JPH0512504Y2 - - Google Patents

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JPH0512504Y2
JPH0512504Y2 JP12099986U JP12099986U JPH0512504Y2 JP H0512504 Y2 JPH0512504 Y2 JP H0512504Y2 JP 12099986 U JP12099986 U JP 12099986U JP 12099986 U JP12099986 U JP 12099986U JP H0512504 Y2 JPH0512504 Y2 JP H0512504Y2
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flywheel
crankshaft
piston
center
internal combustion
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は内燃機関のクランク軸上のフライホイ
ール、特にクランク軸の曲げ共振による振動、騒
音の低減を図つたフライホイールの構造に関する
ものである。
〔従来の技術〕
自動車の内燃機関のように間欠的に燃焼が行わ
れて、燃焼圧力によりピストンからクランク軸に
回転が伝達される場合、回転変動を小さくするた
め質量体としてフライホイールが用いられてい
る。このフライホイールは、クランク軸の一端に
固定され、機関の応答性能に悪影響を与えない程
度にクランク軸の周りの慣性モーメントが適度の
大きさに選定されている。そしてこのフライホイ
ールに爆発行程で発生したエネルギーの一部を一
時的に蓄えておき、他の行程をする仕事のために
これを吐き出し、機関が発生する回転力の変動を
少なくするようにしている。
ところで直列型の4気筒の往復動内燃機関で
は、クランク軸のクランクピンは、各気筒間で
180度対立して設けられているが、全て同一平面
(クランクピン平面と称す)に位置している。そ
のためクランク軸に曲げを作用させた場合を考え
ると、クランクピン平面を含む方向の曲げの場合
の曲げ剛性が最も小さく、クランクピン平面と直
交する方向の曲げ剛性が最も大きくなる。またピ
ストンが上死点の時はクランクピン平面と平行な
方向でクランク軸に爆発圧力又は往復慣性力が作
用し、これが起振源となり、この方向でのクラン
ク軸の曲げ剛性が小さいことと相俟つて、曲げ共
振が生じ、そのためフライホイールは、クランク
軸の軸線方向とピストンの運動方向(すなわちク
ランクピン平面)の両方向に対して垂直な軸線周
りに、大きく振動して面振れを生じ、騒音が増大
する。
そこでこのようなクランク軸系からの振動を低
減するために、クランク軸の曲げ剛性の小さい方
向に沿うフライホイールの中心線上の外周部の肉
を少なくし、クランク軸の曲げ剛性が大きい方向
に沿うフライホイールの中心線上の外周部の肉を
多くしてクランク軸の曲げ共振による振動、騒音
を抑えるようにしたフライホイールが提案されて
いる(実開昭59−137438号公報、実開昭60−
89446号公報、特開昭58−128546号公報参照)。
ところで上記各公報に記載されているフライホ
イールは、ピストンが上死点に位置する毎に、燃
焼圧力によつて発生する爆発加振力が現われると
いう認識に基づいて、その重量配分を行つている
が、実際上は、ピストンが上死点を過ぎてクラン
ク軸が数度回転したところで燃焼圧力が最大とな
ることが確認されているため、振動を低減する効
果が十分に発揮できないという問題がある。
本出願人は、この問題を解決するため、フライ
ホイールのクランク軸の軸線周り以外の慣性モー
メントを燃焼圧力の最大時の変動と同期させ変化
させることにより、クランク軸系の曲げ振動を低
減するフライホイールを考案した(実願昭61−
37831号参照)。
この本出願人提案のフライホイールは、ピスト
ンの上死点の位置を基準にしてクランク軸が所定
角度回転するところで、クランク軸の軸線方向と
ピストンの運動方向との両方向に対して垂直な軸
線周りの、慣性モーメントを最小としたものであ
る。
〔考案が解決しようとする問題点〕
上記実願昭61−37831号のフライホイールは機
関の実際の運転に適合した振動低減効果の得られ
るものであるが、その構造は、燃焼圧力が最大と
なる方向に沿つてフライホイールの外周部に薄肉
の凹所を設けているため、フライホイール全体の
肉厚は、その円周方向に沿つて厚肉部−薄肉部−
厚肉部−薄肉部というようにその肉厚が変化して
いる。このためフライホイールがクラツチと接触
した際発生する熱の流れは、この肉厚の相違によ
り異なるものとなり、フライホイール内部で温度
分布に偏りが発生し、これに伴う熱応力のために
フライホイールが変形するという問題がある。
〔問題点を解決するための手段〕
本考案は上記の問題点を解決するため、フライ
ホイールの慣性モーメントを最小にするための薄
肉部を全く無くしたフライホイールを提供する。
すなわち、本考案の構成は、クランク軸の端にフ
ライホイールを固定した内燃機関において、前記
フライホイールに最も近接した気筒のピストンが
上死点にある時の前記クランク軸の回転位置を基
準とし該基準位置からクランク軸が所定角度回転
し、前記気筒の燃焼圧力が最大となる時前記ピス
トンの運動方向に沿い前記フライホイールの中心
を通る線上において、該フライホイールの外周部
近傍の肉を中心に関し対称に取去り切欠き部を形
成し、該切欠き部の各重心位置が、前記クランク
軸の基準位置からクランク軸の前記所定角度だけ
前記フライホイールの回転方向で遅れた位置にあ
るようにし、クランク軸の軸線方向とピストンの
運動方向との両方向に対して垂直な軸線周りの前
記フライホイールの慣性モーメントを最小とした
ことを特徴とするものである。
〔作用〕
上記の構成からなる本考案によれば、燃焼圧力
が最大となる位置でフライホイールの、クランク
軸の軸線方向とピストンの運動方向とに垂直な軸
線周りの慣性モーメントが小さくなるので、フラ
イホイールの固有振動数は高くなり共振が避けら
れ、振動低減効果をもたらし、騒音を低減する。
またフライホイールの肉厚に偏りがないためクラ
ツチとの接触時の熱の流れを均一にしフライホイ
ール内部の温度分布に偏りを生ぜず、その熱変形
をなくす作用をする。
〔実施例〕
本考案の実施例を図面を参照して以下に説明す
る。
第4図に、4気筒の内燃機関のクランク軸系が
示されている。第4図からも分かるように、クラ
ンク軸には、その軸線方向に略等間隔にコネクテ
イングロツド6,7,8,9が装着されており、
このコネクテイングロツド6,7,8,9を介し
てピストン2,3,4,5がクランク軸1に連結
されている。そして、クランク軸1の両端には、
内燃機関に装備される補機類を駆動するためのプ
ーリ10と、このプーリ10より質量および径が
大きく定められたフライホイール11が装着され
ている。ここで、プーリ10とフライホイール1
1にそれぞれ最も近いピストン2,5と他のピス
トン3,4とは、クランク軸1の回転に換算して
回転の位相が180°ずれている。即ち、ピストン
2,5が上死点の位置にあるとき、ピストン3,
4は下死点の位置にある。また、それぞれのピス
トン2,3,4,5が圧縮行程中の上死点にある
とき、点火は、ピストン2→ピストン4→ピスト
ン5→ピストン3の順で繰り返される。
ところで、第5図に示すように、フライホイー
ル11には、その外周部近傍に円弧状の切欠き部
12,13が設けられている。切欠き部12,1
3の重心G1,G2の位置は、フライホイール11
の中心Oを通過する直線l上に設定されている。
そして、フライホイール11の回転の進む方向が
図中の矢印の方向に定められると、これら重心
G1,G2は、ピストン2,3,4,5の運動方向
にあつて中心Oを通過する基準線lOからクランク
軸1の回転角度に換算してΔθ(5°〜30°)遅れたと
ころに位置する。このΔθの値は、第6図から分
かるように、圧縮行程中にピストン2,3,4,
5の上死点からクランク軸1が数度回転したとこ
ろに現れる最大燃焼圧力になるまでの回転角度を
示す。なお、切欠き部12,13が設けられて
も、クランク軸1の軸の回りの回転で中心Oが回
転中心となる慣性モーメントIZ(第3図を参照)
の値は、回転変動および応答性に悪影響を与えな
いように設定されている。
さらに第1図および第2図を参照すると、フラ
イホイール11は上記のように中心線lに沿つて
外周部近傍に肉部を完全に取去つた円弧状の切欠
き部12,13をフライホイール11の中心Oに
関して対称の位置に設けるとともに、クラツチ板
(図示しない)が接触する側には平面14を有し
ている。またこの切欠き部12,13を除くフラ
イホイール本体部15は同一の厚さ厚肉部を形成
している。このようにしてフライホイール11
は、第3図に示す、クランク軸の軸線Zとピスト
ンの運動方向Xとに共に垂直な軸線Yの周りの慣
性モーメントIYが最小となるようにする。
本実施例の作用について図面を参照して説明す
る。
第3図に示したように、クランク軸1の軸方向
にZ軸、ピストン2,3,4,5の運動方向にX
軸、そしてX,Z軸に対して垂直な方向にY軸が
定められており、機関運転中、X軸を含む平面に
描かれているような振動モードでクランク軸1は
振動している。ここで内燃機関が最大燃焼圧力の
状態になつたとき、フライホイール11に関し
て、Y軸の回りの慣性モーメントIYは、切欠き部
12,13の存在によつて必ず最小となる。した
がつて、Y軸を軸とするフライホイール11の回
転振動の固有振動数は、切欠き部12,13を施
さない場合と比較して高くなつている。
次に、第7図に示すように、燃焼圧レベルは、
周波数が高くなるほど、小さくなることが実験に
より確かめられている。また、第8図に示すよう
に、振動伝達率が最大になる固有周波数を高くす
るにつれて、固有周波数より低い所定の周波数に
おいて、振動伝達率が低くなることが知られてい
る。したがつて、第9図に示されたように、本実
施例のフライホイール11の使用により、燃焼圧
レベルの大きい低中周波数域での共振が避けられ
るとともに、高周波数域に移つた共振域でも、燃
焼圧力によつてもたらされる加振力と振動伝達率
の積で表される振動レベルが小さくなる。そし
て、第10図から分かるように、本実施例のフラ
イホイール11がもたらした振動低減効果によつ
て、機関の全回転域にわたつて、車内騒音の音圧
レベルが下げられるものとなる。
また本実施例においては切欠き部12,13を
除いたフライホイール本体15は均一の厚さを有
し、他に薄肉部を有していないため、クラツチ板
が平面部14に接触して生じる熱はフライホイー
ル11全体に一様に流れることとなり均一な温度
分布が達成され熱変形を防止することができる。
〔考案の効果〕
本考案によれば、爆発加振力のタイミングと正
確に同期したところで、クランクシヤフトの軸線
方向とピストンの運動方向とに対して共に垂直な
軸の回りの慣性モーメントを最小にしたので、フ
ライホイールを含むクランク軸系の共振周波数を
従来より高く設定できて機関の常用回転域におけ
る振動を一層低く抑えることができ、騒音の発生
を低減することができる。
またフライホイールは肉厚が均一であるのでク
ラツチの接触により発生する熱の流れが一様とな
りフライホイール内部の温度分布は均一となりそ
のため熱変形の生じるのを防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の実施例の平面図、第2図は第
1図のA−A線による切断面図、第3図は、本考
案の内燃機関のフライホイールを含むクランク軸
の三次元モデル図、第4図は、本考案の内燃機関
のフライホイールを含むクランクシヤフト系の二
次元モデル図、第5図は、本考案の内燃機関のフ
ライホイールの概略説明図、第6図は、燃焼圧力
の変動を示す線図、第7図は、燃焼圧力と周波数
の関係を示す線図、第8図は、振動伝達率と周波
数の関係を示す線図、第9図は、振動レベルと周
波数の関係を示す線図、第10図は、音圧レベル
と機関回転数の関係を示す線図である。 1……クランク軸、2,3,4,5……ピスト
ン、11……フライホイール、12,13……切
欠き部、15……フライホイール本体部。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. クランク軸の端にフライホイールを固定した内
    燃機関において、前記フライホイールに最も近接
    した気筒のピストンが上死点にある時の前記クラ
    ンク軸の回転位置を基準とし該基準位置からクラ
    ンク軸が所定角度回転し、前記気筒の燃焼圧力が
    最大となる時前記ピストンの運動方向に沿い前記
    フライホイールの中心を通る線上において、該フ
    ライホイールの外周部近傍の肉を中心に関し対称
    に取去り切欠き部を形成し、該切欠き部の各重心
    位置が、前記クランク軸の基準位置からクランク
    軸の前記所定角度だけ前記フライホイールの回転
    方向で遅れた位置にあるようにし、クランク軸の
    軸線方向とピストンの運動方向との両方向に対し
    て垂直な軸線周りの前記フライホイールの慣性モ
    ーメントを最小としたことを特徴とする内燃機関
    のフライホイール。
JP12099986U 1986-08-08 1986-08-08 Expired - Lifetime JPH0512504Y2 (ja)

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JP12099986U JPH0512504Y2 (ja) 1986-08-08 1986-08-08

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JP12099986U JPH0512504Y2 (ja) 1986-08-08 1986-08-08

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Publication Number Publication Date
JPS6327745U JPS6327745U (ja) 1988-02-23
JPH0512504Y2 true JPH0512504Y2 (ja) 1993-03-31

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