JPH05117738A - 転炉出鋼孔ライニングの補修に先立つ整形方法 - Google Patents

転炉出鋼孔ライニングの補修に先立つ整形方法

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JPH05117738A
JPH05117738A JP28331191A JP28331191A JPH05117738A JP H05117738 A JPH05117738 A JP H05117738A JP 28331191 A JP28331191 A JP 28331191A JP 28331191 A JP28331191 A JP 28331191A JP H05117738 A JPH05117738 A JP H05117738A
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JP
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hole
converter
slag
furnace
repair
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JP28331191A
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English (en)
Inventor
Nozomi Tamura
望 田村
Hiroshi Kondo
寛 近藤
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 出鋼孔に補修用スリーブ煉瓦を挿入して補修
するに先立ち、出鋼孔内に付着した地金・スラグをラン
スパイプから噴出する酸素ガスにより能率よく除去して
整形する。 【構成】 出鋼孔41の補修に先立つ転炉の吹錬中に、出
鋼孔41内に挿入した先端部がストレートなランスパイプ
38から出鋼孔41に対してほぼ同心円の自然噴流になるよ
うに酸素ガスを供給し、出鋼孔41内に付着した地金・ス
ラグ48を溶融・除去して、出鋼孔41内を補修用スリーブ
煉瓦が容易に挿入可能な内径および形状に整形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶損した転炉出鋼孔に
補修用スリーブ煉瓦を挿入し、このスリーブ煉瓦外周面
と出鋼孔の残存ライニング内面との間隙に不定形耐火物
を充填して補修するに先立つ転炉出鋼孔ライニングの整
形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、図3に示すように転炉の出鋼孔
41は長く使用すればその内側に設けた耐火ライニング層
46が損耗して孔径が拡大してくるとともに、地金, スラ
グ48が付着し耐火ライニング層表面から突き出して凹凸
状に被覆してくる。この地金,スラグ48を付着した状態
のままで耐火材を付着させても充分な耐火ライニングの
結合状態とならず良質な補修耐火物層が得られない。
【0003】そこで、特開昭58-130988 号公報に、例え
ば、転炉の出鋼孔の内壁に付着するスラグや地金に燃
料,酸素あるいは燃料および酸素を吹付けて上記スラグ
や地金を溶融除去し、その後出鋼孔の内壁に耐火材を付
着させる出鋼孔の補修方法が開示されている。前記補修
方法に使用される装置は、転炉出鋼孔内を進退する補修
パイプ, 同補修パイプを回転かつ進退自在とする機構,
出鋼孔に補修パイプを調心するための調心機構, 吊下装
置および不定形耐火物, 酸素ガスおよび作動油の送給装
置より主として構成されている。
【0004】前記装置により転炉の出鋼孔内壁に付着す
る地金やスラグに酸素ガスを吹き付けるに当り、図6に
示すように出鋼孔41内に補修パイプ10を挿入し小パイプ
2,送給路5および小パイプ2の先端に突設した楕円形
状の挿入体3内の送給路5′を経て開口部6から、小パ
イプ2を回転させながら、出鋼孔41の内壁面に付着した
地金・スラグ48に高圧の酸素ガスを吹き付け、これを溶
融して炉内へ吹き飛ばして除去する。
【0005】このようにして地金・スラグ48を除去した
後、大パイプ1の内部の不定形耐火物を送給路4より送
り出し出鋼孔41内に注出する。このようにして注出しな
がらまたは注出した後に、補修パイプ10を後退させれば
小パイプ2の先端に突設した滑らかな曲率を有し出鋼孔
41の径ほどの高さをもつ楕円形状の挿入体3が注出した
不定形耐火物を均一に出鋼孔41に付着させる。この作業
は酸素ガスを吹き出しながらでも行える。
【0006】あるいは図7に示すように小パイプ2の先
端をラッパ状に拡幅し、この拡幅部内に支持金具25を介
して取付けられた円錐状拡散板24と拡幅部内壁との空間
を通して、やはり出鋼孔41の内壁方向へ指向した開口部
6からコーン状に出鋼孔41の内壁面に高圧の酸素ガスを
吹き付けて地金・スラグを除去する。引続き出鋼孔内に
太パイプ1から不定形耐火物を注出し、補修パイプ10を
後退して小パイプ2のラッパ状拡幅部で出鋼孔に不定形
耐火物を付着させる。
【0007】一方、操業によって損傷した転炉出鋼孔の
内部に付着した地金などを吹錬中に完全に除去すると同
時に、吹錬作業を停止することなく、吹錬中に補修がで
きる改良された装置と方法を提供することを目的とし
て、実開昭56-39459号公報及び特開昭57-169012 号公報
には、補修材吐出パイプの前方に、支持部材を介して、
掘削部および/又は仕上部とからなるヘッド部材が設け
られ、かつ該パイプが進退および回転自在に装着されて
いる転炉出鋼孔の補修装置および製鋼用転炉の出鋼孔が
溶鋼の出鋼に伴なう溶損によりその内径が約10mm〜40mm
拡大する度に、かつ、出鋼孔内面が熱い状況下で、補修
材吐出パイプに設けたヘッド部材を出鋼孔のほぼ中心に
位置合せしたのち、炉外方より出鋼孔の奥深く、仕上部
の一部が炉内面と一致する位置まで進入させ、補修材を
該パイプの吐出口から吐出させ、同時にヘッド部材を回
転させながら徐々にパイプの軸線方向に移動させ、前記
仕上部により補修材を出鋼孔の内壁に転圧塗布する転炉
出鋼孔の補修方法が開示されている。
【0008】更に特開昭62-284008 号, 特開昭63-23541
9 号公報には、転炉出鋼口の損傷したスリーブ煉瓦を除
去して新規なスリーブ煉瓦を該出鋼口に挿入し、該スリ
ーブ煉瓦と出鋼口ブロック煉瓦との間隙部に該出鋼口外
側より不定形耐火物圧入ノズルを挿入固定しかつ該間隙
の炉外側端部を閉塞し、前記圧入ノズルより前記間隙部
の未充填部に不定形耐火物を圧入、充填する転炉出鋼口
ライニングの補修法が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記特開昭58-130988
号公報開示の従来技術には、以下の欠点がある。即ち補
修装置は、構造が極めて複雑で高価になるばかりか、メ
ンテナンスも煩雑であり、また転炉の炉側という種々の
作業が錯綜し危険性の高い場所でメンテナンスを行う必
要があり安全性にも問題がある。
【0010】また、転炉の出鋼孔内壁に付着するスラグ
や地金に、酸素ガスを吹付けるに当り図6に従って説明
したように小パイプ2を回転させながら先端の開口部6
から出鋼孔41の内壁面に指向して酸素ガスを吹きつける
か、または図7で説明したように小パイプ2の拡幅部か
らコーン状に吹き付けられる。このため出鋼孔内壁面へ
指向して近距離から斜めに酸素ガス流が強く衝突させる
ように吹き付けられた場合、溶融した地金やスラグがは
ね返りにより、開口部6が閉塞したり、楕円形をした挿
入体3や小パイプ2の拡幅部に付着して、これが出鋼孔
41の内面と接触し、小パイプ2の進退に支障を来たす恐
れがある。
【0011】さらに出鋼孔への付着した地金やスラグの
部位による厚み差により過度に溶融して耐火物層に局部
的な凹みが出来たり、溶融不足により地金やスラグが付
着したまま残ったりして、出鋼孔内壁がきれいな円形断
面に整形されない。このような問題を避けようとして、
地金やスラグの溶融除去状態を酸素を吹付けながら目視
観察するのは、装置の構造上や安全上困難である。又レ
ーザ光線等を利用した自動形状測定器を用いることも設
備費や設備の構造上実際的でない。一旦、酸素吹付けを
停止して、大小パイプ1,2を出鋼孔41から外へ出し
て、目視観察や自動形状測定器を用いた測定を行うこと
は、そのような観察や測定を複数回必要とすると思われ
ることから、補修作業時間の延長につながり問題があ
る。
【0012】前記のように、きれいに地金やスラグが溶
融除去されない出鋼孔内壁面に、大パイプ1の内部の耐
火材を耐火材送給路4の先端から注出して補修しても、
不定形耐火材の出鋼孔内壁面への付着,結合が良好でな
く、補修耐火材層の寿命が短くなる。転炉の吹錬中に、
前記従来方法を適用した場合、補修耐火材層の乾燥・焼
結時間が十分にとれず出鋼孔上半分の不定形耐火物層が
垂れ下り易く、出鋼孔形状が円形断面となり難い。その
ため出鋼流の乱れ等による出鋼流の空気酸化など品質や
Al等の合金添加歩止り低下や変動の原因となり易い。
【0013】更に出鋼中の補修耐火材層の急加熱による
爆裂・はく離を生じたりして補修耐火材層の寿命が短く
なる恐れが大きい。又仮りに乾燥・焼結時間を十分にと
ったとしても補修時間の延長となるばかりか、付着補修
材層が不定形耐火物層より成り、しかも十分な加圧成形
を受けていないため気孔率が高く、溶湯やスラグによる
侵蝕摩耗により、成形・焼成耐火物(例えばスリーブ煉
瓦)を用いた補修方法に比べて寿命が短く、補修頻度が
多くなり転炉の生産性の低下を招くという問題もある。
【0014】次に前記実開昭56-39459号公報、特開昭57
-169012 号公報開示の技術には、以下の欠点がある。即
ち補修材吐出パイプの前方又は先端部分に設けられた山
形状または凹凸状の突起付きの円錐状掘削部で、前記パ
イプを回転進退させながら出鋼孔内壁に付着した地金あ
るいは、スラグを掘削除去する場合、特に出鋼孔内周方
向全体に連続して付着した地金やスラグを除去するのは
きわめて困難であり、これを除去しようとすると、装置
の各部の剛性を十分に大きくとり、パイプの回転駆動機
構, パイプの進退駆動機構の出力を十分に大きなものに
しておく必要があり、装置が大型複雑かつ高価なものに
なる。
【0015】転炉出鋼孔の炉内側先端部に付着した地金
やスラグは、炉内側先端周辺の炉内壁に付着した地金や
スラグと連結して強固に付着している。このためこの従
来装置では、炉内側先端周辺の付着地金・スラグ等を機
械的に除去することは困難である。従って出鋼孔内壁面
の炉内側先端部は十分な補修ができない。この従来方法
を転炉の吹錬中に適用した場合、前記特開昭58-130988
号公報開示の従来技術の欠点、すなわち付着補修材層が
不定形耐火物層より成ることと、出鋼孔上半分の不定形
耐火物の垂れ下りや補修耐火物層の乾燥・焼結時間の不
足などに起因する欠点と全く同様の欠点を有する。
【0016】また、特開昭62-284008 号, 同63-235419
号公報に開示の従来技術は、補修耐火物層がスリーブ煉
瓦で形成されるため組織が緻密で気孔率が小さく溶湯や
スラグによる侵蝕、摩耗による損耗が前記2つの従来技
術のような不定形耐火物補修層に比べて格段に少く、寿
命が長いという長所があり優れた技術であるが、以下の
ような欠点がある。
【0017】(1)転炉出湯後に、転炉をほぼ垂直にし
て、出鋼孔を水平に近い状態にして、損傷したスリーブ
レンガを、ブレーカー又は解体機を用いて解体、除去し
出鋼孔ブロック煉瓦内面を清掃するのに、人手と時間が
掛り、高温下の作業という作業環境及び安全面での問題
とその分だけ補修時間を長く必要とするという問題があ
る。 (2)損傷スリーブレンガの炉内側先端部が溶損して、
長さが短くなっている場合は、その溶損して消失した部
位に付着した地金やスラグは、出鋼孔の炉内側先端周辺
の炉内壁への付着地金と連結して強固に付着しているこ
とが多く、ブレーカー又は解体機のみによる機械的除去
が困難である。そのため出鋼孔炉内側先端部及びその周
辺の炉内壁に付着した地金やスラグを除去するため、酸
素ガス吹付けによる溶融洗浄を必要とすることが多く、
そのための人手と時間を余分に必要とするという問題が
ある。
【0018】本発明は、前記の従来技術の欠点を解消
し、スリーブレンガを用いた補修方法の長所を生かしつ
つ、転炉の吹錬時間を、出鋼孔内に付着した地金やスラ
グの除去と出鋼孔断面形状の整形に活用して、出鋼後の
補修時間を短縮することができる転炉出鋼孔ライニング
の補修に先立つ整形方法を提供することを目的とするも
のである。
【0019】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明は、溶損した転炉出鋼孔に補修用スリーブ煉瓦
を挿入し、このスリーブ煉瓦外周面と出鋼孔の残存ライ
ニング内面との間隙に不定形耐火物を充填して補修する
に先立ち転炉出鋼孔ライニングを整形する方法であっ
て、前記出鋼孔ライニングの補修に先立つ少くとも1ヒ
ートの転炉吹錬中に、前記出鋼孔内に炉外から進退可能
に挿入したランスパイプを介して前記出鋼孔に対してほ
ぼ同心円の自由噴流となるように酸素ガスを供給し、出
鋼孔内壁および出鋼孔炉内側端近傍の炉内壁面に付着し
た地金やスラグを溶融、除去して、前記出鋼孔内を補修
用スリーブ煉瓦が容易に挿入可能な内径および形状に整
形することを特徴とする転炉出鋼孔ライニングの補修に
先立つ整形方法である。
【0020】また本発明では、酸素ガス供給開始時は、
酸素ガス供給用のランスパイプの先端を、ランスパイプ
から供給される酸素ガス自由噴流が出鋼孔内壁に衝突す
る位置か少くとも補修用スリープ煉瓦の挿入予定先端位
置より炉内側になるよう前進させ、供給される酸素ガス
の出鋼孔とほぼ同心円の自由噴流により、炉内側に付着
した高温の地金やスラグに着火、溶融して炉内側へ除去
し、以降はランスパイプの先端を炉内側から炉外側へ順
次後退させつつ、出鋼孔内に付着した地金やスラグを溶
融、除去するようにするのが好ましい。
【0021】
【作 用】本発明によれば、酸素ガスが出鋼孔とほぼ同
心円の自由噴流となるので地金やスラグが均一に溶融除
去され出鋼孔の形状不良を招くことなくほぼ断面円形に
容易に整形できる。ランスパイプ先端と酸素の自由噴流
が出鋼孔内壁に衝突する位置までの距離が長くなるので
溶融した地金やスラグのはね返りによるランスパイプ先
端の閉塞やパイプ外面への地金やスラグの付着堆積によ
る出鋼孔内におけるランスパイプの進退を不能とするよ
うなトラブルを防止できる。
【0022】また、ランスパイプからの酸素ガスの供給
開始時には、炉内側に付着した高温の地金やスラグに着
火するので着火が容易であると共に、以降はランスパイ
プの先端を炉内側から炉外側へ徐々に後退させるので溶
融した地金やスラグが出鋼孔の下半分に滞留して再凝固
することなく短時間にスムースに除去することができ
る。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基いて説明す
る。図1は本発明の補修方法に用いる補修装置の一実施
例を示す一部切欠正面図である。図1において、31は酸
素ガス供給ライン、32はパージ用の窒素ガス供給ライン
であるが、このパージ用のガスは必ずしも窒素でなくて
もよく、地金やランスパイプとの反応において不活性な
ガスであればよい。33aは酸素ガス自動遮断弁、33bは
窒素ガス自動遮断弁であり、これら遮断弁33a,33bの
開閉によりランスパイプ38に供給されるガスを、窒素ガ
ス, 酸素ガスのいずれかに選択できる。
【0024】酸素ガス供給ライン31から供給される酸素
ガスは、流量計兼流量調節計34aと流量調節弁34bとの
組み合わせにより供給流量をフィードバック制御され
る。ガス供給配管35と出鋼孔41に挿入するランスパイプ
38は、前後進のためのフレキシブルホース36および接続
装置37を介して容易に着脱可能に接続される。ランスパ
イプ38の進退位置決めは、パルスジェネレータ39bで回
転検出されるピニオン39aとランスパイプ38をクランプ
したラック40との組み合わせにより行われ、ピニオン39
aの回転駆動は図示されない回転駆動装置により行われ
る。
【0025】本発明で使用するランスパイプ38は、その
先端部が単純な円形ストレート形状となっているので噴
出される酸素ガスジェット42の広がりの円直径は、ラン
スパイプ38の内径とランスパイプ先端からの距離で決定
され、通常は角度11°〜15°の円形状の広がりを有する
自由噴流となる。従って、ランスパイプの位置と内径を
決めれば、スリーブレンガの挿入に必要な出鋼孔内径が
一意的に得られる。
【0026】次に本発明の作業手順について説明する。
本発明では、補修用スリーブ煉瓦を用いる転炉が数10ヒ
ートを重ねた段階で出鋼孔41の補修が必要になったら補
修に先立つ少くとも1ヒートすなわち補修直前の1ヒー
トまたはこの直前の1ヒートを含む適宜の複数ヒートに
亘る転炉の吹錬中に先端部がストレートなランスパイプ
を用いて酸素ガスにより出鋼孔41内に付着した地金・ス
ラグ48を溶融により除去して整形するものである。
【0027】吹錬中の転炉出鋼孔41の炉内壁面や出鋼孔
41内に付着した地金・スラグ48を溶融して除去するに当
り、先端部がストレートなランスパイプ38を出鋼孔41に
向けて臨ませ、芯合わせした後、回転駆動装置を作動し
てピニオン39aを回転し、ラック40を介してランスパイ
プ38を出鋼孔41の中心部に挿入しパルスジェネレータ39
bによりピニオン39aの回転数を検出しながら所定位置
まで進入させて停止させる。
【0028】ランスパイプ38の位置決めが終ったら遮断
弁33aを開とすると共に、流量計兼流量調節計34aによ
り流量調節弁34bの開度を調節して酸素ガス供給ライン
31から供給される酸素ガス量を制御すれば、ランスパイ
プ38の先端から吹き出す酸素ガスが出鋼孔41とほぼ同心
円の広がり角の小さい自由噴流となる。このためランス
パイプ38の先端と、酸素ガスジェット42が出鋼孔41の内
壁に衝突する位置までの距離が長くなり、従来のように
出鋼孔内壁の方向へ指向して近距離から強く衝突させる
場合に比較して地金・スラグ48の付着部位による厚み不
均一性に伴う過度の溶融や溶融不足による出鋼孔41の断
面形状の不良を招くことなくほぼ断面円形の整形形状が
得られる。また溶融した地金・スラグ48のはね返りによ
るランスパイプ38先端の閉塞による酸素ガス供給不足
や、ランスパイプ38の外周面への地金・スラグ48の付着
堆積によりランスパイプ38の進退に支障を来たすといっ
たトラブルも解消される。
【0029】なお酸素ガス供給開始時には、ランスパイ
プ38の先端を、ランスパイプから供給される酸素ガス自
由噴流が転炉出鋼孔内壁に衝突する位置か少くとも補修
用スリーブ煉瓦の炉内端挿入予定位置より炉内側になる
ように前進させた位置にするのが好ましい。すなわち、
このような位置にセットしたランスパイプ38の先端から
吹き出す自由噴流の酸素ガスにより出鋼孔41の炉内側端
近傍の炉壁面に付着した高温の地金・スラグ48に容易に
着火するのでスムースな溶融に移行できる。
【0030】このようにしてランスパイプ38から吹き出
す自由噴流酸素ガスにより出鋼孔41の炉内側端に付着し
た地金・スラグ48を溶融して炉内への吹き飛ばしが開始
される。引続きピニオン39aを回転しラック40を介して
ランスパイプ38の先端を炉内側から炉外側に徐々に後退
させ、出鋼孔41内に付着した地金・スラグ48を自由噴流
の酸素ガスにより炉内側から炉外側に順次溶解して炉内
に吹き飛ばして除去する。このため出鋼孔41内で溶融し
た地金・スラグ48は、出鋼孔41の下半分に滞留して再凝
固することなく短時間にスムースに除去することができ
る。
【0031】また本発明によれば、転炉の吹錬で発生し
た一酸化炭素ガスが出鋼孔41の炉内側先端部で二次燃焼
して生じる酸化熱を利用できるので炉内側に付着した地
金・スラグ48の温度が上昇し、酸素ガスによる地金・ス
ラグへの着火が極めて容易となる。さらにこの二次燃焼
熱および酸素ガスによる地金の酸化熱により吹錬中の炉
内スラグフォーミングやスピッティングによる出鋼孔41
の炉内側端部近傍への地金・スラグ48の付着が抑制され
る。さらに必要であれば、ランスパイプ38を出鋼孔41内
を複数回往復移動させて地金・スラグ48の酸素ガスによ
る吹き飛ばしの徹底化を図ってもよい。
【0032】出鋼孔41の内壁への地金・スラグ48の付着
状況に応じて挿入するランスパイプ38の内径, 酸素ガス
の供給タイミングと時間, 酸素ガス供給流量, ランスパ
イプ38の前進、後退移動速度およびランスパイプ38の前
後進ストローク・前後進回数などを適宜選定することに
より、地金・スラグ48の溶融による除去時間や整形後の
出鋼孔41の内径を適切にコントロールすることができ
る。
【0033】以上のような地金・スラグ48の溶融除去に
より出鋼孔41の内壁口径が補修用スリーブ煉瓦を容易に
挿入することができる大きさに整形できたら、遮断弁33
aを閉止して酸素ガスの供給を停止する。次に遮断弁33
bを開いて窒素ガス供給ライン32から窒素ガスを供給し
てガス供給配管35やランスパイプ38内に残留する酸素ガ
スを炉内にパージした後、遮断弁33bを閉止する。
【0034】引続き回転駆動装置を作動してピニオン39
aを回転し、ラック40を介してランスパイプ38を出鋼孔
41内から引抜いた後、所定の待機位置まで退避させれ
ば、転炉吹錬中における一連の地金・スラグ48の除去に
よる整形作業が終了する。このため、従来のように、転
炉からの出鋼後にスリーブ煉瓦を解体除去した後、出鋼
孔ブロック煉瓦の内面を清浄するといった作業が不要と
なり、出鋼後の出鋼孔補修所要時間が大幅に短縮でき
る。
【0035】前述のようにして吹錬中に出鋼孔41を整形
した転炉から出鋼した後、出鋼孔41を補修する場合、図
2に示すように出鋼孔41内にスリーブ煉瓦43を挿入し、
このスリーブ煉瓦43の外周面と出鋼孔41の残存耐火ライ
ニング45との間隙に不定形耐火物44を圧入により充填す
るもので、このようなスリーブ煉瓦43による補修方法自
体は前述の通り周知である。
【0036】このようなスリーブ煉瓦43を用いる出鋼孔
41の補修を行うに先立ち、本発明により出鋼孔41の内壁
面がストレートなランスパイプ38の自由噴流の酸素ガス
によりほぼ円筒状にきれいに整形されており、しかもそ
の表面には地金の酸化反応により酸化物が形成されてい
るため、圧入した不定形耐火物44によるスリーブ煉瓦43
と残存耐火ライニング45との間の接着性が良好であり、
スリーブ煉瓦43がしっかりと固定される。
【0037】なお、出鋼孔41内へ挿入したスリーブ煉瓦
43と残存耐火物ライニング45との間隙に不定形耐火物44
を充填する手段は、従来から周知のように不定形耐火物
を炉外側から圧入する方法や吹付ける方法あるいは転炉
を横転させて、不定形耐火物を流し込んで充填する方法
を採ることができる。またいずれの充填方法において
も、スリーブ煉瓦内にスリーブ煉瓦先端よりも炉内側へ
突出する鋼製パイプを挿入して、炉内側の充填や補修が
十分に行われるようにしてもよい。
【0038】230トン底吹転炉を用い通常の脱炭吹錬を5
0ヒート行う毎に、本発明方法と従来法すなわち、出鋼
後、人手によりランスパイプを操作して出鋼孔の内壁に
付着した地金・スラグを溶融除去して出鋼孔の内壁面を
整形する方法とをそれぞれ2箇月づつ実施した。地金溶
融用のランスパイプの呼び径はJIS32Aのものを使
用し、本発明法で用いた酸素ガス量は20Nm3 /分×15分
/回である。出鋼孔補修作業時間のため転炉吹錬を停止
しなければならなかった時間(ダウンタイムと称す)の
回数分布について図4(a)に本発明実施例の結果を、
また従来例の結果を図4(b)に示している。図4
(a),(b)の比較により従来方法ではダウンタイム
が 2.5〜 3.5時間に集中していたが本発明方法では 0.5
〜 1.5時間となり大幅に短縮された。
【0039】転炉出鋼孔41の整形前後の断面形状を図5
に示す。断面形状の調査は、市販のレーザ距離計を出鋼
孔41内に挿入し円周方向に回転させて測定することによ
り行った。図5(a)は出鋼孔41の整形前の断面形状で
あり、出鋼孔41の残存耐火ライニング45に地金スラグ48
が付着して不規則な凹凸形状を呈している。このような
大きな突起が形成されると出鋼に支障を来たすので補修
する必要がある。なお、図中Dsはスリーブ煉瓦の外径
を示している。
【0040】図5(b)は本発明により転炉吹錬中に出
鋼孔41内に付着した地金・スラグ48をストレートなラン
スパイプからの自由噴流酸素ガスにより除去して整形し
た場合であり、図5(c)は転炉出鋼後に、人手作業に
よりランスパイプを操作して酸素ガスにより地金・スラ
グ48を除去いた場合である。図5(b)に示すように本
発明方法によれば地金・スラグ48がきれいに除去され残
存耐火ライニング45はほぼ円形断面形状に拡大整形され
るので、転炉出鋼後の、出鋼孔補修に当りスリーブ煉瓦
を容易に挿入することができるばかりでなくスリーブ煉
瓦の外径Dsと残存耐火ライニング45との隙間も小さく
なる。これに対して、図5(c)に示す従来法による場
合には残存耐火ライニング45の過度の溶損や地金・スラ
グ48の溶融不足を伴い大きな凹凸形状となるため、外径
Dsのスリーブ煉瓦を挿入できるように出鋼孔41を整形
するのに困難を極め、スリーブ煉瓦の外径Dsと残存耐
火ライニング45との隙間も大きくなり易く良好な補修が
できない。
【0041】
【発明の効果】本発明は、以下のようなすぐれた効果を
奏する。 (1)転炉吹錬中に転炉出鋼孔内壁及び炉内壁出鋼孔周
囲に付着した地金を酸素ガスにより溶融、除去して出鋼
孔の内径を拡大・整形するため、出鋼後に同様な作業を
行う必要や出鋼後に出鋼孔内の損傷したスリーブレンガ
をブレーカ又は解体機を用いて解体、除去し出鋼孔ブロ
ック内面を清掃するという必要がなくなり、出鋼後の出
鋼孔ライニング補修に必要な時間が大巾に短縮される。
【0042】(2)出鋼孔内壁及び出鋼孔炉内側先端周
囲の炉内壁面に付着した地金やスラグは、出鋼孔内に適
正に位置決めされたストレートなランスパイプ先端開口
から供給される出鋼孔とほぼ同心円の酸素ガスの自由噴
流により溶融除去されるので、出鋼孔内壁面に指向して
内壁面に衝突させるように近距離より酸素,ガス及び又
は燃料を吹付ける従来方法に比べて構造の簡単な設備で
より確実に、かつ出鋼孔内壁部位による付着地金・スラ
グ層の厚み差に伴う過度の溶融や溶融不足による出鋼孔
内壁の凹凸の発生,地金・スラグの残存がほとんどなく
ほぼ円形の断面にきれいに整形される。又溶融した地金
・スラグのはねかえりによる酸素供給口の閉塞や、ラン
スパイプへの地金付着によりランスパイプが出鋼孔内で
進退不可能になるということもない。
【0043】(3)補修材吐出パイプの前方又は先端部
分に設けられた掘削部で、前記パイプを回転,進退させ
ながら出鋼孔内壁に付着した地金やスラグを除去する従
来方法に比べて、より簡単安価な設備でしかもはるか
に、容易に確実に地金・スラグを除去できる。又前記の
従来方法では除去できない炉内壁出鋼孔周辺の付着地金
・スラグを容易に除去できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に使用するのに好適な装置を示す概
略断面図である。
【図2】本発明方法を適用後の補修方法を示す部分断面
図である。
【図3】出鋼孔内や炉内壁出鋼孔周辺への地金・スラグ
付着状況を示す断面図である。
【図4】本発明法と従来法とダウンタイムの回数分布を
示す棒グラフであり、(a)は本発明法、(b)は従来
法である。
【図5】転炉出鋼孔の整形前後における形状を示す断面
図であり、(a)は整形前の形状、(b)は本発明方法
による整形後の形状、(c)は従来方法による整形後の
形状である。
【図6】従来例を示す断面図である。
【図7】他の従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
31 酸素ガス供給ライン 32 窒素ガス供給ライン 33a 酸素ガス自動遮断弁 33b 窒素ガス自動遮断弁 34a 流量計兼流量調節計 34b 流量調節弁 35 ガス供給配管 36 フレキシブルホース 37 接続装置 38 ランスパイプ 39a ピニオン 39b パルスジェネレータ 40 ラック 41 出鋼孔 42 酸素ガスジェット 43 スリーブ煉瓦 44 不定形耐火物 45 出鋼孔残存耐火ライニング 46 炉壁耐火物 47 鉄皮 48 地金・スラグ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶損した転炉出鋼孔に補修用スリーブ煉
    瓦を挿入し、このスリーブ煉瓦外周面と出鋼孔の残存ラ
    イニング内面との間隙に不定形耐火物を充填して補修す
    るに先立ち転炉出鋼孔ライニングを整形する方法であっ
    て、前記出鋼孔ライニングの補修に先立つ少くとも1ヒ
    ートの転炉吹錬中に、前記出鋼孔内に炉外から進退可能
    に挿入した先端部がストレートなランスパイプを介して
    前記出鋼孔に対してほぼ同心円の自由噴流となるように
    酸素ガスを供給し、出鋼孔内壁および出鋼孔炉内側端近
    傍の炉内壁面に付着した地金やスラグを溶融、除去し
    て、前記出鋼孔内を補修用スリーブ煉瓦が容易に挿入可
    能な内径および形状に整形することを特徴とする転炉出
    鋼孔ライニングの補修に先立つ整形方法。
  2. 【請求項2】 酸素ガス供給開始時は、酸素ガス供給用
    のランスパイプの先端を、ランスパイプから供給される
    酸素ガス自由噴流の転炉出鋼孔内壁に衝突する位置か少
    くとも補修用スリーブ煉瓦の挿入予定先端位置より炉内
    側になるよう前進させ、供給される酸素ガスの出鋼孔と
    ほぼ同心円の自由噴流により、炉内側に付着した高温の
    地金やスラグに着火、溶融して炉内側へ除去し、以降は
    ランスパイプの先端を炉内側から炉外側へ徐々に後退さ
    せつつ、出鋼孔内に付着した地金やスラグを溶融、除去
    する請求項1記載の転炉出鋼孔ライニングの補修に先立
    つ整形方法。
JP28331191A 1991-10-29 1991-10-29 転炉出鋼孔ライニングの補修に先立つ整形方法 Pending JPH05117738A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100782249B1 (ko) * 2006-06-01 2007-12-05 주식회사 포스코 고로 출선구의 부착물 제거방법 및 그 장치
JP2010265539A (ja) * 2009-05-18 2010-11-25 Sumitomo Metal Ind Ltd スリーブ煉瓦交換用治具及び転炉出鋼口の補修方法
JP2012112019A (ja) * 2010-11-26 2012-06-14 Nippon Steel Corp 高炉用傾注樋の付着物除去装置及びその付着物除去方法

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