JPH05124536A - 四輪操舵車両における後輪の操舵制御方法 - Google Patents

四輪操舵車両における後輪の操舵制御方法

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JPH05124536A
JPH05124536A JP14243191A JP14243191A JPH05124536A JP H05124536 A JPH05124536 A JP H05124536A JP 14243191 A JP14243191 A JP 14243191A JP 14243191 A JP14243191 A JP 14243191A JP H05124536 A JPH05124536 A JP H05124536A
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JP
Japan
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steering
wheel
steering angle
rear wheels
rear wheel
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Application number
JP14243191A
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English (en)
Inventor
Tomoyuki Kido
友幸 城戸
Mitsuo Nakamura
三津男 中村
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Daihatsu Motor Co Ltd
Denso Corp
Original Assignee
Daihatsu Motor Co Ltd
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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  • Steering-Linkage Mechanisms And Four-Wheel Steering (AREA)
  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンジン停止後に、ステアリング操作が行わ
れ、ステアリング操舵角と後輪転舵角とにずれが生じた
場合においても、四輪操舵機構を円滑に作動させること
ができる。 【構成】 車両始動時におけるステアリングの操舵角が
後輪の逆位相操舵域内にある場合に、後輪の転舵角を、
車両始動前と同じ状態に保持した後、ステアリング操舵
角が増加する場合には、後輪の転舵角を保持する一方、
ステアリング操舵角が減少する場合には、後輪の転舵角
を減少させるように制御するとともに、後輪が中立位置
を通過した後は、ステアリング操作に応じて通常の制御
を行うように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、所定の条件下で前輪
に加えて後輪をも転舵させる四輪操舵車両における後輪
の操舵制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】種々の走行状況に応じて最適の走行性能
を得るため、前輪に加えて後輪をも転舵するように構成
した四輪操舵装置が広く普及している。四輪操舵装置
は、一般に、ステアリングの操舵角が小さい場合には、
後輪を前輪と同方向へ、すなわち、同位相に転舵させる
一方、ステアリングの操舵角が所定値より大きくなる場
合には、後輪を前輪と逆方向へ、すなわち、逆位相に転
舵するように構成されている。中・高速時の旋回やレー
ンチェンジを行う場合には、概してステアリングの操舵
角は小さく、このときに後輪を同位相に転舵させること
により、遠心力に起因する車両の横滑りを抑制して走行
安定性を高めることができるのである。一方、低速時に
Uターン等の比較的急な旋回を行う場合には、ステアリ
ングの操舵角が大きくなり、この時に、後輪を逆位相に
転舵させることにより、車両の旋回半径を小さくして小
回り性を向上させることができる。
【0003】ところで、このような四輪操舵装置には、
たとえば特公昭60−44186号公報に記載されてい
るような、ステアリングホイールの回転を機械的に後輪
転舵機構に伝達して後輪を転舵させるように構成される
ものや、特開平1−306369号公報に記載されてい
るもののように、マイクロコンピュータなどによって制
御する電動モータや油圧アクチェータで後輪転舵機構を
駆動するように構成されるものなど種々のタイプのもの
がある。上記後輪転舵機構を電動モータなどで駆動する
タイプの四輪操舵装置において、後輪転舵機構が前輪転
舵機構と完全に切り離されて独立させられる場合には、
ステアリングの回転角度等を検出する操舵角センサが必
要となる。この操舵角センサとして、フォトインタラプ
タを利用したものが用いられることが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記後輪転
舵機構が前輪転舵機構と完全に切り離されて構成される
四輪操舵装置においては、イグニッションスイッチを一
旦切ってから、これを再度キーオンしたとき、操舵角セ
ンサと接続されたマイクロコンピュータ(CPU)は、
イニシャライズされる。ところが、操舵角センサは、ス
テアリングの中立回転位置を原点として認識した後、こ
れを基準としてステアリングの回転角度を検出するよう
に構成されているため、マイクロコンピュータがイニシ
ャライズされると、原点位置を認識することができず、
したがって、始動時におけるステアリングの操舵角を読
み取ることができない。このため、ステアリングを所定
量切った状態で、イグニッションスイッチを切り、その
後再度キーオンした場合、後輪がいずれの方向にどれだ
け転舵されているかを上記マイクロコンピュータは判断
できない。上記理由により、従来の四輪操舵装置におい
ては、イグニッションスイッチがキーオンされたとき、
後輪を中立位置に戻すように制御されていた。
【0005】しかしながら、上記のように後輪を中立位
置に戻すように制御した場合、ステアリングが後輪の同
位相操舵域内で切り残されているときには何ら問題は生
じないが、ステアリングが後輪の逆位相操舵域内で切り
残されているようなとき、すなわち、後輪が逆位相に転
舵されているような場合には、再発進時の車両の回転半
径がエンジン停止前と変化してしまう。このため、ドラ
イバがステアリング操作に違和感を感じてしまうという
不都合が生じる。特に、車庫入れの際などには、後輪の
逆位相操舵による小回り性の向上により、容易に車庫入
れを行うことができるのに対し、出庫時には、車両の回
転半径が入庫時よりも大きくなってしまうために、車両
が車庫の側壁に接触するなどの問題が生じてしまう懸念
もある。
【0006】上記問題を解決するため、車両始動時にお
けるステアリングの操舵角が後輪の逆位相操舵域内にあ
る場合、後輪の転舵角を、車両始動時前と同じ状態に保
持することが考えられる。ところが、上記後輪の転舵角
を、車両始動前と同じ状態に保持した場合、エンジン停
止後に、ステアリングを回転させると、ステアリング操
舵角と後輪転舵角の関係が狂ってしまう。すなわち、エ
ンジンが止まっている状態では、ステアリングを回転操
作しても、後輪は転舵されず、ステアリング操舵角と後
輪転舵角との間にずれが生じるのである。
【0007】しかも、従来の制御方法によると、上記ス
テアリング操舵角と後輪転舵角がずれた状態でエンジン
を再始動すると、上記対応がずれた状態からステアリン
グ操舵角に応じて後輪が転舵される。このため、後輪操
舵角が増大する方向へステアリングを回転させると、後
輪が上記ステアリングの回転に応じてさらに転舵される
ことになる。このため、たとえば、電動モータでカムを
動かし、このカムの動きによって後輪を転舵させる後輪
転舵機構においては、上記カムが有効作動範囲に越えて
駆動される事態となり、後輪転舵機構の作動に支障が生
じるおそれがある。
【0008】本願発明は、上述の事情に基づいて考え出
されたものであって、上記従来の問題を解決し、エンジ
ン停止後に、ステアリング操作が行われ、ステアリング
操舵角と後輪転舵角とにずれが生じた場合においても、
四輪操舵機構を円滑に作動させることのできる四輪操舵
車両における後輪の操舵制御方法を提供することをその
課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明は、上記課題を
解決するため、次の技術的手段を講じている。すなわ
ち、本願発明は、ステアリング操作に応じて前輪を転舵
するとともに、ステアリングの操舵角が所定値より大き
い場合に後輪を逆位相に転舵するように制御される四輪
操舵車両において、車両始動時におけるステアリングの
操舵角が後輪の逆位相操舵域内にある場合に、後輪の転
舵角を、車両始動前と同じ状態に保持した後、ステアリ
ング操舵角が増加する場合には、後輪の転舵角を保持す
る一方、ステアリング操舵角が減少する場合には、後輪
の転舵角を減少させるように制御するとともに、後輪が
中立位置を通過した後は、ステアリング操作に応じて上
記通常の制御を行うことを特徴とする。
【0010】
【発明の作用および効果】ステアリングが後輪の逆位相
操舵域内で切り残された状態では、後輪は逆位相方向に
転舵されたままとなる。イグニッションスイッチをキー
オンして発進するにあたり、上記の始動前における後輪
の逆位相操舵状態を保持することにより、エンジン停止
前の走行時と同じように後輪の逆位相操舵による小回り
性の効いた操縦性を享受しながら運転できる。このた
め、ドライバがステアリング操作にあたり違和感を感じ
ることはなくなる。また、車庫からの出庫も入庫時と同
じように容易かつスムーズに行うことができる。
【0011】また、本願発明においては、上記制御を行
った後に、ステアリング操舵角が増加する場合には、後
輪の転舵角を保持する一方、ステアリング操舵角が減少
する場合には、後輪の転舵角をステアリング操舵角の減
少に応じて減少させるように制御する。上記制御を行う
ことにより、エンジン始動後、後輪が逆位相転舵域内に
ある場合、ステアリング操舵角を増加させても後輪はそ
れ以上転舵しない。したがって、たとえば、電動モータ
によって回転駆動されるカムを用いて後輪を転舵させる
後輪転舵機構において、上記カムが有効作動範囲を越え
て回転させられることがなくなる。このため、車両始動
時に後輪の転舵角を車両始動前と同じ状態に保持するよ
うに構成した場合においても、従来のようにカムが過度
に回転させられて後輪転舵機構の作動に支障が生じると
いったこともない。
【0012】一方、ステアリング操舵角が減少する場合
には、ステアリングの回転に応じて後輪を中立位置方向
へ転舵させる。したがって、後輪の中立位置方向への転
舵は許容され、ハンドル操作に違和感が生じるといった
こともない。さらに、上記の車両始動時における制御
は、後輪が中立位置へいったん戻った後は、上記ステア
リングの操舵角に応じて、通常の制御に戻すように構成
している。すなわち、後輪の中立位置を認識した後は、
後輪をステアリングの操舵角、車速等に応じて制御す
る。上記制御方法により、エンジンが停止した後に、ス
テアリングを回動操作し、ステアリング操舵角と後輪転
舵角にずれが生じた場合にも、エンジンの始動後に、後
輪転舵機構の作動に支障が生じるというようなこともな
くなり、円滑な四輪操舵性能を発揮させることができ
る。
【0013】
【実施例の説明】以下、本願発明の実施例を図面を参照
しながら具体的に説明する。図1は、本実施例に係る四
輪操舵装置の全体構成を概略的に示した図である。前輪
転舵機構1には、一般的なラックピニオン式のステアリ
ングギヤを用いることができる。この前輪転舵機構1
は、ステアリングシャフト2を介して伝達されるステア
リング3の回転が、ギヤボックス4でラック杆5の車幅
方向動に変換され、さらに、このラック杆5の車幅方向
の動きが、ラック杆5の両端に連結されたタイロッド
6,6を介してナックルアーム7,7の軸8,8を中心
とした回動に変換されるように構成されている。そし
て、ナックルアーム8,8の回動により前輪9,9が転
舵される。一方、後輪転舵機構10は、ボデーフロア下
面などに固定支持されるハウジング11内を車両前後方
向に延びる伝動シャフト12の後端部に連結されたカム
板13と、この両側方に配置される左右一対の回転ロー
ラ状のカムフォロア14,14と、これらカムフォロア
14,14を中間部に支持し、かつ、上記ハウジング1
1に車幅方向スライド可能に支持されたスライドバー1
5とを備えて構成される。
【0014】本実施例に係る上記カム板13は、図4に
示すように、略おむすび状を呈するプロファイルに形成
されており、その外周面には、所定の回転方向位置にお
いて、上記カムフォロア14,14を車幅方向に押動す
るカム面16a,16bが設けられている。後輪19
を、ステアリングの操舵角が小さい範囲では同位相に転
舵させ、ステアリングの操舵角が所定値以上になったと
きに逆位相に転舵させるにあたっては、たとえば、図4
に示すように、上記カム板13に、これが中立回転位置
から回転したときにまず一方のカムフォロア14を押動
するカム面16aを、さらに回転角が大きくなったとき
に他方のカムフォロア14を押動するカム面16bを設
けることにより容易に構成することができる。また、後
輪19の転舵量も、カム面をその回転軸心Oからの距離
が回転角位置によって変化するように形成することによ
りステアリングの操舵角に応じて増減させることができ
る。上記スライドバー15の両端には、それぞれ、タイ
ロッド17およびナックルアーム18を介して後輪19
が連結されている。したがって、カム板13が所定量回
転させられてそのカム面16a,16bによりカムフォ
ロア14,14を押動すると、これによりスライドバー
15が所定方向に車幅方向動させられ、これに伴い後輪
19,19が所定方向に所定量転舵される。
【0015】本実施例においては、後輪転舵機構10
は、マイクロコンピュータ等からなる制御手段20によ
って回転制御される電動モータ21で駆動される。図1
に示すように、電動モータ21と上記伝動シャフト12
は、モータ軸に取り付ける小径ギヤ33aと電動シャフ
ト12に取り付ける大径ギヤ33bとからなる減速機構
33を介して連動連結されている。制御手段20は、た
とえば、車速やステアリングの操舵角等に応じて後輪1
9の転舵角および転舵方向を決定し、ステアリングの操
舵角が小さい範囲では、後輪19を同位相に転舵させ、
ステアリングの操舵角が所定置(たとえば240°程
度)より大きくなる場合には、後輪19を逆位相に転舵
させるように、電動モータ21の駆動を制御する。
【0016】中・高速時での旋回走行時やレーンチェン
ジの際は、ステアリングの操舵角は小さく、このときに
後輪19を同位相に転舵することにより、遠心力に起因
する車両の横滑りを抑制して速やかな方向変換を可能と
しつつ、旋回時の走行安定性を高めることができる。ま
た、このような同位相転舵においては、車速に応じて後
輪19の転舵量を増減させ、車速が高くなるにつれて、
後輪19の転舵量を大きくする。高速になるほど遠心力
の影響が大きくなって車両の横滑り傾向が強くなるから
である。一方、低速時においてUターン等の旋回を行う
場合には、ステアリングの操舵角は、比較的大きく、こ
のとき後輪19を逆位相に転舵させることにより、車両
の旋回半径を小さくして小回り性を向上させることがで
きる。制御手段20には、車速センサ22や、ステアリ
ングの操舵角を検出する操舵角センサ23、シフト位置
センサ37、モータの回転位置検出器37などからの信
号が、制御信号として入力される。
【0017】上記操舵角センサとしては、従来と同様に
フォトインタラプタを利用した、一般的なディスク型の
操舵角センサ23が用いられる。これは、図6に示すよ
うに、ステアリングシャフト2に固定状に套着された筒
状のディスクホルダ24に取り付けられ、かつ周縁部に
多数のスリット(図示略)が設けられる円板状のスリッ
ト板25と、このスリット板25によって開閉されるパ
ルス検出用フォトインタラプタ26および原点検出用フ
ォトインタラプタ(図示略)とで構成されている。
【0018】本実施例においては、上記操舵角センサ2
3に加えて、さらに、ステアリングの操舵角を補助的に
検出するためのステアリングセンサ27、および、後輪
19の中立位置を検出する後輪中立位置検出センサ40
が設けられる。そして、これらステアリングセンサ2
7、および、後輪中立位置検出センサ40からの信号
が、上記制御手段20に制御情報として入力される。上
記ステアリングセンサ27は、図6および図7に示すよ
うに、ステアリングシャフト2に対し軸方向スライド可
能に套挿されるリング状のステアリングシャフト連動体
28と、このステアリングシャフト連動体28の外周に
固着された薄板状のフォトインタラプタ開閉体29と、
このフォトインタラプタ開閉体29をステアリングシャ
フト2の軸方向に挟んでその両側にそれぞれ配置された
一対のフォトインタラプタ30a,30bとを備える。
【0019】上記ステアリングシャフト連動体28は、
上記ディスクホルダ24に一体延成されたリング支持ス
リーブ31に套挿されている。上記リング支持スリーブ
31の外周には、その全長にわたりねじ31aが形成さ
れており、一方、ステアリングシャフト連動体28の内
周には、上記ねじ31aに螺合する雄ねじ28aが形成
されている。また、フォトインタラプタ開閉体29に
は、上記フォトインタラプタ30a,30bに対する遮
光プレート32が設けられている。さらに、フォトイン
タラプタ開閉体29における上記遮光プレート32の反
対側の端部には、コラムブラケットなどに取り付けられ
ガイド体34にステアリングシャフト2の軸方向に案内
されるスライドプレート35が設けられている。上記ガ
イド体34にはステアリングシャフト2の軸方向に延び
るガイド溝34aが設けられており、このガイド溝34
aに上記スライドプレート35が差し込まれている。
【0020】したがって、ステアリングシャフト2が回
転すると、上記リング支持スリーブ31にねじ結合され
たステアリングシャフト連動体28およびこれに一体的
に設けられたフォトインタラプタ開閉体29は、ステア
リングシャフト2上をその軸方向(図6における矢印方
向)に移動する。この場合、上記スライドプレート35
とガイド溝34aとの係合により、上記ステアリングシ
ャフト連動体28の回転が規制されるので、ステアリン
グシャフト連動体28およびフォトインタラプタ開閉体
29は、単にステアリングシャフト2を軸方向にスライ
ドするのみである。そして、フォトインタラプタ開閉体
29のその中立位置からの移動量が所定量になると、フ
ォトインタラプタ開閉体29の遮光プレート32が、一
対のフォトインタラプタ30a,30bのうちの一方の
フォトインタラプタと対応する位置に位置する。そし
て、そのフォトインタラプタ30a,30bの一方の光
通過スリット36を閉じ、そのフォトインタラプタの出
力状態を変化させる。この場合、ステアリング3を右に
切った場合には、右方向検出用のフォトインタラプタ3
0aが閉じられ、ステアリングを左に切った場合には、
左方向検出用のフォトインタラプタ30bが閉じられ
る。
【0021】また、上記遮光プレート32の幅や、これ
と各フォトインタラプタ30a,30bのスリット3
6,36との間隔は、ステアリングの操舵角が後輪19
の逆位相転舵域(たとえば中立状態からの操舵角が24
0°以上の範囲)内にあるときに、フォトインタラプタ
開閉体29が光通過スリット36を閉じ続けるように設
定される。したがって、上記ステアリングセンサ27に
よって、ステアリングの操舵角が後輪19の同位相操舵
域にあるか逆位相操舵域にあるかを、またその操舵方向
を、検出することができる。また、ステアリングがたと
えば後輪19の逆位相操舵域まで切られた状態において
は、フォトインタラプタ開閉体29の遮光プレート32
は、右方向検出用のフォトインタラプタ30aあるいは
左方向検出用のフォトインタラプタ30bと対応する位
置に位置したままである。したがって、ステアリングを
所定量切り残した状態で、イグニッションスイッチを一
旦切り、再度キーオンして、ステアリングセンサ27と
接続した制御手段20をイニシャライズした場合、従来
の操舵角センサ23では検出できなかった、始動時にお
けるステアリングの操舵角が後輪19の逆位相操舵域に
あるか否かを、そしてまたステアリングがいずれの方向
に切れているかを検出できる。
【0022】一方、後輪19の中立位置を検出する後輪
中立位置センサ40は、図8に示すように、スライドバ
ー15の中間部外周面に、光の反射率が他の一般部と異
なる識別部41を設ける一方、上記ハウジング11に、
上記識別部41と対向しうる位置において、反射型フォ
トインタラプタ42を取り付けて構成している。上記反
射型フォトインタラプタ42は、発光素子と受光素子と
を組合せて構成され、機械的な動きにより生じる光の変
化を電気信号に変換して検出を行うセンサであり、ま
た、この反射型のものは、物体の反射光によって検出を
行う。したがって、スライドバー15の識別部41が、
ハウジング11に取り付けた上記反射型フォトインタラ
プタ42と対応する位置に位置するとき、上記識別部4
1を反射型フォトインタラプタ42によって検出でき
る。すなわち、スライドバー15が所定の位置に位置し
たこと、言い換えると、後輪19が所定の転舵位置に位
置したことを検出できる。したがって、後輪19および
スライドバー15が中立位置にある場合に、上記識別部
41と上記反射型フォトインタラプタ42とが対向する
ように設定することにより、上記後輪19の中立位置を
検出できる。
【0023】このように、本実施例においては、スライ
ドバー15に識別部41を設ける一方、ハウジング11
に反射型フォトインタラプタ42を取り付ける簡単な構
造によって、後輪19の中立位置を検出する後輪中立位
置検出センサ40を構成することができる。しかも、上
記反射型フォトインタラプタ42の検出制度は高く、後
輪19の位置を精度高く検出することができる。上記反
射型フォトインタラプタ42は、検出対象と非接触状態
で使用するものであるから、ポテンションメータのよう
に磨耗により耐久性の問題が懸念されることもない。
【0024】次に、上記ステアリングセンサ27を装備
する四輪操舵装置によって実現される本願発明の後輪の
操舵制御方法を、図2および図3に記載したフローチャ
ートを参照しながら説明する。なお、図2および図3は
ひとつのフローチャートを分割したものである。イグニ
ッションスイッチキーをオンしてエンジンを始動させる
と、制御手段20(CPU)は、イニシャライズされ
る。このため、上記操舵角センサ23では、ステアリン
グの操舵角が切り残されている場合、始動時におけるス
テアリングの操舵角および操舵方向を検出することがで
きない。そこで、発進に際して、上記ステアリングセン
サ27によるステアリング操舵角の検出が行われる(s
101)。ステアリング操舵角(ここでいう操舵角とは
ステアリングそれ自体の回転角をいい、前輪の転舵角で
はない。ステアリングの回転角をオーバオールギヤ比で
除したものが前輪転舵角である。)が、後輪19の逆位
相操舵域(ステアリング操舵角240°以上)にある場
合には(s102でYES)、換言すると後輪19が逆
位相に転舵された状態にある場合には、上記電動モータ
21は回転駆動されず上記カム板13はそのままの回転
位置で保持される。すなわち、後輪19の転舵角がその
まま保持される(s103)。
【0025】一方、上記ステアリングセンサ27による
ステアリング操舵角の検出において、それが後輪19の
同位相操舵域にあった場合には(s102でNO)、上
記カム板13が図4に示すような中立回転位置に戻され
て、これにより後輪19が中立状態に戻される(s10
4)。操舵性の悪化を防止するためである。上記後輪1
9の転舵角が保持された後(s103)、上記操舵角セ
ンサ23により、ステアリング3の回転方向を検出し、
ステアリング操舵角が上記保持状態から後輪転舵角を増
加させる方向に操舵されたか否かを検出する(s10
5)。そして、ステアリング操舵角が増加する場合(s
105でYES)、上記後輪転舵角を保持する一方、ス
テアリング操舵角が減少する場合(s105でNO)に
は、上記ステアリング操舵角の減少に応じて、後輪19
を中立方向へ転舵させる(s106)。上記制御は、後
輪中立位置センサ40が後輪19の中立位置への復帰を
確認するまで続けられる(s107)。そして、後輪1
9が中立位置に戻り、上記後輪中立位置センサ40の出
力が上記制御手段20に入力された後に、以下に説明す
る通常の後輪転舵制御が行われる。
【0026】すなわち、車速センサ22からの車速情
報、および、操舵角センサ23からのステアリング操舵
角情報が読み取られ(s108,s109)、これから
横Gが演算される(s110)。また、上記操舵角情報
に基づいて、ステアリングの操舵角速度が算出される
(s111)。そして、この横Gの大きさ等に応じて、
後輪19が所定方向に所定角度転舵させられる。横Gの
大きさが、0.1G以下であって(s112でYES,
s113でYES)、シフト位置がファーストまたはリ
バースであり(s114でYES)、かつ、ステアリン
グの操舵角が所定値(たとえば240°)以上ある場合
には(s115でYES)、後輪19が前輪9に対して
逆位相に転舵される(s116)。このように、横Gが
小さく、また変速機のシフト位置がファーストまたはリ
バースにあり、かつ、ステアリングが比較的大きく切ら
れる場合は、概して低速時においてUターン等の旋回を
行う場合であり、この時に後輪19を逆位相に転舵させ
ることにより、車両の回転半径を小さくして小回り性を
向上させることができる。また、この場合、後輪19の
転舵角をステアリングの操舵角に応じて増減させること
により、ドライバの運転感覚と車両の挙動を一致させ
て、ステアリングの操舵フィーリングを向上させること
ができる。
【0027】一方、横Gの大きさがある範囲にある場合
(s112でYES,s113でNO)、横Gの大きさ
は所定値以下であるが、シフト位置がファーストまたは
リバース以外である場合(s114でNO)、および、
横Gの大きさは所定値以下であり、かつ、シフト位置が
ファーストまたはリバースであるが、ステアリング操舵
角が所定値よりも小さい場合(s115でNO)には、
後輪19は中立位置に戻される。このような場合は、車
両が直線走行等するような場合であり、後輪19を中立
位置に戻して2WS状態で走行する方が操縦安定性がよ
いからである。
【0028】横Gの大きさが所定値よりも大きい場合は
(s112でNO)、後輪19は前輪に対して同位相に
転舵される。横Gの大きさが比較的大きくなる場合は、
概して、中・高速域においてレーンチェジや旋回を行う
場合であり、このときに後輪19を同位相に転舵させる
ことにより、車両の横滑りを抑制し、速やかな方向転換
を可能にして、操縦安定性を向上させることができる。
なお、この場合、横Gの大きさに応じて(s203,s
204,s205)、後輪19の同位相方向の転舵量も
制御される(s206,s207,s208,s20
9)。横Gが大きくなるほど車両の横滑りの傾向も強く
なるため、横Gの大きさに応じて後輪19の転舵量を増
減させる必要があるからである。また、後輪19を同位
相に転舵する場合には、その転舵開始時期を、ステアリ
ング操舵(前輪転舵)の開始に対して所定時間遅らせ
(s201)、かつ、その遅れ時間がステアリングの操
舵速度が大きいいほど長くなるように設定する。これに
より、旋回初期に適切な大きさのヨーイングを促すこと
ができ、また、旋回過渡期において十分なヨー加速度を
得ることができる。この結果、回頭性が高まり、方向変
換をきびきびと行うことが可能となる。なお、本実施例
の場合、後輪19を同位相に転舵するにあたり、ステア
リング操舵角速度の大きさに応じて、後輪19の転舵速
度が制御される(s202)。
【0029】上述の制御方法によって、エンジン始動時
において、ステアリング3が後輪19の逆位相操舵域内
で切り残されている場合には、後輪19は逆位相方向に
転舵された状態で保持される。エンジンを始動させ、車
両を発進させるにあたり、上記の始動前における後輪1
9の逆位相操舵状態を保持することにより、その直前の
走行時と同じように、後輪19の逆位相操舵による小回
り性の効いた操縦性を享受しならが運転できる。このた
め、ドライバは、ステアリング操作にあたり、違和感を
感じることはない。また、たとえば、車庫からの出庫も
入庫時と同じように容易かつスムーズに行える。
【0030】また、本実施例においては、エンジン始動
時、後輪19が逆位相操舵域内にある場合、ステアリン
グ操舵角を増加させても、後輪19はそれ以上転舵しな
い。したがって、モータによって回転駆動される上記カ
ム板13がカムフォロア14を有効に作動させる範囲を
越えて回転させられるというようなことはない。
【0031】一方、ステアリングの操舵角が減少する場
合には、ステアリング3の操舵角に応じて上記後輪19
は中立位置方向へ転舵させられる。これにより、始動時
におけるステアリング操舵角と後輪転舵角のずれがある
場合においても、違和感なく後輪19を転舵させ、円滑
な四輪転舵性能を発揮させることができる。さらに、上
述した始動時の制御は、上記後輪19が中立位置へ戻っ
た後は、上記ステアリング3の操舵角に応じて、上述し
た通常の制御に戻される。すなわち、後輪中立位置検出
センサ40によって、後輪19の中立位置を認識した後
は、ステアリング操舵角と後輪転舵角のずれはなくな
り、通常の制御方法に戻しても問題がないからである。
上述した制御方法により、エンジンを停止した後に、ス
テアリング3を回動操作して、ステアリング操舵角と後
輪転舵角にずれが生じた場合にも、エンジン始動後に、
後輪操舵に支障が生じるというようなこともなくなり、
円滑な四輪操舵性能を発揮させることができる。
【0032】本願発明の範囲は上述した実施例に限定さ
れることはない。本実施例においては、操舵角センサ2
3、ステアリングセンサ27、および、後輪中立位置セ
ンサ40として、フォトインタラプタを利用したものを
採用したが、他の検出手段を備えるものを採用すること
もできる。また、四輪操舵装置の構造についても特に限
定を受けるものではなく、たとえば、後輪が油圧アクチ
ュエータ等によって駆動される四輪操舵装置にも適用す
ることができる。さらに、フローチャートにおいて示し
た横Gの基準等は、大まかなものであり、さらに細分化
して後輪転舵条件を決めるように構成することもでき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施例に係る四輪操舵車両の全体構
成の概略を示した図である。
【図2】本願発明に係る後輪転舵制御の一例を示すフロ
ーチャートである。
【図3】本願発明に係る後輪転舵制御の一例を示すフロ
ーチャートである。
【図4】実施例に係るカム体および回転ローラを図1の
矢印A方向から見た図であり、カム機構の動作を説明す
るための図である。
【図5】本願発明に係る制御方法のシステムブロック図
である。
【図6】実施例に係る操舵角センサおよびステアリング
センサを示した図である。
【図7】図6におけるVI−VI線断面図である。
【図8】本実施例に係る後輪中立位置検出センサを示す
斜視図である。
【符号の説明】
3 ステアリング 9 前輪 19 後輪

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリング操作に応じて前輪を転舵す
    るとともに、ステアリングの操舵角が所定値より大きい
    場合に後輪を逆位相に転舵するように制御される四輪操
    舵車両において、 車両始動時におけるステアリングの操舵角が後輪の逆位
    相操舵域内にある場合に、後輪の転舵角を、車両始動前
    と同じ状態に保持した後、 ステアリング操舵角が増加する場合には、後輪の転舵角
    を保持する一方、 ステアリング操舵角が減少する場合には、後輪の転舵角
    を減少させるように制御するとともに、 後輪が中立位置を通過した後は、ステアリング操作に応
    じて上記通常の制御を行うことを特徴とする、四輪操舵
    車両における後輪の操舵制御方法。
JP14243191A 1991-05-17 1991-05-17 四輪操舵車両における後輪の操舵制御方法 Pending JPH05124536A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010047097A (ja) * 2008-08-21 2010-03-04 Toyota Motor Corp 車両の操舵装置

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