JPH05131Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は収容体内の液体をエアーポンプ機構に
よつて加圧して吐出させるエアーポツトに関す
る。

（従来の技術） 一般に、この種エアーポツトは液体を収容した
収容体の開口した上面を閉塞するように下板を一
体的に設けた上蓋を設け、この上蓋内にはエアー
ポンプ機構が装着され、また前記上蓋の上面には
凹部が形成され、この凹部にはエアーポンプ機構
を作動する押し体が上下動自在に設けられてい
る。

このような構成のエアーポツトにおいては、前
記押し体を誤つて押したとき、この押し体が自由
に降下してしまうと不意に熱湯など液体が吐出す
る危険性がある。そのため不使用時に前記押し体
を誤つて押しても、この押し体が前記エアーポン
プ機構を作動することのない安全機構が設けられ
ている。

従来周知の安全機構は前記押し体が所定回動角
度のときのみ押し体に設けた制御片が例えば凹部
に設けた透孔を通過できるようにし、さらに前記
押し体を回動するためのロツクレバーが設けられ
ている。このロツクレバーは上蓋の外部に設けた
摘みを有し、一側を前記押し体に係合して上蓋に
一体に形成した専用の取付用ボスに回動自在に装
着されている。

（考案が解決しようとする問題点） このような構成のエアーポツトにおいては、下
板を螺子止めするための固定用ボスのみならずロ
ツクレバーを装着するための取付用ボスを上蓋に
形成しなければならない。このように専用のボ
ス、螺子を各々必要としていたため、部品点数の
増加によるコスト上昇や組立作業の煩雑化を招
き、さらに成型金型が複雑化するなどの欠点があ
つた。

本考案は前記事情にもとづきなされたもので、
その目的とするところはロツクレバーの取付けを
簡単な構成とすることによつて、コスト上昇や組
立作業の煩雑化などを招くことのないようにした
エアーポツトを提供することにある。

［考案の構成］ （問題点を解決するための手段） 第１図において上蓋８と一体に設けた固定用ボ
ス１１に下板１０を螺子止めし、摘み３８を有し
一側を押し体２８に係合したロツクレバー３５の
他側に前記固定用ボス１１および下板１０の上面
を摺動する摺動部４２を設ける。

（作用） 摘み３８を回動すると下板１０に押さえられて
摺動部４２が固定用ボス１１に沿つて回動でき
る。

（実施例） 以下、本考案の一実施例について図面を参照し
て説明する。図中１はケースであり、このケース
１内に有底筒状の収容体２が収納され、この収容
体２の下端側外周に沸騰用ヒータ３および保温用
ヒータ４が巻き付けられている。収容体２の下端
面からは注出路５が導出し、この注出路５がケー
ス１の外側に配置する注出口６に連通している。

ケース１の上端部にはヒンジピン７を介して上
蓋８が収容体２の開口した上面に開閉自在に枢着
され、この上蓋８は合成樹脂によりほぼ逆椀形状
に形成され、その上端部に凹部９を一体に有し、
下端部に下板１０を一体的に有している。前記下
板１０はその前部を上蓋８の上壁内面から該上蓋
８の下端部まで垂設した固定用ボス１１に螺子１
２により固定され、また後部を上蓋８の下端部に
形成した爪部１３に係止している。そしてこの下
板１０の下側に該下板１０と対向して内蓋１４が
螺子１５により一体的に取付けられ、この内蓋１
４がパツキング１６を介して収容体２の上端部に
嵌合し密封されている。内蓋１４の上面中央部に
は中空円盤状の中継体１７が取付けられ、この中
継体１７の周面の一部から蒸気排出路１８が接続
され、また中継体１７の内部は通気孔１９を介し
て収容体２内に常時連通している。なお２０はエ
アーポツトの転倒時に、前記通気孔１９に着座し
てこれを閉じることによって収容体２内の液体が
外部に流出することを防止するため連通孔２０Ａ
上に設けた止水ボールである。

上蓋８の内部には周知のエアーポンプ機構とし
てベローズ２１が組込まれ、このベローズ２１に
は下端中央部に吐出口２２を有し、上端中央部に
吸入口２３を有し、またベローズ２１の内部には
シヤフト２４と第１の復帰用スプリング２５が設
けられる。前記シヤフト２４の下端部には前記吐
出口２２に着座する排気弁２６が装着され、シヤ
フト２４の上端部には後述する第２の復帰用スプ
リングが係止する鍔部２７を設ける。

さらに上蓋８に形成した前記凹部９には押し体
２８が設けられている。この押し体２８の周壁下
部には複数の制御片２９が形成されている。この
制御片２９は前記凹部９の底板部３０に穿設した
透孔３１に嵌挿されていて、押し体２８を所定角
度回動させて押圧したときのみ前記制御片２９が
透孔３１を通過して上下動できるようになつてい
る。また押し体２８の上壁内面には筒体３２が垂
設されており、この筒体３２の下端に押し体２８
の下降に応じて前記吸入口２３を気密的に封止す
る封止鍔３３が設けられ、前記鍔部２７と筒体３
２間には第２の復帰用スプリング３４が設けられ
ている。

３５は上蓋８の前側に回動自在に設けられ前記
押し体２８に回転力を伝達するロツクレバーであ
つて、中央部には上蓋８の上壁内面に沿つて摺動
する円弧板部３６が設けられ、この円弧板部３６
の上面には上蓋８に形成した平面円弧状の取付孔
３７より外部へ突出する摘み３８が設けられる。
さらに前記制御片２９に形成した係合受け部３９
に係合する操作レバー部４０が前記円弧板部３６
の内側に一体に設けられ、また円弧板部３６の外
側には前記固定用ボス１１の下端に遊挿する摺動
孔４１を有し、下板１０の上面に摺動する摺動部
４２が設けられる。４３は前記上蓋８に設けられ
前記円弧板部３６を回動案内するリブ、４４は上
蓋８の前端に設けられる左右一対の摘み式開閉ロ
ツクであつて、上蓋８を閉蓋状態に維持する。

次に作用について説明する。まず不使用時には
予めロツクレバー３５によつて押し体２８が回動
されて制御片２９が透孔３１以外の底板部３０上
に対向している。したがつてこのような状態で押
し体２８を不用意に押圧しても、制御片２９が底
板部３０と当接するため降下しないので、ベロー
ズ２１が圧縮されて収容体２の液体が流出すると
いう危険がない。

また、使用時においては摘み３８を多少押しな
がら回してロツクレバー３５を回動すると、この
回転力が操作レバー部４０より係合受け部３９に
伝達され押し体２８は所定回動角度となり、この
ため制御片２９が透孔３１の上方に位置し、押し
体２８は降下可能な状態となる。この際摺動孔４
１は固定用ボス１１から離脱することなく摺動
し、また前記摘み３８の押圧力は摺動部４２に伝
達され、摺動部４２が下板１０上を摺動できる。
したがつて、この状態で押し体２８を押圧操作す
れば、この押し体２８により吸入口２３側が封止
されてベローズ２１が圧縮され開口した吐出口２
２より中継体１７、連通孔２０Ａを通つて収容体
２内に加圧空気が噴出されるので、収容体２内の
液体を流出させることができる。また使用後に
は、押し体２８に加えた力を除去すれば、この押
し体２８は第１及び第２の復帰用スプリング２
５，３４の復元力によつて上昇し、同時に吸入口
２３側が開放され、また吐出口２２が封止され
る。

このように上蓋８と一体に設けられ、下板１０
を螺子止めする固定用ボス１１の下端に、ロツク
レバー３５の他側が摺動するように摺動部４２を
設けたことにより、ロツクレバー３５を回動案内
できる。したがつて、ロツクレバー３５を螺子止
めするための専用のボスを別に設ける必要はな
く、部品点数を減らし、また組立作業が容易にな
り、しかも上蓋８の成型金型も簡略化できる。

なお、前記実施例においては制御片２９が透孔
３１を通過して押し体２８を昇降自在に設けた
が、このような構成に限ることはなく、例えば下
板１０から制御片２９の降下を阻止する突起を所
定箇所に設けてもよい等本装置はその要旨を逸脱
しない範囲で変形してよい。

［考案の効果］ 本考案にいよれば、上蓋と一体に設けられた下
板の固定用ボスにロツクレバーの摺動部を設けた
ことによつて、ロツクレバーを装着するための専
用のボス、螺子を設ける必要がなく、部品点数を
減らし、また組立作業を容易にできるエアーポツ
トを提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す全体の断面
図、第２図は第１図の−線断面図、第３図は
平面図である。 ２……収容体、８……上蓋、９……凹部、１０
……下板、１１……固定用ボス、１２……螺子、
２１……ベローズ（エアーポンプ機構）、２８…
…押し体、３５……ロツクレバー、３８……摘
み、４２……摺動部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 液体が収容される有底筒状の収容体と、この収
   容体の開口した上面に開閉自在に設けられた上蓋
   と、この上蓋の下部に一体的に設けられ該上蓋と
   一体に設けた固定用ボスに螺子止めされた下板
   と、前記上蓋に形成された凹部に所定角度回動し
   たとき上下動自在に設けられた押し体と、前記上
   蓋に収納され前記押し体の上下動に応動して収容
   体内を加圧して液体を吐出させるエアーポンプ機
   構と、前記上蓋の外部に設ける摘みを有し一側を
   前記押し体に係合するとともに他側に前記固定用
   ボスおよび前記下板の上面に摺動自在な摺動部を
   設けた回動自在なロツクレバーとを具備すること
   を特徴とするエアーポツト。