JPH05125829A - Ｒｃ構造物の柱・梁仕口部の型枠構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンクリートの一体性を保持しつつ、柱のコ
ンクリートを梁および床のコンクリートと区別して打設
できるようにしたＲＣ構造物の柱・梁仕口部の型枠構造
を提供する。 【構成】 ＲＣ構造物を構築するためのコンクリート型
枠のうち、柱型枠１と梁型枠２との仕口部に当該柱型枠
１と梁型枠２とを仕切るように仕口型枠３を取り付け
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、ＲＣ構造物における
柱・梁仕口部の型枠構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、鉄筋コンクリート構造物（以
下、単にＲＣ構造物という）のコンクリート型枠おいて
は、柱型枠は梁および床の型枠と特別仕切られておら
ず、連続して組み立てられている。このため、コンクリ
ートも柱を梁および床と区別しないで連続して同じ強度
のコンクリートが打設されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、ＲＣ構造の建
物において、柱は梁や床などの他の躯体よりも大きな外
力を受ける場合が多く、また、軸力の他に大きな曲げ力
も受けるため、高い部材強度が要求されることが多い。

【０００４】したがって、柱には柱の部材強度を高める
ために高強度のコンクリートを打設し、柱以外の梁や床
には普通強度のコンクリートを打設するようにすれば、
きわめて経済的で合理的な設計が可能になる。

【０００５】この発明は、このような実情に鑑みてなさ
れたもので、コンクリートの一体性を保持しつつ、柱の
コンクリートを梁および床のコンクリートと区別して打
設できるようにしたＲＣ構造物の柱・梁仕口部の型枠構
造を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明にかかるＲＣ構
造物の柱・梁仕口部の型枠構造は、柱型枠と梁型枠との
仕口部に当該柱型枠と梁型枠とを仕切るように仕口型枠
を取り付けることにより構成されている。

【０００７】

【実施例】図１は、この発明の一実施例を示すＲＣ構造
物の柱・梁仕口部の型枠の断面図であり、図において、
柱型枠１と梁型枠２との仕口部に４枚の仕口型枠３が設
置されている。

【０００８】仕口型枠３は鋼板よりそれぞれＬ字形に形
成され、その各側板部3a,3a には、上下梁主筋4,4 を通
すための切り欠き部5,5が上下二段に水平に形成されて
いる。

【０００９】そして、仕口型枠３は上下階の柱型枠1,1
間に柱型枠１の柱形と連続する矩形断面形の柱形をなす
ように、かつ柱型枠１と梁型枠２とを仕切るように設置
されている。

【００１０】また、上下階の柱型枠１および仕口型枠３
の中に複数本の柱主筋６が連続して配筋され、梁型枠２
および仕口型枠３の中に複数本の梁主筋４が連続して配
筋されている。

【００１１】さらに、上下階の柱型枠１および仕口型枠
３の中に高強度のコンクリート７が連続して打設され、
梁型枠２および床型枠（図省略）の中に普通強度のコン
クリート７が連続して打設されている。

【００１２】なお、柱型枠１、梁型枠２および床型枠は
コンクリート７が充分な強度を発現したら撤去される
が、仕口型枠３はそのまま放置され、仕口部の補強材と
される。

【００１３】図３、図４および図５は仕口型枠３の他の
実施例を示したもので、このうち、図３の仕口型枠３は
エキスパンドメタルより形成され、図４に示す仕口型枠
３は図１の仕口用型枠の両面に複数本のスタッドボルト
８を突設することにより構成され、いずれもコンクリー
トとの一体性を高めるようにしたものである。

【００１４】また、図５は仕口部の外周部の型枠を上下
階の柱型枠1,1 と同一の材料より連続して構成し、ま
た、仕口型枠３を鉄板やエキスパンドメタル等の金属板
より梁型枠２の中に垂直に立て込めるような簡単な矩形
板状に形成するともに、柱型枠１と梁型枠２との境部に
双方の空間部を仕切るように設置したもので、仕口型枠
３がコンクリート７の中に完全に埋設され外部に露出し
ないため、コンクリート打ち放し仕上げとする場合に適
している。

【００１５】

【発明の効果】この発明は以上説明したように構成され
ているため、以下に記載するような効果を有する。

【００１６】柱・梁仕口部において、柱型枠が仕口型枠
によって梁型枠および床型枠と仕切られているため、柱
のコンクリートを梁および床のコンクリートと区別して
打設することができる。したがって、高い部材強度が要
求される柱には高強度のコンクリートを打設し、柱以外
の他の部分には普通強度のコンクリートを打設すること
が可能になるため、きわめて経済的で合理的な設計がで
きる。

【００１７】また、コンクリートの打設に際しては、た
とえば柱部分をバケットによって行い、その他の分をコ
ンクリートポンプによって行うことにより、同日に同時
に行うことができるため、施工の大幅な短縮化が図れ
る。

【００１８】また、最も複雑な仕口型枠を捨て型枠とす
るため、型枠の形状を単純化でき、型枠の加工および組
み立てがし易くなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例を示すＲＣ構造物の柱・梁
仕口部の型枠の構造を示す断面図である。

【図２】図１における仕口型枠の斜視図である。

【図３】この発明の他の実施例を示す組み立てられた仕
口型枠の斜視図である。

【図４】この発明の他の実施例を示す仕口型枠の斜視図
である。

【図５】この発明の他の実施例を示すＲＣ構造物の柱・
梁仕口部の型枠の構造を示す断面図である。

【図６】図５における仕口型枠の正面図である。

【図７】図５における仕口型枠の正面図である。

【符号の説明】

１…柱型枠、２…梁型枠、３…仕口型枠、４…上下梁主
筋、５…切欠き部、６…柱主筋、７…コンクリート、８
…スタッドボルト。

フロントページの続き (72)発明者 藤井 宏恭 東京都港区元赤坂１丁目２番７号 鹿島建 設株式会社内 (72)発明者 荻原 行正 東京都港区元赤坂１丁目２番７号 鹿島建 設株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ＲＣ構造物を構築するためのコンクリー
   ト型枠において、柱型枠と梁型枠との仕口部に当該柱型
   枠と梁型枠とを仕切るように仕口型枠を取り付けたこと
   を特徴とするＲＣ構造物の柱・梁仕口部の型枠構造。