JP6702401B1 - 多段圧縮システム - Google Patents
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(1)冷凍装置1の冷媒回路
(1−1)冷凍装置1の冷媒回路全体
第1実施形態の冷凍装置1の冷媒回路構成を図1に示す。本実施形態の冷凍装置1は、超臨界域で作動する冷媒である二酸化炭素を用い、二段圧縮式の冷凍サイクルを行う装置である。本実施形態の冷凍装置1は、冷暖房を行う空気調和装置、冷房専用の空気調和装置、冷温水器、冷蔵装置、冷凍貯蔵装置などに用いることができる。
本実施形態の多段圧縮システム20は、図1に示すように、第1アキュムレータ22と、低段圧縮機21と、インタークーラ26と、第2アキュムレータ24と、高段圧縮機23と、油分離器25と、オイルクーラ27と、減圧器31aとを備えている。
本実施形態の低段圧縮機21、高段圧縮機23は、ともに、2シリンダタイプ、かつ、揺動式のロータリー圧縮機である。圧縮機21、23はほとんど同一の構成なので、ここでは、低段圧縮機21を用いて、詳細に説明する。
容器30は、モータ40の回転軸RAを中心軸として、略円筒状の形状である。容器の内部は機密性が保たれており、運転時に、低段圧縮機21においては中間圧、高段圧縮機23においては高圧の圧力が保持される。容器30の内部の下部は、油(潤滑油)を貯留するための油溜まり(図示せず)となっている。
モータ40は、ブラシレスDCモータである。モータ40は、クランクシャフト60を、回転軸RAを中心に回転する動力を発生する。モータ40は、容器30の内部の空間内で、上部の空間の下、圧縮部50の上に配置されている。モータ40は、ステータ41およびロータ42を有する。ステータ41は、容器30の内壁に固定されている。ロータ42は、ステータ41と磁気的な相互作用をすることによって回転する。
クランクシャフト60は、モータ40の動力を圧縮部50に伝達する。クランクシャフト60は、主軸部61、第1偏心部62a、第2偏心部62bを有する。
圧縮部50は、2シリンダ型の圧縮機構である。圧縮部50は、第1シリンダ51、第1ピストン56、第2シリンダ52、第2ピストン66、フロントヘッド53、ミドルプレート54、リアヘッド55、フロントマフラ58a、58bを有する。
第1圧縮室71は、図2または5に示すように、第1シリンダ51と、第1ピストン56と、フロントヘッド53と、ミドルプレート54とによって囲まれた空間である。
第2圧縮室72は、第2シリンダ52と、第2ピストン66と、リアヘッド55と、ミドルプレート54とによって囲まれた空間である。
油戻し管31は、図2に示すように、モータ40の下で、圧縮部50の上の空間に、内部流路が連通するように、容器30に接続されている。油戻し管31から、容器30の内部に吹出された油は、モータ40のインシュレータ47に衝突した後で、フロントマフラ58bや、フロントヘッド53を固定する環状部材53aの上に落ち、さらに、容器30内部下部の油溜まりに合流する。
本実施形態の多段圧縮システム20においては、低段圧縮機21の上流に第1アキュムレータ22が、高段圧縮機23の上流に第2アキュムレータ24が配置されている。アキュムレータ22、24は、流れてきた冷媒を一度蓄えて、液冷媒が圧縮機に流れるのを防止し、圧縮機の液圧縮を防止する。第1アキュムレータ22と第2アキュムレータ24の構成はほとんど同じなので、第1アキュムレータ22について、図2を用いて説明する。
(3−1)
本実施形態の多段圧縮システム20は、低段圧縮機21と、高段圧縮機23と、中間圧冷媒配管151〜153、16と、圧力低下要素と、油排出管32とを有するシステムである。中間圧冷媒配管151〜153、16は、低段圧縮機21で圧縮され、吐出された冷媒を、高段圧縮機23の吸入部分に導入する。圧力低下要素は、冷媒配管151〜153の途中に配置されている。圧力低下要素は、中間圧冷媒配管を流れる冷媒の圧力を低下させる。油排出管32は、低段圧縮機21の過剰の油または液冷媒を排出する。油排出管32は、低段圧縮機21と、圧力低下要素よりも上流側の中間圧冷媒配管151と、を接続する。
本実施形態の多段圧縮システム20においては、油排出管32は、圧縮室72よりも上、モータ40よりも下の前記容器30に接続されている。なお、本実施形態においては、低段圧縮機21は2シリンダタイプの圧縮機であり、圧縮室は、第1圧縮室71と第2圧縮室72の2つがある。このような場合に圧縮室と言う場合には、第2圧縮室72を指すこととする。
本実施形態の多段圧縮システム20は、冷媒は、二酸化炭素を主とする冷媒であり、油は、二酸化炭素と非相溶の油である。二酸化炭素と非相溶の油の例としては、PAG(ポリアルキレングリコール類)、POE(ポリオールエステル類)である。
本実施形態の多段圧縮システム20は、さらに、油戻し管31を有している。油戻し管31は、高段圧縮機23で排出された油を、低段圧縮機21に戻す。
(4−1)変形例1A
第1実施形態の多段圧縮システム20において、油排出管32は、中間圧冷媒配管151上のインタークーラ26の上流に接続されていた。変形例1Aにおいては、油排出管32は、中間圧冷媒配管152上の、インタークーラ26と中間インジェクション通路の合流部分15bとの間に接続されている。合流部分において、油排出管32と中間圧冷媒配管の圧力差は、変形例1Aの場合、第1実施形態の場合よりも大きくなる。よって、変形例1Aの場合は、第1実施形態の場合よりも、油排出量は増大する。したがって、変形例1Aは、第1実施形態よりも低段圧縮機の油量を少なめに制御する。その他の構成と特徴は、第1実施形態と同様である。
第1実施形態の多段圧縮システム20において、油排出管32は、中間圧冷媒配管151上のインタークーラ26の上流に接続されていた。変形例1Bにおいては、油排出管32は、インタークーラ26の途中に接続されている。接続部分において、油排出管32とインタークーラ26の途中の配管との圧力差は、油排出管32とインタークーラ26の上流の配管151との圧力差より大きい。よって、変形例1Bの場合は、第1実施形態の場合よりも、油排出量は増大する。ただし、変形例1Aの場合よりは、少ない。したがって、変形例1Bは、第1実施形態よりも低段圧縮機の油量を少なめに制御する。その他の構成と特徴は、第1実施形態と同様である。
第1実施形態の多段圧縮システム20は、低段圧縮機21の吐出管15aに繋がる中間圧冷媒配管の上流側にインタークーラ26、下流側に中間インジェクション通路の合流部分15bを備えていた。変形例1Cの多段圧縮システム20においては、中間圧冷媒配管にインタークーラ26を備えているのみで、中間インジェクション通路の合流部分15bは備えていない。変形例1Cは、エコノマイザ熱交換器7を備えていない。その他の構成は、第1実施形態と同様である。油排出管32は、第1実施形態と同様に、中間圧冷媒配管151上のインタークーラ26の上流に接続されている。
第1実施形態の多段圧縮システム20は中間インジェクション配管の上流部分に、レシーバ6およびエコノマイザ熱交換器7を配していた。変形例1Dの多段圧縮システム20においては、中間インジェクション配管12の上流部分に、レシーバ6を備えているのみで、エコノマイザ熱交換器7は備えていない。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
第1実施形態の多段圧縮システム20は、低段圧縮機21の吐出管15aに繋がる中間圧冷媒配管151〜153の上流側にインタークーラ26、下流側に中間インジェクション通路の合流部分15bを備えていた。変形例1Eの多段圧縮システム20は、図6に示すように、中間圧冷媒配管154〜156の上流側に中間インジェクション通路の合流部分15b、下流側にインタークーラ26を備えている。油排出管32は、中間圧冷媒配管154上の中間インジェクション通路の合流部分15bの上流に接続されている。その他の構成は、第1実施形態と同じである。
変形例1Fの多段圧縮システム20は、変形例1Eと同様に、図6に示すように、中間圧冷媒配管154〜156の上流側に中間インジェクション通路の合流部分15b、下流側にインタークーラ26を備えている。変形例1Eでは、油排出管32は、中間圧冷媒配管154上の中間インジェクション通路の合流部分15bの上流に接続されている。変形例1Fでは、油排出管32は、中間圧冷媒配管155上の中間インジェクション通路の合流部分15bと、インタークーラ26との間に接続されている。その他の構成は、変形例1Eと同じである。
変形例1Gの多段圧縮システム20は、変形例1Eと同様に、図6に示すように、中間圧冷媒配管154〜156の上流側に中間インジェクション通路の合流部分15b、下流側にインタークーラ26を備えている。変形例1Eでは、油排出管32は、中間圧冷媒配管154上の中間インジェクション通路の合流部分15bの上流に接続されている。変形例1Gでは、油排出管32は、インタークーラ26の冷媒流路の途中に接続されている。その他の構成は、変形例1Eと同じである。
2 熱源側熱交換器
3 ブリッジ回路
4 利用側熱交換器
5 四方切換弁
6 レシーバ
7 エコノマイザ熱交換器
8、9 膨張機構
12 中間インジェクション配管
151〜156、16 中間圧冷媒配管
15b 中間インジェクション通路の合流部分
20 多段圧縮システム
21 低段圧縮機
22 第1アキュムレータ
23 高段圧縮機
24 第2アキュムレータ
25 油分離器
26 インタークーラ
30 容器
31 油戻し管
31a 減圧器
32 油排出管
40 モータ
50 圧縮部
71 第1圧縮室
72 第2圧縮室
58a、58b マフラ
58c、58d 吐出穴
Claims (5)
- 冷媒と油とを利用する多段圧縮システム(20)であって、
前記冷媒を圧縮する低段圧縮機(21)と、
前記低段圧縮機で圧縮された前記冷媒をさらに圧縮する高段圧縮機(23)と、
前記低段圧縮機で圧縮され、吐出された冷媒を、前記高段圧縮機の吸入部分に導入する冷媒配管(151〜156、16)と、
前記冷媒配管の途中に配置され、前記低段圧縮機で吐出された冷媒を、前記高段圧縮機に吸入する前に冷却するインタークーラ(26)と、
前記低段圧縮機の油を排出する油排出管であって、前記低段圧縮機と、前記インタークーラよりも上流側の前記冷媒配管と、を接続する油排出管(32)と、
を備えた、
多段圧縮システム。 - 前記低段圧縮機は、
ロータリー式であって、前記冷媒を圧縮する圧縮室を形成された圧縮部(50)と、
前記圧縮部を駆動するモータであって、前記圧縮部よりも上に配置されるモータ(40)と、
前記圧縮部と前記モータを収容する容器(30)と、
を有し、
前記油排出管は、前記容器の前記モータより下かつ前記圧縮室よりも上に接続されている、
請求項1に記載の多段圧縮システム。 - 前記多段圧縮システムは、さらに、
前記インタークーラ(26)の上流側に、中間圧の前記冷媒を前記冷媒配管に注入する中間インジェクション通路の合流部分(15b)を有し、
前記油排出管は、前記合流部分と、前記インタークーラの間に接続されている、
請求項1または2に記載の多段圧縮システム。 - 前記インタークーラを第1インタークーラとしたとき、
前記多段圧縮システムは、さらに、
前記冷媒配管の途中の前記第1インタークーラより上流側に接続され、前記低段圧縮機で吐出された冷媒を、前記高段圧縮機に吸入する前に冷却する第2インタークーラを有し、
前記油排出管は、前記第2インタークーラと、前記第1インタークーラの間に接続されている、
請求項1または2に記載の多段圧縮システム。 - 前記冷媒は、二酸化炭素を主成分とする冷媒であり、
前記油は、二酸化炭素と非相溶な油である、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の多段圧縮システム。
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