JPS5923610Y2 - 自動車の車室内空調機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車の車室内空調機構に関する。

従来の自動車においては、車室内の空調を行なう場合、
主にインストルメントパネルに設けられたエアー吹出口
から冷気あるいは温風を吹き出すようになっていた。

インストルメントパネルはフロントガラスの下方に位置
し、前席乗員の前方にあるため、エアー吹出口から吹き
出される冷気あるいは温風は前席乗員に対して直接あた
るようにできるが、後席乗員に対しては直接あたるよう
にできなかった。

このため、前席乗員に対する温度調節は満足すべきもの
であったが、後席乗員に対する温度の調節は不十分であ
るという欠点があった。

この考案は上記にかんがみ、自動車の後席乗員に対して
冷気あるいは温風を直接放出させることにより、後席乗
員も前席乗員と同様な満足感を得ることのできる車室内
空調機構の提供を目的とするものである。

つぎに、この考案を図面に示す実施例にもとづいて説明
する。

図において、自動車のフロントシート１のフロントシー
トバック２は、その後部の上部でヘッドレスト３の下方
に、エアー吹出口４が設けられている。

そして、このエアー吹出口４の出口側には、横フィン５
が所定の間隔で適数個設けられている。

そして、各横フィン５はエアー吹出口４の側壁４ａに対
して回動可能に取りつけられた横軸６によりそれぞれ支
持されている。

各横フィン５はその中の１個を人が指先で向きを変える
ことにより、全ての横フィン５の上下方向に対する傾斜
角を同時に変えることができるようになっている。

エアー吹出口４には、横フィン５より内側に縦フィン７
が所定の間隔をおいて適数個設けられている。

この各縦フィン７はエアー吹出口４の上、下壁４ｂ、４
ｂに対して回動可能に取りつけられた縦軸８によりそれ
ぞれ支持されている。

そして、縦フィン７もその１個を指先等により左あるい
は右方向に向きを変えると、全ての縦フィン７の左ある
いは右方向えの向きが同時に変るようになっている。

エアー吹出口４は縦フィン７の後側にエアーダクト９が
接続されている。

このエアーダクト９はフロントシートバック２の内部を
通り、その他端はフロントシート１の前方へ伸びて空調
装置（図示しない。

）に接続されている。このエアーダクト９はフロントシ
ートバック２を傾斜させることができるように、屈曲可
能な材料から製作されている。

上記の構成において、空調装置から冷風あるいは温風を
エアーダクト９を介してフロントシートバック２のエア
ー吹出口４へ送ると、その風はエアー吹出口４から後席
方向へ吹き出す。

従って、後席乗員は縦フィン７あるいは横フィン５の向
きを変えて、エアー吹出口４から吹き出す風の向きを変
えることにより、自己の希望する身体の部分（例えば顔
や胸など）に直接冷風あるいは温風をあてることができ
る。

この考案は上記のように、自動車のフロントシートのシ
ートバックの後部に、空気の流出方向を左・右及び上下
に変更可能なフィンを適数個有するエアー吹出口を設け
、このエアー吹出口と空調装置とを接続するエアーダク
トをシートバックの内部を通して設けることとしたこと
により、シートバックの外観を損うことなく自動車の後
席乗員もエアー吹出口から吹き出す冷風あるいは温風を
顔や胸等に直接うけることができるので、前席乗員と同
様に快適感をうけることができる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の一実施例を示し、第１図はフロントシー
トの一部断面を示す側面図、第２図はエアー吹出口部の
正面図である。 １・・・・・・フロントシート、２・・・・・・フロン
トシートバック、４・・・・・・エアー吹出口、５・・
・・・・横フィン、７・・・・・・縦フィン、９・・・
・・・エアーダクト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 冷房あるいは暖房用の空調装置を有する自動車において
   、車室内のフロントシートのシートバックの後部にエア
   ー吹出口を設け、この吹出口の内部に空気の流出方向調
   整用のフィンを適数個配設し、かつ前記エアー吹出口と
   空調装置とを接続するエアーダクトを前記シートバック
   の内部を通して設けたことを特徴とする車室内空調機構
   。