JPH051332Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は塗装用フイルターに関し、特に塗装用
スプレーガンに塗料または洗浄用流体を供給する
共通通路に介設された塗装用フイルターに関す
る。

〔従来技術〕

一般に、スプレーガンにより塗装を行う塗装装
置では、塗料に混入されているゴミ等によりスプ
レーガンのノズルが目詰まりしないように、予め
フイルターでゴミ等を除去した後スプレーガンに
供給するようになつている。

従来、上記フイルターとして、例えば特開昭59
−216050号公報には、塗料を圧送するポンプの塗
料タンクに挿入されたパイプの上流端に着脱可能
にフイルターを装着したものが記載されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来のフイルターでは、塗料に混入されている
ゴミや異物等によりフイルターが目詰まりした場
合、スプレーガンから噴き出される塗料の流量が
減少し塗装むらが生じないよう、その都度フイル
ターを取り外して交換しなければならず大変面倒
であり、しかもフイルター交換のため作業能率が
低下する。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案に係る塗装用フイルターは、塗装用スプ
レーガンに塗料または洗浄用流体を供給する供給
通路に介設される塗装用フイルターであつて、上
記供給通路に介設されかつ上記供給通路の上流側
と下流側とを連通させる連通路が形成されたブロ
ツク部材と、該ブロツク部材の連通路内に設けら
れ、上記供給通路の中心軸に対する直角方向軸回
りに回動可能なフイルター部材とを設け、上記フ
イルター部材をその片面が供給通路の上流側に臨
む第１位置と上記片面が供給通路の下流側に臨む
第２位置とに亙つて回動する回動手段を設けたも
のである。

〔作用〕

本考案に係る塗装用フイルターにおいては、塗
装用スプレーガンに塗料または洗浄用流体を供給
する供給通路に介設されたブロツク部材の連通路
にフイルター部材が設けられ、フイルター部材を
第１位置又は第２位置に保持した状態で塗装用ス
プレーガンに供給する塗料に混入されているゴミ
等が除去される。

そして、フイルター部材がゴミ等により目詰ま
りした場合には、フイルター部材を回動手段によ
り供給通路の中心軸に対する直角方向軸回りに
180度回動させてフイルター部材を第２位置又は
第１位置に切り換えてゴミ等が付着したフイルタ
ー部材の面を供給通路の下流側に臨ませた状態に
おいて、洗浄用流体を供給通路へ供給することに
より、フイルター部材に付着したゴミや異物等を
洗浄用流体と共に排出することができる。

〔考案の効果〕

本考案に係る塗装用フイルターによれば、以上
説明したように、ブロツク部材と、フイルター部
材と、回動手段を設けたことにより、フイルター
部材を第１位置から第２位置へまたは第２位置か
ら第１位置へ180度回動させるという簡単な操作
でフイルター部材の上流側に溜まつたゴミや異物
等を洗浄用流体と共に排出できるので、その都度
フイルター部材を交換するという手間が省け作業
能率を向上出来る。

また、塗料の色替え時等供給通路を洗浄用流体
で洗浄するときに、フイルター部材を回動させて
ゴミや異物を排出ことも容易であり、この場合洗
浄用流体を節減出来ると共に作業能率を向上出来
る。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

本実施例は、色替え可能なスプレーガン式の塗
装装置は本考案を適用したものであり、この塗装
装置は混流生産ラインに搬送される被塗装部品を
自動的に夫々所定の色に塗装するものである。

第１図に示すように、上記塗装装置１のバルブ
マニホールド２には、複数の色替えバルブ３とそ
の上流側の洗浄バルブ４とが配設されており、各
色替えバルブ３には夫々の塗料タンク５に収容さ
れた塗料がポンプＰを介して圧送され、洗浄バル
ブ４にはエア供給源Ａから送られた加圧エアがエ
ア調節装置６により圧力・流量調節されて電磁開
閉弁７を介して供給されると共に、洗浄タンク８
に収納されたシンナ等の洗浄用流体がポンプＰに
より加圧された電磁開閉弁９を介して供給され
る。バルブマニホールド２の下流端には塗料供給
管１０が接続され、塗料供給管１０の途中部には
フイルター機構Ｆ及び排出管１１が接続された三
方切替えバルブ１２が介設され、その下流端には
スプレーガン１３がスプレーバルブ１４を介して
接続されている。また、スプレーガン１３には、
エア供給源Ａから送られた加圧エアがエア調節装
置１５により圧力・流量調節されて供給され、ス
プレーガン１３で加圧エアと塗料とが混合されス
プレーガン１３のノズル１３ａから噴出される。
また、塗装装置１には自動的に塗装を行うため、
各バルブ３，４，１２，１４やポンプＰ等を制御
する制御装置Ｃを備えている。

上記フイルター機構Ｆについて説明すると、第
２図に示すように、中空のブロツク部材１６の左
（図面における左方）側部には塗料供給管１０の
上流側が、また右側部には下流側が夫々連結金具
１７をブロツク部材１６に螺合させることにより
連結されている。ブロツク部材１６の中空部には
略球状の内部ブロツク部材１８が回動自在に内装
され、ブロツク部材１６の略中央部には上流側及
び下流側の連結金具１７内の通路に連なる連通路
１６ａがまた内部ブロツク部材１８の略中央部に
は連通路１６ａに連なる連通路１８ａか水平方向
に形成され、内部ブロツク部材１８が連通路１６
ａ，１８ａの軸心に対して直交する方向の軸心回
りに回動されて連通路１８ａが図示のように左右
方向に向くと、上流側及び下流側の塗料供給管１
０の塗料供給通路１０ａが連通路１６ａ，１８ａ
を介して連通されるようになつている。連通路１
８ａは一方の端部から略中央部に〓る内径が、他
方の内径よりも大径に形成され、この大径の連通
路１８ａに略円筒状のスリーブ２０が挿入され、
ブロツク部材１６に配設された抜止リング１９を
介して保持されており、連通路１８ａの略中央部
にはフイルターエレメント２１配設され、スリー
ブ２０の内方側端部と連通路１８ａの略中央部に
形成された段部１８ｂとで挟持固定されている。
フイルタエレメント２１は、第３図に示すよう
に、細かい網目状のフイルター２２と、フイルタ
ー２２の外周部を保持する環状のリング部材２３
とから構成されており、連通路１８ａを流れる塗
料に混入されているゴミ等を除去するようになつ
ている。

ここで、ブロツク部材１６の上部には駆動機構
が配設されており、この駆動機構により内部ブロ
ツク部材１８が鉛直方向軸回りに180°回動される
と、フイルターエレメント２１が反転するように
なつている。

上記駆動機構について説明すると、ブロツク部
材１６と一体的にギアケース１６ａが形成され、
蓋部材２４がギアケース１６ａにボルト２５で固
着されている。ギアケース１６ａの略中央部には
上下方向に駆動軸２６が配設され、下端部がブロ
ツク部材１６を貫通し内部ブロツク部材１８の上
部に螺合されると共に、上端部が蓋部材２４に配
設された軸受２７を介して回動自在に支持されて
いる。駆動軸２６の略中段部には第１歯車２８が
固着され、駆動モータ２９のモータ軸２９ａに固
着された第２歯車３０に噛合されており、駆動モ
ータ２９が駆動されると第２歯車３０及び第１歯
車２８を介して駆動軸２６が矢印の方向に回動す
るようになつている。駆動軸２６の第１歯車２８
の下方にはギアケース１６ａの内周側面近傍まで
延びた当接部材３１が固着され、ギアケース１６
ａの左右両内側面には夫々ソレノイド３２が固着
され、ソレノイド３２が駆動されるとソレノイド
３２の停止ピン３２ａが下方へ延びて駆動軸２６
と共に回動する当接部材３１の端部に当接し、内
部ブロツク部材１８が180°回動した位置で駆動軸
２６を停止させる。

このように、駆動機構とブロツク部材１８によ
つて、フイルターエレメント２１の片面が塗料供
給通路１０ａの上流側に臨む第１位置（第３図参
照）と、上記片面が塗料供給通路１０ａの下流側
に臨む第２位置（第４図参照）とに〓つてフイル
ターエレメント２１を回動位置切り換えし得るよ
うに構成されている。

次にフイルター機構Ｆの作動について説明す
る。

被塗装部品が塗装装置１に搬送されると、制御
装置ＣからポンプＰ及び色替えバルブ３へ駆動信
号が出力され、所定の色の塗料が塗料供給管１０
を通つてフイルター機構Ｆに供給され、ゴミ等が
除去されてスプレーガン１３に供給されると共
に、加圧エアと混合されてノズル１３ａから噴出
され、被塗装部品が塗装されることになる。ま
た、塗料の色替えを行う時には、制御装置Ｃから
ポンプＰ、エア調節装置６、電磁開閉弁７，９、
洗浄バルブ４へ駆動信号が出力され、加圧エア及
び洗浄用流体が交互にスプレーガン１３に供給さ
れ、先に使用した塗料が洗浄されることになる。

こうして、順次塗装作業を行い、第３図に示す
ように、フイルターエレメント２１の上流側にゴ
ミ等が溜まつた時には、制御装置Ｃから制御信号
が出力され、先ず現在駆動中のソレノイド３２が
停止され他方のソレノイド３２が駆動される共
に、駆動モータ２９が駆動され当接部材３１が他
方の停止ピン３２ａに当接するまで、即ち180°内
部ブロツク部材１８が回動されることにより、第
４図に示すように、フイルターエレメント２１が
反転される。次に、切替えバルブ１２を操作して
塗料供給通路１０ａをスプレーガン１３の手前で
遮断してから、色替え時と同様に加圧エア及び洗
浄用流体が交互にフイルター機構Ｆへ圧送され、
溜まつたゴミ等が切替えバルブ１２の排出管１１
から排出されフイルター２２が洗浄される。そし
て、フイルター２２の洗浄後、再び切替えバルブ
１２を操作して次の塗装を行うことになる。

以上説明したように、フイルターエレメント２
１を反転させると共に、切替えバルブ１２を操作
して塗料供給通路１０ａを遮断してから、色替え
時と同時に加圧エア及び洗浄用流体を交互にフイ
ルター機構Ｆへ送り込むことによりフイルター２
２の洗浄が出来るので、一々フイルター２２を交
換する手間が省け、塗装作業の能率を向上出来
る。

尚、本実施例では、駆動モータ２９及びソレノ
イド３２等から構成される駆動機構により、内部
ブロツク部材１８を180°回転駆動させてからフイ
ルターを洗浄するようにしたが、手動にて180°回
転させてから洗浄するようにしてもよい。

また、本実施例では略球状の内部ブロツク部材
１８に連通路１８ａを形成するようにしたが、円
柱状の内部ブロツク部材の中段部に軸方向と直角
方向に連通路を形成するようにしてもよい。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
スプレーガン式塗装装置の概略全体構成図、第２
図はフイルター機構の縦断側面図、第３図はフイ
ルターエレメント近傍の要部拡大図、第４図はフ
イルターエレメントの反転状態を示す第３図相当
図である。 ５……塗料タンク、８……洗浄タンク、１０…
…塗料供給管、１０ａ……塗料供給通路、１３…
…スプレーガン、１６……ブロツク部材、１６
ａ，１８ａ……連通路、１８……内部ブロツク部
材、２１……フイルターエレメント、２２……フ
イルター、Ｆ……フイルター機構、２６……駆動
軸、２８……第１歯車、２９……駆動モータ、３
１……当接部材、３２……ソレノイド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 塗装用スプレーガンに塗料または洗浄用流体を
   供給する供給通路に介設される塗装用フイルター
   であつて、 上記供給通路に介設されかつ上記供給通路の上
   流側と下流側とを連通させる連通路が形成された
   ブロツク部材と、該ブロツク部材の連通路内に設
   けられ、上記供給通路の中心軸に対する直角方向
   軸回りに回動可能なフイルター部材とを設け、上
   記フイルター部材をその片面が供給通路の上流側
   に臨む第１位置と上記片面が供給通路の下流側に
   臨む第２位置とに亙つて回動する回動手段を設け
   たことを特徴とする塗装用フイルター。