本体フレーム405の主軸受412の旋回ス
クロール418側の段付き穴部には、図18の外観図で
示すような吸入切り欠き114aを有した側板114
と、溝119を有した側板ケース118とを間隔を有し
て装着固定し、側板114と側板ケース118の間にリ
ング状のピストン115,仕切りベーン117,コイル
バネ116から成るローリングピストン式ポンプ装置1
20の構成部品が配置されている。
【0112】図17にその外観形状を示すように、小径
外周部418fを有する旋回軸受418bが旋回スクロ
ール418の旋回ボス部418eに圧入固定され、その
内周面が駆動軸404のクランク軸414と係合摺動
し、小径外周部418fがピストン115の内周面に係
合摺動するように配置されている。
【0113】本体フレーム405に設けられた油穴A4
38aを介して吐出室油溜34に通じる油室A478a
は、本体フレーム405に圧入された側板ケース118
および旋回ボス418eの端部に装着された環状リング
94によって旋回スクロール418の背圧室439と遮
断されている。
【0114】側板114は駆動軸404の段付き部端面
404aに当接して油穴A438aの側とローリングピ
ストン式ポンプ装置120の排出側とを遮断している。
【0115】油室A478aは、ローリングピストン式
給油ポンプ装置120,クランク軸414の外周面に設
けられた螺旋状油溝441b,クランク軸414の端部
に設けられた油室B478b,駆動軸404の軸芯に設
けられた軸方向油穴112a,および螺旋状油溝441
a,本体フレーム405に設けられた油穴B438bを
介して背圧室439に連通しており、油穴B438bの
開口端はオルダムリング24の往復運動によって間欠的
に遮断される。
【0116】その他の構成は図1の場合と同様である。
以上のように構成されたスクロール冷媒圧縮機につい
て、その動作を説明する。
【0117】圧縮機の起動と同時に駆動軸404の回転
によってクランク軸414は偏心回転運動をし、往復運
動のみを許容されたオルダムリング24の自転阻止機構
によって、旋回スクロール418は自転するとなく駆動
軸の404の主軸を中心とする公転運動をする。
【0118】旋回スクロール418に固定された旋回軸
受418bが旋回運動することに追従して、それに係合
摺動するピストン115が自転しながら旋回運動をし、
仕切りベーン117の先端がコイルバネ116の付勢を
受けてピストン115に摺接する周知された給油ポンプ
の吸入・吐出作用が行われる。
【0119】吐出室油溜34の潤滑油は、本体フレーム
405に設けられた油穴A438aを経由して吸入切り
欠き114aに導かれ、ポンプ室を経由して側板ケース
118の溝119に排出された後、油室A478aから
螺旋状油溝441bのネジポンプ作用(粘性ポンプ作
用)との併用によって旋回軸受414の摺動面を潤滑し
ながら油室B478b,駆動軸404に設けられた軸方
向油穴112aに送出され、主軸受412の摺動面を潤
滑する。
【0120】また、ローリングピストン型給油ポンプに
よって螺旋状油溝441aに吸い込まれた潤滑油は、ネ
ジポンプ作用によって主軸受412へと送出され、軸方
向油穴112から排出される潤滑油と合流の後、第22
図の場合と同様に、油溜り72(図示なし),上部軸受
(図示なし),スラスト軸受(図示なし)へと排出され
ると共に、油穴A438aを介して減圧されながら背圧
室439に給油され、圧縮機起動初期の各摺動部を潤滑
する。
【0121】背圧室439への油穴B438bの開口端
は、オルダムリング24の往復運動によって間欠的に開
閉され、駆動軸404の回転速度が増加するのに追従し
て連続開口時間が短くなるので、背圧室439への流入
抵抗が増加する。その結果、背圧室439への潤滑油流
入量が少なくなる。
【0122】圧縮機起動後の時間経過と共に吐出室油溜
34に作用する吐出冷媒ガス圧力が上昇した後、吐出室
油溜34の潤滑油は、背圧室439との間の差圧によっ
ても油室A478aに供給された後、螺旋状油溝441
a,441bのネジポンプ作用により各摺動部へ供給さ
れる。
【0123】このような差圧給油とローリングピストン
型給油ポンプ装置120とネジポンプ作用とを併用した
ポンプ給油によって、潤滑油中に多少のガス噛み込みが
生じた場合や、ネジポンプ作用の給油能力が高速運転領
域で減少した場合でも、摺動部への給油を継続する。
【0124】その他の動作については、図1の場合と同
様であるので、説明を省略する。そして、この実施例に
よれば、軸受摺動部へのポンプ給油手段としてのローリ
ングピストン式給油ポンプ装置120を軸受摺動部の上
流側の油室A478aに配置したことにより、圧縮機低
速運転時でも潤滑油の温度上昇による粘性低下の少ない
状態で効率の良いポンプ作用ができる。また、油室A4
78aの潤滑油に混入する冷媒ガスが螺旋状の油溝44
1a,油穴B438b,背圧室439を経由して第1圧
縮室61a,61bに吸引され、油室A478aの潤滑
油中の冷媒ガスが少なくなり、ローリングピストン式給
油ポンプ装置120のキャビテーション現象が生じず、
特に、低速運転時の給油能力が増すので、ローリングピ
ストン式給油ポンプ装置120を小容量化・低入力化す
ることができる。
【0125】(実施例3) 図19は、本発明の第3の実施例のスクロール冷媒圧縮
機における駆動軸先端部の給油ポンプ装置周辺の要部縦
断面図で、図16の場合と同様に、本体フレーム505
の主軸受512の旋回スクロール518側の段付き穴部
には、図20の外観図で示すような三日月状の吸入穴1
14cと突起部114dとを有した側板114bと側板
ケース118aとを間隔を有して装着固定し、側板11
4bと側板ケース118aの間に突起部115bと溝1
15cを有したリング状のピストン115aから成り、
且つ、例えば特公昭61−57935号公報で記載され
ているような旋回円筒ピストン型ポンプ装置と類似の旋
回円筒ピストン型ポンプ装置115の構成部品が配置さ
れている。
【0126】図21にその外観形状を示すように、小径
外周部518fを有する旋回軸受518bが旋回スクロ
ール518の旋回ボス部518eに圧入固定されてお
り、旋回スクロール518が旋回運動する時、小径外周
部518fが間欠的にピストン115aの内周面115
dに当接することによって、ピストン115aが旋回揺
動運動をし、ポンプ作用をするものである。
【0127】なお、ピストン115aの突起部115b
は、本体フレーム505に設けられた切り欠き溝121
に係止してピストン115aの回転を阻止するためのも
のである。
【0128】側板114bは駆動軸504の段付き部端
面504aに当接して油穴A538aの側とピストン1
15aの円周面側とを遮断している。
【0129】本体フレーム505に設けられた油穴A5
38aを介して吐出室油溜34に通じる油室A578a
は、本体フレーム505に圧入された側板114bおよ
び旋回ボス518eの端部に装着された環状リング94
によって旋回スクロール518の背圧室539と遮断さ
れている。
【0130】油室A578aは、旋回円筒ピストン型給
油ポンプ装置,クランク軸514の外周面に設けられた
螺旋状油溝541b,クランク軸514の端部に設けら
れた油室B578b,駆動軸504の軸芯に設けられた
軸方向油穴112b,および螺旋状油溝541a,本体
フレーム504に設けられた油穴B538bを介して背
圧室539に連通しており、油穴B538bの開口端は
オルダムリング24の往復運動によって間欠的に遮断さ
れる。
【0131】その他の構成は図8の場合と同様である。
以上のように構成されたスクロール冷媒圧縮機につい
て、その動作を説明する。
【0132】本体フレーム505の切り欠き溝121に
突出部115bが可動係止されたピストン115aは、
旋回スクロール518の旋回軸受518bが旋回運動す
ることによって揺動運動をし、吸入・吐出作用が行われ
る。ピストン115aの内側面と旋回軸受518bの小
径外周部518fとの間に空隙が設けられているので、
ピストン115aの移動量はクランク軸514の偏心量
の2倍よりも小さい。この空隙寸法によって旋回円筒ピ
ストン型給油ポンプの排出量が左右される。この実施例
では、ピストン115aの移動量をクランク軸514の
偏心量相当に設定し、特に高速運転時の過剰給油による
ポンプ入力の低減を図っている。
【0133】圧縮機の起動と同時に、吐出室油溜34の
潤滑油は、油穴A538aを経由して側板114bの吸
入穴114cに吸い込まれた後、ピストン115aの溝
115cから排出され、油室A578aに送出される。
【0134】油室A578aの潤滑油は、螺旋状油溝5
41bのネジポンプ作用によって旋回軸受518b,主
軸受512に給油され、各摺動面の潤滑に供される。
【0135】その後の動作説明は、上述例と同様である
ので、説明を省略する。そして、この実施例によれば、
容積型ポンプ装置として、駆動軸504と旋回スクロー
ル518との間の摺動結合部の旋回軸受518bの一外
周部と回転係止され且つシリンダ内に配置された環状の
ピストン115aの内側面とを遊合状態で摺接させ、ピ
ストン114aが旋回スクロール518の旋回運動に追
従して揺動運動することによりシリンダの内壁と環状の
ピストン115aの外周面との間でポンプ作用する旋回
円筒ピストン型ポンプ装置115としたことにより、旋
回円筒ピストン型ポンプ装置115のピストン115a
が、旋回スクロール518の旋回直径以下の搖動運動を
ピストン115aの内側から与えられて小入力のポンプ
作用をすることができる。
【0136】(実施例4) 図22は、本発明の第4の実施例のスクロール冷媒圧縮
機における駆動軸先端部の給油ポンプ装置周辺の要部縦
断面図で、上述の場合と同様に、本体フレーム605の
主軸受612の旋回スクロール618側の段付き穴部に
は、図23の外観図で示すような三日月状の吸入穴11
8cを有した側板ケース118bと側板ケース118a
とを間隔を有して装着固定し、側板ケース118a,1
18bの間に二つのベーン溝124と二つの吐出穴12
5を有し且つ駆動軸604に固定されたロータ122と
各々のベーン溝124に装着されてベーン溝124内を
往復運動する二つのベーン123から成る、いわゆるス
ライドベーン型給油ポンプ装置126aの構成部品が配
置されている。
【0137】本体フレーム605に設けられた油穴A6
38aを介して吐出室油溜34に通じる油室A678a
は、本体フレーム605に圧入された側板ケース118
aおよび旋回ボス618eの端部に装着された環状リン
グ94によって旋回スクロール618の背圧室639と
遮断されている。
【0138】油室A678aは、スライドベーン型給油
ポンプ装置,クランク軸614の外周面に設けられた螺
旋状油溝641b,クランク軸614の端部に設けられ
た油室B678b,駆動軸604の軸芯に設けられた軸
方向油穴112c,および螺旋状油溝641a,本体フ
レーム604に設けられた油穴B638bを介して背圧
室639に連通しており、油穴B638bの開口端はオ
ルダムリング24の往復運動によって間欠的に遮断され
る。
【0139】その他の構成は図1の場合と同様である。
以上のように構成されたスクロール冷媒圧縮機につい
て、その動作を説明する。
【0140】圧縮機の起動と同時に駆動軸604に固定
されたロータ122が回転し、ロータ122に摺動装着
されたベーン123がそれ自身の遠心力を受けてロータ
123の外周部側に移動することによりポンプ室を区画
し、周知の吸入・吐出作用が行われる。
【0141】吐出室油溜34の潤滑油は、油穴A638
aを経由して側板ケース118bの吸入穴118cから
吸い込まれ、吐出穴125を介して油室A678aに排
出される。
【0142】駆動軸604が高速回転してポンプ室圧力
が設定圧力以上に上昇する場合には、ベーン123の遠
心力よりもポンプ室側からベーン123の先端に作用す
る潤滑油力が大きくなる。その結果、ベーン123は後
退し、ポンプ室隙間を広げてポンプ給油能力を制御す
る。
【0143】また、極低速運転時には、ベーン123の
遠心力が小さいのでポンプ室の区画形成が不十分とな
り、ポンプ給油作用が抑制される。その結果、圧縮機冷
時始動初期には、吐出室油溜34の底部に滞留する液冷
媒を軸受摺動部に供給されることがない。
【0144】圧縮機起動後の時間経過と共に吐出室油溜
34に滞留する液冷媒は、発砲しながら潤滑油から分離
し、モータ室6の上部へと移動した後、圧縮機の常用運
転速度領域に於て給油ポンプ作用が充分に発揮され、冷
媒を含まない潤滑油が各摺動部に供給される。
【0145】その他の動作については、上述の場合と同
様であるので、説明を省略する。そして、この実施例に
よれば、容積型ポンプ装置として、駆動軸604と同軸
回転するロータ122とそのロータ122に設けられた
ベーン溝124内を前進・後退してポンプ室内を区画シ
ールするベーン123とから成るスライドベーン型給油
ポンプ装置126aとし、ベーン123のシリンダ壁へ
の付勢力をベーン123の自重に基づく遠心力のみに依
存させたことにより、高速運転時でもポンプ室内を区画
シールするベーン123の先端の接触力が小さいのでポ
ンプ入力を小さくできる。
【0146】また、上記実施例では背圧室339に供給
された潤滑油を圧縮室に差圧給油する通路構成を示した
が、上記実施例における背圧室339に供給された潤滑
油を吸入室17に差圧給油する通路構成に置き換えても
良い。この場合も上記実施例と同様の作用効果(容積型
ポンプ装置の入力を低減する)が期待できる。なお、背
圧室339から吸入室17に給油する通路構成の場合
は、潤滑油圧力を旋回スクロールに付与する油室(旋回
軸受318bの底部空間(378b)と378aから成
る空間)の付勢面積を大きく設定することによって旋回
スクロールへの付与力を確保できるので、背圧室339
の設定圧力を吸入圧力相当まで低下させることもでき
る。この場合も上記実施例と同様の作用効果(スラスト
軸受220に作用するスラスト力を軽減すると共に、容
積型ポンプ装置の入力を低減する)が期待できる。
た、上記実施例では冷媒圧縮機について説明したが、潤
滑油を使用する酸素,窒素,ヘリウムなど他の気体圧縮
機の場合も同様の作用効果を期待できる。
【0147】また、上記実施例では縦置形圧縮機の構成
を示しその効果を説明したが、横置形圧縮機の構成につ
いても同様の作用効果が期待できる。
【0148】
【発明の効果】上記実施例から明かなように、請求項1
記載の発明は、駆動軸により直接駆動され作動する容積
型ポンプ装置を配置し、その容積型ポンプ装置によって
モータの底部に配設した吐出圧力が作用する吐出室油溜
の潤滑油を、吸い込み・排出し、再び、吐出室油溜に戻
す一方、その経路途中に主軸受と旋回軸受の摺動部を配
置した軸受給油通路を設け、吐出室油溜の潤滑油を軸受
給油通路の途中で且つ容積型ポンプ装置の排出側から分
岐減圧して、圧縮室と吸入室のいずれか一方に供給する
差圧給油通路を設けたものである。そしてこの構成によ
れば、容積型ポンプ装置によって排出された潤滑油中に
混入する気体が圧縮室または吸入室に吸引されるので、
容積型ポンプ装置の給油ヘッド損失が小さくなり、ポン
プ入力の低減とポンプ給油能力の増加が同時に実現する
ので、軸受摺動部の耐久性向上と圧縮機入力を低減する
ことができる。特に、容積型ポンプ装置自体の給油能力
が低下する圧縮機低速運転時でも、吐出室油溜と圧縮室
または吸入室との間の差圧によっても吐出室油溜の潤滑
油が各摺動部に供給されるので、容積型ポンプ装置自体
の給油能力と合わせて充分な給油が実現し、耐久性を向
上することができる。
【0149】また、軸受摺動部への給油量増加に影響さ
れることなく圧縮室または吸入室に適量給油できるの
で、圧縮室隙間を油膜密封して圧縮効率を向上すること
ができる。
【0150】請求項2に記載の発明は、旋回スクロール
(318)に係合すべく駆動軸(304)に設けたクラ
ンク軸(314)の端部の駆動端軸(107)と、旋回
軸受(318b)の底との間に、駆動軸の回転により駆
動され作動する容積型回転式ポンプ装置(106)を配
置し、容積型ポンプ装置および駆動軸よりも熱伝導率が
良く且つ熱膨張係数の大きい材質で旋回スクロールを構
成したものである。そしてこの構成によれば、容積型回
転式ポンプ装置を配設するハウジング部と容積型回転式
ポンプ装置との隙間の異常減少を回避させ、容積型回転
式ポンプ装置の過剰入力増加を防止することができる。
また、容積型回転式ポンプ装置の摩耗を防いで耐久性を
向上することができるという効果を奏する。
【0151】請求項3に記載の発明は、容積型回転式ポ
ンプ装置を旋回スクロールのラップ支持円盤内に配置し
たものである。そしてこの構成によれば、旋回スクロー
ルを含めた旋回運動体部材の重心位置を圧縮室に近付
け、旋回スクロールの旋回運動安定化を図り、圧縮機振
動を低下できるという効果を奏する。
【0152】請求項4に記載の発明は、容積型ポンプ装
置および容積型ポンプ装置の吸い込み側の通路を油溜の
油面よりも低い位置に配置させる一方、主軸受と旋回軸
受の摺動面に螺旋状の油溝を設けて容積型ポンプ装置の
給油能力を助成できるネジポンプ手段を配置すると共
に、容積型ポンプ装置の排出側の潤滑油の一部を減圧し
て圧縮室または吸入室に差圧給油したものである。そし
てこの構成によれば、容積型ポンプ装置の排出側の潤滑
油の一部が圧縮室または吸入室に吸引されて、容積型ポ
ンプ装置の排出側揚程が低くなることから、吸い込みと
排出が更に容易になり、ポンプ能力が飛躍的に向上し、
圧縮機低速運転時の給油量増加を図ることができるの
で、圧縮機入力の低減と耐久性向上を一層図ることがで
きるという効果を奏する。
【0153】請求項5に記載の発明は、ラップ支持円盤
の反圧縮室側に、固定スクロールに向かって旋回スクロ
ールに軸方向力を作用させるための背圧室と、背圧室の
内側に区画配設されて主軸受と旋回軸受に隣接し且つ軸
受給油通路の一部を形成すべく配設された油室とラッ
プ支持円盤に隣接して配置し、その背圧室は、ラップ支
持円盤と摺接可能に配置された鏡板と、スラスト軸受を
配設した本体フレームとによって形成され、圧縮室と吸
入室のいずれか一方と軸受給油通路との間の差圧給油通
路の途中に、背圧室を配置したものである。そしてこの
構成によれば、旋回スクロールを圧縮室圧力によってス
ラスト軸受側に押圧させるスラスト荷重が背圧室の潤滑
油圧力(低圧〜中圧)と油室の高圧潤滑油圧力との合成
力によって相殺軽減され、スラスト軸受の摺動損失入力
の低減と耐久性を向上できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すスクロール冷媒圧縮機
の縦断面図
【図2】同圧縮機における主要部品の分解図
【図3】同圧縮機における吐出ポート部に配置した逆止
弁装置の部分断面図
【図4】図3における逆止弁装置の構成部品の斜視図
【図5】同逆止弁装置の要部斜視図
【図6】同逆止弁装置の要部斜視図
【図7】同圧縮機における小物部品の分解斜視図
【図8】同圧縮機における主要軸受部の部分断面図
【図9】同圧縮機におけるシール部品の斜視図
【図10】同圧縮機におけるトロコイドポンプ装置の側
板としての仕切り板の斜視図
【図11】同圧縮機におけるスラスト軸受部の部分断面
【図12】同スラスト軸受の部分断面図
【図13】図12におけるスラスト軸受の斜視図
【図14】図1におけるA−A線に沿った横断面図
【図15】同圧縮機の吸入行程から吐出行程までの冷媒
ガスの圧力変化を示す特性図
【図16】本発明の第2の実施例のスクロール冷媒圧縮
機における主要軸受部の部分縦断面図
【図17】図16における軸受部品の斜視図
【図18】同圧縮機における給油ポンプ装置の構成部品
の分解斜視図
【図19】本発明の第2の実施例のスクロール冷媒圧縮
機における主要軸受部の部分縦断面図
【図20】同圧縮機における給油ポンプ装置の構成部品
の分解斜視図
【図21】図19における軸受部品の斜視図
【図22】本発明の第3の実施例のスクロール冷媒圧縮
機における主要軸受部の部分縦縦面図
【図23】同圧縮機における給油ポンプ装置の構成部品
の分解斜視図
【図24】従来のスクロール圧縮機の縦断面図
【図25】他の従来のスクロール圧縮機の縦断面図
【図26】他の従来のスクロール圧縮機の縦断面図
【図27】図26におけるポンプ装置の詳細縦断面図
【図28】図27におけるA−A線に沿った横断面図
【図29】従来のスクロール圧縮機の縦断面図
【図30】図29におけるポンプ装置周辺の部分断面図
【図31】図30におけるA−A線に沿った横断面図
【符号の説明】
1 密閉ケース 3 モータ 15 固定スクロール 15a 固定スクロールラップ 15b 鏡板 16 吐出ポート 17 吸入室 24 自転阻止部材 34 吐出室油溜 106 トロコイドポンプ装置 110 仕切り板 112 油穴 114,114b 側板 115 旋回円筒ピストン型ポンプ装置 118a,118b 側板ケース 120 ローリングピストン式給油ポンプ装置 126a スライドベーン型給油ポンプ装置 220 スラスト軸受 304 駆動軸 305 本体フレーム 312 主軸受 314 クランク軸 318 旋回スクロール 318a 旋回スクロールラップ 318b 旋回軸受 318c ラップ支持円盤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F04C 29/02 311 F04C 29/02 311C

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定スクロールの一部を成す鏡板の一面に
    形成された渦巻状の固定スクロールラップに対して旋回
    スクロールの一部を成すラップ支持円盤上の旋回スクロ
    ールラップを揺動回転自在に噛み合わせ、両スクロール
    間に渦巻形の圧縮空間を形成し、前記固定スクロールラ
    ップの中心部には吐出ポートを設け、前記固定スクロー
    ルラップの外側には吸入室を設け、前記圧縮空間は吸入
    側より吐出側に向けて連続移行する複数個の圧縮室に区
    画されて流体を圧縮すべく、前記ラップ支持円盤を、
    記鏡板と、駆動軸を支持し且つ少なくとも前記圧縮室に
    近い側の主軸受と前記ラップ支持円盤の反圧縮室側を支
    持するスラスト軸受(220)とを有する本体フレーム
    との間に配置すると共に、前記ラップ支持円盤と前記本
    体フレームとの間に前記旋回スクロールの自転阻止部材
    を係合させ、前記駆動軸と前記ラップ支持円盤とが係合
    する旋回軸受を介して前記旋回スクロールを旋回運動さ
    せるスクロール圧縮機構と前記駆動軸に連結するモータ
    を密閉ケースに収納する構成において、前記駆動軸(3
    04、404、504、604)により直接駆動され作
    動する容積型ポンプ装置(106、120、115、1
    26a)を配置し、前記容積型ポンプ装置によって前記
    モータ(3)の底部に配設した吐出圧力が作用する吐出
    室油溜(34)の潤滑油を、吸い込み・排出し、再び、
    前記吐出室油溜(34)に戻す一方、その経路途中に前
    記主軸受(312、412、512、612)と前記旋
    回軸受(318b、418b、518b、618b)の
    摺動部を配置した軸受給油通路を設け、前記吐出室油溜
    の潤滑油を前記軸受給油通路の途中で且つ、容積型ポン
    プ装置(106、120、115、126a)の排出側
    から分岐減圧して、圧縮室と吸入室のいずれか一方に供
    給する差圧給油通路を設けたスクロール気体圧縮機。
  2. 【請求項2】旋回スクロール(318)に係合すべく駆
    動軸(304)に設けたクランク軸(314)の端部の
    駆動端軸(107)と、旋回軸受(318b)の底との
    間に、前記駆動軸の回転により駆動され作動する容積型
    回転式ポンプ装置(106)を配置し、前記容積型ポン
    プ装置(106)および前記駆動軸(304)よりも熱
    伝導率が良く且つ熱膨張係数の大きい材質で前記旋回ス
    クロール(318)を構成した請求項1記載のスクロー
    ル気体圧縮機。
  3. 【請求項3】容積型ポンプ装置(106)をラップ支持
    円盤(318c)内に配置した請求項2記載のスクロー
    ル気体圧縮機。
  4. 【請求項4】容積型ポンプ装置(106、120、11
    5、126a)および前記容積型ポンプ装置の吸い込み
    側の油通路(338a、438a、538a、638
    a)の全域が油溜(34)の油面より低い位置に配置さ
    れた構成において、主軸受(312、412、512、
    612)と旋回軸受318b、418b、518b、6
    18b)の摺動面に螺旋状の油溝(341aと341
    b、441aと441b、541aと541b、641
    aと641b)を設けて前記容積型ポンプ装置の給油を
    助成できるネジポンプ手段を配置した請求項1記載のス
    クロール気体圧縮機。
  5. 【請求項5】ラップ支持円盤の反圧縮室側に、固定スク
    ロールに向かって旋回スクロールに軸方向力を作用させ
    るための背圧室と、前記背圧室の内側に区画配設されて
    主軸受と旋回軸受に隣接し且つ軸受給油通路の一部を形
    成すべく配設された油室(378aと378b,478
    aと478b,578aと578b,678aと678
    b)とを前記ラップ支持円盤に隣接して配置し、前記背
    圧室は、前記ラップ支持円盤と摺接可能に配置された鏡
    板と、スラスト軸受を配設した本体フレームとによって
    形成され、圧縮室と吸入室のいずれか一方と前記軸受給
    油通路との間の差圧給油通路の途中に、前記背圧室を配
    置した請求項1記載のスクロール気体圧縮機。
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