JPH0512212U - 自動車用空調装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両の左右方向の長さを縮小して、インスト
ルメントパネルとサブアセンブリ状態での自動組立てを
可能とするとともに、通風抵抗を減少し、重量を軽減す
る。 【構成】 エバポレータユニット２はブロアユニット１
の上流側で、かつ、その通風方向が車両の前後方向に向
くように配置されている。また、ヒータユニット３はブ
ロアユニット２の下流側で、かつ、その通風方向が車両
の左右方向を向くように配置されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は自動車用空調装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の自動車用空調装置は、図２に示すように、ブロアユニット１と、エバポ レータユニット２と、ヒータユニット３とからなっている。 ブロアユニット１は、ブロアモータ４によりブロア５を駆動して内気又は外気 を上方（図２の紙面の上方）から吸い込んで右方向に送風するものである。 エバポレータユニット２は、エバポレータ６の通風方向が車体の左右方向を向 くように配置され、前記ブロアユニット１から送風された空気をエバポレータ６ で冷却して除湿するものである。

【０００３】 また、ヒータユニット３は、内部に温度調節用ダンパ７とヒータ８が設けられ るとともに、図示しないデフ、ベント及びヒートの各吹出口が形成されている。 このヒータユニット３は、前記エバポレータユニット２で冷却，除湿された空気 をダンパ７で分流し、一方に分流された空気をヒータ８で加熱してヒータ８を通 過しない冷風とを混合した後、指定されたモードに応じた吹出口から流出させる ものである。 これらのユニットは、図３に示すように、自動車のインストルメントパネル９ の助手席側の下方に設けられ、車両の左右方向に左からブロアユニット１、エバ ポレータユニット２、ヒータユニット３の順に配置されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来の空調装置では、図３に示すように、インストルメントパ ネル９に空調装置の各ユニット１，２，３をサブアセンブリして車体１０に搭載 しようとすると、車体１０のインパネ締結ブラケット１１とブロアユニット１の 左端部Ｐとが干渉するので、各ユニット１，２，３をサブアセンブリした状態で はインストルメントパネル９を取り付けることはできない。 このため、自動車の組立ラインにおいては、まず空調装置の各ユニット１，２ ，３のみを車体１０に搭載した後、インストルメントパネル９を後付けしなけれ ばならなかった。

【０００５】 また、従来の空調装置では、助手席の足元のスペースを確保するために通風面 積が小さく制限されているので、エバポレータ６を厚くすることにより、伝熱面 積を確保せざるを得なかった。 このため、エバポレータ６の通風抵抗がさらに増加し、熱交換効率が悪く、し かも重量が重いという問題があった。 本考案はかかる問題点を解決するのを課題とし、車両の左右方向の長さを縮小 して、インストルメントパネルとサブアセンブリ状態での自動組立てが可能で、 通風抵抗を減少し、重量を軽減することができる自動車用空調装置を提供するこ とを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するため、本考案は、エバポレータユニットをブロアユニット の上流側で、かつ、その通風方向が車両の前後方向に向くように配置するととも に、ヒータユニットをブロアユニットの下流側で、かつ、その通風方向が車両の 左右方向を向くように配置したものである。

【０００７】

【作用】

前記構成によれば、エバポレータユニットとブロアユニットが車両の前後方向 に配置されているため、空調装置は左右方向長さが縮小され、インストルメント パネルにサブアセンブリした状態で車体に搭載することができる。また、エバポ レータの通風方向は車両の前後方向になるため、その厚みを薄くして通風面積を 拡大することができる。

【０００８】

【実施例】 次に、本考案の実施例を添付図面に従って説明する。 図１は本考案の自動車用空調装置を示すが、図２に示す従来の空調装置とは各 ユニットの配置が相違する以外は実質的に同一であるので、同一符号を用いて以 下説明する。 ブロアユニット１は、ブロアモータ４の軸が車体の前後方向を向くように配置 されている。このブロアユニット１は、ブロアモータ４によりブロア５を駆動し 、車体の前方向から内気又は外気を吸い込んで、右方向に送風するようになって いる。

【０００９】 エバポレータユニット２は、ブロアユニット１の上流側すなわちブロアユニッ ト１の前方に設けられ、そのエバポレータ６の通風方向が車体の前後方向に向く ように配置されている。このエバポレータユニット２は、前記ブロアユニット１ の吸込み流れに従って、前方より内気又は外気がエバポレータ６を通過して冷却 ，除湿され、ブロアユニット１に吸い込まれるようになっている。

【００１０】 ヒータユニット３は、ブロアユニット１の下流側すなわちブロアユニット１の 右方に設けられ、その通風方向が車両の左右方向を向くように配置されている。 そして、このヒータユニット３は、ブロアユニット１から送風された空気を、従 来の空調装置と同様、温度調整用ダンパ７によりヒータ８側とヒータ８側でない 側に分流して混合することにより温度調節した後、図示しない吹出口より流出す るようになっている。

【００１１】 このように配置された空調装置では、エバポレータユニット２がブロアユニッ ト１の前方に位置しているので、左右方向の長さが従来の空調装置に比べて図１ にＡで示す長さだけ縮小されている。したがって、この空調装置の各ユニット１ ，２，３をインストルメントパネル９にサブアセンブリしても、従来のようにブ ロアユニット１が車体１０のインパネ締結ブラケット１１に干渉することはない ので、空調装置をインストルメントパネル９にサブアセンブリした状態で車体１ ０に自動搭載することができる。

【００１２】 また、エバポレータユニット２はブロアユニット１の前方に位置し、そのエバ ポレータ６の通風方向が車体の前後方向に向いているので、図１に示すように、 従来のエバポレータよりも厚さが薄く、かつ通風面積が大きく確保されている。 したがって、エバポレータは軽量で、運搬や取扱いが容易である。また、通風抵 抗が小さく、風量が増大され、騒音が低減されている。

【００１３】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、本考案によれば、エバポレータユニットがブ ロアユニットの前方に位置しているので、左右方向長さが縮小され、インストル メントパネルにサブアセンブリした状態で車体に自動搭載することができ、組立 作業が簡略化される。また、エバポレータの厚みを薄く、通風面積を拡大するこ とができるため、重量が軽減されるとともに、風量を増大し、また騒音を軽減す ることができる等の効果を有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係る自動車用空調装置の平面配置図
である。

【図２】 従来の自動車用空調装置の平面配置図であ
る。

【図３】 空調装置をインストルメントパネルとサブア
センブリした状態で車体に搭載する様子を示す斜視図で
ある。

【符号の説明】

１…ブロアユニット、２…エバポレータユニット、３…
ヒータユニット。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 エバポレータユニットをブロアユニット
   の上流側で、かつ、その通風方向が車両の前後方向に向
   くように配置するとともに、ヒータユニットをブロアユ
   ニットの下流側で、かつ、その通風方向が車両の左右方
   向を向くように配置したことを特徴とする自動車用空調
   装置。