JPH05117387A - ヒドロキシル化ポリフエニレンエーテルの製造方法 - Google Patents

ヒドロキシル化ポリフエニレンエーテルの製造方法

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JPH05117387A
JPH05117387A JP28005591A JP28005591A JPH05117387A JP H05117387 A JPH05117387 A JP H05117387A JP 28005591 A JP28005591 A JP 28005591A JP 28005591 A JP28005591 A JP 28005591A JP H05117387 A JPH05117387 A JP H05117387A
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carbon atoms
hydrocarbon
hydroxylated
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Haruo Omura
治夫 大村
Fumiyo Ikehata
富美代 池畑
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリフェニレンエーテルとポリエポキシ化合
物(例えば、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエ
ーテル)とを反応させて分子内にアルコール性水酸基を
複数有するヒドロキシル化ポリフェニレンエーテルを製
造する。 【効果】 実施例に示したように、本発明によればヒド
ロキシル化ポリフェニレンエーテルを高収率に製造でき
る。このものは更に、カルボキシル基を有するポリプロ
ピレンと容易に、共重合させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリフェニレンエーテ
ルとポリエポキシ化合物とを反応させて分子鎖中間部が
ヒドロキシ変性されたポリフェニレンエーテルを製造す
る方法に関する。本発明の実施により製造されるヒドロ
キシル化ポリフェニレンエーテルは、他の樹脂、例えば
ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、無水マレイン
酸グラフトポリプロピレン等とブレンドした場合ブレン
ド樹脂の官能基、例えばカルボキシル基と反応し、樹脂
間の相溶性を高め、衝撃強度の高い樹脂製品を与える。
従って、このヒドロキシル化(水酸基変性)ポリフェニ
レンエーテルは、ポリフェニレンエーテルの改質材、ポ
リフェニレンエーテルと他の樹脂との相溶化剤として有
用である。更に、この化合物はポリフェニレンエーテル
のグラフトまたはブロック共重合体の前駆体として有用
である。
【0002】更に、ポリフェニレンエーテルの末端フェ
ノール性水酸基によりポリエポキシ化合物を官能するこ
とにより、出発原料のポリフェニレンエーテルよりも分
子量が増加するため、樹脂組成物の耐衝撃性、耐熱性の
向上が考えられる。
【0003】
【従来の技術】ポリフェニレンエーテルは、優れた耐熱
性、機械的特性、電気的特性、耐水性、耐酸性、耐アル
カリ性、自己消火性を備えた極めて有用な熱可塑性樹脂
であり、エンジニアリングプラスチック材料として、多
くの応用展開が図られつつある。
【0004】しかしながら、この樹脂はガラス転移温度
が高いので溶融粘度が高く、成形加工性が悪く、またエ
ンジニアリングプラスチックとしては耐衝撃性が劣るな
どの欠点を有している。これらの欠点を改良することを
目的として、ポリオレフィン及び他のエンジニアリング
プラスチック、例えばポリアミド、ポリカーボネート、
ポリブチレンテレフタレート等とのブレンドが実施され
ている。しかしながら、これらのポリマーとは本質的に
相溶性に乏しく、これらの樹脂組成物は脆く、機械的強
度、衝撃強度が低下し、実用に供し得ないものとなる。
【0005】この問題を解決するために相溶化剤が用い
られている。相溶化剤は多くは両者のポリマーのグラフ
トまたはブロック共重合体である。これらの共重合体の
合成時にポリフェニレンエーテル樹脂の末端フェノール
性水酸基が他のポリマー中の官能基と反応することが期
待できる。しかしながら、フェノール性水酸基と反応可
能な化合物の官能基種は限られており、その利用範囲は
自ずと限定されている。そこで、ポリフェニレンエーテ
ルの反応性を高める目的で多くの官能化ポリフェニレン
エーテルが提案されている。例えば、その官能化例は、
特開昭62−43455号、63−315号、63−1
99754号等の公報に開示されている。
【0006】また、欧州特許248263号、PCT特
許8707286号、米国特許4746708号、特表
昭63−503391号等公報には、いくつかのヒドロ
キシアルキル基官能化ポリフェニレンエーテルの例が挙
げられているが、その製造法が多段の反応を必要として
いる上に、高温の溶融反応を用いなければならないもの
も多い。また、比較的穏やかな反応条件で変性すること
ができるものでも高価な酸クロライドを用いなければな
らないと言う欠点がある。
【0007】更に、特開昭63−128021号公報に
はポリフェニレンエーテルとエチレンオキシドまたはプ
ロピレンオキシドを反応させ、ポリフェニレンエーテル
の末端基をヒドロキシアルキル化する方法が開示されて
いるが、高圧下での反応が必要であること及びエチレン
オキシドまたはプロピレンオキシドの付加数の制御が困
難であり、構造の揃ったものが得られない等の解決すべ
き問題が幾つか存在する。さらに、米国特許第4,74
3,661号公報には、エポキシ化合物とポリフェニレ
ンエーテルの末端のフェノール性水酸基を反応させ水酸
基変性したポリフェニレンエーテルを得る方法が開示さ
れているが、これは末端変性であり本発明の分子中間部
に水酸基を複数持つヒドロキシル基で官能化したポリフ
ェニレンエーテルとは本質的に異なる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ポリオレフィン、ポリ
エステル、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド等の
樹脂とのブレンド時の相溶性を高めることのできる分子
鎖中間部に2個以上の脂肪族アルコール性水酸基が結合
したヒドロキシル化ポリフェニレンエーテルの製造方法
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、 一般式(I)
【0010】
【化4】
【0011】(ここで、Q1 は各々、ハロゲン原子、炭
素数1〜12の第1級又は第2級アルキル基、炭素数6
〜12のフェニル基、炭素数1〜12のアミノアルキル
基、炭素数1〜12の炭化水素オキシ基、又は炭素数1
〜12のハロ炭化水素オキシ基を表す。Q2 は各々、水
素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12の第1級もしく
は第2級アルキル基、炭素数6〜12のフェニル基、炭
素数1〜12のハロアルキル基、炭素数1〜12の炭化
水素オキシ基または炭素数1〜12のハロ炭化水素オキ
シ基を表す。nは10〜500の数を表す。)で示され
るポリフェニレンエーテルと、 一般式(II)
【0012】
【化5】
【0013】(ここで、Rは二価の基であり、炭素数1
〜12の炭化水素基、炭素数1〜12の炭化水素オキシ
基、炭素数6〜18の芳香族オキシ基、炭素数6〜32
の炭化水素/芳香族オキシ基、炭素数3〜12のアルキ
ル置換のアミノ基であり、さらに他のエポキシ基、水酸
基、アルコキシシリル基、シロキサンを含んでいてもい
なくてもよい。)で示されるポリエポキシ化合物を非水
有機溶媒中で反応させて 一般式(III)
【0014】
【化6】
【0015】(ここで、Q1 、Q2 、nおよびRは前記
式(I)と同一のものを表す。)で表される分子鎖中に
複数の水酸基を持つヒドロキシル化ポリフェニレンエー
テルを製造する方法を提供するものである。
【0016】<ポリフェニレンエーテル>本発明で使用
する式(I)で示されるポリフェニレンエーテルは、 一般式(I)
【0017】
【化7】
【0018】で示される単独重合体及び共重合体であ
る。ここでQ1 は各々ハロゲン原子、炭素数1〜12の
第1級又は第2級アルキル基、炭素数6〜12のフェニ
ル基、炭素数1〜12のアミノアルキル基、炭素数1〜
12の炭化水素オキシ基、又は炭素数1〜12のハロ炭
化水素オキシ基を表す。Q2は各々水素原子、ハロゲン
原子、炭素数1〜12の第1級もしくは第2級アルキル
基、炭素数6〜12のフェニル基、炭素数1〜12のハ
ロアルキル基、炭素数1〜12の炭化水素オキシ基また
は炭素数1〜12のハロ炭化水素オキシ基を表す。nは
10〜500の数を表す。
【0019】式(I)のQ1 、Q2 の第1低級アルキル
基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、n−ブチル基、n−アミル基、イソアミル基、2−
メチルブチル基、n−ヘキシル基、2,3−ジメチルブ
チル基、2−、3−又は4−メチルペンチル基及びヘプ
チル基である。第2級アルキル基の例は、イソプロピル
基、sec−ブチル基及び1−メチルペンチルである。
多くの場合、各Q1 はアルキル基又はフェニル基、特に
炭素数1から4のアルキル基であり、そして各Q 2 は水
素原子である。
【0020】適切な単独重合体及び共重合体のポリフェ
ニレンエーテルとしては、例えば、ポリ(2,6−ジメ
チル−1,4−フェニレンエーテル)または2,6−ジ
メチル−1,4−フェニレンエーテルと2,3,6−ト
リメチル−1,4−フェニレンエーテルとのランダム共
重合体である。更に、多くの適切なランダム共重合体及
び単独重合体が、特許、文献に記載されている。例え
ば、分子量、溶融粘度及び/又は衝撃強度等の特性を改
良する部分を含むポリフェニレンエーテルも、又、使用
できる。例えば、アクリロニトリル及びスチレン等のビ
ニル芳香族化合物などのビニルモノマー又はポリスチレ
ン及びエラストマーなどのポリマーをポリフェニレンエ
ーテル上にグラフトせしめて得られる樹脂である。
【0021】ポリフェニレンエーテルの分子量は通常ク
ロロホルム中、30℃の極限粘度が0.2〜0.8dl
/g程度である。ポリフェニレンエーテルは、通常前記
のモノマー、例えば2,6−ジメチルフェノールの酸化
カップリングにより製造される。ポリフェニレンエーテ
ルの酸化カップリング重合に関しては、数多くの触媒系
が知られている。触媒の選択に関しては特に制限はな
く、公知の触媒のいずれも用いることが出来る。例え
ば、銅、マンガン、コバルト等の重金属化合物の少なく
とも一種を通常は種々の他の物質との組合せで含むもの
である。
【0022】<ポリエポキシ化合物>ポリフェニレンエ
ーテルの官能化に用いられる前記一般式(II)で示され
るポリエポキシ化合物とは、少なくとも分子内に2個以
上のエポキシ基を持つ化合物である。一般式(II)で示
したポリエポキシ化合物の好適な具体例を挙げると、
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオ
ペンチルグリコールジグリシジルエーテル、3−(N,
N−ジグリシジル)アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、1,3−ビス(3−グリシドキシプロピル)−1,
1,3,3−テトラメチルジシロキサン、エピキュア8
28、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリ
セリンジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコー
ルジグリシジルエーテル、ビスフェノール A ジグリ
シジルエーテル、ビスフェノール F ジグリシジルエ
ーテル、1,3−ブタジエンジエポキシド、1,4−ブ
タンジオ−ルジグリシジルエーテル、1,7−オクタジ
エンジエポキシド、N,N−ジグリシジルアニリン等が
挙げられる。
【0023】<ヒドロキシル化ポリフェニレンエーテル
>一般式(III)で表されるヒドロキシル化ポリフェニレ
ンエーテルは、一般式(I)で示されるポリフェニレン
エーテルと一般式(II)で示されるポリエポキシ化合物
を非水状態で塩基性化合物の存在下、有機溶剤中で反応
させることにより容易に製造できる。
【0024】ここで使用される有機溶媒は原料であるポ
リフェニレンエーテルを溶解可能であることが望まし
い。具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリク
ロルベンゼン等のハロゲン化芳香族溶媒、クロロホル
ム、トリクロルエチレン、四塩化炭素等のハロゲン化炭
化水素溶媒、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル
−2−イミダゾリジノン等の非プロトン性の極性溶媒等
が挙げられる。前記の塩基性化合物としては、ナトリウ
ムメトキシド、ナトリウムエトキシド等のアルコラー
ト、ベンジルジメチルアミン、トリブチルアミン等の三
級アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアル
カリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の
アルカリ金属炭酸塩等が挙げられる。
【0025】本発明の反応は、式(I)で示されるポリ
フェニレンエーテルの末端フェノール性水酸基1モルに
対し、一般式(II)で示されるポリエポキシ化合物1〜
30モル、好ましくは2〜20モルを用いる。有機溶剤
は、ポリフェニレンエーテル100重量部に対して、5
00〜1000重量部使用する。塩基性化合物は、使用
するポリフェニレンエーテルの末端基フェノール性水酸
基1モルに対し、1〜20モル、好ましくは、2〜5モ
ル使用する。
【0026】一般式(III)で示される官能化ポリフェニ
レンエーテル樹脂の製造条件を具体的に説明すると、式
(I)で示されるポリフェニレンエーテルを有機溶媒に
加熱して溶解させ、そこに少量のエタノールまたはメタ
ノールに溶解した塩基性化合物を添加、あるいは、塩基
性化合物の水溶液を添加した後、水を有機溶媒との共沸
により除去し、50〜200℃の温度でポリエポキシ化
合物を加え、さらに反応が完結するまで、0.5〜10
時間程度加熱することにより製造する。
【0027】
【実施例】以下に本発明を実施例により詳細に説明す
る。これらの実施例で用いたポリフェニレンエーテル
は、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエー
テル)(表中PPEと略す。)である。ポリフェニレン
エーテルの末端基フェノール性水酸基の反応率は、ジャ
ーナル・オブ・アプライド・ポリマー・サイエンス・ア
プライド・ポリマー・シンポジウム(Journal
of Applied Polymer Scienc
e;Applied Polymer Symposi
um),34巻(1978年)、103〜117頁に記
載の方法に準じて、反応前後の末端フェノール性水酸基
を定量して計算した。
【0028】水酸基の確認は、ヒドロキシル化ポリフェ
ニレンエーテルの2.0重量%の二硫化炭素溶液を光路
長10mmの石英セルを使用して赤外線吸収スペクトル
分析測定することにより実施した。
【0029】実施例1〜4 ポリフェニレンエーテル(表1に記載のポリスチレン換
算の分子量を持つPPE、日本ポリエーテル製)20.
0g、トルエン200ミリリットルを反応器内に仕込
み、加熱攪拌してポリフェニレンエーテルを溶解させ
た。反応温度まで加熱後、ナトリウムエトキシド0.3
gをエタノール3ミリリットルに溶解して添加し、30
分間攪拌し、官能化試剤であるポリエポキシ化合物の所
定量を10分間で添加し所定温度、時間で加熱攪拌する
ことにより反応を実施した。
【0030】反応終了後、反応混合物を1リットルのメ
タノール中に注ぎ、生成した官能化ポリフェニレンエー
テルを沈澱させた。これを濾別後、再びメタノール1リ
ットルで洗浄し、80℃で減圧加熱乾燥させヒドロキシ
化ポリフェニレンエーテルを得た。赤外線吸収スペクト
ルで3400〜3600cm-1の範囲にヒドロキシ基に
帰属される吸収が観測された。末端フェノール性水酸基
の反応率、分子量測定結果も合わせて表1に示した。
【0031】実施例5 ポリフェニレンエーテル20g(日本ポリエーテル
製)、トルエン200ミリリットルを反応器に仕込み、
加熱攪拌することによりポリフェニレンエーテルを溶解
した。反応温度まで加熱後、50重量%の水酸化ナトリ
ウム水溶液0.5g、さらに相関移動触媒としてトリオ
クチルメチルアンモニウムクロライド1.0gを添加し
た。
【0032】その後、系内の温度を上げ水をトルエンと
共沸させ、ディーンスタークトラップを通すことによ
り、完全に水を除去した。内部の温度を103℃に保
ち、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル1
0.2gを10分かけて添加した。さらに、103℃で
3時間反応を継続した。実施例1と同様に後処理し、ヒ
ドロキシル化ポリフェニレンエーテルを得た。収率は1
00%、フェノール性水酸基の反応率は100%であっ
た。分子量を測定した結果、反応前と反応後の分子量
は、数平均分子量(Mn)がそれぞれ、8990と14
700、重量平均分子量(Mw)がそれぞれ、3110
0と49700であり、2分子カップリングによる分子
量の増加が確認された。赤外線吸収スペクトル分析から
は、3400〜3600cm-1にヒドロキシル基の吸収
が観測された。
【0033】比較例1 水を共沸除去しない他は、実施例5と同様に反応を行っ
た。その結果、収率は、100%、フェノール性水酸基
の反応率は100%であった。GPCを測定した結果、
反応前と反応後の分子量は、数平均分子量(Mn)がそ
れぞれ8990と12800、重量平均分子量(Mw)
は、それぞれ31100と37100であり、大きな分
子量の変化は認められなかった。
【0034】赤外線吸収スペクトルからは、3400〜
3600cm-1にヒドロキシ基の吸収が観測された。こ
の結果から推定すると、ポリフェニレンエーテルの末端
が水酸基化されたものと考えられる。
【0035】
【表1】
【0036】応用例1 実施例1で得られたヒドロキシル化ポリフェニレンエー
テル5gと、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン
(数平均分子量 43,400、重量平均分子量12
9,000、無水マレイン酸のグラフト含量は、1.0
重量%)5gをo−ジクロロベンゼン100ミリリット
ルに溶解して、窒素雰囲気下、172℃で7時間加熱還
流した。
【0037】反応終了後、反応混合物をメタノール1リ
ットル中に注ぎ、反応したポリマーを沈澱させた。濾別
後さらに、メタノール1リットルで洗浄後、80℃で減
圧加熱反応させたところ9.9gのポリマーを回収し
た。次に、得られたポリマー1.6855gをクロロホ
ルム200ミリリットルを溶媒として、9時間ソックス
レー抽出を行い、未グラフトのポリフェニレンエーテル
を抽出除去した。
【0038】その結果、未グラフトのポリフェニレンエ
ーテルは、0.7973gであり、この結果グラフト体
中のポリフェニレンエーテルの含量は、5.12重量%
であることが判明した。 応用例2 実施例1で得た水酸基化ポリフェニレンエーテル50重
量部と応用例1で用いた無水マレイン酸グラフトポリプ
ロピレン50重量部を内容積60ミリリットルの東洋精
機社製のプラストミルにて、230℃、回転数180r
pmの条件にて、10分間溶融混練した。
【0039】これを280℃の条件でプレス成形して厚
み2ミリメートルのシートを作製し物性評価した。対衝
撃強度はJIS K7110に準じて、厚さ2ミリメー
トルの試験片を三枚重ねにして、23℃のノッチ無しア
イゾッド衝撃強度を測定した。その結果、アイゾッド衝
撃強度は、8.2kg・cm/cm2 であった。
【0040】得られた樹脂組成物について、日立製作所
製S−2400型走査型電子顕微鏡により、樹脂組成物
の断面を観察した。その結果、ポリフェニレンエーテル
が球状に分散しているのが観測され、その分散径は1〜
5ミクロン以下であった。 比較応用例 水酸基化ポリフェニレンエーテルの変わりに、未変性の
ポリフェニレンエーテルを用いた他は応用例3と同様の
方法により樹脂組成物を得た。
【0041】これより作製したシートのアイゾッド衝撃
強度は、4.0kg・cm/cm2 であった。この樹脂
組成物の分散径は、20〜50ミクロンの粗大なもので
あった。
【0042】
【発明の効果】実施例に示したように、本発明によれば
水酸基化ポリフェニレンエーテルを高収率に製造でき
る。このものは更に、応用例1、2に示したように、極
性基を有するポリプロピレンと容易に、共重合させるこ
とができ、更に樹脂組成物の耐衝撃性を高めることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例5で得られたヒドロキシル化ポリ
フェニレンエーテル(クロロホルム溶液より調製したキ
ャストフィルム)の赤外線吸収スペクトル図を示す。
【図2】図2は実施例5で得られたヒドロキシル化ポリ
フェニレンエーテルの二硫化炭素溶液中の赤外線吸収ス
ペクトル図を示す。(3575、3460cm-1付近に
水酸基による吸収が観測された。)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (ここで、Q1 は各々、ハロゲン原子、炭素数1〜12
    の第1級又は第2級アルキル基、炭素数6〜12のフェ
    ニル基、炭素数1〜12のアミノアルキル基、炭素数1
    〜12の炭化水素オキシ基、又は炭素数1〜12のハロ
    炭化水素オキシ基を表す。Q2 は各々、水素原子、ハロ
    ゲン原子、炭素数1〜12の第1級もしくは第2級アル
    キル基、炭素数6〜12のフェニル基、炭素数1〜12
    のハロアルキル基、炭素数1〜12の炭化水素オキシ
    基、または炭素数1〜12のハロ炭化水素オキシ基を表
    す。nは10〜500の数を表す。)で示されるポリフ
    ェニレンエーテルと、 一般式(II) 【化2】 (ここで、Rは、二価の基であり、炭素数1〜12の炭
    化水素基、炭素数1〜12の炭化水素オキシ基、炭素数
    6〜18の芳香族オキシ基、炭素数6〜32の炭化水素
    /芳香族オキシ基、炭素数3〜12のアルキル置換のア
    ミノ基であり、さらに他のエポキシ基、水酸基、アルコ
    キシシリル基、シロキサンを含んでいてもいなくてもよ
    い。)で示されるポリエポキシ化合物を非水有機溶媒中
    で反応させて 一般式(III) 【化3】 (ここで、Q1 、Q2 、nおよびRは前記式(I)およ
    び(II)と同一のものを表す。)で表される分子鎖中間
    部に複数の水酸基を持つヒドロキシル化ポリフェニレン
    エーテルを製造する方法。
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