JPH05127308A - 写真用支持体及びその製造方法 - Google Patents

写真用支持体及びその製造方法

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JPH05127308A
JPH05127308A JP31393291A JP31393291A JPH05127308A JP H05127308 A JPH05127308 A JP H05127308A JP 31393291 A JP31393291 A JP 31393291A JP 31393291 A JP31393291 A JP 31393291A JP H05127308 A JPH05127308 A JP H05127308A
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resin
paper
photographic
back coat
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JP31393291A
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Masa Kubota
雅 久保田
Kengo Yamane
憲吾 山根
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐水性の有るバックコ−ト層が設けられた安
価でカ−ル防止能力の優れた写真用支持体を提供する
事、及び樹脂被覆紙の製造装置上でバックコ−ト層をも
設けるその製造方法を提供する事。 【構成】 走行する基紙の上に加熱溶融したフィルム形
成能有る樹脂を流延して両面を被覆しつつ、両面を樹脂
被覆した後巻取るまでの間に、写真画像を形成する側と
は反対側に親水性バックコートを塗布乾燥し、且つ該バ
ックコートの、1)バインダーがPAGI法で求めた粘
度ηが1.2cPs〜2.0cPsのゼラチンであり、
バックコート中のゼラチンの塗布量が乾燥重量0.7g
/m2 〜5.0g/m2 であるようにし、2)該ゼラチ
ンの架橋剤としてハロゲン化トリアジン誘導体を用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、写真用支持体に関し、
特に支持体の感光層が設けられる面の反対の側にバック
コート層を有することにより、ハロゲン化銀写真感光層
が設けられた時のカールを予め防止した写真用支持体に
関する。更には、バックコート層に特定の架橋剤を加え
た写真用支持体に関する。
【0002】又、本発明は、写真用支持体の製造方法に
関し、特に支持体の感光層が設けられる面の反対の側に
バックコート層を有することにより、ハロゲン化銀写真
感光層が設けられた時のカールを予め防止した写真用支
持体の製造に当たって、該バックコート層を樹脂被覆紙
を製造しつつ同時に設ける、所謂オンマシンバックコー
ト方式の写真用支持体の製造方法に関する。更には、バ
ックコート液に特定の架橋剤を加える写真用支持体の製
造方法に関する。
【0003】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料、特に薄手樹
脂被覆紙型支持体を使用する感光材料に於いては環境湿
度の変化により、ハロゲン化銀写真感光層中のゼラチン
が伸縮し、低湿度の場合は感光面を内側にしてカール
し、高湿度の場合はその逆向きにカールするという問題
が存在した。
【0004】このようなカールが発生すると、例えば自
動搬送装置で搬送する場合に、搬送トラブルを起こし易
い、自動現像機で処理された印画紙がかさばり取扱難
い、版下用印画紙の場合には現像された印画紙から再撮
影する時うまく撮影出来ないという問題を引き起こす。
【0005】カール防止のため、ハロゲン化銀乳剤層の
親水性コロイドの量を少なくする事が考えられるが、か
かる手段では、写真特性の劣化、例えばカブリが高くな
ったり、粒状性が低下したり、スリキズ耐性が悪くなっ
たりするばかりでなく、減量に限度が有る為、一般にカ
ール抑制効果自体不十分である。
【0006】従ってカール防止のためには、写真用支持
体は、ハロゲン化銀写真感光材料の親水性コロイドの量
に見合った量の、主としてゼラチンをバインダーとする
水性塗工によるバックコート層を設ける必要が有り、バ
ックコート塗布量はかなり多くなければならない。
【0007】従来、この様な塗布量の多いバックコート
層を形成するために、乾燥能力上の要請から専用コータ
ーで、予め製造された樹脂被覆紙にバックコートを別途
塗布乾燥して来た。この製造方法においては、工程数が
多い為工程管理が煩雑になる、経済的に不利益であるば
かりでなく、支持体が延展される回数が多いため、空気
中の塵に支持体面が暴露される危険が増すという問題が
あった。
【0008】一方、走行する基紙の上にスリットダイか
ら樹脂をフィルム状に溶融押出塗工して樹脂被覆紙を製
造する樹脂溶融塗工装置系中に、バックコート層の塗布
乾燥装置を組み込んで樹脂被覆紙型写真用支持体を製造
しつつ、樹脂被覆紙が巻取られるまでの間にバックコー
ト層を設ける所謂オンマシン塗布方式では、装置上の制
約から乾燥能力が小さく、充分なカール防止性能を持た
せるだけのバックコート塗布量を確保する事は出来なか
った。
【0009】この様な制約された塗布乾燥装置でも塗布
出来るよう、塗液の濃度を濃縮すると塗液粘度が上昇
し、塗布が困難になるという問題が発生する。又、高濃
度化しても塗液粘度が限度を越えないような低粘度のゼ
ラチンを用いるとバックコート層の耐水性が不十分にな
り、現像中にバックコートの脱落が有った。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的の
第1は、樹脂被覆紙製造装置上の乾燥能力が小さい塗布
装置で耐水性の有るバックコート層が設けられた安価で
カール防止能力の優れた写真用支持体を提供する事に有
る。
【0011】本発明の第2の目的は、カール防止能力の
優れた写真用支持体を、樹脂被覆紙の製造装置上でバッ
クコート層をも設ける事によって一挙に得る、写真用支
持体の製造方法提供する事に有る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の目的の第1は、
紙を基材とし、その両面をフィルム形成能有る樹脂で被
覆した樹脂被覆紙型写真用支持体に於て、写真画像を形
成する側とは反対側に親水性バックコート層を有し、該
バックコート層の、1)バインダーがPAGI法で求め
た粘度ηが1.2cPs〜2.0cPsのゼラチンであ
り、且つ、バックコート中に含まれるゼラチンの塗布量
が乾燥重量0.7g/m2 〜5.0g/m2 であり、
2)該ゼラチンの架橋剤としてハロゲン化トリアジン誘
導体を用いた事を特徴とする写真用支持体によって達成
される。
【0013】本発明の目的の第2は走行する基紙の上に
加熱溶融したフィルム形成能有る樹脂を流延して両面を
被覆する樹脂被覆紙型写真用支持体の製造方法に於て、
両面を樹脂被覆した後巻取るまでの間に、写真画像を形
成する側とは反対側に親水性バックコートを塗布乾燥
し、且つ該バックコートの、1)バインダーがPAGI
法で求めた粘度ηが1.2cPs〜2.0cPsのゼラ
チンであり、バックコート中のゼラチンの塗布量が乾燥
重量0.7g/m2 〜5.0g/m2 であるようにし、
2)該ゼラチンの架橋剤としてハロゲン化トリアジン誘
導体を用いる写真用支持体の製造方法によって達成され
る。
【0014】本発明の実施に用いるゼラチンの粘度が
1.2cPs未満であるとバックコート層のカール抑制
効果が不十分なものとなり、2.0cPsを越えると結
果としてバックコート面が不均一になってしまう。
【0015】本発明の実施に用いられるPAGI法で求
めた粘度ηが1.2cPs〜2.0cPsのゼラチン
は、通常のゼラチンの酵素分解処理、アルカリ加水分解
処理あるいは抽出留分中の低分子量成分を選択する事に
より得られるが、物性調整が比較的楽であるという観点
から酵素分解処理ゼラチンが有利である。本発明の実施
に用いられるゼラチンの原料としては牛骨、豚皮等特に
制限はなく何でも用いる事が出来る。
【0016】本発明の実施に用いられるゼラチンは分子
量分布のピーク値が8,000〜20,000、平均分
子量が17,000〜60,000の範囲にあり、ゼリ
ー強度が10〜90Bloomを示す。
【0017】本発明の実施に用いられるバックコートの
塗布量としては、その中に含まれるゼラチンの乾燥重量
として0.7〜5.0g/m2 が望ましい。さらに望ま
しくは1.5〜3.5g/m2 が良い。この塗布量が少
な過ぎると印画紙に加工した際にカール防止効果が不十
分となり、逆に多過ぎると現像処理時、自動現像機の乾
燥機で乾燥が不十分で印画紙を汚損する。また、本発明
に関わるバックコートの湿分塗布量としては、装置の乾
燥能力に鑑み5〜20g/m2 が好ましい。
【0018】このような低粘度のゼラチンの使用につい
ては、特公昭59-37818号に同時重層塗布に際して非感光
層に5.7cPs以下のゼラチンを使用する事により、
現像後の光沢及び尾引きすじを改良する事が示されてい
る。本文記載によれば有効な粘度範囲は3.0〜5.1
cPsであるとされており、この程度の粘度では高濃度
塗液では高粘度となってしまい、安定塗布が困難で結果
としての塗布面が不均一になってしまう。
【0019】ハロゲン化トリアジン誘導体の例としては
以下の構造の化合物が挙げられる。
【0020】
【化1】
【0021】
【化2】
【0022】
【化3】
【0023】
【化4】
【0024】
【化5】
【0025】本発明の実施に於いてはこれら、化1〜化
5を単独で或は組み合わせて使用しても良いし、さらに
他のゼラチンの硬膜剤例えばホルマリン、ホルムアルデ
ヒドと尿素あるいはメラミンなどとの反応生成物、ハロ
ゲンカルボン酸類、ビニルスルフォン化合物、アジリジ
ン化合物、エポキシ化合物、アクリロイル化合物、イソ
シアネート化合物などの有機硬膜剤、クロム明ばん、炭
酸ジルコニウム等の無機硬膜剤を組み合わせて使用して
も良い。化1〜化5の中では化2が特に好ましく用いら
れる。
【0026】本発明の実施に於いてハロゲン化トリアジ
ン誘導体の使用量としては、ゼラチンの重量に対し、
1.0〜10.0重量%の範囲が好ましい。
【0027】本発明の実施に用いられるバックコート層
中には、各種の添加剤を含有せしめることができる。例
えば界面活性剤としてアルキルベンゼンスルフォン酸
塩、スルフォコハク酸エステル塩などのアニオン界面活
性剤、サポニンアルキレンオキサイド化合物等のノニオ
ン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルフォン酸類、ア
ミノアルコールのエステル類等の両性界面活性剤などを
用いる事が出来る。
【0028】帯電防止剤としては、種々の無機および有
機帯電防止剤が有用である。好ましい無機帯電防止剤と
しては、例えばコロイド状シリカがある。好ましい有機
帯電防止剤としては、例えばスチレンと無水マレイン酸
共重合体のナトリウム塩、イソブチレンと無水マレイン
酸共重合体のナトリウム塩などの炭素数4以上の不飽和
共重合性単量体と無水マレイン酸との共重合体のアルカ
リ塩、セルロース、デキストラン、デキストリン、アル
ギン酸、澱粉、ポリビニルアルコールなどの水酸基を有
する天然または合成の高分子物質、好ましくはセルロー
ス硫酸エステルのアルカリ塩、ポリスチレンスルフォン
酸のアルカリ塩、ポリアクリル酸ナトリウム類(例え
ば、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリ−α−
エチルアクリル酸のナトリウム塩など)、ポリアクリル
カリウム、アクリル酸とアクリル酸メチル共重合体のナ
トリウム塩などの重合せるアクリル酸類およびアクリル
酸共重合体のアルカリなどがある。
【0029】また、本発明に於けるバックコートの塗布
装置としてはエアナイフコーター、ロールコーター、バ
ーコーター、ブレードコーター、スライドホッパーコー
ター、グラビアコーター、フレキソグラビアコーター、
カーテンコーター、エクストルージョンコーター及びそ
れらの組合せ等が挙げられる。また、アプリケート部と
計量部を分ける場合のアプリケーターとしてはディップ
方式、ロール方式、エクストルージョン方式等、各種の
方式から選ぶ事が出来る。
【0030】本発明に於けるバックコートの乾燥装置と
しては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エア
ループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤ
ー、等の熱風乾燥機、赤外線、加熱ドライヤー、マイク
ロ波等を利用した乾燥機等各種乾燥装置の中から選ぶ事
が出来る。熱風乾燥機を用いる場合はバックコート液の
塗布量、製造速度及び乾燥装置の長さ等により異なる
が、熱風温度は80℃瑤160℃、乾燥時間は3〜20
秒程度が望ましい。又、必要であれば、乾燥用熱風は除
湿する事も出来る。
【0031】本発明に於てバックコートの塗布は裏面に
樹脂層が設けられた後であればどの段階でもさしつかえ
ないが、何れの場合でもその前にバックコート塗布面に
火炎処理、コロナ放電処理等を施して加工面の塗液受容
性を向上しておく事が望ましい。
【0032】本発明の実施に於て写真用支持体は、走行
する基紙上に加熱溶融した樹脂を流延する所謂押出しコ
ーテイング法によって製造される。また、樹脂を被覆す
る前に、基紙にコロナ放電処理、火炎処理などの、活性
化処理を施すのが好ましい、樹脂被覆紙の乳剤側表面
は、その用途に応じて光沢面、マット面、絹目面などを
有し、裏面は通常無光沢面であり、表面にはコロナ放電
処理、火炎処理等の活性化処理を施す事ができるし、さ
らに、親水性の樹脂、例えばゼラチン等を主体とする下
引き層を設けても良い。また、樹脂被覆紙の樹脂層の厚
さとしては制限はないが、一般に5μm〜30μm程度
の厚さに押出しコーテイングしたものが好ましい。
【0033】本発明の実施に用いられる基紙としては、
通常の天然パルプ紙、合成繊維紙、あるいは合成樹脂フ
ィルムを擬紙化したいわゆる合成紙のいずれでも良い
が、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、針葉樹広葉樹混合パ
ルプの木材パルプを主成分とする天然パルプ紙が有利に
用いられる。また、基紙の厚味に関しては特に制限はな
いが、基紙を抄造後カレンダーにて圧力を印加して圧縮
するなどした表面の平滑性の良い基紙が好ましく、その
坪量は40g/m2 〜250g/m2 が好ましいが、発
明の効果が特に有利に発揮されるのは40g/m2 〜1
20g/m2 である。
【0034】本発明の実施に有利に用いられる天然パル
プを主成分とする基紙には各種の高分子化合物、添加剤
を含有せしめる事が出来る。例えば、澱粉誘導体、ポリ
アクリルアミド、ポリビニールアルコール誘導体、ゼラ
チン等の乾燥紙力増強剤、脂肪酸塩、ロジン誘導体、ジ
アルキルケテンダイマー乳化物等のサイズ剤、メラミン
樹脂、尿素樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロルヒド
リン樹脂等の湿潤紙力増強剤、安定剤、顔料、染料、蛍
光増白剤、ラテックス、向き電解質、pH調整剤等適宜
組み合わせて含有せしめる事が出来る。
【0035】本発明の実施に用いられるフィルム形成能
有る樹脂としてはポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ
塩化ビニル等溶融押出塗工可能であれば何でも良く、特
に制限は無いが、ポリオレフィン樹脂が押出塗工性及び
基紙との接着の良さ、原価等の点から特に有利である。
本発明で言うポリオレフィン樹脂とは、低密度ポリエチ
レン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィ
ンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体
などのオレフィンの二種以上から成る共重合体およびこ
れらの混合物であり、各種の密度および溶融粘度指数
(メルトインデックス;以下単にMIと略す)のものを
単独にあるいはそれらを混合して使用できる。
【0036】本発明の実施に用いるフィルム形成能ある
樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カル
シウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジ
ン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸アミド、
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリ
ン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、オクチ
ル酸ジルコニウム、パルミチン酸ナトリウム、パルミチ
ン酸カルシウム、ラウリン酸ナトリウムなどの脂肪酸金
属、テトラキス〔メチレン−3(3,5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシフエニル)プロピオネート〕
メタン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフ
ェノールなどの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セ
ルリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルー顔
料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレッ
ト、マンガン紫などのマゼンタ顔料や染料、ビス(te
rt−ブチルベンゾオキサゾール)チオフェン、ビス
(メチルベンゾオキサゾール)ナフタレンなどの蛍光増
白剤、チヌビン320、チヌビン326、チヌビン32
8(以上チバ・ガイギー社の商品名)などの紫外線吸収
剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好
ましい。
【0037】これらの添加剤を樹脂、好ましくはポリオ
レフィン樹脂中に添加する方法としては、加熱練りロー
ル、バンバリーミキサー、ニーダー、混練用押出機等に
よる溶融混合法が最適であり、各成分をすべて最初から
所望の組成比だけ含有させたコンパウンドを作成して使
用してもよいし、各成分を高濃度に含んだマスターバッ
チを各成分毎に作成して、それらを所望の割合に混合し
てもよい。
【0038】本発明の写真用支持体には、各種の写真構
成層を設けてカラー写真印画紙用、反転カラー写真印画
紙用、白黒写真印画紙用、写植印画紙用、電算写植印画
紙用、複写印画紙用、反転写真材料用、銀塩拡散転写法
ネガ及びポジ用、印刷材料用等各種の用途に用いる事が
出来る。
【0039】例えば、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭
化銀、塩沃臭化銀乳剤層を設ける事が出来る。ハロゲン
化銀写真乳剤層にカラーカプラーを含有せしめて、多層
ハロゲン化銀構成層を設ける事が出来る。また物理現像
核を含有せしめて、銀塩拡散転写受像層を設ける事が出
来る。それらの写真構成層の結合剤としては、通常のゼ
ラチンの他に、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアル
コール、多糖類の硫酸エステル化合物等の親水性高分子
物質を用いる事が出来る。
【0040】また、上記の写真構成層には各種の添加剤
を含有せしめる事が出来る。例えば増感色素として、シ
アニン色素、メロシアニン色素等、科学増感剤として、
水溶性金化合物、イオウ化合物等、カブリ防止剤もしく
は安定剤として、ヒドロキシトリアゾロピリミジン化合
物、メルカプト−複素環化合物等、硬膜剤として、ホル
マリン、ビニルスルフォン化合物、アジリジン化合物
等、塗布助剤として、ベンゼンスルフォン酸塩、スルフ
ォコハク酸エステル塩等、汚染防止剤として、ジアルキ
ルハイドロキノン化合物等、そのほか蛍光増白剤、鮮鋭
度向上色素、帯電防止剤、pH調節剤、かぶらせ剤、ハ
ロゲン化銀の生成・分散時に水溶性イリジウム、水溶性
ロジウム化合物等を適宜組み合わせて含有せしめる事が
出来る。
【0041】本発明に関わるハロゲン化銀写真材料は、
その写真材料に合わせて「写真感光材料と取扱法」(共
立出版、宮本五郎著、写真技術講座2)に記載されてい
るような露光、現像、停止、定着、漂白、安定等の処理
が行われる。
【0042】
【実施例】次に本発明を実施例により、更に詳細に説明
する。 実施例1−3及び比較例1−4 1)写真用支持体の製造 走行する坪量80g/m2 の基紙の裏面に、コロナ処理
をし、低密度ポリエチレン(密度0.920;MI4.
0)50重量部、高密度ポリエチレン(密度0.96
0;MI7.0)50重量部からなる樹脂組成物を16
g/m2 の塗布量で300℃で溶融押出塗工した。次い
で表面にコロナ処理をし、低密度ポリエチレン(密度
0.918;MI9.0)50重量部とルチル型二酸化
チタン50重量部からなるマスターバッチ30重量部、
低密度ポリエチレン(密度0.918;MI5.0)か
らなる樹脂組成物を14g/m2 の塗布量で300℃で
溶融押出塗工した。
【0043】次いで裏樹脂面にコロナ処理をした後下記
バックコート液をグラビアロールコーターで供給し、湿
潤塗布量が10g/m2 になるワイヤーバーを用いて、
塗布量を調整し130℃の空気温度で熱風トンネルドラ
イヤーで乾燥した。乾燥時間は約5秒であった。次いで
表樹脂面にコロナ処理をし、1%ゼラチン水溶液をエア
ナイフコーターで湿潤塗布量5g/m2 塗布し乾燥した
後、巻取った。
【0044】実施例1 [バックコート液] 酵素ゼラチン(PAGI法粘度1.2cPs:試料名P-3226) 20重量部 シリカ微粉末(サイロイド79) 5重量部 スルフォコハク酸2-エチルヘキシルナトリウム:3.75%溶液 0.73重量部 化2の化合物:10%溶液 14.3重量部 (水にて100重量部に)
【0045】実施例2及び3 バックコート液のゼラチンを各々、酵素ゼラチン(PAGI
法粘度1.4cPs : 試料名P-3308)、(PAGI法粘度1.7cPs
: 試料名P-3225)を使用する以外は実施例1と同様に
したサンプルを実施例2及び3とした。
【0046】比較例1 実施例1のバックコート液の濃度を1/3にして同様に
して調製したサンプルを比較例1とした。
【0047】比較例2 バックコート液のゼラチンとして酵素ゼラチン(PAGI法
粘度2.2cPs : 試料名P-3240)を用いて実施例1と同様
にしたが、塗布量がコントロール出来ず、塗布量過多と
なり乾燥が不十分であった。また、塗布面はスジが多く
不均一であった。塗布方法をエアナイフ、ブレード変更
して試みたが塗布量及び塗布面質のコントロールは出来
なかった。以上のバックコートに用いたゼラチンは何れ
も新田ゼラチン(株)製であった。
【0048】比較例3 バックコート液のゼラチンを、アルカリ処理ゼラチン
(PAGI法粘度6.2cPs :IK-4000 (株)ニッピ製)を用
い、全体に濃度を1/3にして比較例3のサンプルを調
製した。
【0049】比較例4 バクコート塗布を別ラインで行い、比較例6の塗液を3
0g/m2 の塗布量で乾燥条件を強めて比較例4のサン
プルを調製した。
【0050】2)印画紙の調製 実施例1,2,3および比較例1,3,4の表面に臭化
銀1.35g/m2 、ゼラチン3.0g/m2 及びゼラ
チンに対して1.5重量%のゼラチンの硬化剤、塗布助
剤からなる乳剤層、ゼラチン1.2g/m2 、ゼラチン
に対して1.8重量%のゼラチンの硬化剤、塗布助剤か
らなる保護層を重層塗布して本発明の印画紙1,2,
3、比較印画紙1,3,4を得た。
【0051】3)評価方法 (各湿度におけるカール度測定)試料を幅方向(CD=
横方向のカール)50mm×巻取り方向(MD=縦方向
のカール)に100mmに切断し、更にこの試料をセン
ターラインに直角に幅50mm×長さ3mmに切断す
る。この試料を25℃、20,55,80%RHの雰囲
気下で20時間放置し、水平な台の上にカール資料を凸
部を下向きに靜置し、両端と台の間隔を測定して表を凹
にするカールをプラス、凸にするカールをマイナスで表
す。
【0052】4)結果 結果を表1に示す。実施例1,2,3、比較例1は塗布
量コントロール、乾燥共に順調であったが、比較例2は
塗布量コントロールに問題が有り、乾燥が不十分であっ
た。また、面質も良くなかった。実施例1,2,3は別
途調製した比較例4と同様に良好なカール抑制を示すの
に対し、比較例1,3は湿度変化に対して大きくカール
が変動する。
【0053】
【表1】
【0054】実施例4,5及び比較例5−7 5)写真用支持体の製造 実施例4及び5 実施例1の化2の化合物の量を10%溶液で5及び20
重量部に変える以外は全く同様にして、実施例4及び5
のサンプルとした。
【0055】比較例5 実施例1の化2に替えてNER-010(長瀬産業(株)製
エポキシ化合物)のメタノール溶液(20重量%)20
重量部にして比較例5のサンプルとした。
【0056】比較例6及び7 実施例1の化2に替えてHDU、TAZM(何れも相互
薬工(株)製のエチレンイミノ基を有する化合物)のメ
タノール溶液(何れも20重量%)20重量部にして各
々比較例6及び7のサンプルとした。
【0057】6)評価方法 3)のカール評価に替えてバックコート層の耐水性の評
価を行った。 (バックコート層の耐水性の評価)50℃で16時間経
時した後10cm×10cmに裁断したサンプルを30
℃、PH11.5のアルカリ水に1分間浸漬し、流水で
1分間洗浄した。そのサンプルの中央部を指で強く押え
ながら10回転擦り、3%ローズベンガル(メタノール
溶液)で染色して、その染色のパターンで評価した。 評価基準 A:周辺部と中央部の濃度に差が無い。 B:中央部がやや薄い。 C:中央部がかなり薄い。 D:中央部が殆ど染まらない。
【0058】7)結果 結果を表2に示す。実施例4及び5は比較例5−7より
も耐水性が強く、現像過程で要求される高温、アルカリ
条件での対傷性が有る事を示している。
【0059】
【表2】
【0060】
【発明の効果】本発明を実施すると、耐水性の有るバッ
クコート層が設けられた安価でカール防止能力の優れた
写真用支持体を、樹脂被覆紙の製造装置上でバックコー
ト層をも設ける事によって一挙に得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 27/00 G03C 1/76 502 1/81

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙を基材とし、その両面をフィルム形成
    能有る樹脂で被覆した樹脂被覆紙型写真用支持体に於
    て、写真画像を形成する側とは反対側に親水性バックコ
    ート層を有し、該バックコート層の、1)バインダーが
    PAGI法で求めた粘度ηが1.2cPs〜2.0cP
    sのゼラチンであり、且つ、バックコート中に含まれる
    ゼラチンの塗布量が乾燥重量0.7g/m2 〜5.0g
    /m2 であり、2)該ゼラチンの架橋剤としてハロゲン
    化トリアジン誘導体を用いた事を特徴とする写真用支持
    体。
  2. 【請求項2】 フィルム形成能ある樹脂がポリオレフィ
    ン樹脂である請求項1記載の写真用支持体。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィン樹脂がポリエチレンであ
    る請求項2記載の写真用支持体。
  4. 【請求項4】 ゼラチンが酵素処理ゼラチンである請求
    項1,2又は3記載の写真用支持体。
  5. 【請求項5】 走行する基紙の上に加熱溶融したフィル
    ム形成能有る樹脂を流延して両面を被覆する樹脂被覆紙
    型写真用支持体の製造方法に於て、両面を樹脂被覆した
    後巻取るまでの間に、写真画像を形成する側とは反対側
    に親水性バックコートを塗布乾燥し、且つ該バックコー
    トの、1)バインダーがPAGI法で求めた粘度ηが
    1.2cPs〜2.0cPsのゼラチンであり、バック
    コート中のゼラチンの塗布量が乾燥重量0.7g/m2
    〜5.0g/m2 であるようにし、2)該ゼラチンの架
    橋剤としてハロゲン化トリアジン誘導体を用いる写真用
    支持体の製造方法。
  6. 【請求項6】 フィルム形成能ある樹脂がポリオレフィ
    ン樹脂である請求項5記載の写真用支持体の製造方法。
  7. 【請求項7】 ポリオレフィン樹脂がポリエチレンであ
    る請求項6記載の写真用支持体の製造方法。
  8. 【請求項8】 ゼラチンが酵素処理ゼラチンである請求
    項5,6又は7記載の写真用支持体の製造方法。
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