JP2005171548A - フラットプレート架構の補強構造及びその補強方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 中層建物では他の耐震要素を併用することなく、フラットプレート構造のみによる設計を可能とすること、また、免震構造あるいは制震構造と併用することで高層建物の設計を可能とする技術を提供する。
【解決手段】 柱とスラブの接合部において、上下スラブ筋の間に柱の断面積よりも大きい平面積を有する補強プレートを配置した上、コンクリートを打設してなる。また補強プレートを組み立て可能に複数のユニットに分割した。さらに補強プレートの外周に例えばスタッドボルトなどの突出部を設けた。さらに、補強プレートの一部に制震部材を用いることもある。フラットプレート架構の補強方法としては、スラブ下筋の配筋後、柱とスラブの接合部において、前記スラブ下筋上に柱の断面積よりも大きい平面積を有する補強プレートを配置した上、スラブ上筋を配筋し、コンクリートを打設する。
【選択図】 図2
【解決手段】 柱とスラブの接合部において、上下スラブ筋の間に柱の断面積よりも大きい平面積を有する補強プレートを配置した上、コンクリートを打設してなる。また補強プレートを組み立て可能に複数のユニットに分割した。さらに補強プレートの外周に例えばスタッドボルトなどの突出部を設けた。さらに、補強プレートの一部に制震部材を用いることもある。フラットプレート架構の補強方法としては、スラブ下筋の配筋後、柱とスラブの接合部において、前記スラブ下筋上に柱の断面積よりも大きい平面積を有する補強プレートを配置した上、スラブ上筋を配筋し、コンクリートを打設する。
【選択図】 図2
Description
この発明は、フラットプレート架構における柱とスラブとの接合部を補強する技術に関するものである。
フラットプレート架構は、フラットスラブと柱とを梁や支版などを使用せず接合した構造で、床下(その下階の天井)に凹凸の生ぜず、高さ方向に無駄な空間ができないため、自由な間取りが可能で、設備配管の取り回しも容易であることから、フリープラン住宅やSI住宅に対応した躯体構造を得るものとして、近年注目を集めている。
その反面、上述したように梁や支版などを持たない構造的特性から、柱に横方向の揺れ(水平力)が作用した場合、柱とスラブの接合部にひびが発生し、該部の剛性が低下し、またパンチング等の脆性的な破壊形式となりやすく、そのままでは耐震性能に問題あると指摘されている。
そのため、従来は、外壁に耐震要素を配した外殻構造、建物中央部に耐震要素を配したセンターコア構造あるいは免震構造等といった他の耐震要素との併用によって、フラットプレート架構そのものに大きな水平力が作用しないような対策が講じられていた(例えば、特許文献1、非特許文献1を参照)。
しかし、ここに例示した従来技術は、他の耐震要素を必要とするものであるから、水平力に対する柱・スラブ接合部そのものの曲げ耐力、せん断耐力、あるいは靭性能を向上させる直接的な有効手段とは言い難く、フラットプレート構造による建築物の設計を困難なものにしてきた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、フラットプレート構造の建築物に水平力が作用する場合の設計上の制約を軽減することによって、7層程度の中層建物では他の耐震要素を併用することなく、フラットプレート構造のみによる設計を可能とすること、また、免震構造あるいは制震構造と併用することで高層建物の設計を可能とする技術を提供することである。
上述した目的を達成するために本発明では、柱とスラブの接合部において、上下スラブ筋の間に柱の断面積よりも大きい平面積を有する補強プレートを配置した上、コンクリートを打設するという手段を用いた。補強プレートは例えば鋼製のプレートを骨組みして構成される。このような補強プレートを上下スラブ筋間に配することによって、柱を囲繞しつつ、コンクリート打設によってスラブ上筋と下筋の間に埋設され、柱・スラブの接合部を補強する作用を行う。また、補強プレートは上下スラブ筋を配筋する場合のスペーサとしても機能する。
補強プレートは、柱の断面積よりも平面積を有する必要があるが、柱が太い場合は、複数のユニットに分割し、これを現場にて例えば高力ボルトなどによって組み立てることができる。ただし、その形状等は、柱・スラブの接合部に作用する応力に応じて自由に設定することができる。
また、補強プレートの外周部に例えばスタッドボルトを突設することによって、打設コンクリートとの接合力を高めることができる。また、補強プレートに制震部材を用いることによって、柱・スラブ接合部のエネルギー吸収性能を制御することが可能となる。
さらに、本発明では、フラットプレート架構の補強方法として、スラブ下筋の配筋後、柱とスラブの接合部において、前記スラブ下筋上に柱の断面積よりも大きい平面積を有する補強プレートを配置した上、スラブ上筋を配筋し、コンクリートを打設するという手段を用いた。
このように本発明によれば、柱とスラブの接合部において、上下スラブ筋の間に柱の断面積よりも大きい平面積を有する補強プレートを配置した上、コンクリートを打設するという手段を用いたので、柱・スラブの接合部そのものを直接的に補強し、従来のフラットプレート架構と比較して、前記接合部の曲げ耐力、せん断耐力および靭性能を大幅に向上させることができる。そのため、7層程度の中層建物では他の耐震要素を併用することなく、より高層・長スパンの躯体設計が可能となる。また、補強プレートの設置等、作業に特殊な工程は必要なく、一般の配筋方法によって簡易に施工することができる。さらに、補強プレートはスラブ内に埋設されるから、補強プレートの耐久性も確保される。
また、補強プレートを組み立て可能に複数のユニットに分割したものにあっては、補強プレートの搬入や上階揚重、接合部への配置作業等を利便に行うことができる。
また、補強プレートの外周部に例えばスタッドボルト等の突出部を設けたものにあっては、前記突出部が補強プレートと打設コンクリートの接合力を向上させ、コンクリートとの一体性を高めることができる。さらに、補強プレートに制震部材を用いることによって、柱・スラブ接合部のエネルギー吸収性能を制御することが可能となった。
以下、本発明の好ましい実施の形態を添付した図面に従って説明する。図1、2は、本発明で使用する補強プレートの一例を示したもので、複数枚の鋼製プレート1を平面視八角形に骨組みしてなる。この補強プレートにおいてa・bは、原則として柱寸法と同じとしてるが、本発明においては、その平面積が柱の断面積を上回るものであり、柱を囲繞して配置した場合、柱からの迫り出し部がスラブとの接合部を構成するものであれば、これに限定する必要はなく、その形状も柱形状や接合部に作用する応力等を計算した上で決定すればよい。
なお、2は補強プレートの外周に打設されたスタッドボルトであって、プレート外周から突出して設けることにより、当該プレートと打設コンクリートの一体性を高めるものである。
図3は、上記補強プレートを複数のユニットに分割した例を示したもので、この場合、内部に鋼製プレート1を十文字に配した平面視四角形状のユニット3が1個と、内部に鋼製プレート1を一文字に配した平面視四角形上のユニット4が4個と、平面視二等辺三角形状に構成したユニット5が4個に分割されている。そして、これらユニット3・4・5を高力ボルトで接合することによって、図1と同じ形状の補強プレートを組み立てることができる。なお、分割数や各ユニットの形状は、これに限らず、適宜変更できることはもちろんである。
図4は、上記補強プレートを用いたフラットプレート架構の補強方法についての施工手順を示したもので、先ず通法のRC工法に従って、柱型枠6、スラブ型枠7の構築およびスラブ下筋8の配筋を行う(同図(a))。次に、上記補強プレートを柱・スラブの接合部に位置して、スラブ下筋8上に配置する(同図(b))。そして、補強プレートをスペーサとして、その上にスラブ上筋9を配筋する(同図(c))。ここまで、補強プレートの設置を含めて、一般の鉄筋工によって簡易に施工することができる。そして、スラブ上筋9側から、これまた通法のRC工法によって、コンクリート10を打設することによって、本発明の補強方法が構成される(同図(d))。
なお、図1において、例えば丸で囲った部分に制震部材を用いることによって、柱・スラブ接合部のエネルギー吸収性能を制御することが可能となる。
1 鋼製プレート
2 スタッドボルト
3、4、5 補強プレートの分割ユニット
6 柱型枠
7 スラブ型枠
8 スラブ下筋
9 スラブ上筋
10 コンクリート
2 スタッドボルト
3、4、5 補強プレートの分割ユニット
6 柱型枠
7 スラブ型枠
8 スラブ下筋
9 スラブ上筋
10 コンクリート
Claims (6)
- 柱とスラブの接合部において、上下スラブ筋の間に柱の断面積よりも大きい平面積を有する補強プレートを配置した上、コンクリートを打設してなることを特徴としたフラットプレート架構の補強構造。
- 補強プレートを組み立て可能に複数のユニットに分割したものである請求項1記載のフラットプレート架構の補強構造。
- 補強プレートは、その外周に突出部を設けたものである請求項1または2記載のフラットプレート架構の補強構造。
- 突出部は、スタッドボルトである請求項3記載のフラットプレート架構の補強構造。
- 補強プレートに制震部材を用いた請求項1から4のうち何れか一項記載のフラットプレート架構の補強構造。
- フラットプレート架構の補強方法として、スラブ下筋の配筋後、柱とスラブの接合部において、前記スラブ下筋上に柱の断面積よりも大きい平面積を有する補強プレートを配置した上、スラブ上筋を配筋し、コンクリートを打設することを特徴としたフラットプレート架構の補強方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003410143A JP2005171548A (ja) | 2003-12-09 | 2003-12-09 | フラットプレート架構の補強構造及びその補強方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003410143A JP2005171548A (ja) | 2003-12-09 | 2003-12-09 | フラットプレート架構の補強構造及びその補強方法 |
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JP2005171548A true JP2005171548A (ja) | 2005-06-30 |
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ID=34731298
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JP2003410143A Pending JP2005171548A (ja) | 2003-12-09 | 2003-12-09 | フラットプレート架構の補強構造及びその補強方法 |
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JP (1) | JP2005171548A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015117562A (ja) * | 2013-12-20 | 2015-06-25 | 有限会社シーアンドシーエンジニアリング | フラットスラブ構造 |
KR101747002B1 (ko) * | 2015-12-28 | 2017-06-15 | (주)대우건설 | 철근 콘크리트 기둥과 합성보를 이용한 구조물 및 그 시공방법 |
KR20190031625A (ko) * | 2017-09-18 | 2019-03-27 | 송창일 | 부처조형상에 법당이 형성되는 구조물 |
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2003
- 2003-12-09 JP JP2003410143A patent/JP2005171548A/ja active Pending
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JP2015117562A (ja) * | 2013-12-20 | 2015-06-25 | 有限会社シーアンドシーエンジニアリング | フラットスラブ構造 |
KR101747002B1 (ko) * | 2015-12-28 | 2017-06-15 | (주)대우건설 | 철근 콘크리트 기둥과 합성보를 이용한 구조물 및 그 시공방법 |
KR20190031625A (ko) * | 2017-09-18 | 2019-03-27 | 송창일 | 부처조형상에 법당이 형성되는 구조물 |
KR102120531B1 (ko) * | 2017-09-18 | 2020-06-08 | 송창일 | 부처상에 법당이 형성되는 구조물 |
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