JPH05124904A - 水溶性熱可塑性重合樹脂中に固定された殺微生物剤およびそれから調製される殺微生物剤の水性分散系 - Google Patents

水溶性熱可塑性重合樹脂中に固定された殺微生物剤およびそれから調製される殺微生物剤の水性分散系

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JPH05124904A
JPH05124904A JP3064997A JP6499791A JPH05124904A JP H05124904 A JPH05124904 A JP H05124904A JP 3064997 A JP3064997 A JP 3064997A JP 6499791 A JP6499791 A JP 6499791A JP H05124904 A JPH05124904 A JP H05124904A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水溶性熱可塑性樹脂およびその中に溶解され
た殺微生物剤を含んで成る固溶体を提供することを目的
とする。 【効果】 それらの固溶体は、殺生物性を付与するため
に硬質熱可塑性樹脂組成物に添加することができる。殺
微生物剤が水不溶性である場合には、本発明の固溶体を
使って殺微生物剤の安定な分散系を調製することができ
る。また該固溶体は、殺微生物剤の徐放のために、また
は殺微生物剤を水溶液に提供するためのビヒクルとし
て、用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、殺微生物剤が水溶性樹
脂中に固定されている固体殺微生物剤濃厚物に関する。
そのような濃厚物は、殺生物活性を付与する手段として
固体樹脂への添加剤として特に有用である。加えて、水
不溶性殺微生物剤が水溶性樹脂中に溶解されている濃厚
物を水または水溶液に添加して、殺微生物剤の微小分散
液を調製することができる。そのような微小分散液は、
例えば、殺微生物活性を付与するために織物の糸を処理
するのに有用である。
【0002】
【従来の技術】樹脂組成物中に殺微生物剤を組み込み、
樹脂組成物から成形される製品の悪化を防止することに
より、真菌または細菌の攻撃に対して様々な熱可塑性樹
脂組成物を保護することは知られている。殺微生物剤
は、細胞壁または細胞タンパク質への作用、例えばジス
ルフィド結合への攻撃、により細菌または真菌の増殖を
抑制する。殺微生物剤が樹脂組成物中において効果的で
あるためには、それが樹脂組成物の成分と適合性であり
且つ樹脂組成物中に均一に分散可能であることが必要で
ある。殺微生物剤は、それが微生物に対して生物学的に
活性なままであるような方式で樹脂組成物により担持さ
れなければならず、そして特に、細孔の内側表面を含む
表面において利用可能でなければならない。樹脂組成物
中への殺微生物剤の混和は、通常、殺微生物剤が表面に
ゆっくりと移動できるような樹脂組成物においてのみ効
果的である。ある場合には、殺微生物剤がポリマーの非
晶域を通ってゆっくりと移動する。他の場合には、重合
樹脂と一緒に最終用途樹脂組成物中に含まれる可塑剤に
より殺微生物剤の表面移動が促進される。表面の殺微生
物剤が微生物に対する作用により消費されるにつれて、
他の殺微生物剤が表面に移動する。殺微生物剤は非常に
毒性の化学物質であり得るけれども、最終用途製品中の
低濃度および樹脂組成物による保持が、最終用途製品中
の殺微生物剤が人間および動物に対して全く危険性を持
たないことを保証する。
【0003】殺微生物剤は、最終用途樹脂組成物が二次
加工される配合混合物中に容易に分散できる形態で入手
可能でなければならない。多数の有用な殺微生物剤が市
販されている粉末または結晶形態は、容易に分散可能で
ある;しかしながら、混合の場所において、粉末または
微結晶が大気中に飛散される場合、粉末または結晶形の
殺微生物剤は実質的に環境および健康上の危険を有す
る。更に、大気中に飛散される場合、粉末または微粉は
潜在的な爆発危険を表す。
【0004】粉末または結晶形の殺微生物剤の毒性問題
を認識して、米国特許第29,409号は、最終用途樹脂組成
物が二次加工される配合混合物に添加することのできる
液体溶剤中に殺微生物剤を溶解することを教示してい
る。液体分散系は最終用途樹脂組成物を調製する場所で
は安全に使用することができるけれども、注意深い使用
または液体の廃棄はまだ環境および健康上の危険を有す
る。
【0005】1978年 4月25日に Reiらに発行された米国
特許第 4,086,297号(この教示は引用により本明細書に
組み込まれる)は、固定化された殺微生物剤を含有する
固体熱可塑性殺微生物剤樹脂濃厚物を記載している。そ
れらの固体殺微生物剤樹脂濃厚物は、比較的高濃度の殺
微生物剤を含有し、そして所望の最終使用殺微生物剤濃
度を提供するのに十分な量において、最終用途樹脂組成
物が調製される配合混合物に添加される。典型的には小
ペレットの形態で提供される固体殺微生物剤樹脂濃厚物
は、自由に取り扱うことができ、健康または環境上の危
険を実質的に全く有さない。そのようなペレットは直接
の皮膚接触に対してさえも安全である。殺微生物剤は固
体殺微生物剤樹脂濃厚物中に十分に固定され且つ不活性
であるけれども、より軟質な最終用途樹脂組成物では、
表面における低濃度の殺微生物剤が生物活性を有し、そ
して表面への漸進的で且つ連続的な移動が連続的な生物
活性を保証する。実際、固体殺微生物剤樹脂濃厚物は、
殺微生物剤を最終用途熱可塑性製品に提供する好ましい
方法を代表する。
【0006】米国特許第 4,789,692号(この教示は引用
により本明細書に組み込まれる)は、特定の熱可塑性樹
脂中に濃厚レベルの殺微生物剤を担持させるのに特に適
当であるポリマー、コポリマーおよびテルポリマーのブ
レンドを開示している。
【0007】殺微生物剤の包含が最終用途製品に殺生物
活性を付与するためには、殺微生物剤は、微生物の増殖
に対して作用する表面の所で利用可能でなければならな
い。熱可塑性樹脂および可塑剤を含んで成る柔軟性最終
用途組成物では、普通は可塑剤が、混入された殺微生物
剤の最終用途製品表面への連続的な補給のための輸送メ
カニズムを提供する。この性質の典型的製品はポリ塩化
ビニル(PVC)シャワーカーテンであり、これは長期
間に渡りシャワーカーテンを微生物攻撃から保護するの
に十分な殺微生物剤と十分な量の可塑剤を含有する。
【0008】他方、硬質ポリマー材料は、殺微生物剤の
混入による保護を実質上全く与えない。というのは、混
入された殺微生物剤が、微生物に対して作用するために
利用可能である表面に移動しないためである。この一例
は硬質PVC、例えば家の羽目用のものである。柔軟性
の可塑化PVC組成物とは異なり、硬質の非可塑化PV
Cは微生物攻撃による分解を特に受けにくい。それにも
かかわらず、そのような硬質ポリマー材料上の微生物増
殖は、特に美的観点から、望ましくない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第一の目的
は、硬質熱可塑性樹脂に殺生物活性を提供するのに用い
ることができる樹脂中殺微生物剤の固体濃厚物を提供す
ることである。他の目的および利点は、下記の発明の記
載によりさらに詳細に説明されるであろう。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、水溶性
熱可塑性樹脂中の殺微生物剤の固体濃厚物が提供され
る。それらの濃厚物は、表面上での微生物の増殖を抑制
するために硬質熱可塑性樹脂組成物に添加することがで
き、そしてそれに殺生物活性を付与することができる。
【0011】濃厚物、特に水不溶性殺微生物剤が水溶性
樹脂中に溶解されているような濃厚物、の驚くべき意外
な別の用途は、水性媒質中の殺微生物剤の微小分散系の
調製である。水性媒質へのこの濃厚物の添加は、水溶性
樹脂を溶解させ、そして水性媒質中で安定な分散系を形
成するのに十分なほど微細である殺微生物剤粒子を沈澱
させる。そのような分散系は、例えば殺生物活性を付与
するために繊維を処理するのに有用である。
【0012】
【作用】本発明の1観点は、水溶性熱可塑性樹脂中の殺
微生物剤の濃厚物に向けられ、この濃厚物は、最終用途
樹脂組成物中に殺微生物剤を担持させるために使用され
る。水溶性熱可塑性樹脂は、最終用途樹脂組成物におけ
る殺微生物剤の移動性を促進し、最終用途樹脂組成物の
表面(細孔表面を含む)への殺微生物剤の移動を促進す
ることが発見された。混和された殺微生物剤は硬質また
はガラス状熱可塑性樹脂組成物中に固定化される傾向が
あるので、殺微生物剤の混和により表面の微生物増殖か
らそのような組成物を保護することは特に困難である。
そのような組成物の表面において殺微生物剤が涸渇する
と、内部に混和された殺微生物剤の移動により補充され
ず、または少なくとも十分な速度で補充されない。した
がって、本発明による殺微生物剤担体としての水溶性熱
可塑性樹脂の使用により、今までは殺微生物剤の混和に
より適切に保護することができなかった熱可塑性樹脂組
成物を保護することができる。本発明の濃厚物は、ポリ
エチレンテレフタレート(PET)、アクリロニトリル
−ブタジエン−スチレンポリマー(ABS)、ポリ塩化
ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、
ポリカーボネートおよびポリスチレンの硬質組成物に生
物活性を付与することが示された。
【0013】硬質またはガラス状熱可塑性樹脂組成物
は、通常は室温より高温、例えば約25℃より高温のガ
ラス転移温度を有するものである。しかしながら、殺微
生物剤が最終用途樹脂組成物中で移動性であるかまたは
非移動性であるかどうか、または移動性であってもかな
りの速度であるかどうかは、様々な要因に依存する。そ
のような要因としては、1または複数の樹脂の化学組
成、最終用途樹脂組成物への添加剤、例えば可塑剤、流
量調整剤、充填剤等に依存するであろう。いずれの場合
にせよ、本発明に従って使用される水溶性熱可塑性担体
樹脂は、一般に最終用途熱可塑性樹脂組成物における殺
微生物剤の移動を促進すると思われる。従って、この濃
厚物の特に重要な用途は、混和された殺微生物剤により
固体またはガラス状熱可塑性樹脂を保護できるようにす
ることであるが、この濃厚物は熱可塑性樹脂組成物に対
する広範な用途を有する。例えば、短い予想寿命が予想
される非硬質の熱可塑性の最終用途樹脂組成物、例えば
厨芥袋は、殺微生物剤の移動速度が増加されれば、より
少ない殺微生物剤合計量を要求し得る。
【0014】水溶性熱可塑性樹脂とは、25℃において
水100mlあたり少なくとも約1g、好ましくは25℃
において水100mlあたり少なくとも約5gまで可溶で
ある熱可塑性樹脂を意味する。
【0015】殺微生物剤の担体として有用であるために
は、樹脂は熱可塑性であることが必要であり、そしてこ
の点で、担体樹脂はその分解温度よりも低い温度で融解
しなければならない。本発明の濃厚物は、担体樹脂と殺
微生物剤との溶融配合によって調製される。更に、いず
れかの最終用途熱可塑性樹脂組成物に関連して担体とし
て有用であるためには、担体樹脂は最終用途熱可塑性樹
脂組成物の加工温度において分解に対して安定であるべ
きである。
【0016】最終用途樹脂組成物中への特定の殺微生物
剤用の担体として水溶性樹脂を選択する上で、重要な判
定基準は、樹脂が高濃度の特定殺微生物剤を可溶化する
ことができることである。ほとんどの場合、水溶性担体
樹脂の添加は、硬質熱可塑性樹脂への望ましくない付加
であると考えられ、または少なくとも殺微生物剤の移動
を促進する以外に最終用途熱可塑性樹脂組成物に有利な
特性を付与しない。従って、最終用途樹脂組成物へ添加
される水溶性樹脂のレベルを最小にするために、水溶性
担体樹脂中の殺微生物剤の濃度を高くすればするほどよ
り有利になると一般に考えられる。もちろん、最終用途
製品の寿命中は最終用途樹脂組成物の表面への殺微生物
剤の移動を促進するのに十分な水溶性樹脂を最終用途樹
脂組成物に添加しなければならない。しかしながら、通
常は水溶性樹脂中の殺微生物剤の溶解度が限定要因であ
る。
【0017】溶融した水溶性担体樹脂中に殺微生物剤が
可溶であることのみが通常必要である。特定の樹脂、特
定の殺微生物剤および濃度に依存して、固体形の濃厚物
は、凝固した樹脂中に殺微生物剤をまだ十分に溶解させ
ることができる。しかしながら、水溶性樹脂担体樹脂の
凝固時に殺微生物剤が或る程度再結晶する多くの用途に
は差し支えない。そのような場合、生成する殺微生物剤
の結晶はごく小さくそして最終用途樹脂組成物中の至る
ところに一様に分布し、または下記に論ずる本発明の別
の用途に適するサイズであろう。
【0018】本発明の濃厚物は、最終用途樹脂組成物中
に存在すべきである殺微生物剤の濃度の少なくとも約2
0倍、好ましくは最終使用濃度の少なくとも約100倍
を含むであろう。殺微生物剤に依存して、濃厚物は最終
使用濃度の1000倍まで含むこともできる。この濃厚
物は、所望の濃度の殺微生物剤を最終用途製品に提供す
るのに十分な量で最終用途樹脂に添加される。例えば、
該濃厚物が最終使用濃度の100倍の殺微生物剤を含む
ならば、それは1:99の重量比において最終用途組成
物の熱可塑性樹脂に添加されるだろう。最終使用濃度
は、微生物の増殖を防止するために最終用途樹脂組成物
中に必要とされる濃度である。最終使用濃度は、使用す
る特定の殺微生物剤に応じて広範に異なるであろう。し
かし、適切な最終使用濃度の選択は、特に発表された種
々の殺微生物剤の活性レベルを参考にして、当業者の技
術の範囲内であると思われる。
【0019】様々なタイプ樹脂中の幾つかの市販の殺微
生物剤の最終使用濃度を次の表に示す。
【0020】
【表1】
【0021】水溶性熱可塑性樹脂は、水溶性樹脂が一次
熱可塑性樹脂組成物の特性に対して最小の負の効果を有
するように、一次熱可塑性樹脂に従って更に選択され
る。この点で、水溶性熱可塑性樹脂はそれが添加される
一次熱可塑性樹脂と化学的に類似していることが有利で
あるかもしれない。
【0022】現在好ましい水溶性樹脂担体は、ポリビニ
ルアルコール(PVA)を主としてベースにした樹脂で
ある。ポリビニルアルコールは、ポリビニルアセテート
または他のポリビニルエステルの加水分解生成物であ
る。ポリビニルアルコールは、改質なしでは、非−熱可
塑性であり、通常はそれらの融点よりも低い分解温度を
有する性質がある。しかしながら、ポリビニルアルコー
ルをベースにした樹脂組成物は、熱可塑性を表すように
外部または内部的に可塑化され得る。例えば、PVA
は、ポリエチレングリコール、グリセロールおよびネオ
ペンチルグリコールといった可塑剤により可塑化し、そ
れによってPVA組成物に熱可塑性を与えることが知ら
れている。そのような外部可塑化PVA樹脂は、例えば
米国特許第3,425,979 および4,469,837 号に記載されて
いる。この教示は引用により本明細書中に組み込まれ
る。PVAコポリマーおよびグラフトポリマー、例えば
米国特許第2,990,398; 1,971,662; 2,844,570; 3,033,8
41および4,369,281 号(この教示は引用により本明細書
中に組み込まれる)に記載されているものも熱可塑性を
表す。現在好ましい内部可塑化PVA樹脂は、米国特許
第4,618,648 号(この教示は引用により本明細書中に組
み込まれる)に記載されているビニルアルコールと(ア
ルキレンオキシ)アクリレートとのコポリマーである。
そのような樹脂は、Air ProductsによりVinex(商標) の
もとで販売されている。
【0023】更に、水溶性樹脂は、濃厚物のペレットを
成形する手段として押出可能であることが望ましい。水
溶性樹脂の軟化点より上で殺微生物剤と水溶性樹脂が押
出機中で混合され、それで殺微生物剤が樹脂中に溶解さ
れる。冷却すると、樹脂中殺微生物剤の固溶体(または
微小結晶の懸濁液)が生成する。典型的には、濃厚物は
ストランドとして押し出され、そしてそれらが凝固した
らペレットに分割される。
【0024】固体濃厚物は、今までに記載されている固
体濃厚物と同様に、取り扱いに生得的に安全である方式
で、少なくとも粉末殺微生物剤に比較してかなり安全で
ある方式で、毒性殺微生物剤を固定する。
【0025】濃厚物は、例えばペレットまたは粉砕粒子
の形態で、常法に従って熱可塑性樹脂に添加される。典
型的には、濃厚ペレットと断片化された一次熱可塑性樹
脂が任意の追加の添加剤と一緒に押出機中で混合され、
そして適当に高められた温度において樹脂組成物が押し
出される。生成する最終用途樹脂組成物は、それを微生
物の増殖から保護するのに十分な殺微生物剤と、長い寿
命に渡って最終用途製品の表面に殺微生物剤を供給する
ように殺微生物剤の移動を促進するのに十分な水溶性樹
脂を有する。典型的には、最終用途樹脂組成物は、約
0.1〜約5重量%の水溶性樹脂を含有する。好ましく
は、最終用途樹脂組成物は約1重量%以下の水溶性樹脂
を含有する。
【0026】本発明において使用できる殺微生物剤のタ
イプの例としては、フェノキサルシン(ビスフェノキサ
ルシンを含む)、フェナルサルジン(ビスフェナルサル
ジンを含む)、マレイミド、ジカルボキシミド基の窒素
原子に結合した硫黄原子を有するイソインドールジカル
ボキシミド、ハロゲン化アリールアルカノールおよびイ
ソチアゾリノン化合物が挙げられるが、それらに限定さ
れない。
【0027】本発明の組成物において有用である殺微生
物剤フェノキサルシンおよびフェナルサルジン化合物と
しては、次の式により表される化合物が挙げられる:
【0028】
【化1】 および
【化2】
【0029】上式中、Xはハロゲンまたはチオシアネー
トであり、Yは酸素または硫黄であり、Zは酸素または
窒素であり、Rはハロまたは低級アルキルであり、そし
てnは0〜3である。それらのフェノキサルシンおよび
フェナルサルジンの例としては、10−クロロフェノキ
サルシン;10−ヨードフェノキサルシン;10−ブロ
モフェノキサルシン;4−メチル−10−クロロフェノ
キサルシン;2−tert−ブチル−10−クロロフェ
ノキサルシン;1,4−ジメチル−10−クロロフェノ
キサルシン;2−メチル−8,10−ジクロロフェノキ
サルシン;1,3,10−トリクロロフェノキサルシ
ン;2,6,10−トリクロロフェノキサルシン;1,
2,4,10−テトラクロロフェノキサルシン;10,
10′−オキシビスフェノキサルシン(OBPA);1
0,10′−オキシビスフェナルサルジン;および1
0,10′−チオビスフェナルサルジンが挙げられる
が、それらに限定されない。
【0030】本発明の組成物において有用な殺微生物性
マレイミド化合物は、好ましいマレイミドであるN−
(2−メチルナフチル)マレイミドにより例示される。
ジカルボキシミド基の窒素原子に結合した硫黄原子を有
するイソインドールジカルボキシミドである、本発明の
実施において有用な殺微生物性化合物は、次の構造を有
する少なくとも1つの基を含む化合物である:
【0031】
【化3】
【0032】好ましいイソインドールジカルボキシミド
は次のものである:
【化4】 ビス−〔(1,1,2,2−テトラクロロエチル)チ
オ〕−4−シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシミ
ド;
【0033】
【化5】 N−トリクロロメチルチオ−4−シクロヘキセン−1,
2−ジカルボキシミド;および
【0034】
【化6】 N−トリクロロメチルチオフタルイミド。
【0035】本発明の殺微生物剤化合物として使用する
ことができるハロゲン化アリールアルカノールは、好ま
しい化合物である2,4−ジクロロベンジルアルコール
により例示される。本発明の組成物において有用な好ま
しいイソチアゾリノン化合物の例は、2−(n−オクチ
ル−4−イソチアゾリン−3−オン)である。
【0036】最も好ましい殺微生物剤化合物は、次の
式:
【化7】
【0037】(上式中、Yは酸素または硫黄であり、そ
してZは酸素または窒素である)を有するビスフェノキ
サルシンおよびビスフェナルサルジンである。それらの
ビスフェノキサルシンおよびビスフェナルサルジンのう
ち、最も好ましいのは、10,10′−オキシビスフェ
ノキサルシン;10,10′−チオビスフェノキサルシ
ン;10,10′−オキシビスフェナルサルジン;およ
び10,10′−チオビスフェナルサルジンである。
【0038】PVAベースの内部または外部可塑化熱可
塑性樹脂組成物中に、少なくとも約1重量%、より好ま
しくは2重量%のビスフェノキサルシンおよびビスフェ
ナルサルジンを混和させることが通常可能である。上記
に引用した米国特許第4,618,648 号に記載されている好
ましいビニルアルコールと(アルキレンオキシ)アクリ
レートとのコポリマーを使って、凝固した樹脂中に溶解
された約5重量%までのフェナルサルジンおよびフェノ
キサルシンの組成物を得ることが可能である。
【0039】約20重量%までのフェナルサルジンおよ
びフェノキサルシンを含む組成物は、溶融時にそのよう
な濃度を溶解するポリ(アルキレンオキシ)アクリレー
トを用いて得ることができる。しかしながら、樹脂の凝
固時に、凝固した樹脂中に懸濁された微結晶として殺微
生物剤が溶液の外に出てくる。
【0040】水溶性熱可塑性樹脂中に殺微生物剤を含ん
で成る材料は、例えば、農業においてまたは水域を保護
するためにも利用することができ、この場合水の作用に
よる殺微生物剤の徐放が望まれる。水溶性濃厚物を水不
溶性樹脂と混合することにより、例えば溶融配合するこ
とにより、速度を更に遅くすることもできる。最終用途
製品が望ましくは少量のみの水溶性濃厚物を含む場合と
異なり、徐放系は非常に広い%範囲、例えば濃厚物の約
100重量%から約5重量%までの水溶性樹脂を含むこ
とができる。放出速度の調節のために、通常少なくとも
約5重量%、より好ましくは少なくとも約20重量%の
水不溶性ポリマーが必要である。通常、そのような系
は、殺微生物剤放出が極めて低くならないように、約8
0重量%以下の水不溶性樹脂を含むであろう。(この段
落における重量%は、水溶性ポリマーと水不溶性ポリマ
ーの相対比率を定義する;殺微生物剤の重量は、徐放系
の重量の比較的小さな部分である。)
【0041】徐放系が殺微生物剤の最終用途であると
き、殺微生物剤の濃度は非常に広範囲に渡って異なるこ
とができる。通常、徐放材料は、少なくとも0.01ph
r 、好ましくは少なくとも0.1phr の殺微生物剤を含
有するであろうが、溶融樹脂中に殺微生物剤を溶解する
ことにより混和され得る限界まで含むことができる。
【0042】非常に驚くべき意外な本発明の観点は、こ
の濃厚物の使用を通して、今まで水性系と不適合であっ
た殺微生物剤を水性系中に安定して分散できることであ
る。多数の汎用される殺微生物剤、特にフェナルサルジ
ンおよびフェノキサルシンは水に不溶性であり、更に水
中で安定な分散系を形成することは知られていない。多
くのそのような殺微生物剤は、水溶性樹脂中の殺微生物
剤の真固溶体として、上記の水溶性樹脂中に混和され得
ることが発見された。そのような濃厚物を水または水溶
液に添加すると、水溶性ポリマーが溶解する。水溶性樹
脂中に溶解されていた殺微生物剤は沈澱するが、濃厚物
からの沈澱物は非常に微細に分割されるので、水または
水溶液中で安定な分散液として残る。
【0043】殺微生物剤の水安定性分散系は、広範な利
用性を有する。例えば、それらは布、例えば、風雨にさ
らされそしてカビやすいと予想されるもの、等に殺微生
物剤を付与するためのビヒクルとして使用することがで
きる。水安定性分散系は、水性のペイント、塗料および
接着剤に添加して、それらに殺生物性を付与することも
できる。
【0044】水不溶性殺微生物剤の水性分散系を調製す
るためには、通常、殺微生物剤が水溶性樹脂に関してで
きるだけ濃厚であることが望ましい。可能性ある最終用
途における樹脂の効果は予想できないことがあるので、
必要量の殺生物剤を添加するために大量の樹脂を添加す
ることは通常望ましくない。ある場合には、実際に水溶
性樹脂が目的にかなうことができる。例えば、ポリビニ
ルアルコールは織編用糸に汎用される糊剤であり、そし
てPVA(またはPVAベースの熱可塑性樹脂組成物)
と殺微生物剤の組成物は、糸を糊付けすることができそ
してそれに殺生物特性を付与することができる。しかし
ながら、水溶性樹脂それ自体が最終利用性を有する場合
でも、濃厚物を形成せしめ、そしてそのような濃厚物を
追加の水溶性樹脂に添加することが望ましい。というの
は、濃厚物を形成せしめることにより、殺微生物剤を使
った水溶性樹脂の加工費が最小にされるからである。
【0045】水性材料、例えば水性ラテックスに生物活
性を付与するのに現在有用な従来技術組成物は、次のも
のである。水不溶性殺微生物剤を油状液体、例えば可塑
剤に添加する。適当な分散剤または界面活性剤を使っ
て、油状溶液を水性媒質中に乳化させる。次いでこの材
料を水性組成物、例えばラテックスペイントに添加する
ことができる。
【0046】本発明の組成物は、幾つかの点でそのよう
な従来技術エマルションよりも優れている。まず第一
に、本発明の濃厚物は、乾燥形態で輸送し、そしてそれ
を使って約24〜48時間以内に使用場所で分散液を調
製することができる。あるいは、濃厚物を水性系に直接
添加すると殺微生物剤の分散系がその場で作製され得
る。乾燥輸送は、エマルションを使う場合のように相当
量の水を輸送するよりも、本質的に経費節約である。乾
燥輸送は、起こりうる偶然のこぼれの封じ込めを容易に
する。水性系に添加するまで、濃厚物は無期限の保存寿
命を有する;一方エマルションは徐々に沈降し、そして
沈降した材料は再乳化させることが困難である。またエ
マルションでは、殺微生物剤の結晶成長が起こることが
あり、そうすると時と共に重力作用が増大し得る。通
常、エマルションは輸送および貯蔵中、凍結に対して保
護しなければならない。エマルションの本質的欠点の全
てが、使用場所で比較的安定な殺微生物剤分散系を形成
させるのに有用な固体濃厚材料によって克服される。
【0047】本発明の濃厚物が水または水性媒質中に溶
解される時に生じる分散系は、極めて小さい粒度の殺微
生物分散体と担体樹脂とにより、安定化されると思われ
る。担体樹脂は、本質的に水または水性媒質の粘度を極
めて増大させ、そして微小結晶の沈降を遅くする。殺微
生物剤が凝固した担体樹脂中に完全に溶解される濃厚
物、並びに殺微生物剤が凝固した担体樹脂中で部分的に
再晶出するものは、本発明の分散系を形成せしめるのに
全て適当である。
【0048】濃厚物が、PVAまたはPVAベースの樹
脂の場合のように、遊離ヒドロキシル基を有する担体樹
脂を含有する時、それから調製される分散系は、遊離カ
ルボン酸基を含むラテックスを増粘する性質があるだろ
うことに注意すべきである。これは不利となることがあ
る。しかしながら、多くのそのようなカルボン酸含有ラ
テックス組成物、例えばペイントは増粘剤を含有するの
で、添加する増粘剤のレベルを適当に調整することによ
り、増粘の欠点を補うことができる。多くのラテックス
は遊離カルボン酸基を含まないが、他方でヒドロキシル
含有担体樹脂により増粘されず、そして本発明に従って
調製された分散系は、配合物の実質的な変更なしにその
ようなラテックス組成物とともに使用することができ
る。
【0049】水溶性樹脂中の殺微生物剤の濃厚物または
最終用途樹脂の混合物は、それ自身、水性系に殺微生物
剤を添加するのに有用である最終用途製品を形成せしめ
るために使用することができる。例えば、濃厚物をフィ
ルムの形態で製造し、そして商業的ランドリーにおいて
使用される水溶性袋に製造することができる。洗剤を含
有する水溶性袋に殺微生物剤、硬水軟化剤等を添加する
ことは、商業的ランドリーにおいて現在は普通である。
洗剤、硬水軟化剤等への粉末の殺微生物剤の添加は、極
めて危険な作業である。同様に、ランドリーにおいてま
たは流通系のいたるところにおいて、袋の偶然の破壊
が、おそらくそのような危険の自覚なしに、危険な混合
物と偶然に接触するかもしれない人々に対して潜在的危
険を有する。袋材料それ自体に殺微生物剤が溶解されて
いる洗剤用の水溶性袋等は、そのような潜在的危険を大
きく減らす。本発明を特定の実施例によってさらに詳細
に記載する。
【0050】
【実施例】実施例1 Vinex 2025〔ポリ(アルキレンオキシアクリレート)〕
中1%,2%および5% OBPAの濃厚物を調製し
た。まず4mmの篩を装備したBrinkmanミルを使って、Vi
nex 2025を粉砕した。Vinex 顆粒をHobartブレンダー中
でOBPAとブレンドした。次いで0.75インチの単一ス
クリュー押出機を使ってこのブレンドを配合した。この
配合物は、165 ℃のゾーン1、170 ℃のゾーン2、175
℃のゾーン3、そして180 ℃のダイ、の押出温度を用い
て最良に加工した。押出機に4インチ(10.16cm) 幅のシ
ート押出ダイを装備した。4mmの篩を装備したBrabende
r 粗砕機を使って濃厚シートを粗砕した。
【0051】この実施例において次の4種の硬質ポリマ
ー樹脂を使った。 1.ABS 2.ポリカーボネート(PC) 3.Hoechst CelaneseからのPET (この樹脂はポリエステル繊維を製造するのに使われて
いる) 4.ポリスチレン(PS)PS−208 (Huntsman Chemical からの汎用結晶質ポリスチレン樹
脂)。
【0052】3種のVinex 濃厚物を使って、各硬質ポリ
マーフィルムから4種のフィルムを調製した。それらの
フィルムの各々は500ppmのOBPAと1%,2−1/2
%または5%のVinex を含有した。それらの樹脂の未処
理の対照フィルムも調製した。フィルムは、4インチ(1
0.16cm) のシート押出ダイを装備した単一スクリュー押
出機上で調製した。押出条件を下記に示す。
【0053】 硬質フィルム用の押出条件 ABS PC PET PS ゾーン1(℃) 180 270 270 190 ゾーン2(℃) 185 260 260 195 ゾーン3(℃) 190 250 250 200 ダイ(℃) 200 245 245 200 スクリュー速度(RPM) 125 125 125 125
【0054】押し出されたフィルムを微生物に対する活
性について評価した。結果 Vinex 2025中の1%OBPAは良好に加工された。Vine
x2025中の1%OBPAは許容できるように加工された
が、押出機スクリュー上の配合物の幾分の寄りが低い押
出量を引き起こした。Vinex 2025中の5%OBPAは貧
弱に加工され、押出機スクリュー上の配合物の寄りが、
高い軋み音および不規則な押出量をもたらした。
【0055】Vinex の添加は、ABS,PCまたはPS
フィルムの加工に影響を与えなかった。Vinex を含むP
ET試料は、このフィルムの熱間強度の低下のため、未
使用樹脂よりも低い温度で押し出さなければならなかっ
た。それらは低温で良好に加工された。PCおよびPS
へのVinex の添加は、それらを少し不透明にした。生物
学的試験方法を下記の表2に記載する。
【0056】
【表2】
【0057】この実施例は、Vinex が硬質ポリマーを通
るOBPAの移動を改善することにおいて効果的である
ことを証明する。
【0058】実施例2 この試験は、硬質最終用途樹脂の物性における水溶性担
体樹脂の影響を測定するために行った。この実施例では
物性のみを測定するので、殺微生物剤は全く入れなかっ
た。0,1,5,10および20% Vinex 2025を含むABS
(Cycolac T 4500)のフィルムを実験室用押出機上で調製
した。Cycolac T は、General Electricにより供給され
る最も広範に使用されている汎用ABSの銘柄である。
製造業者によれば、それはABS工業の標準規格として
認識される。
【0059】Cycolac T 4500中に0,1,5,10および
20% Vinex 2025を含むブレンドをHobartブレンダー中で
調製した。4インチ(10.16cm) のシート押出ダイを装備
した0.75インチ(1.905cm) の単一スクリュー押出機を使
って、ブレンドからフィルムを押し出した。それらを冷
却し、そしてクロムロール上で艶出しした。フィルムは
20〜25ミルの厚さであった。
【0060】ASTM試験方法のD 638 に従って、タイプIV
試験体および5mm/分のクロスヘッド速度を用いて、引張
強さを測定した。ABSへのVinex の添加は、フィルム
の加工性に影響を与えなかった。10および20% Vinex を
含むフィルムは、それらを切断した時に積層外観を有し
ていた。5% Vinexを含むフィルムは、ごくわずかな程度
この現象を示した。Vinex はABSと混和性でないと思
われ、そしてABS連続相内部で分散相を形成すると思
われる。
【0061】表3はフィルムの引張強さの測定を含む。
10% までの Vinexでは物性の低下は非常に小さい。 20%
の Vinexでは引張力の低下が20% より大きい。
【0062】
【表3】
【0063】実施例3 Vinex 中の5%OBPA濃厚物を押出により調製し、そ
してペレット成形して小さいシリンダー(直径 1/8″高
さ 1/8″)を製造した。このペレットを様々な市販のラ
テックスに溶解させた。溶解時間(幾つかの場合)、生
物活性および増粘を測定した。その結果を下の表4に示
す。
【0064】
【表4】
【0065】幾つかの好ましい態様の形で本発明を記載
してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく当業者
に明らかな変更を行うことができる。本発明の様々な特
徴は特許請求の範囲において記載されている。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 13/50 15/263 D21H 17/05 17/36 D06M 13/50 (72)発明者 ローレンス ピー.グラント アメリカ合衆国,マサチユーセツツ 01923,ダンバース,ブラツドフオード アベニユ 18 (72)発明者 ロジヤー ジー.ハメル アメリカ合衆国,マサチユーセツツ 01844,メサーン,ウエブ ストリート 13

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性熱可塑性重合樹脂中の殺微生物剤
    の固溶体。
  2. 【請求項2】 前記殺微生物剤が、表面微生物増殖から
    一次可塑性樹脂を保護するために通常の最終使用レベル
    の少なくとも約20倍のレベルにおいて存在する、請求
    項1に記載の固溶体。
  3. 【請求項3】 前記殺微生物剤が、表面微生物増殖から
    一次可塑性樹脂を保護するために通常の最終使用レベル
    の少なくとも約100倍のレベルにおいて存在する、請
    求項1に記載の固溶体。
  4. 【請求項4】 前記殺微生物剤が水不溶性殺微生物剤で
    ある、請求項1に記載の固溶体。
  5. 【請求項5】 前記殺微生物剤がフェノキサルシンまた
    はフェナルサルジンである、請求項1に記載の固溶体。
  6. 【請求項6】 前記殺微生物剤が10,10′−オキシ
    ビスフェノキサルシンである、請求項1に記載の固溶
    体。
  7. 【請求項7】 前記水溶性重合樹脂がポリビニルアルコ
    ール系熱可塑性樹脂である、請求項1に記載の固溶体。
  8. 【請求項8】 前記殺微生物剤がフェノキサルシンまた
    はフェナルサルジンである、請求項7に記載の固溶体。
  9. 【請求項9】 前記フェノキサルシンまたはフェナルサ
    ルジンが、前記固溶体の少なくとも約0.01重量%を
    含んで成る、請求項8に記載の固溶体。
  10. 【請求項10】 前記フェノキサルシンまたはフェナルサ
    ルジンが、前記固溶体の少なくとも約2重量%を含んで
    成る、請求項8に記載の固溶体。
  11. 【請求項11】 前記フェノキサルシンまたはフェナルサ
    ルジンが、前記固溶体の少なくとも約5重量%を含んで
    成る、請求項8に記載の固溶体。
  12. 【請求項12】 重合樹脂組成物であって、前記組成物を
    表面微生物増殖から保護するのに十分なレベルで且つ前
    記樹脂組成物内部での前記殺微生物剤の移動を促進して
    微生物の増殖に対する作用を増強させるのに十分なレベ
    ルで、一次熱可塑性樹脂または一次樹脂の混合物を含ん
    で成る組成物。
  13. 【請求項13】 前記一次熱可塑性樹脂または樹脂混合物
    が1または複数のハロゲン化ビニル樹脂である、請求項
    12に記載の組成物。
  14. 【請求項14】 前記一次熱可塑性樹脂がポリ塩化ビニル
    である、請求項12に記載の組成物。
  15. 【請求項15】 前記水溶性熱可塑性樹脂がポリビニルア
    ルコールベースの熱可塑性樹脂である、請求項12に記
    載の組成物。
  16. 【請求項16】 前記殺微生物剤がフェナルサルジンまた
    はフェノキサルシンである、請求項12に記載の組成
    物。
  17. 【請求項17】 前記殺微生物剤が10,10′−オキシ
    ビスフェノキサルシンである、請求項12に記載の組成
    物。
  18. 【請求項18】 前記一次熱可塑性樹脂が、ポリカーボネ
    ート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンポリマ
    ー、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン−スチ
    レン−ブタジエンゴム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
    リデンおよびエチレン酢酸ビニルから成る群から選択さ
    れる、請求項12に記載の組成物。
  19. 【請求項19】 水不溶性殺微生物剤の安定な水性分散系
    の調製方法であって、溶融した熱可塑性水溶性樹脂中に
    前記殺微生物剤を溶解して樹脂/殺微生物剤溶液を生成
    せしめ、そして前記樹脂/殺微生物剤溶液を水または水
    溶液中に溶解させることを含んで成る方法。
  20. 【請求項20】 請求項19の方法の生成物。
  21. 【請求項21】 前記水溶性樹脂/殺微生物剤溶液を水に
    溶解する前に、それを凝固させる、請求項19に記載の
    方法。
  22. 【請求項22】 前記樹脂がポリビニルアルコール系熱可
    塑性樹脂である、請求項19に記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記殺微生物剤がフェノキサルシンまた
    はフェナルサルジンである、請求項22に記載の方法。
  24. 【請求項24】 請求項23の方法の生成物。
  25. 【請求項25】 フェノキサルシンまたはフェナルサルジ
    ンの安定な水性分散系。
  26. 【請求項26】 前記殺微生物剤が10,10′−オキシ
    ビスフェノキサルシンである、請求項25に記載の安定
    な分散系。
  27. 【請求項27】 水溶性熱可塑性樹脂を更に含有する、請
    求項25に記載の安定な分散系。
  28. 【請求項28】 1または複数の重合樹脂中に溶解された
    殺微生物剤を含んで成る殺微生物剤の徐放のための材料
    であって、その約5重量%〜100重量%が水溶性樹脂
    である材料。
  29. 【請求項29】 樹脂組成の約20重量%〜約80重量%
    が水溶性であり、そして樹脂組成物の約80重量%〜約
    20重量%が水不溶性である、請求項28に記載の材
    料。
  30. 【請求項30】 1または複数の水溶性熱可塑性樹脂およ
    びその中に溶解された殺微生物剤を含んで成るシートま
    たはフィルム材料。
  31. 【請求項31】 前記殺微生物剤が水不溶性である、請求
    項29に記載の材料。
  32. 【請求項32】 前記殺微生物剤がフェノキサルシンまた
    はフェナルサルジンである、請求項29に記載の材料。
  33. 【請求項33】 前記殺微生物剤が10,10′−オキシ
    ビスフェノキサルシンである、請求項29に記載の材
    料。
JP3064997A 1990-04-02 1991-03-28 水溶性熱可塑性重合樹脂中に固定された殺微生物剤およびそれから調製される殺微生物剤の水性分散系 Expired - Lifetime JPH0768084B2 (ja)

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